JP2013253866A - レクチンを用いたアナライトの検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出対象糖鎖および非検出対象糖鎖を含む複数種の糖鎖と結合する標識用レクチンを用いて、検体中の前記検出対象糖鎖を有するアナライトを検出する方法であって、前記標識用レクチンと結合した前記アナライトを検出する検出工程の前に、前記標識用レクチンを前記アナライトに接触させる標識処理と、少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を、前記非検出対象糖鎖を有する夾雑物に接触させるマスク処理とを行うことを特徴とする、アナライトの検出方法。
【選択図】なし
Description
前記標識用レクチンを前記アナライトに接触させる標識処理と、
少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を、前記非検出対象糖鎖を有する夾雑物に接触させるマスク処理とを含む検出前処理工程を行うことを特徴とする、検出対象糖鎖を有するアナライトの検出方法。
[4]前記標識処理および前記マスク処理を、前記固相化処理の前に行う、[2]に記載の検出方法。
[6]前記標識処理を、前記マスク処理の前に行う、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の検出方法。
[8]前記固相化処理を、前記標識処理の後かつ前記マスク処理の前に行う、[2]に記載の検出方法。
[10]前記アナライトが前立腺特異抗原(prostate specific antigen, PSA)であり、前記標識用レクチンがノダフジレクチン(WFA)であり、前記マスク用糖鎖認識分子がガレクチンである、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の検出方法。
少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を含む試薬と、
前記検出対象糖鎖を有するアナライトと結合するリガンドを含む試薬と
を含むことを特徴とする、検出対象糖鎖を有するアナライトの検出用キット。
本明細書において「検出対象糖鎖」とは、アナライト(たとえば特定の疾患を発症した場合に血中に比較的高濃度で存在するようになるマーカーとなる抗原)が特異的に有する糖鎖であって、アナライトを検出するために、検出用レクチンを極力多く結合させることが意図される糖鎖を指す。一方、「非検出対象糖鎖」とは、アナライトとともに検体中に存在する夾雑物(アナライトとは異なる糖タンパク質、糖脂質等)が有する糖鎖であって、アナライトの検出の障害となるため、検出用レクチンを極力結合させないことが意図される糖鎖を指す。
≪本発明に用いられる標識用レクチン・マスク用糖鎖認識分子等≫
本発明の方法には、標識用レクチン、標識体、マスク用糖鎖認識分子、リガンド、アナライトおよび夾雑物を含む検体、必要に応じてさらにリガンドを固定化するための支持体を用いる。以下、各要素について詳細に説明する。
本発明の検出方法では、検出対象糖鎖を有するアナライトを標識するための標識用レクチンとしてレクチンが用いられる。また、夾雑物が有する検出対象糖鎖をマスキングするためのマスク用糖鎖認識分子としてレクチンが用いられる場合がある。本発明において、マスキングに用いられる糖鎖認識分子はレクチンに限定されるものではなく、たとえば検出対象糖鎖をエピトープとして認識し、特異的に結合する抗体も包含されるが、標識用レクチンと同様、安価で大量に入手が可能であり、またタンパク質の安定性にも優れており長期間保存も可能であるという観点からは、レクチンが好適である。
本発明の方法においては、検出対象抗原を検出するために、レクチンと複合体化させた標識体を用いる。そのために、標識体とレクチンと複合体化(結合)させた、標識化レクチンが作製される。
蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(Integrated DNA Technologies社)、ポリハロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株))、ヘキサクロロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株))、クマリン・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株))、ローダミン・ファミリーの蛍光色素(GEヘルスケア バイオサイエンス(株))、シアニン・ファミリーの蛍光色素、インドカルボシアニン・ファミリーの蛍光色素、オキサジン・ファミリーの蛍光色素、チアジン・ファミリーの蛍光色素、スクアライン・ファミリーの蛍光色素、キレート化ランタニド・ファミリーの蛍光色素、BODIPY(登録商標)・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株))、ナフタレンスルホン酸・ファミリーの蛍光色素、ピレン・ファミリーの蛍光色素、トリフェニルメタン・ファミリーの蛍光色素、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(インビトロジェン(株))等の有機蛍光色素が挙げられる。
<アナライト(検出対象物質)>
本発明では、レクチンにより認識される特定の糖鎖を有し、かつ、適切なリガンドにより特異的に認識され結合し得る分子または分子断片をアナライト(検出対象物質)とすることができる。なお、本明細書において、当該アナライトが抗原である場合に「検出対象抗原」と呼ぶこともある。
本発明の検出方法では、アナライト(検出対象物質)を含む可能性のある検体を被検試料とすることができる。アナライトを含む可能性のある検体は、現実にアナライトを含む検体であってもよいし、現実にはアナライトを含まない検体であってもよい。このような検体としては、例えば、血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、細胞、組織、もしくは器官、またはそれらの調製物(例えば、生検標本)等の生体試料および生体由来試料を挙げることができる。特に、がん抗原/腫瘍マーカーを含む可能性のある、血液、血清または血漿が検体として好適である。
本発明の検出方法における、アナライト(検出対象抗原)、標識用レクチン、およびマスク用糖鎖認識分子(レクチン)の組合せの具体例を表1に示す。
本発明では、アナライト(検出対象物質)を特異的に認識して結合し、かつ、レクチンによる糖鎖認識を妨げない分子をリガンド(抗原捕捉物質)として用いることができる。アナライトに対応する適切な物質であればリガンドは特に限定されないが、例えば、抗体、アプタマー、合成ペプチド等を用いることができる。特に、検出対象抗原に対するモノクローナル抗体が好適である。
本発明の検出方法においては、測定系に応じて、リガンドを固定化する(そこにアナライトを捕捉する)ための支持体を用いることができる。支持体としては、例えば、アガロース、セルロースなどの不溶性の多糖類、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの合成樹脂や、ガラスなどの不溶性の支持体を挙げることができる。これらの支持体は、ビーズ(主として球状)、プレート(主として平面状)などの形状で用いられる。ビーズとしては磁気ビーズ、樹脂ビーズ等が充填されたカラムなどが使用できる。プレートの場合、マルチウェルプレート(96穴マルチウェルプレート等)、バイオセンサーチップなどが使用できる。なお、プレート等の平面状の支持体を基板と呼ぶこともある。
なお、支持体に固定化されており、送液される検体中のアナライトを捕捉して当該支持体上に固相化することができる状態のリガンドを固相化リガンドと呼ぶこともある。
<検出方法に含まれる工程>
本発明の検出方法は、検出対象糖鎖および非検出対象糖鎖を含む複数種の糖鎖と結合する標識用レクチンを用いて、検体中の前記検出対象糖鎖を有するアナライトを検出する方法であって、前記標識用レクチンと結合した前記アナライトを検出する検出工程の前に、以下の処理を含む検出前処理工程を含む:
(1)前記標識用レクチンを前記アナライトに接触させる標識処理;
(2)少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を、前記非検出対象糖鎖を有する夾雑物に接触させるマスク処理;および、必要に応じて、
(3)前記アナライトと結合するリガンドが固定化された支持体に前記アナライトを接触させる固相化処理。
本発明の検出方法では、検出前処理工程、検出工程の順序で行われる。検出前処理工程に含まれる最後の処理の後に、検出工程を行うようにすればよい。
(1)標識処理+マスク処理
(2)標識処理→マスク処理
(3)マスク処理→標識処理
(4)(標識処理+マスク処理)→固相化処理
(5)標識処理→マスク処理→固相化処理
(6)マスク処理→標識処理→固相化処理
(7)標識処理→固相化処理→マスク処理
(8)マスク処理→固相化処理→標識処理
(9)固相化処理→(標識処理+マスク処理)
(10)固相化処理→標識処理→マスク処理
(11)固相化処理→マスク処理→標識処理
図2〜図4にこれらの実施形態の一部について概念図を示した。図2は上記(4)、図3は上記(8)、図4は上記(11)の実施形態に相当する概念図である。いずれの実施形態においても最終的に、標識体(60b)で標識化されたレクチン(60a)は、非検出対象糖鎖(46d)を有する糖タンパク質(50)や糖脂質(52)などの夾雑物への結合が抑制され、検出対象糖鎖(46c)を有するアナライト(46)に結合できるようになっている。
検出前処理工程におけるマスク処理の実施順序は、(A)固相化処理を実施後に、支持体上でマスク処理を行う場合と、(B)それ以外の場合(固相化処理の前にマスク処理を行う、または、固相化処理を実施しない場合)に大きく分けることができる。
本発明の方法は、従来のバックグラウンド抑制方法と組み合わせて行うこともでき、組合せることでより高いバックグラウンド抑制効果が期待できる。
以下に各工程・処理の詳細について説明する。
〔1.標識処理〕
標識処理は、アナライト−標識用レクチン複合体を形成するために、標識用レクチンをアナライトに接触させる処理である。この処理に用いられる標識用レクチンは、あらかじめ標識体と複合体化されている。標識用レクチンを含む溶液を、アナライトを含む溶液(検体または調製された試料等)または固相化処理によりアナライトが捕捉されている支持体と接触させれば、通常自ずと標識用レクチンとアナライトとの接触が起こり、当該アナライトが有する検出対象糖鎖を介して両者は結合する。この処理で用いる標識用レクチンの量、反応液中の濃度、反応時間などの反応条件は、用いる標識用レクチンやアナライトの性状に応じて適宜調整すればよい。
マスク処理は、夾雑物が有する非検出対象糖鎖への標識用レクチンの結合を抑制するために、マスク用糖鎖認識分子を夾雑物に接触させる処理である。この処理に用いられるマスク用糖鎖認識分子(たとえばレクチン)は、標識用レクチンと異なり、標識体とは複合体化されない。マスク用糖鎖認識分子を含む溶液を、(アナライトとともに)夾雑物を含む溶液または固相化処理により(アナライトが捕捉されているとともに)夾雑物が非特異的に吸着したリガンドおよび支持体と接触させれば、通常自ずとマスク用糖鎖認識分子と夾雑物との接触が起こり、当該夾雑物が有する非検出対象糖鎖を介して両者は結合する。この処理で用いるマスク用糖鎖認識分子の量、反応液中の濃度、反応時間などの反応条件は、用いるマスク用糖鎖認識分子や夾雑物の性状に応じて適宜調整すればよい。
固相化処理は、基板状の測定用部材(支持体に相当する)を用いる検出系などにおいて行われる処理であって、アナライトおよび夾雑物を、リガンドが固定化された支持体に接触させる処理である。アナライトおよび夾雑物(標識処理およびマスク処理がすでに行われている場合は、それぞれ標識用レクチンおよびマスク用糖鎖認識分子と複合体化している)を含む溶液を、リガンドが固定化された支持体と接触させれば、通常自ずと、アナライトはリガンドと接触して捕捉され、夾雑物はリガンドまたは支持体と接触して非特異的に吸着する。この処理の反応時間、反応温度等の反応条件は、用いるアナライトおよびリガンドに応じて、適宜調整すればよい。
検出工程は、標識用レクチンと複合体化した標識体が発するシグナルを測定することによって、標識用レクチンと結合したアナライトを検出する工程である。この工程における測定結果に基づき、検体中のアナライトの存否や、アナライトの含有量などに関するデータを取得することができる。
本発明の検出工程において用いられる測定方法は、上記標識体が発するシグナルを測定できるものであれば特に限定されず、それぞれの標識体に適した当業者に公知の方法に従って行うことができる。例えば、放射性物質により標識されたレクチンを検出する場合には、液体シンチレーションやRIA法により検出することができる。蛍光色素により標識されたレクチンを検出する場合には、ルミノメーター、SPFS測定器等により検出することができる。酵素で標識されたレクチンを検出する場合は、標識された酵素に対応した基質を加えた後に、酵素による基質の化学的変化、例えば、発色、蛍光、化学発光等を測定することにより検出することができる。
本発明の検出方法に用いる測定法として、SPFSが好適に用いられる。SPFSは、誘電体部材上に形成された金属薄膜に全反射減衰(ATR)が生じる角度で励起光を照射したときに、金属薄膜を透過したエバネッセント波が表面プラズモンとの共鳴により数十倍〜数百倍に増強されることを利用して、金属薄膜近傍に捕捉されたアナライト(分析対象物)を標識する蛍光体を効率的に励起させ、その蛍光シグナルを測定する方法である。このようなSPFSは、一般的な蛍光標識法などに比べて極めて感度が高いため、サンプル中にアナライトがごく微量しか存在しない場合であってもそれを定量することができる。
SPFS用測定部材は、一般的に、サンドイッチ型免疫複合体を形成してSPFSによる蛍光測定を行うための場(測定領域)が形成されているセンサチップと、サンドイッチ型免疫複合体の形成などに用いられる各種の溶液(アナライトを含む試料、標識リガンド溶液、その他の反応試薬等)を測定領域上に保持することのできる、流路またはウェルを構築するための部材とを積層化した構成をとる。
本発明に係る測定法は、一般的なSPFS用測定装置を使用して実施することができる。SPFS用測定装置は、基本的に、SPFS用測定部材が着脱可能となっており、使用する蛍光体に応じた適切な波長の励起光(好適にはレーザー光)を照射するための光源、励起光をセンサチップの金属薄膜の裏面に所定の角度で入射させるためのプリズム(透明支持体が平面基板状のセンサチップを使用する場合)、金属薄膜で反射した光を受光しその強度を測定する受光器、蛍光体から発せられる蛍光を集光するためのレンズおよびその蛍光の強度を測定するための検出器、励起光および蛍光から所定の波長を有する光のみを透過させそれ以外の光をカットするための各種のフィルタなどを備える。
図5は、本発明のアナライトの定量測定方法を説明する定量測定装置の概略を模式的に示す概略図、図6は、図5の定量測定装置の部分拡大図である。
また、センサチップ16の上方には、後述するような蛍光物質が励起されて発光した蛍光30を受光するための光検出手段32が備えられている。
なお、センサチップ16、光源20、光検出手段32によって、本発明の定量測定装置10のSPFS測定を行うSPFS測定部34が構成されている。
本発明の検出用キットは、上記本発明の検出方法に使用されるものである。本発明の検出用キットは、
(1)検出対象糖鎖および非検出対象糖鎖を含む複数種の糖鎖と結合する標識用レクチンを含む試薬、
(2)少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を含む試薬、および
(3)前記検出対象糖鎖を有するアナライトと結合するリガンドを含む試薬、
を含む。
(4)本発明に係る検出方法が指示として記載された使用説明書、および/または
(5)レクチン標識化試薬
を含んでいてもよい。
≪応用例≫
本発明の方法は、疾病の診断に用いることができる。例えば、検出対象抗原(アナライト)がPSAの場合、本発明の検出方法により定量された、患者由来の生体試料中のPSA量から、前立腺癌の診断をすることが可能である。他にも、アナライトがAFPの場合は肝細胞癌を、CEAの場合は消化管を中心とした癌の診断をすることが可能である。
(定量測定装置の構成)
以下の実施例においては、測定装置として、上記SPFS測定装置を自作して使用した。当該SPFS測定装置は、上記定量測定装置10と同様の構成である。
(プラズモン励起センサの作製)
屈折率1.72、厚さ1mmのガラス製の透明平面基板((株)オハラ製のS−LAL 10)をプラズマ洗浄し、この基板の片面にクロム薄膜をスパッタリング法によって形成した。その後、その表面にさらに金薄膜をスパッタリング法によって形成した。クロム薄膜の厚さは1〜3nm、金薄膜の厚さは44〜52nmであった。
[調製例1]
〔抗PSA抗体固相化SAM膜(基板)〕
上記のとおりプラズモン励起センサを接続した外部流路に、超純水を10分間、その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を20分間、ペリスタポンプによって、室温(25℃)、流速500μL/分の条件で循環送液させ、プラズモン励起センサの表面を平衡化した。
[調製例2]
〔抗AFP抗体固相化SAM膜(基板)〕
抗PSA抗体の代わりに、抗AFPモノクローナル抗体(1D5、2.5mg/mL、(株)日本医学臨床検査研究所製)を用いた他は、調製例1と同様にして、抗AFP抗体固相化SAM膜を調製した。
[作製例1]
〔蛍光標識WFAレクチン〕
蛍光標識WFAレクチンを、蛍光物質ラベリングキット「Alexa Fluor(商標名)647タンパク質ラベリングキット」(インビトロジェン社製)を利用して作製した。WFAレクチン(L-1350、Vector社)100μg相当と、0.1M重炭酸ナトリウムと、Alexa Fluor 647 reactive dyeとを混合し、室温で1時間反応させた後、ゲル濾過クロマトグラフィーおよび限外濾過を行い、標識に利用されなかったAlexa Fluor 647 reactive dyeを取り除いて、蛍光標識WFAレクチンを得た。その後、吸光度を測定し標識レクチン濃度を定量した。
〔蛍光標識LCAレクチン〕
蛍光標識LCAレクチンを、蛍光物質ラベリングキットを利用して作製した。レクチンとして、LCAレクチン(L-1040、Vector社)を用いた他は、作製例1と同様にして蛍光標識LCAレクチンを得た。
陰性対照検体として5種のPSAフリープールヒト血清を用意した。また、陽性対照検体として、これら5種のPSAフリープール血清それぞれに、LNCaP(ヒト前立腺癌細胞培養株)培養上清をPSA濃度50pg/mLとなるように添加した血清サンプルを調製した。これら合計10個のサンプルをそれぞれPBSにて2倍希釈して、実施例1〜3における測定サンプルとした。なお、前記PSAフリープールヒト血清としては、コージンバイオ社から正常ヒトプール血清を購入し、ELISAにてPSA濃度が0.01ng/mL以下であることを確認した血清を用いた。
(血清検体中のPSAの測定(1))
各測定サンプルをガレクチンでマスク処理した後、蛍光標識WFAレクチン(作製例1)と接触させ、その後、抗PSA抗体を固相化した基板(調製例1)と反応させた。詳しくは以下の通りである。
(血清検体中のPSAの測定(2))
各測定サンプルをガレクチンでマスク処理した後、抗PSA抗体を固相化した基板(調製例1)と反応させ、その後、蛍光標識WFAレクチン(作製例1)と接触させた。詳しくは以下の通りである。
[実施例3]
(血清検体中のPSAの測定(3))
各測定サンプルを抗PSA抗体を固相化した基板(調製例1)と反応させた後、ガレクチンでマスク処理し、その後、蛍光標識WFAレクチン(作製例1)と接触させた。詳しくは以下の通りである。
前記実施例1〜3ではPSAを検出対象抗原(アナライト)として試験を実施したが、同様の試験をAFPを検出対象抗原として実施した。以下に実施例4〜6として示す。
(血清検体中のAFPの測定(1))
各測定サンプルをコンカナバリンAレクチンでマスク処理した後、蛍光標識LCAレクチン(作製例2)と接触させ、その後、抗AFP抗体を固相化した基板(調製例2)と反応させた。
(血清検体中のAFPの測定(2))
各測定サンプルをコンカナバリンAレクチンでマスク処理した後、抗AFP抗体を固相化した基板(調製例2)と反応させ、その後、蛍光標識LCAレクチン(作製例2)と接触させた。
(血清検体中のAFPの測定(3))
各測定サンプルを抗AFP抗体を固相化した基板(調製例2)と反応させた後、マンノシダーゼで酵素処理し、その後、蛍光標識LCAレクチン(作製例2)と接触させた。
12 誘電体部材
12a 上面
12b 側面
12c 側面
14 金属膜
14a 上面
16 センサチップ
18 センサチップ装填部
20 光源
22 入射光
24 金属膜反射光
26 受光手段
28 SPR測定部
30 蛍光
32 光検出手段
34 SPFS測定部
36 微細流路
38 センサ部
40 定量演算手段
44 抗原補足抗体(リガンド)
46 検出対象抗原(アナライト)
46a タンパク質(抗原)
46b 検出対象糖鎖でも非検出対象糖鎖でもない糖鎖
46c 検出対象糖鎖
46d 非検出対象糖鎖
50 非特異的に吸着する糖タンパク質(夾雑物)
50a タンパク質
52 非特異的に吸着する糖脂質(夾雑物)
52a 脂質
60 蛍光標識レクチン(プローブ)
60a 標識用レクチン
60b 標識体
75 マスク用糖鎖認識分子
80 支持体
Claims (15)
- 検出対象糖鎖および非検出対象糖鎖を含む複数種の糖鎖と結合する標識用レクチンを用いて、検体中の前記検出対象糖鎖を有するアナライトを検出する方法であって、前記標識用レクチンと結合した前記アナライトを検出する検出工程の前に、
前記標識用レクチンを前記アナライトに接触させる標識処理と、
少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を、前記非検出対象糖鎖を有する夾雑物に接触させるマスク処理とを含む検出前処理工程を行うことを特徴とする、検出対象糖鎖を有するアナライトの検出方法。 - 前記検出前処理工程が、さらに、前記アナライトと結合するリガンドが固定化された支持体に前記アナライトおよび前記夾雑物を接触させる固相化処理を含む、請求項1に記載の検出方法。
- 前記固相化処理を、前記標識処理および前記マスク処理の前に行う、請求項2に記載の検出方法。
- 前記標識処理および前記マスク処理を、前記固相化処理の前に行う、請求項2に記載の検出方法。
- 前記標識処理と前記マスク処理を同時に行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記標識処理を、前記マスク処理の前に行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記マスク処理を、前記標識処理の前に行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記固相化処理を、前記標識処理の後かつ前記マスク処理の前に行う、請求項2に記載の検出方法。
- 前記固相化処理を、前記マスク処理の後かつ前記標識処理の前に行う、請求項2に記載の検出方法。
- 前記アナライトが前立腺特異抗原(prostate specific antigen, PSA)であり、前記標識用レクチンがノダフジレクチン(WFA)であり、前記マスク用糖鎖認識分子がガレクチンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記アナライトが前立腺特異抗原(prostate specific antigen, PSA)であり、前記標識用レクチンがダイズレクチン(SBA)であり、前記マスク用糖鎖認識分子がガレクチンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記アナライトが前立腺特異抗原(prostate specific antigen, PSA)であり、前記標識用レクチンがキカラスウリレクチン(TJA-II)であり、前記マスク用糖鎖認識分子がレンズマメレクチン(LCA)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記アナライトがα-フェトプロテイン(AFP)であり、前記標識用レクチンがレンズマメレクチン(LCA)であり、前記マスク用糖鎖認識分子がタチナタマメレクチン(ConA)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の検出方法。
- 前記アナライトが癌胎児性抗原(CEA)であり、前記標識用レクチンがキカラスウリレクチン(TJA-I)であり、前記マスク用糖鎖認識分子がニホンニワトコレクチン(SSA)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の検出方法。
- 検出対象糖鎖および非検出対象糖鎖を含む複数種の糖鎖と結合する標識用レクチンを含む試薬と、
少なくとも1種の前記非検出対象糖鎖と結合するマスク用糖鎖認識分子を含む試薬と、
前記検出対象糖鎖を有するアナライトと結合するリガンドを含む試薬と
を含むことを特徴とする、検出対象糖鎖を有するアナライトの検出用キット。
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