JP2008058208A - 単鎖可変部抗体を用いたイムノクロマト法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗原に対する結合性を有する組換え蛋白を用いたサンドイッチ式免疫測定法、とりわけイムノクロマトグラフィー測定法、並びに、これに用いるに好適な組換え蛋白を提供する。
【解決手段】測定対象である抗原に対する第一の結合物と第二の結合物とを用いたサンドイッチ式免疫測定法であって、第一の結合物と第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなる。組換え蛋白はファージディスプレイ法で得られた一本鎖(単鎖)可変部断片型抗体(scFv抗体)であることが好ましい。
【選択図】図8

Description

本発明は、抗原に対する結合性を有する組換え蛋白、特に、一本鎖(単鎖)可変部断片型抗体(scFv抗体)を用いたサンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法及びイムノクロマト法テストストリップ、並びに、これに用いるに好適な組換え蛋白に関する。
抗原を2つの抗体でサンドイッチすることにより検出するサンドイッチ式免疫測定法では、現在、モノクローナル抗体が広く使用されている。
モノクローナル抗体は、精製した抗原でマウスを免疫し、数ヶ月後に抗原に対する抗体価が十分に上昇していることを確認した後、脾臓を取り出し、マウスミエローマー細胞と融合させ、ハイブリドーマを作製する。その後、抗原を認識する抗体を産生している融合細胞をクローニングする。次に、その細胞を培養するか、マウス腹腔内に移植することで、同一な性能を持った抗原を認識する抗体を作製することができる。しかしながら、上記方法により抗体を作製するためには、多くの労力、時間、費用がかかる。
一方、抗体を取得する他の方法として、最近、ファージ提示法が研究されている。
ファージ提示法に関する技術的経緯は、伊庭、抗体作製の新技術、癌の臨床、48巻、2号、p55−66、2002、特許WO01/62907,堀内ら、蛋白質・核酸・酵素,Vol34,No14,p.2589−2598、(1992)などに記載されており、これを整理すると次のようになる。
ファージディスプレイ法はSmithにより1985年(Smith GP Science 1985 228:4075 1315−1317)に考案された。
Parmley,S.F.,Smith,G.P.は1988年(Science,1988,240、1038−1041)にg3p蛋白のシグナルペプチド直後の2番目と3番目のアミノ酸の間に異種蛋白の遺伝子を組込み雑種蛋白としてg3pを発現させ、本来のg3pの機能も損なわれないことを示した。
Better et al(1988)(Better M,Chang CP,Robinson RR,Horwitz AH Science 1988,240:4855 1041−3)とSkerraとPlukthun(1988)(Skerra A,Plukthun A Science 1988,240:4855 1038−41)は、Fab型とFv型抗体を大腸菌中で分泌シグナル発現で活性型抗体の作製法を示した。
Huse.W.D., Lernerらは、(Science 1989,246,1275−1281)λ―ファージを用いてハプテン(NPN)に対する抗体を単離できることを報告した。
Orlandi R et al.(Proc Natl Acad Sci USA 1989 86:10 3833−7,Sastry L et al.Proc Natl Acad Sci USA 1989 86:15 5728−32)は、1988年に発表されたPCR法を用い、抗体可変領域をコードするVHDJH、VLJL遺伝子を増幅するためのプライマー配列を考案した。
Huse WD et al.(Science 1989 246:4935 1275−81,Ward GE et al.J Clin Microbiol 1989 27:12 2717−23)は、これらのプライマーによって増幅した抗体遺伝子を利用して、大腸菌中で抗体を産生させるためのベクターが構築された。
McCafferty J, Winter et al.(Nature 348 1990,552−554)は、繊維上ファージに活性を持った形でscFv抗体を提示する方法を示した。この時点では、抗体遺伝子はファージDNAに組込んでいた。この技術は、目的抗原に結合するファージを単離すればその抗体遺伝子を単離できたことになる。
Nissim A,Winter G et al.(EMBO J 1994 13:3 692−8)は、親和性向上試みの一つとして、人為的に遺伝子に変異を導入する方法を報告している。これは、単離した全てのVH、VL遺伝子と、JH、JL遺伝子の間にランダムな配列を挿入する半人工的配列を持つ抗体ライブラリーを作製することにより、親和性に優れた抗体の取得を可能とする抗体ライブラリーを得るというものである。
De KruifJ,Boel E,Logtenberg T (J Mol Biol 1995 248:1 97−105)も同様のライブラリー作製法を報告している。
Vaughan TJ et al.(Nat Biotechnol 1996 14:3 309−14)は、ライブラリーの大きさを拡充し充分な大きさの抗体レパートリーを確保したとしている。
ファージ提示法の利点として次のことが考えられる。
(1)短期間で作製可能である。すなわち、ファージ抗体はハイブリドーマ法から作製するモノクローナル抗体に比較して、開発期間を大幅に短縮できる可能性が高い。また、大腸菌での培養により抗体を作製できるため安価に短期で作製できる。
(2)遺伝子配列が解かるので、改変が容易であるため、特異性・反応性を容易に向上させることが期待でき、また、修飾が容易であるため、His−Tagなどの精製用タグやGFPなど蛍光タンパクを導入することが容易になり、精製や検出も容易となる。
(3)プラスミドDNAとしておけば、−20℃で半永久的に、また、常温でも数日間保てるので、保存が容易である。
(4)抗体価の上昇が十分ならば、脾臓の一部すなわち10%以下、場合によっては1%でも作製が可能であるので、ハイブリドーマ法との併用も可能である。理論的には、血液のみから作製できる。
(5)マウス以外の動物でもモノクローナル抗体が作製できる。
(6)ハイブリドーマ法に比べスクリーニング時の抗原量が少なくてよい。
(7)抗体価が必ずしも十分上昇していなくても作製可能である。
(8)免疫は必ずしも必須ではないので、通常マウス等で免疫出来ない毒性のある物質に対しても抗体を作製できる。
以上が一般的に言われている極めて優れた利点であるが、実際に実用的に利用できている例は稀である。原因の一つは、ライブラリー作製が極めて高度な技術蓄積なくてはできないことにあった。
国際公開第WO01/62907号パンフレット 伊庭、抗体作製の新技術、癌の臨床、48巻、2号、p55−66、2002 堀内ら、蛋白質・核酸・酵素,Vol34,No14,p.2589−2598、(1992) Smith G.P., Science 1985 228:4075 1315−1317 Parmley,S.F.,Smith,G.P.,Science,1988,240、1038−1041 Better M,Chang CP,Robinson RR,Horwitz AH, Science 1988,240:4855 1041−3 Skerra A,Plukthun A, Science 1988,240:4855 1038−41 Huse.W.D., Lerner et al.,Sciense 1989,246,1275−1281 Orlandi R et al.,Proc Natl Acad Sci USA 1989 86:10 3833−7 Sastry L et al.Proc Natl Acad Sci USA 1989 86:15 5728−32 Huse WD et al.,Science 1989 246:4935 1275−81 Ward GE et al.,J Clin Microbiol 1989 27:12 2717−23 McCafferty J, Winter et al.,Nature 348 1990,552−554 Nissim A,Winter G et al.,EMBO J 1994 13:3 692−8 De KruifJ,Boel E,Logtenberg T ,J Mol Biol 1995 248:1 97−105 Vaughan TJ et al.,Nat Biotechnol 1996 14:3 309−14
以上のように、目的とするモノクローナル抗体を産生するモノクローナル抗体産生株を選抜、維持するためには、かなりの時間、労力、費用および設備を必要とする。とりわけ、ハイブリドーマ法におけるスクリーニングは多大な労力の上に成り立つ。その上、この方法での最大の欠点は、細胞融合されたものしか扱っていない点である。
一方、ファージ提示法に基づく作製方法は、抗体遺伝子を直接扱うため抗体遺伝子群を網羅するいわゆる抗体遺伝子ライブラリーの作製ができれば、原理的には抗体の抗原認識部位すなわちscFv抗体及び抗体の可変領域のDNA及びアミノ酸配列を解明することができる。したがって、大腸菌などの異種生物での生産やその配列情報を基に人工的に抗原認識分子の合成が可能になる。しかしながら、非免疫ライブラリーから親和性または特異性の高い抗体を得ることは容易ではなく、変異導入などの親和性等の機能向上を経て利用できるレベルになるのが通例である。また、ライブラリー作製技術をもつ一部の限られた研究機関のみが利用できているに過ぎない。
ライブラリー作製では、抗体遺伝子群にその切断部位を持たないであろう8塩基認識制限酵素が良く使われる。
本発明者らは、ライブラリー作製の失敗の多くは制限酵素処理がうまくいっているかどうか確かめる手段がなく次の工程へ行くことにあることに着目した。
そこで、本発明者らは、DNA断片を一旦TAクローニングでベクターに組入れ、DNA量を増やすとともに、制限酵素切断を確実にする方法を発明した。このことにより、ファージ抗体遺伝子ライブラリーの作製を確実なものとした。その実証としてCRPを認識するマウスscFv抗体をファージ表面に提示させたファージディスプレイライブラリーから単離し、その可変領域のアミノ酸配列を決定することに成功した。そして、このライブラリーから選択した組換え蛋白が、サンドイッチ式免疫測定法、とりわけイムノクロマトグラフィー測定法において使用でき、高感度な免疫測定を可能にすることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一局面によれば、測定対象である抗原に対する第一の結合物と第二の結合物とを用いたサンドイッチ式免疫測定法であって、第一の結合物と第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなることを特徴とするサンドイッチ式免疫測定法が提供される。
また、本発明の他の局面によれば、測定対象である抗原に対する第一の結合物を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、前記抗原に対する第二の結合物と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれる抗原と前記第二の結合物との複合体を前記捕捉部位に捕捉させるイムノクロマトグラフィー測定法において、前記第一の結合物と前記第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法が提供される。
また、本発明の更に他の局面によれば、測定対象である抗原に対する第一の結合物と第二の結合物と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の結合物は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の結合物は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なよう配置されてなるイムノクロマト法テストストリップにおいて、前記第一の結合物と前記第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなることを特徴とするイムノクロマト法テストストリップが提供される。
また、本発明によれば、C反応性タンパク(CRP)を測定する本発明の免疫測定法で第一の結合物及び/または第二の結合物として使用するに好適な組換え蛋白として、配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白が提供される。配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列とは、リンカー部のアミノ酸配列を除いた部分を意味する。リンカー部のアミノ酸配列は当業者が適宜選択できる。これらの組換え蛋白は、本発明においては、その均等物、すなわち、配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつCRPに対する結合性を有するタンパク質をも包含するものとして定義される。
また、本発明によれば、本発明の組換え蛋白を作製するために有用な抗体遺伝子ライブラリーの作製方法として、抗体遺伝子群をTベクターにライゲーションして増殖させる工程と、この増殖されたTベクターを分離する工程と、この分離されたTベクターから抗体遺伝子群を切り出してファージミドベクターにライゲーションして宿主に導入する工程とを備えることを特徴する抗体遺伝子ライブラリーの作製方法が提供される。
また、本発明によれば、かかる抗体遺伝子ライブラリーの好ましい作製方法として、抗体遺伝子群をTベクターにライゲーションして増幅させる工程と、この増殖されたTベクターを制限酵素処理するとともに、予めコントロールインサートが挿入されたファージミドベクターを前記制限酵素と同様の制限酵素で処理して前記制限酵素処理されたTベクターと混合した後ライゲーションする工程と、このライゲーションに付された混合物に前記コントロールインサート及びTベクターを消化する制限酵素を作用させた後、抗体遺伝子群がライゲーションされたファージミドベクターを選択的に宿主に導入する工程とを備えることを特徴する抗体遺伝子ライブラリーの作製方法が提供される。
本発明によれば、一本鎖(単鎖)可変部断片型抗体(scFv抗体)などの組換え蛋白を用いることとしたので、イムノクロマトグラフィー測定法などのサンドイッチ式免疫測定法に適する小型化抗体が得られる。scFv抗体作製のためにファージ提示(ディスプレイ)法を用いることができるが、このファージ提示法により、抗体遺伝子ライブラリーを少なくとも5.0x10の7乗以上の多様性を保ったライブラリーとして作製することを容易に行えるようになったので、上記免疫測定法において抗原との反応特異性に優れた所望の組換え蛋白が得られる。また、最終的に抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域のDNA及びアミノ酸配列を明らかにすることができるので、当該組換え蛋白の特性を向上させるための改変も容易に行える。
また、この組換え蛋白は、分子量が小さいため、標識物質である金コロイド等への固相化量を上げることができるので、免疫測定法において有利である。
また、この組換え蛋白は抗体の可変部のみを備え、Fc部分を有さないため、免疫測定時、細菌が産生するプロテインAやGによる非特異反応を抑制することができる。例えば、プロテインAは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、プロテインGは、連鎖球菌(Streptococci)に由来するため、臨床検体等ではこれらが混在する可能性が高く、測定値に影響を与えることが懸念されるがこれを排除できる。
加えて、いわゆる開放型サンドイッチ免疫アッセイ法は、低分子化合物のハプテンの検出のために開発されたものである(Suzuki et al., 2000;Suzuki et al., 1999;Yokozeki et al., 2002)。これらは、いくつかの抗体の別々のVHおよびVL鎖の会合が、抗原の存在下で起こる現象を利用した非競合的なアッセイ法である(Ueda et al., 1996)。このためには、VH及びVLを調整する必要があるが、方法では遺伝子配列が解かるので調整が容易となる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本明細書で用いる、いくつかの技術用語を次に定義する。
「PCR」:ポリメラーゼ連鎖反応を意味する。
「scFv」:抗体フラグメントである単鎖Fvを意味する。
「VL」:軽鎖可変部を意味する。
「VH」:重鎖可変部を意味する。
「PBS」:リン酸緩衝生理食塩水を意味する。
「amp」:アンピシリンナトリウムを意味する。
「2×LATaq mix」は、タカラバイオ社製のLA Taq ポリメラーゼ 0.5U,10×LATaq(+Mg) buffer 5μl,を加え25μlとなるよう精製水を加えたもの。通常PCR時には鋳型DNAとプライマーが加えられ、精製水で50μlにして用いる。
「2×YT」:2×YT培地を意味し、Bacto tryptone 16g、Yeast Extract 10g、NaCl5gを精製水で混合し、pH7.5付近にあわせ、1リットルとしたもの。
「2×YTa」:「2×YT」に終濃度100μgとなるように「amp」を加えたものを意味する。
「2×YTGa」:「2×YTa」に終濃度1%となるように「グルコース」を加えたものを意味する。
本発明で第一の結合物または第二の結合物として使用される組換え蛋白は、抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えたものであれば特に限定されないが、通常、ファージ提示法によって得ることができる。
ファージ提示型抗体は、公知の方法により作製することができる。当該作製方法は、Marks JDほか、J.Mol.Biol.222、p.581−597、1991年;Nissim Aほか、EMBO J.13、p.692−698、1994年等、幾つかの文献より知ることができる。特に、A.R.Popeら(Antibody Engineering−A Practical Approach,IRL Press,Oxford,1996)には、より具体的なプロトコールとして記載されている。そこで、本明細書記載の方法もこれを基本にして改良を加えて行なった。
実験の概略を次に示す。なお、以下の記述は、抗体作製法確立のためのモデル抗原物質として、乳幼児の感染症の診断に重要視されている炎症マーカーのC−反応性タンパク(CRP)を用いて行う。しかし、本発明における抗原物質を、これに限定するものではない。
〔1〕抗体遺伝子ライブラリーの作成
(1)CRPで免疫したマウス脾臓を試料とし、脾臓細胞を用いた。なお、リンパ球を分画し用いてもよい。
(2)(1)からISOGEN(ニッポンジーン)を用いて、total RNAを抽出する。
(3)totalRNAからmRNAを抽出してもよいがここでは省略できる。
(4)RNAからSuperScriptTM Preamplification Kit(インビロジェン社)を用いて、ランダムヘキサマーでcDNAを作製する。抗体特異的なプライマーも既に公知でありこれらを用いてもよい。
(5)cDNAを鋳型に、各種プライマーと、DNAポリメラーゼを用いてPCRを行い、抗体遺伝子を増幅する。
(6)増幅した抗体遺伝子を制限酵素SfiIとNotIで消化し、同じ制限酵素でファージミドベクターpCANTAB5E(アマシャム)を消化し、リガーゼを用いて結合し組み込む。なお、pCANTAB5E、pHEN1(MRC製)、pHEN1−GTなどのファージミドベクターを用いても良い。
(7)エレクトロポレーション装置を用いて、XL1−blue大腸菌細胞に導入する。なお、JM109、TG1などその他のAmber Suppressor要求性λファージ増殖用宿主大腸菌でも良い。
(8)エレクトロポレーション後、2×YTGaに懸濁し、O/N、30℃で振とう培養する。
(9)培養菌体を遠心・集菌し、グリセロールストックとして−80℃に保存する。一部は2×YTGa(DIFCOの2×YTをベースに1%グルコース、+amp)培地に再懸濁し37℃で振とう培養する。
(10)濁度(OD600)が約0.5になったとき集菌し、2×YTa(2×YT+amp)に懸濁後、M13K07を加え37℃で1時間振とう培養する。
(11)2×YTaを3倍量追加し、カナマイシンを70μg/mlになるように加えて37℃で一晩振とう培養する。
(12)遠心して培養上清を回収し、PEG−NaClでファージを沈殿後、PBSで溶解させ、も一度PEG−NaClで沈殿後、PBSで溶解させ、不要物を遠心で除いてファージ抗体ライブラリーを得る。
(13)ファージの一部を希釈し、2×YT培地中で濁度約0.5まで生育させたXL1−blueに加えて、37℃1時間振とう培養して感染させ、LBGa(LB+1%グルコース,+amp)プレートに捲き、コロニーの数をカウントし、ファージの濃度(colony−forming unit(cfu))を測定する。このコロニー数から換算したファージ数をファージ抗体ライブラリーの大きさとする。
このようにして抗体遺伝子ライブラリーを作製することができるが、Popeらの方法に基づく上記方法(概念図を図1に示す)では、コロニーの数をカウントすることで算定したファージ抗体遺伝子ライブラリーの規模は1×10の5乗個かせいぜい1×10の6乗個の規模である。この原因は、上記(5)scFv遺伝子の非特異的増幅と(6)の制限処理時とその後のライゲーション効率の悪さに起因するもの推測された。
そこで、本発明者らは、次ぎに示す2つの方法により、ライブラリーサイズを少なくとも5×10の7乗容易に構築できる方法へと改良した。
方法1:抗体遺伝子群(scFv断片)をいわゆるT−ベクターに挿入してTAクローニングした後、制限酵素処理して挿入DNA断片を切り出し、この制限酵素で確実に切断されていることをアガロースゲル電気泳動で確認し、ゲルから目的のバンドを切り出して、抗体遺伝子群を含むDNA断片を精製する方法を用いる(概念図を図2に示す)。TAクローニングベクターは、望ましくはpT7Blue T−vector(ストラタジーン社)が良い。このことにより、PCR産物では、制限酵素処理できているかどうか不明瞭であったが、確実に制限酵素処理が完了しているかどうかがわかるようになった。そして、上記の精製された抗体遺伝子群を含むDNA断片と、上記と同様の制限酵素で処理されたファージミドベクター(pCANTAB5E等)とのライゲーション反応を行い、これを大腸菌などの宿主に導入させることによって抗体遺伝子ライブラリーを作製する。
方法2:抗体遺伝子群(scFv断片)をいわゆるT−ベクターに挿入してTAクローニングした後、制限酵素処理して挿入DNA断片を切り出し、この制限酵素で確実に切断されていることをアガロースゲル電気泳動で確認する。一方、ファージミドベクター(pCANTAB5E等)として予めコントロールインサートDNAが挿入されたものを用意し、上記と同様の制限酵素で処理する。これら2つの制限酵素消化溶液から回収されたDNAを混合して、抗体遺伝子群を含むDNA断片をファージミドベクター(pCANTAB5E等)にライゲーションする。そして、この混合物をT−ベクター及びコントロールインサートDNAの両者を切断する制限酵素で処理し、抗体遺伝子群がライゲーションされたファージミドベクターのみを選択的に消化せずに残し、かくして選択的に宿主に導入させることによって抗体遺伝子ライブラリーを作製する。TAクローニングベクターとしては、上記と同様のものを使用できる。T−ベクター及びコントロールインサートDNAの両者を切断する制限酵素としては、抗体遺伝子に影響のない、つまり切断することのないまたは少ないScaI,PstI等の制限酵素を使用できる。上記2つの制限酵素消化溶液は、ゲルから目的のバンドを切り出すことなく、フェノール/クロロホルム、エタノール沈殿によりDNAを回収濃縮し、上記ライゲーション反応に供することができる(概念を図3に示す。)
〔2〕scFv抗体のスクリーニング(パンニング)
(1)イムノチューブ(イムノプレートを用いても良い)に抗原であるCRPを適当量PBS緩衝液に溶解し、添加し、一昼夜、低温(4℃程度)で静置する。ただし、抗原が固相に吸着できる時間と抗原の構造に影響の無い温度であればよい。
パンニング方法としては、ビオチンラベル化抗原、ストレプトアビジンマグネチックビーズを使用する方法などいくつかの方法が考案されておりこれに限定されるものではない。
(2)イムノチューブを洗浄後、2%スキムミルク−PBSで、室温1時間ブロッキングを行う。ブロキング剤もスキムミルク以外のBSAやゼラチンなど夾雑蛋白質として反応に影響しないものであれば良い。
(3)2%スキムミルク−PBS−0.05%Tween20中に溶解させたファージ抗体ライブラリー(1×1014Cfu程度)をイムノプレートに加え、ゆっくり回転(又は振とう)させて、室温で2時間撹拌する。
(4)チューブをPBS−0.05%Tween20及びPBSでそれぞれ5回ずつ合計10回洗浄(専用のマグネット台を用いて注意深く行う。)後、終濃度0.1Mトリエチルアミン(または、グリシン)となるように加えゆっくり回転(又は振とう)させて、室温で20分撹拌する。
(5)チューブを換えて1MTris−HCl(pH6.8)(グリシンの中和には2MTris−HCl)を加えて中和する。
(6)中和したファージ溶液を、2×YT培地中で濁度約0.5まで生育させてXL1−bleuに加えて、37℃1時間振とう培養して感染させる。
(7)培養液の一部を適宜に希釈し2×YTGaプレートに撒いた後、残りの培養液を2×YTGaに懸濁し、37℃で浸透培養し濁度が約0.5になるまで生育させる。
(8)集菌し、菌の一部はグリスロールストックとして−80℃で保存し、残りを利用してファージ抗体を調整し2ndスクリーニングに用いた。
(9)この操作を数回繰り返す。4から30回の洗浄で回収率が10−5〜10−4程度になったらELISAで確認する。(抗原反応陽性の組換えファージの検出は、アマシャムファルマシア製のRPAS Detection Module 中のHRP/Anti−M13 Conjugate (HRP標識抗M13抗体を用いて行う。)
(10)ELISAがポジティブなら、Outputの測定のために使用したプレートからコロニーを拾い、ファージ抗体をスクリーニングする。
(11)抗体遺伝子のDNA配列分析を行う。
(12)HB2151へ宿主変換する。このことによりAmber Suppressor要求性λファージ増殖用宿主ではない大腸菌株にすることで、IPTG誘導によりscFv抗体として発現させることができる。
本発明で用いられる上記第一の結合物および第二の結合物は、少なくとも何れか一方が上記の組換え蛋白であればよく、その他は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよい。
通常、第一の結合物と第二の結合物を用いるサンドイッチ式免疫測定法においては、第一の結合物と第二の結合物とは抗原決定基(エピトープ)が相互に異なるものが使用され、所謂「ヘテロ」の組み合わせで用いられる。本発明において、「ヘテロ」の組み合わせで第一の結合物および第二の結合物を構成することは何ら妨げられるものではない。しかしながら、測定対象である抗原の種類によっては、所謂「ホモ」の組み合わせ(すなわち、第一の結合物と第二の結合物が同じ組換え蛋白)でもよい。
本発明において、前記第一の結合物および第二の結合物の何れか一方を担体に固定しておくことも可能であり、これにより、例えば、ELISAまたはイムノクロマトグラフィー測定法を容易に実施できる。
イムノクロマトグラフィー測定法は、公知のイムノクロマト法テストストリップの構成に準拠して容易に実施できる。
一般に、イムノクロマト法テストストリップは、抗原の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の結合物と、前記抗原の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の結合物と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の結合物は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の結合物は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて構成される。第一の結合物および第二の結合物は、上述のように、それぞれ上記組換え蛋白であってもモノクローナルまたはポリクローナル抗体であっても良いが、少なくとも何れか一つが上記組換え蛋白である。なお、第一の抗原決定基と第二の抗原決定基は抗原上の位置が異なっていれば構造的に同一であってもよく、その場合、第一の結合物および第二の結合物は上記「ホモ」の組み合わせの組換え蛋白であってよく、例えば、第一の結合物および第二の結合物の両方に上記の好ましい組換え蛋白を使用できる。
イムノクロマト法テストストリップの具体例としては、例えば、図8に示されるテストストリップが挙げられる。図8において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。
図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターで作成されている。
該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から7.5mmの位置に、第一の抗体が固定され、検体の捕捉部位31が形成される。
図示の例では、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いているが、被験試料に含まれる検体をクロマト展開可能で、かつ、上記捕捉部位31を形成する抗体を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
含浸部材2は、前記第一の結合物が結合する第一の抗原決定基と異なる部位に位置する第二の抗原決定基にて前記抗原と抗体抗原反応する第二の結合物を含浸せしめた部材からなる。当該第二の結合物は、適当な標識物質で予め標識される。
図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
第二の結合物の標識物質としては、使用可能なものであればいかなる物質であってもよく、呈色標識物質、酵素標識物質、放射線標識物質などが挙げられる。
このうち、捕捉部位31での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便に判定できる点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。
呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスなどのラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属コロイドが特に好ましい。
当該含浸部材2は、標識された第二の抗体の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
図8に示されるように、膜担体3を粘着シート1の中程に貼着し、該膜担体3のクロマト展開の開始点側(すなわち図8の左側、以下「上流側」と記す、また、その逆の側、すなわち図8の右側を、以下「下流側」と記す)の末端の上に、含浸部材2の下流側末端を重ね合わせて連接するとともに、この含浸部材2の上流側部分を粘着シート1に貼着して本発明のイムノクロマト法テストストリップを作成できる。
さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着してもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
試料添加用部材5としては、例えば、多孔質ポリエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または織布もしくは不織布を用いることができる。
吸収用部材4は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
さらに、市販品の場合、図8のイムノクロマト法テストストリップは、試料添加用部材5と捕捉部位31の上方にそれぞれ被験試料注入部と判定部が開口された適当なプラスチック製ケース内に収容されて提供される。
かくして、生体試料などからなる被験試料を必要に応じて適当な展開溶媒と混合してクロマト展開可能な混合液を得た後、当該混合液を図8に示されるイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上に注入すると、該混合液は、該試料添加用部材5を通過して含浸部材2において、標識された第二の結合物と混合する。
その際、該混合液中に検体が存在すれば、抗原抗体反応により検体と第二の結合物との複合体が形成される。
この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31に到達し、そこに固定された第一の結合物と抗原抗体反応して捕捉される。
このとき、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により発色するので、直ちに、検体の有無を判定することができる。
被験試料としては、特に制限はなく、例えば、血液、(全血でも、血清でも、血漿でもよい)、唾液、尿等の体外に採取された体液が挙げられる。被験試料は、展開溶媒などの適当な希釈液で希釈して膜担体に注入してもよい。
なお、全血を被験試料として用いるときで、特に標識結合物の標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が用いられる場合、前記試料添加用部材に血球捕捉膜部材を配置しておくことが好ましい。血球捕捉膜部材は、前記含浸部材と前記試料添加用部材との間に積層することが好ましい。これにより、赤血球が膜担体に展開されるのが阻止されるので、膜担体の捕捉部位における呈色標識の集積の確認が容易になる。血球捕捉膜部材としては、カルボキシメチルセルロース膜が用いられ、具体的には、アドバンテック東洋株式会社から販売されているイオン交換濾紙CM(商品名)や、ワットマンジャパン株式会社から販売されているイオン交換セルロースペーパーなどを用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 RNA抽出
抗原で免疫し、抗体価の上昇したマウス脾臓を試料とした。
RNA Extraction 試薬 ISOGEN(ニッポンジーン)を用いて、total RNAを抽出した。
なお、精製度の高いtotalRNAまたは、mRNAを抽出できれば、この方法に限定されるものではない。
1. 10mlビーカーに、ISOGEN溶液1mlを加え、脾臓1個分(100mg以内)を入れ、すばやくハサミで細かくきり刻んだ。
2. 細かくなったら、さらにISOGEN1ml(3ml)を加えた。
3. テルモ注射針18 Gを付けたテルモシリンジ10 mlロック式を用いて、脾臓断片を壊しながら、液を吸引および排出する操作を数回繰り返し、ISOGEN中に脾臓を溶解させた。シリンジを通らない場合が多いので、ホモジナイザーまたは、メッシュビーカーを用いて細かくしてから用いた。
4. 脾臓断片がほぼなくなったら、再度液の吸引と排出の操作を、なるべく泡立てないように10回繰り返した。
5. ニードルを21G針に変えて、さらにせん断(shearing)を10回繰り返した。
6. 次ぎに、1.5mlチューブ2本に約1000μlづつ分注し、室温5分静置した。
7. 10,000rpm(7.5kg)以上で5分間遠心し、不溶性画分(沈殿物)を除く上清を別のチューブに取った。
8. これに、0.2mlのクロロホルムを加え、ボルテックスでよく混合し、室温で3分置いた。
9. 12,000rpm(12kg)以上で、4℃、10分間遠心すると、青系色の下層と透明な上層に分かれるので、上層(水層)のみをチューブに移した。
10. これに0.5ml(等量)のイソプロパノールを加え、混合後、0℃、5分〜10分静置、 15,000rpm(12kg)以上、15分間以上、4℃で 遠心しRNAを沈殿させた。
11. 慎重にイソプロパノールを除き、RNAペレットに75%(70%可)エタノール1ml(リンスなので適量)を加え、混合後10,000rpm(7.5kg)以上、5分、4℃で遠心した。
12. ペレットを軽く風乾した後、適量(50μl〜100μl)滅菌水にRNAを溶解させた。
13. RNAを一つのチューブにまとめ、そこからRNA溶液2μlを別のチューブに採り、滅菌水8μlを加え、5倍に希釈した。
14. マイクロキャピラリーセルを用いて、260と280nmの吸光度、及び200〜340nmのスペクトルグラムを描き、定法によりRNA量の定量と純度を検定した。
15. さらに、0.8%アガロースゲル電気泳動で、分解の程度など質を検査した。
実施例2 cDNA合成(DNA200ngスケール)
(ランダムヘキサマーを用いたcDNA合成)
1. キット(SupersScriptTM Preamplification Kit(インビロジェン社))の試薬を混ぜ軽く遠心しておいた。
2. 0.2mlチューブに次ぎの試薬を混ぜた。
Figure 2008058208
3. 2.のサンプルを65℃(〜70℃)、5分(〜10分)間保温後に、1分間以上氷冷した。
4. 加える本数分の次ぎの試薬を作製した。
1) 10xRT buffer 2μl
2) 25mM MgCl 4μl
3) 0.1M DTT 2μl
4) RNase OUT (Inhibitor ) 1μl
5. 4.の混合試薬を2.に加え、ゆるやかに混合し、スピンダウンした(合計20μl)。
6. 25℃(室温可)で2分間保温した。
7. 50unit SSII (SuperScript II RT) を1μl加え、サーマルサイクラーで25℃で10分間保温――42℃50分間保温――70℃で15分間保温し、すみやかに氷冷した。
8. RNaseHを1μl加え、37℃で20分保温した。
9. Micro Spin S−300HR(アムシャムバイオサイエンス社)を用いてプライマーの除去を次の手順で行った。
1) チューブにS−300HRのふたを少し緩め、管を折って入れ、3000rpm(735g)で1分遠心した。
2) チューブを替え作成したcDNA(計100μlまで)を添加し3000rpm(735g)で2分遠心した。
(cDNAからのH鎖L鎖PCR増幅)
1. PCRチューブに次ぎの試薬を混ぜ、氷冷しておいた。
Figure 2008058208
各100pmol
(1)VH1FOR:5´- TGA GGA GAC GGT GAC CGT GGT CCC TTG GCC CC 32mer(配列番号5)
(2)VH1BACK:5´-AGG TSM ARC TGC AGS AGT CWG G 22mer(配列番号6)
(3)MJK1mixFONX:5´-CCG TTT BAT TTC CAR CTT KGT SCC 24mer(配列番号7)
(4)VK2BACK:5´-GAC ATT GAG CTC ACC CAG TCT CCA 24mer(配列番号8)
2. 1.を混ぜスピンダウンした。
3. 次条件でPCRを行った。
95℃2分〔(95℃30秒−65℃30秒−72℃1分)x21*〕72℃7分―4℃∞。
4. PCR産物の5μl程度を(1.2%)アガロースゲル電気泳動でチェックした。なお、スメアバンドとなるので、予備実験でサイクル数を決めてから行った。
実施例3 scFv遺伝子作製
実施例2でH鎖(340bp)、L鎖(325bp)が電気泳動で確認されたので、Micro Spin S−300HRを用い、次の操作でプライマーを除去した。
1)チューブにS−300HRのふたを少し緩め、管を折って入れ、3000rpm(735g)で1分遠心した。
2)チューブを替え作成したPCR産物(約50μl)を添加し3000rpm(735g)で2分遠心した。
〔1st PCR:Assembly and fill−in〕
1.次の試薬を用意した。
H鎖 PCR product(50ng) 1μl
L鎖 PCR product(50ng) 1μl
Linker−primer mix 4μl
2xLATaq mix 25μl
Water up50μl(19μl)
2. 1.を混ぜスピンダウンした。
3. 次の条件でPCRを行った。
94℃1分〔(94℃1分−63℃4分)×7〕63℃1分―4℃∞。
〔2nd PCR〕
1. 次の試薬を用意した。
H+linker+L product (50ng) 50μl
VH1BACKSfi 2μl
JK1−5NotImix 2μl
2xLATaq mix 25μl
Water up100μl
2. 1.を混ぜスピンダウンする。チューブは氷冷。90℃付近で入れた。
3. 次の条件でPCRを行った。
例えば、94℃1分〔(94℃30秒−65℃、45秒−72℃1分)x21〕72℃1分―4℃∞。
4.PCR産物の5μlを(1.2〜1.5%)アガロースゲル電気泳動でチェックした。
*RS Oligos
(1)VH1BACKSfi:GTC CTC GCA ACT GCG GCC CAG CCG GCC ATG GCC CAG GTS MAR CTG CAG SAG TCW GG 56mer・・・100p mol(配列番号9)
(2)JK1NOT10:GAG TCA TTC TGC GGC CGC CCG TTT GAT TTC CAG CTT GGT GCC 42mer(配列番号10)
(3)JK2NOT10:GAG TCA TTC TGC GGC CGC CCG TTT TAT TTC CAG CTT GGT CCC 42mer(配列番号11)
(4)JK4NOT10:GAG TCA TTC TGC GGC CGC CCG TTT TAT TTC CAA CTT TGT CCC 42mer(配列番号12)
(5)JK5NOT10:GAG TCA TTC TGC GGC CGC CCG TTT CAG CTC CAG CTT GGT CCC 42mer(配列番号13)
(2)〜(5)400pmolを等量混ぜ平均100pmolに混合したものを(6)JK1−5NotImixとする。
Linker−primer mix:リンカーは、次のグリシン、グリシン、グリシン、グリシン、セリンが3回繰りかえしたフレキリブルリンカーを用いた。
linker配列 5-’GGCACCACGGTCACCGTCTCCTCAGGTGGAGGCGGTTCAGGCGGAGGTGGCTCTGGCGGTGGCGGATCGGACATCGAGCTCACTCAGTCTCCA-3’ (配列番号14)
〔DNAの精製〕
次に全量をエタ沈濃縮後、ゲルから切り出し精製した。
1. 酢酸Naを1/10量(10μl)加え、エタノールを2.5倍量(250μl)加え、よく攪拌後、−20℃に30分以上(−80℃、10分)置き、15000rpm、15分遠心、上清を丁寧に除き、70%エタノールを200μl程度入れ、15000rpm5分、上清を丁寧に除き、乾燥させた。そして、適等量のTE(20μl)に溶解させた。
2. 全量20μlに10xdyeを2μl加え、1.2%ゲルに12μl程度づつアプライし、50vで電気泳動した。
3. ゲルをハンディUV335nmで照射し、目的の780bp付近を切り出し、MinEluteGelExtraction Kit(キアゲン)を用い、下記の手順で精製した。
(1)100mgに3倍量のQGを入れる(最大400mg)。
(2)50℃、20分(時々ボルテックスかける)。
(3)色が黄色であることを確認する。ゲルと等量のイソプロパノールを入れ反転。
(4)付属の2mlチューブにカラムのせ、サンプルをアプライし、10,000g(13,000rpm)で1分遠心。
(5)フロースルー溶液を捨て、カラムにQGを500μl添加し、遠心1分。
(6)PEを750μl添加遠心1分。
(7)フロースルーを捨て、さらに遠心1分。
(8)1.5mlチューブに乗せ換え、適等量(10μl)のEBまたは精製水をカラム中央に添加し、1分以上放置後、1分遠心する。
4.PCR産物の5μl程度を(1.2%)アガロースゲル電気泳動でチェックした。
実施例4 T−vectorを用いた抗体遺伝子ライブラリーの作成 (Tg法)
[1] scFv遺伝子の増幅
実施例3で得たscFv遺伝子を必要量増幅した。
[2] T−vectorへのscFv遺伝子の組み込み
(1)[1]により増幅したscFv遺伝子を以下の組成で16℃/over nightライゲーションした。
pT7Blue T−vector 10μl(500ng,0.3pmol)
scFv遺伝子 Xμl(950ng,2.0pmol)
I液 10+Xμl(TaKaRa Lagation kit Ver.2.1)
Total 2(10+X)μl
(2)エタノール沈殿後、5μlの滅菌水に溶解させた。
[3] scFv遺伝子ライブラリーT−vector(プラスミド)の調整
(1)市販のエレクトロポレーション用コンピテントセルE.coli XL1−Blue チューブ1本と[2]のDNA溶液5μlを混合し、0.1cmキュベットに注入した。
(2)以下の条件でエレクトロポーレーションを行った。
200Ω、25μF、1.5kV
(3)エレクトロポーレーションした大腸菌に氷冷したSOC培地1mlを加えた。
(4)37℃で1時間振盪した(160〜225rpm)。
(5)37℃1時間振盪培養後の菌体懸濁液からサンプリングして、トランスフォーメーションされた大腸菌数の計測に使用した。なお、計測する培地はX−gal、IPTGの入った培地を使用し、blue/whiteの比を確認し、さらに数十個体PCRによってインサートが入っている確認した。
(6)合計で10程度になったら、プラスミドを大量回収し、scFvライブラリー(T−vector)とした。
[4] pCANTAB5EのSfiI/NotI消化
(1)pCANTAB5E(100μg)を以下の組成で消化した。なお、ベクター量はライゲーション時に3.6μgのベクターを確保できればよいので、ゲル抽出キットの能力に合わせて適宜調整してもよい。
pCANTAB5E Xμl (100μg)
M buffer 10μl
SfiI 8μl
滅菌水 Yμl
合計 100μl
反応は、50℃/over night行った。そして、0.5μlを0.8%アガロースゲルで電気泳動し消化されていることを確認した。
(2)続いてNotIで[4]−(1)を以下の組成で消化した。
(1)の溶液 99.5μl
M buffer 5μl
1M Tris−HCl pH7.5 6μl
Triton 16μl
BSA 16μl
H buffer 1μl
滅菌水 5μl
NotI 4μl
合計 150μl
反応は、37℃/2h行った。そして、0.5μlを0.8%アガロースゲルで電気泳動し消化されていることを確認した(約4500bpと約720bpの位置にバンドが確認できる)。
消化が確認できたならば、全量を電気泳動して4500bpのバンドを回収した。
[5] scFvライブラリー(T−vector)のSfiI/NotI消化
(1)scFvライブラリー(T−vector)(30μg)を以下の組成で消化した。なお、ベクター量はライゲーション時に1.8μgのscFv鎖を確保できればよいため、ゲル抽出キットの能力に合わせて適宜調整してもよい。
T−vector::scFv Xμl(30μg)
M buffer 10μl
SfiI 5μl
滅菌水 Yμl
合計 100μl
反応は、50℃/over night行った。そして、0.5μlを0.8%アガロースゲルで電気泳動し消化されているかを確認した。
(2)続いてNotIで[5]−(1)を以下の組成で消化した。
(1)の溶液 99.5μl
M buffer 5μl
1M Tris−HCl pH7.5 6μl
Triton 16μl
BSA 16μl
H buffer 1μl
滅菌水 5μl
NotI 4μl
合計 150μl
反応は、37℃/2h行った。そして、0.5μlを0.8%アガロースゲルで電気泳動し消化されているかを確認した(約2800bpと約720bpの位置にバンドが確認できる)。
消化されていることが確認できたら、全量を電気泳動して720bpのバンドを回収した。
[6] pCANTAB5EへのscFv遺伝子の組み込み
(1)[4]−(2)及び[5]−(2)で得られた産物を用いて以下の組成で16℃/over nightライゲーションした。
[4]−(2)溶液 Xμl (3.6μg)
[5]−(2)溶液 Yμl (1.8μg)
T4Ligase 6μl
10×T4buffer Zμl
合計 (X+Y+Z+6)μl
(2)エタノール沈殿後、5μlの滅菌水に溶解させた。
[7] scFv遺伝子ライブラリーpCANTAB5E(プラスミド)の調整
(1)市販のE.coli JM109 Electro−cellsチューブ1本と[6]‐(2)のDNA溶液5μlを混合し、0.1cmキュベットに注入した。
(2)以下の条件でエレクトロポーレーションを行った。
200Ω、25μF、1.5kV
(3)エレクトロポレーションした大腸菌を氷冷したSOC培地1mlを加えた。
(4)37℃で1時間振とうした(160〜225rpm)。
(5)37℃1時間振盪培養後の菌体懸濁液から15μlサンプリングして、トランスフォーメーションされた大腸菌の数の計測に使用した。
(6)予め37℃で保温(または室温放置)しておいた以下の組成の培地20ml、2本(大試験管)に(3)の各大腸菌懸濁液の残りを2等分して(約0.5ml)加え、37℃でO/N振盪培養した。
2×YT培地 19ml
20%グルコース 1ml (final 1%)
100mg/ml amp 20μl (final100μg/ml)
Total 20ml
(7)(6)の20ml×2=40mlを次の様にした。
(i)培養液を20〜30mlは、そのままファルコンチューブに移し(または遠心濃縮し)−20℃以下に保存し、結果が良好であれば後日、プラスミドを抽出する(マウス抗体scFvライブラリーの大元として保存する。)。
(ii)2ml程度を残しておいた。そして(8)で使用する。
(iii)残り(約8ml〜18ml)は、1.2ml程度に小分けしグリストする(グリセロールfinal20%程度入れ−80℃保存する)。
(8)(7)−(ii)は、2×YTGa培地10mlに、OD0.1程度(0.5ml程度)再懸濁し(中試験管使用)37℃で振とう培養し、濁度(OD600)が約0.D0.7程度になったとき遠心(ファルコン50ml)集菌し、5mlの2×YTa(2×YT+amp、orLBa;グルコース抜く)に懸濁した。
(9)ヘルパーファージM13K07(5x1011cfu/ml程度)を0.1ml加え(final1〜4x1010)37℃(or30℃)で1時間振とう培養した。
(10)2×YTaを3倍量(15ml)追加し、Tc20μg/ml及びKm50μg/mlになるように加えて30℃で一晩振とう培養した。
(11)遠心して菌体を沈殿させ(ファルコンチューブ50ml、3850rpmで可;もし沈殿がしっかり形成されていないときは、さらに高速回転で再度行う。)、培養上清を回収(約20ml)し、滅菌したベックマン専用遠心管37ml用に入れ、4.8mlのPEG−NaCl(final20%)を加え、よく混ぜてから、氷中に30分以上おき、10,000g(ベックマン高速遠心機で9,500rpm)、20分遠心した。
(12)ファージは沈殿にあるので、上清を除き、20ml1xPBSで溶解させ、もう一度4.8mlPEG−NaClで氷中に30分以上置き沈殿させ、10,000g(ベックマン高速遠心機SV−20ローター、9,500rpm)、20分遠心し、上清を丁寧に除いた。
(13)沈殿したファージを適量(5ml)PBSで溶解させファージ抗体ライブラリー(PhAbLib.)を得た。
(14)対数増殖期大腸菌(XLI−Blue (Tcr))培養液に、回収したファージ溶液(PhAbLib.)適量を添加し、37℃、1時間、ゆるやかに振とう培養して感染させた。
感染後の培養液の一部(10μl)を適宜に希釈(希釈無し、10、10、10)し100μlを、LBGa(LB+0.5%グルコース+amp)プレートに撒き、30℃でO/N培養し、コロニー数からファージの濃度(colony−forming unit(cfu)を測定した。
実施例5 抗体のスクリーニング(バイオパンニング)
〔1〕抗原吸着条件の検討
抗原(CRP)が十分に吸着する抗原濃度、抗原溶解液濃度、プレート・チューブの材質などの条件を予備検討した。そして、イムノチューブに10μg/mlの抗原(OVA)を100μlづつに入れ、4℃でO/N吸着させたタンパク量を測定した。
〔2〕パンニング(イムノチューブを用いる方法、なお、〔 〕内は、イムノプレートを用いる場合でありこれでも可能。)
(1)抗原(CRP)のコーティング:
PBSに溶解した1〜10μg/mlの抗原(CRP)を1mlづつ、イムノチューブに入れた。4℃でO/N(吸着性の良いものは2時間室温、15℃4時間程度でも良い場合がある。)。〔イムノプレートに100μlづつ。〕
(2)洗浄1:
PBSを3ml入れ、捨て、3ml入れ、捨て、3ml入れ、捨て、を2回行なう。〔300μl〕
(3)ブロッキング:
ブロッキング溶液(Blocking solution(例:2%スキムミルク−PBS))を3ml加え室温(または30℃)で1時間放置し、ブロッキングを行なった。〔1/10量;300μl〕
(4)洗浄2:
PBSを3ml以上入れ、捨て、3ml入れ、捨て、を計3回行なった。
(5)バインディング:
終濃度2%スキムミルク−PBS−0.1%Tween20中に溶解させた実施例4で調整したファージ抗体ライブラリー(1×1012Cfu)1mlをイムノチューブに加え、パラフィルムをし、ゆっくり振とう(又は回転)させて、室温〔または30℃〕で1時間撹拌した。〔1/10量;300μl、シールする。〕
(6)洗浄3,4:
チューブを3mlのPBS−0.1%Tween20で5回洗浄、3mlPBSで5回ずつ合計 3回(2〜5回)洗浄した。〔1/10量;300μl〕
(7)溶出:
0.1MGlycine(pH2.2, 1.2ml〔120μl〕)を加え、ゆっくり振とうさせて、室温で20分静置した。次にファージの溶出液を別のチューブに移し2MTris−HClを入れ、中和した。(この条件で中和になっているかpH試験紙で確認した。)
(8)再感染:
中和したファージ溶液1.5mlを、大腸菌溶液20mg/mlTc10μl(final20μg/ml)入りの2×YT培地、10mlに再感染させた。
〔3〕回収ファージの再調整法
(1)対数期大腸菌:
LBGTc(または2xYTGTc)で培養した対数期大腸菌を必要量用意した。
大腸菌XLI−Blue (Tcr) の前培養液(0.3ml程度(OD0.1程度)を20mg/mlTc10μl(final20μg/ml)入りの10ml2×YTGに添加し、濁度約0D0.7程度になるまで37℃で生育させた。
(2)再感染:
対数増殖期大腸菌(XLI−Blue (Tcr))培養液に、回収したファージ溶液(PhAbLib.)1.5mlを添加し、37℃、1時間、ゆるやかに振とう培養して感染させた。
(3)感染数から回収率推定:
ファージのみ感染後の培養液の一部(10μl)を適宜に希釈(希釈無し、10、10、10)し100μlを、LBGa(LB+0.5%グルコース+amp)プレートに撒き、30℃でO/N培養し、コロニー数からファージの濃度(cfu)を推定し、回収率を推定した。
(4)増殖1st:
残りの大半の培養液(9.9ml)に2×YTGa(orLBGa)を20mlを加え、37℃で振とう培養し濁度が0.5程度になるまで生育させた。
(5)ファージ増殖2nd:
グリスト用に使用した残りの(5)の菌液は、6000rpm、5分、遠心し、上清を除去した。
沈殿物は、除去した上清と等量の2×YTa(orLBa)に懸濁し、ヘルパーファージM13K07(5x1011cfu/ml程度)を0.2ml(final5x1010)加え、1hrゆっくり37℃で培養した。
(6)適当量の2×YTa(またはLBa)と最終50μg/mlとなるようKmを加え、30℃で一晩振とう培養した。
(7)ファージ量の推定:
O/N後(3)のコロニー数をカウントし、Output/ Inputを算出した。
(8)ファージ回収、PEG沈:
(i)6000rpm10分遠心して菌体を沈殿させた。
(ii)培養上清を回収(約20ml)し、滅菌したベックマン専用遠心管37ml用に入れ、4.8mlのPEG−NaCl(final15〜20%)を加え、よく混ぜてから、氷中に30分程度おき、10,000g(ベックマン高速遠心機で9,500rpm)、20分遠心した。
(iii)ファージは沈殿にあるので、上清を除き、(8)(ii)の培養量の1/10量の1xPBSで溶解させ、もう一度PEG−NaCl(final15〜20%)で氷中に15分程度置き沈殿させ、10,000g(ベックマン高速遠心機SV−20ローター、9,500rpm)、20分遠心し、上清を丁寧に除いた。
(iv)沈殿したファージを、2mlPBSで溶解させファージの増幅物を得た。必要に応じ、遠心後0.22μmフィルターを通した。
(v)4℃保存、0.05%となるようNaN(または2000分の1容量のProClin300)を入れた。
(vi)回収ファージを定量した。
〔4〕パンニング第2回以降
(1)パンニングは5回を目安に回数を繰り返す毎に厳しい洗浄条件にして第1回と同様の操作を5回繰り返した。
(2)培養液の一部を適宜に希釈(例;希釈無し、10、10、10)しLBGaプレートに撒き、37℃(または30℃)でO/N培養し、コロニー数から回収率を推定算出した(Output/Input)。
(3)この感染・洗浄の操作を繰り返しで回収率の変動が少なくなったらELISA検定で確認した。
(4)ELISAがポジティブなら、Outputの測定のために使用したプレートからコロニーを拾い、ファージ抗体をスクリーニングした。
〔5〕ファージ抗体の準備(作製)
(1)コロニーを10個〜(数十)程度爪楊枝で取り、1ml2×YTGaTc培地と同プレートに植菌し30℃O/N培養した。
(2)(1)の一部(0.5ml程度OD0.1目安)を10ml2×YTGaTcに加え、濁度約0.5〜0.7〜0.8になるまで37℃で生育させた。
(3)(2)の一部1.5mlをエッペンチューブで6000rpm、10分、遠心し、上清を除去した。
(4)沈殿物は、除去した上清と等量(or1.2ml)の2xYTaに懸濁し、ヘルパーファージM13K07(5×1011cfu/ml程度)を0.01ml(final5×1010)加え、1hrゆっくり37℃で培養した。
(5)5mlの2×YTaと最終50μg/mlとなるようKmを加え、30℃で一晩振とう培養した。
(6)ファージ回収、PEG沈:
(i)6000rpm10分遠心して菌体を沈殿させた。
(ii)培養上清を回収しエッペンチューブに移し240μlPEG−NaCl(final15〜20%)を加え、よく混ぜてから、氷中に30分程度おき、10,000g(12000rpm)、10分遠心した。
(iii)上清を除き、(6)(ii)の培養量の1/2量の1×PBSで溶解させた。これを、ファージELISAのサンプルとした。
〔6〕ELISA法による抗体価チェック
Detection Module Recombinant Phage Antidody System ;Amersham 27−9402−01をベースとして下記の方法で行った。
方法:
(1)ELISA用の96穴プレートに10μg、5μg、1μg、500ng、100ngの様にPBSで希釈系をつくり抗原CRPを100μl添加した。
(2)4℃ O/N静置した。
(3)ポジコンに、ポジコン用M13ファージ抗原を用いた。
(4)Blocking Buffer( 例:2%スキムミルク−PBS−0.05%Tween20)で2回washし、PBSをきれいに除いた。
(5)Blocking Buffer を200μl/well加え室温で1h〜2h間放置した。
(6)プレートを逆さにしてBlocking Buffer をきれいに除き、さらにWash buffer (PBS)で2回washし、プレートを逆さにしてPBSをきれいに除いた。
(7)ファージ抗体(一次抗体)はBlocking Buffer で(例えば、)2倍の希釈系列をつくり、室温15分〜30分間放置した。
(8)ファージ抗体(一次抗体)希釈液を各wellに100μl 加え、室温1h間放置する。プレートを逆さにしてペーパータオルに押し付けるようにして除いた。
(9)300μl程度のPBSで2回washした。
(10)プレートを逆さにしてPBSをきれいに除いた。
(11)2次抗体をBlocking Bufferで5000倍に希釈した(4μl−HRP/Anti−M13に21mlのBlocking Bufferを入れる)。
(12)各wellに希釈二次抗体を100μl/well加えた。
(13)室温で1時間放置した。
(14)PBSで6回washし、プレートを逆さにしてPBSをきれいに除いた。
(15)21mlの1×ABTS溶液に30 %過酸化水素水を36μl加えたABTS溶液(用時調製)をすばやく100μl/well加えた。
(16)37℃20分(〜60分;目視で発色を判断し決める)放置し、すぐにマイクロプレートリーダーで405 nmで定量した。
(17)すぐに測定できない時は、SDS/DMFを100μl /well加えて、反応を止めてから、405 nmで定量した。
次に陽性クローン株、No.20とNo.40の株からファージミドを抽出し、定法によりC末端に6×ヒスタジンのタグを導入した。
実施例6 抗CRPファージが提示しているscFv抗体のアミノ酸配列の決定
実施例5で吸光度の上昇が確認されたファージを選び、定法に従い、これらのファージが感染している大腸菌からファージミドDNAを抽出した。抽出したDNAの塩基配列を決定することにより、ファージが提示しているscFv抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を決定した。チェーンターミネーター法に基づくBig DyeTerminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(アプライドバイオシステム社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、自動DNAシークエンサーABI Prism 310 DNA Analyzer(アプライドバイオシステム社製)にて解析することにより決定した。最終結果より特に性能の良いと思われた抗CRPscFv抗体No.20,No.40の重鎖及び軽鎖のDNAの塩基配列とアミノ酸配列を配列表に示す。配列表の配列番号1及び3はそれぞれ抗体No.20のアミノ酸配列及びDNA配列であり、配列番号2及び4はそれぞれ抗体No.40のアミノ酸配列及びDNA配列である。
実施例7 scFv抗体発現と精製
〔1〕ファージミド導入大腸菌(pCANTAB5E−CRP/XLI−Blue)の宿主変換(プラスミド法)
(1) CRP抗体産生クローンよりファージミドを抽出精製した。
(2) HB2151のケミカルコンピテントセルを用意した。
(3) (1)の100ng程度を(2)のセルに定法にて導入した。
(4) 大腸菌をまいた2×YTGa プレートより単一コロニーを取って、2mlの2×YTGa 培地に植え継ぎ、30℃で一晩振とう培養した。
(5) 20ml2×YTGa 培地に0.2mlずつ前培養した大腸菌を植え継ぎ、30℃でOD600が0.7(3〜4h)になるまで振とう培養した。
(6)〔2〕以下によりELISA試験などで発現の確認をした。
〔2〕scFv産生大腸菌(pCANTAB5E−CRP/HB2151)のIPTG誘導(20mlスケール)
(1) 単一コロニーを取って、2mlの2×YTGa (or LBGa, or SBGa以下同様)培地に植え継ぎ、30℃で一晩振とう培養した。
(2) 20ml2YTaG培地に0.3mlずつ前培養した大腸菌を植え継ぎ、30℃でOD600が0.7程度になるまで(3〜4h)振とう培養した。
(3) (2)を3500g(3800rpm)程度で集菌し、上清は捨て、20ml2×YTa培地に再懸濁しIPTGを終濃度0.4〜1.0mM(200mM/ml溶液なら、100μL)となるように加えた。
(4) 0/N、30℃、240〜350rpmで培養した。
(5) 培養液20mlを3500g(3800rpm)程度の遠心で集菌し、(i)ペレットと(ii)上清に分けた。
〔3〕ペリプラズムからのscFvの抽出
(1)〔2〕(5)のペレットに元の培養液の1/10量(2ml,100ml)のTS(200mMTris(pH8.0)+0.5Msucrose)を加え再懸濁しボルテックスでよく攪拌し、30分間氷冷した。
(2)4℃、10,000 × gで10分間遠心して、浸透圧ショックを行った細胞を沈殿させた。上清 (ペリプラズム画分) を別のチューブに移した。
(3)ペリプラズム画分をスピンろ過型の分子量10,000分画(アミコン)で濃縮した。スピンろ過カラムは、15ml用Amicon Ultra 10,000cutを用い10倍濃縮した。
(4)ELISA試験やタンパク定量、SDS−PAGEなどに供した。
〔4〕結果
バイオパンニングを繰り返すことによりいずれもCRPに特異的なファージが濃縮された。結果を図4に示す。また、本明細書に用いたバイオパンニングに供したライブラリーと、そこから得られた抗体について表3及び図4に示した。
Figure 2008058208
ヒスチジンタグで精製したscFv抗体のELISA試験の結果を図5に示す。
ELISAでは、抗原濃度に比例し、抗体濃度にも比例した発色が確認された。
No.40抗体とNo.20抗体ではNo.40の方が発色度の高い傾向にあった。
実施例8 イムノクロマト法テストストリップの作製
イムノクロマト法テストストリップの具体例としては、例えば図8に示されるテストストリップが挙げられる。図8において、数字1粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。
図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターからなり、同幅の粘着シート1の中程に貼り付けられている。該膜担体3には、そのクロマト展開始点側、すなわち図8の中心(以下「上流側」と記す。なお、その逆の側、すなわち図8におけるクロマト展開方向側は以下「下流側」と記す。)の末端から7.5mmの位置の第一の結合物が固定され、分析対象物質の捕捉部位31が形成されている。さらに、該膜担体3の上流側の末端から15.0mmの位置に所謂コントロールライン(図示せず)が設けられている。このコントロールラインは、分析対象物質の存否に係わらず反応が行われたことを確認するためのものであり、通常、前記第二の結合物と免疫学的に特異的に結合する物質(分析対象物質を除く)を膜担体3に固定化することによって形成することができる。例えば、第二の結合物としてマウス抗体を用いた場合は、該マウス抗体に対する抗体を用いることができる。
実施例9 抗体のスクリーニング
上記実施例7のscFv抗体His20およびHis40を表4に示すように組み合わせて使用し、サンドイッチ式免疫測定法とりわけイムノクロマトグラフィーにおいて最適のモノクローナル抗体の組み合わせを検討した。抗原としてヒトCRP抗原を用い、イムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材に、当該抗原液100μLを表4に示す濃度に希釈して滴下し、室温で15分放置後、捕捉部位における呈色の度合いを肉眼で、−(着色なし)、±(極めて弱い着色)、+(弱い着色)、++(明確な着色)、+++(顕著な着色)の5段階に区分して判定した。wは反応が弱いことを示す。その結果を4に示す。
Figure 2008058208
表4に示されるように、金コロイド標識抗体にHis40を用いた場合、捕捉部位の抗体としてHis20およびHis40の何れを使用しても感度を得ることはできなかった。これに対し、金コロイド標識抗体および捕捉部位の抗体として共にHis20を用いた場合、最適であることが示された。金コロイド標識抗体としてHis40を用い、捕捉部位の抗体としてHis20を用いた場合も実施可能であると考えられるが、Blankにおける非特異的呈色が生じ、いわゆる非特異的反応を示した。
このことから、His20 scFv抗体が最適であることが示された。CRPは5個のサブユニットが輪状に結合したペンタマー構造のため、1分子中に同一のエピトープが存在するため、金コロイド標識抗体および捕捉部位の抗体として共にHis20を用いることができる。
実施例10 反応性(抗原)
金コロイド標識抗体および捕捉部位の抗体として共にHis20を用い、実施例8と同じ方法でイムノクロマト法テストストリップを作成した。
ヒトCRP抗原を検体希釈液で希釈して、各濃度に調製し、被験試料とした。この被験試料100μLを上記テストストリップの試料添加用部材にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、捕捉部位で捕捉されたCRPと金コロイド標識抗体との被合体の捕捉量を肉眼で観察した。捕捉量は、その量に比較して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で、−(着色なし)、±(極めて弱い着色)、+(微弱な着色)、++(明確な着色)、+++(強い着色)、++++(非常に強い着色)の6段階に区分して判定した。その結果を表5に示した。表5から、約1ng/mL以上の濃度のCRPを検出可能であることがわかる。
Figure 2008058208
実施例11 検体との反応性および対照試薬との比較
上記実施例10にて作製したテストストリップと同様の方法にて抗CRPヤギポリクローナル抗体を用いて作製したテストストリップの感度比較を行った。CRP抗原を検体希釈液を用いて各種濃度に調製し、被験試料とした。被験試料100μLを上記テストストリップの試料添加用部材にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、捕捉部位で捕捉されたCRPと金コロイド標識抗体との被合体の捕捉量を肉眼およびイムノクロマトリーダー(大塚電子製)にて測定した。捕捉量は、その量に比較して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で、−(着色なし)、+(微弱な着色)、++(明確な着色)、+++(強い着色)の4段階に区分して判定した。その結果を表6及び図6に示した。
Figure 2008058208
表6及び図6から、本発明によれば、対照に見られたプロゾーン現象は確認されず、低濃度から高濃度まで幅広い測定範囲を有することが明らかとなった。また対照と同様にscFv抗体を用いた場合でもイムノクロマト法に適用できることが示された。
実施例13 ヒト血清中のCRPの検出
上記実施例10にて作製したイムノクロマト法テストストリップを用いて、ヒト血清中のCRP測定値を測定した。各血清は検体希釈液にて1000倍希釈し被験試料とした。そして、被験試料100μLを上記テストストリップの試料添加用部材にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、捕捉部位で捕捉されたCRP蛋白と金コロイド標識抗体との被合体の捕捉量を肉眼およびイムノクロマトリーダー(大塚電子製)にて測定した。それぞれの血清検体はTIA法(日立製作所製測定機器Hitachi 7070)にて値を求めた。イムノクロマト法およびTIA法にてそれぞれ求められたCRP値について比較検討した。その結果を表7及び図7に示した。
Figure 2008058208
表7及び図7から、本発明によればTIA法との相関は相関係数0.97より有意に相関していることが示された。現行幅広く使用されているTIA法と同等の性能を有していることが示された。
実施例14 非特異反応性の確認
上記実施例10にて作製したイムノクロマト法テストストリップを用いて、Staphylococcus aureus KPB39、Staphylococcus aureus BCB1038及びStaphylococcus aureus JCM2179に対する反応性について確認した。各種菌体をPBSにマクファーランド10相当(3×10/mL相当)に懸濁させた検体を検体希釈液にて適宜希釈し被検試料とした。そして、被験試料100μLを上記テストストリップの試料添加用部材にマイクロピペットで滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、捕捉部位で捕捉された金コロイド標識抗体の捕捉量を肉眼およびイムノクロマトリーダー(大塚電子製)にて測定した。捕捉量は、その量に比較して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で、−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)の3段階に区分して判定した。Wは反応が弱いことを示す。その結果を表8に示した。
Figure 2008058208
表8から、対照のポリクローナル抗体を用いた場合、Protein A 及びStaphylococcus aureusが産生するProtein Aによる非特異反応が確認された。本発明によれば抗体のFc部分に結合するProtein Aとの反応性が無い事が示され、Protein Aによる非特異反応を抑制できることが示された。
本発明は、抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白を用いたサンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマト法テストストリップを提供するものであり、病原性ウイルスなどの抗原を簡単な方法で高感度で迅速に検出できるので、疾病の診断や病原体の検出に有用である。
従来のファージ提示法によるscFv遺伝子のクローニング方法を示す概略図である。 改良したファージ提示法によるscFv遺伝子のクローニング方法を示す概略図である。 改良したファージ提示法によるscFv遺伝子のクローニング方法を示す概略図である。 実施例7の結果を示すグラフである。 実施例7の結果を示すグラフである。 実施例11の結果を示すグラフである。 実施例13の結果を示すグラフである。 aはイムノクロマト法テストストリップの平面図、bはaで示されたイムノクロマト法テストストリップの縦断面図。
符号の説明
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
4 吸収用部材
5 試料添加用部材

Claims (17)

  1. 測定対象である抗原に対する第一の結合物と第二の結合物とを用いたサンドイッチ式免疫測定法であって、第一の結合物と第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなることを特徴とするサンドイッチ式免疫測定法。
  2. 第一の結合物と第二の結合物の少なくとも一つが、配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白である請求項1に記載の免疫測定法。
  3. 第一の結合物と第二の結合物の両者が、配列番号1の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白である請求項1に記載の免疫測定法。
  4. 前記第一の抗体および第二の抗体の何れか一方を担体に固定しておく請求項1乃至3の何れか1項に記載の免疫測定法。
  5. 測定対象である抗原に対する第一の結合物を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、前記抗原に対する第二の結合物と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれる抗原と前記第二の結合物との複合体を前記捕捉部位に捕捉させるイムノクロマトグラフィー測定法において、前記第一の結合物と前記第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法。
  6. 第一の結合物と第二の結合物の少なくとも一つが、配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白である請求項5に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  7. 第一の結合物と第二の結合物の両者が、配列番号1の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白である請求項6に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  8. 前記第二の結合物は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項5乃至7の何れか1項に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  9. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項5乃至8の何れか1項に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
  10. 測定対象である抗原に対する第一の結合物と第二の結合物と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の結合物は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の結合物は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なよう配置されてなるイムノクロマト法テストストリップにおいて、前記第一の結合物と前記第二の結合物の少なくとも一つが、該抗原に対する抗体の重鎖可変部と軽鎖可変部とを備えた組換え蛋白からなることを特徴とするイムノクロマト法テストストリップ。
  11. 第一の結合物と第二の結合物の少なくとも一つが、配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白である請求項10に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  12. 第一の結合物と第二の結合物の両者が、配列番号1の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白である請求項10に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  13. 前記第二の結合物は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項10乃至12の何れか1項に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  14. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項10乃至13の何れか1項に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  15. 配列番号1または配列番号2の重鎖可変部及び軽鎖可変部に対応するアミノ酸配列を備える組換え蛋白。
  16. 抗体遺伝子群をTベクターにライゲーションして増殖させる工程と、この増殖されたTベクターを分離する工程と、この分離されたTベクターから抗体遺伝子群を切り出してファージミドベクターにライゲーションして宿主に導入する工程とを備えることを特徴する抗体遺伝子ライブラリーの作製方法。
  17. 抗体遺伝子群をTベクターにライゲーションして増幅させる工程と、この増殖されたTベクターを制限酵素処理するとともに、予めコントロールインサートが挿入されたファージミドベクターを前記制限酵素と同様の制限酵素で処理して前記制限酵素処理されたTベクターと混合した後ライゲーションする工程と、このライゲーションに付された混合物に前記コントロールインサート及びTベクターを消化する制限酵素を作用させた後、抗体遺伝子群がライゲーションされたファージミドベクターを選択的に宿主に導入する工程とを備えることを特徴する抗体遺伝子ライブラリーの作製方法。

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