JP5137620B2 - アルカリホスファターゼ標識検出用試薬キット、免疫測定用試薬キット及び免疫測定方法 - Google Patents

アルカリホスファターゼ標識検出用試薬キット、免疫測定用試薬キット及び免疫測定方法 Download PDF

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本発明は、アルカリホスファターゼ(ALP)標識検出用試薬キットに関する。また、本発明は、免疫測定用試薬キット及び免疫測定用試薬キットを用いた免疫測定方法に関する。
アルカリホスファターゼ(以下、ALPとも称する)は、酵素免疫測定法において標識として一般的に使用される酵素である。ALPは、高等動物から細菌までのほとんど全ての生物において見られ、高等動物では臓器特異的なアイソザイムが存在する。血液などの体液には、肝由来ALPや骨由来ALPなどの内因性ALPが含まれることが知られている。このため、ALPを標識として用いた免疫測定の場合、ALP標識だけでなく検体由来の内因性ALPも基質と反応し、これによって正確な測定結果が得られない場合がある。
このような内因性ALPの影響を抑えるのに有用なものとして、内因性ALPに対する阻害剤(以下、内因性ALP阻害剤とも称する)がある。内因性ALPの影響を抑えるために内因性ALP阻害剤を使用した方法としては以下が挙げられる。
特許文献1(特許第3350730号公報)には、内因性ALPの影響を減少させる方法として、ヒトALPに対する阻害剤を含む洗浄組成物を使用することが記載されている。
特許文献2(特開平5−223816号公報)には、CD4などの細胞表面マーカーに結合する抗体にALPを標識し、このALP標識抗体を用いてリンパ球の亜型を分類する方法が記載されている。ここでは、基質を含む約pH9.5の緩衝剤/基質溶液と、レバミゾールを含むpH7.4の細胞洗浄液が使用されている。
特許第3350730号公報 特開平5−223816号公報
特許文献1は、実施例において基質である4−MUP及び内因性ALP阻害剤であるレバミゾールを含む基質/洗浄液を使用している。なお、ALPの至適pHがアルカリ性であることから、一般に、好適な条件下でALP標識と基質を反応させるため、基質を含む試薬はアルカリ性に設定される。そして、特許文献1においても、洗浄液組成物の好ましいpH範囲が約7.0乃至10.0であるということが記載されている。しかしながら、レバミゾールなどの内因性ALP阻害剤は、アルカリ性で不安定化する。ゆえに、特許文献1に記載された洗浄液組成物では内因性ALP阻害剤を安定化して使用できない場合がある。
また、特許文献2では、ALP標識抗体で処理した細胞を、細胞洗浄液で2回洗浄した後に緩衝剤/基質溶液を加えてALP活性による染色を測定している。一般的に、細胞洗浄液は洗浄後に細胞から除かれてしまうので、ALP標識と基質とが反応する反応液中には実質的に細胞洗浄液が含まれない。ゆえに、洗浄時に内因性ALPを十分に阻害できなかった場合、ALP標識と基質とを反応させる際に内因性ALPの影響を除くことができない可能性がある。
上記の課題に鑑み、本発明は、内因性ALP阻害剤の保存安定性に優れ、且つALP標識と基質とを反応させる際に内因性ALPを十分に阻害することができるALP標識検出用試薬キットを提供することを目的とする。また、本発明は、内因性ALP阻害剤の保存安定性に優れ、且つALP標識と基質とを反応させる際に内因性ALPを十分に阻害することができる免疫測定用試薬キット及び免疫測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、目的物質に結合可能なアルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液と、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、前記目的物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される中性又は酸性の補助試薬液と、を含み、前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、ALP標識検出用試薬キットを提供する。
また、本発明は、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、測定対象物質及び第1結合物質を含む複合体を担持するための固相と、複合体中の測定対象物質と結合可能なアルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液と、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、複合体中の測定対象物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される中性又は酸性の補助試薬液と、を含み、前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定用試薬キットを提供する。
また、本発明は、競合法による免疫測定に用いられる免疫測定用試薬キットであって、アルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、測定対象物質及びALP標識化物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、第1結合物質を担持するための固相と、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液を含む基質液と、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される中性又は酸性の補助試薬液と、を含み、前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定用試薬キットを提供する。
また、本発明は、検体中の測定対象物質と、測定対象物質に結合可能なアルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、を含む複合体を固相上に形成する工程、前記複合体中の測定対象物質と結合したALP標識化物質のALPと、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む中性又は酸性の補助試薬液の存在下で反応させる工程、及びALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程、からなり、前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定方法を提供する。
また、本発明は、競合法による免疫測定方法であって、検体と、アルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、ALP標識化物質及び検体中の測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、第1結合物質を担持するための固相とを混合させる工程、固相に担持された第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む中性又は酸性の補助試薬液の存在下で反応させる工程、及びALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程、からなり、前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定方法を提供する。
本発明によれば、内因性ALP阻害剤の保存安定性に優れ、且つALP標識と基質とを反応させる際に検体由来の内因性ALPを十分に阻害することができるALP標識検出用試薬キットを提供することができる。また、本発明によれば、内因性ALP阻害剤を安定化して使用することができ、且つALP標識と基質とを反応させる際に検体由来の内因性ALPを十分に阻害することができる免疫測定用試薬キット及び免疫測定方法を提供することができる。
ALP標識検出用試薬キット
本明細書において「ALP標識検出用試薬キット」とは、ALP標識を検出するために用いられる試薬キットであって、目的物質に結合可能なALP標識化物質と、ALPに対する基質と、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、前記目的物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される補助試薬液とを含み、ALP標識を検出するために用いられる試薬キットである
また、本明細書においてALP標識検出用試薬キットに含まれる「補助試薬液」とは、ALP標識と基質とを反応させる際に添加される試薬である。ALP標識検出用試薬キットにおいて、補助試薬液は基質液とは異なる試薬として設けられている。なお、補助試薬液は、ALP標識と基質とを反応させる際に添加されるものであればよく、例えばALP標識を有する粒子を液相にて分散させた状態で基質と接触させるための粒子分散液として使用されうる。
なお、本明細書における「接触」とは、混合することを含む。
免疫測定用試薬キット
上記のALP標識検出用試薬キットは、固相を用いた免疫測定法において使用される免疫測定用試薬キットとしてもよい。
本実施形態の免疫測定用試薬キットは、固相免疫測定法において使用される、ALP標識を検出するための試薬キットである。上記の固相免疫測定法は、サンドイッチ法を利用したものと競合法を利用したものを含む。ここで、これらの測定法を簡単に説明する。
なお、本明細書における「第1結合物質」は、サンドイッチ法の場合であれば、検体中の測定対象物質と抗原抗体反応により結合可能であり、且つ、固相と結合可能な物質である。また、競合法の場合であれば、「第1結合物質」は、検体中の測定対象物質及びALP標識化物質と抗原抗体反応により結合可能であり、且つ固相と結合可能な物質である。
また、本明細書における「フリーの第1結合物質」とは、検体と、第1結合物質とが混合されて得られた第1結合物質のうち、測定対象物質を含む複合体を形成しなかった、つまり検体中の測定対象物質と結合しなかった第1結合物質を意味する。
固相免疫測定法には、測定対象物質、該測定対象物質に抗原抗体反応により結合する第1結合物質及び固相を接触させて、固相上に少なくとも測定対象物質及び第1結合物質を含む複合体を形成させる工程が含まれる。一般に、上記の複合体は、上記の第1結合物質が上記の固相に固定化されることによって、固相上に担持される。また、この固相上には、上記の複合体だけでなく、測定対象物質と複合体を形成していないフリーの第1結合物質も担持される。
サンドイッチ法では、上記の固相上に担持された物質(複合体とフリーの第1結合物質)のうち、複合体を標識し、この標識の検出結果に基づいて測定対象物質を測定する。
一方、競合法では、固相上に担持された物質(複合体とフリーの第1結合物質)のうち、フリーの第1結合物質を標識し、この標識の検出結果に基づいて測定対象物質を測定する。
なお、上記の第1結合物質は、抗原抗体反応により測定対象物質に結合するものであれば特に限定されない。例えば、測定対象物質が抗体であれば、第1結合物質として、該抗体に特異的に結合する抗原が挙げられる。なお、第1結合物質としての抗原は、測定対象物質である抗体が認識する部位(エピトープ)を有するものであれば特に限定されない。
一方、測定対象物質が抗原であれば、第1結合物質として、該抗原に特異的に結合する抗体が挙げられる。なお、第1結合物質としての抗体は、測定対象物質である抗原に特異的に結合する抗体であれば特に限定されず、抗体のフラグメント及びその誘導体も含む。
具体例としては、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab)2フラグメント、及びsFvフラグメントなどが挙げられる。抗体のクラスはIgG、IgMなどを用いることができるが、これに限定されない。
また、上記の複合体は、固相免疫測定法において固相上に形成される、少なくとも測定対象物質及び第1結合物質を含む複合体であれば特に限定されない。例えば、測定対象物質に結合する一次抗体と、該一次抗体に結合する標識二次抗体を用いて、複合体を標識する場合、上記の複合体は、測定対象物質、第1結合物質及び一次抗体を含みうる。
ALP標識化物質は、目的物質に結合する第2結合物質と、ALPとを含む。
ここで「目的物質」とは、ALP標識を行う対象となる物質であって、サンドイッチ法であれば、測定対象物質と第1結合物質とによって形成される複合体中の測定対象物質であり、競合法であれば、フリーの第1結合物質である。
よって、サンドイッチ法の場合、ALP標識化物質は、上記の工程で得られた固相上の複合体又はフリーの第1結合物質のうち、複合体に結合可能な第2結合物質をALPで標識したものを使用することができる。競合法の場合、ALP標識化物質は、上記の工程で得られた固相上の複合体又はフリーの第1結合物質のうち、フリーの第1結合物質に結合可能な第2結合物質をALPで標識したものを使用することができる。
上記の第2結合物質は、免疫測定法において使用されるものであれば特に限定されず、測定対象物質の種類、測定法などにより適宜選択されうる。
例えば、サンドイッチ法を利用した免疫測定法において測定対象物質が抗原の場合、第2結合物質は、測定対象物質である抗原に、直接的又は間接的に結合するものである。
抗原に直接的に結合する第2結合物質としては、抗原に特異的に結合する抗体を用いることができる。該抗体は、測定対象物質である抗原に特異的に結合する抗体であれば特に限定されず、抗体のフラグメント及びその誘導体も含む。具体例としては、Fabフラグメント、F(ab')フラグメント、F(ab)2フラグメント、及びsFvフラグメントなどが挙げられる。抗体のクラスはIgG、IgMなどを用いることができるが、これに限定されない。なお、この場合、第1結合物質としての抗体と第2結合物質としての抗体は、抗原の異なる部位(エピトープ)を認識することが好ましい。
また、測定対象物質である抗原に間接的に結合する第2結合物質としては、抗原に特異的に結合する一次抗体に結合可能な二次抗体を用いることができる。この場合、二次抗体は、一次抗体を介して測定対象物質に結合することができる。二次抗体としては、例えば、ヒトの抗体に対するIgG、IgM、IgYなどの抗体が挙げられる。さらに、上記の一次抗体にビオチンを付加する場合、上記の二次抗体の代わりにアビジン類を第2結合物質として使用することができる。
上記の一次抗体は、測定対象物質である抗原に特異的に結合する抗体であれば特に限定されず、抗体のフラグメント及びその誘導体も含む。なお、この場合、第1結合物質としての抗体と第2結合物質としての一次抗体は、抗原の異なる部位(エピトープ)を認識することが好ましい。上記の二次抗体は、一次抗体に結合する抗体であれば特に限定されず、抗体のフラグメント及びその誘導体も含む。
また、サンドイッチ法を利用した免疫測定法において測定対象物質が抗体の場合、第2結合物質は、測定対象物質である抗体に結合可能なものである。このような第2結合物質としては、抗体に結合可能な抗原や抗体を用いることができる。なお、第2結合物質としての抗体は、ヒトの抗体に対するIgG、IgM、IgYなどの抗体が挙げられる。
また、競合法を利用した免疫測定法において測定対象物質が抗原の場合、第2結合物質としては、固相上に固定化された第1結合物質としての抗体に結合可能なものである。具体的には、第1結合物質としての抗体に結合可能な抗原を用いることができる。なお、第2結合物質としての抗原は、第1結合物質としての抗体が認識する部位(エピトープ)を有するものであれば特に限定されない。
また、競合法を利用した免疫測定法において測定対象物質が抗体の場合、第2結合物質は、固相上に固定化された第1結合物質としての抗原に結合可能なものである。具体的には、第1結合物質としての抗原に結合可能な抗体である。なお、第2結合物質としての抗体は、第1結合物質としての抗原に特異的に結合する抗体であれば特に限定されず、抗体のフラグメント及びその誘導体も含む。
標識に使用されるALPとしては、補助試薬液に含まれる内因性ALP阻害剤により阻害されないものであれば特に限定されない。例えば、腸由来ALP、菌由来ALPなどが挙げられる。腸由来ALPとしては、例えば、ウシ腸由来ALPなどが挙げられる。また、菌由来ALPとしては、例えば、大腸菌由来ALP、酵母由来ALPなどが挙げられる。比活性や生産性の観点から、腸由来ALPを用いることが好ましい。また、標識に使用されるALPは、天然から単離してもよいし、遺伝子組み換え法、化学合成法などの従来公知の方法により合成したものであってもよい。
標識として使用されるALPの至適pHは、その種類により異なるが、腸由来ALPの至適pHであればpH9〜10程度であり、菌由来ALPであればpHは8〜9程度である。
上記の第2結合物質にALPを標識する方法は、公知の方法を利用することができる。ALPを標識する方法としては、例えば、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸架橋法、マレイミド架橋法、カルボジイミド法、活性化エステル法などが挙げられる。
免疫測定用試薬キットにおいて、ALP標識化物質は、緩衝液中に溶解した液体の形態であってもよいし、又は用時に水などの液体を加えて用いるための、凍結乾燥することなどにより得られる固体の形態であってもよい。試薬キットの使用操作の簡便性の観点から、ALP標識化物質は緩衝液中に溶解した液体の形態であることが好ましい。
補助試薬液は、固相免疫測定において使用されるものであり、内因性ALPを阻害するための阻害剤(以下、内因性ALP阻害剤とも称する)を含み、複合体中の測定対象物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される試薬である。
また、補助試薬液は、競合法による固相免疫測定において使用されるものであり、内因性ALP阻害剤を含み、第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される薬液である。
すなわち、補助試薬液は、内因性ALP阻害剤を含む試薬であり、固相免疫測定法において固相上のALP標識と基質とを反応させる際に添加される試薬である。なお、補助試薬液は、固相上のALP標識と基質とを反応させる際に添加されるものであればよく、例えば固相として粒子を用いる場合、ALP標識を有する粒子を液相にて分散させた状態で基質と接触させるための粒子分散液として使用することができる。
内因性ALP阻害剤としては、標識用のALPを阻害せず、検体由来の内因性ALPを阻害するものであれば特に限定されない。代表的な内因性ALP阻害剤としては、レバミゾールが挙げられる。レバミゾールは、化学的には(−)2,3,5,6−テトラヒドロ−6−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕チアゾールである。また、レバミゾールの多くの同族体が公知であり、これら同族体も内因性ALP阻害剤として使用できる。このような同族体としては、例えば、レバミゾールのフェニル環に炭素数1〜6の低級アルキル基の置換基を有する同族体、レバミゾールのフェニル環にクロロ,ブロモのようなハロゲン基の置換基を有する同族体などが挙げられる。さらに、レバミゾールのラセミ形であるテトラミゾールも内因性ALP阻害剤として使用できる。そのような同族体としては、テトラミゾール、L−p−ブロモテトラミゾールが例示できる。その他にも、内因性ALP阻害剤として5,6−ジヒドロ−6−(2−ナフチル)イミダゾ−〔2,1−b〕チアゾールなどが挙げられる。
上記の内因性ALP阻害剤は、アルカリ性で不安定になることが知られている。ゆえに、試薬中の内因性ALP阻害剤の保存安定性の観点から、補助試薬液は内因性ALP阻害剤が安定なpHとすることが好ましい。補助試薬液のpHとしては、例えば、中性又は酸性であることが好ましい。具体的には、補助試薬液のpHとしては、pH4〜8が好ましく、pH6〜7がより好ましい。
免疫測定用試薬キットにおいて、基質液は、ALP標識の至適pHであるアルカリ性となりうる。しかしながら、免疫測定用試薬キットにおいて、補助試薬液は基質液とは異なる試薬として設けられている。ゆえに、基質液がアルカリ性となった場合であっても、それにともなって内因性ALP阻害剤が不安定化することはなく、内因性ALP阻害剤が安定な条件で試薬に補助試薬液に含有させることができる。これによって、内因性ALP阻害剤の保存安定性に優れた試薬キットを提供することができる。
さらに、補助試薬液は、固相上のALP標識と基質とを反応させる際に添加される。すなわち、洗浄液とは異なり、固相と基質液とが混合される前に除かれることはないので、ALP標識と基質とを反応させる際に内因性ALPを十分に阻害することができる。
そして、このような補助試薬液を含む免疫測定用試薬キットを使用することにより、長期間にわたって正確な免疫測定を行うことが可能になる。
上記の補助試薬液は、適切な緩衝液中に上記の内因性ALP阻害剤を溶解した溶液の形態が好ましい。補助試薬液に含まれる緩衝剤としては、中性又は酸性で使用可能なものが好ましい。具体的には、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、MES(2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−N、N'−ビス(2−エタンスルホン酸)、MOPS(3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸)、HEPES(2−〔4−(2ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸)、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、又はトリシン(N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン)、TEA(トリエタノールアミン)等などが挙げられる。また、緩衝剤としてはアルカリ性付近に緩衝能を有さない緩衝剤が好ましく、具体的にはMESが挙げられる。
補助試薬液中の緩衝剤の濃度は、使用する緩衝剤の種類によって適宜選択される。補助試薬液の緩衝剤の濃度は、例えば、2mM〜100mMが好ましく、3mM〜50mMがより好ましく、5mM〜20mMが最も好ましい。
なお、ALP標識と基質液に含まれる基質との反応液には補助試薬液も含まれているが、ALPの至適pHがアルカリ性であることから、この反応液はアルカリ性となることが好ましい。ゆえに、免疫測定用試薬キットにおいて、反応液に含まれうる補助試薬及び後述する基質液のpH、緩衝剤の種類、緩衝剤の濃度等は、反応液がアルカリ性となるように設定されていることが好ましい。
基質液は、ALPに対する基質を含む。基質としては、当該技術において公知のALPに対する発光基質や発色基質などを用いることができる。ALPに対する化学発光基質としては、例えば、AMPPD(3−(2'−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3''−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン・2ナトリウム塩)、CDP−star(登録商標)(4−クロロ−3−(メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2'−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)、CSPD(登録商標)(3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)などが挙げられる。また、ALPに対する発色基質としては、p−ニトロフェニルホスフェート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸(BCIP)、4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT)、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)などが挙げられる。
ALP標識と上記の発光基質や発色基質とを接触させると、酵素反応が生じ、この反応により生じる反応産物の発光や発色を検出することにより、ALP標識を検出することができる。
上記の基質液は、適切な緩衝液中に上記の基質を溶解した溶液の形態が好ましい。基質の濃度は、基質の種類により適宜選択できる。緩衝液は、基質の種類により適宜選択でき、当該技術において公知のものを用いることができる。
なお、標識のALPの至適pHがアルカリ性であることから、基質液はアルカリ性であることが好ましい。基質液のpHとしては、ALP標識と基質とが接触する反応液がアルカリ性になるようなpHであれば特に限定されない。基質液のpHとしては、pH8〜12が好ましく、pH9〜11がより好ましい。
また、上述したように補助試薬液は中性又は酸性でありうる。ゆえに、補助試薬液のpHの影響を受けて、ALP標識と基質とが接触する反応液中のpHがアルカリ性でなくなる可能性がある。ゆえに、補助試薬液のpHの影響を低減するために、基質液の緩衝能を補助試薬液よりも大きくすることが好ましい。基質液と補助試薬液の緩衝能を調節する方法は、特に限定されず公知の方法を利用することができる。一般に、緩衝液は、緩衝剤の濃度が濃いほど緩衝能が大きくなることが知られている。ゆえに、基質液の緩衝剤の濃度を補助試薬液よりも高く設定することにより、基質液の緩衝能を補助試薬液よりも大きくすることができる。このような緩衝剤の濃度は、使用する緩衝剤の種類により適宜選択できる。基質の緩衝剤の濃度は、例えば、補助試薬液の緩衝剤の濃度に対して少なくとも2倍となるように設定することが好ましく、5倍〜20倍にすることがより好ましく、8〜15倍にすることが最も好ましい。具体的には、基質の緩衝剤の濃度は、4mM〜1000mMが好ましく、10mM〜500mMがより好ましく、50mM〜200mMが最も好ましい。
また、上記の補助試薬液に含まれる緩衝剤をアルカリ性付近に緩衝能を有さない緩衝剤とすることにより、基質液の緩衝能を補助試薬液よりも大きくすることができる。
基質液に含まれる緩衝剤としては、アルカリ性で使用可能なものが好ましい。具体的には、グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン(TRIS)、エチルアミノエタノール(EAE)、ジエタノールアミン(DEA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)が挙げられる。この中でも、ALPの至適pHに緩衝能を有するDEAやAMPが好ましい。
上記の免疫測定用試薬キットは、ALPを標識として用いる免疫測定法の中でも、特に固相を用いた免疫測定において使用される試薬キットである。このような免疫測定法としては、ALPを標識として使用されるものであれば特に限定されない。具体的には、EIA、ELISAなどが挙げられる。
また、固相としては、通常の免疫測定法において用いられる固相であれば特に限定されない。該固相の材料としては、例えば、ラテックス、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、スチレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)、シリコーンなどのポリマー材料;アガロース;ゼラチン;赤血球;シリカゲル、ガラス、不活性アルミナ、磁性体などの無機材料などが挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
また、固相の形状としては、免疫測定に用いられる通常の固相の形状であれば特に限定されず、マイクロタイタープレート、試験管、ビーズ、粒子、ナノ粒子などが挙げられる。粒子としては、磁性粒子、ポリスチレンラテックスのような疎水性粒子、粒子表面にアミノ基、カルボキシル基などの親水基を有する共重合ラテックス粒子、赤血球、ゼラチン粒子などが挙げられる。測定の自動化の観点から、固相としては磁性粒子、ラテックス粒子などが好ましく、この中でも磁性粒子がより好ましい。
磁性粒子は、磁性を有する材料を基材として含む粒子である。このような磁性粒子は当該技術において公知であり、基材として例えばFe2O3及び/又はFe3O4、コバルト、ニッケル、フェライト、マグネタイトなどを用いたものが知られている。磁性粒子の表面へのタンパク質などの結合を目的として、基材の表面をポリマーなどで被覆したものなどがより好ましい。
上記の免疫測定用試薬キットにおいて、ALP標識化物質、基質液、補助試薬液は別々にパッケージされている。図1は、ALP標識化物質、基質液及び補助試薬液が溶液の形態である場合の試薬キットの一例である。図1では、ALP標識化物質は第1の試薬容器1に収容されており、基質液は第2の試薬容器2に収容されており、補助試薬液は第3の試薬容器3に収容されている。なお、免疫測定用試薬キットは、所望により、別の試薬を別の試薬容器に収容したものを備えてもよい。さらに、免疫測定用試薬キットは、所望により、試薬の1つ又は複数を希釈するための1種又は複数の緩衝液、使用説明書、反応に用い得る容器などを備えてもよい。
記の免疫測定用試薬キットは、固相を用いた免疫測定法において使用される他の試薬を含んで構成されてもよい。
具体的には、免疫測定用試薬キットは、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、測定対象物質及び第1結合物質を含む複合体を担持するための固相と、複合体中の測定対象物質と結合可能なALP標識化物質と、ALPに対する基質を含む基質液と、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、複合体中の測定対象物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される補助試薬液と、を含む。
また、免疫測定用試薬キットは、競合法による免疫測定に用いられる免疫測定用試薬キットであって、ALP標識化物質と、測定対象物質及びALP標識化物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、第1結合物質を担持するための固相と、ALPに対する基質を含む基質液と、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される補助試薬液と、を含む。
上記の第1結合物質は、上記において例示したものを使用することができる。免疫測定用試薬キットにおいて、第1結合物質は、液体の形態であってもよいし、用時に適切な溶媒(例えば水や緩衝液など)に溶解して用いる固体の形態であってもよい。
試薬キットの使用操作の簡便性の観点から、第1結合物質は溶媒中に溶解した液体の形態であることが好ましい。緩衝液は、免疫測定に通常用いられる緩衝液を用いることができ、例えばPIPES、TEA、トリス、MES、リン酸緩衝液などを含む。
上記の固相は、上記において例示した固相を使用することができる。免疫測定用試薬キットにおいて、固相は、液体に懸濁又は接触された形態であってもよいし、用時に適切な溶媒(例えば水や緩衝液など)に懸濁又は接触して用いる固体の形態であってもよい。試薬キットの使用操作の簡便性の観点から、上記の固相は溶媒に懸濁又は接触された形態であることが好ましい。緩衝液は、免疫測定に通常用いられる緩衝液を用いることができ、例えばPIPES、TEA、トリス、MES、リン酸緩衝液などを含む。
免疫測定用試薬キットにおいて、第1結合物質は固相上に固定化されていてもよいし、固定化されていなくてもよい。
第1結合物質が固相上に固定化されている場合、免疫測定用試薬キットは、例えば、第1結合物質が固定化した固相を含む試薬と、ALP標識化物質と、基質液と、補助試薬液とを含む。この免疫測定用試薬キットを用いて免疫測定を行う場合には、検体と、第1結合物質が固定化した固相を含む試薬と、ALP標識化物質とを混合する順序は、特に限定されない。
この試薬キットを用いた免疫測定の一例を以下に説明する。まず、検体と固相を含む試薬とが混合されて、測定対象物質と第1結合物質とを含む複合体が固相上に形成される。次に、複合体を担持する固相とALP標識化物質とが混合されて、固相上の複合体にALP標識化物質が結合する。そして、ALP標識化物質が結合した複合体を担持する固相に補助試薬液及び基質液が添加され、固相上のALP標識と基質液に含まれる基質とを、内因性ALP阻害剤を含む補助試薬液の存在下で反応させる。これにより、ALP標識と基質が接触する溶液中で、検体由来の内因性ALPを効果的に阻害しつつ、ALP標識と基質による酵素反応を生じさせることができる。そして、ALP標識と基質による酵素反応により生じた反応産物の発光や発色を検出することにより、測定対象物質を正確に測定することができる。
第1結合物質を固相上に固定化する方法は、公知である。該固定化は、例えば物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法、これらの組み合わせなどにより行うことができる。
また、ビオチンとアビジン類の結合を介して、第1結合物質を固相に固定化することもできる。なお、第1結合物質の固相への固定化を仲介する物質の組み合わせとしては、上記のビオチンとアビジン類以外に、ハプテンと抗ハプテン抗体、ニッケルとヒスチジンタグ、グルタチオンとグルタチオン−S−トランスフェラーゼなどが挙げられる。ハプテンと抗ハプテン抗体としては、例えば、DNPと抗DNP抗体が挙げられる。
なお、本明細書において「アビジン類」は、アビジン及びストレプトアビジンを含むことを意味する。
また、第1結合物質が固相上に固定化されていない場合、免疫測定用試薬キットは、例えば、第1結合物質を含む試薬と、固相を含む試薬と、ALP標識化物質と、基質液と、補助試薬液とを含む。この免疫測定用試薬キットを用いてサンドイッチ法による免疫測定を行う場合には、検体と、第1結合物質を含む試薬と、固相を含む試薬と、ALP標識化物質とを混合する順序は、特に限定されない。
この試薬キットを用いた免疫測定の一例を以下説明する。まず、検体と第1結合物質を含む試薬とが混合されて、測定対象物質と第1結合物質とを含む複合体が形成される。次に、この複合体と固相を含む試薬とが混合されて、複合体が固相上に担持される。次に、複合体を担持する固相とALP標識化物質とが混合されて、複合体にALP標識化物質が結合する。そして、ALP標識化物質が結合した複合体を担持する固相に補助試薬液及び基質液が添加され、固相上のALP標識と基質液に含まれる基質とを、内因性ALP阻害剤を含む補助試薬液の存在下で反応させる。これにより、ALP標識と基質が接触する溶液中で、検体由来の内因性ALPを効果的に阻害しつつ、ALP標識と基質による酵素反応を生じさせることができる。そして、ALP標識と基質による酵素反応により生じた反応産物の発光や発色を検出することにより、測定対象物質を正確に測定することができる。
なお、この免疫測定用試薬キットを用いて競合法による免疫測定を行う場合には、検体と、第1結合物質を含む試薬と、固相を含む試薬とを混合したのち、ALP標識化物質を混合させる場合と、検体と、第1結合物質を含む試薬と、ALP標識化物質とを混合したのち、固相を含む試薬を混合させる場合とがありうる。
第1結合物質が固相上に固定化されていない場合、第1結合物質に固相結合部位が付加されており、固相に固相結合部位と結合可能な第3結合物質が固定化されていることが好ましい。これにより、測定対象物質と第1結合物質とを含む複合体を固相上に形成することができる。
固相結合部位と第3結合物質は、試薬キットを用いる条件下で接触させたときに特異的に結合できる物質の組み合わせであれば特に限定されない。これらの組み合わせは、例えばビオチンとアビジン類、ハプテンと抗ハプテン抗体、ニッケルとヒスチジンタグ、グルタチオンとグルタチオンン−S−トランスフェラーゼなどが挙げられる。ハプテンと抗ハプテン抗体としては、例えば、DNPと抗DNP抗体が挙げられる。好ましくは、ビオチンとアビジン類との組み合わせである。より好ましくは、固相結合部位がビオチンを含み、第3結合物質がアビジン類である。固相結合部位と第3結合物質との組み合わせの各々の物質は、どちらを粒子に固定化してもよく、特に限定されない。
また、第3結合物質がアビジン類である場合、アビジン類と結合可能な物質、例えばビオチンが結合した固相にアビジン類を結合させる方法により、アビジン類を固相に固定化することができる。また、特開2006−226689号公報に記載の方法により、アビジン類を固相に固定化することも可能である。
また、アビジン類を結合させた固相は、例えばJSR株式会社やダイナルバイオテック社などから購入することもできる。
なお競合法の場合は、ALP標識化物質として、固相上のフリーの第1結合物質に結合するALP標識化物質を用いる。
また、例えば、固相が粒子であり補助試薬液として粒子分散液を使用する場合、ALP標識化物質が結合した複合体を担持する粒子が粒子分散液中に分散され、そこに基質液が添加される。
免疫測定方法
上記の免疫測定用試薬キットは、免疫測定方法に利用することができる。このような免疫測定方法は、検体中の測定対象物質と、測定対象物質に結合可能なALP標識化物質と、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能であり、且つ固相に結合可能な第1結合物質と、を含む複合体を固相上に形成する工程、前記複合体中の測定対象物質と結合したALP標識化物質のALPと、基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む補助試薬液の存在下で反応させる工程、及びALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程、を含む。
また、このような免疫測定方法は、競合法による免疫測定方法であって、検体と、ALP標識化物質と、ALP標識化物質及び検体中の測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、第1結合物質を担持するための固相とを混合させる工程、固相に担持された第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと、基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む補助試薬液の存在下で反応させる工程、及びALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程、を含む。
上記の免疫測定方法において、検体中の測定対象物質と、測定対象物質に結合可能なALP標識化物質と、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能であり、且つ固相に結合可能な第1結合物質と、を含む複合体を固相上に形成する工程は、検体中の測定対象物質と、ALP標識化物質と、第1結合物質と、固相とを混合することにより行うことができる。検体中の測定対象物質と、ALP標識化物質と、第1結合物質と、固相とを混合する方法については、上記の免疫測定用試薬キットで記載したような方法を用いることができる。
上記の競合法による免疫測定方法において、検体と、ALP標識化物質と、ALP標識化物質及び検体中の測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、第1結合物質を担持するための固相とを混合させる工程は、上記の競合法による免疫測定用試薬キットで記載したような方法を用いることができる。
また、上記の免疫測定用試薬キットで記載したように、第1結合物質は、固相上に固定化されていてもよいし、固定化されていなくてもよい。
上記の測定対象物質としては、通常、免疫測定によりその存在を検出できるか又はその量を定量できる物質であれば、特に限定されない。例えば、タンパク質、糖類、リポタンパク質、ホルモンなどが挙げられる。このような測定対象物質は、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びそれに対する抗体、ヒトT細胞向性ウイルス1型(HTLV−1)及びそれに対する抗体、C型肝炎ウイルス(HCV)及びそれに対する抗体、B型肝炎ウイルス(HBV)及びそれに対する抗体、癌胎児性抗原(CEA)、C反応性タンパク質(CRP)、梅毒トレポネーマ(TP)抗体、α1−アンチトリプシン、α1−ミクログロブリン、β2−ミクログロブリン、ハプトグロブリン、トランスフェリン、セルロプラスミン、フェリチン、アルブミン、ヘモグロビンA1、ヘモグロビンA1C、ミオグロビン、ミオシン、デュパン−2、α−フェトプロテイン(AFP)、組織ポリペプチド抗原(TPA)、アポリポタンパクA1、アポリポタンパクE、リウマチ因子、抗ストレプトリジンO(ASO)、アンチトロンビンIII(AT−III)、プラスミン・α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TAT)、トロンボモジュリン(TM)、組織プラスミノゲンアクチベーター・プラスミノゲンアクチベーターインヒビターI複合体(tPAI・C)、甲状腺ホルモン(サイロキシン(T3)、遊離サイロキシン(FT3)、トリオードサイロニン(T4)、遊離トリオードサイロニン(FT4))、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、コルチゾール、インスリン、などを含む。
上記のような測定対象物質を含む検体は、血液、血漿、血清、尿などの検体、及びこのような検体を前処理することにより得られる試料を含む。上記の前処理としては、例えば遠心分離やろ過などによる不溶物の除去などが挙げられる。
上記の測定対象物質に特異的に結合する抗原又は抗体は、免疫測定用試薬キットで記載したものを使用することができる。また、上記の固相としての粒子は、免疫測定用試薬キットで記載したものを使用することができる。
上記の免疫測定方法において、複合体中の測定対象物質と結合したALP標識化物質のALPと、基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む補助試薬液の存在下で反応させる工程は、上記の免疫測定用試薬キットにおいて記載した方法によって行うことができる。
また、上記の競合法による免疫測定方法において、固相に担持された第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと、基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む補助試薬液の存在下で反応させる工程は、上記の免疫測定用試薬キットにおいて記載した方法によって行うことができる。
この工程により、ALP標識と基質が接触する溶液中で、検体由来の内因性ALPを効果的に阻害しつつ、ALP標識と基質による酵素反応を生じさせることができる。そして、ALP標識と基質による酵素反応により生じた反応産物の発光や発色を検出することにより、測定対象物質を正確に測定することができる。
ALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程は、当該技術で公知の方法を利用して行うことができる。反応産物の検出は、反応産物から発生する光や色などを適切な装置を用いて測定することにより行うことができる。該装置としては、分光光度計、ルミノメータなどが挙げられる。
以下、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例で使用した試薬は以下の通りである。
(1)HBs抗体試薬の調製
特開2006−321746号公報に記載のハイブリドーマHBs−1053が産生する1053抗体を、HBs抗体として用いた。そして、このHBs抗体をBiotinylation Kit (Sulfo-OSu)((株)同仁化学研究所)を用いてHBs抗体をビオチン化した。得られたビオチン化HBs抗体を、1.0μg/mLとなるように0.1M MES緩衝液(pH6.5)に溶解し、これをHBs抗体試薬とした。
なお、ハイブリドーマHBs−1053は、シスメックス株式会社により国際寄託されたものであり、国際受託番号FERM BP−10582が付与されている。
(2)磁性粒子試薬の調製
市販のストレプトアビジン磁性粒子(以下、ST磁性粒子とも称する)(平均粒径2μm)を、1%となるように20mM MES緩衝液(pH6.5)に溶解し、これを磁性粒子試薬とした。
(3)ALP標識化HBs抗体試薬の調製
特開2006−321746号公報に記載のハイブリドーマHBs−149が産生する149抗体を、HBs抗体として用いた。そして、このHBs抗体をEMCS((株)同仁化学研究所)を用いてHBs抗体をALP標識した。得られたALP標識化HBs抗体を、0.3U/mLとなるように0.1M MES緩衝液(pH6.5)に溶解し、これをALP標識化HBs抗体試薬とした。
なお、ハイブリドーマHBs−149は、シスメックス株式会社により国際寄託されたものであり、国際受託番号FERM BP−10583が付与されている。
(4)粒子分散液の調製
内因性ALP阻害剤としてレバミゾールを含む粒子分散液を調製した。粒子分散液の組成は以下の通りである。
粒子分散液の組成
10mM MES緩衝液(pH6.5)
1mM又は2mM レバミゾール塩酸塩(東京化成工業(株))
(5)基質液
CDP−star(登録商標)(Applied Biosystems)
参考例1
本例では、上記(4)で調製された粒子分散液中に含まれる内因性ALP阻害剤の保存安定性を調べた。なお、本例で使用した粒子分散液のレバミゾールの濃度は1mMであった。
具体的には、まず上記の粒子分散液を用いて以下の加速試験を実施した。加速試験では粒子分散液を50mL容器(材質:ポリプロピレン)に入れ、暗所にて55℃で6日間静置した。静置後、容器ごと室温に戻し、粒子分散液を容器から分光光度計用セルに移して析出の有無を確認した。
比較のために、特開平2−207800号公報に記載の高pHアミン緩衝液にレバミゾールを混合した試薬(比較試薬1)を用いた。特開平2−207800号公報には、ALPを用いた免疫測定のためのキットが記載されており、内因性ALP阻害剤とともに2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどの特定アミンを含有させることにより、高pHにおいてもレバミゾールを安定化できることが記載されている。
比較試薬1の組成は以下の通りである。実験方法は、粒子分散液を比較試薬1に変えた以外は、上記と同様である。
比較試薬1の組成
0.1M AMP緩衝液(pH9.6)
1mM レバミゾール塩酸塩(東京化成工業(株))
上記の実験の結果を図2に示した。図2は、加速試験後の各試薬を入れた分光光度計用セルの側面の写真である。図2中の()は粒子分散液を用いた場合の結果であり、図2中の()は比較試薬1を用いた場合の結果である。
上述したように、比較試薬1は、緩衝液として特開平2−207800号公報に記載の高pHアミン緩衝液を使用した試薬である。特開平2−207800号公報には、AMPなど特定の高pHアミン緩衝液中では、アルカリ性の条件下であってもレバミゾールは安定であると記載されている。しかしながら、図2の()の結果より、比較試薬1で溶液中に析出が確認された。この析出物を分析したところ、レバミゾールに由来する析出物であることがわかった(データは示していない)。これより、比較試薬1では、レバミゾールの保存安定性が悪いことがわかった。
一方、図2の()の結果より、粒子分散液では全く析出が確認されなかった。以上のことから、粒子分散液は、内因性ALP阻害剤の保存安定性に優れているということがわかった。
実施例1
本例では、上記(4)で調製された粒子分散液中に含まれる内因性ALP阻害剤による、内因性ALPの影響を低減する効果を調べた。なお、本例で使用した粒子分散液のレバミゾールの濃度は2mMであった。
具体的には、まず上記(1)〜(5)で調製した試薬を用いてHBs抗原陰性検体の発光強度を測定した。測定方法は以下の通りである。
まず、検体25μLと上記のHBs抗体試薬30μLを混合し、42℃にて約3分間インキュベートし、検体中のHBs抗原とHBs抗体試薬中のビオチン化HBs抗体とを反応させた。続いて、この混合液に上記の磁性粒子試薬30μLを添加し、約2分間インキュベートし、HBs抗原とビオチン化HBs抗体からなる複合体をST磁性粒子上に固定化した。このST磁性粒子を洗浄液(0.1% Tween20、20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5))約150μLで3回洗浄した後、洗浄液が除かれたST磁性粒子に上記のALP標識化HBs抗体試薬100μLを加え、42℃にて約3分間インキュベートし、ST磁性粒子上の複合体にALP標識化HBs抗体を結合させた。このST磁性粒子を上記の洗浄液約150μLで3回洗浄した。洗浄液が除かれたST磁性粒子に上記の粒子分散液50μLを加えて、ST磁性粒子を粒子分散液中に分散させた後、ここに上記の基質液100μLを添加し、LUMI−COUNTER 700((株)マイクロテック・ニチオン)を用いて発光強度を測定した。
検体としては、41種類のHBs抗原陰性血清(陰性血清1〜41)を用いた。また、ネガティブコントロールとしてBSAを含有する0.1M TEA緩衝液(5% BSA、pH7.0)を用いて測定をおこなった。さらに、ポジティブコントロールとしてHBs抗原陽性血清を用いて測定をおこなった。結果を、表1及び表2に示す。
また、比較のために、レバミゾールを含有する粒子分散液の代わりに、レバミゾールを含有しない10mM MES緩衝液(pH6.5)(比較試薬2)用いて、測定を行った。測定方法は、上記の粒子分散液の代わりに比較試薬2を使用した以外は、上記と同様である。結果を、表1及び表2に示す。
Figure 0005137620
Figure 0005137620
表中において、「NP」はネガティブコントロールであり、「PC」はポジティブコントロールである。また、「レバミゾールあり」の欄には、レバミゾールを含有する粒子分散液を用いた測定で得られた発光強度のカウント値(Counts)を示した。「レバミゾールなし」の欄には、レバミゾールを含有しない比較試薬2を用いた測定で得られた蛍光強度のカウント値(Counts)を示した。
さらに、図3及び4は、発光強度のカウント値に対する各陰性検体の分布状態を示す分布図(ヒストグラム)である。これらの分布図では、横軸を100カウント毎に区間を分けたカウント値とし、縦軸を各区間に含まれる検体数としている。また、HBsAgが0.03U/mLとなるカウント数を求め、これをカットオフ値とした。図3のカットオフ値は3092であり、図4のカットオフ値は2855であった。カットオフ値以上であると陽性と判定でき、カットオフ値未満であれば陰性と判定できる。図3は、レバミゾールを含有しない比較試薬2を用いた場合の結果であり、表1及び2の「レバミゾールなし」の欄の発光強度のカウント数に基づいて作成された。図4は、レバミゾールを含有する粒子分散液を用いた場合の結果であり、表1及び2の「レバミゾールあり」の欄の発光強度のカウント数に基づいて作成された。
図3及び図4の結果から、レバミゾールを含む粒子分散液を用いることにより、陰性検体から得られた発光強度のばらつきが少なくなり、測定に用いた全ての陰性検体のカウント値が約800〜1300となった。特に、図3で比較的高いカウント値(約1500〜2700)を示した陰性検体について、図4ではそのカウント値が低くなり、その分布が低値側にシフトした。これは、それら陰性検体が、内因性ALPの影響が比較的大きい検体であることを示す。そして、レバミゾールを含む粒子分散液を用いることにより、そのような検体における内因性ALPを阻害し、その影響を効果的に除去することが可能であることがわかった。また、図3でカットオフ値付近にカウント値を示した陰性検体について、図4ではそのカウント値が低くなり、その分布が低値側にシフトした。これにより、レバミゾールを含む粒子分散液を用いることにより、内因性ALPの影響を効果的に除去して擬陽性の発生を防ぐことができることがわかった。
以上のことから、内因性ALP阻害剤を含む補助試薬液が内因性ALP阻害剤の保存安定性に優れており、この補助試薬液を含む試薬キットを用いることにより内因性ALPを効果的に阻害して精度の高い測定結果が得られることがわかった。
また、例えば、内因性ALP阻害剤を含む補助試薬液を使用する方が、ALP標識と基質による酵素反応の反応液中に必要な量の内因性ALP阻害剤を存在させることができるという点で、内因性ALP阻害剤を含む洗浄液を使用するよりも有利である。さらに、粒子を固相として用い、補助試薬液を粒子分散液として用いた免疫測定では、1測定における粒子分散液の使用量よりも洗浄液の使用量が多くなる場合がある。例えば、上記の実施例では、1回の測定において粒子分散液が50μLであるのに対し、洗浄液は約900μLとなる。このように、内因性ALP阻害剤を含む補助試薬液(粒子分散液)を使用する方が、内因性ALP阻害剤を含む洗浄液を使用するよりも内因性ALP阻害剤に係るコストを低減させることが可能である。
本発明の免疫測定用試薬キットの一実施形態を示す模式図である。 参考例において、加速試験後の比較試薬1を入れた分光光度計用セルの側面の写真(a)と、加速試験後の粒子分散液を入れた分光光度計用セルの側面の写真(b)である。 実施例において比較試薬2を用いた場合の、各陰性検体の分布状態を示す分布図(ヒストグラム)である。 実施例において粒子分散液を用いた場合の、各陰性検体の分布状態を示す分布図(ヒストグラム)である。
符号の説明
1 第1の試薬容器
2 第2の試薬容器
3 第3の試薬容器

Claims (16)

  1. 目的物質に結合可能なアルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、
    ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液と、
    内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、前記目的物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される中性又は酸性の補助試薬液と、を含み、
    前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、ALP標識検出用試薬キット。
  2. 前記目的物質は、測定対象物質及びこれに抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質を含む複合体中の測定対象物質である請求項1に記載のALP標識検出用試薬キット。
  3. 競合法による免疫測定に用いられ、
    前記目的物質は、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質であり、前記測定対象物質及び前記ALP標識化物質は、前記第1結合物質に競合して結合可能である請求項1に記載のALP標識検出用試薬キット。
  4. 前記ALP標識化物質は、目的物質に結合可能な第2結合物質と、ALPとを含む請求項1〜3の何れか1項に記載のALP標識検出用試薬キット。
  5. 前記補助試薬が、前記目的物質に結合したALP標識化物質のALPに添加され、次いで前記基質液が添加されて、前記目的物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる請求項1〜4の何れか1項に記載のALP標識検出用試薬キット。
  6. 前記阻害剤が、レバミゾールである請求項1〜の何れか1項に記載のALP標識検出用試薬キット。
  7. 前記ALPが、菌由来ALP又は腸由来ALPである請求項1〜の何れか1項に記載のALP標識検出用試薬キット。
  8. 前記基質は、4−クロロ−3−(メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2'−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム又は3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウムである請求項1〜7の何れか1項に記載のALP標識検出用試薬キット。
  9. 前記ALP標識化物質が第1容器に収容され、前記補助試薬液が第1容器とは異なる第2容器に収容され、前記基質液が第1及び第2容器とは異なる第3容器に収容される請求項1〜8の何れか1項に記載のALP標識検出用試薬キット。
  10. 測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、
    測定対象物質及び第1結合物質を含む複合体を担持するための固相と、
    複合体中の測定対象物質と結合可能なアルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、
    ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液と、
    内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、複合体中の測定対象物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される中性又は酸性の補助試薬液と、を含み、
    前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定用試薬キット。
  11. 競合法による免疫測定に用いられる免疫測定用試薬キットであって、
    アルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、
    測定対象物質及びALP標識化物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、
    第1結合物質を担持するための固相と、
    ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液を含む基質液と、
    内因性ALPを阻害するための阻害剤を含み、第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと基質とを反応させる際に添加される中性又は酸性の補助試薬液と、を含み、
    前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定用試薬キット。
  12. 検体中の測定対象物質と、測定対象物質に結合可能なアルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、を含む複合体を固相上に形成する工程、
    前記複合体中の測定対象物質と結合したALP標識化物質のALPと、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む中性又は酸性の補助試薬液の存在下で反応させる工程、及び
    ALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程、からなり、
    前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定方法。
  13. 前記反応工程は、前記複合体と前記補助試薬液とを混合したのち、この混合物に前記基質液を混合させることにより行われる請求項12に記載の免疫測定方法
  14. 競合法による免疫測定方法であって、
    検体と、アルカリホスファターゼ(ALP)標識化物質と、ALP標識化物質及び検体中の測定対象物質に抗原抗体反応により結合可能な第1結合物質と、第1結合物質を担持するための固相とを混合させる工程、
    固相に担持された第1結合物質に結合したALP標識化物質のALPと、ALPに対する基質及び緩衝剤を含むアルカリ性の基質液に含まれるALPに対する基質とを、内因性ALPを阻害するための阻害剤を含む中性又は酸性の補助試薬液の存在下で反応させる工程、及び
    ALPと基質の反応により産生された反応産物を検出する工程、からなり、
    前記基質液が、前記補助試薬液よりも強い緩衝能を有し、前記補助試薬液および前記基質液を含むALPと基質との反応液がアルカリ性である、免疫測定方法。
  15. 前記混合工程は、検体と、第1結合物質と、固相とを混合したのち、この混合物にALP標識化物質を混合させることにより行われる請求項14に記載の免疫測定方法。
  16. 前記混合工程は、検体と、第1結合物質と、ALP標識化物質とを混合したのち、この混合物に固相を混合させることにより行われる請求項14に記載の免疫測定方法。
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