JP7209498B2 - B型肝炎ウイルスコア抗体の免疫測定方法 - Google Patents

B型肝炎ウイルスコア抗体の免疫測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、B型肝炎ウイルスコア抗体の免疫測定方法に関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)の本体は、直径42 nmの二重構造の球形粒子の形状をとっている「デーン(dane)粒子」と称される粒子である。デーン粒子は、その表面がHBs抗原と称される表面抗原で覆われており、さらに内部には、HBc抗原(コア抗原)、HBe抗原、及びウイルス遺伝子をコードする環状二重鎖DNAを含む直径27 nmのコア構造が存在することが知られている。
これら抗原や抗原に対する自己抗体は、ウイルス感染の診断のための標的とされてきた。特に、HBc抗原に対する抗体(一般に「HBVコア抗体」、又は「抗HBc抗体」と呼ばれる)は、HBV感染の初期から陽性化し、感染後長期間にわたり陽性であり続けることから、HBV感染を広く検出できるマーカーとして用いられている。
しかしながら、既存の抗HBc抗体測定試薬では陽性であるにもかかわらず検出できない場合もあり、高感度化が求められている。抗HBc抗体を高感度に測定するための手段として、反応系に添加する検体量を増やすことが考えられる。しかしながら、反応系に添加する検体量を増やすと、陽性検体のシグナル値は増加するが、同時に非特異的な反応によるバックグラウンドのシグナル値も増加してしまうため、感度を上げることができない。
抗HBc抗体の免疫測定系の非特異反応を抑制する方法として、例えば特許文献1には、前処理液又は一次反応液に2-メルカプトエタノールやジチオスレイトール等の還元剤を添加する方法が記載されている。特許文献1では偽陽性が排除できるとされており、非特異反応がある程度抑制されているものと推察されるが、還元剤を利用する手法では非特異反応の抑制効果が十分ではない。
特許文献2には、感染症急性期に生じる特異的IgM抗体の測定における問題点を解決する手段として、検体をIgM含有水溶液で希釈するという手法が開示されている。開示内容はIgM型抗体の測定に限定されており、主としてA型肝炎ウイルス(HAV)に対するIgM抗体の測定方法に関する。HAV抽出物をアニオン性界面活性剤で処理したものをHAV抗原試薬として用いることが記載されるほか、測定系内にアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を添加しても良いことが記載されており、実施例では0.1% Tween20を含む抗IgM抗体被覆微粒子試薬が用いられている。しかしながら、測定系内にアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を添加する目的やその効果は全く記載されていない。
特許文献3には、HLB値が12~19の非イオン性界面活性剤を抗原-抗体反応系に1.5~6 w/w%の濃度で存在させて抗原抗体反応を行なうことにより、干渉物質による非特異的な妨害を減少させ、低値における免疫反応の測定感度及び測定精度が向上することが記載されている。実施例の記載によると、抗原-抗体反応系内の界面活性剤濃度が1.5%未満の低濃度では、バックグラウンドを下げる効果も免疫反応の促進効果も十分ではない。また実施例では、NCC-ST-439抗原の免疫測定における効果のみを検討しており、抗体の免疫測定に関しては全く検討していない。
特開平1-321365号公報 特開平8-5633号公報 特開平6-66798号公報
本発明は、抗HBc抗体の免疫測定において、従来法よりもさらに非特異反応を抑制し、検出感度をさらに高めることができる手段を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、一次反応系内に所定の非イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤が共存する条件下で抗HBc抗体の免疫測定を行なうことにより、界面活性剤を利用した従来の類似技術よりもさらに非特異反応を抑制し、抗HBc抗体の検出感度を高めることができることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、検体中の抗HBc抗体の2ステップサンドイッチ法による免疫測定方法であって、下記(1)及び(2):
(1) 非イオン性界面活性剤
(2) 両性界面活性剤
から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、170 mM~443 mMの塩とが共存する条件下で、HBc抗原又は抗免疫グロブリン抗体若しくはその抗原結合性断片を含む試薬と検体を接触させて一次反応を行なうことを含む、方法を提供する

本発明によれば、抗HBc抗体の免疫測定時の非特異反応を良好に抑制し、バックグラウンドを従来法よりもさらに抑制することができる。従って、低値における検出感度が高まるほか、検体使用量を増加した場合でもバックグラウンドが抑えられるので、高感度な測定が可能になる。
本発明は、検体中の抗HBc抗体を免疫測定により測定する方法であり、下記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤が共存する条件下で、HBc抗原又は抗免疫グロブリン抗体若しくはその抗原結合性断片を含む試薬と検体を接触させて抗原抗体反応を行なう。
(1) 非イオン性界面活性剤
(2) 両性界面活性剤
HBc抗原又は抗免疫グロブリン抗体若しくはその抗原結合性断片を含む試薬(以下、便宜的に「抗原/抗体試薬」と呼ぶことがある)は、例えば、HBc抗原を含む試薬であってよく、この場合、上記の抗原抗体反応は、検体とHBc抗原を含む試薬との反応(検体中の抗HBc抗体とHBc抗原との反応)である。
界面活性剤は、例えば、検体希釈液に添加されていてよい。すなわち、この態様では、上記少なくとも1種の界面活性剤を含む溶液が用いられ、検体と、当該溶液と、抗原/抗体試薬とを混合して抗原抗体反応を行なうことにより、界面活性剤共存下で抗原抗体反応が行われる(態様1)。抗原/抗体試薬には上記界面活性剤が含まれていなくてよい。抗原/抗体試薬にも上記界面活性剤が含まれる場合、下記の態様3に該当する。
界面活性剤は、抗原/抗体試薬に含まれていてもよい。すなわち、1つの態様において、検体と、上記少なくとも1種の界面活性剤を含む抗原/抗体試薬とを混合して抗原抗体反応を行なうことにより、界面活性剤共存下で抗原抗体反応が行われる(態様2)。検体希釈液が使用される場合、検体希釈液には上記界面活性剤が含まれていなくてよい。検体希釈液にも上記界面活性剤が含まれる場合、下記の態様3に該当する。
界面活性剤は、抗原/抗体試薬と検体希釈液の両方に含まれていてもよい。すなわち、1つの態様において、検体と、上記少なくとも1種の界面活性剤を含む溶液と、上記少なくとも1種の界面活性剤を含む抗原/抗体試薬とを混合して抗原抗体反応を行なうことにより、界面活性剤共存下で抗原抗体反応が行われる(態様3)。
検体、検体希釈液、及び抗原/抗体試薬を混合する順番は限定されない。検体希釈液と検体を先に混合した後、希釈後検体の少なくとも一部を抗原/抗体試薬に添加してもよいし、検体希釈液と検体を別個に抗原/抗体試薬に添加してもよい。別個に添加する場合、検体希釈液と検体を同時に添加してもよいし、順次に添加してもよい。順次に添加する場合、どちらを先に抗原/抗体試薬に添加してもよい。検体希釈液を先に抗原/抗体試薬に添加した後、検体を添加することが一般的であり得るが、逆でも差し支えない。本明細書では便宜的に「検体希釈液」という語を用いているが、検体希釈液と検体を先に混合してから上記試薬に添加する態様に本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
(1)の非イオン性界面活性剤としては、エーテル型又はエステルエーテル型の非イオン性界面活性剤を挙げることができる。HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が10~20、例えば11~20、12~19、又は17~19の非イオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
エーテル型の非イオン性界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系の界面活性剤、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル系の界面活性剤を挙げることができる。
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤の好ましい例としては、Triton(登録商標)の商品名で知られる各種の界面活性剤のうちでHLB値が上記範囲のもの、特にHLB値が17~19のものを挙げることができる。具体例として、ポリオキシエチレン(40)オクチルフェニルエーテル(商品名Triton X-405、HLB=17.9)、ポリオキシエチレン(30)オクチルフェニルエーテル(商品名Triton X-305、HLB=17.3)、ポリオキシエチレン(8)オクチルフェニルエーテル(商品名Triton X-114、HLB=12.4)、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(商品名Triton X-100、HLB=13.5)、さらには、Triton X-705の商品名で知られるHLB=18.5のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤の好ましい例としては、Brij(登録商標)の商品名で知られる各種の界面活性剤のうちでHLB値が上記範囲のものを挙げることができる。具体例として、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(商品名Brij C10、HLB=13.0)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(商品名Brij 58、HLB=15.7)を挙げることができるが、これらに限定されない。
エステルエーテル型の非イオン性界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の界面活性剤を挙げることができる。該界面活性剤の好ましい例としては、Tween(登録商標)の商品名で知られる各種の界面活性剤のうちでHLB値が上記範囲のものを挙げることができる。具体例として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(商品名Tween 20、HLB=16.7)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミタート(商品名Tween 40、HLB=15.6)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(商品名Tween 60、HLB=14.9)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(商品名Tween 80、HLB=15.0)を挙げることができるが、これらに限定されない。
(2)の両性界面活性剤としては、スルホベタイン型界面活性剤を好ましく用いることができる。中でも炭素数12以上の直鎖アルキル基を有するスルホベタイン型界面活性剤が好ましい。具体例として、N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(C12APS)、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(C14APS)、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート(C16APS)などが挙げられるが、これらに限定されない。
検体希釈液のベースとなる液体は特に限定されず、水性の液体であればよい。ヒトまたは動物の血液に由来する成分を含んでいる液体でもよい。例えば滅菌水、pH4.0~11.0までの緩衝能を有するバッファー、血清を用いることができる。態様1及び態様3では、このような水性の液体に上記した所定の界面活性剤を所定濃度で含有する液体を検体希釈液として用いればよい。態様2では、このような水性の液体をそのまま検体希釈液として用いればよい。
上記した抗原抗体反応系内の上記界面活性剤の濃度(上記界面活性剤の2種以上を用いる場合には合計の濃度)は、好ましくは0.040 w/v%~1.27 w/v%であり、例えば0.040 w/v%~1.0 w/v%、0.040 w/v%~0.80 w/v%、0.040 w/v%~0.50 w/v%、又は0.040 w/v%~0.40 w/v%であってよい。0.40 w/v%程度以下で用いた場合には、非特異反応を良好に抑制しつつ、陽性検体の反応性を特に高く維持することができる。
従って、検体希釈液や抗原/抗体試薬は、上記した抗原抗体反応系内の界面活性剤濃度が0.040 w/v%~1.27 w/v%となるように上記の界面活性剤を含んでいることが好ましい。下記実施例のように、検体10μLと検体希釈液190μLを混合し、そのうち10μLをHBc抗原試薬50μLと混合して一次反応を行なう免疫測定系を想定すると、一次反応系内の界面活性剤濃度が0.040 w/v%~1.27 w/v%の場合、態様1における検体希釈液中の界面活性剤濃度は0.25 w/v%~8.02 w/v%であり、態様2における抗原/抗体試薬中の界面活性剤濃度は0.048 w/v%~1.52 w/v%であり、態様3では、一次反応系内の界面活性剤が0.040 w/v%~1.27 w/v%となるように、検体希釈液及び抗原/抗体試薬の界面活性剤濃度を調整すればよい。
検体の使用量を増やす場合は、一次反応系内の界面活性剤濃度が0.04 w/v%~1.27 w/v%となるように、検体希釈液や抗原/抗体試薬の界面活性剤濃度を調整することが好ましい。検体の使用量を約10倍にした場合、例えば、検体10μLと検体希釈液190μLを混合し、希釈検体100μLをHBc抗原試薬50μLと混合して一次反応を行なう場合には、態様1における検体希釈液の界面活性剤濃度は0.063 w/v%~2.01 w/v%、態様2における抗原/抗体試薬の界面活性剤濃度は0.12 w/v%~3.81 w/v%とすればよく、態様3では、一次反応系内の界面活性剤が0.040 w/v%~1.27 w/v%となるように、検体希釈液及び抗原/抗体試薬の界面活性剤濃度を調整すればよい。あるいは、検体100μLと検体希釈液100μLを混合し、そのうち10μLをHBc抗原試薬50μLと混合して一次反応を行なう場合には、態様1における検体希釈液中の界面活性剤濃度は0.48 w/v%~15.2 w/v%、態様2における抗原/抗体試薬の界面活性剤濃度は0.048 w/v%~1.52 w/v%とすればよく、態様3では、一次反応系内の界面活性剤が0.040 w/v%~1.27 w/v%となるように、検体希釈液及び抗原/抗体試薬の界面活性剤濃度を調整すればよい。
本発明では、界面活性剤に組み合わせて塩を用いてもよい。例えば、検体希釈液が塩をさらに含んでいてもよい。また、抗原/抗体試薬は通常、100~150mM程度の塩を含んでいるが、さらに高濃度の塩を含んでいてもよい。上記した所定の界面活性剤に塩を組み合わせることで、さらに高い非特異反応低減効果を得ることができる。塩は特に限定されず、無機塩でも有機塩でもよい。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属塩を好ましく用いることができるが、これらに限定されない。複数種類の塩を組み合わせて用いても良い。
検体希釈液に塩を添加する場合、検体希釈液中の塩濃度(複数の塩を用いる場合は合計の濃度)は200 mM以上であればよく、例えば250 mM以上、300 mM以上、350 mM以上、400mM以上、500mM以上又は800 mM以上とすることができる。上限は特に限定されないが、通常は2000 mM程度以下であり、例えば1800 mM以下、又は1500 mM以下としてもよい。
全血、血清、血漿などの血液由来の検体を用いる場合、検体由来の塩が一次反応液中に含まれる。血液由来の検体の場合、一般的に約150mM相当の塩を含む。下記実施例のように、血清検体10μLと検体希釈液190μLを混合し、そのうち10μLを塩濃度150mMのHBc抗原試薬50μLと混合して一次反応を行なう免疫測定系を想定すると、検体希釈液中の塩濃度が200mM~2000mMの場合、一次反応系内の塩濃度は158mM~443mMとなる。従って、本発明において塩を使用する場合の塩濃度を一次反応系内の濃度として表現すると、158mM~443mMであってよく、例えば170mM~443mM、180mM~443mM、190mM~443mM、又は200mM~443mMであり得る。また、一次反応系内の塩濃度は、上記の範囲内で、例えば420mM以下、400mM以下、又は350mM以下としてもよい。また、本発明では、抗原/抗体試薬液の塩濃度を高めることによって、上記した一次反応系内の塩濃度を達成してもよい。つまり、本発明では、非特異反応低減のために、検体希釈液及び抗原/抗体試薬液のいずれか一方又は両者が、抗原抗体反応(一次反応)の反応系内の塩濃度が158 mM以上となるように塩を含んでいてもよい。
本発明では、免疫測定の全てのステップに上記所定の界面活性剤を共存させる必要はない。例えば、後述するように2ステップのサンドイッチ免疫測定により抗HBc抗体の測定を行なう場合には、一次反応系内に界面活性剤が共存することになるが、B/F分離及び固相担体洗浄のステップで界面活性剤が反応系から除去される。それ以降の工程では、界面活性剤を反応系内に添加することは必須ではなく、添加してもしなくてもよい。例えば、第二の抗原抗体反応である二次反応は、上記した界面活性剤の存在下で実施してもよいし、非存在下で実施してもよい。
なお、免疫測定の分野で周知の通り、2ステップサンドイッチ法における一次反応とは、固相担体上に結合させた抗原又は抗体と検体との反応であり、二次反応とは、B/F分離及び洗浄後の固相と標識抗体又は標識抗原との反応である。本発明においては、HBc抗原を固相化する場合、担体上のHBc抗原と希釈検体との反応が一次反応、B/F分離及び洗浄後の固相と標識抗免疫グロブリン抗体との反応が二次反応であり、抗免疫グロブリン抗体を固相化する場合、担体上の抗免疫グロブリン抗体と希釈検体との反応が一次反応、B/F分離及び洗浄後の固相と標識HBc抗原との反応が二次反応である。
本発明で用いられる検体としては、全血、血漿、血清、尿、唾、脳脊髄液などの生物学的体液、および肝組織などが挙げられ、特に、全血、血清、血漿サンプルが好ましいが、これらに限定されない。
被検個体は、哺乳動物であれば特に限定されないが、好ましくはヒトである。被検個体は、B型肝炎の疑いのある患者、又は肝炎(特にB型肝炎)を発症している患者であり得る。
測定対象の抗HBc抗体には、IgG型抗体とIgM型抗体が包含される。本発明においては、IgG型抗体及びIgM型抗体のいずれか一方(例えばIgG型抗体)のみを測定してもよいし、両者を測定してもよい。典型的には、測定対象の抗HBc抗体は、IgG型抗体を含む。
抗体の測定方法自体は周知の常法である。免疫測定を反応様式で分類すると、サンドイッチ法、競合法、凝集法、イムノクロマト法、ウエスタンブロット法等があり、標識で分類すると、放射免疫測定、蛍光免疫測定、酵素免疫測定(EIA)、ビオチン免疫測定等がある。また、抗原を用いた抗体検査法の具体例としては、これらに限定されないが、EIA法(ELISA、CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)、ウエスタンブロット等)、化学発光免疫測定法(CLIA法)、凝集法(ラテックス凝集法等)、補体結合反応(CF)等が挙げられる。本発明においては、検体中の抗HBc抗体を特異的に検出できる免疫測定法であれば、いかなる手法を用いてもよい。特に限定されないが、本発明における免疫測定は、サンドイッチ法、特に2ステップサンドイッチ法による免疫測定であり得る。なお、本発明において、「測定」という語には、検出、定量及び半定量が包含される。
以下、2ステップサンドイッチ法に基づくCLEIA法を例に、本発明の方法でヒト由来検体中の抗HBc抗体を測定する場合の各工程をより具体的に説明する。
まず、検体希釈液でヒト由来検体を希釈した後、固相担体上に固定化されたHBc抗原と希釈検体を接触させるか、あるいは、検体希釈液及びヒト由来検体を別個に順次にHBc抗原と接触させる(一般的には検体希釈液を先に接触させるが、検体が先でも良い)ことにより、担体上のHBc抗原と希釈検体中の抗HBc抗体とを反応させる(一次反応)。この一次反応により、検体中の抗HBc抗体がHBc抗原を介して担体上に結合する。態様1では検体希釈液中に、態様2では固相化HBc抗原を含む試薬中に、態様3では検体希釈液と固相化HBc抗原試薬の両者に、界面活性剤が含まれており、一次反応は界面活性剤の共存下で進行する。反応後、B/F分離を行ない、分離した担体を洗浄する。このB/F分離及び洗浄ステップにより、検体希釈液又は固相化HBc抗原試薬に含まれていた上記所定の界面活性剤は反応系から除去される。
次いで、標識された抗ヒト免疫グロブリン抗体を系内に添加し、HBc抗原に結合した抗HBc抗体と、標識された抗ヒト免疫グロブリン抗体を反応させる(二次反応)。この二次反応により、固相担体上にHBc抗原-抗HBc抗体-標識抗ヒト免疫グロブリン抗体の複合体が形成される。次いで、B/F分離を行い、担体を洗浄することで、未反応の標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を除去する。未反応の標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を除去した後、HBc抗原タンパク質及び抗HBc抗体を介して担体に結合した標識抗ヒト免疫グロブリン抗体からのシグナルを適当な方法で検出することにより、検体中に含まれる抗HBc抗体を特異的に測定することが可能となる。
二次反応ステップにおいて、標識抗ヒト免疫グロブリン抗体として、標識抗ヒトIgG抗体を用いれば、IgG型の抗HBc抗体を測定することができ、標識抗ヒトIgM抗体を用いれば、IgM型の抗HBc抗体を測定することができる。IgG型抗HBc抗体とIgM型抗HBc抗体の両者を測定したい場合には、標識抗ヒトIgG抗体と標識抗ヒトIgM抗体の両者を用いればよい。両者を区別する必要がなければ、同じ標識物質を結合させた標識抗ヒトIgG抗体と標識抗ヒトIgM抗体を混合して二次反応を行えばよい。IgG型抗HBc抗体とIgM型抗HBc抗体を区別して測定したい場合には、異なる標識物質を結合させた標識抗ヒトIgG抗体及び標識抗ヒトIgM抗体を同時に用いて二次反応を行ない、後述する検出工程で両者を区別して検出するか、あるいは、二次反応ステップを別々に実施すればよい。また、後述する通り、抗ヒト免疫グロブリン抗体に代えて抗原結合性断片を用いてもよい。
以上、2ステップ法を例に説明したが、1ステップ法で免疫測定を実施してもよい。また、固相担体に抗ヒト免疫グロブリン抗体を結合させ、標識されたHBc抗原タンパク質を用いて測定を行なうこともできる。この場合、固相抗体と希釈検体との反応が一次反応であり、洗浄後の固相と標識HBc抗原との反応が二次反応である。また、上述したように本発明の免疫測定法はサンドイッチ法に限定されず、競合法によって抗HBc抗体を検出してもよい。
抗HBc抗体の測定に使用するHBc抗原としては、抗HBc抗体と特異的に結合するものであればいかなるものであってもよい。市販のリコンビナントHBc抗原を用いることができるし、また、周知の遺伝子工学的手法によりリコンビナントHBc抗原を調製して用いることもできる。B型肝炎ウイルス感染細胞からHBc抗原を抽出して得ることもできる。
HBcタンパク質のアミノ酸配列およびこれをコードするヌクレオチド配列は、NCBIのGenBank等のデータベースから入手することができるので、当業者であれば、周知の遺伝子工学的手法を用いてリコンビナントHBc抗原を容易に調製することができる。配列表の配列番号1および2に示した配列は、公知のHBc遺伝子およびこれにコードされるHBcタンパク質の配列の一例であり、GenBankにaccession No. AF324125.1で登録されている配列である。これまでに公知となっているHBcタンパク質のアミノ酸配列の大部分は、配列番号2のアミノ酸と95%程度以上の同一性を有するか、あるいは1~数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列を有しており、そのようなアミノ酸配列のHBcタンパク質であれば抗HBc抗体測定のためのHBc抗原として好ましく使用可能である。もっとも、HBc抗原の配列はこれに限定されるものではなく、配列番号2のアミノ酸配列と同一性が95%未満のものや、N末端あるいはC末端にタグ配列等の余分なアミノ酸配列が付加されたものであっても、HBVに感染した個体の体内で誘導される抗HBc抗体との反応性を有する限り、HBc抗原として使用可能である。本発明において、「HBc抗原」といった場合には、上記した各種のHBcタンパク質が包含される。
なお、アミノ酸配列の同一性とは、比較すべき2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基ができるだけ多く一致するように両アミノ酸配列を整列させ、一致したアミノ酸残基数を全アミノ酸残基数で除したものを百分率で表したものである。上記整列の際には、必要に応じ、比較する2つの配列の一方又は双方に適宜ギャップを挿入する。このような配列の整列化は、例えばBLAST、FASTA、CLUSTAL W等の周知のプログラムを用いて行なうことができる。ギャップが挿入される場合、上記全アミノ酸残基数は、1つのギャップを1つのアミノ酸残基として数えた残基数となる。このようにして数えた全アミノ酸残基数が、比較する2つの配列間で異なる場合には、同一性(%)は、長い方の配列の全アミノ酸残基数で、一致したアミノ酸残基数を除して算出される。ただし、比較すべき配列が他の任意の配列(例えばタグ配列、リンカー配列、他のタンパク質の配列等)と連結された状態にある場合には、そのような任意の配列は除外して同一性が算出される。
天然のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸は、低極性側鎖を有する中性アミノ酸(Gly, Ile, Val, Leu, Ala, Met, Pro)、親水性側鎖を有する中性アミノ酸(Asn, Gln, Thr, Ser, Tyr, Cys)、酸性アミノ酸(Asp, Glu)、塩基性アミノ酸(Arg, Lys, His)、芳香族アミノ酸(Phe, Tyr, Trp)のように類似の性質を有するものにグループ分けできる。これらグループ内での置換であればタンパク質の性質が変化しないことが多いことが知られている。従って、配列番号2に例示した公知のHBcタンパク質とアミノ酸配列が一部相違するタンパク質であっても、これらグループ内での置換であれば、抗HBc抗体との結合性も維持される可能性が高い。
固相用担体は特に限定されず、免疫測定用に従来用いられているものであってよい。例えば、プラスチックプレート、微粒子、繊維状物質等を用いることができる。これら担体の材質としては、従来公知のものを用いることができ、特に限定されないが、微粒子であれば、例えば、ガラスビーズ、ポリスチレン等の各種プラスチックビーズ、ラテックス粒子および各種フェライト粒子(例えば、特開平3-115862号公報参照)等を挙げることができる。また、繊維状物質としては、例えば、セルロース、ニトロセルロース、キトサン、ポリエチレングリコール重合体、シラン重合体等を構成成分とするものを挙げることができる。
これら担体へのHBc抗原の固相化は、物理吸着、架橋剤を用いた化学結合等公知の方法を適宜用いることができる。
本発明に使用する抗免疫グロブリン抗体としては、測定したいクラスの抗HBc抗体に特異的に結合するものであればよく、抗IgG抗体又はその抗原結合性断片、及び抗IgM抗体又はその抗原結合性断片の少なくともいずれかを用いることができる。検体の由来の適した抗免疫グロブリン抗体が好ましく使用され、例えば、ヒト由来の検体を用いる場合は、上述したように抗ヒト免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片を用いることが好ましい。抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片の具体例としては、マウス、ウサギ、ニワトリ、ヤギ、ヒツジ、ウシなどの実験動物を免疫して得られるポリクローナル抗体;免疫した実験動物から脾臓細胞を分離し、ミエローマ細胞と融合させることによって得られるハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体;免疫した実験動物から分離した脾臓細胞または血中白血球をEBウイルスによって不死化させた細胞が産生するモノクローナル抗体;組換え抗体;免疫グロブリンへの結合性を有する上記抗体の断片(例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、scFv)など、測定したいクラスの抗HBc抗体に高い特異性、親和性を示す分子であればいかなるものでも用いることができる。抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片は、市販品を用いてもよいし、周知の常法により抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片を作製して用いることもできる。
抗免疫グロブリン抗体若しくはその抗原結合性断片又はHBc抗原の標識に用いる標識物質としては、例えば酵素、蛍光物質、化学発光物質、染色物質、放射性物質などが挙げられる。酵素としては、アルカリホスファターゼ(ALP)、パーオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ等、公知のものを用いることができるが、これに限定されるものではない。高い検出感度の測定系を提供するためには、ALPを用いることが望ましい。
標識物質として酵素を用いる場合、該酵素に対応した発色基質、蛍光基質又は発光基質等の基質を測定系内に添加し、酵素反応により生じる発色や発光等のシグナルを吸光光度計やルミノメーター等を用いて測定すればよい。例えば、標識物質としてALPを用いる場合、3-(4-メトキシスピロ(1,2-ジオキセタン-3,2'-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)-4-イル)フェニルホスフェート2ナトリウム(例えば商品名AMPPD(登録商標))などの発光基質を用いることができる。標識物質としてビオチン又はハプテンが用いられる場合には、酵素、蛍光物質、化学発光物質、染色物質、又は放射性物質などを結合したストレプトアビジン又はハプテン抗体などを用いればよい。
抗免疫グロブリン抗体の標識は、公知の共有結合法等により直接標識してもよいし、ビオチン-アビジン等他の結合対を用いて間接的に標識してもよい。
抗HBc抗体を定量する場合には、抗HBc抗体を種々の濃度で含む濃度既知の標準試料について、HBc抗原を用いて抗HBc抗体の測定を行ない、標識からのシグナルの量と標準試料中の抗HBc抗体濃度との相関関係をプロットして標準曲線を作成すればよい。抗HBc抗体濃度が未知の対象検体について同じ操作を行ない、標識からのシグナル量を測定し、測定されたシグナル量をこの標準曲線に当てはめることにより、検体中の抗HBc抗体を定量することができる。抗HBc抗体用のWHO第1国際標準品(WHO International Standard First International Standard for anti-Hepatitis B core antigen(anti-HBc), plasma, human. NIBSC code: 95/522)を用いて標準曲線を作成し、この標準曲線に基づいて被検個体由来の検体中の抗HBc抗体量を算出すれば、国際単位による濃度(IU/mL)で抗体量を表すことができる。あるいは、上記の国際標準品に対して較正された他の標準品を用いても、国際単位による濃度(IU/mL)で抗体量を求めることができる。
抗HBc抗体を測定する場合、検体に加えて、陰性コントロール及び陽性コントロールを測定してもよい。陰性コントロールとしては、抗HBc抗体が陰性であることを確認された血液試料、抗HBc抗体を含まない各種緩衝液などを用いることができる。陽性コントロールとしては、抗HBc抗体が陰性であることを確認された血液試料又は緩衝液に、上記の抗HBc抗体用のWHO第1国際標準品を所定の濃度で添加した溶液、または該血液試料又は緩衝液に、上記の国際標準品に対して較正された他の標準品を所定の濃度で添加した溶液、抗HBc抗体陽性検体、ヒトより精製した抗HBc抗体を所定の濃度で添加した溶液などを用いることができる。
本発明はまた、上記本発明の方法にて検体中の抗HBc抗体を測定するための免疫測定キットも提供する。
1つの態様において、該キットは、上記した検体希釈液、すなわち上記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有する溶液と、HBc抗原とを含む(態様A)。この態様Aは、後述するように、上記した本発明の態様のうちの態様1及び態様3を包含する。検体希釈液は、先に説明した通り、抗原抗体反応系内における濃度が0.040 w/v%~1.27 w/v%となる濃度で上記界面活性剤を含有することが好ましい。検体希釈液中の界面活性剤濃度は、上述したように、検体や検体希釈液の使用量に応じて、0.25 w/v%~8.02 w/v%、0.063 w/v%~2.01 w/v%、0.48 w/v%~15.2 w/v%等の値を取り得る。抗原抗体反応系内(2ステップの場合は特に一次反応系内)の界面活性剤濃度が0.040 w/v%~1.27 w/v%となるように、検体希釈液中の界面活性剤を適宜に設定することができる。
本発明の免疫測定キットは、サンドイッチ法による免疫測定キットであってもよく、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片をさらに含み得る。検体希釈液、免疫測定方法、HBc抗原、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片等についての好ましい条件は上記と同様である。例えば、検体希釈液は、上記所定の界面活性剤に加え、上記した塩をさらに含んでいてよい。また、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片は、抗IgG抗体でも抗IgM抗体でもよく、典型的には抗IgG抗体、特に抗ヒトIgG抗体を含み得る。
該キットにおいて、HBc抗原は、プレートや粒子(例えば磁性粒子)などの固相担体に結合された形態であってもよい。この場合、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片は、適当な媒体中に溶解した抗体液の形態でキットに含まれていてよく、典型的には、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片は、標識物質で標識された形態で標識抗体液としてキットに含まれ得る。この態様において、抗体液は、上記した所定の界面活性剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
HBc抗原が液体中に含まれた抗原試薬液の形態で(例えば、粒子担体上に固定化されたHBc抗原を含有する抗原試薬液の形態で)キットに含まれる場合には、上記した所定の界面活性剤が抗原試薬液にも含まれていてよい。検体希釈液のみに界面活性剤が含有されるキットは、上記した本発明の態様のうちの態様1に該当し、検体希釈液及び抗原試薬液の両方に界面活性剤が含有されるキットは、本発明の態様のうちの態様3に該当する。
非特異反応のさらなる低減のために、検体希釈液が塩を含んでいてもよいし、検体希釈液に塩を添加する代わりに、あるいは検体希釈液への塩の添加と組み合わせて、抗原試薬液中の塩濃度を高めてもよい。すなわち、本発明のキットでは、検体希釈液及び抗原試薬液のいずれか一方若しくは両者が、抗原抗体反応系内における塩濃度が158 mM以上となるように塩を含有していてよい。
あるいは、HBc抗原は、標識物質で標識された形態で標識抗原液としてキットに含まれていてもよい。この場合、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片が、固相担体に結合された形態で該キットに含まれ得る。この態様において、標識HBc抗原液は、上記した所定の界面活性剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片が液体中に含まれた抗体試薬液の形態で(例えば、粒子担体上に固定化された抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片を含有する抗体試薬液の形態で)キットに含まれる場合には、上記した所定の界面活性剤が抗体試薬液にも含まれていてよい。検体希釈液のみに界面活性剤が含有されるキットは、上記した本発明の態様のうちの態様1に該当し、検体希釈液及び抗体試薬液の両方に界面活性剤が含有されるキットは、本発明の態様のうちの態様3に該当する。
非特異反応のさらなる低減のために、検体希釈液が塩を含んでいてもよいし、検体希釈液に塩を添加する代わりに、あるいは検体希釈液への塩の添加と組み合わせて、抗体試薬液中の塩濃度を高めてもよい。すなわち、本発明のキットでは、検体希釈液及び抗体試薬液のいずれか一方若しくは両者が、抗原抗体反応系内における塩濃度が158 mM以上となるように塩を含有していてよい。
別の態様において、本発明の免疫測定キットは、HBc抗原を含有する抗原試薬液を含み、該抗原試薬液が、上記した(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有する(態様B)。この態様Bのキットは、上記した本発明の態様のうちの態様2に該当する。抗原試薬液は、HBc抗原が粒子担体上に固定化された形態で該抗原を含有する試薬であり得る。
非特異反応のさらなる低減のために、抗原試薬液中の塩濃度を高めてもよく、その場合の塩濃度は、抗原抗体反応系内の塩濃度が158 mM以上となる濃度であればよい。あるいは、該キットは、検体希釈液を含んでいてよく、該検体希釈液及び抗原試薬液のいずれか一方又は両者が、抗原抗体反応系内における塩濃度が158 mM以上となるように塩を含有していてもよい。
態様Bのキットについてのその他の好ましい条件は、態様2による免疫測定方法と同様である。
さらに別の態様において、本発明の免疫測定キットは、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片を含有する抗体試薬液と、HBc抗原とを含み、該抗体試薬液が、上記した(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有する(態様C)。この態様Cのキットは、上記した本発明の態様のうちの態様2に該当する。抗体試薬液は、抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片が粒子担体上に固定化された形態で、該抗体又はその抗原結合性断片を含有する試薬であり得る。
非特異反応のさらなる低減のために、抗体試薬液中の塩濃度を高めてもよく、その場合の塩濃度は、抗原抗体反応系内の塩濃度が158 mM以上となる濃度であればよい。あるいは、該キットは、検体希釈液を含んでいてよく、該検体希釈液及び抗体試薬液のいずれか一方又は両者が、抗原抗体反応系内における塩濃度が158 mM以上となるように塩を含有していてもよい。
態様Cのキットについてのその他の好ましい条件も、態様2による免疫測定方法と同様である。
本発明の抗HBc抗体の免疫測定キットは、さらに、使用する標識物質に応じて適当な基質液や、洗浄液等の、免疫測定キットに一般的に含まれているその他の試薬類等も含んでいてよい。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
参考例1.測定方法について
(1) HBc抗原結合粒子の作製
リコンビナントHBc抗原結合粒子を、次の通り調製した。
磁性フェライト粒子とリコンビナントHBc抗原とを重量比500:1の割合で、0.1Mリン酸緩衝液中で混合し、25℃で1時間ゆるやかに攪拌しながらインキュベートした。反応後、フェライト粒子を磁石で集めて反応液から分離し、粒子を50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、pH7.2)にて洗浄し、HBc抗原結合粒子を得た。
(2) アルカリホスファターゼ標識抗IgG抗体の作製
マウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体とウシ小腸由来アルカリホスファターゼ(オリエンタル酵母社製)とをヨシタケらの方法(Yoshitakeet al., J.Biochem. 1982, 92(5), p1413-1424)により結合させ、アルカリホスファターゼ標識抗体を調製した。通例行われる通り、脱塩処理したマウス抗ヒトIgGモノクローナル抗体とペプシンを0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.5)中で混合し、37℃で1時間静置してペプシン消化を行った。反応を停止させた後にゲルろ過精製を行い、Fc領域を除去した抗ヒトIgG抗体を得た。次に2-メルカプトエチルアミン塩酸塩を添加して、チオール化を行った。更に脱塩処理し、抗ヒトIgG抗体のFabを得た。
一方、脱塩したアルカリホスファターゼとN-(4-マレイミドブチリロキシ)-スクシンイミド(GMBS)(終濃度0.3 mg/mL)を混合し、30℃で1時間静置してマレイミド化を行った。脱塩した後、Fabとマレイミド化アルカリホスファターゼをモル比1:1の割合で混合し、25℃にて30分静置してカップリングを行った。カップリング液を15℃にて1時間静置し、2-メルカプトエチルアミン塩酸塩を加え、反応を停止させた。濃縮および脱塩後、50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2、pH7.2)を加え、アルカリホスファターゼ標識抗IgG抗体溶液とした。
(3) 抗HBc抗体の測定
検体、陰性コントロール又は陽性コントロール10μLと検体希釈液190μLを混合した。
検体としては、ProMedDx社から購入した陰性血清検体(HBs抗原陰性、HBcAb陰性)を使用した。以下の実施例で用いた検体1~6は、詳細検討を実施し、何れも陰性検体であることを確認している。陰性コントロールと陽性コントロールは、B型肝炎ウイルスコア抗体測定キット「ルミパルスプレスト(登録商標)HBcAb-III」(富士レビオ社製)に付属された「HBcAb-III用標準陰性溶液」と「HBcAb-III用標準陽性溶液」を用いた。検体希釈液としては、50mM Tris緩衝液(150mM NaCl、1mM EDTA・2Na、pH7.2)に所定濃度となるように各界面活性剤を添加したものを使用した。
50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、pH7.2)に懸濁したHBc抗原結合粒子50μLと、希釈した検体10μLを反応槽に分注し、攪拌した。その後37℃で8分間インキュベーションし、B/F分離・洗浄を行った。その後、アルカリホスファターゼ標識抗IgG抗体溶液50μLを反応槽に分注し、攪拌後37℃で8分間インキュベーションし、B/F分離・洗浄を行った。その後、化学発光基質である3-(2'-スピロアダマンタン)-4-メトキシ-4-(3''-ホスホリルオキシ)フェニル-1,2-ジオキセタン・2ナトリウム塩(AMPPD)を含むルミパルス基質液200μLを反応槽に分注し、攪拌後37℃で4分間インキュベーションした後、発光量をルミノメーターで測定し、カウント数を得た。実際の測定は全自動化学発光酵素免疫測定システム「ルミパルスプレストII」(富士レビオ社製)にて行った。なお、洗浄液とルミパルス基質液は「ルミパルスプレストHBcAb-III」に付属されているものを使用した。
各測定で得られたカウント数について、界面活性剤を添加していない検体希釈液を用いた場合のカウント数に対する、界面活性剤を添加した検体希釈液を用いた場合のカウント数の比率から、非特異反応低減率を算出し、各界面活性剤の添加効果を評価した。
非特異反応低減率(%)=X/Y×100
X:界面活性剤を添加した検体希釈液を用いた場合のカウント数
Y:界面活性剤を添加していない検体希釈液を用いた場合のカウント数
界面活性剤の添加が「効果あり」と評価する基準として、以下を設定した。
(1) 陽性コントロールの非特異反応低減率が85%以上
(2) 2以上の検体で非特異反応低減率が90%未満
実施例1.各種濃度の界面活性剤の添加
参考例1に記載の測定方法に従って、検体1~6の抗HBc抗体を測定した。検体希釈液としては、非イオン性界面活性剤であるTritonX-405(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、HLB値17.9)を各濃度で添加した希釈液を用いた。
結果を表1に示す。表1には、各種濃度の界面活性剤を添加した検体希釈液を用いた場合のカウント数と、非特異反応低減率(%)を示す。一次反応液中の濃度が0.04w/v%以上となるように、0.25%w/v以上の濃度で検体希釈液に界面活性剤を添加した場合、陰性検体のカウント数が低下し、複数の検体で非特異反応低減率が90%未満に低下した。一方、陽性コントロールのカウント数はほとんど低下せず、その非特異反応低減率は85%以上であった。これらの結果から、一次反応液中の濃度が0.04%以上の濃度になるように界面活性剤を検体希釈液に添加することにより、非特異反応が抑制されることが明らかとなった。
Figure 0007209498000001
実施例2.各種非イオン性界面活性剤の添加
他の非イオン性界面活性剤についても検討するため、各種非イオン性界面活性剤を添加した検体希釈液を用いて、実施例1と同様に抗HBc抗体を測定した。
結果を表2に示す。表2には、各種界面活性剤を1.5w/v%の濃度で添加した検体希釈液を用いた場合(一次反応液中の各種界面活性剤の濃度は0.238w/v%)のカウント数と、非特異反応低減率(%)を示す。TritonX-100、TritonX-114、TritonX-305、TritonX-705、Brij58、BrijC10、Tween20、Tween40、Tween80の非イオン性界面活性剤を検体希釈液に添加することにより、複数の検体で非特異反応低減率が90%未満に低下した。一方、陽性コントロールの非特異反応低減率は85%以上であった。これらの結果から、非イオン性界面活性剤を検体希釈液に添加することにより非特異反応が抑制されることが明らかとなった。特にTriton類(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)を添加した場合は、多くの検体で非特異反応が抑制され、非特異反応低減率も大きく低下した。
Figure 0007209498000002
実施例3.両性界面活性の添加
さらに、両性界面活性剤についても検討するため、両性界面活性剤を添加した検体希釈液を用いて、実施例1と同様に抗HBc抗体を測定した。
結果を表3に示す。表3には、各種界面活性剤を1.5w/v%の濃度で検体希釈液に添加した場合(一次反応液中の各種界面活性剤の濃度は0.238w/v%)のカウント数と、非特異反応低減率(%)を示す。C12APS(N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホナート)、C14APS(N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホナート)、C16APS(N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホナート)を検体希釈液に添加することにより、複数の検体に対する非特異反応低減率が90%未満に低下した。一方、陽性コントロールに対する非特異反応低減率は85%以上だった。これらの結果から、両性界面活性剤を検体希釈液に添加することにより、非特異反応が抑制されることが明らかとなった。
Figure 0007209498000003
実施例4.塩濃度との組み合わせ効果
塩濃度と界面活性剤の組合せについて検討した。50mM Tris緩衝液(1mM EDTA・2Na、0.5% TritonX-405、pH7.2)に各濃度になるように塩を添加した検体希釈液を用い、実施例1と同様に抗HBc抗体を測定した。塩としては、塩化ナトリウムを用いた。また、実施例1と同様に非特異反応低減率を求めるため、界面活性剤を添加していない検体希釈液(150mM NaCl、1mM EDTA・2Na、pH7.2)を用いた場合についても同様に抗HBc抗体を測定した。
結果を表4に示す。検体希釈液に200 mM、500 mM、800 mMの塩を添加した場合(一次反応液中の塩濃度が158 mM、205 mM、253mMとなる場合)、陰性検体の非特異反応低減率が、150 mMの塩濃度の場合に比べて、さらに低下していた。この結果から、界面活性剤に加えて、一次反応液中の塩濃度が158 mM以上になるように塩を検体希釈液に添加することによって、非特異反応をさらに抑制できることが明らかとなった。
Figure 0007209498000004
実施例5 塩濃度との組み合わせ効果
高濃度の塩と界面活性剤の組み合わせについて検討した。検体としては、ProMedDx社から購入した陰性血清検体(HBs抗原陰性、HBcAb陰性)である検体7~12を用いた。検体7~12は参考例1と同様に詳細検討を実施し、何れも陰性検体であることを確認している。検体希釈液としては、445mM塩化ナトリウムと0.24% TritonX-705を含む50 mM Tris緩衝液(445mM NaCl、1mM EDTA・2Na、0.24% TritonX-705、pH7.2)を用いた。また、HBc抗原結合粒子としては、445mM塩化ナトリウムと0.24% TritonX-705を含む50 mM Tris緩衝液(445mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、0.24% TritonX-705、pH7.2)に懸濁したHBc抗原結合粒子を用いて、実施例1と同様に抗HBc抗体を測定した。さらに、実施例1と同様に非特異反応低減率を求めるため、検体希釈液として界面活性剤を添加していない50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、1mM EDTA・2Na、pH7.2)と、50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、pH7.2)に懸濁したHBc抗原結合粒子を用いた場合についても同様に抗HBc抗体を測定した。
結果を表5に示す。検体希釈液とHBc抗原結合粒子懸濁液に445mM塩化ナトリウムと0.24% TritonX-705を添加した場合(一次反応液中の塩濃度が443 mM、TritonX-705濃度が0.238%となる場合)、陰性である検体7~12のカウント数が大幅に低下することにより、非特異反応低減率が大幅に低下していた。陽性コントロールは非特異反応低減率の数値が高く維持され、陽性のカウント数への悪影響は認められなかった。この結果から、界面活性剤に加えて、一次反応液中の塩濃度を443 mMにした場合において、非特異反応をさらに抑制できることが明らかとなった。
Figure 0007209498000005
実施例6 検体量を増やした場合の、塩および界面活性剤の添加効果
検体量を増やした場合の、塩および界面活性剤の添加効果について検討した。検体、陰性コントロール又は陽性コントロール10μLと検体希釈液190μLを混合した。検体としては、ProMedDx社から購入した陰性血清検体(HBs抗原陰性、HBcAb陰性)である検体13~18を用いた。検体13~18は参考例1と同様に詳細検討を実施し、何れも陰性検体であることを確認している。界面活性剤の添加効果を検討するため、検体希釈液として、0.25% TritonX-705を含む50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、1 mM EDTA・2Na、0.25% TritonX-705、pH7.2)を用いた。次に、0.25% TritonX-705を含む50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、0.25% TritonX-705、pH7.2)に懸濁したHBc抗原結合粒子50μLと、希釈した検体20μLを反応槽に分注し、実施例1と同様に抗HBc抗体を測定した。このとき、一次反応液中のTritonX-705濃度は0.246%となる。また、塩および界面活性剤の添加効果を検討するため、検体希釈液として、200mM塩化ナトリウムと0.25% TritonX-705を含む50 mM Tris緩衝液(200mM NaCl、1 mM EDTA・2Na、0.25% TritonX-705、pH7.2)を用い、HBc抗原結合粒子の懸濁液として、200mM塩化ナトリウムと0.25% TritonX-705を含む50 mM Tris緩衝液(200mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、0.25% TritonX-705、pH7.2)に懸濁したHBc抗原結合粒子50μLを用い、同様に抗HBc抗体を測定した。このとき、一次反応液中の塩濃度は199 mM、TritonX-705濃度は0.246%となる。
結果を表6に示す。検体量を増やした場合においても、一次反応時に界面活性剤を添加することにより、非特異反応低減率が低下し、非特異反応を抑制できることが示された。さらに、高濃度の塩と界面活性剤を組み合わせることにより、非特異反応低減率が大幅に低下した。このことにより、塩と界面活性剤の組み合わせは、検体量に依存せず非特異反応減少に効果的であることが示された。
Figure 0007209498000006
実施例7 一次反応液への界面活性剤の添加効果
一次反応液への界面活性剤の添加効果について検討した。検体としては、ProMedDx社から購入した陰性血清検体(HBs抗原陰性、HBcAb陰性)である検体19~24を用いた。検体19~24は参考例1と同様に詳細検討を実施し、何れも陰性検体であることを確認している。検体希釈液としては、50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、1mM EDTA・2Na、pH7.2)を用いた。また、HBc抗原結合粒子としては、TritonX-305、TritonX-405およびTrironX-705をそれぞれ0.5%の濃度で含む50 mM Tris緩衝液(150mM NaCl、0.1%アジ化ナトリウム、2%BSA、pH7.2)に懸濁したHBc抗原結合粒子を用いて、実施例1と同様に抗HBc抗体を測定し、非特異反応低減率を求めた。
結果を表7に示す。HBc抗原結合粒子懸濁液に0.5%の界面活性剤を添加した場合(一次反応液中の界面活性剤の濃度が0.417%となる場合)、非特異反応低減率が大幅に低下していた。この結果から、一次反応液中に界面活性剤を含有させることにより、非特異反応が抑制できることが確認された。
Figure 0007209498000007

Claims (16)

  1. 検体中の抗HBc抗体の2ステップサンドイッチ法による免疫測定方法であって、下記(1)及び(2):
    (1) 非イオン性界面活性剤
    (2) 両性界面活性剤
    から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、170 mM~443 mMの塩とが共存する条件下で、HBc抗原又は抗免疫グロブリン抗体若しくはその抗原結合性断片を含む試薬と検体を接触させて一次反応を行なうことを含む、方法。
  2. 検体と、前記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有する前記試薬とを混合して前記一次反応を行なうことを含み、前記試薬が、一次反応の反応系内の塩濃度が170 mM~443 mMとなるように前記塩を含む、請求項1記載の方法。
  3. 検体と、前記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む溶液と、前記試薬とを混合して前記一次反応を行なうことを含み、前記溶液が、一次反応の反応系内の塩濃度が170 mM~443 mMとなるように前記塩を含む、請求項1記載の方法。
  4. 検体と、前記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む溶液と、前記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む前記試薬とを混合して前記一次反応を行なうことを含み、前記溶液及び前記試薬が、一次反応の反応系内の塩濃度が170 mM~443 mMとなるように前記塩を含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む溶液及び検体を、HBc抗原又は抗免疫グロブリン抗体若しくはその抗原結合性断片を含む試薬に添加して前記一次反応を行なうことを含み、前記溶液及び前記試薬が、一次反応の反応系内の塩濃度が170 mM~443 mMとなるように前記塩を含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記(1)の非イオン性界面活性剤は、HLB値が10~20のエーテル型及びエステルエーテル型の非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記エーテル型の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤から選択される界面活性剤であり、前記エステルエーテル型の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤である、請求項6記載の方法。
  8. 前記(2)の両性界面活性剤が、スルホベタイン型界面活性剤である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記一次反応系内の前記界面活性剤の濃度が0.040 w/v%~1.27 w/v%である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記塩が塩化ナトリウム及び塩化カリウムから選択される少なくとも1種である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記抗HBc抗体が、IgG型抗体を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記一次反応が、前記界面活性剤と前記170 mM~443 mMの塩との共存下で行われる、固相担体上に固定化されたHBc抗原と検体との反応であり、二次反応が、B/F分離及び洗浄後の固相担体と、標識物質を結合させた抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片との反応である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 標識物質を結合させた抗免疫グロブリン抗体又はその抗原結合性断片は、標識物質を結合させた抗ヒトIgG抗体又はその抗原結合性断片を含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記一次反応系内の前記塩の濃度が180 mM~443 mMである、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記一次反応系内の前記塩の濃度が190 mM~443 mMである、請求項14記載の方法
  16. 前記一次反応系内の前記塩の濃度が200 mM~443 mMである、請求項15記載の方法
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