JP2001330616A - 抗原結合固相の製造方法 - Google Patents

抗原結合固相の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 HCV抗原、特にリコンビナントHCV抗原、
特にそれらのNS3領域に対する抗体を高感度に検出し得
る、および/またはNS3領域に対する抗体に関してP/N比
の高い測定系のためのHCV抗原結合固相を提供する。 【解決手段】 固相への抗原結合に際して、疎水性炭化
水素鎖として炭素数8〜17個のアルキル基を有し、親
水性原子団として6〜25個のポリオキシエチレン基を
有する1種以上の非イオン性界面活性剤を使用する。更
に、抗原分子と固相とを接触させる前に、予めその抗原
分子と非イオン性界面活性剤を3時間〜42時間接触させ
ることも含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、HCV(C型肝炎ウイ
ルス)抗原に対する抗体の免疫測定および検出方法に使
用するための抗原結合固相の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗HCV抗体の検出測定方法としては、従
来よりHCV由来の種々の抗原、例えば、コア、NS3、NS4
およびNS5等の抗原結合固相を使用した免疫測定法が広
く使用されてきた。これらの方法においては、適当な緩
衝液中の抗原を固相に接触させることによって抗原を固
相に固定するか、または共有結合的に抗原を固相に固定
することが行なわれてきた。このような場合、エピトー
プの露出が十分でないために検出感度が十分でなかった
り、あるいは陽性反応と陰性反応との差が不明瞭である
等の問題が指摘されていた。また、共有結合的に固相に
結合する場合には抗原活性が失われる等の問題も生じて
いた。一方、抗HCV抗体に関連しては、第1世代検出法
から改良が進み、第3世代に至る過程で、HCV感染にお
いてNS3抗原の重要性が次第に明らかになってきた。す
なわち、HCV感染におけるセロコンバージョンパネルを
用いてセロコンバージョンの過程を調べると、抗原によ
って種々の反応パターンを示すことが明らかになった。
その中で、HCVの感染初期においてはHCVの非構造領域の
一つであるNS3領域に対する抗体が特に強く誘導される
ことが明らかとなった。従って、HCV感染診断のため
の、抗HCV抗体に対する感度の高い測定系、特に、早期
診断を目的として、抗NS3抗体に対する感度の高い測定
系、および、そのような測定系を組むために使用し得る
抗原結合固相が強く望まれていた。また、HCV感染の有
無の診断方法が普及するに従って、更なる診断を行なう
べき対象を不必要に増加させないため、陽性反応と陰性
反応を的確に区別することが更に重要になってきてお
り、そのような目的に使用し得る抗原結合固相が強く望
まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、HCV
抗原に対する抗体、すなわち抗HCV抗体を高感度に検出
し得る、および/または陽性反応と陰性反応の比(P/N
比)の高い抗HCV抗体測定系に使用し得るHCV抗原結合固
相を提供することである。特に本発明の目的は、リコン
ビナントHCV抗原に対する抗体を高感度に検出し得る、
および/または陽性反応と陰性反応の比(P/N比)の高い
抗リコンビナントHCV抗体の測定系に使用し得るHCV抗原
結合固相を提供することである。本発明のさらなる目的
は、リコンビナントHCV NS3領域に対する抗体を高感度
に検出し得る、および/またはリコンビナントHCV NS3
領域に対する抗体に関してP/N比の高い測定系のためのH
CV抗原結合固相を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の抗原結合固相の
製造方法は、抗原、固相、および疎水性炭化水素鎖とし
て炭素数8〜17個のアルキル基またはアルケニル基を有
し、親水性原子団として6〜25個のポリオキシエチレン
基を有する非イオン性界面活性剤を約0.05%〜約2.0%
(v/v)の濃度で接触させることを特徴とする方法であ
る。更に、本発明の別の方法は、固相へ抗原を結合する
に先立って、その抗原と前述した数のアルキル基または
アルケニル基、およびポリオキシエチレン基を有する非
イオン性界面活性剤とを混合し、約3時間〜約42時間プ
レインキュベーションすることによって抗原を処理する
ことを含む方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の抗原結合固相の製造方法
に使用し得る非イオン性界面活性剤は、抗原分子の3次
構造を変化させ得るものであれば特定のものに限定され
ない。また、本発明の方法に使用する界面活性剤は直鎖
状であっても、分枝状であってもよい。直鎖状の非イオ
ン性界面活性剤を使用する場合は、疎水性炭化水素鎖部
分の長さが好ましくは炭素数8〜17個、より好ましくは
8〜12個であり、特にアルキル基またはアルケニル基を
含むことが好ましく、また、親水性原子団としては好ま
しくは6〜25個、より好ましくは6〜20個、特に好まし
くは6〜10個のポリオキシエチレン基を有する非イオン
性界面活性剤が使用される。分枝構造を有する界面活性
剤を使用する場合は、分枝あたりの疎水性炭化水素鎖部
分の炭素の総数が8個〜17個が好ましく、分枝あたりの
ポリオキシエチレン基の総数が、好ましくは6個〜25
個、より好ましくは6個〜20個、特に好ましくは6個〜
10個である界面活性剤が使用される。具体的には、本発
明の方法において、ポリオキシエチレン(20)モノラウリ
ン酸ソルビタン(Tween20)、ポリオキシエチレン(20)モ
ノオレイン酸ソルビタン(Tween80)、ポリオキシエチレ
ン(10)p-オクチルフェニルエーテル(TritonN-101)、ポ
リオキシエチレン(10)p-t-オクチルフェニルエーテル(T
riton X-100)、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル
(Brij56)等を使用することができ、Tween80、Triton N-
101、Triton X-100、Brij56が好ましく、Tween80、Trit
on X-100、Brij56が特に好ましい。
【0006】本発明の方法に使用し得る非イオン性界面
活性剤の濃度は、好ましくは約0.05〜約2.0%(v/v)、よ
り好ましくは約0.1〜約2.0%(v/v)、特に好ましくは約
0.5〜約1.5%(v/v)である。本発明の方法において、単
一種類の界面活性剤を使用してもよいが、2種以上の界
面活性剤を使用することが好ましい。1種の界面活性剤
を使用する場合は、直鎖構造を有するものが好ましい。
2種以上の界面活性剤を使用する場合は、ソルビタン構
造を有する非イオン性界面活性剤と直鎖構造を有する界
面活性剤を組み合わせることが好ましく、総量が上述し
た濃度になるように使用される。例えば、Tween20、Twe
en80とBrij56またはTriton X-100の組み合わせが特に高
い効果を示す。本発明において、界面活性剤は、固相へ
の結合工程において添加してもよく、予め抗原と界面活
性剤を混合し、一定時間のプレインキュベーションの後
に固相へ結合させてもよい。界面活性剤による抗原の構
造変化を十分行なうためにプレインキュベーションを行
なうのが好ましい。
【0007】プレインキュベーションを行なわない場合
であっても、本発明の方法によって作製した固相を用い
た場合は抗HCV抗体に対する検出感度、とりわけ抗NS3抗
体の検出感度が高く、P/N比(陽性反応反応測定値/陰
性反応測定値)が高いが、プレインキュベーションを行
なうことにより、HCVの他の領域に対する抗体の検出感
度に比較して、特にNS3領域に対する抗体の検出感度が
向上する。プレインキュベーションの時間は界面活性剤
による抗原の構造変化が起こるに十分な時間であればよ
く、かつ、タンパク質の変性や分解のおそれが無い限り
長期間にわたってもよいが、好ましくは約3時間〜約42
時間、より好ましくは約3時間〜約24時間である。特に
HCV抗原のNS3領域に対する反応性とコア領域と対する反
応性の比を更に増大させたい場合は、測定の迅速性も考
慮すると約18時間〜約24時間のプレインキュベーション
を行なうのが最も好ましい。プレインキュベーション、
および固相への結合反応の際の処理温度は、通常使用す
る温度でよいが、抗原分子のフレキシビリティを考慮す
ればあまり高温でないことが好ましく、一般には約15℃
〜約37℃、好ましくは20℃〜37℃、更に好ましくは25℃
±3℃である。しかしながら、必要に応じて、より低温
で処理することもできる。
【0008】本発明の方法における抗原としては、HCV
由来の抗原、例えば、HCVコア領域、非構造領域NS3、NS
4、NS5を含む抗原が使用し得るが、NS3領域を含む抗原
が特に好ましい。これらは単独であっても、2以上が結
合していてもよい。本発明に使用するHCV抗原は、天然
起源、あるいはリコンビナント抗原の部分精製または未
精製品であってよいが、リコンビナント抗原が好まし
く、更に精製した抗原がより好ましく、精製リコンビナ
ント抗原が特に好ましい。なぜならば、リコンビナント
抗原は一般に抗体によって認識されるエプトープ部分が
露出されておらずそのまま固相に結合したのでは抗体に
認識されにくい場合が多いのに対し、本発明の方法によ
って抗原結合固相を作製した場合にはそのエピトープが
露出された形態で抗原が固相に結合するため、特に著し
い感度およびP/N比の上昇が得られるからである。その
ような理由で、最も好ましいのはNS3領域を含むリコン
ビナントHCV抗原である。このような抗原結合固相を作
製する場合に、使用する抗原は好ましくない反応を避け
るため精製されたものが好ましいことはいうまでもな
い。そのような抗原として、例えばリコンビナントHCV
c25抗原が商業的に入手可能である。この抗原はHCVのコ
ア領域、および非構造領域NS3、NS4を含む融合ペプチド
抗原である。
【0009】本発明に使用する固相としては、ポリスチ
レン、ポリエチレン、セファロース等が使用でき、その
物理的形状は本質的でない。使用する固相は、その表面
への抗原の固定化が容易で、測定中に形成される免疫複
合体と未反応のサンプル成分を容易に分離できるもので
あることが好ましい。特に、通常の免疫測定法に使用さ
れるプラスチックプレートや磁性粒子が好ましい。取り
扱い、保存、および分離の容易性等の観点から、前述の
ような材質の磁性粒子を使用することが最も好ましい。
これらの固相への抗原の結合は当業者によく知られた方
法によって行なうことができる。例えば、抗原結合磁性
粒子は以下のように調製することができる:20mMリン酸
緩衝液(pH7.0)に非イオン性界面活性剤を添加し、次
に磁性粒子約1mgに感作液を0.5ml程度添加して分散した
粒子懸濁液に、HCV抗原を適当量加え、25℃にて1時間
程度撹拌する。反応後、磁性粒子を磁力で集め、粒子を
0.4%塩化ナトリウム水溶液にて洗浄すれば抗原結合粒
子を得ることができる。使用する緩衝液の組成は抗原の
固相に使用される一般的なものでよく、pHは抗原が安定
に存在し、固相への固定化を阻害しない範囲であればよ
い。より具体的には、中性〜アルカリ側のpHを有するリ
ン酸緩衝液、トリス-HCl緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水
などが使用される。pHは一般には中性〜アルカリ性領域
が使用され、中性〜弱アルカリ性がより好ましく、より
具体的にはpH約7.0〜約8.5、特にpH7.0〜8.0の範囲が好
ましい。このような抗原結合固相は通常の免疫測定法に
使用することができる。例えば、ヒトについて抗HCV抗
体を測定する場合には、検体または希釈した検体を本発
明の方法によって作製したHCV抗原結合固相と接触さ
せ、第1の免疫複合体を形成させた後、固相を洗浄し、
続いて、標識抗ヒトIgG抗体をこの免疫複合体と接触さ
せ、生じた第2の免疫複合体を検出することによって、
検体中の抗HCV抗体を検出することができる。このよう
な目的に使用し得る標識抗ヒトIgG抗体はおよび検出方
法は当業者に良く知られたものであり、そのような抗体
は商業的に入手することも自家調製することもできる。
【0010】
【実施例】以下の実施例において、「従来法」とは、界
面活性剤を使用しない抗原結合固相作製方法をいう。 [実施例1] 1. リコンビナントHCV c25抗原結合粒子の作製 従来法感作液として、20mMリン酸緩衝液(pH7.0)を、
感作液としてポリオキシエチレン(10)オクチルフェニ
ルエーテル(Triton X-100)を0.1%(v/v)添加した20m
Mリン酸緩衝液(pH7.0)を調製した。磁性フェライト粒
子(日本ペイント社製)1mgに感作液を0.5ml添加して分
散した粒子懸濁液に、リコンビナントHCV c25抗原(カ
イロン社製) 35.7ugを加え、25℃1時間撹拌した。反応
後、フェライト粒子を磁力で集め、粒子を0.4%塩化ナト
リウム水溶液にて洗浄しリコンビナントHCV c25抗原結
合粒子を得た。リコンビナントHCV c25抗原結合粒子
は、使用時に牛血清アルブミンおよび鉄処理健康家兎血
清を含有する50mMトリス緩衝液(pH7.2)で0.01%(w/
v)に懸濁し、粒子液として測定に使用した。
【0011】2. 測定方法 1.で作製した粒子液250μlに検体希釈液(トリス-塩酸
緩衝液、pH7.2)で1:10に希釈した測定対象検体20μlを
混合し、撹拌後37℃10分間反応させた。磁力により磁性
粒子から反応残液を分離除去し、洗浄液(トリス-塩酸
緩衝液)にて洗浄した。洗浄後の粒子に次いで0.2μg/m
lアルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG抗体溶液250
μlを添加し、撹拌後37℃にて10分間反応させた。再度
磁力により磁性粒子と反応残液を分離除去し、洗浄液に
て洗浄した。この粒子にアルカリフォスファターゼの化
学発光基質である3-(2'-スピロアダマンタン)-4-メト
キシ-4-(3''-ホスホリルオキシ)フェニル-1,2-ジオキ
セタン・2ナトリウム塩(AMPPD)溶液200μlを添加し37
℃にて5分間酵素反応させた。反応後の化学発光量をル
ミノメーターで測定した。測定機器には全自動化学発光
免疫測定装置ルミパルスフォルテ(富士レビオ社製)を
使用した。
【0012】3. 検体測定 従来法および本発明の方法にて作製したリコンビナント
HCV c25抗原結合粒子について、2.に記載した測定方法
に従って標準陰性血清(抗HCV抗体を有しないヒト脱脂
血清)、標準陽性血清(抗HCV抗体を有するヒト血清を
抗HCV抗体を有しないヒト脱脂血清にて任意の濃度に希
釈した血清)および、HCV陽性自家管理血清の測定を行
った。結果を表1に示す。
【0013】
【表1】表1.リコンビナントHCV c25抗原結合粒子測
定結果
【0014】表1から明らかなように、本発明によって
作製した粒子は従来法によって作製した粒子と比較し、
陰性標準血清の発光量は変わらず、陽性標準血清の発光
量が上昇した。HCV陽性自家管理血清については従来法
によって作成した抗原結合粒子を使用した場合に比較し
て、発光量の顕著な上昇が認められた。
【0015】[実施例2] 1. リコンビナントHCV c25抗原結合粒子の作製および
検体測定 従来法感作液に (a) ポリオキシエチレン (20) モノウ
ラリン酸ソルビタン (Tween20) 、 (b) ポリオキシエ
チレン (20) モノオレイン酸ソルビタン (Tween80)、
(c) ポリオキシエチレン (23) ドデシルエーテル (Brij
35)、(d) ポリオキシエチレン (10) p-オクチルフェニ
ルエーテル (Triton N-101)、(e) ポリオキシエチレン
(4〜5) p-t-オクチルフェニルエーテル (Triton X-4
5)、(f) ポリオキシエチレン (30) p-t-オクチルフェニ
ルエーテル (Triton X-305)、(g) ポリオキシエチレン
(10) p-t-オクチルフェニルエーテル (Triton X-100)
をそれぞれ0.1%(v/v)添加し感作液(a)〜(g)とした。
以下実施例1と同様の方法によりリコンビナントHCV c2
5抗原結合粒子の作製、および検体測定を行った。結果
を表2に示す。
【0016】
【表2】表2.リコンビナントHCV c25抗原結合粒子の
試験結果
【0017】
【表3】表2.続き(1)
【0018】
【表4】表2.続き(2)
【0019】疎水基側アルキル基の炭素数が同一で直鎖
状であり、親水基側ポリオキシエチレン数が同一の (d)
Triton N-101は (g) Triton X-100と比較し同等以上の
発光量を示した。一方、疎水基側アルキル基の構造が同
一で、親水基側ポリオキシエチレン数の異なる (e) Tri
ton X-45および (f) Triton X-305では、 従来法と発光
量がほとんど変わらず、効果が認められなかった。ま
た、疎水基側アルキル基が直鎖状(ただし炭素数は異な
る)であり、親水基側ポリオキシエチレン数が異なる
(c) Brij35は (g) Triton X-100よりは効果が弱いもの
の従来法と比較しカウント上昇が認められた。一方、ソ
ルビタン構造を持ち、親水基側ポリオキシエチレン数が
20である (a)Tween20 および (b) Tween80については、
(g) Triton X-100よりやや効果が弱いものの従来法と比
較し感度上昇が認められた。
【0020】[実施例3] 1. リコンビナントHCV c25抗原結合粒子の作製および
検体測定 感作液として(a) ポリオキシエチレン (20) モノオレイ
ン酸ソルビタン (Tween80) 0.5%、(b) ポリオキシエチ
レン (20) モノオレイン酸ソルビタン (Tween80) 0.5%
(v/v) およびポリオキシエチレン (9〜10) セチルエー
テル (Brij56) 0.5%(v/v)を添加した20mMトリス-塩酸
緩衝液(pH7.5)を調製し、以下実施例1と同様の方法に
よりリコンビナントHCV c25抗原結合粒子の作製、およ
び検体測定を行った。結果を表3に示す。
【0021】
【表5】
【0022】(a) Tween80と比較し、(b) Tween80 + Bri
j56では、標準陰性血清発光量が変わらずに標準陽性血
清および管理血清の発光量上昇が認められた。Brij56
は、実施例2で効果の見られた疎水基側アルキル基の構
造および親水基側ポリオキシエチレン数を有する界面活
性剤に対応するものであり、これまでに得られた知見と
合致する結果が得られた。更に、異なる界面活性剤を2
種類以上組み合わせることによって感度が更に向上する
ことが明らかになった。
【0023】[実施例4]感作液として(a)ポリオキ
シエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン(Tween20),
(b)ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタ
ン(Tween80)、(c)ポリオキシエチレン(10)セチルエ
ーテル(Briji56)、(d)ポリオキシエチレン(10)p-オ
クチルフェニルエーテル(Triton N-100)、(e)ポリオ
キシエチレン(10)p-t-オクチルフェニルエーテル(Trito
n X-100)をそれぞれ0.5%(v/v)添加した20mトリス−塩
酸緩衝液(pH7.5)を調製し、以下実施例1と同様の方
法によりリコンビナントHCV c25抗原結合粒子の作製を
行なった。従来法および本発明の方法によって作製した
リコンビナントHCV c25抗原結合粒子について、実施例
1の測定方法に従って標準陰性血清(抗HCV抗体を有し
ないヒト脱脂血清)、標準陽性血清(抗HCV抗体を有す
るヒト血清を抗HCV抗体を有しないヒト脱脂血清にて任
意の濃度に希釈した血清)、管理血清D、E、F(HCV
core領域に体する抗体を有する血清、RIBA法c22-3陽
性、HCV ELISAIII陽性)および管理血清G、H、I(HC
V NS3領域に体する抗体を有する血清、RIBA法c33c陽
性)を用いて測定を行なった。ここで、c22-3抗原はHCV
コア領域に対応し、C33c抗原はHCV NS3領域に対応す
る。カットオフ値は(a)〜(e)の界面活性剤を用い
た本発明の方法にについては標準陽性血清の発光量の25
%、従来法については発光量の50%に設定した。カット
オフインデクス(C.O.I)は[管理血清の発光量]/[カ
ットオフ値]とし、C.O.Iが1.0以上をHCV抗体陽性、1.0
未満をHCV抗体陰性と判定した。
【0024】
【表6】表4.リコンビナントHCV c25抗原結合粒子を
用いた測定結果
【0025】
【表7】表4.続き(1)
【0026】
【表8】表4.続き(2)
【0027】管理血清G、H、I(HCV NS3領域に対する
抗体を有する血清)については、従来法では管理血清G
およびI(C.O.Iがそれぞれ0.4および0.6)は陰性判定と
なるが、(a)〜(e)では全て陽性判定となる。ま
た、発光量の比較においても(a)〜(e)では従来法
と比較して管理血清Hにおいて3倍以上、管理血清およ
びIでは10培以上の発光量の上昇が見られた。このこと
は、c25抗原中のNS3領域の抗体結合部位が界面活性剤の
存在によって表面に露出する高次構造をとった状態で固
相粒子に結合したことを意味する。また、(a)〜
(e)の中では、界面活性剤としてポリオキシエチレン
(10)セチルエーテル(Brij56)が最も高感度であった。Br
iji56は、疎水基側アルキル基が直鎖状であり、親水基
側ポリオキシエチレンの数が9〜10個であって、c25抗
原の高次構造を変化させてNS3領域の抗体結合部位を表
面に露出させるために最も適した界面活性剤に要求され
る性質を完全に満たしている界面活性剤であり、この結
果はこのことを反映したものである。
【0028】[実施例5]リコンビナントHCV c25抗原
結合粒子の作製におけるプレインキュベーション時間の
影響(1) 感作液としてポリオキシエチレン (20) モノオレイン酸
ソルビタン (Tween80)0.5%(v/v)および ポリオキシエ
チレン (10) セチルエーテル (Brij56) 0.2%(v/v)を
添加した20mMトリス-塩酸緩衝液(pH7.5)を調製した。
感作液0.25mlにリコンビナントHCV c25抗原35.7ugを
加えてc25抗原希釈液とし、(a) 25℃ 1時間 (b) 25℃
1日 (c) 25℃ 5日間 それぞれ静置してプレインキュ
ベーションを行なった。c25抗原希釈液を調製後、プレ
インキュベーションを行なわない条件を(d)とした。フ
ェライト粒子1mgに感作液を0.25ml添加して分散した粒
子懸濁液に、上記のc25抗原希釈液を混合し、25℃1時間
撹拌した。反応後、フェライト粒子を磁力で集め、粒子
を0.4%塩化ナトリウム水溶液にて洗浄しリコンビナント
HCV c25抗原結合粒子を得た。以下実施例1の測定方法に
従って標準陰性血清、標準陽性血清、管理血清D,E,F,G,
H,Iの測定を行った。結果を表5に示す。
【0029】
【表9】表5.プレインキュベーション時間の影響
【0030】
【表10】表5(続き)
【0031】表5から明らかなように、プレインキュベ
ーションを行なった場合には((a)〜(c))、行なわ
ない場合((d))に比較して、標準陽性血清および管理
血清D,E,F,G,H,Iいずれにおいても発光量増大が認めら
れた。またc25抗原希釈液の静置時間の長さに伴って発
光量は増大し、(a),(b),(c)の比較では、(c)が最も高い
発光量を示し、(d)と比較し20〜52%の発光量増大とな
ることが示された。標準陰性血清については、(a),(b),
(c)は(d)と比較し寧ろ発光量が低下した。
【0032】[実施例6]リコンビナントHCV c25抗原
結合粒子の作製におけるプレインキュベーション時間の
影響(2) 実施例5と同じ方法で、但し、プレインキュベーション
時間を(a)0時間、(b)1時間、(c)3時間、(d)18時間、
(e)24時間、(f)27時間、(g)42時間にしてプレインキュ
ベーション時間の測定系の感度に与える影響を調べた。
また、(標準陽性血清の測定値)/(標準陰性血清の測
定値)を算出した。その結果を表6に示す。数値はいず
れも発光量である。
【0033】
【表11】表6.プレインキュベーション時間の影響
(2)
【0034】
【表12】表6.続き P/N:(標準陽性血清の測定値)/(標準陰性血清の測
定値)
【0035】表6から明らかなように、プレインキュベ
ーション時間が3時間程度から測定系の感度の向上が見
られ、かつP/N比の向上が見られた。この効果は約24時
間でほぼ最大に達し、その後は大きな変化は見られなか
った。
【0036】
【発明の効果】本発明により、HCV抗原、特にリコンビ
ナントHCV抗原に対する抗体、特にそれらのNS3領域に対
する抗体を高感度に検出するための抗原結合固相が得ら
れる。また、本発明によれば、HCV抗原、特にリコンビ
ナントHCV抗原、特にそれらのNS3領域に対する抗体の検
出に際して、バックグラウンドの低い、すなわち、陰性
/陽性比の低い結果を与える抗原結合固相が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性炭化水素鎖として炭素数8〜17個
    のアルキル基またはアルケニル基を有し、親水性原子団
    として6個〜25個のポリオキシエチレン基を有する1種
    以上の非イオン性界面活性剤、固相および、HCV抗原を
    中性またはアルカリ性緩衝液中で接触させることを特徴
    とする、HCV抗原を結合した抗原結合固相の製造方法。
  2. 【請求項2】 (i)固相へ抗原を結合させるに先立っ
    て、疎水性炭化水素鎖として炭素数8〜17個のアルキル
    基またはアルケニル基を有し、親水性原子団として6個
    〜25個のポリオキシエチレン基を有する1種以上の非イ
    オン性界面活性剤と抗原とを混合してプレインキュベー
    ションすることによって前記抗原を処理すること、およ
    び、(ii)疎水性炭化水素鎖として炭素数8〜17個のア
    ルキル基またはアルケニル基を有し、親水性原子団とし
    て6個〜25個のポリオキシエチレン基を有する1種以上
    の非イオン性界面活性剤、固相および、(i)で処理され
    たHCV抗原を中性またはアルカリ性緩衝液中で接触させ
    ることを含み、(i)で使用する非イオン性界面活性剤
    と(ii)で使用する非イオン性界面活性剤が同一である
    か、または、それらの一部若しくは全部が異なっていて
    もよい、HCV抗原を結合した抗原結合固相の製造方法。
  3. 【請求項3】 プイレインキュベーション時間が3時間
    〜42時間である、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 HCV抗原がリコンビナントHCV抗原であ
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 界面活性剤の濃度が0.05%〜2.0%(v/
    v)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 抗原と界面活性剤とを接触させるときの
    緩衝液のpHが 7.0〜8.5の範囲である、請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 抗原が、HCVのNS3領域を含むことを特徴
    とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104020288A (zh) * 2014-06-18 2014-09-03 上海科华生物工程股份有限公司 一种人胰岛素单克隆抗体交联磁微粒及其制备方法和包括其的人胰岛素检测试剂盒
CN106153905A (zh) * 2016-06-21 2016-11-23 广西中医药大学附属瑞康医院 一种检测艾滋病病毒的试剂盒
WO2017009926A1 (ja) * 2015-07-13 2017-01-19 和光純薬工業株式会社 特異的結合物質の固定化方法
CN106442964A (zh) * 2016-08-31 2017-02-22 上海科华生物工程股份有限公司 用于蛋白质固相化的包被液制备方法
CN110596374A (zh) * 2019-09-19 2019-12-20 潍坊市康华生物技术有限公司 一种磁微粒与抗原偶联的方法

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