JP2001318099A - C−反応性蛋白質測定方法及び測定試薬 - Google Patents

C−反応性蛋白質測定方法及び測定試薬

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JP2001318099A JP2001052108A JP2001052108A JP2001318099A JP 2001318099 A JP2001318099 A JP 2001318099A JP 2001052108 A JP2001052108 A JP 2001052108A JP 2001052108 A JP2001052108 A JP 2001052108A JP 2001318099 A JP2001318099 A JP 2001318099A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロゾーン現象を回避して高濃度のC−反応
性蛋白質を含む検体を希釈せずに測定する方法およびそ
れに用いる試薬を提供すること。 【解決手段】 ホスホリルコリン基と一般式(I)[式
(I)中、R1、R2、R 3は水素、置換もしくは非置換
アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、X-は無機
性陰イオンや有機性陰イオン]で示されるカチオン性基
とを有する化合物及びC−反応性蛋白質に対する抗体を
用いてC−反応性蛋白質を測定する。また、ホスホリル
コリン基を有する界面活性剤、式(II)[Y1は疎水性
基、R1、R2、R3は水素、置換もしくは非置換アルキ
ル、置換もしくは非置換アルケニル]で示されるカチオ
ン性基を有する界面活性剤及びC−反応性蛋白質に対す
る抗体を用いてC−反応性蛋白質を測定する。C−反応
性蛋白質に対する抗体としては、ポリスチレン系ラテッ
クス等の水不溶性担体に担持されている抗体が好まし
い。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、C−反応性蛋白質
測定用試薬及び測定方法、詳しくは、ホスホリルコリン
基とカチオン性基とを有する化合物及びC−反応性蛋白
質に対する抗体を含有するC−反応性蛋白質測定用試
薬、並びに該試薬を用いてC−反応性蛋白質を測定する
C−反応性蛋白質の測定方法や、ホスホリルコリン基を
有する界面活性剤、カチオン性基を有する界面活性剤及
びC−反応性蛋白質に対する抗体を含有するC−反応性
蛋白質測定用試薬、並びに該試薬を用いてC−反応性蛋
白質を測定するC−反応性蛋白質の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】急性相反応物質の一つであるC−反応性
蛋白質(C-reactive protein)は、各種の感染症、炎症
性疾患及び組織破壊をきたす疾患の診断や経過観察のマ
ーカーとして、臨床検査の分野ではよく測定されている
項目の一つとなっている。かかるC−反応性蛋白質の測
定法としては、C−反応性蛋白質と特異的に結合する抗
体もしくは抗血清を用いて、毛細管法、一次元免疫拡散
法、免疫比濁法、ラテックス免疫比濁法等で測定する方
法が知られている。これらの測定方法は、抗原であるC
−反応性蛋白質と抗体が結合すると大きな凝集体となる
ことを利用して、この凝集を検出することにより行うも
のである。
【0003】例えば、ラテックス免疫比濁法では、抗体
を担持(感作)させた粒径0.1〜1μm程度のポリス
チレンラテックス等の担体を用い、対応する抗原により
抗原抗体反応を起こさせると、反応液中の散乱光は増加
し、透過光は減少するので、この変化を吸光度あるいは
積分球濁度として検出することによりC−反応性蛋白質
を測定することができる。しかし、これら抗原抗体反応
による凝集を観察する方法においては、プロゾーン現象
と呼ばれる問題が生起することも知られている。かかる
プロゾーン現象とは、抗原量が抗体量に比して高濃度に
なるに従い、逆に濁度が減少する現象をいう。この結
果、測定すべき試料中に抗原が高濃度に存在するにもか
かわらず、抗原が低濃度であるという誤った結果がもた
らされることになる。このプロゾーン現象を回避するに
は、測定すべき試料を希釈するか、あるいは測定に使用
する抗体を増加して再度測定を行うこと等が必要である
が、操作が煩雑となる。
【0004】ホスホリルコリンはカルシウムイオンの存
在下にC−反応性蛋白質と特異的に結合し、凝集体を形
成することが知られている[J. Immunol., 124, 1396(1
980)]。また、C−反応性蛋白質の精製を、p−ニトロ
フェニルホスホリルコリンセファロース4Bカラムを用
いたアフィニティークロマトグラフィーにより行うこと
が知られている[検査と技術,24(5), 409(1996)]。そ
してまた、C−反応性蛋白質の定量方法として、ホスフ
ァチジルコリン、コレステロール、塩化コリン、カルシ
ウム等を含有する試薬を用いる方法(特開昭52−12
3295号公報)や、ホスホリルコリン基を結合した高
分子を含有する試薬を用いる方法、及びホスホリルコリ
ン基を結合した高分子とC−反応性蛋白質に対する特異
抗体とを含有する試薬を用いる方法(特開昭62−25
9063号公報)が知られている。また、積分球濁度に
より検出を行うラテックス試薬を用いるC−反応性蛋白
質の測定方法としては、例えば協和メデックス社のC−
反応性蛋白質用ラテックス試薬(エクステルCRP E
L−1200用)を用いる方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、プロ
ゾーン現象を回避して高濃度のC−反応性蛋白質を含む
検体を希釈せずに測定する方法及びそれに用いる試薬を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究し、(A)ホスホリルコリン
基とカチオン性基とを有する化合物及びC−反応性蛋白
質に対する抗体を用いると、あるいは、(B)ホスホリ
ルコリン基を有する界面活性剤、カチオン性基を有する
界面活性剤及びC−反応性蛋白質に対する抗体を用いる
と、検体中のC−反応性蛋白質を測定しうること、また
高濃度のC−反応性蛋白質を含む検体であっても、希釈
することなくプロゾーン現象を回避して検体中のC−反
応性蛋白質を測定しうることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ホスホリルコリン基と
ホスホリルコリン基を除くカチオン性基とを有する化合
物及びC−反応性蛋白質に対する抗体を用いて、あるい
は、ホスホリルコリン基を有する界面活性剤、ホスホリ
ルコリン基を除くカチオン性基を有する界面活性剤及び
C−反応性蛋白質に対する抗体を用いて、C−反応性蛋
白質を測定することを特徴とするC−反応性蛋白質の測
定方法(請求項1)に関する。
【0008】また本発明は、ホスホリルコリン基とホス
ホリルコリン基を除くカチオン性基とを有する化合物に
おけるカチオン性基が、一般式(I)
【化7】 [式(I)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって
もよく、水素、置換もしくは非置換アルキル、又は置換
もしくは非置換アルケニルを示し、X1 -は無機性陰イオ
ン又は有機性陰イオンを示す。]で示される基であるこ
とを特徴とする請求項1記載のC−反応性蛋白質の測定
方法(請求項2)や、ホスホリルコリン基とホスホリル
コリン基を除くカチオン性基とを有する化合物が、ホス
ホリルコリン基を有する単量体とカチオン性基を有する
単量体とを結合させた共重合体であることを特徴とする
請求項1又は2記載のC−反応性蛋白質の測定方法(請
求項3)や、ホスホリルコリン基を有する単量体とカチ
オン性基を有する単量体が、それぞれホスホリルコリン
基とビニル基を有する単量体と、カチオン性基とビニル
基を有する単量体であることを特徴とする請求項3記載
のC−反応性蛋白質の測定方法(請求項4)や、ホスホ
リルコリン基とビニル基を有する単量体及びカチオン性
基とビニル基を有する単量体が、それぞれ2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスホリルコリンと、2−ヒドロキ
シ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアン
モニウムクロライドであることを特徴とする請求項4記
載のC−反応性蛋白質の測定方法(請求項5)や、ホス
ホリルコリン基を有する界面活性剤が、一般式(II)
【化8】 [式(II)中、Y1は疎水性基を示す。]で示される化合
物であることを特徴とする請求項1記載のC−反応性蛋
白質の測定方法(請求項6)に関する。
【0009】また本発明は、式(II)で表される化合物
が、リゾホスファチジルコリンカプロイル、リゾホスフ
ァチジルコリンミリストイル、リゾホスファチジルコリ
ンパルミトイル、リゾホスファチジルコリンステアロイ
ル、大豆由来リゾホスファチジルコリン、ホスファチジ
ルコリンジブチロイル、ホスファチジルコリンジカプロ
イル、ホスホリルコリンオレイルオキシエチルエステ
ル、スフィンゴシルホスホリルコリンから選ばれる1種
又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項6
記載のC−反応性蛋白質の測定方法(請求項7)や、カ
チオン性基を有する界面活性剤が、アンモニウム塩の界
面活性剤であることを特徴とする請求項1、6及び7の
いずれか1項に記載のC−反応性タンパク質の測定方法
(請求項8)や、アンモニウム塩の界面活性剤が、一般
式(III)
【化9】 [式(III)中、Y2は疎水性基を示し、R1、R2、R3
は同一又は異なってもよく、水素、置換もしくは非置換
アルキル、又は置換もしくは非置換アルケニルを示し、
2 -は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを示す。]で
示される化合物である請求項8記載のC−反応性蛋白質
の測定方法(請求項9)や、式(III)で表される化合
物が、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、
テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロライドから選ばれる1
種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項
9記載のC−反応性蛋白質の測定方法。(請求項10)
や、C−反応性蛋白質に対する抗体が、水不溶性担体に
担持されていることを特徴とする請求項1〜10のいず
れか1項に記載のC−反応性蛋白質の測定方法(請求項
11)や、不溶性担体が、ポリスチレン系ラテックスで
あることを特徴とする請求項11記載のC−反応性蛋白
質の測定方法(請求項12)に関する。
【0010】そしてまた本発明は、ホスホリルコリン基
とホスホリルコリン基を除くカチオン性基とを有する化
合物及びC−反応性蛋白質に対する抗体を含有する、あ
るいは、ホスホリルコリン基を有する界面活性剤、ホス
ホリルコリン基を除くカチオン性基を有する界面活性剤
及びC−反応性蛋白質に対する抗体を含有することを特
徴とするC−反応性蛋白質測定用試薬(請求項13)
や、ホスホリルコリン基とホスホリルコリン基を除くカ
チオン性基とを有する化合物におけるカチオン性基が、
一般式(I)
【化10】 [式(I)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって
もよく、水素、置換もしくは非置換アルキル、又は置換
もしくは非置換アルケニルを示し、X1 -は無機性陰イオ
ン又は有機性陰イオンを示す。]で示される基であるこ
とを特徴とする請求項13記載のC−反応性蛋白質測定
用試薬(請求項14)や、ホスホリルコリン基とホスホ
リルコリン基を除くカチオン性基とを有する化合物が、
ホスホリルコリン基を有する単量体とカチオン性基を有
する単量体とを結合させた共重合体であることを特徴と
する請求項13又は14記載のC−反応性蛋白質測定用
試薬(請求項15)や、ホスホリルコリン基を有する単
量体とカチオン性基を有する単量体が、それぞれホスホ
リルコリン基とビニル基を有する単量体と、カチオン性
基とビニル基を有する単量体であることを特徴とする請
求項15記載のC−反応性蛋白質測定用試薬(請求項1
6)や、ホスホリルコリン基とビニル基を有する単量体
及びカチオン性基とビニル基を有する単量体が、それぞ
れ2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
と、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライドであることを特徴
とする請求項16記載のC−反応性蛋白質測定用試薬
(請求項17)に関する。
【0011】また本発明は、ホスホリルコリン基を有す
る界面活性剤が、一般式(II)
【化11】 [式(II)中、Y1は疎水性基を示す。]で示される化合
物であることを特徴とする請求項13記載のC−反応性
蛋白質測定用試薬(請求項18)や、式(II)で表され
る化合物が、リゾホスファチジルコリンカプロイル、リ
ゾホスファチジルコリンミリストイル、リゾホスファチ
ジルコリンパルミトイル、リゾホスファチジルコリンス
テアロイル、大豆由来リゾホスファチジルコリン、ホス
ファチジルコリンジブチロイル、ホスファチジルコリン
ジカプロイル、ホスホリルコリンオレイルオキシエチル
エステル、スフィンゴシルホスホリルコリンから選ばれ
る1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請
求項18記載のC−反応性蛋白質測定用試薬(請求項1
9)や、カチオン性基を有する界面活性剤がアンモニウ
ム塩の界面活性剤であることを特徴とする請求項13、
18及び19のいずれか1項に記載のC−反応性蛋白質
測定用試薬(請求項20)アンモニウム塩の界面活性剤
が、一般式(III)
【化12】 [式(III)中、Y2は疎水性基を示し、R1、R2、R3
は同一又は異なってもよく、水素、置換もしくは非置換
アルキル、又は置換もしくは非置換アルケニルを示し、
2 -は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを示す。]で
示される化合物であることを特徴とする請求項20記載
のC−反応性蛋白質測定用試薬(請求項21)や、式
(III)で表される化合物が、オクタデシルトリメチル
アンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアン
モニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロ
ライドから選ばれる1種又は2種以上の化合物であるこ
とを特徴とする請求項21記載のC−反応性蛋白質測定
用試薬(請求項22)や、C−反応性蛋白質に対する抗
体が、水不溶性担体に担持されていることを特徴とする
請求項13〜22のいずれか1項に記載のC−反応性蛋
白質測定用試薬(請求項23)や、不溶性担体が、ポリ
スチレン系ラテックスであることを特徴とする請求項2
3に記載のC−反応性蛋白質測定用試薬(請求項24)
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のC−反応性蛋白質の測定
方法は、ホスホリルコリン基とホスホリルコリン基を除
くカチオン性基とを有する化合物及びC−反応性蛋白質
に対する抗体を用いて、C−反応性蛋白質を測定するこ
とを特徴とする測定方法(以下、「本発明のC−反応性
蛋白質の測定方法(A)」という)と、ホスホリルコリ
ン基を有する界面活性剤、カチオン性基を有する界面活
性剤及びC−反応性蛋白質に対する抗体を用いて、C−
反応性蛋白質を測定することを特徴とする測定方法(以
下、「本発明のC−反応性蛋白質の測定方法(B)」と
いう)から構成され、また、本発明のC−反応性蛋白質
測定用試薬は、ホスホリルコリン基とホスホリルコリン
基を除くカチオン性基とを有する化合物及びC−反応性
蛋白質に対する抗体を含有することを特徴とする試薬
(以下、「本発明のC−反応性蛋白質測定用試薬
(A)」という)と、ホスホリルコリン基を有する界面
活性剤、カチオン性基を有する界面活性剤及びC−反応
性蛋白質に対する抗体を含有することを特徴とする試薬
(以下、「本発明のC−反応性蛋白質測定用試薬
(B)」という)から構成される。
【0013】本発明のC−反応性蛋白質の測定方法
(A)やC−反応性蛋白質測定用試薬(A)におけるホ
スホリルコリン基とホスホリルコリン基を除くカチオン
性基とを有する化合物としては、少なくとも一対のホス
ホリルコリン基とホスホリルコリン基を除くカチオン性
基とを同一分子内に有する化合物であれば、いかなる化
合物でも用いることができるが、ホスホリルコリン基と
ホスホリルコリン基を除くカチオン性基とを同一分子中
に複数有する化合物がプロゾーン現象を充分に回避しう
る点からして好ましく、例えば油脂、炭水化物、蛋白
質、多糖類、核酸といった天然化合物にこれら二つの基
を導入して製造した合成化合物や、合成化合物にこれら
二つの基を導入して製造した合成化合物や、これらの基
を別々に含有する化合物を合成により結合させて製造し
た合成化合物等を挙げることができる。また、本発明に
おけるホスホリルコリン基とホスホリルコリン基を除く
カチオン性基とを有する化合物の分子量としては、特に
制限されないが、プロゾーン現象を充分に回避しうる点
からして500〜5,000,000が好ましく、1,
000〜1,000,000がより好ましく、5,00
0〜100,000が特に好ましい。
【0014】上記ホスホリルコリン基とホスホリルコリ
ン基を除くカチオン性基とを有する化合物におけるカチ
オン性基としては、ホスホリルコリン基を除く正の電荷
をもつ基であれば特に制限されるものではないが、一般
式(I)[式(I)中、R1、R2及びR3は、同一又は
異なってもよく、水素、置換もしくは非置換アルキル、
又は置換もしくは非置換アルケニルを示し、X1 -は無機
性陰イオン又は有機性陰イオンを示す。]で表されるカ
チオン性基がプロゾーン現象を充分に回避しうる点から
して好ましい。
【0015】
【化13】
【0016】一般式(I)におけるアルキルとしては、
直鎖又は分岐状の、好ましくは炭素数1〜24のアルキ
ル、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル、特に好
ましくは炭素数1〜6のアルキルを挙げることができ、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、デシル等を具体的に例示することができ、また、
アルケニルとしては、直鎖又は分岐状の、好ましくは炭
素数2〜24のアルケニル、より好ましくは炭素数2〜
12のアルケニル、特に好ましくは炭素数2〜6のアル
ケニルを挙げることができ、ビニル、アリル、2−ブテ
ニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル等を具体的に例
示することができる。また、置換アルキル及び置換アル
ケニルの置換基としては、例えばアルコキシ、アルカノ
イル、アルカノイルオキシ、アルケニルオキシ、アルケ
ノイル、アルケノイルオキシ、アロイル、置換もしくは
非置換フェニル、置換もしくは非置換のナフチル等を例
示することができ、アルコキシ、アルカノイル及びアル
カノイルオキシのアルキル部分はそれぞれ前記のアルキ
ルと同意義である。また、アルケニルオキシ、アルケノ
イル及びアルケノイルオキシのアルケニル部分はそれぞ
れ前記のアルケニルと同意義である。アロイルとして
は、ベンゾイル、ナフトイル等を挙げることができる。
そして、置換フェニル、置換ナフチルの置換基として
は、アルキル、アルケニル等を挙げることができ、アル
キル、アルケニルはそれぞれ前記アルキル、アルケニル
と同意義である。無機性陰イオンとしては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、硝酸等無機酸の陰イオ
ンなどを挙げることができる。有機性陰イオンとして
は、ギ酸、酢酸等の有機カルボン酸イオン等を挙げるこ
とができる。
【0017】天然化合物や合成化合物にホスホリルコリ
ン基及びカチオン性基を導入する方法としては、従来公
知の方法、例えば天然化合物や合成化合物の水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基等の官能基と、ホスホリルコリ
ン基及びカチオン性基を有する化合物に公知の方法によ
り導入した官能基とを反応させる方法を挙げることがで
き、かかるホスホリルコリン基及びカチオン性基に導入
する官能基としては、例えば天然化合物及び合成化合物
のもつ上記の官能基と結合するものであればよく、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基等を例示
することができる。
【0018】ホスホリルコリン基を有する化合物とカチ
オン性基を有する化合物とを合成により結合させて製造
する方法としては特に制限がなく、ホスホリルコリン基
を有する化合物及びカチオン性基を有する化合物を単量
体として、付加重合等により高分子化させて製造するこ
とができる。かかる単量体としては、ホスホリルコリン
基とビニル基とを有する化合物及びカチオン性基とビニ
ル基とを有する化合物や、ホスホリルコリン基もしくは
カチオン性基を有するジオール化合物及びカチオン性基
もしくはホスホリルコリン基を有するジカルボン酸化合
物や、ホスホリルコリン基もしくはカチオン性基を有す
るジアミン化合物及びカチオン性基もしくはホスホリル
コリン基を有するジカルボン酸化合物等を例示すること
ができるが、特に、ホスホリルコリン基とビニル基とを
有する化合物及びカチオン性基とビニル基とを有する化
合物を高分子化させて製造する方法が分子量又は組成比
を制御しやすい点で好ましい。
【0019】上記ホスホリルコリン基とビニル基とを有
する単量体としては、共重合が可能なものであれば特に
限定されるものではなく、例えば、2−アクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキ
シエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略す)、2
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリ
ルコリン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホ
スホリルコリン、10−(メタ)アクリロイルオキシエ
トキシノニルホスホリルコリン、アリルホスホリルコリ
ン、ブテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリル
コリン、オクテニルホスホリルコリン、デセニルホスホ
リルコリン等を具体的に挙げることができる。また、こ
れら単量体は、例えば、特開昭54−6325号公報、
特開昭58−154591号公報に示された公知の方法
等によって製造することができる。
【0020】上記カチオン性基とビニル基とを有する単
量体としては、ラジカル重合が可能なものであれば特に
限定されるものではなく、例えば、[3−(メタクリロ
イルオキシアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウム
クロライド、[3−(アクリロイルオキシアミノ)プロ
ピル]トリメチルアンモニウムクロライド、[2−(メ
タクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム
クロライド、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]ト
リメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3
−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライド(以下、QAと略す)、2−ヒドロキシ−
3−アリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライド等を具体的に挙げることができる。また、こ
れら単量体は、一般試薬として入手することが可能であ
る。
【0021】ホスホリルコリン基とビニル基とを有する
単量体と、カチオン性基とビニル基とを有する単量体の
組合せは特に限定されるものではないが、前述のMPC
とQAとの組合せがプロゾーン現象を充分に回避しうる
点からして好ましい。また、ホスホリルコリン基とビニ
ル基とを有する単量体と、カチオン性基とビニル基とを
有する単量体を高分子化させるときには、他のラジカル
重合可能なビニル基を有する単量体を混合して用いるこ
ともできる。かかる他のラジカル重合可能なビニル基を
有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸
オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル;スチレン、α−メチルスチレン、メチル核置換ス
チレン、クロロ置換スチレン等のスチレン系単量体;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イ
ソブチレン等の置換もしくは非置換の炭化水素系単量
体;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル
等のビニルエーテル系単量体等を挙げることができる。
【0022】本発明に用いられるホスホリルコリン基と
ビニル基とを有する単量体、カチオン性基とビニル基と
を有する単量体、及び必要に応じて用いられる他のラジ
カル重合可能なビニル基を有する単量体を含む組成物を
重合させる方法としては、例えば、特開平9−3132
号公報、特開平8−333421号公報、特開平11−
35605号公報等に記載された公知の重合方法等を挙
げることができる。具体的には、重合温度30〜150
℃、重合時間2〜72時間の条件でラジカル重合させる
方法等により重合することができる。また、ラジカル重
合反応における開始剤としては、2,2′−アゾビス
(2−メチルプロピオノアミヂン)二塩酸塩、4,4′
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス
[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビスイソブチルアミ
ド二水和物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイ
ル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ter
t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
ert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチ
ルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、tert−ブチルペル
オキシネオデカノエート、又はこれら混合物等を挙げる
ことができる。また、重合溶媒としては、水、エタノー
ル、メタノール、イソプロパノール、tert−ブタノ
ール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、クロロホルム及びこれらの混合物等
を例示することができる。
【0023】前記MPCとQAとを重合させる際には、
重合性などの点から、重合開始剤として2,2′−アゾ
ビス(2−メチルプロピオノアミヂン)二塩酸塩を用い
ることが好ましく、その使用量としては、単量体成分1
00重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、
0.1〜5重量部がより好ましい。また、MPCとQA
の重合溶媒としては、溶解性や重合性などの点から、
水、エタノールが特に好ましい。また、重合体の精製
は、再沈殿法、透析法、限外濾過法など一般的な精製方
法により行うことができる。
【0024】本発明で用いられる重合体の分子量は特に
限定されないが、好ましくは500〜5,000,00
0、より好ましくは1,000〜1,000,000、
特に好ましくは5,000〜100,000である。こ
の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)を用いて分析し、ポリエチレングリコール換
算した値として示されている。また、ホスホリルコリン
基を有する単量体及びカチオン性基を有する単量体を構
成単位として含む共重合体中におけるカチオン性基のモ
ル含量率は、ホスホリルコリン基に対し1〜95%が好
ましく、5〜90%がより好ましく、10〜30%が特
に好ましい。
【0025】本発明のC−反応性蛋白質の測定方法(A)
やC−反応性蛋白質測定用試薬(A)を用いたC−反応性
蛋白質の測定は、ホスホリルコリン基とカチオン性基と
を有する化合物及びC−反応性蛋白質に対する抗体を、
反応液中でC−反応性蛋白質を含む被測定検体と接触さ
せることにより行われる。かかる反応液としては、水性
媒体であれば特に制限がないが、緩衝液が好ましい。緩
衝液としては、グリシン緩衝液、トリス緩衝液、リン酸
緩衝液、HEPES緩衝液等を例示することができる。
また、反応液には、塩化カルシウム等のカルシウムイオ
ンを加えるとプロゾーン回避効果が高まり測定範囲が拡
大するので好ましい。カルシウムイオン濃度としては、
例えば1〜20mmol/Lが好ましく、2〜10mm
ol/Lがより好ましい。C−反応性蛋白質測定の反応
液中のホスホリルコリン基及びカチオン性基を有する化
合物濃度は特に限定されないが、0.0001〜1重量
%が好ましく、0.005〜0.5重量%がより好まし
く、0.01〜0.1重量%が特に好ましい。ホスホリ
ルコリン基及びカチオン性基を有する重合体は、上記の
様に比較的僅かな添加量でもプロゾーン回避及び測定範
囲の拡大に効果を発揮する。
【0026】本発明のC−反応性蛋白質の測定方法(B)
やC−反応性蛋白質測定用試薬(B)におけるホスホリル
コリン基を有する界面活性剤としては、ホスホリルコリ
ン基を有し、かつ界面活性を示す物質であればどのよう
な物質をも用いることができるが、一般式(II)[式
(II)中、Y1は疎水性基を示す。]で表される界面活
性剤がプロゾーン現象を充分に回避しうる点からして好
ましい。
【0027】
【化14】
【0028】一般式(II)で表される界面活性剤におけ
る疎水性基としては、ホスホリルコリン基の親水性に対
し、疎水性を示す基であれば特に制限されるものではな
いが、炭化水素を基本とする基を挙げることができ、置
換もしくは非置換のアルキル、又は置換もしくは非置換
のアルケニルを具体的に例示することができる。式(I
I)におけるアルキルとしては、直鎖又は分岐状の、好
ましくは炭素数1〜30のアルキル、より好ましくは炭
素数2〜24のアルキル、特に好ましくは炭素数3〜2
0のアルキルを挙げることができ、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデ
シル、ペンタデシル、エイコシル等を具体的に例示する
ことができ、また、アルケニルとしては、直鎖又は分岐
状の、好ましくは炭素数2〜24のアルケニル、より好
ましくは炭素数3〜12のアルケニル、特に好ましくは
炭素数3〜6のアルケニルを挙げることができ、ビニ
ル、アリル、2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキ
セニル等を具体的に例示することができる。また、置換
アルキル及び置換アルケニルの置換基としては、アルコ
キシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルケニル
オキシ、アルケノイル、アルケノイルオキシ、アロイ
ル、ヒドロキシ、置換もしくは非置換アミノ、置換もし
くは非置換フェニル、置換もしくは非置換のナフチル等
を例示することができ、アルコキシ、アルカノイル及び
アルカノイルオキシのアルキル部分はそれぞれ前記のア
ルキルと同意義であり、また、アルケニルオキシ、アル
ケノイル及びアルケノイルオキシのアルケニル部分はそ
れぞれ前記のアルケニルと同異義である。アロイルとし
ては、ベンゾイル、ナフトイル等を挙げることができ
る。そして、置換アミノの置換基としては、アルキル、
アルケニル等があげられ、置換フェニルおよび置換ナフ
チルの置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、アルケ
ニル等を挙げることができ、ここで、アルキル、アルケ
ニルはそれぞれ前記アルキル、アルケニルと同意義であ
る。
【0029】上記本発明における式(II)で表される界
面活性剤としては、疎水性基として、炭素数2〜24の
アルキルもしくはアルケニル(ホスホリルコリン基と該
アルキルもしくはアルケニルの間に、オキシメチレニ
ル、オキシエチレニル、オキシプロピレニルを有する場
合も含む)、アシル鎖の炭素数が4〜24の1位もしく
は2位のモノグリセリド、同一又は異なっていてもよい
アシル鎖の炭素数が4〜24のジグリセリド、又はスフ
ィンゴシン構造を有する界面活性剤が好ましく、リゾホ
スファチジルコリンカプロイル、リゾホスファチジルコ
リンミリストイル、リゾホスファチジルコリンパルミト
イル、リゾホスファチジルコリンステアロイル、大豆由
来リゾホスファチジルコリンなどのリゾホスファチジル
コリン(リゾレシチン)や、ホスファチジルコリンジブ
チロイル、ホスファチジルコリンジカプロイル等のアシ
ル鎖長の短いホスファチジルコリン、ホスホリルコリン
オレイルオキシエチルエステル、スフィンゴシルホスホ
リルコリン等を具体的に例示することができる。
【0030】本発明のC−反応性蛋白質の測定方法
(B)やC−反応性蛋白質測定用試薬(B)におけるカ
チオン性基を有する界面活性剤としては、ホスホリルコ
リン基を除くカチオン性基を有し、かつ界面活性を示す
物質であればどのような物質をも用いることができる
が、アンモニウム塩の界面活性剤が好ましく、一般式
(III)[式(III)中、Y2は疎水性基を示し、R1、R
2、R3は同一又は異なってもよく、水素、置換もしくは
非置換アルキル、又は置換もしくは非置換アルケニルを
示し、X2 -は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを示
す。]で表される界面活性剤がプロゾーン現象を充分に
回避しうる点からして特に好ましい。
【0031】
【化15】
【0032】一般式(III)における疎水性基Y2として
は、カチオン性基の親水性に対し、疎水性を示す基であ
れば特に制限されるものではないが、炭化水素を基本と
する基を挙げることができ、置換もしくは非置換のアル
キル、又は置換もしくは非置換のアルケニルを具体的に
例示することができ、上記アルキルとしては、直鎖又は
分岐状の、好ましくは炭素数1〜30のアルキル、より
好ましくは炭素数2〜24のアルキル、特に好ましくは
炭素数3〜20のアルキルを挙げることができ、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ドデシル、ペンタデシル、エイコシル等を
具体的に例示することができ、また、アルケニルとして
は、直鎖又は分岐状の、好ましくは炭素数2〜24のア
ルケニル、より好ましくは炭素数3〜12のアルケニ
ル、特に好ましくは炭素数3〜6のアルケニルを挙げる
ことができ、ビニル、アリル、2−ブテニル、2−ペン
テニル、2−ヘキセニル等を具体的に例示することがで
きる。また、置換アルキル及び置換アルケニルの置換基
としては、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオ
キシ、アルケニルオキシ、アルケノイル、アルケノイル
オキシ、アロイル、ヒドロキシ、置換もしくは非置換ア
ミノ、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置
換のナフチル等を例示することができ、アルコキシ、ア
ルカノイル及びアルカノイルオキシのアルキル部分はそ
れぞれ前記のアルキルと同意義であり、また、アルケニ
ルオキシ、アルケノイル及びアルケノイルオキシのアル
ケニル部分はそれぞれ前記のアルケニルと同異義であ
る。アロイルとしては、ベンゾイル、ナフトイル等を挙
げることができる。そして、置換アミノの置換基として
は、アルキル、アルケニル等があげられ、置換フェニル
および置換ナフチルの置換基としては、ヒドロキシ、ア
ルキル、アルケニル等を挙げることができ、ここで、ア
ルキル、アルケニルはそれぞれ前記アルキル、アルケニ
ルと同意義である。
【0033】R1、R2及びR3におけるアルキルとして
は、直鎖又は分岐状の、好ましくは炭素数1〜12のア
ルキル、より好ましくは炭素数1〜6のアルキルを挙げ
ることができ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル等を具体的に例示するこ
とができ、また、R1、R2及びR3におけるアルケニル
としては、直鎖または分岐状の、好ましくは炭素数2〜
12のアルケニル、より好ましくは炭素数3〜6のアル
ケニルを挙げることができ、ビニル、アリル、2−ブテ
ニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル等を具体的に例
示することができる。また、R1、R2及びR3における
置換アルキル及び置換アルケニルの置換基としては、ア
ルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルケ
ニルオキシ、アルケノイル、アルケノイルオキシ、アロ
イル、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアミノ、置換
もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換のナフチ
ル等を例示することができ、アルコキシ、アルカノイル
及びアルカノイルオキシのアルキル部分はそれぞれ前記
のR1、R2及びR3のアルキルと同意義であり、また、
アルケニルオキシ、アルケノイル及びアルケノイルオキ
シのアルケニル部分はそれぞれ前記のR1、R2及びR3
のアルケニルと同意義である。アロイルとしては、ベン
ゾイル、ナフトイル等を挙げることができる。そして、
置換アミノの置換基としては、アルキル、アルケニル等
を挙げることができ、置換フェニルおよび置換ナフチル
の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル
等を挙げることができる。ここで、アルキル、アルケニ
ルはそれぞれ前記アルキル、アルケニルと同意義であ
る。無機性陰イオンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等のハロゲン、硝酸等無機酸の陰イオン等を挙げる
ことができる。有機性陰イオンとしては、ギ酸、酢酸等
の有機カルボン酸イオン等を挙げることができる。
【0034】また、上記カチオン性基を有する界面活性
剤としては、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドなどの
長鎖アルキルアンモニウム塩や、ヘキサデシルアミン酢
酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩などの長鎖アルキルア
ミン塩や、アルキルピリジニウム塩等を具体的に例示す
ることができる。
【0035】ホスホリルコリン基を有する界面活性剤と
カチオン性基を有する界面活性剤の組合せは任意である
が、ホスホリルコリン基を有する界面活性剤の疎水性基
とカチオン性基を有する界面活性剤の疎水性基の鎖長が
同程度のものを用いることがプロゾーン現象を充分に回
避しうる点からして好ましい。例えば、前者におけるア
シル鎖の炭素数が16のリゾホスファチジルコリンパル
ミトイルと、後者におけるアルキル鎖の炭素数が16の
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ある
いは前者におけるアシル鎖の炭素数が18のリゾホスフ
ァチジルコリンステアロイルと、後者におけるアルキル
鎖の炭素数が18のオクタデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド等の組合せが好ましい。
【0036】ホスホリルコリン基を有する界面活性剤及
びカチオン性基を有する界面活性剤は、C−反応性蛋白
質測定反応液中の濃度が、それぞれ0.0001〜5重
量%、好ましくは0.001〜1重量%、より好ましく
は0.01〜0.5重量%になる量を用いることが望ま
しい。また、ホスホリルコリン基を有する界面活性剤と
カチオン性基を有する界面活性剤のモル比率は任意であ
るが、1:10〜5:10程度が好ましい。
【0037】本発明におけるC−反応性蛋白質に対する
抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗
体のいずれでもよく、これら抗体としては、市販品又は
公知の方法により調製した抗体を用いることができる。
また、C−反応性蛋白質に対する抗体は水不溶性担体に
担持(感作)されているものを使用するのが好ましい。
水不溶性担体としてはラテックス特にポリスチレン系ラ
テックスが、抗体を担持させることが容易なことから好
ましい。かかる水不溶性担体の粒径としては、0.1〜
1μmのものが好ましい。抗体の水不溶性担体への担持
は、公知の感作方法により行うことができる。使用する
抗体の濃度については特に制限がないが、単独でC−反
応性蛋白質を測定できる濃度が好ましい。
【0038】本発明のC−反応性蛋白質の測定方法
(A)は、ホスホリルコリン基とカチオン性基とを有す
る化合物及びC−反応性蛋白質に対する抗体を用いて、
C−反応性蛋白質を測定することを特徴とする抗原抗体
反応を利用する測定方法であり、また、本発明のC−反
応性蛋白質の測定方法(B)は、ホスホリルコリン基を
有する界面活性剤、カチオン性基を有する界面活性剤及
びC−反応性蛋白質に対する抗体を用いて、C−反応性
蛋白質を測定することを特徴とする抗原抗体反応を利用
する測定方法である。これらの抗原抗体反応を利用する
測定方法としては、公知の免疫比濁法、ラテックス免疫
比濁法、ゼラチン凝集反応、リポソーム免疫測定法、蛍
光免疫測定法、酵素免疫測定法等いかなる測定方法も使
用できるが、プロゾーン現象を充分に回避しうる点から
してラテックス免疫比濁法が好ましい。ラテックスとし
ては、ポリスチレン系が好ましく、また該ラテックスの
粒径としては、0.1〜1μmのものが好ましい。これ
らの方法は、所定量の抗体感作ラテックス懸濁液と所定
量の緩衝液及び濃度が既知である標準液又は被測定検体
の一定量を加えて充分に攪拌した後、積分球式濁度計を
用いて所定時間間隔における濁度変化による積分球式濁
度変化量(ΔIST値)や、吸光度測定計を用いて所定
時間間隔における吸光度変化量(ΔmAbs.値)を測
定することにより行うことができる。
【0039】本発明のC−反応性蛋白質測定用試薬
(A)は、ホスホリルコリン基とカチオン性基を有する
化合物及びC−反応性蛋白質に対する抗体を含有するこ
とを特徴とし、また、本発明のC−反応性蛋白質測定用
試薬(B)は、ホスホリルコリン基を有する界面活性
剤、カチオン性基を有する界面活性剤及びC−反応性蛋
白質に対する抗体を含有することを特徴とするが、これ
ら化合物及び抗体のほか、各種界面活性剤、無機塩類、
緩衝液等を含有していてもよい。界面活性剤としては、
例えばトリトンX−100、ツイーン20等を、無機塩
としては例えば塩化カルシウムなどのカルシウム塩等
を、緩衝液としてはグリシン緩衝液、トリス緩衝液、リ
ン酸緩衝液、HEPES緩衝液等を、それぞれ例示する
ことができる。C−反応性蛋白質測定用試薬中の界面活
性剤、無機塩類及び緩衝液の含量は、反応液中の濃度が
それぞれ0.001〜0.1重量%、特に1〜7mmo
l/L、0.1〜10mmol/L及び10〜200m
mol/Lになる量が好ましい。
【0040】以上のように、本発明のC−反応性蛋白質
の測定方法やC−反応性蛋白質測定用試薬を用いるC−
反応性蛋白質の測定は、C−反応性蛋白質に対する抗体
を用いて、C−反応性蛋白質を測定するものであるが、
これらC−反応性蛋白質の測定方法やC−反応性蛋白質
測定用試薬における抗体を抗原に置換、すなわちC−反
応性蛋白質に対する抗体を、C−反応性蛋白質抗原に置
換することにより、C−反応性蛋白質に対する抗体の測
定方法やC−反応性蛋白質に対する抗体測定用試薬を提
供することができる。上記C−反応性蛋白質抗原として
は、C−反応性蛋白質自体又はC−反応性蛋白質のホス
ホリルコリン結合領域と抗C−反応性蛋白質のエピトー
プ部分とを含むペプチドを例示することができる。ま
た、かかるC−反応性蛋白質抗原は、C−反応性蛋白質
に対する抗体の場合と同様に、粒径0.1〜1μm程度
のポリスチレンラテックス等の担体に担持させて用いる
ことが好ましい。
【0041】そして、(a)ホスホリルコリン基とカチ
オン性基とを有する化合物及びC−反応性蛋白質抗原を
用いるC−反応性蛋白質に対する抗体の測定方法や、ホ
スホリルコリン基とカチオン性基とを有する化合物及び
C−反応性蛋白質抗原を含有するC−反応性蛋白質に対
する抗体測定用試薬、あるいは、(b)ホスホリルコリ
ン基を有する界面活性剤、カチオン性基を有する界面活
性剤及びC−反応性蛋白質抗原を用いるC−反応性蛋白
質に対する抗体の測定方法や、ホスホリルコリン基を有
する界面活性剤、カチオン性基を有する界面活性剤及び
C−反応性蛋白質抗原を含有するC−反応性蛋白質に対
する抗体測定用試薬においても、本発明のC−反応性蛋
白質の測定方法やC−反応性蛋白質測定用試薬における
場合と同様に、C−反応性蛋白質に対する抗体測定にお
けるプロゾーン現象の回避と、測定レンジの拡大がで
き、検体中に高濃度のC−反応性蛋白質に対する抗体が
含まれる場合であっても、検体を希釈することなく原液
のまま定量することが可能となる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び参考例に
より、更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、
かかる実施例等により何ら制限を受けるものではない。 実施例A−1 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例4(後記)で製造したポリマー 20mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1(後記)で調製) 1g/L
【0043】比較例A−1 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0044】比較例A−2 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例6(後記)で製造したポリマー 20mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0045】 比較例A−3 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例7(後記)で製造したポリマー 20mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0046】比較例A−4 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例4で製造したポリマー 20mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体未感作ラテックス(参考例2(後記)で調製) 1g/L
【0047】実施例A−2 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例5(後記)で製造したポリマー 30mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例3(後記)で調製) 1g/L
【0048】比較例A−5 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例3で調製) 1g/L
【0049】実施例A−3 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例4で製造したポリマー 15mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例3で調製) 1g/L
【0050】実施例A−4 実施例A−1と比較例A−1〜A−3で調製したC−反
応性蛋白質測定用ラテックス試薬を用いて各濃度のC−
反応性蛋白質を含む標準血清(0〜100mg/dL)
を、積分球濁度方式の専用機EL−1060(協和メデ
ックス社製)で測定を行った。37℃にて、それぞれ実
施例A−1と比較例A−1〜A−3の第1試薬148μ
L、第2試薬150μL、及びC−反応性蛋白質標準血
清2μLを混合後、72秒と612秒の間(23〜53
ポイント)の積分球濁度変化量を測定した。結果を図1
に示す。なお図1中、横軸のCRPはC−反応性蛋白質
の濃度を示し、縦軸のΔISTは積分球式濁度の変化量
を示す。
【0051】図1からもわかるように、比較例A−1の
試薬を用いて測定した場合(−◆−プロット)、比較例
A−2の試薬を用いて測定した場合(−■−プロッ
ト)、及び比較例A−3の試薬を用いて測定した場合
(−▲−)は、C−反応性蛋白質が10mg/dL以上
の濃度ではプロゾーンとなり、プロゾーン回避の効果は
得られなかった。これに対して、実施例A−1の試薬を
用いて測定した場合(−●−)、少なくとも100mg/
dLまでプロゾーンを回避することができた。なお、比
較例A−2の第1試薬中のポリマーを10mg/L〜1
g/Lの特定の濃度にした試薬、及び比較例A−3の第
1試薬中のポリマーを10mg/L〜1g/Lの特定の
濃度にした試薬を使用した場合でも、プロゾーンを回避
することはできなかった。また、実施例A−1の第1試
薬中のポリマーを5mg/Lの濃度にした試薬も、プロ
ゾーンが回避できることを確認した。
【0052】実施例A−5 実施例A−1、比較例A−1及び比較例A−4で調製し
たC−反応性蛋白質測定用ラテックス試薬を用い各濃度
のC−反応性蛋白質を含む標準血清(0〜100mg/
dL)を、積分球濁度方式の専用機EL−1060で測
定を行った。37℃にて、それぞれ実施例A−1、比較
例A−1及び比較例A−4の第1試薬148μL、第2
試薬150μL、及びC−反応性蛋白質標準血清2μL
を混合後、72秒と216秒の間(23〜31ポイン
ト)の積分球濁度変化量を測定した。結果を図2に示
す。なお図2中、横軸のCRPはC−反応性蛋白質の濃
度を示し、縦軸のΔISTは積分球式濁度の変化量を示
す。
【0053】図2からもわかるように、比較例A−1の
試薬で測定した場合(−●−プロット)、C−反応性蛋
白質濃度10mg/dL以上ではプロゾーンとなりΔI
ST値は減少した。また、抗体を感作させていないラテ
ックスのみを使用する比較例A−4の試薬で測定した場
合(−■−プロット)、ΔIST値の増加は認められな
かった。一方、実施例A−1の試薬で測定した場合(−
▲−プロット)、少なくともC−反応性蛋白質濃度10
0mg/dLまでプロゾーン現象が見られずにΔIST
値は濃度依存的に増加し、測定レンジが拡大した。これ
らの結果から、本発明の測定方法においては、ホスホリ
ルコリン基とカチオン性基とを有する化合物とC−反応
性蛋白質との反応による濁度上昇及びC−反応性蛋白質
抗体とC−反応性蛋白質との反応による濁度上昇の相加
効果によりプロゾーン現象が回避されたものではなく、
C−反応性蛋白質との反応における、ホスホリルコリン
基とカチオン性基とを有する化合物及びC−反応性蛋白
質抗体の相乗効果によりプロゾーン現象が回避されるも
のと考えられる。
【0054】実施例A−6 実施例A−2及び比較例A−5で調製したC−反応性蛋
白質測定用ラテックス試薬を用い各濃度のC−反応性蛋
白質を含む標準血清(0〜100mg/dL)を、積分
球濁度方式の専用機EL−1200(協和メデックス社
製)で測定を行った。37℃にて、それぞれ実施例2及
び比較例5の第1試薬248μL、第2試薬250μ
L、及びC−反応性蛋白質標準血清2μLを混合後、1
08秒と270秒の間(6〜15ポイント)の積分球濁
度変化量を測定した。結果を図3に示す。なお図3中、
横軸のCRPはC−反応性蛋白質の濃度を示し、縦軸の
ΔISTは積分球式濁度の変化量を示す。
【0055】図3からもわかるように、比較例A−5の
試薬で測定した場合(−▲−)、C−反応性蛋白質が2
0mg/dL以上の濃度ではプロゾーン現象によりΔI
ST値は減少した。これに対して、実施例A−2の試薬
で測定した場合(−●−)、プロゾーンが100mg/
dLまで回避され、定量性も大幅に向上した。なお、実
施例A−2の第1試薬のポリマー濃度を10mg/Lの
濃度とした試薬を用いて同様な効果が認められた。
【0056】実施例A−7 実施例A−3及び比較例5で調製したC−反応性蛋白質
測定用ラテックス試薬を用い各濃度のC−反応性蛋白質
を含む標準血清(0〜100mg/dL)を、吸光度測
定方式の自動分析装置7070(日立製作所製)で測定
を行った。37℃にて、それぞれ実施例A−3及び比較
例A−5の第1試薬225μL、第2試薬75μL、及
びC−反応性蛋白質標準血清3μLを混合後19ポイン
トと27ポイントの間の吸光度変化量(波長570n
m)を測定した。結果を図4に示す。なお図4中、横軸
のCRPはC−反応性蛋白質の濃度を示し、縦軸のΔm
Abs.は吸光度の変化量を示す。図4からもわかるよ
うに、比較例A−5の試薬で測定した場合(−▲−)、
C−反応性蛋白質が10mg/dL以上の濃度ではプロ
ゾーンとなり測定値は減少した。これに対して、実施例
A−3の試薬で測定した場合(−●−)、プロゾーンが
少なくとも100mg/dLまで回避され、定量性も大
幅に向上した。
【0057】実施例A−8 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液、pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例5で製造したポリマー 20mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0058】実施例A−9 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液pH8.6(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 参考例8(後記)で製造した分子量10,000以下の成分 20mg/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0059】実施例A−10 実施例A−9及び比較例A−1で調製したC−反応性蛋
白質測定用ラテックス試薬を用い各濃度のC−反応性蛋
白質を含む標準血清(0〜100mg/dL)を吸光度
測定方式の自動分析装置7070(日立製作所製)で測
定を行った。37℃にて、それぞれ実施例A−9及び比
較例A−1の第1試薬225μL、第2試薬75μL、
及びC−反応性蛋白質標準血清3μLを混合後19ポイ
ントと27ポイントの間の吸光度変化量(波長570n
m)を測定した。結果を図5に示す。なお図5中、横軸
のCRPはC−反応性蛋白質の濃度を示し、縦軸のΔm
Abs.は吸光度変化量を示す。図5からもわかるよう
に、比較例A−1の試薬で測定した場合(−▲−)、C
−反応性蛋白質が10mg/dL以上の濃度ではプロゾ
ーンとなり測定値は減少した。これに対して、実施例A
−9の試薬で測定した場合(−●−)、プロゾーンは少
なくとも100mg/dLまで回避され、定量性も大幅
に向上した。
【0060】実施例B−1 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンPB−40、日本油脂社製) 0.5g/L リゾレシチン(シグマ社製) 0.1g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0061】実施例B−2 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンPB−40、日本油脂社製) 0.5g/L リゾレシチン(シグマ社製) 0.2g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0062】比較例B−1 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0063】比較例B−2 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンPB−40、日本油脂社製) 0.5g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0064】 比較例B−3 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L リゾレシチン(シグマ社製) 0.2g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0065】比較例B−4 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンPB−40、日本油脂社製) 0.5g/L リゾレシチン(シグマ社製) 0.1g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体未感作ラテックス(参考例2で調製) 1g/L
【0066】実施例B−3 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンPB−40、日本油脂社製) 0.5g/L リゾレシチン(シグマ社製) 0.2g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例3で調製) 1g/L
【0067】比較例B−5 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例3で調製) 1g/L
【0068】実施例B−4 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンAB、日本油脂社製) 0.5g/L ホスホリルコリンオレイルオキシエチルエステル (シグマ社製) 0.3g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0069】実施例B−5 下記のC−反応性蛋白質測定試薬を調製した。 第1試薬 グリシン緩衝液(関東化学社製) 100mmol/L 塩化カルシウム(関東化学社製) 5mmol/L オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド (カチオンPB、日本油脂社製) 0.5g/L スフィンゴシルホスホリルコリン(シグマ社製) 0.3g/L 第2試薬 抗C−反応性蛋白質抗体感作ラテックス(参考例1で調製) 1g/L
【0070】実施例B−6 実施例B−1〜B−2及び比較例B−1〜B−4で調製
したC−反応性蛋白質測定用試薬を使用して各濃度のC
−反応性蛋白質を含む血清溶液(C−反応性蛋白質濃
度:0〜100mg/dL)中のC−反応性蛋白質濃度
を測定した。37℃にて、第1試薬147μL、第2試
薬150μL、及びC−反応性蛋白質標準血清3μLを
混合後、積分球濁度測定器EL−1060(協和メデッ
クス社製)にて72秒と216秒の間(23〜31ポイ
ント)の積分球濁度変化量を測定した。
【0071】結果を図6に示す。なお、図6中、横軸の
CRPはC−反応性蛋白質の濃度を示し、縦軸のΔIS
Tは積分球式濁度の変化量を示す。比較例B−1の試薬
を用いて測定した場合(−×−)、C−反応性蛋白質が
10mg/dL以上の濃度ではプロゾーンとなった。ま
た、比較例B−2の試薬を用いて測定した場合(−■
−)、プロゾーンが回避される傾向が見られたが測定レ
ンジの改善は認められなかった。比較例B−3の試薬を
用いて測定した場合(−▲−)、プロゾーン回避の効果
は得られなかった。比較例B−4の試薬を用いて測定し
た場合(−○−)、全く検出がでなかった。これに対し
て、実施例B−1の試薬を用いた場合(−◆−)、測定
レンジが大幅に改善された。実施例B−2の試薬を用い
て測定した場合(−●−)、少なくともプロゾーンが1
00mg/dLまで回避されかつ、定量性が大幅に向上
した。
【0072】実施例B−7 実施例B−3及び比較例B−5で作製したC−反応性蛋
白質測定用試薬を使用して各濃度のC−反応性蛋白質を
含む血清溶液(C−反応性蛋白質濃度:0〜100mg
/dL)中のC−反応性蛋白質濃度を測定した。37℃
にて、第1試薬225μL、第2試薬75μL、及びC
−反応性蛋白質標準血清3μLを混合後、吸光度測定方
式の自動分析装置7070(日立社製)にて19ポイン
トと27ポイントの間の吸光度変化量(波長570n
m)を測定した。
【0073】結果を図7に示す。なお図7中、横軸のC
RPはC−反応性蛋白質の濃度を示し、縦軸のΔmAb
s.(570nm)は570nmの吸光度の変化量を示
す。比較例B−5の試薬を用いて測定した場合(−▲
−)、C−反応性蛋白質が5mg/dL以上の濃度では
プロゾーンとなり吸光度変化量は低下した。これに対し
て、実施例B−3の試薬を用いて測定した場合(−●
−)、少なくとも100mg/dLまで吸光度変化量が
低下せず、プロゾーンが回避され、定量性も大幅に向上
した。
【0074】実施例B−8 実施例B−2、実施例B−4、実施例B−5及び比較例
B−1で調製したC−反応性蛋白質測定用試薬を使用し
て各濃度のC−反応性蛋白質を含む血清溶液(C−反応
性蛋白質濃度:0〜100mg/dL)中のC−反応性
蛋白質濃度を測定した。37℃にて、第1試薬225μ
L、第2試薬75μL、及びC−反応性蛋白質標準血清
3μLを混合後、吸光度測定方式の自動分析装置707
0(日立社製)にて19ポイントと27ポイントの間の
吸光度変化量(波長570nm)を測定した。
【0075】結果を図8に示す。なお図8中、横軸のC
RPはC−反応性蛋白質の濃度を示し、縦軸のΔmAb
s.は吸光度変化量を示す。比較例B−1の試薬を用い
て測定した場合(−◆−)、C−反応性蛋白質が10m
g/dL以上の濃度ではプロゾーンとなり吸光度変化量
は低下した。これに対して、実施例B−2の試薬を用い
て測定した場合(−■−)、実施例B−4の試薬を用い
て測定した場合(−▲−)、及び実施例B−5の試薬を
用いて測定した場合(−×−)では、少なくとも100
mg/dLまで吸光度変化量が低下せず、プロゾーンが
回避され、定量性も大幅に向上した。
【0076】参考例1 (CRP測定用ラテックス試薬
の調製) 平均粒径130nmのポリスチレンラテックス溶液(協
和メデックス社製、100mg/mL)0.8mLとヤ
ギ抗C−反応性蛋白質ポリクローナル抗体溶液(オリエ
ンタル酵母社製、10mg/mL、50mMリン酸−N
aCl 150mM pH7.2)1mLとを混合し、
37℃にて30分間攪拌した。次に、牛血清アルブミン
(BSA、シグマ社製)溶液1mL(20mg/mL、
50mMリン酸−NaCl 150mM pH7.2)
を添加して37℃にて2時間攪拌を行いブロッキング処
理を実施した。その後、遠心分離(50,000回転、
30分間)によりラテックスをペレット状に沈降させて
上清を廃棄した後、3mg/mLのBSAを含む50m
Mイミダゾール−塩酸溶液(pH7.8)10mLを添
加し、よく攪拌した後、超音波破砕機により分散処理を
行った。上記の操作を3回繰り返して行うことにより過
剰に存在する抗体溶液の除去を行った。最終的にはラテ
ックス濃度を1mg/mLに調整し、C−反応性蛋白質
測定用ラテックス試薬とした。この試薬は4℃で保存し
た。
【0077】参考例2 ヤギ抗C−反応性蛋白質ポリクローナル抗体を使用する
ことなく、その他は参考例1と同様の方法により、抗C
−反応性蛋白質抗体を含まない対照試薬を調製した。
【0078】参考例3 平均粒径220nmのポリスチレンラテックス溶液(協
和メデックス社製、100mg/mL)0.8mLを用
いる以外は、参考例1と同様の方法により、C−反応性
蛋白質測定用ラテックス試薬を調製した。最終濃度も参
考例1と同様に1mg/mLに調整し、4℃で保存し
た。
【0079】参考例4 37.2gの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン(日本油脂社製)、12.8gの2−ヒドロキ
シ3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド(日本油脂社製)、0.3gの重合開
始剤2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオノアミヂ
ン)二塩酸塩(和光純薬工業社製「V−50」)、重合
媒としての水150gを用い、4時間、70℃に加温す
ることにより重合反応を行った。重合反応終了後、反応
液をアセトン1.5Lにゆっくり滴下して、重合物を沈
殿させた。沈殿物を濾別、乾燥後、5.0重量%となる
よう蒸留水に溶解させた。分子量は、重合体のリン酸緩
衝溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)用いて分析した結果、ポリエチレングリコール換
算で重量平均分子量37,000であった。本化合物
は、ホスホリルコリン基とカチオン基を7:3のモル比
で含有する。
【0080】参考例5 45.9gの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン(日本油脂社製)、4.1gの2−ヒドロキシ
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド(日本油脂社製)、0.3gの重合開始
剤2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオノアミヂ
ン)二塩酸塩(和光純薬工業社製「V−50」)、重合
媒としての水150gを用い、4時間、70℃に加温す
ることにより重合反応を行った。重合反応終了後、反応
液をアセトン1.5Lにゆっくり滴下して、重合物を沈
殿させた。沈殿物を濾別、乾燥後、5.0重量%となる
よう蒸留水に溶解させた。分子量は、重合体のリン酸緩
衝溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)用いて分析した結果、ポリエチレングリコール換
算で重量平均分子量33,000であった。本化合物
は、ホスホリルコリン基とカチオン基を9:1のモル比
で含有する。
【0081】参考例6 50.0gの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン(日本油脂社製)、0.24gの重合開始剤ア
ゾビスイソブチルニトリル(和光純薬工業社製「AIB
N」)、重合媒としてのエタノール100gを用い、4
時間、70℃に加温することにより重合反応を行った。
重合反応終了後、反応液をアセトン1.5Lにゆっくり
滴下して、重合物を沈殿させた。沈殿物を濾別、乾燥
後、5.0重量%となるよう蒸留水に溶解させた。分子
量は、重合体のリン酸緩衝溶液をゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)用いて分析した結果、ポ
リエチレングリコール換算で重量平均分子量108,0
00であった。
【0082】参考例7 35.7gの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン(日本油脂社製)、4.3gのブチルメタクリ
レート(和光純薬工業社製)、0.82gの重合開始剤
アゾビスイソブチルニトリル(和光純薬工業社製「AI
BN」)、重合媒としてのエタノール160gを用い、
4時間、70℃に加温することにより重合反応を行っ
た。重合反応終了後、反応液をアセトン1.5Lにゆっ
くり滴下して、重合物を沈殿させた。沈殿物を濾別、乾
燥後、5.0重量%となるよう蒸留水に溶解させた。分
子量は、重合体のリン酸緩衝溶液をゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)用いて分析した結果、
ポリエチレングリコール換算で重量平均分子量87,0
00であった。本化合物は、ホスホリルコリン基とブチ
ル基を8:2のモル比で含有する。
【0083】参考例8 74.3gの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン(日本油脂社製)、25.7gの2−ヒドロキ
シ3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド(日本油脂社製)、0.45gの重合
開始剤2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオノアミ
ヂン)二塩酸塩(和光純薬工業社製「V−50」)、重
合媒として水900gを用い、4時間、60℃に加温す
ることにより重合反応を行った。重合反応終了後、反応
液をアセトン1.5Lにゆっくり滴下して、重合物を沈
殿させた。沈殿物を濾別、乾燥後、5.0重量%となる
よう蒸留水に溶解させた。分子量は、重合体のリン酸緩
衝溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)用いて分析した結果、ポリエチレングリコール換
算で重量平均分子量13,000であった。本化合物
は、ホスホリルコリン基とカチオン基を7:3のモル比
で含有する。次に、遠心濾過チューブ(限外分子量1
0,000、ミリポア社製)を用いた遠心分離(3,0
00×g、30分)を行い、濾液として得られた分子量
10,000以下の成分を回収した。
【0084】
【発明の効果】本発明のC−反応性蛋白質用試薬を用い
ると、C−反応性蛋白質測定におけるプロゾーン現象の
回避と、測定レンジの拡大ができる。これにより、検体
中に高濃度のC−反応性蛋白質が含まれる場合であって
も、検体を希釈することなく原液のまま定量することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例A−1及び比較例A−1〜A−3の試薬
を用い、0〜100mg/dLのC−反応性蛋白質を測
定した結果を示す図である。
【図2】実施例A−1、比較例A−1及び比較例A−4
の試薬を用い、0〜100mg/dLのC−反応性蛋白
質を測定した結果を示す図である。
【図3】実施例A−2及び比較例A−5の試薬を用い、
0〜100mg/dLのC−反応性蛋白質を測定した結
果を示す図である。
【図4】実施例A−3及び比較例A−5の試薬を用い、
0〜100mg/dLのC−反応性蛋白質を測定した結
果を示す図である。
【図5】実施例A−9及び比較例A−1の試薬を用い、
0〜100mg/dLのC−反応性蛋白質を測定した結
果を示す図である。
【図6】実施例B−1及びB−2並びに比較例B−1〜
B−4の試薬を用い、0〜100mg/dLのC−反応
性蛋白質を測定した結果を示す図である。
【図7】実施例B−3及び比較例B−5の試薬を用い、
0〜100mg/dLのC−反応性蛋白質を測定した結
果を示す図である。
【図8】実施例B−2、実施例B−4、実施例B−5及
び比較例B−1の試薬を用い、0〜100mg/dLの
C−反応性蛋白質を測定した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 晴美 静岡県駿東郡長泉町南一色字上山地600番 1 協和メデックス株式会社協和メデック ス研究所内 (72)発明者 松森 繁 静岡県駿東郡長泉町南一色字上山地600番 1 協和メデックス株式会社協和メデック ス研究所内 (72)発明者 山田 智 茨城県つくば市梅園2−24−5 (72)発明者 首藤 健志郎 茨城県つくば市花畑3−7−1 (72)発明者 榊 秀次郎 茨城県つくば市梅園2−15−5 (72)発明者 鈴木 憲 茨城県つくば市吾妻1−4−3

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスホリルコリン基とホスホリルコリン
    基を除くカチオン性基とを有する化合物及びC−反応性
    蛋白質に対する抗体を用いて、あるいは、ホスホリルコ
    リン基を有する界面活性剤、ホスホリルコリン基を除く
    カチオン性基を有する界面活性剤及びC−反応性蛋白質
    に対する抗体を用いて、C−反応性蛋白質を測定するこ
    とを特徴とするC−反応性蛋白質の測定方法。
  2. 【請求項2】 ホスホリルコリン基とホスホリルコリン
    基を除くカチオン性基とを有する化合物におけるカチオ
    ン性基が、一般式(I) 【化1】 [式(I)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって
    もよく、水素、置換もしくは非置換アルキル、又は置換
    もしくは非置換アルケニルを示し、X1 -は無機性陰イオ
    ン又は有機性陰イオンを示す。]で示される基であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のC−反応性蛋白質の測定
    方法。
  3. 【請求項3】 ホスホリルコリン基とホスホリルコリン
    基を除くカチオン性基とを有する化合物が、ホスホリル
    コリン基を有する単量体とカチオン性基を有する単量体
    とを結合させた共重合体であることを特徴とする請求項
    1又は2記載のC−反応性蛋白質の測定方法。
  4. 【請求項4】 ホスホリルコリン基を有する単量体とカ
    チオン性基を有する単量体が、それぞれホスホリルコリ
    ン基とビニル基を有する単量体と、カチオン性基とビニ
    ル基を有する単量体であることを特徴とする請求項3記
    載のC−反応性蛋白質の測定方法。
  5. 【請求項5】 ホスホリルコリン基とビニル基を有する
    単量体及びカチオン性基とビニル基を有する単量体が、
    それぞれ2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコ
    リンと、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプ
    ロピルトリメチルアンモニウムクロライドであることを
    特徴とする請求項4記載のC−反応性蛋白質の測定方
    法。
  6. 【請求項6】 ホスホリルコリン基を有する界面活性剤
    が、一般式(II) 【化2】 [式(II)中、Y1は疎水性基を示す。]で示される化合
    物であることを特徴とする請求項1記載のC−反応性蛋
    白質の測定方法。
  7. 【請求項7】 式(II)で表される化合物が、リゾホス
    ファチジルコリンカプロイル、リゾホスファチジルコリ
    ンミリストイル、リゾホスファチジルコリンパルミトイ
    ル、リゾホスファチジルコリンステアロイル、大豆由来
    リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルコリンジブ
    チロイル、ホスファチジルコリンジカプロイル、ホスホ
    リルコリンオレイルオキシエチルエステル、スフィンゴ
    シルホスホリルコリンから選ばれる1種又は2種以上の
    化合物であることを特徴とする請求項6記載のC−反応
    性蛋白質の測定方法。
  8. 【請求項8】 カチオン性基を有する界面活性剤が、ア
    ンモニウム塩の界面活性剤であることを特徴とする請求
    項1、6及び7のいずれか1項に記載のC−反応性タン
    パク質の測定方法。
  9. 【請求項9】 アンモニウム塩の界面活性剤が、一般式
    (III) 【化3】 [式(III)中、Y2は疎水性基を示し、R1、R2、R3
    は同一又は異なってもよく、水素、置換もしくは非置換
    アルキル、又は置換もしくは非置換アルケニルを示し、
    2 -は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを示す。]で
    示される化合物である請求項8記載のC−反応性蛋白質
    の測定方法。
  10. 【請求項10】 式(III)で表される化合物が、オク
    タデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデ
    シルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシル
    トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチ
    ルアンモニウムクロライドから選ばれる1種又は2種以
    上の化合物であることを特徴とする請求項9記載のC−
    反応性蛋白質の測定方法。
  11. 【請求項11】 C−反応性蛋白質に対する抗体が、水
    不溶性担体に担持されていることを特徴とする請求項1
    〜10のいずれか1項に記載のC−反応性蛋白質の測定
    方法。
  12. 【請求項12】 不溶性担体が、ポリスチレン系ラテッ
    クスであることを特徴とする請求項11記載のC−反応
    性蛋白質の測定方法。
  13. 【請求項13】 ホスホリルコリン基とホスホリルコリ
    ン基を除くカチオン性基とを有する化合物及びC−反応
    性蛋白質に対する抗体を含有する、あるいは、ホスホリ
    ルコリン基を有する界面活性剤、ホスホリルコリン基を
    除くカチオン性基を有する界面活性剤及びC−反応性蛋
    白質に対する抗体を含有することを特徴とするC−反応
    性蛋白質測定用試薬。
  14. 【請求項14】 ホスホリルコリン基とホスホリルコリ
    ン基を除くカチオン性基とを有する化合物におけるカチ
    オン性基が、一般式(I) 【化4】 [式(I)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって
    もよく、水素、置換もしくは非置換アルキル、又は置換
    もしくは非置換アルケニルを示し、X1 -は無機性陰イオ
    ン又は有機性陰イオンを示す。]で示される基であるこ
    とを特徴とする請求項13記載のC−反応性蛋白質測定
    用試薬。
  15. 【請求項15】 ホスホリルコリン基とホスホリルコリ
    ン基を除くカチオン性基とを有する化合物が、ホスホリ
    ルコリン基を有する単量体とカチオン性基を有する単量
    体とを結合させた共重合体であることを特徴とする請求
    項13又は14記載のC−反応性蛋白質測定用試薬。
  16. 【請求項16】 ホスホリルコリン基を有する単量体と
    カチオン性基を有する単量体が、それぞれホスホリルコ
    リン基とビニル基を有する単量体と、カチオン性基とビ
    ニル基を有する単量体であることを特徴とする請求項1
    5記載のC−反応性蛋白質測定用試薬。
  17. 【請求項17】 ホスホリルコリン基とビニル基を有す
    る単量体及びカチオン性基とビニル基を有する単量体
    が、それぞれ2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
    ルコリンと、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキ
    シプロピルトリメチルアンモニウムクロライドであるこ
    とを特徴とする請求項16記載のC−反応性蛋白質測定
    用試薬。
  18. 【請求項18】 ホスホリルコリン基を有する界面活性
    剤が、一般式(II) 【化5】 [式(II)中、Y1は疎水性基を示す。]で示される化合
    物であることを特徴とする請求項13記載のC−反応性
    蛋白質測定用試薬。
  19. 【請求項19】 式(II)で表される化合物が、リゾホ
    スファチジルコリンカプロイル、リゾホスファチジルコ
    リンミリストイル、リゾホスファチジルコリンパルミト
    イル、リゾホスファチジルコリンステアロイル、大豆由
    来リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルコリンジ
    ブチロイル、ホスファチジルコリンジカプロイル、ホス
    ホリルコリンオレイルオキシエチルエステル、スフィン
    ゴシルホスホリルコリンから選ばれる1種又は2種以上
    の化合物であることを特徴とする請求項18記載のC−
    反応性蛋白質測定用試薬。
  20. 【請求項20】 カチオン性基を有する界面活性剤がア
    ンモニウム塩の界面活性剤であることを特徴とする請求
    項13、18及び19のいずれか1項に記載のC−反応
    性蛋白質測定用試薬。
  21. 【請求項21】 アンモニウム塩の界面活性剤が、一般
    式(III) 【化6】 [式(III)中、Y2は疎水性基を示し、R1、R2、R3
    は同一又は異なってもよく、水素、置換もしくは非置換
    アルキル、又は置換もしくは非置換アルケニルを示し、
    2 -は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを示す。]で
    示される化合物であることを特徴とする請求項20記載
    のC−反応性蛋白質測定用試薬。
  22. 【請求項22】 式(III)で表される化合物が、オク
    タデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデ
    シルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシル
    トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチ
    ルアンモニウムクロライドから選ばれる1種又は2種以
    上の化合物であることを特徴とする請求項21記載のC
    −反応性蛋白質測定用試薬。
  23. 【請求項23】 C−反応性蛋白質に対する抗体が、水
    不溶性担体に担持されていることを特徴とする請求項1
    3〜22のいずれか1項に記載のC−反応性蛋白質測定
    用試薬。
  24. 【請求項24】 不溶性担体が、ポリスチレン系ラテッ
    クスであることを特徴とする請求項23に記載のC−反
    応性蛋白質測定用試薬。
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