JP6773402B2 - 磁性シリカ粒子を用いた対象物質の分離方法 - Google Patents
磁性シリカ粒子を用いた対象物質の分離方法 Download PDFInfo
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アルデヒド基を有するグルタルアルデヒド及びカルボキシル基を有するビオチンは、アミノ基を有するアルキルアルコキシシランが表面に結合した磁性シリカ粒子(B)と反応させることで、磁性シリカ粒子(B)の表面に結合させることができる。また、アミノ基を有するアルブミン及びストレプトアビジン並びにカルボジイミド基を有するカルボジイミドは、カルボキシル基を有するアルキルアルコキシシランが表面に結合した磁性シリカ粒子(B)と反応させることで、磁性シリカ粒子(B)の表面に結合させることができる。
1級アミノ基としては、例えばアミノ基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基等のアミノアルキル基、3−アミノ−1−エトキシプロピル基、1−アミノ−エトキシメチル基等のアミノアルコキシアルキル基等が挙げられる。
2級アミノ基としては、1つの炭化水素基で置換されたアミノ基が挙げられる。例えば、N−アルキルアミノアルキル基が含まれ、N−メチルアミノエチル基、N−エチルアミノエチル基等のN−アルキルアミノアルキル基、イミダゾイル基等が挙げられる。
3級アミノ基としては、2つの炭化水素基で置換されたアミノ基が挙げられる。3級アミノ基を有する官能基としては、例えばN−ジメチルアミノエチル基、N−ジメチルアミノプロピル基、N−ジエチルアミノエチル基、N−ジブチルアミノエチル基等が挙げられる。
第4級アンモニウム基としては、3つの炭化水素基で置換されたアンモニウム基が挙げられる。4級アンモニウム基を有する官能基としては、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基等のトリアルキルアンモニウム基等が挙げられる。
1〜3級アミノ基は、酸との塩になっていてもよい。酸としては、塩酸、臭酸、ヨウ酸、酢酸、硫酸、硝酸及びリン酸等が挙げられる。
第4級アンモニウム基は、水酸化物又は酸との塩になっていてもよい。酸としては塩酸、臭酸、ヨウ酸、酢酸、硫酸、硝酸及びリン酸等が挙げられる。
(i)1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物を混合する方法
磁性シリカ粒子(B)と1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物を溶媒中で混合することで、磁性シリカ粒子(B)のヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基と1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物との間にイオン結合が形成し、磁性シリカ粒子(B)にアミノ基あるいはアンモニウム基を含有させることができる。
この方法(i)で使用できる1級アミノ基含有化合物としては、アミノメタン、アミノエタン等のアミノアルカン及びこの塩、ジアミノエタン等のジアミノアルカン(アルキレンジアミン)及びこの塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸及びこの塩が挙げられる。
2級アミノ基含有化合物としては、ジメチルアミン等の2つの炭化水素基で置換されたアミン及びこの塩、2−メチルイミダゾール、ヒスチジン等のイミダゾール類及びこの塩が挙げられる。
3級アミノ基含有化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3つの炭化水素基で置換されたアミン及びこの塩が挙げられる。
第4級アンモニウム基含有化合物としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の4つの炭化水素で置換されたアンモニウム及びこの塩が挙げられる。
溶媒としては1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物を溶解するものであれば特に制限はないが、安全性の観点から水が好ましい。
溶媒と混合する際の1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物の使用量としては、混合する磁性シリカ粒子(B)の重量を基準として、1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物の使用量が0.01〜10mmol/gの範囲であることが好ましい。この1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物の使用量の範囲を満たす観点から、1〜3級アミノ基又は第4級アンモニウム基含有化合物の使用量は、溶媒の体積を基準として、1〜1,000mmol/Lが好ましい。
混合する温度には制限がなく、5〜50{さらに好ましくは20〜30}℃が好ましい。
混合装置としては、特に制限はないが、市販のマグネチックスターラー、メカニカルスターラー等が使用できる。回転数としては、溶媒の容量にもよるが、通常300rpm以下である。
1級アミノ基含有化合物を反応させる方法としては、例えば、アルキレンジアミンと磁性シリカ粒子(B)のヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基とを反応させる方法が挙げられ、例えば、カルボキシル基を予めカルボジイミド化合物と反応させ、アシルイソ尿素{R’−N=C(OCOR)−NH−R’(−OCORが(A)に由来する部分)}を得た後、アルキレンジアミンをこのアシルイソ尿素に加えることによって、磁性シリカ粒子(B)に1級アミノ基含有化合物をアミド結合できる。1級アミノ基含有化合物の結合量は、生物由来物質の分離能の観点から、磁性シリカ粒子(B)の重量を基準として、0.01〜10mmol/gが好ましい。
0.02gの磁性シリカ粒子(C)の試料に0.1mol/Lの塩酸水溶液10mLを加え、25℃10分間静置した後、磁石で磁性シリカ粒子(C)を集磁し、液体部分をピペットで取り除く。その後、10mLの脱イオン水を洗浄液として加え、25℃で10分間静置した後、磁石で磁性シリカ粒子(C)を集磁し、液体部分をピペットで取り除く。この脱イオン水で洗浄する操作をさらに2回繰り返す。その後、10重量%の硫酸ナトリウム水溶液10mlを加え、25℃で10分間静置した後、磁石で磁性シリカ粒子(C)を集磁し、液体部分をピペットで取り出し、この液体部分を全自動波長分散型蛍光X線分析装置(装置名:Axiosメーカー名:PANalytical社製)で塩素イオン含量を定量する。この定量された塩素イオン量が、試料中の官能基(J)の量に等しいとして、官能基(J)の含有量を算出する。
本発明における磁性金属酸化物粒子(A)は、フェリ磁性、強磁性、あるいは超常磁性であってよい。上記の中でも、磁気分離後に残留磁化が残らず迅速に再分散させることが可能な超常磁性が好ましい。ここで超常磁性とは、外部磁場の存在下で物質の個々の原子磁気モーメントが整列し誘発された一時的な磁場を示し、外部磁場を取り除くと、部分的な整列が損なわれ磁場を示さなくなることをいう。
次に、例えば反応槽の外側から磁石等により、試料(E2)から除去対象物質(D2)が除去され目的物質(D1)を含む上澄み液の試料(E21)から複合体(F2)を磁気分離して、試料(E2)から除去対象物質(D2)が除去された目的物質(D1)を含む試料(E21)を得ることができる。上記操作は複数回行うことができ、回数が多いほど目的物質(D1)の純度を高めることができる。複合体(F2)を除去対象物質(D2)と磁性シリカ粒子(C)との結合を乖離させる物質を含む液に分散させ攪拌し、磁性シリカ粒子(C)から除去対象物質(D2)を乖離させ、磁性シリカ粒子(C)を磁気分離して上澄み液を廃棄することで、磁性シリカ粒子(C)を回収することができる。回収した磁性シリカ粒子(C)は再び除去対象物質(D2)と結合することができ、再利用することが可能である。
磁性金属酸化物粒子(A−1)の作製:
反応容器に塩化鉄(III)6水和物186部、塩化鉄(II)4水和物68部及び水1288部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25%アンモニア水280部を1時間かけて滴下し、水中にマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子に分散剤であるオレイン酸64部を加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水1000部で洗浄する操作を3回行い、さらにアセトン1000部で洗浄する操作を2回行い、40℃で2日間乾燥させることで、磁性金属酸化物粒子(A−1)を得た。磁性金属酸化物(A−1)の体積平均粒子径は10nmであった。
磁性金属酸化物粒子(A−1)75部をテトラエトキシシラン240部に加えて分散し、分散液(B1)を調製した。次に、反応容器に水5050部、25%アンモニア水溶液3500部、NSA−17(三洋化成工業株式会社製)400部を加えてクリアミックス(エムテクニック社製)を用いて混合し溶液(B2)を得た。50℃に昇温後、クリアミックスを回転数6,000rpmで攪拌しながら、上記分散液(B1)を溶液(B2)に1時間かけて滴下後、50℃で1時間反応させた。反応後、2,000rpmで20分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除いた。次に、得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて600rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を20回行い、続いて得られた固相に水5000部を加えて粒子を分散させて300rpmで10分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて除去することで分級を行った。さらに、水50部を加えて粒子を分散させた後、磁石を用いて粒子を集磁し上清を除く操作を10回行い、磁性シリカ粒子(B−1)を得た。磁性シリカ粒子(B−1)の体積平均粒子径は2μmであった。磁性シリカ粒子(B−1)の磁性金属酸化物粒子(A−1)の含有量は75重量%であった。
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有水溶液400mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に分級後の磁性シリカ粒子(B−1)100mgを加え、25℃で1時間反応させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水400mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を4回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を0.5重量%無水コハク酸含有エタノール溶液100mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で2時間反応させた。そして、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。次に、塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリド(和光純薬工業)の0.05gを脱イオン水の3mLに20〜40℃で溶解した後、磁性シリカ粒子に加え、その溶液を室温(25℃)で攪拌しながら、水酸化ナトリウム(和光純薬工業)の0.1gを溶解した脱イオン水1.5mLを1分間かけて一定速度で滴下し仕込んだ。室温(25℃)で1時間攪拌したのち、磁石で磁性粒子を集磁し、液体部分をピペットで取り出した。その後、5mLの脱イオン水を洗浄液として加え、25℃で10分間静置した後、磁石で磁性粒子を集磁し、液体部分をピペットで取り除いた。この脱イオン水で洗浄する操作をさらに2回繰り返し、3級アミンである官能基(J−1)を含有する物質(G−1)が固定化された磁性シリカ粒子(C−1)を得た。また、官能基(J−1)の含有量は、1mmol/gであった。
磁性シリカ粒子(B)の作製において、磁性金属酸化物粒子(A)を110部用いた以外は製造例1と同様に行い、磁性シリカ粒子(B−2)を得た。磁性シリカ粒子(B−2)の体積平均粒子径は2μmであった。磁性シリカ粒子(B−2)の磁性金属酸化物粒子(A)の含有率は94%であった。磁性シリカ粒子(C)の作製において、磁性シリカ粒子(B−1)の変わりに磁性シリカ粒子(B−2)を用いた以外は製造例1と同様に行い、官能基(J−1)を含有する物質(G−1)が固定化された磁性粒子(C−2)を得た。また、官能基(J−1)の含有量は、1mmol/gであった。
磁性シリカ粒子(B)の作製において、磁性金属酸化物粒子(A)を60部用いた以外は製造例1と同様に行い、磁性シリカ粒子(B−3)を得た。磁性シリカ粒子(B−3)の体積平均粒子径は2μmであった。磁性シリカ粒子(B−3)の磁性金属酸化物粒子(A)の含有率は60%であった。磁性シリカ粒子(C)の作製において、磁性シリカ粒子(B−1)の変わりに磁性シリカ粒子(B−3)を用いた以外は製造例1と同様に行い、官能基(J−1)を含有する物質(G−1)が固定化された磁性粒子(C−3)を得た。また、官能基(J−1)の含有量は、1mmol/gであった。
磁性シリカ粒子(B)の作製において、磁性金属酸化物粒子(A)を45部用いた以外は製造例1と同様に行い、磁性シリカ粒子(B−4’)を得た。磁性シリカ粒子(B−4’)の体積平均粒子径は2μmであった。磁性シリカ粒子(B−4’)の磁性金属酸化物粒子(A)の含有率は50%であった。磁性シリカ粒子(C)の作製において、磁性シリカ粒子(B−1)の変わりに磁性シリカ粒子(B−4’)を用いた以外は製造例1と同様に行い、官能基(J−1)を含有する物質(G−1)が固定化された磁性粒子(C−1’)を得た。また、官能基(J−1)の含有量は、1mmol/gであった。
塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリド(和光純薬工業)の代わりに2−ジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(和光純薬工業)を用いた以外は、製造例1と同様にして行い、3級アミンである官能基(J−2)を含有する物質(G−2)が固定化された磁性シリカ粒子(C−4)を得た。また、官能基(J−2)の含有量は、1mmol/gであった。
磁性シリカ粒子(C)の作製において、塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリド(和光純薬工業)の代わりに2−ジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩(和光純薬工業)を用いた以外は、比較製造例1と同様にして行い、官能基(J−2)を含有する物質(G−2)が固定化された磁性粒子(C−2’)を得た。また、官能基(J−2)の含有量は、1mmol/gであった。
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に分級後の磁性シリカ粒子(B−1)50mgを加え、25℃で1時間反応させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて磁性シリカ粒子を分散させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を4回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を0.5重量%無水コハク酸含有エタノール溶液10mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で2時間反応させた。そして、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。次いで、この洗浄後の磁性シリカ粒子を0.5重量%塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および0.5重量%N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。更にこの洗浄後の磁性シリカ粒子を、抗AFPポリクローナル抗体(ダコ・サイトメーション(株)社より購入)を20μg/mLの濃度で含む100mMモルホリノエタンスルホン酸緩衝液(pH5.0)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で3時間反応させた。反応後、磁石で粒子を集磁し、液をアスピレーターで吸引除去して磁性シリカ粒子を洗浄した。この洗浄操作を3回行い、物質(G−3)が固定化された磁性シリカ粒子(C−5)を得た。これを0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)5mLに浸漬し4℃で保存した。
磁性シリカ粒子(B−1)の代わりに磁性シリカ粒子(B−4’)を用いた以外は製造例5と同様に行い、物質(G−3)が固定化された磁性シリカ粒子(C−3’)を得た。これを0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)5mLに浸漬し4℃で保存した。
走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)を用いて、任意の200個の磁性金属酸化物[実施例において、水中のマグネタイト粒子をデカンテーションにより固液分離し、水で洗浄後、乾燥して得られたもの。]を観察して粒子径を測定し、体積平均粒子径を求めた。
走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)を用いて、任意の200個の磁性シリカ粒子(C)を観察して粒子径を測定し、体積平均粒子径を求めた。
任意の20個のコア層(P)について、上記走査型電子顕微鏡で観察し、エネルギー分散型X線分光装置(型番INCA Wave/Energy、メーカー名オックスフォード社)により磁性金属酸化物(A)の含有量を測定してその平均値を含有量Xとした。また、同測定にてシリカの含有量を測定しその平均値を含有量Yとした。以下の計算式にて、磁性金属酸化物(A)の含有率を求めた。
磁性金属酸化物(A)の含有率(%)=(X)/(X+Y)
磁性シリカ粒子(C−1)の0.1gに、塩化ナトリウムを0.85%で含有する0.1M,pH6.0のリン酸緩衝液の1990μLを加えた後、ウサギにNSE抗原を免疫して作製した、抗NSE抗体(D1−1)とNSE抗体以外の物質(D2−1)を含むNSE抗血清(E2−1、株式会社ティー・ケー・クラフト)10μLを加え、その溶液を室温(25℃)で1分間攪拌し、磁性シリカ粒子(C−1)と抗NSE抗体(D1−1)以外の物質(D2−1)との複合体(F2−1)を形成させた。磁石で複合体(F2−1)を集磁し、上澄み液をピペットで取り出し、抗NSE抗体(D1−1)を含む溶液(N−1)を得た。
磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−2)を用いた以外は実施例1と同様に行い、抗NSE抗体(D1−1)を含む溶液(N−2)を得た。
磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−3)を用いた以外は実施例1と同様に行い、抗NSE抗体(D1−1)を含む溶液(N−3)を得た。
磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性粒子(C−1’)を用いた以外は実施例1と同様に行い、抗NSE抗体溶液(N−1’)を得た。
磁性シリカ粒子(C−1)の代わりに磁性シリカ粒子(C−4)を用いた以外は実施例1と同様に行い、抗NSE抗体(D1−1)を含む溶液(N−4)を得た。
磁性シリカ粒子(C−4)の代わりに磁性粒子(C−2’)を用いた以外は実施例4と同様に行い、抗NSE抗体溶液(N−2’)を得た。
製造例5で作製した磁性シリカ粒子(C−5)を含む分散液5mLの上澄み液を磁石で集磁して除去した。目的物質としてAFP(D1−2)を256ng/mL含むヒト血清液(E1−1)5mLを、上澄み液を除去した磁性シリカ粒子C−3に加え転倒攪拌を1時間行い、磁性シリカ粒子(C−3)とAFP(D1−2)との複合体(F1−1)を形成させた。反応後、試験管の外側から磁石で複合体(F1−1)を集め上澄み液を除去した。0.1重量%サンノニックSS−120(三洋化成工業株式会社製)を含む生理食塩水5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、上澄み液を除く洗浄操作を3回行った。次に、0.5%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液5mLを加えて1時間転倒攪拌し、磁性シリカ粒子(C−5)からAFP(D1−2)を乖離させた。磁石で磁性シリカ粒子(C−5)を集磁し、上澄み液をピペットで取り出し、AFP(D1−2)を含む溶液(N−5)を得た。
磁性シリカ粒子(C−5)の代わりに磁性粒子(C−3’)を用いた以外は実施例5と同様に行い、AFP(D1−2)を含む溶液(N−3’)を得た。
抗NSE抗体溶液(N−1、N−2、N−3、N−4、N−1’、N−2’)を検体希釈液セット(三洋化成工業)で千倍希釈した100μLと、スフィアライトNSEキャリブレーターセット(三洋化成工業)のNSE(90ng/mL)の100μLとを混合して、検体(M−1、M−2、M−3、M−4、M−1’、M−2’)を作製した。この検体のNSE濃度(ng/mL)を、スフィアライトNSE(三洋化成工業)および自動化学発光酵素免疫分析装置「SphereLight Wako」を用いて測定した。その結果を表1に示す。抗NSE抗体濃度が高いほど検体中のNSEが抗NSE抗体に吸収されるため、NSE濃度は低い値を示す。表1の結果より、実施例1〜4の抗NSE抗体溶液は、比較例1〜2の抗NSE抗体溶液に比べて、より短い集磁時間でNSE濃度が低い値を示しており、抗NSE抗体の濃度が高いことが判る。
AFP溶液(N−5、N−3’)のAFP濃度(ng/mL)を、スフィアライトAFP(三洋化成工業)および自動化学発光酵素免疫分析装置「SphereLight Wako」を用いて測定した。その結果を表1に示す。表1の結果より、実施例5は比較例3と比べて、より短い集磁時間でAFPを高濃度に精製できることが判る。
Claims (11)
- 磁性金属酸化物粒子(A)とシリカ(L)とを含有する磁性シリカ粒子であって、該磁性金属酸化物粒子(A)の含有量が該磁性金属酸化物粒子(A)と該シリカ(L)の合計重量に対して60〜95重量%である磁性シリカ粒子(B)の表面に、分離対象物質(D)と結合する物質(G)が固定化された磁性シリカ粒子(C)を用いて、試料(E)中の分離対象物質(D)を分離する物質の分離方法であって、前記分離対象物質(D)が目的物質(D1)であって、目的物質(D1)を含む試料(E1)と磁性シリカ粒子(C)とを接触させて、磁性シリカ粒子(C)と目的物質(D1)との複合体(F1)を形成させた後、磁石で該複合体(F1)を試料(E1)から分離し、さらに該複合体(F1)から目的物質(D1)を乖離させて目的物質(D1)を得る工程を含む分離方法。
- 磁性金属酸化物粒子(A)の体積平均粒子径が1〜50nmである、請求項1に記載の分離方法。
- 前記磁性シリカ粒子(B)の体積平均粒子径が0.5〜20μmである、請求項1又は2に記載の分離方法。
- 前記磁性金属酸化物粒子(A)に含有される金属酸化物が酸化鉄である請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離方法。
- 複合体(F1)から目的物質(D1)を乖離させることにより回収された磁性シリカ粒子(C)を、再び試料(E1)と磁性シリカ粒子(C)との接触に用いる工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離方法。
- 分離対象物質(D)が、抗体、抗原、DNA、RNA、細胞、ウイルス、細菌、及びタンパク質のいずれかである請求項1〜5のいずれか1項に記載の分離方法。
- 物質(G)がグルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチン及び官能基を有するアルキルアルコキシシラン(H)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物(K)を介して磁性シリカ粒子(C)に固定されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の分離方法。
- アルキルアルコキシシラン(H)が有する官能基が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、グリシジルオキシ基及び炭素数が1〜18の炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分離方法。
- 物質(G)が、分子量1000以下であり分離対象物質(D)と結合する官能基(J)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分離方法。
- 官能基(J)がアミノ基あるいはアンモニウム基である、請求項9に記載の分離方法。
- 前記分離方法が、試料(E1)中から目的物質(D1)を精製する方法である請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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