JP5288348B2 - 高分子微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ミニエマルション重合において抗原又は抗体を共存させることにより、前記抗原又は抗体が表面に導入された高分子微粒子の製造方法に関する。
現在、臨床診断検査の現場では、多数の検体について疾病診断の指標となる多岐に渡る物質を短時間且つ高精度に測定し、その結果を迅速・正確に治療現場にフィードバックすることが求められており、中でも抗原抗体反応を利用した免疫学的測定によって、微量な分析対象物の正確な定量が多く実施されている。特に検出感度や正確性を向上させるための方法として、分析対象物質に対する抗原又は抗体を、ポリスチレン等の合成高分子(いわゆるラテックス)粒子の表面に担持させた粒子を利用したラテックス凝集法が公知である。ラテックス凝集法とは、分析対象物質と、ラテックス粒子に結合した抗原又は抗体との反応により生じるラテックス粒子の凝集の程度を目視あるいは光学的に検出することにより、短時間に分析対象物質を測定する方法である。
また、ラテックス粒子を磁性粒子にすることで、磁性粒子に結合した第一抗体により分析対象物をトラップし、磁石で集積させて未反応物等を洗浄後(いわゆるB/F分離)、酵素や蛍光剤等シグナルを発生する物質を標識した第二抗体を添加して分析するサンドイッチ法も多用されている。
抗原抗体反応によって定量する分析対象物質の多くは、一般的に生体試料中に含まれる微量成分であり、低濃度領域における定量性を重視している。しかし、疾病の進行度合いによっては測定対象物質濃度が異常に高値を示す場合があるため、臨床検査の現場においては、低値から高値までを正確に測定できる性能を有する試薬が求められている。
ラテックス凝集法でもサンドイッチ法でも、ラテックス粒子を用いる場合には、ラテックス粒子の表面に抗原又は抗体を固定することが必要であり、その方法としては、物理的又は化学的に担持させる方法が用いられている。例えば、物理的吸着によりラテックス粒子に抗原又は抗体を直接固定化するか、あるいは、ラテックス粒子の表面の官能基、例えば、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、又はエポキシ基などを介した共有結合により、ラテックス粒子に抗原又は抗体を結合させる方法が使用されている。
しかし、これらの物理的又は化学的な結合方法では、ラテックス表面に担持可能な抗原又は抗体の量に限界があり、前記ラテックス凝集法やサンドイッチ法の実施には測定範囲や検出感度の面で限界があった。即ち、ラテックス粒子自体の特性(表面の電荷、官能基の導入率、粒度分布等)がロット間、メーカー間で一定ではなく、その為、抗原又は抗体を結合する操作が一定であっても、調製された抗体結合ラテックス粒子の性能はバラツキが生じる。例えば、ラテックス表面への物理的又は化学的な結合方法においても、抗原又は抗体が全て結合できずに、結合後の洗浄により取り除かれたり、遠心や分散処理により、結合した抗原又は抗体が剥がれ落ちたりした。即ち、結合する抗原又は抗体の量がばらつくため、測定範囲や検出感度に影響がある。
また、近年あらたな問題として、非特許文献1に開示されているように、ラテックス粒子表面に抗原又は抗体を結合させることで抗原又は抗体に構造的な変性が起こり、試料中に共存する「変性部位に対して結合する物質」による非特異反応を起こす検体がみられることがあった。これにより、測定結果の信頼性が失われることになり、正確な疾病診断ができなくなる。この問題は、抗原又は抗体、あるいはラテックス粒子をそれぞれ個別に検討しても解決できるものではなく、非常に困難性の高い課題である。
「臨床病理」,2000年8月,第48巻,第8号,760−763頁
本発明者は、これまで用いられてきた物理的又は化学的な結合方法に代わる、ラテックス表面への抗原又は抗体の結合方法を鋭意検討した結果、ラテックス粒子を合成する際に、抗原又は抗体であるタンパク質を同時に共存させておくことにより、合成完了時に前記抗原又は抗体がラテックス粒子表面に導入されたラテックス粒子が得られることを見出した。しかも、驚くべきことに、導入された抗原又は抗体の特性は維持されたまま、物理的吸着等による従来試薬と比較して、前記ラテックス粒子が分析対象物と高い反応性を示すこと、更には、ラテックス粒子表面に導入された抗原又は抗体は、結合による構造的な変性が起こることがなく、従って従来みられていた非特異反応を起こす検体との反応が回避できることも見出した。本発明者は、ラテックス粒子の合成反応において、前記抗原又は抗体を共存させた状態で、特定条件下でモノマーを重合させることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の課題は、検出感度が高く、且つ、従来発生していた非特異的反応を回避することができる免疫学的分析試薬を提供可能な、新規の高分子微粒子製造法を提供することにある。
前記課題は、本発明による、モノマー、ラジカル重合開始剤、乳化剤、及びハイドロフォーブを用いてミニエマルション重合を行う際に、抗原又は抗体を共存させて高分子微粒子を製造することを特徴とする、表面に前記抗原又は抗体が導入された高分子微粒子の製造方法により解決することができる。
また、本発明は、前記製造方法により得られる、高分子微粒子の表面にタンパク質が導入された高分子微粒子に関する。
本発明の好ましい態様によれば、前記ミニエマルション重合が、重合反応を低温(好ましくは0〜40℃)で行う低温エマルション重合である。
本発明の別の好ましい態様によれば、前記ラジカル重合開始剤がレドックス開始剤であり、より好ましくはアスコルビン酸とHとの組合せである。
本発明の更に別の好ましい態様によれば、前記乳化剤が界面活性剤であり、より好ましくはポリエチレングリコール鎖を有する重合性界面活性剤である。
本発明の更に別の好ましい態様によれば、前記ハイドロフォーブがヘキサデカン又はポリスチレンである。
更に、本発明は、
[1]ラテックス粒子の合成反応において、分析対象物質に対する抗原又は抗体を共存させた状態でモノマーを重合させ、前記ラテックス粒子の表面に前記抗原又は抗体が導入されたラテックス粒子の懸濁液を含む、免疫学的分析試薬;
[2](1)分析対象化合物を含む可能性のある被検試料と、
(2)ラテックス粒子の合成反応において、前記分析対象物質に対する抗原又は抗体を共存させた状態でモノマーを重合させ、前記ラテックス粒子の表面に前記抗原又は抗体が導入されたラテックス粒子と
を液中で接触させる、免疫学的分析方法;
[3]前記接触の後、抗原抗体反応により生じたラテックス粒子の凝集度合いを光学的に分析する、[2]の免疫学的分析方法;
[4]前記接触の後、前記液と前記ラテックス粒子とを分離し、前記ラテックス粒子に結合した分析対象物質、あるいは、前記液中に残存する分析対象物質を分析する、[2]の免疫学的分析方法
に関する。
本発明によれば、検出感度が高く、且つ、従来発生していた非特異的反応を回避可能な免疫学的分析試薬を提供可能な新規高分子微粒子を提供することができる。
BSA導入ラテックス粒子を用いる本発明試薬と、BSA結合ラテックス粒子を用いる従来試薬とを用いて、抗BSA抗体標準溶液の2倍希釈列を測定した結果を示すグラフである。 BSA導入ラテックス粒子を用いる本発明試薬と、BSA結合ラテックス粒子を用いる従来試薬とを用いて、抗IgG抗体標準溶液の2倍希釈列を測定した結果を示すグラフである。
本発明の製造方法は、ミニエマルション重合を行う際に抗原又は抗体を共存させることを特徴とする。本発明の製造方法によれば、高分子微粒子(特にラテックス粒子)の表面に前記抗原又は抗体が導入された高分子微粒子(特にラテックス粒子)(以下、パートナー導入高分子微粒子と称する)を製造することができる。
本発明の製造方法は、重合反応の際に抗原又は抗体を共存させること以外は、従来公知のミニエマルション重合(例えば、M. Antonietti, K. Landfester, Prog. Polym. Sci., 2002, 27, 689-757、J.
M. Asua, Prog. Polym. Sci., 2002, 27, 1283-1346)と同様にして実施することができる。
通常のミニエマルション重合は、これに限定されるものではないが、例えば、モノマー、ラジカル重合開始剤、乳化剤、及びハイドロフォーブを混合する工程、前記混合物を剪断する工程、並びに前記混合物を重合開始温度まで加熱して重合させる工程を含むことができる。ミニエマルション重合では、重合用モノマーと乳化剤とを混合した後、例えば、超音波照射による剪断工程を実施することにより、前記剪断力によりモノマーが引きちぎられ、乳化剤に覆われたモノマー微小油滴が形成される。ラジカル重合開始剤の重合開始温度まで加熱することにより、モノマー微小油滴をそのまま重合し、高分子微粒子が得られる。
本発明で用いる抗原又は抗体は、界面活性を示す抗原又は抗体である限り、特に限定されるものではなく、ラテックス法(例えば、ラテックス凝集法、ラテックスを用いたB/F分離)に利用可能な抗原又は抗体であることが好ましい。或る抗原又は抗体が界面活性を示すか否かは、公知方法、例えば、表面張力測定、あるいは、ピレンを蛍光プローブに用いた蛍光スペクトル測定により確認することができる。また、本発明で使用する抗原又は抗体としては、前記ピレンを蛍光プローブに用いた蛍光スペクトル測定において、ピレンの第一発光ピーク(I1)と第三発光ピーク(I3)の強度比(I1/I3)が0.5〜1.6(より好ましくは0.6〜1.5)である抗原又は抗体が好ましい。例えば、前記抗原又は抗体としては、各種抗体、レセプター、酵素、脂質、糖鎖等を挙げることができ、具体的には、IgG、C反応性タンパク質(CRP)、フェリチン、β−2マイクログロブリン、α−フェトプロティン(AFP)、IgE、B型肝炎ウィルス(HBS抗体又はHBc抗体)、Dダイマー、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)、可溶性フィブリン(Soluble fibrin:SF)、プラスミン・α2−プラスミンインヒビター複合体(PPI)、前立腺特異抗原(PSA)、エラスターゼ1、エラスターゼXDP、トロンボモジュリン、又はアルブミン(好ましくは血清アルブミン)等を挙げることができる。
抗体を用いる場合には、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を用いることができる。また、抗体の種類としては、免疫グロブリン分子自体のほか、抗体フラグメント、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)又はFv等も使用可能である。
本発明で用いることのできるモノマーとしては、通常のミニエマルション重合で使用可能なモノマーを使用することができ、例えば、スチレン、スチレン誘導体(例えば、クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、アクリル酸若しくはメタクリル酸、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート]、酢酸ビニルを挙げることができる。
本発明で用いることのできるラジカル重合開始剤としては、通常のミニエマルション重合で使用可能なラジカル重合開始剤を使用することができ、例えば、過酸化開始剤、過硫酸開始剤、アゾ系開始剤、又はレドックス開始剤を挙げることができる。本発明においては、重合反応を低温で行うことができる点で、レドックス開始剤を用いることが好ましい。重合反応時に共存させる抗原又は抗体が生理活性を有する場合、前記重合反応を低温で行うことにより、生理活性の低下を抑制することができる。
前記過酸化開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−t−ブチルペルオキシド(DBPO)、過酸化アンモニウムを挙げることができる。前記過硫酸開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム(NPS)を挙げることができる。前記アゾ系開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を挙げることができる。
前記レドックス開始剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン[N,N,N’,N’-tetramethylethylenediamine(TMEDA)]/過硫酸カリウム[potassium persulfate(KPS)]、FeSO/KPS、FeSO/H、アスコルビン酸(ビタミンC)/H等を挙げることができる。高い転化率(例えば、75〜98%)を達成することができる点で、アスコルビン酸/Hの組合せが好ましい。
本発明で用いることのできる乳化剤としては、ミニエマルション重合で一般に使用される各種界面活性剤を用いることができ、例えば、アニオン性化合物、カチオン性化合物、ノニオン性化合物を挙げることができる。前記ノニオン性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を有する重合性界面活性剤、長鎖アルコール、ポリビニルアルコール、Brij 35(PIERCE社)を挙げることができる。
ポリエチレングリコール(PEG)鎖を有する重合性界面活性剤としては、例えば、CH=C(CH)COO(CHCHO)CH(nは2以上の整数、好ましくは2〜100、より好ましくは5〜80、更に好ましくは8〜50、特に好ましくは9〜23)を挙げることができ、より具体的には、例えば、CH=C(CH)COO(CHCHO)23CH[n=23;(商品名)NKエステルM−230G(商品名);新中村化学工業株式会社]、CH=C(CH)COO(CHCHO)CH[n=9;(商品名)NKエステルM−90G;新中村化学工業株式会社]を挙げることができる。前記重合性界面活性剤を乳化剤として用いることで、立体反発による分散安定性を得ることができる。
前記長鎖アルコールとしては、例えば、1−ペンタノール、デカノールを挙げることができる。
本発明で用いることのできるハイドロフォーブとしては、通常のミニエマルション重合で使用可能なハイドロフォーブを使用することができ、例えば、ヘキサデカン、シルセスキオキサン、又は疎水性ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル)を挙げることができ、ヘキサデカン又はポリスチレンが好ましい。ハイドロフォーブを用いることにより、オストワルド熟成による粒径の不均一性の増大を抑制し、単分散なラテックス粒子を合成することができる。
重合時の反応条件、例えば、溶媒、混合比、温度、反応時間などは、使用するモノマー及び抗原又は抗体の種類、合成する高分子微粒子の平均粒径、微粒子表面に担持させる抗原又は抗体の量などに応じて、例えば、パイロット試験を実施することにより適宜決定することができる。
例えば、重合用モノマー(例えば、スチレンモノマー)40mmolに対して、抗原又は抗体[例えば、ウシ血清アルブミン、IgG、F(ab’)]を、通常0.01〜5g、好ましくは0.02〜2g、より好ましくは0.08〜0.8gの量で;ラジカル重合開始剤(例えば、アスコルビン酸、H)を、通常0.01〜4mmol、好ましくは0.02〜2mmolの量で;乳化剤(例えば、NKエステルM−230G、NKエステルM−90G)を、通常0.1〜10mmol、好ましくは0.2〜5mmol、より好ましくは0.4〜4mmolの量で;それぞれ、用いることができる。反応時間は、通常1時間以上、好ましくは3〜48時間、より好ましくは4〜24時間である。反応温度は、通常0〜80℃、好ましくは0〜60℃、より好ましくは0〜40℃である。
本発明の製造方法によれば、ラテックス粒子の表面に抗原又は抗体が導入されたラテックス粒子を製造することができる。
従来使用されているラテックス粒子では、例えば、物理的吸着によりラテックス粒子に抗原又は抗体を直接固定化するか、あるいは、ラテックス粒子の表面の官能基、例えば、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、又はエポキシ基などを介した共有結合により、ラテックス粒子に抗原又は抗体を結合させていた。本発明の製造方法で製造することのできる抗原又は抗体導入ラテックス粒子は、抗原又は抗体の一部がラテックス粒子に埋め込まれることにより、前記抗原又は抗体がラテックス表面に担持されているラテックス粒子である。
ラテックス粒子を合成する際に共存させる抗原又は抗体を導入させる方法として、低温ミニエマルション重合により作製されたラテックス粒子は、合成完了時に抗原又は抗体がラテックス粒子表面に導入させることで、従来結合できずに洗浄により取り除かれたり、遠心や分散処理により結合した抗原又は抗体が剥がれ落ちたりすることがないラテックス粒子を作製することができ、このようなラテックス粒子を使用することにより高い反応性を得ることが可能である。また、合成完了時に抗原又は抗体がラテックス粒子表面に導入されているため、結合による立体障害による変性が起こることがなく、従って従来みられていた非特異反応を起こす検体との反応を回避することができる。
本発明の製造方法において、ミニエマルション重合の際に共存させた抗原又は抗体が高分子微粒子(例えば、ラテックス)表面に導入される作用機序は明らかでないが、本発明者は以下のとおり推測している。すなわち、本発明で用いる抗原又は抗体は界面活性を示すため、その親水的な部分により、水との接合帯である高分子微粒子(例えば、ラテックス)表面に存在すると考えられる。なお、本発明は、この推測に限定されるものではない。
また、本発明は、新規の免疫学的分析試薬及び免疫学的分析方法に関する。本発明の免疫学的分析試薬及び免疫学的分析方法では、従来使用されている、物理的又は化学的結合によりラテックス表面に抗原又は抗体を担持させたラテックス粒子に代えて、ラテックス粒子の表面に抗原又は抗体(すなわち、免疫学的パートナー)が導入されたラテックス粒子(パートナー導入ラテックス粒子)を使用する。前記パートナー導入ラテックス粒子は、抗原又は抗体の一部がラテックス粒子に埋め込まれることにより、前記抗原又は抗体がラテックス表面に担持されているラテックス粒子である限り、特に限定されるものではないが、例えば、本発明の製造方法により調製することができる。
本発明では分析においてラテックス法(例えば、ラテックス凝集法、ラテックスを用いたB/F分離)を用いる。分析対象物質に対する抗原又は抗体(例えば、ポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体、又はそれらの抗体フラグメント)を導入したラテックス粒子と、分析対象物質とを接触させるラテックス上での抗原抗体反応を実施する系において、導入された抗原又は抗体が立体障害による変性のない状態であるため、変性部位に対する非特異的な検体とは反応せずに、従来法より高感度で分析対象物質を分析(検出又は測定、好ましくは測定)することができる。
本発明により分析することのできる物質(分析対象物質)は、一般に抗原抗体反応を利用して抗原又は抗体として分析することのできる物質(特に生理活性物質)であれば特に限定されない。分析対象物質の代表例としては、タンパク質、脂質、糖鎖等を挙げることができ、より詳しくは、例えば、各種抗体、レセプター、又は酵素等を挙げることができる。具体的には、IgG、C反応性タンパク質(CRP)、フェリチン、β−2マイクログロブリン、α−フェトプロティン(AFP)、IgE、B型肝炎ウィルス(HBS抗体又はHBc抗体)、Dダイマー、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)、可溶性フィブリン(Soluble fibrin:SF)、プラスミン・α2−プラスミンインヒビター複合体(PPI)、前立腺特異抗原(PSA)、エラスターゼ1、エラスターゼXDP、トロンボモジュリン、又はアルブミン(好ましくは血清アルブミン)等を挙げることができる。
また、本発明で分析可能な被検試料は、前記分析対象物質を含む可能性のある試料であれば、特に限定されず、特には生体試料、例えば、血液、血清、血漿、尿、髄液、又は細胞若しくは組織破砕液などを挙げることができる。
本発明では、その分析においてラテックス法を用いる。本発明におけるラテックス法では、分析対象物質に特異的に反応する抗原又は抗体を導入したラテックス粒子を用いる。
パートナー導入ラテックス粒子の平均粒径は、分析対象物質の検出濃度又は測定機器によって適宜選択することができ、通常、0.05〜0.5μmの範囲で適宣選択することができる。
ラテックス粒子に導入させる抗体としては、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を用いることができる。また、抗体の種類としては、免疫グロブリン分子自体のほか、抗体フラグメント、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)又はFv等も使用可能である。
本発明による免疫学的分析試薬は、例えば、抗原又は抗体を導入したラテックス粒子と緩衝液を含む1液系の試薬;緩衝液である第1試薬と、抗原又は抗体を導入したラテックス粒子とモノクローナル抗体との両方を含む第2試薬とで構成される2液系の試薬;あるいは、緩衝液と導入したラテックス粒子との両方を含む第1試薬と、抗原又は抗体を感作したラテックス粒子を含む第2試薬とで構成される2液系の試薬など、種々の形態であることができる。
本発明においては、前記のような試薬を用いて凝集反応を行い、生じた凝集の度合い(凝集度)を光学的に分析(特には測定)することにより、被検試料中の分析対象物質の量を分析(特には測定)することができる。ラテックス粒子の凝集度を光学的に検出する具体的方法においては、例えば、散乱光強度、吸光度、又は透過光強度を測定する光学機器を用いて測定を行うことができる。好ましい測定波長は300〜800nmである。測定方法は、公知の方法に従い、用いるラテックス粒子の大きさ(平均粒径)若しくは濃度の選択、又は反応時間の設定により、散乱光強度、吸光度、又は透過光強度の増加又は減少を測定することにより行うことができる。また、これらの方法を併用することも可能である。
あるいは、前記試薬と被検試料とを液中で接触させた後、B/F分離を行うことにより、ラテックス粒子と液とを分離し、前記ラテックス粒子に結合した分析対象物質、あるいは、前記液中に残存する分析対象物質を分析(特に測定)することにより、被検試料中の分析対象物質の量を分析(特には測定)することができる。
本発明においては、導入させる抗原又は抗体の種類を選択することに加え、ラテックス凝集反応に影響を与える他の因子を調節することによって、ラテックス粒子凝集反応を更に精密に増幅し、低濃度域の定量可能範囲を更に拡張させることや更に非特異反応を抑制することができる。ラテックス凝集反応に影響を与える他の因子としては、例えば、ラテックス粒子の濃度、ラテックス粒子に導入される抗原若しくは抗体量、又はラテックス粒子の粒径等を挙げることができる。
本発明で用いる抗原抗体反応の条件は通常の条件と同様であってよく、反応媒体としては、分析対象物質の種類に応じた各種緩衝液を適宜選択することができる。この緩衝液は、分析対象物質を失活させることがなく、且つ、抗原抗体反応を阻害しないようなイオン濃度やpHを有するものであればよい。例えば、グッド緩衝液、グリシン緩衝液、又はトリス緩衝液を使用することができる。反応のpHは、5〜10、特に6〜8が好ましい。反応温度は0〜50℃、特に20〜40℃が好ましい。反応時間は適宜決めることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:抗ウシ血清アルブミン(BSA)抗体測定試薬の調製》
(1)BSA導入ラテックス粒子の調製
スチレン40mmol、ヘキサデカン4mmol、BSA200mg、CH=C(CH)COO(CHCHO)23CH(NKエステルM−230G;新中村化学工業株式会社)0.8mmol、アスコルビン酸0.4mmol、及び水20gを混合し、ソニケーション(UH−300:株式会社エスエムテー)を出力80%、パルス50%で氷浴下15分間実施した。三口フラスコに入れ、100rpmで攪拌しながら窒素バブリングを15分間実施した後、H 0.4mmolを入れ、200rpmで攪拌しながら30℃又は60℃で6時間重合してBSA導入ラテックス粒子を調製した。なお、得られたBSA導入ラテックス粒子の平均粒径は0.109μm(30℃の場合)及び0.121μm(60℃の場合)であった。
(2)BSA導入ラテックス粒子懸濁液の調製
BSA導入ラテックス粒子(1%濃度)1mLに対して、免疫学的測定用ブロッキング試薬N101(日本油脂株式会社)1mLを添加し、室温にて30分間攪拌した。この混合液を35000rpmで遠心分離した。得られた沈殿物にトリス緩衝液(pH8.0)10mLを添加し、ラテックスを懸濁させ、BSA導入ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(3)緩衝液の調製
0.5重量%BSAを含有する0.1mol/Lトリス緩衝液(PH8.0)に、0.9重量%の濃度となるように塩化ナトリウムを添加して緩衝液とした。以下、BSAを含まないNaCl含有トリス緩衝液を「緩衝液A」と、BSAを含有するNaCl含有トリス緩衝液を「緩衝液B」と称する。
(4)抗BSA抗体測定試薬
実施例1(2)で調製したBSA導入ラテックス粒子懸濁液(第2試薬)と、実施例1(3)で調製した緩衝液A又はB(第1試薬)とから構成される2液系の試薬を、本発明の免疫学的分析試薬としての抗BSA抗体測定試薬として、以下の実施例で評価した。
《実施例2:抗BSA抗体標準溶液の測定》
(1)抗BSA抗体標準溶液の調製
抗BSA抗体(Rabbit Anti
cow albumin;DAKO社、900単位)を生理食塩水で倍々希釈し、900、450、225、113、56、28、14、及び7単位濃度の標準抗BSA抗体希釈列を調製した。
(2)抗BSA抗体標準溶液の測定
標準抗BSA抗体希釈列15μLに、実施例1(3)で調製した緩衝液A又はB90μLを混合し、37℃で適時保持した後、実施例1(2)で調製したBSA導入ラテックス粒子懸濁液90μLを添加攪拌し、この後、5分後の波長800/570nmでの吸光度を測定した。この間の570nm吸光度変化量と800nm吸光度変化量の差を吸光度変化量(ΔAbs)とした。測定は日立自動分析装置7170型を用いて行った。
なお、比較のために、平均粒径0.11μmのポリスチレンラテックス粒子(日本合成ゴム製:固形分10%)を用いて、前記粒子1%濃度1mLにBSAを0.3%(3mg/mL)量感作して調製したBSA結合ラテックス粒子懸濁液を使用した。
結果を表1及び図1、並びに表2に示す。表1及び図1には、緩衝液A又はBを使用した場合の、実施例1(4)に記載の本発明試薬(重合温度=30℃)の結果を、従来試薬の結果と併せて示す。また、表2には、緩衝液A(すなわち、BSA不含)を用いた場合の、実施例1(4)に記載の本発明試薬(重合温度=30℃又は60℃)の結果を、従来試薬の結果と併せて示す。
表1及び図1から明らかなように、緩衝液A(すなわち、BSA不含)を用いた場合、BSA導入ラテックス粒子懸濁液の場合(本発明試薬)には、抗BSA抗体濃度が900単位で吸光度変化量(ΔAbs)24513に対して、BSA結合ラテックス粒子懸濁液の場合(従来試薬)には、900単位で吸光度変化量(ΔAbs)385と、明らかにBSA導入ラテックス粒子懸濁液が高感度であった。また、緩衝液B(すなわち、0.5%BSA含有)を用いると、BSA結合ラテックス粒子懸濁液、BSA導入ラテックス粒子懸濁液ともに、抗BSA抗体希釈列との反応性はみられなかった。
Figure 0005288348
表2から明らかなように、BSA導入ラテックス粒子懸濁液(本発明試薬)において、重合反応を低温(30℃)で実施して得られたBSA導入ラテックス粒子懸濁液の場合には、抗BSA抗体濃度が900単位で吸光度変化量(ΔAbs)24513に対して、高温(60℃)で実施して得られたBSA導入ラテックス粒子懸濁液は900単位で吸光度変化量(ΔAbs)8480と、低温でのBSA導入ラテックス粒子懸濁液のほうが高感度であった。また、BSA結合ラテックス粒子懸濁液の場合(従来試薬)には、900単位で吸光度変化量(ΔAbs)385と、明らかにBSA導入ラテックス粒子懸濁液が高感度であった。
Figure 0005288348
《実施例3:抗BSA抗体測定試薬によるヒト血清の測定》
本実施例では、標準抗BSA抗体希釈列の代わりに、正常検体であるヒト血清5例(検体No.1〜No.5)と非特異的検体であるヒト血清3例(検体No.6〜No.8)を用いること以外は、前記実施例2(2)の操作を繰り返した。なお、前記非特異的検体は、ラテックス粒子にBSAを結合したBSA結合ラテックス粒子懸濁液に対して非特異的に反応し、BSAを結合していないラテックス粒子懸濁液とは反応しない検体である。
結果を表3に示す。
表3から明らかなように、正常検体(血清NO.1〜No.5)、非特異的検体(血清No.6〜No.8)ともにBSA導入ラテックス粒子懸濁液との反応はみられないが、BSA結合ラテックス粒子懸濁液においては、BSAを含まない緩衝液(緩衝液A)においても、0.5%BSAを懸濁させた緩衝液(緩衝液B)においても、非特異検体との強い反応がみられた。
Figure 0005288348
《実施例4:抗IgG測定試薬の調製》
(1)IgG導入ラテックス粒子の調製
スチレン40mmol、ヘキサデカン4mmol、IgG 200mg、CH=C(CH)COO(CHCHO)23CH(NKエステルM−230G;新中村化学工業株式会社)0.6mmol,アスコルビン酸0.4mmol、及び水20gを混合し、ソニケーション(UH−300:株式会社エスエムテー)を出力80%、パルス50%で氷浴下15分間実施した。三口フラスコに入れ、100rpmで攪拌しながら窒素バブリングを15分間実施した後、H 0.4mmolを入れ、200rpmで攪拌しながら30℃で6時間重合してIgG導入ラテックス粒子を調製した。なお、IgG導入ラテックス粒子の平均粒径は0.318μmであった。
(2)IgG導入ラテックス粒子懸濁液の調製
IgG導入ラテックス粒子(1%濃度)1mLに対して、免疫学的測定用ブロッキング試薬N101(日本油脂株式会社)1mLを添加し、室温にて30分間攪拌した。この混合液を35000rpmで遠心分離した。得られた沈殿物にトリス緩衝液(pH8.0)10mLを添加し、ラテックスを懸濁させ、IgG導入ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(3)抗IgG抗体測定試薬
実施例4(2)で調製したIgG導入ラテックス粒子懸濁液(第2試薬)と、実施例1(3)で調製した緩衝液B(第1試薬)とから構成される2液系の試薬を、本発明の免疫学的分析試薬としての抗IgG抗体測定試薬として、以下の実施例で評価した。
《実施例5:抗IgG抗体標準溶液の測定》
(1)抗IgG抗体標準溶液の調製
抗IgG抗体(Anti-IgG
H&L chains;MILES-YEDA社、2.8mg/mL)を生理食塩水で倍々希釈し、2.8、1.4、0.7、0.35、0.175、0.088、及び0.044mg/mLの、7濃度の標準抗IgG抗体希釈列を調製した。
(2)抗IgG抗体標準溶液の測定
標準抗IgG抗体希釈列2μLに、実施例1(3)で調製した緩衝液90μLを混合し、37℃で適時保持した後、実施例4(2)で調製したIgG導入ラテックス粒子懸濁液90μLを添加攪拌し、この後、5分後の波長800/570nmでの吸光度を測定した。この間の570nm吸光度変化量と800nm吸光度変化量の差を吸光度変化量(ΔAbs)とした。測定は日立自動分析装置7170型を用いて行った。
なお、比較のために、平均粒径0.283μmのポリスチレンラテックス粒子(セキスイ社製:固形分10%)を用いて、前記粒子1%濃度1mLにIgGを1%(10mg/mL)量感作して調製したIgG結合ラテックス粒子懸濁液と、IgG未感作のラテックス粒子懸濁液とを使用した。
実施例4(3)に記載の本発明試薬の結果を、従来試薬の結果と併せて、表4及び図2に示す。
表4及び図2から明らかなように、IgG導入ラテックス粒子懸濁液を用いた場合(本発明試薬)には、抗IgG抗体濃度が1.4mg/mLで吸光度変化量(ΔAbs)812に対して、IgG結合ラテックス粒子懸濁液を用いた場合(従来試薬)には、吸光度変化量(ΔAbs)219と、明らかにIgG導入ラテックス粒子懸濁液が高感度であった。
Figure 0005288348
《実施例6:抗CRP抗体F(ab’)測定試薬の調製》
(1)抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子の調製
スチレン10mmol、ヘキサデカン1mmol、抗CRP抗体F(ab’) 50mg、CH=C(CH)COO(CHCHO)23CH(NKエステルM−230G;新中村化学工業株式会社)0.2mmol、アスコルビン酸0.1mmol、及び水5gを混合し、ソニケーション(UH−300:株式会社エスエムテー)を出力50%、パルス50%で氷浴下15分間実施した。三口フラスコに入れ、100rpmで攪拌しながら窒素バブリングを15分間実施した後、H 0.1mmolを入れ、200rpmで攪拌しながら室温で6時間重合して抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子を調製した。なお、抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子の平均粒径は0.249μmであった。
(2)抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子懸濁液の調製
抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子(1%濃度)1mLに対して、免疫学的測定用ブロッキング試薬N101(日本油脂株式会社)1mLを添加し、室温にて30分間攪拌した。この混合液を35000rpmで遠心分離した。得られた沈殿物にトリス緩衝液(pH8.0)10mLを添加し、ラテックスを懸濁させ、抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子懸濁液を調製した。
(3)CRP測定試薬
実施例6(2)で調製した抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子懸濁液(第2試薬)と、実施例1(3)で調製した緩衝液B(第1試薬)とから構成される2液系の試薬を、本発明の免疫学的分析試薬としてのCRP測定試薬として、以下の実施例で評価した。
《実施例7:CRP標準溶液の測定》
(1)CRP標準溶液の調製
CRP(オリエンタル酵母株式会社製リコンビナントCRP溶液100mg/dL)を生理食塩水で希釈し、3.2、1.6、0.8、0.4、0.2、及び0.1mg/dLの、6濃度の標準CRP希釈列を調製した。
(2)CRP標準溶液の測定
標準CRP希釈列2μLに、実施例1(3)で調製した緩衝液90μLを混合し、37℃で適時保持した後、実施例6(2)で調製した抗CRP抗体F(ab’)導入ラテックス粒子懸濁液90μLを添加攪拌し、この後、5分後の波長800/570nmでの吸光度を測定した。この間の570nm吸光度変化量と800nm吸光度変化量の差を吸光度変化量(ΔAbs)とした。測定は日立自動分析装置7170型を用いて行った。
実施例6(3)に記載の本発明試薬の結果を、表5に示す。
表5から明らかなように、抗CRP抗体F(ab’)ラテックス粒子懸濁液を用いた場合(本発明試薬)、0.1〜3.2mg/dLの範囲においてCRP標準液と濃度依存的な反応性が得られた。
Figure 0005288348
本発明は、免疫学的分析(特にラテックス凝集法)の用途に適用することができる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (8)

  1. モノマー、ラジカル重合開始剤、乳化剤、及びハイドロフォーブを用いてミニエマルション重合を行う際に、抗原又は抗体を共存させて高分子微粒子を製造することを特徴とする、表面に前記抗原又は抗体が導入された高分子微粒子の製造方法であって、前記ラジカル重合開始剤がレドックス開始剤であり、高分子微粒子の平均粒径が0.05〜0.5μmである、前記製造方法
  2. 前記ミニエマルション重合が、重合反応を低温で行う低温エマルション重合である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 重合反応を0〜40℃で行う、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記レドックス開始剤が、アスコルビン酸とHとの組合せである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記乳化剤が界面活性剤である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記乳化剤が、ポリエチレングリコール鎖を有する重合性界面活性剤である、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記ハイドロフォーブがヘキサデカン又はポリスチレンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法により得られる、平均粒径が0.05〜0.5μmであり、高分子微粒子の表面に抗原又は抗体が導入された高分子微粒子。
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