JP4418895B2 - 非特異的反応抑制剤、非特異的反応の抑制方法、免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 - Google Patents

非特異的反応抑制剤、非特異的反応の抑制方法、免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 Download PDF

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Description

本発明は、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、該抑制剤を用いる免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、該抑制剤を用いる試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法及び該抑制剤を含有する試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬に関する。
本発明は、臨床検査、免疫学及び医学などの生命科学分野、分析化学などの化学分野、食品衛生分野、並びに環境衛生分野等において有用なものである。
抗原と抗体、糖とレクチン、ヌクレオチド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドとレセプター等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用した試料中に含まれる微量の測定対象物質の測定方法及び測定試薬は種々のものが知られている。
これは、試料中に含まれる測定対象物質と、この測定対象物質に対して特異的に結合する特異的結合物質(測定対象物質に対する特異的結合物質)との結合の有無、又は結合の量を測ることにより、試料中に含まれる測定対象物質の有無の測定〔定性測定〕、又はその含有量(濃度)の測定〔定量測定〕を行うものである。
これらの測定対象物質に対して特異的に結合する特異的結合物質を用いる測定対象物質の測定方法及び測定試薬としては、特に、抗原と抗体の間の抗原抗体反応(免疫学的反応、免疫反応)を利用した免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)が繁用されている。
この免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)としては、ラテックス粒子を担体として使用するラテックス比濁法;ラテックス粒子、有機高分子粒子、無機粒子、金属粒子、磁性粒子又は赤血球などを担体として使用する間接凝集反応測定法;マイクロタイタープレート、ビーズ、粒子、試験管若しくは容器などを担体として使用する酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法又は発光免疫測定法などの標識免疫測定法;或いは、セルロース又は不織布などを担体として使用するイムノクロマトグラフィー法等が繁用されている。
また、この免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)としては、特開平9−229936号公報及び特開平10−132819号公報などに記載された、測定対象物質(被検物質)に対する特異的結合物質が固定化され被覆された面を有する担体及び測定対象物質に対する特異的結合物質が固定化された粒子を用い、当該粒子が担体における当該面に集まるか否かにより測定を行う方法(試薬)等を挙げることができる。
しかしながら、これらの免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)においては、測定する試料によっては、非特異的反応により、試料中に測定対象物質が存在しないにもかかわらず、測定対象物質が存在することを示す測定結果が得られることがあった(偽陽性、疑陽性)。
また、逆に、非特異的反応により、試料中に測定対象物質が存在するにもかかわらず、測定対象物質が存在しないことを示す測定結果が得られることもあった(偽陰性、疑陰性)
この非特異的反応により誤った測定結果が得られることは、臨床検査分野においては、患者などの疾病の診断を誤らせることにもつながる、重大な問題であった。
この非特異的反応は、試料中に含まれる測定対象物質が、測定時に、この測定対象物質に対する特異的結合物質以外の物質若しくは担体などへ結合することによって引き起こされたり、又は試料中に含まれる測定対象物質以外の物質が、この測定対象物質に対する特異的結合物質と結合することによって引き起こされるものと考えられている。
この非特異的反応を抑制する方法として、今までに種々の方法が提供されている。
例えば、特開昭58−144748号公報(特許文献1)には、非特異的反応を抑制するために試薬中にウシ血清アルブミンやウマ血清アルブミン等を添加する技術が示されており、特開平8−105897号公報(特許文献2)には、非特異的反応を抑制するために塩化ナトリウムを添加する技術が示されている。
また、特開平8−176195号公報(特許文献3)には、非特異的反応を抑制するために化学修飾した還元アルブミンをブロッキング剤として使用する方法が示されている。
更に、特表平9−510289号公報(特許文献4)には、非特異的反応を抑制するためにアビジン、ストレプトアビジン又はそれらの誘導体を用いる技術が示されている。
そして、特開昭59−99257号公報(特許文献5)には、非特異的反応を抑制するために遺伝子組み換えに用いたものと同種であるが遺伝子組み換え操作が行われていない宿主細菌成分を用いる技術が示されている。
また、特開平8−43392号公報(特許文献6)には、抗原をコードする遺伝子を含まない、抗原産生に用いたものと同種のベクターを組み込んだ培養細胞成分を用いる技術が示されている。
免疫学的測定における非特異的反応の中で、異好性抗体による非特異的反応が知られている。
この異好性抗体とは、ヒトの血清等の中に存在し、動物の免疫グロブリンと非特異的に結合する抗体である。
この異好性抗体としては、ヒト抗マウス抗体(Human Anti−Mouse Antibody;HAMA)等が知られている。
例えば、HBs抗原に対する抗体をマウスに産生させ、この抗体を固相化抗体及び酵素標識抗体として用いて酵素免疫測定法のサンドイッチ法により試料中のHBs抗原を測定する場合、試料中に異好性抗体であるヒト抗マウス抗体が存在すると、例えHBs抗原が試料中に存在しなくとも、「固相−マウス抗HBs抗体−ヒト抗マウス抗体−マウス抗HBs抗体−標識酵素」の結合が生じ、これによりシグナルが生成して、試料中にHBs抗原が存在することを示す測定結果が得られてしまう(偽陽性、疑陽性)。
この異好性抗体による非特異的反応を抑制する方法として、測定対象物質の測定にマウスの抗体を使用する場合のヒト抗マウス抗体(HAMA)による非特異的反応を防ぐため測定試薬中にマウス血清を添加してヒト抗マウス抗体を吸収する技術が文献(非特許文献1)に示されている。
また、上記のようにヒト抗マウス抗体(HAMA)による非特異的反応を防ぐため測定試薬中にマウス血清を添加してヒト抗マウス抗体を吸収し非特異的反応を抑制できる場合に、マウス血清の代わりにウマ血清、ヒツジ血清及びウサギ血清を添加しても非特異的反応の抑制効果を示さなかった例の記載、マウス血清の代わりにウシ血清、ヒツジ血清、ラット血清又はモルモット血清を添加したときはいずれもマウス血清添加時に近い非特異的反応抑制効果を示したものの、ネコ血清、イヌ血清、ウサギ血清又はハト血清を添加したときはいずれも抑制効果を示さなかった例の記載、並びにマウス血清の入手が困難であるため、マウス血清の代わりに、ヒツジやウシなどの他の動物種の血清又はハイブリドーマ由来のマウスのIgG(免疫グロブリン)が使用されたことの記載が文献(非特許文献2)に開示されている。
更に、特開平9−49840号公報(特許文献7)には、α−グロブリンを用いて、異好性抗体による非特異的反応を抑制する技術が示されている。
特開昭58−144748号公報
特開平8−105897号公報
特開平8−176195号公報
特表平9−510289号公報
特開昭59−99257号公報
特開平8−43392号公報
特開平9−49840号公報
Medical Technology、第25巻、第3号、第174頁〜第178頁、1997年発行
臨床化学、第23巻補冊、第175a−7頁〜第175a−8頁、1994年発行
前述のように、免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)においては、測定する試料によっては、非特異的反応により、試料中に測定対象物質が存在しないにもかかわらず測定対象物質が存在することを示す測定結果が得られることがあったり(偽陽性、疑陽性)、又は、試料中に測定対象物質が存在するにもかかわらず測定対象物質が存在しないことを示す測定結果が得られることもあった(偽陰性、疑陰性)。
この非特異的反応としては、ヒト抗マウス抗体(HAMA)等の異好性抗体による非特異的反応等が知られていた。
本発明者らが、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制を目指して研究を進めている中で、従来行われていたヒト抗マウス抗体(HAMA)による非特異的反応を防ぐため測定試薬中にマウス血清を添加してヒト抗マウス抗体を吸収する方法では防ぐことができない非特異的反応、すなわち免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても防ぐことができない非特異的反応が、比較的高い頻度で存在することを見出した。
従って、本発明の課題は、試料中の測定対象物質の免疫学的測定において、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても防ぐことができない非特異的反応を抑制することができる手段を提供することであり、これにより異好性抗体等による非特異的反応によって誤った測定結果が得られてしまうことを防ぎ、正確な測定結果が得られるようにすることを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤として、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を用いることにより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分よりなるものであり、当該非特異的反応の抑制剤を試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異反応を抑制することができることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
(2) 非特異的反応が異好性抗体によるものである、前記(1)に記載の非特的反応の抑制剤。
(3) 血液成分が血液、血漿、血清、又は免疫グロブリンである、前記(1)又は(2)に記載の非特異的反応の抑制剤。
(4) ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
(5) 当該免疫学的測定に使用する抗体がモノクローナル抗体である、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
(6) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、当該非特異的反応が当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できないものであり、当該非特異的反応の抑制剤がウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分よりなるものであることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
(7) 非特異的反応が異好性抗体によるものである、前記(6)に記載の非特異的反応の抑制剤。
(8) 血液成分が血液、血漿、血清、又は免疫グロブリンである、前記(6)又は(7)に記載の非特異的反応の抑制剤。
(9) ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、前記(6)〜(8)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
(10) 当該免疫学的測定に使用する抗体がモノクローナル抗体である、前記(6)〜(9)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
(11) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法。
(12) 非特異的反応が異好性抗体によるものである、前記(11)に記載の非特異的反応の抑制方法。
(13) 血液成分が血液、血漿、血清、又は免疫グロブリンである、前記(11)又は(12)に記載の非特異的反応の抑制方法。
(14) ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、前記(11)〜(13)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
(15) 当該免疫学的測定に使用する抗体がモノクローナル抗体である、前記(11)〜(14)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
(16) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法であって、当該非特異的反応が当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できないものであり、当該非特異的反応の抑制方法がウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させるものであることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法。
(17) 非特異的反応が異好性抗体によるものである、前記(16)に記載の非特異的反応の抑制方法。
(18) 血液成分が血液、血漿、血清、又は免疫グロブリンである、前記(16)又は(17)に記載の非特異的反応の抑制方法。
(19) ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、前記(16)〜(18)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
(20) 当該免疫学的測定に使用する抗体がモノクローナル抗体である、前記(16)〜(19)のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
(21) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
(22) 非特異的反応が異好性抗体によるものである、前記(21)に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
(23) 血液成分が血液、血漿、血清、又は免疫グロブリンである、前記(21)又は(22)に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
(24) ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、前記(21)〜(23)のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
(25) 当該免疫学的測定に使用する抗体がモノクローナル抗体である、前記(21)〜(24)のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
(26) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を含有することにより、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
(27) 非特異的反応が異好性抗体によるものである、前記(26)に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
(28) 血液成分が血液、血漿、血清、又は免疫グロブリンである、前記(26)又は(27)に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
(29) ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、前記(26)〜(28)のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
(30) 当該免疫学的測定に使用する抗体がモノクローナル抗体である、前記(26)〜(29)のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
本発明の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、本発明の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法、及び本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬は、試料中の測定対象物質の免疫学的測定において、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても防ぐことができない非特異的反応を抑制することができるものであり、これにより異好性抗体等による非特異的反応によって誤った測定結果が得られてしまうことを防ぎ、正確な測定結果が得られるという効果を有するものである。
1.非特異的反応
前記の、本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法、及び本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬(以下、本発明の抑制剤等と記す)は、試料中の測定対象物質の免疫学的測定において、ウシ科動物種でありかつ当該当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させることにより、当該当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することができるものである。
例えば、試料中の測定対象物質の免疫学的測定がマウスの抗体(ポリクローナル抗体及び/又はモノクローナル抗体)を使用して行われる場合に、マウスの血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を、抑制することができるものである。
本発明の抑制剤等は、異好性抗体による非特異的反応に対して好適である。
2.血液成分
本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分について、以下詳述する。
(1)ウシ科動物種
ウシ科動物種であるが、ウシ目ウシ亜目ウシ科に属する動物種であれば、特に限定なく該当するものである。
このウシ科に属する動物種としては、例えば、ウシ類に属する動物種、ヤギ・ヒツジ類に属する動物種、及びアンテロープ類に属する動物種等を挙げることができる。
このウシ類に属する動物種としては、例えば、ウシ等を挙げることができる。
このヤギ・ヒツジ類に属する動物種としては、例えば、ヤギ及びヒツジ等を挙げることができる。
このアンテロープ類に属する動物種としては、例えば、アンテロープ等を挙げることができる。
本発明の抑制剤等においては、ウシ科動物種が、ヤギ、ヒツジ又はウシであることが好ましい。
特に、ヤギであることが好ましい。
また、ウシであることが特に好ましい。
(2)当該免疫学的測定に使用する抗体
当該免疫学的測定に使用する抗体であるが、試料中の測定対象物質の免疫学的測定において使用する抗体のことであり、この抗体を使用して試料中の測定対象物質の免疫学的測定を行うものである。
この抗体としては、例えば、抗血清、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、及びこれらの断片(抗原と結合能を有するもの;例えばF(ab)’2又はFab’など)等を挙げることができる。
本発明の抑制剤等においては、この抗体が、モノクローナル抗体又はその断片(抗原と結合能を有するもの;例えばF(ab)’2又はFab’など)である場合に特に好適である。
(3)当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種
当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種であるが、前記した試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体を産生した動物の動物種である。
この抗体の産生動物種は、抗体が細胞より産生させたものである場合には、その抗体産生細胞が由来する動物種のことである。
また、抗体が、複数の細胞を融合させた融合細胞より産生させたものである場合には、融合前の各々の細胞が由来する動物種それぞれをいう。
この抗体の産生動物種としては、例えば、マウス、ラット、ウマ、ウサギ、モルモット、ヤギ、ヒツジ又はウシ等を挙げることができる。更に、この抗体の産生動物種として、ヒトを挙げることができる。
(4)当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種
当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種であるが、前記した試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種のことである。
例えば、前記の抗体の産生動物種がマウスである場合には、この抗体の産生動物種とは異なる動物種は、マウス以外の動物種であり、ヤギ、ヒツジ又はウシ等を例示することができる。
(5)ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種
ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種であるが、前記(1)に詳述したウシ科動物種であって、かつ前記(2)〜(4)に詳述した試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種である。
換言すると、下の2つの条件をいずれも満たす動物種である。
(イ) ウシ科動物種である。
(ロ) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種である。
例えば、この動物種は、試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種がウシ科動物種でない場合は、ウシ科動物種であればいずれの動物種でもよい。
また、試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種がウシ科動物種である場合には、この抗体の産生動物種以外のウシ科動物種であればよい。
(6)血液成分
本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分であるが、前記(5)において詳述したウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分である。
この前記動物種の血液成分としては、血液、この血液に含まれる成分、又はこの血液に由来する成分等を挙げることができる。
より具体的には、この血液成分として、血液、血漿、又は血清等を挙げることができる。
また、この血液成分として、免疫グロブリン等を挙げることができる。
この免疫グロブリンとしては、例えば、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、又は免疫グロブリンE(IgE)等を挙げることができる。
なお、本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分としては、免疫グロブリンが好ましく、当該免疫学的測定に使用する抗体と同じクラスの免疫グロブリンがより好ましい。
免疫学的測定に使用する抗体のクラスとしては、免疫グロブリンG(IgG)が一般的であるので、当該血液成分としては、免疫グロブリンG(IgG)が特に好ましい。
本発明の抑制剤等において用いる、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分は、1種類のものを用いてもよいし、又は複数種類のものを用いてもよい。
3.試料との接触
本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分、又はこの血液成分よりなる非特異的反応の抑制剤を、試料と接触させることについて、以下詳述する。
本発明の抑制剤等においては、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分、又はこの血液成分よりなる非特異的反応の抑制剤を、試料と接触させることにより、前記した非特異的反応を抑制することができる。
この接触は、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分、又はこの血液成分よりなる非特異的反応の抑制剤と、試料とを接触させることができるのであれば、どのような方法でもよい。
この接触時の、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分、又はこの血液成分よりなる非特異的反応の抑制剤の濃度であるが、この血液成分又は抑制剤と試料との混合比率や接触時間等の条件により異なり一概に言うことはできないが、この血液成分又は抑制剤が血液、血清、又は血漿からなる場合は、通常は、0.1%(w/v)〜20%(w/v)の範囲にあることが好ましく、0.5%(w/v)〜10%(w/v)の範囲にあることがより好ましく、1%(w/v)〜5%(w/v)の範囲にあることが特に好ましい。
また、この血液成分又は抑制剤が免疫グロブリンからなる場合は、通常は、0.05μg/mL〜20mg/mLの範囲にあることが好ましく、0.25μg/mL〜10mg/mLの範囲にあることがより好ましく、0.5μg/mL〜2.5mg/mLの範囲にあることが特に好ましい。
この接触の時間であるが、この血液成分又は抑制剤の濃度、この血液成分又は抑制剤と試料との混合比率等の条件により異なり一概に言うことはできないが、通常は、1分間以上であることが好ましく、15分間〜3時間の範囲にあることがより好ましい。
この接触時の温度であるが、特に限定はないものの、温度が高くなりすぎると、測定に係わる成分、特にタンパク質よりなる成分が、変性、失活又は分解等して、正確な測定が行えなくなるので、60℃以下とすることが好ましい。
4.試料
本発明の抑制剤等において、試料とは、測定対象物質が存在する可能性があり、かつその測定対象物質の存在の有無、又は含有量(濃度)の測定を行おうとするものをいう。
例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水等の体液等を挙げることができる。
5.測定対象物質
本発明の抑制剤等において、測定対象物質とは、試料中におけるその存在の有無、又は含有量(濃度)を測定しようとする物質である。
この測定対象物質としては、免疫学的測定方法又は免疫学的測定試薬により測定を行うことができるものであれば如何なるものでもよい。
この測定対象物質を例示すると、例えば、タンパク質、糖質、脂質、核酸などのような有機物質、又は金属などの無機物質等を挙げることができる。
より具体的には、例えば、HBs抗原、抗HBs抗体、HBe抗原、抗HBe抗体、抗HBc抗体、抗HCV抗体、抗HIV抗体、抗ATLV抗体等のウイルス関連の抗原又は抗体;大腸菌O157抗原、抗トレポネーマ・パリダム抗体、抗マイコプラズマ抗体、抗ストレプトリジンO抗体(ASO)等の細菌関連の抗原又は抗体;免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンM(IgM)、若しくは免疫グロブリンE(IgE)等の免疫グロブリン;C反応性タンパク質(CRP)、α1−酸性糖タンパク質、ハプトグロビン、補体C3、補体C4、リウマトイド因子等の炎症マーカー;α−フェトプロテイン、CEA、CA19−9等の腫瘍マーカー;ヒト胎盤絨毛性ゴナドトロピン等のホルモン;アレルゲン、アレルゲン特異1gE抗体等のアレルギー関連の抗原又は抗体;抗トロンビンIII(ATIII)等の血液凝固系関連物質;フィブリン体分解物(FDP)、Dダイマー等の線溶系関連物質;ABO式血液型抗体、不規則抗体等の血液型関連の抗原又は抗体;ウイルスのDNA又はRNA;細菌のDNA又はRNA;ヒト等の動物若しくは植物のDNA又はRNA;リポタンパク質(a)、フェリチン等の他の疾病に関連した物質;薬物;金属;毒物又は劇物等を例示することができる。
この測定対象物質としては、抗原が好適である。
特に試料中に微量に含まれる抗原が好適である。それは含まれる濃度が微量であればある程非特異的反応の影響が大きくなるので、本発明の抑制剤等が有用となるからである。
6.試料中の測定対象物質の免疫学的測定
本発明の抑制剤等において、試料中の測定対象物質の免疫学的測定は、免疫学的反応(抗原抗体反応)を用いて試料中の測定対象物質の測定を行うものであれば、どのような測定原理のものでも対象となる。
この試料中の測定対象物質の免疫学的測定の測定原理として、例えば、ラテックス比濁法;ラテックス凝集反応測定法などの間接凝集反応測定法;酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法、若しくは発光免疫測定法などの標識物質を用いる免疫測定法、すなわち標識免疫測定法;ウエスタンブロット法;Dahlbeackらが示したELSA法(Enzyme−Linked Ligandsorbent Assay)〔Thromb.Haemost.,79巻,767〜772頁,1998年、及びWO98/23963号公報〕;又は特開平9−229936号公報及び特開平10−132819号公報などに記載された測定対象物質(被検物質)に対する特異的結合物質が固定され被覆された面を有する担体並びに測定対象物質(被検物質)に対する特異的結合物質が固定された粒子を用いる測定法等を挙げることができる。
そして、前記の標識免疫測定法であるが、これは、サンドイッチ法、競合法、又は均一系法(ホモジニアス系法)等のいずれの手法においても本発明を適用することができる。
7.免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤
本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、及び本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤とも、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分よりなるものであり、すなわち、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を含むものであるが、他の成分を含んでいても構わない。
8.免疫学的測定における非特異的反応の抑制
本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、及び本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法とも、試料中の測定対象物質の免疫学的測定を、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分と試料との接触の後に行ってもよいし、又はこの血液成分と試料との接触と同時に行ってもよい。
9.試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法
本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法においては、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させることを特徴とするが、そのことの他は、その免疫学的測定方法の測定原理における通常の操作手順に従って測定を行えばよい。
本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法においては、試料中の測定対象物質の免疫学的測定を、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分と試料との接触の後に行ってもよいし、又はこの血液成分と試料との接触と同時に行ってもよい。
本発明の免疫学的測定方法における測定操作は、用手法により行ってもよいし、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
また、本発明の免疫学的測定方法における測定操作は、1ステップ法(1試薬法)により行ってもよいし、又は2ステップ法(2試薬法)等の複数の操作ステップにより行う方法によって実施してもよい。
以下、酵素免疫測定法(ELISA法)を測定原理とする試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)を用い、試料中のHBs抗原の測定を行う場合を例にとって、具体的に説明を行う。
(1) 試料中のHBs抗原の測定試薬として、下記のものを準備する。
「洗浄液」: 非イオン性界面活性剤を含むリン酸緩衝生理食塩水
「非特異的反応抑制剤含有液」: 1%(w/v)ヤギ血清及びカゼインナトリウムを含むリン酸緩衝生理食塩水
「抗体固定化マイクロプレート」: マウス抗HBsモノクローナル抗体を固定化した96穴マイクロタイタープレート
「パーオキシダーゼ標識抗体液」: パーオキシダーゼを標識したマウス抗HBsモノクローナル抗体及びカゼインナトリウムを含むリン酸緩衝生理食塩水
「発色液」: O−フェニレンジアミン及び過酸化水素を含む緩衝液
「反応停止液」: 硫酸水溶液
(2) 前記「抗体固定化マイクロプレート」のウェルに前記「非特異的反応抑制剤含有液」の一定量を添加する。
(3) 前記のウェルに血清等の試料の一定量を添加し、室温にて一定時間静置して、ウェル内でヤギ血清よりなる非特異的反応抑制剤と試料とを接触させるとともに、試料をマイクロプレートに固定化された抗HBs抗体とも接触させる。
(4) 前記のウェル内の液を吸引除去し、前記「洗浄液」で洗浄する。
(5) 前記ウェルに前記「パーオキシダーゼ標識抗体液」の一定量を添加し、室温にて一定時間静置して、マイクロプレートに抗HBs抗体を介して結合したHBs抗原に、パーオキシダーゼで標識された抗HBs抗体を接触、反応させる。
これにより、試料中にHBs抗原が存在する場合には、「マイクロプレートのウェル−抗HBs抗体−HBs抗原−抗HBs抗体−パーオキシダーゼ」の結合が生じる。
(6) 前記のウェル内の液を吸引除去し、前記「洗浄液」で洗浄する。
(7) 前記のウェルに前記「発色液」の一定量を添加し、室温にて一定時間静置して、マイクロプレートに結合したパーオキシダーゼとo−フェニレンジアミン及び過酸化水素とを反応させる。
(8) 一定時間後、前記のウェルに前記「反応停止液」の一定量を添加して、前記反応を停止させる。
(9) 前記のウェル中の液の490nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにより測定して、この吸光度より試料中に含まれていたHBs抗原濃度を算出して求める。
10.試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬
本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬においては、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を含有することを特徴とする。
本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬は、一つの測定試薬から構成されるものであってもよいし、又は二つ以上の複数の測定試薬から構成されるものであってもよい。
一つの測定試薬から構成される場合には、その一つの測定試薬は、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を含有するとともに、当該免疫学的測定試薬の測定原理により試料中の測定対象物質の免疫学的測定を行うための測定成分をも含む。
また、二つ以上の複数の測定試薬から構成される場合には、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分は、少なくとも一つの測定試薬に含有されなければならないが、必要に応じ当該免疫学的測定試薬を構成する二つ以上の測定試薬に含有させられてもよい。
この二つ以上の複数の測定試薬から構成される場合、当該免疫学的測定試薬の測定原理により試料中の測定対象物質の免疫学的測定を行うための測定成分は、一つの測定試薬に含めさせられてもよいし、又は二つ以上の測定試薬に、適宜分けて含めさせてもよい。
更に、この二つ以上の複数の測定試薬から構成される場合、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分は、他の測定成分と共存してもよいし、又は独立して含有させられるものであってもよい。
この試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬に含有させる、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分の濃度であるが、当該血液成分を含有する測定試薬と試料との混合比率や接触時間等の条件により異なり一概に言うことはできないが、この血液成分が血液、血清、又は血漿からなる場合は、通常は、0.1%(w/v)〜20%(w/v)の範囲にあることが好ましく、0.5%(w/v)〜10%(w/v)の範囲にあることがより好ましく、1%(w/v)〜5%(w/v)の範囲にあることが特に好ましい。
また、この血液成分が免疫グロブリンからなる場合は、通常は、0.05μg/mL〜20mg/mLの範囲にあることが好ましく、0.25μg/mL〜10mg/mLの範囲にあることがより好ましく、0.5μg/mL〜2.5mg/mLの範囲にあることが特に好ましい。
試料中の測定対象物質の免疫学的測定を行うための測定成分であるが、間接凝集反応測定法により測定を行う場合は、例えば、ラテックス粒子、有機高分子粒子、無機粒子、金属粒子、磁性粒子若しくは赤血球などの担体に測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原を固定化したもの、場合により更に、測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原を固定化したマイクロタイタープレート(マイクロプレート)などの担体、又は試料希釈液等を挙げることができる。
酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識免疫測定法により測定を行う場合は、例えば、マイクロタイタープレート(マイクロプレート)、ビーズ、粒子、試験管若しくは容器などの担体に測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原を固定化したもの、マイクロタイタープレート(マイクロプレート)、ビーズ、粒子、試験管若しくは容器などの担体に測定対象物質若しくはその類縁体を固定化したもの、測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原であって酵素、蛍光物質若しくは発光反応に関する物質などの標識物質を固定化したもの、ヒト抗体と結合することができる抗体若しくは抗原であって酵素、蛍光物質若しくは発光反応に係わる物質などの標識物質を固定化したもの、標識物質よりシグナルを生成する反応に係わる物質、又は試料希釈液等を挙げることができる。
ラテックス凝集反応により測定を行う場合は、例えば、測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原を固定化したラテックス粒子、又は試料希釈液等を挙げることができる。
イムノクロマトグラフィー法により測定を行う場合は、例えば、セルロース若しくは不織布などの担体に測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原を固定化したもの、測定対象物質と結合することができる抗体若しくは抗原であって酵素、蛍光物質若しくは発光反応に関する物質などの標識物質を固定化したもの、又は試料希釈液等を挙げることができる。
更に、前記の特開平9−229936号公報及び特開平10−132819号公報などに記載された免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)により測定を行う場合は、測定対象物質に対する特異的結合物質が固定化され被覆された面を有する担体、測定対象物質に対する特異的結合物質が固定化された粒子、又は試料希釈液等を挙げることができる。
なお、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬において用いる溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液、リン酸緩衝液、若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH5〜pH11の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
また、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬には、前記の試料中の測定対象物質の免疫学的測定を行うための測定成分の他に、カゼイン若しくはその塩などのタンパク質;各種塩類;各種糖類;脱脂粉乳;正常ウサギ血清などの各種動物血清;アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの各種防腐剤;活性化物質;反応促進物質;ポリエチレングリコールなどの感度増加物質;他の非特異的反応抑制剤;又は、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤若しくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等の1種又は2種以上を適宜含めさせてもよい。
そして、これらを本発明の免疫学的測定試薬に含めさせる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜10%(W/V)が好ましく、特に0.01〜5%(W/V)が好ましい。
なお、前記の界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油若しくはポリオキシエチレンラノリンなどの非イオン性界面活性剤;酢酸ベタインなどの両性界面活性剤;又は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
なお、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬は、そのもの単独にて、販売し、又は試料中の測定対象物質の測定に使用することができる。
また、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬は、他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中の測定対象物質の測定に使用することもできる。
前記の他の試薬としては、例えば、試薬希釈液、測定反応の確認試薬、陽性試料、陰性試料、又は校正(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により更に説明する。
なお、本発明は、これらにより限定されるものではない。
〔実施例1〕非特異的反応の抑制効果の確認
本発明の抑制剤等の、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制効果を確かめた。
1.免疫学的測定試薬
試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬を、下記の通り調製した。
(1)抗HBs抗体固定化マイクロプレートの調製
96穴マイクロタイタープレート(シノテスト社)の各ウェルに、抗HBsモノクローナル抗体溶液〔抗HBsモノクローナル抗体が1μg/mLとなるように10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に添加したもの〕(シノテスト社)を50μLずつ分注し、4℃で一晩静置した。
その後、各ウェル内の抗HBsモノクローナル抗体溶液を吸引除去した後、0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)を200μLずつ各ウェルに加えて、37℃で3時間静置し、ブロッキング処理(マスキング処理)を行った。
その後、各ウェル内の溶液を吸引除去して、抗HBs抗体固定化マイクロプレートを調製した。
(2)抗HBs抗体固定化粒子分散液の調製
3%(w/v)磁性粒子分散液〔商品名:Dynabeads M−450 uncoated、粒径:4.5μm、粒子の比重:1.5、粒径のc.v.:5%〕(ダイナル社)の1mLと、抗HBsモノクローナル抗体溶液〔抗HBsモノクローナル抗体が0.1mg/mLとなるように10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に添加したもの〕(シノテスト社)の1mLとを混合し、37℃で30分間静置した。
その後、これに0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)の40mLを加えて、37℃で30分間静置し、ブロッキング処理(マスキング処理)を行った。
次に、この磁性粒子を0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)により洗浄した。
その後、磁性粒子の濃度が0.05%(w/v)となるように、0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)に再分散させて、抗HBs抗体固定化粒子分散液を調製した。
(3)試料希釈液の調製
下記の15種類の試料希釈液の調製を行った。
(イ)血清非含有・試料希釈液
0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、血清非含有・試料希釈液とした。
(ロ)1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
1%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ハ)5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
5%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ニ)1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(ホ)5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(ヘ)1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
(ト)5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
(チ)1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
(リ)5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
(ヌ)1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
(ル)5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
(ヲ)1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
(ワ)5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
(カ)1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
(ヨ)5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
2.試料
HBs抗原を測定した結果が陰性であったヒト血清(HBs抗原陰性血清)の1,161個を各々試料とした。
3.血清非含有・試料希釈液を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
HBs抗原陰性のヒト血清試料1,161個について、血清非含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
(1) 前記2の1,161個の試料のそれぞれを、前記の(3)の(イ)の血清非含有・試料希釈液で8倍に希釈した。
(2) 次に、前記(1)の希釈した試料の各々について、その25μLを抗HBs抗体固定化マイクロプレートのウェルに滴下した。
(3) その後、前記(2)のウェルに、抗HBs抗体固定化粒子分散液の25μLを滴下した。
(4) 次に、前記(3)の処理を行った抗HBs抗体固定化マイクロプレートを、マイクロプレートミキサー〔型式:EM−33〕(タイテック社)により1分間撹拌した。
(5) その後、前記(4)の処理を行った抗HBs抗体固定化マイクロプレートを、室温で1時間静置した。
(6) 静置1時間後に、抗HBs抗体固定化マイクロプレートの各ウェル内の磁性粒子の凝集像を観察し判定した。
この判定は、磁性粒子がウェルの内側に広がって見えるものを陽性と判定し、磁性粒子がウェル中央に一点に集まって見えるものを陰性と判定した。
(7) この測定の結果、本来HBs抗原が陰性である1,161個のヒト血清試料の内、1,101個の試料については陰性という判定結果が得られたものの、60個の試料においては陽性という判定結果が得られた。
すなわち、この血清非含有・試料希釈液を用いた試料中のHBs抗原の免疫学的測定においては、60個の試料で非特異的反応が生じ、偽陽性となった。この時の非特異的反応(偽陽性)の発生率は、5.17%(60個÷1,161個×100)であった。
4.マウス血清含有・試料希釈液を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料60個について、マウス血清含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
(1) 前記3で陽性という判定結果が得られた、すなわち非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料60個のそれぞれを、前記1の(3)の(ロ)の1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液で8倍に希釈した。
(2) 以降の操作は、前記3の(2)〜(6)の記載の通りに行った。
(3) また、試料希釈液を前記1の(3)の(ハ)の5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液に換えること以外は、前記(1)及び(2)の通りに測定を行った。
(4) この測定の結果、用いた試料希釈液が1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液又は5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液のいずれにおいても、前記3の測定において非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料60個の内、51個の試料については陰性という判定結果が得られた。
すなわち、前記3の測定において、偽陽性となったヒト血清試料60個の内51個の試料については、試料希釈液に含有させたマウス血清を試料と接触させることにより、非特異的反応を抑制することができ、本来の陰性という判定結果を得ることができた。
しかしながら、前記3の測定において非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料60個の内、9個の試料については陽性という判定結果が得られ、試料希釈液に含有させたマウス血清を試料と接触させても、非特異的反応を抑制することができなかった。
すなわち、この9個の試料においては、前記1の免疫学的測定試薬にて使用した抗体(抗HBsモノクローナル抗体)の産生動物種であるマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても、非特異的反応を抑制することはできなかった。
この時の非特異的反応(偽陽性)の発生率は、0.78%(9個÷1,161個×100)であった。
5.ヤギ血清含有・試料希釈液等を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
マウス血清を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個について、ヤギ血清、ウシ血清、ヒツジ血清、ウマ血清、ブタ血清、又はウサギ血清をそれぞれ含有する試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
(1) 前記4で陽性という判定結果が得られた、すなわちマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個のそれぞれを、前記1の(3)の(ニ)の1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液で8倍に希釈した。
(2) 以降の操作は、前記3の(2)〜(6)の記載の通りに行った。
(3) また、試料希釈液を、前記1の(3)の(ホ)5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液、(ヘ)1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液、(ト)5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液、(チ)1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液、(リ)5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液、(ヌ)1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液、(ル)5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液、(ヲ)1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液、(ワ)5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液、(カ)1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液、又は(ヨ)5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液に順次換えて測定を行うこと以外は、前記(1)及び(2)の通りに測定を行った。
(4) この測定の結果を表1に示した。
(5) この表1より、以下のことが分かる。
マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個において、ヤギの血液成分(血清)を試料と接触させた場合はこのうち4個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.43%(5個÷1,161個×100)となった。
また、ウシの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は9個中5個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.34%(4個÷1,161個×100)となった。
更に、ヒツジの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は9個中2個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.60%(7個÷1,161個×100)となった。
そして、ウマの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は9個中1個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.69%(8個÷1,161個×100)となった。
また、ブタの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は9個中1個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.69%(8個÷1,161個×100)となった。
更に、ウサギの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は9個中1個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.69%(8個÷1,161個×100)となった。
以上のことより、試料中の測定対象物質(HBs抗原)の免疫学的測定試薬にて使用した抗体(抗HBsモノクローナル抗体)の産生動物種であるマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても抑制することができない非特異的反応であっても、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種(マウス)とは異なる動物種であるヤギ、ウシ、又はヒツジの血液成分(血清)を試料と接触させることにより、当該非特異的反応を防ぐことができることが確かめられた。
なお、当該非特異的反応は、動物の血液成分を試料と接触させることにより抑制することができるものであるので、異好性抗体による非特異的反応であると思われる。
〔実施例2〕非特異的反応の抑制効果の確認
本発明の抑制剤等の、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制効果を確かめた。
1.免疫学的測定試薬
試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬として、下記の各測定試薬を用いた。
(1)抗HBs抗体固定化マイクロプレート
前記実施例1の1の(1)に記載した抗HBs抗体固定化マイクロプレートを用いた。
(2)抗HBs抗体固定化粒子分散液
前記実施例1の1の(2)に記載した抗HBs抗体固定化粒子分散液を用いた。
(3)試料希釈液
下記の29種類の試料希釈液の調製を行った。
(イ)血清非含有・試料希釈液
0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、血清非含有・試料希釈液とした。
(ロ)1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
1%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ハ)2%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
2%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ニ)5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
5%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ホ)10%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
10%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ヘ)1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(ト)2%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
2%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(チ)5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(リ)10%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
10%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(ヌ)1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
(ル)2%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液
2%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
(ヲ)5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
(ワ)10%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液
10%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
(カ)1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
(ヨ)2%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液
2%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
(タ)5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
(レ)10%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液
10%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
(ソ)1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
(ツ)2%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液
2%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
(ネ)5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
(ナ)10%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液
10%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
(ラ)1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
(ム)2%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液
2%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
(ウ)5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
(ノ)10%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液
10%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
(オ)1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
(ク)2%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液
2%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
(ヤ)5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
(マ)10%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液
10%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
2.試料
HBs抗原を測定した結果が陰性であったヒト血清(HBs抗原陰性血清)を試料とした。
3.血清非含有・試料希釈液を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
HBs抗原陰性のヒト血清試料について、血清非含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
この測定の操作は、前記実施例1の3の(1)〜(6)の記載の通りに行った。
この測定の結果、本来HBs抗原が陰性であるこのヒト血清試料については陽性という判定結果が得られた。
すなわち、この血清非含有・試料希釈液を用いた試料中のHBs抗原の免疫学的測定においては、この試料では非特異的反応が生じ、偽陽性となった。
4.マウス血清含有・試料希釈液を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
前記3の非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料について、マウス血清含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
(1) 前記3で陽性という判定結果が得られた、すなわち非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料を、前記1の(3)の(ロ)の1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液で8倍に希釈した。
(2) 以降の操作は、前記実施例1の3の(2)〜(6)の記載の通りに行った。
(3) また、試料希釈液を、前記1の(3)の(ハ)2%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液、(ニ)5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液、(ホ)10%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液に順次換えて、前記(1)及び(2)の通りに測定を行った。
(4) この測定の結果、用いた試料希釈液が1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液〜10%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液のいずれにおいても、陽性という判定結果が得られ、試料希釈液に含有させたマウス血清を試料と接触させても、非特異的反応を抑制することができなかった。
すなわち、この試料においては、前記1の免疫学的測定試薬にて使用した抗体(抗HBsモノクローナル抗体)の産生動物種であるマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても、非特異的反応を抑制することはできなかった。
5.ヤギ血清含有・試料希釈液等を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
マウス血清を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料について、ヤギ血清、ウシ血清、ヒツジ血清、ウマ血清、ブタ血清、又はウサギ血清をそれぞれ含有する試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
(1) 前記4で陽性という判定結果が得られた、すなわちマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料を、前記1の(3)の(ヘ)の1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液で8倍に希釈した。
(2) 以降の操作は、前記実施例1の3の(2)〜(6)の記載の通りに行った。
(3) また、試料希釈液を、前記1の(3)の(ホ)2%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液〜(マ)10%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液に順次換えて測定を行うこと以外は、前記(1)及び(2)の通りに測定を行った。
(4) この測定の結果を表2に示した。
(5) この表2より、以下のことが分かる。
マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料において、ヤギの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は本来の陰性の判定結果となった。
また、同様に、ウシの血液成分(血清)、ヒツジの血液成分(血清)、及びウマの血液成分(血清)を試料と接触させた場合も本来の陰性の判定結果となった。
しかし、ブタの血液成分(血清)、及びウサギの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は陽性の判定結果となり、この場合は非特異的反応を抑制することはできなかった。
以上のことより、試料中の測定対象物質(HBs抗原)の免疫学的測定試薬にて使用した抗体(抗HBsモノクローナル抗体)の産生動物種であるマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても抑制することができない非特異的反応であっても、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種(マウス)とは異なる動物種であるヤギ、ウシ、又はヒツジの血液成分(血清)を試料と接触させることにより、当該非特異的反応を防ぐことができることが再度確かめられた。
〔実施例3〕非特異的反応の抑制効果の確認
本発明の抑制剤等の、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制効果を確かめた。
1.免疫学的測定試薬
試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬として、下記の各測定試薬を用いた。
(1)抗HBs抗体固定化マイクロプレート
前記実施例1の1の(1)に記載した抗HBs抗体固定化マイクロプレートを用いた。
(2)抗HBs抗体固定化粒子分散液
前記実施例1の1の(2)に記載した抗HBs抗体固定化粒子分散液を用いた。
(3)試料希釈液
下記の種類の試料希釈液の調製を行った。
(イ)1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
1%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ロ)5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
5%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
(ハ)1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
1%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(ニ)5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液
5%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
(ホ)1μg/mL精製ヤギ免疫グロブリンG含有・試料希釈液
1μg/mL精製ヤギ免疫グロブリンG(長瀬産業社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1μg/mL精製ヤギ免疫グロブリンG含有・試料希釈液とした。
2.試料
HBs抗原陰性のヒト血清試料であって、血清非含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った場合に非特異的反応により陽性(偽陽性)の測定結果が得られるもの9個を試料とした。
3.血清成分含有・試料希釈液を用いての試料中のHBs抗原の免疫学的測定
前記2の非特異的反応により偽陽性となるヒト血清試料9個についてそれぞれ、血清成分を含有する試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
(1) 前記2の非特異的反応により偽陽性となるヒト血清試料9個のそれぞれを、前記1の(3)の(イ)1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液で8倍に希釈した。
(2) 以降の操作は、前記実施例1の3の(2)〜(6)の記載の通りに行った。
(3) また、試料希釈液を、前記1の(3)の(ロ)5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液、(ハ)1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液、(ニ)5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液、又は(ホ)1μg/mL精製ヤギ免疫グロブリンG含有・試料希釈液に順次換えて、前記(1)及び(2)の通りに測定を行った。
(4) この測定の結果を表3に示した。
(5) この表3より、以下のことが分かる。
マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個において、ヤギ血清を試料と接触させた場合はこのうち5個の試料が本来の陰性の判定結果となった。
また、マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個において、精製ヤギ免疫グロブリンGを試料と接触させた場合もこのうち5個の試料が本来の陰性の判定結果となった。
以上のことより、試料中の測定対象物質(HBs抗原)の免疫学的測定試薬にて使用した抗体(抗HBsモノクローナル抗体)の産生動物種であるマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても抑制することができない非特異的反応であっても、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種(マウス)とは異なる動物種であるヤギの血液成分である血清又は精製免疫グロブリンGのいずれにおいても、試料と接触させることにより、当該非特異的反応を防ぐことができることが確かめられた。

Claims (24)

  1. 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGよりなるものであり、当該非特異的反応の抑制剤を試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異反応を抑制することができることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
  2. 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項1に記載の非特異的反応の抑制剤。
  3. ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項1又は請求項2に記載の非特異的反応の抑制剤。
  4. 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
  5. 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、当該非特異的反応が当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できないものであり、当該非特異的反応の抑制剤がウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGよりなるものであることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
  6. 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項に記載の非特異的反応の抑制剤。
  7. ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項5又は請求項6に記載の非特異的反応の抑制剤。
  8. 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
  9. 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法。
  10. 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項に記載の非特異的反応の抑制方法。
  11. ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項9又は請求項10に記載の非特異的反応の抑制方法。
  12. 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
  13. 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法であって、当該非特異的反応が当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できないものであり、当該非特異的反応の抑制方法がウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを試料と接触させるものであることを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法。
  14. 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項13に記載の非特異的反応の抑制方法。
  15. ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項13又は請求項14に記載の非特異的反応の抑制方法。
  16. 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
  17. 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
  18. 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項17に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
  19. ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項17又は請求項18に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
  20. 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項17〜請求項19のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
  21. 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを含有することにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
  22. 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項21に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
  23. ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項21又は請求項22に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
  24. 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項21〜請求項23のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
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