JPH11248706A - 非特異的吸着防止剤 - Google Patents

非特異的吸着防止剤

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JPH11248706A
JPH11248706A JP6777898A JP6777898A JPH11248706A JP H11248706 A JPH11248706 A JP H11248706A JP 6777898 A JP6777898 A JP 6777898A JP 6777898 A JP6777898 A JP 6777898A JP H11248706 A JPH11248706 A JP H11248706A
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JP
Japan
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antibody
antigen
cyclodextrin
present
specific adsorption
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JP6777898A
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English (en)
Inventor
Katsuya Sasaki
克也 佐々木
Takahisa Kobayashi
高久 小林
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】免疫反応に影響を与えず、測定に使用する、遊
離の抗原、抗体またはその標識体の、抗体或は抗原結合
固相や反応容器への非特異的吸着を防止し、高精度で高
感度な分析法を可能にする非特異的吸着防止剤の提供。 【解決手段】シクロデキストリン又は/及びその誘導体
を含んでなる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床検査、診断薬
分野に於て用いられる免疫反応を利用した測定法に使用
される、遊離の抗原、抗体又はこれらに標識物を結合さ
せたもの(以下、単に標識体という場合がある。)の、
抗体或は抗原結合固相や免疫反応容器への非特異的吸着
防止剤、及びこれを用いた非特異的吸着防止方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、臨床検査、診断薬分野において、
免疫反応を利用した測定法が広く行われてきており、微
量の生体成分の分析に広く用いられている。本測定法に
おいて、検出感度を左右する要因の一つとして、測定に
使用される、遊離の抗原、抗体又はこれらの標識体の、
抗体或は抗原結合固相や免疫反応容器への非特異的吸着
が挙げられる。これらの吸着は検出感度や再現性の低下
の原因となっている。
【0003】従来、これらの抗原或は抗体結合固相や免
疫反応容器への吸着を防止するため、抗原或は抗体結合
固相や免疫反応容器を、アルブミン等の免疫反応に無関
係なタンパク質でブロッキングする方法、ポリビニルア
ルコールを用いてブロッキングする方法(特開平4-1956
1号公報)、或は2-メタクリロイルオキシエチルスルホ
リルコリン重合体を用いてブロッキングする方法(特開
平7-83923号公報)等が知られている。
【0004】抗原或は抗体結合固相への非特異的吸着は
上記した如きブロッキング剤の測定系内への添加である
程度回避することも可能ではあるが、まだ充分とはいえ
ず、反応容器への非特異的吸着は、あらかじめ反応容器
を上記のようにブロッキング剤で処理しなければなら
ず、操作が煩雑である。
【0005】一方、特開平6-66798号公報や特開平9-800
48号公報に記載されているような界面活性剤を使用する
方法は、直接、測定系に添加して使用することが可能で
あるが、この方法では反応容器を未処理で使用した場合
には充分な効果が得られない、また、測定対象のタンパ
ク質がその構造中に脂質を含んでいる場合には界面活性
剤の使用によってその構造を破壊してしまうため使用で
きない、等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した如き状況に鑑
み本発明が解決しようとする課題は、免疫反応に影響を
与えず、測定に使用する、遊離の抗原、抗体またはその
標識体の、抗体或は抗原結合固相や反応容器への非特異
的吸着を防止し、高精度で高感度な分析法を可能にする
非特異的吸着防止剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する目的でなされたものであり、下記の構成から成る。 『(1)シクロデキストリン又は/及びその誘導体(以
下、本発明のシクロデキストリン類と略記する。)を含
んでなる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤。
【0008】(2)本発明のシクロデキストリン類を抗体
又は抗原を含有する溶液中に共存させることを特徴とす
る、抗原又は抗体の非特異的吸着防止方法。
【0009】(3)本発明のシクロデキストリン類と、抗
体又は抗原とを含有する溶液を用いることを特徴とす
る、免疫学的測定方法。
【0010】(4)本発明のシクロデキストリン類と、抗
体又は抗原とを含んでなる抗体又は抗原組成物。
【0011】(5)本発明のシクロデキストリン類と、抗
体又は抗原とを含んでなる免疫学的測定用試薬。』
【0012】即ち、本発明者らは、遊離の抗原、抗体又
はこれらの標識体の、抗体或は抗原結合固相や反応容器
への非特異的吸着を防止し、且つ目的の免疫反応に影響
を与えず、高精度で高感度な分析法を可能にする非特異
的吸着防止剤を求めて鋭意研究を重ねた結果、本発明の
シクロデキストリン類が、上記目的を達成し得ることを
見出し、本発明を完成するに到った。
【0013】本発明のシクロデキストリン類としては、
遊離の抗原、抗体又はこれらの標識体の、抗体或は抗原
結合固相や反応容器への非特異的吸着を防止する作用を
有するものであればよく、特に限定されないが、例えば
α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-
シクロデキストリン、これらのポリマー及びこれらシク
ロデキストリンの誘導体のなかから適宜選択された、前
述の如き性質を有するものが挙げられる。
【0014】本発明に係るシクロデキストリン誘導体の
具体例としては、2,6-ジ-O-メチル-α-シクロデキスト
リン、2,3,6-トリ-O-メチル-α-シクロデキストリン、
2,6-ジ-O-メチル-β-シクロデキストリン、2,3,6-トリ
-O-メチル-β-シクロデキストリン、2,6-ジ-O-メチル
-γ-シクロデキストリン、2,3,6-トリ-O-メチル-γ-シ
クロデキストリン等のアルキル化シクロデキストリン、
例えば2-ヒドロキシエチル-α-シクロデキストリン、2-
ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン、3-ヒドロ
キシプロピル-α-シクロデキストリン、2,3-ジヒドロキ
シプロピル-α-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチ
ル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-
シクロデキストリン、3-ヒドロキシプロピル-β-シクロ
デキストリン、2,3-ジヒドロキシプロピル-β-シクロデ
キストリン、2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリ
ン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、3-
ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、2,3-ジヒ
ドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン等のヒドロキ
シアルキル化シクロデキストリン、例えば6-O-α-D-
グルコシル-α-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシ
ル-α-シクロデキストリン、6-O-α-D-グルコシル-β
-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシル-β-シクロ
デキストリン、6-O-α-D-グルコシル-γ-シクロデキ
ストリン、6-O-α-マルトシル-γ-シクロデキストリン
等の糖修飾シクロデキストリン、例えばO-カルボキシ
メチル-α-シクロデキストリン、O-カルボキシメチル-
β-シクロデキストリン、O-カルボキシメチル-γ-シク
ロデキストリン等のカルボキシアルキル化シクロデキス
トリン等が挙げられる。
【0015】本発明に係るシクロデキストリンのポリマ
ーとしては、例えばポリ-α-シクロデキストリン、ポリ
-β-シクロデキストリン、ポリ-γ-シクロデキストリン
等のポリマー体等が挙げられる。
【0016】尚、本発明のシクロデキストリン類として
は、市販のものを用いても良いし、例えば米国特許第34
53258号明細書、米国特許第3453259号明細書、Polymer
Journal, Vol.13, No.8, p.777-781(1981)、特開昭61-2
66401号公報、特開昭63-122701号公報、特開昭62-24360
2号公報等に記載の自体公知の方法に準じて合成したも
のを用いても良い。
【0017】本発明のシクロデキストリン類の使用濃度
としては、抗原或は抗体結合固相や反応容器への非特異
的吸着を防止し得且つ目的の抗原抗体反応を阻害しない
濃度であればよく特に限定されないが、反応系内に通常
0.1〜10w/v%、好ましくは0.5〜5w/v%となるように添
加される。
【0018】本発明のシクロデキストリン類は、単独で
用いても、或は二種以上適宜組合せて用いてもよい。
【0019】本発明の非特異的吸着防止剤により、抗体
或は抗原結合固相や反応容器への非特異的吸着を防止し
得る抗原としては、例えば血清,血液,血漿,尿等の生
体体液、リンパ球、血球、各種細胞類等の生体由来の試
料中に含まれる蛋白質、ペプチド、核酸、糖鎖、ホルモ
ン、薬物等が代表的なものとして挙げられる。更に、具
体的にはα-フェトプロテイン(AFP),CA19-9,前立腺特
異抗原(PSA)、癌胎児性抗原(CEA),癌細胞の産生する特
殊な糖鎖を有する物質等の癌マーカー、例えば免疫グロ
ブリンA(IgA),免疫グロブリンE(IgE),免疫グロブリ
ンG(IgG),β2-ミクログロブリン,アルブミン,フェ
リチン等の血清蛋白質、例えばC-ペプチド,アンジオ
テンシン I等のペプチド、例えばアミラーゼ,アルカ
リホスファターゼ,γ-グルタミルトランスフェラーゼ
(γ-GTP)等の酵素蛋白、例えばルベラウイルス,ヘルペ
スウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイルス,AIDSウイル
ス等臨床的に注目されているウイルスに由来する抗原、
ウイルス等の病原体のデオキシリボ核酸(DNA)やリボ核
酸(RNA)或はこれら核酸を構成する1本鎖ポリヌクレオ
チド、ウイルス等の病原体に由来する抗原性物質、例え
ばスギその他の草木の花粉や室内塵等のアレルゲン、例
えばリポ蛋白質等の脂質、例えばトリプシン,プラスミ
ン,セリンプロテアーゼ等のプロテアーゼ、例えばイン
シュリン,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG),サイロキ
シン(T4),トリヨードサイロニン(T3),プロラクチン,
甲状腺刺激ホルモン(TSH)等のホルモン、例えばジゴキ
シン,フェニトイン,モルヒネ,ニコチン等の薬物等が
挙げられる。
【0020】本発明の非特異的吸着防止剤により、抗原
或は抗体結合固相や反応容器への非特異的吸着を防止し
得る抗体としては、上記抗原に対する抗体が挙げられ
る。
【0021】上記抗原又は抗体の標識物質としては、例
えば酵素免疫測定法(EIA)において用いられるアルカ
リホスファターゼ,β-ガラクトシダーゼ,パーオキシ
ダーゼ,マイクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシ
ダーゼ,グルコース-6-リン酸脱水素酵素,リンゴ酸脱
水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、例えば放射免疫
測定法(RIA)で用いられる99mTc,131I,125I,14
C,3H等の放射線同位元素、例えば蛍光免疫測定法(F
IA)で用いられるフルオレセイン,ダンシル,フルオレ
スカミン,クマリン,ナフチルアミン或はこれらの誘導
体等の蛍光性物質、例えばルシフェリン,イソルミノー
ル,ルミノール,ビス(2,4,6-トリフロロフェニル)オ
キザレート等の発光性物質、例えばフェノール,ナフト
ール,アントラセン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸
収を有する物質、例えば4ーアミノ-2,2,6,6-テトラメチ
ルピペリジン-1-オキシル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメ
チルピロリジン-1-オキシル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5
-ジ-t-ブチル-4-オキソ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イ
リデン)ーp-トリルオキシル等のオキシル基を有する化合
物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する
物質等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0022】本発明のシクロデキストリン類を用いて非
特異的吸着を防止するためには、少なくとも免疫反応の
際にその系内に本発明のシクロデキストリン類が存在す
るようにすればよく、存在させる方法は特に限定されな
いが、例えば、免疫反応時に使用される緩衝液、遊離の
抗原、抗体又はこれらの標識体を含有する試液或は検体
等に本発明のシクロデキストリン類を予め添加溶解して
おいてもよく、また、検体と必要な試液とを混合する際
に添加溶解させても良い。尚、非特異的吸着防止効果を
考慮すると、遊離の抗原、抗体又はこれらの標識体を含
有する試液中に本発明のシクロデキストリン類を予め添
加しておくことが望ましい。
【0023】また、本発明に係る組成物はシクロデキス
トリン類を緩衝液や遊離の抗原、抗体又はこれらの標識
体を含有する試液に溶解して得られる溶液が一般であ
り、この組成物は、免疫学的測定法に供されるまで、凍
結処理や凍結乾燥処理等を施した状態、或は溶液等の状
態等、多種の形態で保存し得るものである。そして、用
時、これらの組成物を測定系に添加すればよい。
【0024】本発明に於て、抗原又は抗体結合固相の固
相の材質としては特に限定されるものではないが、例え
ばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ア
クリル、ポリメチルメタクリレート等の合成高分子、ガ
ラス、金属、セラミック、シリコンラバー等が挙げられ
る。
【0025】また、これら材質の形状も特に限定される
ものではないが、例えば試験管、タイタープレート、ラ
テックス、磁性微粒子等が挙げられる。
【0026】固相化担体に結合させる抗原又は抗体は検
体中の測定すべき物質に応じて適宜選択される。固相化
担体に対する抗体又は抗原の結合は、化学的結合であっ
ても物理的結合(吸着)であってもよい。
【0027】また、本発明の免疫学的測定方法に於ける
検体としては種々のものが使用でき特に限定されない
が、例えば、血清、血漿、血液、髄液等の各種体液や尿
等の排泄物、便等の希釈物から固形分を除去したもの、
各種組織の抽出液等が挙げられる。
【0028】本発明において、抗原−抗体反応、即ち免
疫反応による検体中の測定対象物質の免疫学的測定は、
本発明に係る吸着防止剤を免疫反応系内に存在させる以
外は、自体公知の免疫学的測定法、例えば、酵素免疫測
定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法
(FIA)等の免疫学的測定法に準じて行えば良い。ま
た、その測定原理としては、サンドイッチ法、競合法、
二抗体法等種々のものが挙げられる。
【0029】本発明に於て、免疫反応容器としては種々
のものが使用でき、例えばガラス又はプラスチック製の
チューブ、多数のチューブが一体成形された専用のトレ
イ、マイクロタイタープレート等が挙げられる。
【0030】尚、固相化担体としてマイクロタイタープ
レートやチューブを用いる場合は、固相化担体自体を免
疫反応容器とすることもできるが、固相化担体とは別途
に各種の反応容器を用いることもできる。
【0031】本発明に係る試薬、組成物又は溶液中に
は、通常この分野で用いられる試薬類、例えば緩衝剤、
反応促進剤、糖類、タンパク質、塩類、界面活性剤等の
安定化剤、防腐剤等であって、共存する試薬等の安定性
や抗原と抗体との反応を阻害しないもの等が含まれてい
てもよい。またその濃度も、通常、この分野で用いられ
る濃度範囲から適宜選択すればよい。
【0032】本発明に係る試薬、組成物又は溶液に於て
用いることのできる緩衝剤としては、例えばトリス緩衝
剤、リン酸緩衝剤、ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、
グッド緩衝剤等通常免疫比濁法、免疫比ろう法、酵素免
疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法
(FIA)等に用いられている緩衝剤は全て挙げられ、測定
反応時のpHとしては抗原抗体反応を抑制しない範囲で
あれば特に限定されないが、通常6〜10の範囲から好
ましく選択される。
【0033】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0034】
【実施例】実施例1 (1)抗HBsモノクローナル抗体の作製 HBs抗原(スクリプス社製)をフロイント完全アジュバ
ントとともにBALB/cマウス(雌)に免疫(2回)後、摘
出した脾臓細胞とミエローマ細胞(F0)とをポリエチレ
ングリコールを用いる常法(例えば、特開平5-244983号
公報に記載された方法等)により融合させた。その後、
常法により抗HBsモノクローナル抗体産生ハイブリドー
マを選別し、これを培養して抗HBsモノクローナル抗体
を得た。得られた抗HBsモノクローナル抗体を常法(石
川栄治著、「酵素標識法」、学会出版センター、1991
年、p.62の方法)によりペルオキシダーゼ(POD、ベ
ーリンガーマンハイム社製)標識し、標識抗体を作製し
た。
【0035】(2)POD標識抗体溶液 上記(1)で得た標識抗体2.5μgAb/mlとなるように2%B
SAを含む50mM MES緩衝液(pH6.5)に溶解後、所定の
本発明に係る非特異的吸着防止剤を1%(W/V)の濃度
になるように溶解したものをPOD標識抗体液とした。
尚、比較として非特異的吸着防止剤を加えないものも同
時に調製した。これらのPOD標識抗体溶液用い、以下に
示す方法で測定を行って非特異的吸着防止効果を調べ
た。
【0036】(3)吸着防止効果の検討 ポリスチレンボール(イムノケミカル社製) を、上記
(1)で得た抗HBsモノクローナル抗体(POD未標識)20μ
g/mlを含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)中に浸漬し、4
℃で一夜静置後、1% BSAを含む50mM MOPS緩衝液(p
H7.5)中に浸漬して、さらに4℃で一夜静置し、抗HBs
モノクローナル抗体固定化ボールを作製した。ポリプロ
ピレンチューブ に1%BSAを含む50mM MOPS緩衝液(p
H7.5) 200μlを分注し、上記のように調製した抗HBs
モノクローナル抗体固定化ボール1個を加えて37℃で7
分間反応させた。次いで該ボールを生理食塩液1mlで3
回洗浄後、所定のPOD標識抗体溶液200μlを加えて37℃
で7分間反応させた。該ボールを生理食塩液 1mlで3
回洗浄後、5mMルミノール及び0.02%過酸化水素を含む
50mMトリス緩衝液(pH8.5)200μlを加え、化学発光
計(ベルトールド社製、オートルマットLB953)にて化
学発光を測定した。
【0037】尚、非特異的吸着防止能(%)は下式1によ
り算出した。結果を表1に示す。
【0038】
【式1】[式1]
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から、本発明に係る非特異的吸
着防止剤を添加すると、無添加の場合に比較して、非特
異的吸着が防止できることが判る。
【0041】実施例2 上記実施例1で非特異的吸着防止効果が高かった化合物
を用い、その使用濃度を変化させた場合の非特異的吸着
防止能を測定した。尚、測定は、表2に示す本発明に係
る非特異的吸着防止剤を所定濃度使用し、標識抗体溶液
として実施例1の(1)で調製したPOD標識抗体を2.5μgA
b/ml及びBSAを2%含む50mM MES緩衝液(pH6.5)を用
いた以外は実施例1の(3)と同じ試薬を用いて同様の操
作により行った。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から、本発明に係る非特異的吸
着防止剤の濃度を増加させることによって、非特異的吸
着をほぼ完全に防止できることが判る。
【0044】実施例3 本発明に係る非特異的吸着防止剤添加による免疫反応へ
の影響を調べるため、以下のように実験を行った。即
ち、先ず、1%BSAを含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)
を用いて調製したHBs抗原溶液(0または0.6IU/ml)20
0μlをポリプロピレンチューブに分注し、抗HBsモノク
ローナル抗体固定化ボール1個を加えて37℃で7分間反
応させた。次いで該ボールを生理食塩液1mlで3回洗浄
後、2% ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン
とPOD標識抗体を2.5μgAb/ml含む50mM MOPS緩衝液(p
H6.5)200μlを加えて37℃で7分間反応させた。該ボ
ールを生理食塩液1mlで3回洗浄後、5mMルミノール及
び0.02%過酸化水素を含む50mM トリス緩衝液(pH8.
5)200μlを加え、化学発光計(ベルトールド社製、オ
ートルマットLB953)にて化学発光を測定した。結果を
表3に示す。
【0045】また、S/N比(シグナル/ノイズ比)は
下式2により算出した。その結果も表3に併せて示す。
【0046】
【式2】[式2]
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果から、本発明に係る非特異的吸
着防止剤の添加によって、免疫反応に影響を与えず、S
/N比が良くなることが判る。
【0049】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は免疫反応に影
響を与えず、遊離の抗原、抗体又はこれらの標識体の抗
原或は抗体結合固相や反応容器への非特異的吸着を防止
する非特異的吸着防止剤並びに非特異的吸着防止方法を
提供するものであり、本発明を利用することにより、従
来の方法に比べて、直接免疫反応系に使用することが出
来、更に、高精度で高感度な分析を可能にし得るという
効果を奏するものであるので、斯業に貢献すること大な
る発明である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 39/00 A61K 39/00 A 39/395 39/395 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロデキストリン又は/及びその誘導
    体を含んでなる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤。
  2. 【請求項2】 シクロデキストリン又は/及びその誘導
    体を抗体又は抗原を含有する溶液中に共存させることを
    特徴とする、抗原又は抗体の非特異的吸着防止方法。
  3. 【請求項3】 シクロデキストリン又は/及びその誘導
    体と、抗体又は抗原とを含有する溶液を用いることを特
    徴とする、免疫学的測定方法。
  4. 【請求項4】 シクロデキストリン又は/及びその誘導
    体と、抗体又は抗原とを含んでなる抗体又は抗原組成
    物。
  5. 【請求項5】 抗体又は抗原組成物が溶液である、請求
    項4の組成物。
  6. 【請求項6】 シクロデキストリン又は/及びその誘導
    体と、抗体又は抗原とを含んでなる免疫学的測定用試
    薬。 【0001】
JP6777898A 1998-03-03 1998-03-03 非特異的吸着防止剤 Withdrawn JPH11248706A (ja)

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Cited By (9)

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