JP5914326B2 - イムノクロマトグラフィーを利用した測定方法、イムノクロマトグラフィー用テストストリップ及びイムノクロマトグラフィー用測定試薬キット - Google Patents

イムノクロマトグラフィーを利用した測定方法、イムノクロマトグラフィー用テストストリップ及びイムノクロマトグラフィー用測定試薬キット Download PDF

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Description

本発明は、試料中の測定対象物をイムノクロマトグラフィーにより測定する測定方法、試料中の測定対象物をイムノクロマトグラフィーにより測定するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、及びイムノクロマトグラフィー用テストストリップと希釈液とを含むイムノクロマトグラフィー用測定試薬キットに関する。特に、血液由来の同一試料中のヘモグロビン濃度および共存する第二の測定対象物濃度をイムノクロマトグラフィーを用いて測定し、ヘモグロビンの測定値から求めたヘマトクリット値により、第二の測定対象物の測定値を補正する技術に関する。
医療分野、医学研究分野などにおいて、血液中の特定成分(血清アルブミン、免疫グロブリン、肝炎ウイルス、リウマチ因子、C反応性蛋白質等)を測定することが必要とされ、そのために種々の測定方法が開発され、実施されている。中でも多く採用されている方法は、患者や被験者から血液を採取し、得られた血液(以下、全血という)を遠心分離し、上澄み(血清又は血漿)を得、これを適当な緩衝液により希釈し、測定対象物に対して特異的に反応する抗体を用いて血清又は血漿中の測定対象物を検出する免疫学的測定が主流になってきている。このような方法には、定性検査としてはポリクローナル抗体を用いた一元免疫拡散法による方法がある。また、定量検査としては、代表的なものに、ラテックス凝集免疫測定法や免疫比濁法などがある。
最近では、診療所や小病院においても、「患者を診察している間に種々の検査を実施したい」、というニーズが大きくなってきており、従来の外注検査から、Point of Care Testing(POCT)による検査が行われるようになってきている。このようなPOCT試薬の代表例としては、ラテラルフロー式のイムノクロマトグラフィー用テストストリップなどが挙げられる。POCT領域では、血液から血漿や血清を分離する操作が煩雑で熟練を要するため、全血を用いた検査が望まれている。イムノクロマトグラフィーを用いて、全血試料中の測定対象物を測定する方法としては、例えば血球分離膜を配置装着したテストストリップを用いた方法及び試薬ならびにキットが開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法によって分離された血漿を用いて、直接、サンドイッチ型の免疫反応を原理とするイムノクロマトグラフィーにより測定する場合において、測定対象物が過剰に存在する場合には「フック現象」( 「プロゾーン( prozone) 現象」ともいう)が起こり、試料中に高濃度の測定対象物が存在するにもかかわらず、見かけ上の低値化が起こるという問題がある。そのため、通常、所定の測定範囲になるように、全血を溶血、希釈して測定することが行われている。しかしながら、この場合、血球容積分だけ測定対象物の濃度が希釈されることになり、血清や血漿試料の場合に比べ測定値が低値化してしまうため、ヘマトクリット値(血液中に占める血球の容積の割合)を用いて測定値を補正する必要がある。なお、以下、ヘマトクリット値(血液中に占める血球の容積の割合)を用いて測定対象物の測定値を補正することを単にヘマトクリット補正ということがある。
上記の見かけ上の低値化の問題に対して、従来は、健常人における平均ヘマトクリット値より得られる補正係数を一律に乗じる補正が行われている。しかし、ヘマトクリット値は、個々人によって異なっており、その基準値は、男性で39〜52%、女性では35〜48%と幅がある。それ故、一律の係数を乗じる補正では正確な測定対象物濃度は得られない。従って、正確なヘマトクリット補正を行おうとすると、測定対象物濃度を測定した同じ試料を用いて別途測定したヘマトクリット値で補正する必要がある。
ヘマトクリット値は、従来、遠心法によるミクロヘマトクリット法か、または、自動血球計数装置を用い、赤血球数と平均赤血球容積から計算によって求められている。一方、別法として、全血の測定結果から、血清又は血漿を測定した場合の測定値へ変換する測定として、全血中のヘモグロビン濃度(g/L)を測定し、得られたヘモグロビン濃度を約3/10倍した数値をヘマトクリット値(%)として採用し、そのヘマトクリット値を用いて、全血の測定結果から血清又は血漿を測定した場合の測定値へ変換する、血液測定結果の変換方法が報告されている(特許文献2)。しかしながら、この方法でも、イムノクロマトグラフィーによる測定とは別の方法によりヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値を求めなくてはならず、煩雑で、時間とコストもかかり、POCT領域における検査ニーズを満足できるものではない。
そのため、イムノクロマトグラフィーにより測定対象物と同時にヘモグロビンを測定する方法が望まれるが、全血中のヘモグロビン濃度は通常数十g/L〜200g/Lであり、非常に高濃度に存在するため、通常のサンドイッチ型の免疫測定法を原理とする測定方法では、1万倍〜10万倍に希釈する必要がある。この方法では、1段階で希釈するためには大量の希釈液が必要になり、測定精度も悪くなる。また、多段階希釈をする方法では、POCT領域の検査方法としては実用性に乏しいという問題点がある。これらの問題を解決するためには、全血をせいぜい50倍〜400倍程度の溶血希釈操作で測定できるイムノクロマト測定が望まれる。
国際公開2010/001598号パンフレット 特開2001−272403号公報
例えば、C反応性蛋白質(以下、「CRP」ということもある)の血中濃度は、健常人で3mg/L以下、手術後や急性の細菌感染で35mg/L程度まで、重症の外傷者でも最大1000mg/L程度までである。これに対し、ヘモグロビンの血中濃度は、通常数十g/L〜200g/Lと、CRPとは約50〜67000倍の濃度差があり、免疫測定法を用いる測定対象物としては非常に高濃度である。そのため、サンドイッチ型のイムノクロマトグラフィーを原理とする測定方法では、両者を測定しようとする場合、測定対象により試料の希釈率を大きく変える必要があるため、同一試料(同一希釈倍率の試料)で測定することは非常に困難である。
免疫測定法における測定範囲を規定する最も大きな要因は、抗原と抗体との親和性(Avidity)であり、他にはそれらの結合反応に影響を与える種々の環境要因が挙げられる。この環境要因には、温度、時間、pH、イオン環境、界面活性剤、反応促進剤など特有の効果を与える薬剤の添加等が挙げられる。同一試料中のCRPとヘモグロビンの濃度を同時に測定するためには、原理的には上記の著しい濃度差を埋めるように、Avidityの異なる抗体を選別し、環境要因を適正化することによって、可能にすることができる。しかしながら、そのような抗体の組合せを調製し、環境要因を適正化することは容易なことでない。
事実、本発明者らが、サンドイッチ型のイムノクロマトグラフィーによるCRPとヘモグロビンの同時測定を検討した当初、CRP測定の際は、全血を50倍〜200倍に希釈すれば十分であったのに対し、ヘモグロビンを測定するためには、2000倍〜100,000倍の希釈が必要であった。それ故、これまでは、CRPとヘモグロビンを同一の希釈試料を用いて測定することは不可能であった。
本発明の目的は、同一試料中の測定対象物とヘモグロビンの濃度を同一の希釈試料を用いてイムノクロマトグラフィーにより測定する方法、及びヘモグロビンの測定値を用いて測定対象物の測定値をヘマトクリット補正する方法を提供することにあり、さらに、これらの方法に用いられるイムノクロマトグラフィー用テストストリップ及び試薬キットを提供することにある。
本発明者らは、イムノクロマトグラフィー用テストストリップにおいて、血液を100倍程度に希釈溶血した試料、すなわち試料中のヘモグロビン濃度が、ヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(以下、プロゾーン現象領域ということもある)においても、ヘモグロビン濃度の増加に伴い、イムノクロマトグラフィー用テストストリップの不溶性メンブレン担体上の抗ヘモグロビン抗体を固定化したラインに捕捉される金コロイド標識体の反射光強度が減少するという現象を利用してヘモグロビンの定量が可能であること、及び当該希釈試料ではCRPも測定可能であることを見い出し本発明を完成した。
尚、「イムノクロマトグラフィー用テストストリップ」とは、少なくともイムノクロマトグラフィーによる測定に必要な不溶性メンブレン担体を含み、さらに必要に応じて試薬成分や他のメンブレン等を含むものをいう。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)第一の測定対象物を少なくとも含有する試料を、以下の工程Aを有するイムノクロマトグラフィーにより測定する測定方法において、試料中の第一の測定対象物濃度を、第一の測定対象物の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)で測定することを特徴とする測定方法。
A.以下の1)及び2)を用いる競合イムノクロマトグラフィーにより、試料中の第一の測定対象物を測定する工程。
1)第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
2)第一の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第一の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
(2)上記(1)記載の測定方法であって、工程Aは、さらに以下の3)及び4)を用いるものであって、かつ、1)のコンジュゲートは、パッドに含有されてコンジュゲートパッドとされ、2)の不溶性メンブレン担体の上流側に配置されている測定方法。
3)コンジュゲートパッドの上流側に位置し、試料が供給されるサンプルパッド、
4)2)の不溶性メンブレン担体の下流側に位置する吸収パッド。
(3)第一の測定対象物がヘモグロビンであり、試料は、血液をヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)に希釈され、かつ溶血されたものである、上記(1)または(2)記載の測定方法。
(4)第一の測定対象物であるヘモグロビン及び第二の測定対象物を少なくとも含有する試料を、以下の工程A〜Dを有するイムノクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする測定方法。
A.以下の1)及び2)を用いる競合イムノクロマトグラフィーにより、試料中の第一の測定対象物を測定する工程。
1)第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
2)第一の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第一の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
B.以下の5)及び6)を用いるイムノクロマトグラフィーにより、試料中の第二の測定対象物を測定する工程。
5)第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
6)第二の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第二の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
C.工程Aで得られた第一の測定対象物の測定値より試料のヘマトクリット値を求める工程。
D.工程Bで得られた第二の測定対象物の測定値を、工程Cで得られたヘマトクリット値を用いて補正する工程。
(5)工程A及び工程Bは、同一の不溶性メンブレン担体を用いた工程である上記(4)に記載の測定方法。
(6)工程A及び工程Bは、同一の流路内で行われる、上記(5)に記載の測定方法。
(7)第二の測定対象物がCRPである、上記(4)から(6)のいずれかに記載の測定方法。
(8)第一の測定対象物及び第二の測定対象物を少なくとも含有する試料をイムノクロマトグラフィーにより測定するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、以下のE及びFを含むイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
E.以下の1)及び2)を含む第一の測定対象物測定用テストストリップ。
1)第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
2)第一の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第一の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
F.以下の5)及び6)を含む第二の測定対象物測定用テストストリップ。
5)第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
6)第二の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第二の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
(9)Eの1)及びFの5)のコンジュゲートは同一のパッドに含有されてコンジュゲートパッドとされており、かつ、Eの2)及びFの5)の不溶性メンブレン担体は同一の不溶性メンブレン担体である、上記(8)に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
(10)E及びFは、同一の流路内に配置されている、上記(9)に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
(11)さらに以下のG及びHを含み、かつ、Eの1)及びFの5)のコンジュゲートはパッドに含有されてコンジュゲートパッドとされ、Eの2)及びFの6)の不溶性メンブレン担体の上流側に配置されている、上記(8)から(10)のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
G.コンジュゲートパッドの上流側に位置し、試料が供給されるサンプルパッド、
H.Eの2)及びFの6)の不溶性メンブレン担体の下流側に位置する吸収パッド。
(12)第一の測定対象物がヘモグロビンである、上記(8)から(11)のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
(13)第二の測定対象物がCRPである、上記(12)に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
(14)上記(12)または(13)に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップと、ヘモグロビンを溶血し希釈するための希釈液とを含む、イムノクロマトグラフィー用測定試薬キット。
(15)第一の測定対象物及び第二の測定対象物を少なくとも含有する試料を、以下の工程A及びBを有するイムノクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする測定方法。
A.以下の1)及び2)を用いる競合イムノクロマトグラフィーにより、試料中の第一の測定対象物を測定する工程。
1)第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
2)第一の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第一の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
B.以下の5)及び6)を用いるイムノクロマトグラフィーにより、試料中の第二の測定対象物を測定する工程。
5)第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、
6)第二の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第二の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体。
(16)第二の測定対象物がCRPである、上記(15)に記載の測定方法。
尚、従来、定量には不向きと考えられていたプロゾーン現象領域での測定が可能である理由として、本発明者らは、恐らく、100倍程度に希釈溶血した血液試料では、ヘモグロビン濃度が高すぎるため、抗ヘモグロビン抗体固定化金コロイド(コンジュゲート)に結合しきれない遊離ヘモグロビンが生じ、この遊離ヘモグロビンと、抗ヘモグロビン抗体固定化金コロイド−ヘモグロビン複合体とが、不溶性メンブレン担体上に固定化された抗ヘモグロビン抗体と結合する際に競合することによって、前記のような現象が起こるものと推測した。
本発明により、高濃度の測定対象物を含有する試料であっても、該測定対象物の濃度を、当該測定対象物の測定系において最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)で測定することで、試料の希釈に要する手間とコストを大幅に削減できる。
また、本発明を血液中のヘモグロビンの測定に適用することにより、同一試料中の測定対象物とヘモグロビンの濃度を同じイムノクロマトグラフィーにより測定し、そのヘモグロビンの測定値から、測定対象物の測定値をヘマトクリット補正できるイムノクロマトグラフィー用テストストリップ及びイムノクロマトグラフィー用測定試薬キットを提供することができるため、従来よりも簡単な操作で、短時間に測定対象物の正確な血中濃度測定が可能になり、POCT検査領域における社会ニーズにも応えることができる。
イムノクロマトグラフィー用テストストリップの模式構造図である。 実施例1のヘモグロビン測定の結果である。 実施例1のCRP測定におけるキャリブレーションカーブである。 実施例1のヘモグロビン測定ラインの反射光強度とヘマトクリット値との関係を表した図である。 実施例1の、ヘマトクリット補正をしない場合の本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを用いて得られたCRP濃度と、市販のCRP測定キット(積水メディカル社製、「ナノピアCRP」)を用いて得られたCRP濃度との相関性を表した図である。 実施例1の、ヘマトクリット補正をして得られたCRP濃度と、市販のCRP測定キット(積水メディカル社製、「ナノピアCRP」)を用いて得られたCRP濃度との相関性を表した図である。 実施例1のイムノクロマトグラフィー用テストストリップで得られたCRP濃度を、平均ヘマトクリット値を44%として一律補正をした場合のCRP濃度と、市販のCRP測定キット(積水メディカル社製、「ナノピアCRP」)を用いて得られたCRP濃度との相関性を表した図である。 実施例2のヘモグロビン測定ラインの反射光強度とヘマトクリット値との関係を表した図である。 実施例2のCRP測定におけるキャリブレーションカーブである。 実施例2のHCT補正をしない場合の市販CRP測定キット(ナノピアCRP)と本法との相関性を表した図である。 実施例2のHCT補正をした場合の市販CRP測定キット(ナノピアCRP)と本法との相関性を表した図である。 Hb測定に対するメンブレンのCapillary flow timeの影響を表した図である。
本発明の実施態様の一つであるヘマトクリット補正を行う測定方法に関し、第二の測定対象物がCRPである場合の測定方法を例に詳述する。この場合、第一の測定対象物はヘモグロビンであり、第二の測定対象物はCRPである。
本発明の測定方法によりCRPを測定する場合、血液を溶血させると同時に、イムノクロマトグラフィーを原理とする免疫測定法によって、CRP及びヘモグロビンを同時測定可能なように、所望の濃度に希釈し、試料とする。
本発明の測定方法における試料中のヘモグロビン濃度は、ヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)である必要がある。換言すれば、試料中のヘモグロビンの濃度は、ヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)に入るように設定される必要がある。具体的には、試料を、希釈する倍率を適宜変更することにより、ヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上の範囲に含まれるように希釈する。その結果、試料中のヘモグロビン濃度は、ヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上となり、ヘモグロビン濃度に反比例して検出強度が減少する度合いからヘモグロビン濃度が求められることになる。このようなヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度は、あらかじめ予備試験により求めることができる。あるいは、試料の種類(患者の特性など)から予測されるヘモグロビン濃度と過去の予備試験結果によりあらかじめ予測することもできる。具体的には、血液を50倍〜200倍に希釈し溶血した試料を用いて、同一試料内のCRPとヘモグロビンを、イムノクロマトグラフィーにより同時測定することが可能になった。望ましくは希釈率を100倍にすると、CRPの測定範囲が0.2-20mg/mLとなり好適である。
本発明の測定方法によりCRPを測定する場合、上記血液を希釈し、溶血した試料をイムノクロマトグラフィー用テストストリップのサンプルパッドに滴下し、ヘモグロビンに対する抗体である抗ヘモグロビン抗体(ヘモグロビンに対する第二の抗体)が不溶性メンブレン担体に固定化された測定部位(以下、「ヘモグロビン測定ライン」ともいう。)でヘモグロビン濃度を測定し、その測定値から試料に用いた血液のヘマトクリット値を求める工程を含む。具体的には、ヘモグロビンに対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、ヘモグロビンに対する第二の抗体(ここで、ヘモグロビンに対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ、若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体を用いてヘモグロビン濃度を測定する。ヘモグロビン濃度の測定は、ヘモグロビンに対する第二の抗体が固定化された、不溶性メンブレン担体上のヘモグロビン測定ラインにおけるシグナル変化量をそのまま測定値として求めるものであってもよいし、そのシグナル変化量から算出されるヘモグロビン濃度であってもよい。ここで、本発明の測定方法によれば、試料中のヘモグロビンの濃度は、ヘモグロビン測定の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)で測定されるものであるから、ヘモグロビン濃度に反比例して吸光度または反射光強度が減少する度合いから求められることになる。
また、測定されたヘモグロビンのシグナル変化量または濃度値からヘマトクリット値を求める方法は、これらと遠心法などの公定法によるヘマトクリット値との相関関係式から算出することができる。
また、上記イムノクロマトグラフィー用テストストリップは、ヘモグロビンを単独で測定するためのものであってもよいが、CRPとヘモグロビンとの同時測定が可能なように作製された単一のイムノクロマトグラフィー用テストストリップであればさらに望ましい。望ましい様態としては、本発明の上記(9)又は(10)に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップである。
本発明の測定方法によりCRPを測定する場合、上記血液を希釈し、溶血した試料をイムノクロマトグラフィー用テストストリップのサンプルパッドに滴下し、CRPに対する抗体である抗CRP抗体(CRPに対する第二の抗体)が不溶性メンブレン担体に固定化された測定部位(以下、「CRP測定ライン」ともいう。)でCRP濃度を測定する工程を含む。具体的には、CRPに対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート、CRPに対する第二の抗体(ここで、CRPに対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ、若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体を用いてCRP濃度を測定する。CRP濃度の測定は、CRPに対する第二の抗体が固定化された、不溶性メンブレン担体上のCRP測定ラインにおけるシグナル変化量をそのまま測定値として求めるものであってもよいし、そのシグナル変化量から算出されるCRP濃度であってもよい。
イムノクロマトグラフィー用テストストリップのサンプルパッド上への試料の滴下は、通常臨床検査領域で用いられるように一定量の試料を滴下できる方法であればいずれの方法によってもよく、例えば定量ピペットや一定量の液滴を滴下できるスポイトであってもよい。また、マニュアルで滴下しても良く、オート操作できる装置を用いてもよい。
標識体に由来するシグナルを測定する方法としては、公知の方法に従って行えばよく、例えば標識体が金コロイドの場合は、吸光度あるいは反射光強度を測定すればよい。この吸光度もしくは反射光強度の変化量を既知濃度の試料の検量線に外挿して、CRPとヘモグロビンの濃度を同時に算出できる。
本発明の測定方法によりCRPを測定する場合、CRP測定ラインで測定されたCRP濃度を、テストストリップのヘモグロビン測定ラインで測定されたヘモグロビンの値から算出されたヘマトクリット値で補正する工程を含む。ヘマトクリット補正によりCRPを算出する方法は、通常別の方法で求められたヘマトクリット値で補正する場合と同様、下記のように算出される。
このヘモグロビン濃度に反比例して反射光強度が減少する度合いからヘモグロビン濃度を測定する方法を利用すると、50倍〜400倍に溶血、希釈した試料でヘモグロビンを測定することができるため、共存する第二の測定対象物が50倍〜400倍の希釈で測定できれば、同一試料を用いて、ヘモグロビン及び第二の測定対象物のイムノクロマトグラフィーによる測定が可能である。
ヘマトクリット補正を適用できる「第二の測定対象物」とは、血液(全血)に含まれる成分であって、ヘマトクリット補正をしないと正確な測定値が得られない物質を指す。例えば、C反応性蛋白質(CRP)、IgA、IgG、IgMなどの炎症関係マーカー; Dダイマーなどのフィブリン分解産物、可溶性フィブリン、TAT(トロンビン−アンチトロンビン複合体)、PIC(プラスミン−プラスミンインヒビター複合体)などの凝固・線溶マーカー;酸化LDL、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)などの循環関連マーカー;アディポネクチンなどの代謝関連マーカー; CEA(癌胎児性抗原)、AFP(α-フェトプロテイン)、CA19-9、CA125、PSA(前立腺特異抗原)などの腫瘍マーカー; HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)などの感染症関連マーカー;アレルゲン特異IgE(免疫グロブリンE);ホルモン;薬物等が例示される。
次に、本発明のヘマトクリット補正の機構を有するイムノクロマトグラフィー用テストストリップ及び測定試薬キットについて詳述する。
(抗体)
本発明に用いられる測定対象物に対する抗体は、測定対象物に対して、特異的に反応する抗体であればよく、それらを作製する方法によって何ら限定されるものではなく、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。例えば、測定対象物がヒトCRPまたはヒトヘモグロビンの場合には、抗ヒトCRP抗体または抗ヒトヘモグロビン抗体は、それぞれヒトCRPまたはヒトヘモグロビンに対して特異的に反応する抗体であればよく、それらを作製する方法によって何ら限定されるものではなく、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。一般的に当該抗体を産生するハイブリドーマは、KohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975年)参照)に準じ、ヒトCRPまたはヒトヘモグロビンで免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを細胞融合して作製することができる。
ここで、用いられる抗体がモノクローナル抗体の場合、標識体に固定化される抗体(第一の抗体)と不溶性メンブレン担体に固定化される抗体(第二の抗体)との関係は、第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるものが用いられ、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ抗体であってもよいし、第一の抗体と第二の抗体が同じ抗体であってもよい。100倍程度に希釈し、溶血した血液を試料とするときには、CRP濃度が2〜20mg/Lで測定が可能な抗体の組合せが望ましい。例えば、CRPに対する抗体の組み合わせとしては、標識体に固定化される第一の抗体として受託番号FERM BP-11344のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を用い、不溶性メンブレン担体に固定化される第二の抗体として受託番号FERM BP-11345のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を用いることが望ましい。あるいは、本発明者らがヒトCRP等を抗原として、後述する試験方法により作製した2つのハイブリドーマより得られる抗ヒトCRPモノクローナル抗体#08210及び#08209の組み合わせを用いることが望ましい。
また、ヘモグロビンに対する抗体の組合わせとしては、例えば本願発明者らがヒトヘモグロビンをマウスに免疫して作製した2つのハイブリドーマより得られる抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体#69202及び#69209の組み合わせの他、市販の抗ヘモグロビン抗体の中から適宜適当な組み合わせを選択してもよい。
(サンプルパッド)
本発明において、「サンプルパッド」とは、試料が供給される部位であり、パッドに成型された状態で液体の試料を吸収し、試料中の液体成分と測定対象物とが通り抜けることができるどんな物質及び形態をも含む。サンプルパッドに適した材料の具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。該サンプルパッドには、後述するコンジュゲートパッドの機能を併せ持たせることも出来る。また、サンプルパッドには、抗体が固定化された不溶性メンブレン担体における非特異的反応(吸着)を防止・抑制する目的で、通常使用されるブロッキング試薬を含ませることができる。該ブロッキング試薬としては、例えばNEO PROTEIN SAVERセリシン、イムノブロックTM、Applie Block、SEA BLOCKTM/EIA/WB、Blocking One、BSA、Blocking Peptide Fragment、Starting BlockTM(PBS)Blocking Buffer、Smart BlockTM、HeteroBlock、等から、反応系に影響のないものを適宜選択可能である。
(標識体)
標識体としては、通常、イムノクロマトグラフィーにおける抗体の固定化担体として知られる公知の材料を用いることができる。例えば、金コロイド粒子、白金コロイド粒子、カラーラテックス粒子、磁性粒子などが好ましく、特に金コロイド粒子が好ましい。
金コロイド粒子の粒径はムノクロマトグラフィー用テストストリップの感度に大きく影響することが知られているが、本発明で用いられる金コロイド粒子の粒径としては20〜60nmが好ましく、特に30〜45nmが好ましい。金コロイド粒子は一般に知られている方法、例えば、加熱したテトラクロロ金(III)酸水溶液にクエン酸三ナトリウム水溶液を滴下攪拌することによって製造することができる。
以下、金コロイド粒子を用いた場合について詳述する。
(コンジュゲート)
本明細書では、標識体に、抗CRP抗体、抗ヘモグロビン抗体、コントロール用抗体等の抗体が固定化されたものを「コンジュゲート」という。
(標識体への抗体の感作)
測定対象物に対する第一の抗体の金コロイド粒子への固定化、例えばCRPまたはヘモグロビンに対する第一の抗体の金コロイド粒子への固定化は、通常、物理吸着によって行う。物理吸着による固定化は緩衝液からなる系で行われるが、この際、抗体濃度は1μg/mL〜5μg/mLに調製されるのが好ましく、緩衝液及びpHは、2mmol/Lリン酸緩衝液(pH6〜7)または2mmol/Lホウ酸緩衝液(pH8〜9)が好ましく、さらに好ましくは2mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)である。また、金コロイド粒子上の抗体が結合していない領域は、ウシ血清アルブミン(BSA)などを結合させブロッキングするのが好適である。このようにして作製された、第一の抗体が金コロイド粒子などの標識体に固定化されたコンジュゲートは、変性を阻止するための保存試薬中に分散され保存される。この変性阻止剤としては、ウシ血清アルブミン(BSA)などのタンパク質、グリセリン、糖などが用いられる。
(検出試薬)
本発明において、「検出試薬」とは、少なくともコンジュゲートを含有する溶液である。
検出試薬は、コンジュゲートを安定な状態に保ち、試料と混合されたときにコンジュゲートに固定化された抗体が、測定対象物であるCRP、ヘモグロビン等と特異的に反応するのを促進する、あるいはコンジュゲートを迅速かつ効果的に溶解、流動化する目的で、例えば1種類以上の安定化剤、溶解補助剤等を含み得る。該安定化剤、溶解補助剤等としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、スクロース、カゼイン、アミノ酸類などをあげることができる。
また、検出試薬は、検出感度の向上を目的とし必要に応じて、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等の公知の増感剤を含み得る。
更に検出試薬は、Ca2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなども含み得る。
なお、本明細書において、「検出」又は「測定」という用語は、測定対象物、例えばCRPまたはヘモグロビンの存在の証明及び/又は定量などを含めて最も広義に解釈する必要があり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
(コンジュゲートパッド)
本発明において、「コンジュゲートパッド」とは、上記の測定対象物と特異的に反応するコンジュゲートを含有する検出試薬、例えばCRPまたはヘモグロビンと特異的に反応する抗体が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有する検出試薬を内在し、試料が該コンジュゲートパッドを通過する際、検出試薬中のコンジュゲートと、CRPやヘモグロビンなどの測定対象物とが複合体を形成する機能を有する部位をいう。該コンジュゲートパッドは、それ単独で後述する不溶性メンブレン担体に接するように配置されていてもよいし、あるいは、前記サンプルパッドと接触して配置され、毛細管流によってサンプルパッドを通過した試料を受入れ、引き続き該試料を毛細管流によって前記サンプルパッドとは異なる面で接触する別のパッド(以後、「3rd Pad」と記す。)に移送するように配置してもよい。なお、コンジュゲートパッドの一種以上の部位の選択や、選択された部位を、不溶性メンブレン担体、サンプルパッド、3rd Pad等にどのように配置するかは、適宜に変更可能である。
該コンジュゲートパッドに適した材料として、紙、セルロース混合物、ニトロセルロース、ポリエステル、アクリロニトリルコポリマー、ガラス繊維(グラスファイバー)、レーヨン等からなる不織繊維が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製の不織布からなるパッドが用いられる。
該コンジュゲートパッドには、アッセイの信頼性を担保するための「コントロール試薬」、例えば、標識体で標識された測定試料成分と反応しない抗体や標識体で標識されたKLH(スカシ貝ヘモシアニン)などの高抗原性タンパク質などを含み得る。これらのコントロール試薬は、試料中に存在する可能性が考えられない成分(物質)であり、適宜に選択可能である。また、該コンジュゲートパッドは、検出試薬を安定な状態に保ち、コンジュゲートが試料と接した際に、CRPやヘモグロビンなどの測定対象物と特異的に反応するのを促進あるいは迅速かつ効果的に溶解、流動化する目的で、例えば1種類以上の安定化剤、溶解補助剤等を含み得る。該安定化剤、溶解補助剤等としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、スクロース、カゼイン、アミノ酸類などをあげることができる。特に、抗CRP抗体では、Ca2+イオン存在下と非存在下において反応性が大きく異なる場合があり、反応性を制御する目的でコンジュゲートパッドには、適宜Ca2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなどを含有させても良いし、反対にCa2+イオンを添加する目的でCaCl2などのカルシウム塩類を添加しても良い。
(3rd Pad)
本発明において、3rd Padは、試料や検出試薬中に存在する成分のうち、測定対象物(例えばCRPまたはヘモグロビン)の測定に不要な成分を除去し、測定に必要な成分が不溶性メンブレン担体をスムーズに展開できるようにすることを目的として配置させることができる。例えば、溶血させた血液試料中に存在する血球や不溶性の血球破砕物などは、CRPまたはヘモグロビンの測定に不要な成分として除去することが望ましい。また、この3rd Padには、抗原抗体反応により生成する凝集体のうち、不溶性メンブレン担体に移動し、スムーズに展開できない位に大きくなった凝集体をあらかじめ除去するという付加的な効果を併せ持たせることも可能である。3rd Padとしては、試料中の液体成分と測定対象物とが通り抜けることができるどんな物質及び形態をも含む。例えば、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等からなるパッドが挙げられるが、これらに限定されない。好適には血球分離膜やそれに類する膜が用いられる。
(不溶性メンブレン担体)
本発明において、不溶性メンブレン担体(以下、単にメンブレンと記載することがある)としては、従来公知のものが使用でき、また、任意の材質のものが使用できる。メンブレンの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン類、ガラス、セルロースやセルロース誘導体などの多糖類あるいはセラミックス等が挙げられるがこれらに限定されない。具体的には、ミリポア社、東洋濾紙社、ワットマン社などより販売されているガラス繊維ろ紙やセルロースろ紙などをあげることができる。
不溶性メンブレン担体には、測定対象物を測定する部位(測定ライン)に測定対象物に対する第二の抗体が固定化される。
また、不溶性メンブレン担体の孔径、構造等を適宜選択することにより、金コロイド粒子などの標識体に第一の抗体(例えば抗CRP抗体)が固定化されたコンジュゲートと、測定対象物(例えばCRP)との免疫複合体が、メンブレン中を流れる速度を制御することが可能である。免疫複合体がメンブレン中を流れる速度の制御により、メンブレンに固定化された測定対象物に対する第二の抗体に結合する標識抗体量を調節することができるため、メンブレンの孔径や構造は、本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップのほかの構成材料との組み合わせを考慮して最適化することが望ましい。特に、測定対象物が、ヘモグロビンのような試料中に高濃度で存在する第一の測定対象物である場合、コンジュゲートに結合しなかったヘモグロビンと、ヘモグロビンとコンジュゲートとの免疫複合体との競合反応を利用してヘモグロビンを測定するが、このヘモグロビン測定におけるCapillary flow timeは、後述の実施例のように、30秒/cm〜60秒/cmが好ましい。好適には、Millipore社のHiFlow Plus SHF180等が用いられる。
(抗体の不溶性メンブレン担体への固定化)
上記不溶性メンブレン担体に測定対象物(例えばCRPまたはヘモグロビン)に対する第二の抗体を固定化する方法は、公知の方法で実施することができる。例えば、イムノクロマトグラフィー用テストストリップがフロースルー式の場合、第二の抗体を所定の濃度の液に調製し、その液を一定量、点あるいは+など特定のシンボル状に、不溶性メンブレン担体に塗布する。イムノクロマトグラフィー用テストストリップがラテラルフロー式の場合には、第二の抗体を所定の濃度の液に調製し、ノズルから一定の速度で吐出しながら水平方向に移動させることのできる機構を有する装置などを用いて、その液をライン状に不溶性メンブレン担体に塗布することにより行われる。この際、第二の抗体の液中の濃度は0.1mg/mL〜5mg/mLが好ましく、0.5mg/mL〜2mg/mLがさらに好適である。また、第二の抗体の不溶性メンブレン担体の固定化量は、イムノクロマトグラフィー用テストストリップがフロースルー式の場合には不溶性メンブレン担体に滴下する液量を調節することによって最適化でき、イムノクロマトグラフィー用テストストリップがラテラルフロー式の場合には上記の装置のノズルからの液の吐出速度を調節することによって最適化できる。特に、ラテラルフロー式の場合、0.5μL/cm〜2μL/cmが好適である。なお、本発明において、「フロースルー式」という場合は、試料等が不溶性メンブレン担体に対して垂直に通過するように展開する方式を指し、「ラテラルフロー式」という場合は、試料等が不溶性メンブレン担体に対して並行方向に移動するように展開する方式を指す。
また、測定対象物(例えばCRPまたはヘモグロビン)に対する第二の抗体の不溶性メンブレン担体への塗付位置については、ラテラルフロー式の場合、コンジュゲートパッドから、測定対象物や測定対象物とコンジュゲートとが結合した免疫複合体などが毛細管現象によって展開し、それぞれの第二の抗体が塗付された測定部位(測定ライン)を順に通過するように配置されれば良い。例えば、測定対象物が血液試料中のCRPとヘモグロビンの場合、抗CRP抗体の塗付されたCRP測定ラインが上流にあり、抗ヘモグロビン抗体の塗付されたヘモグロビン測定ラインはその下流に位置するように配置するのが好ましい。この際、それぞれの測定ライン間の距離は標識体のシグナル検出が可能であるように十分の距離をとることが望ましい。フロースルー式の場合にも、CRPまたはヘモグロビンに対する第二の抗体の塗付位置は標識体のシグナル検出が可能であるように配置されていれば良い。
上記の不溶性メンブレン担体へ塗付する抗体液は、通常所定の緩衝液を用いて調製することができる。その緩衝液の種類としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液など通常使用される緩衝液をあげることができる。緩衝液のpHは6.0〜9.5の範囲が好ましく、6.5〜8.5がより好ましく、7.0〜8.0がさらに好ましい。緩衝液には、さらにNaClなどの塩類、スクロースなどの安定剤や保存剤、プロクリンなどの防腐剤等を含んでもよい。塩類はNaClなどのようにイオン強度の調整のために含ませるもののほか、水酸化ナトリウムなど緩衝液のpHを調整する工程で添加するようになるものも含まれる。
不溶性メンブレン担体に第二の抗体を固定化した後、さらに、通常使用されるブロッキング剤を溶液あるいは蒸気状にして第二の抗体が固定化された部位以外を被覆し、ブロッキングを行うこともできる。本明細書では、上記のように抗体が固定化された不溶性メンブレン担体を「抗体固定化メンブレン」ということがある。
(吸収パッド)
本発明において、吸収パッドとは、不溶性メンブレン担体を移動・通過した試料を吸収することにより、試料の展開を制御する、液体吸収性を有する部位である。ラテラルフロー式においては、イムノクロマトグラフィー用テストストリップの最下流に設ければよく、フロースルー式においては、例えば抗体固定化メンブレンの下部に設ければよい。該吸収パッドとしては、例えば、ろ紙を用いることができるが、これに限定されない。好適には、Whatman社の740-E等が用いられる。
(イムノクロマトグラフィー用テストストリップ)
本発明において、「イムノクロマトグラフィー用テストストリップ」(以下、「テストストリップ」ともいう。)とは、少なくとも抗体を固定化した不溶性メンブレン担体を含むものであればよく、さらに必要に応じて試薬成分を含むものや、他のメンブレン等が適宜に配置装着されたものであればよい。他のメンブレンとしてはサンプルパッド、コンジュゲートパッド、吸収パッド等が挙げられる。該テストストリップは、通常、プラスチック製粘着シートのような固相支持体上に配列させる。該固相支持体を、試料の毛細管流を妨げない物質で構成することはもとより、接着剤の成分は、試料の毛細管流を妨げない物質とする。なお、抗体固定化メンブレンの機械的強度を上げ且つアッセイ中の水分の蒸発(乾燥)を防ぐ目的でポリエステルフィルムなどをラミネート加工することも可能である。該テストストリップは、テストストリップの大きさや、試料の添加方法・位置、抗体固定化メンブレンにおける抗体の固定化位置、シグナルの検出方法などを考慮した適当な容器(ハウジング)に格納・搭載して使用することができ、このように格納・搭載された状態を「デバイス」という。
(同一のテストストリップ)
ヘモグロビンなどの第一の測定対象物を測定するためのテストストリップと、CRPなどの第二の測定対象物を測定するためのテストストリップは、同一のテストストリップであっても、異なる別のテストストリップであってもよい。すなわち、同一のテストストリップの場合、該テストストリップは、上述したように、第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート及び第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有させた同一のコンジュゲートパッド、および、第一の測定対象物に対する第二の抗体及び第二の測定対象物に対する第二の抗体を固定化させた同一の不溶性メンブレン担体から構成されることになる。しかし、異なる別のテストストリップを用いる場合、第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有させたコンジュゲートパッドと、第一の測定対象物に対する第二の抗体を固定化させた不溶性メンブレン担体とから構成される第一の測定対象物測定用のテストストリップと、第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲートを含有させたコンジュゲートパッドと、第二の測定対象物に対する第二の抗体を固定化させた不溶性メンブレン担体とから構成される第二の測定対象物測定用のテストストリップとを用いて、同一試料の測定を行うことになる。同一のテストストリップを用いる方が、小型化でき、簡易な測定が可能であるが、別々のテストストリップを用いる場合は、他の複数の測定対象物との組み合わせが随時可能であり、個々のテストストリップの汎用性・使用頻度が高まるものと思われる。また、テストストリップは別々であっても、同じハウジングに入れて1つのデバイスとすることはもちろん可能である。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、C反応性蛋白質(CRP)の測定に好適に用いられる。(以下、「CRP測定用イムノクロマトグラフィー用テストストリップ」ともいう。)CRP測定用イムノクロマトグラフィー用テストストリップは、少なくとも抗CRPモノクローナル抗体及び抗ヘモグロビン抗体を固定化したメンブレン、並びに抗CRPモノクローナル抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート及び抗ヘモグロビン抗体が標識体に固定化されたコンジュゲートを含むものであればよく、その他に測定条件、試料に応じて他の試薬や構成を含む場合がある。
本明細書において、「不溶性メンブレン担体」を「固相」、抗原や抗体を不溶性メンブレン担体に物理的あるいは化学的に担持させることあるいは担持させた状態を「固定」、「固定化」、「固相化」、「感作」、「吸着」と表現することがある。
(試料)
本発明の測定方法における測定対象となる「試料」は、血液(全血もしくはその溶血液)である。
(希釈液)
本発明で用いられる希釈液は、赤血球を短時間で十分に溶血させる作用を有し、ヘモグロビンやCRPなどの第二の測定対象物の測定系における抗原抗体反応を著しく阻害したり、または反対に著しく反応を促進し標識体が過凝集し毛細管現象による展開不良を起こしたり、抗原濃度に応じた抗原抗体反応のシグナル検出が不可能にならなければ、いずれの組成の希釈液を用いても良い。このような作用を有する希釈液とは、例えば、精製水、pH6.0-10.0の緩衝液が挙げられる。緩衝液としては、10mmol/L〜20mmol/Lのものが好ましく、例えば10mmol/L〜20mmol/Lリン酸緩衝液、10mmol/L〜20mmol/L Tris-HCl緩衝液、10mmol/L〜20mmol/Lグリシン-HCl緩衝液等が挙げられる。また、溶血作用を増強し、試料等のメンブレンでの展開速度を制御する目的で、これらの希釈液に界面活性剤を添加することも可能である。特に、第二の測定対象物の一例であるCRPを測定する系においては、標識体に固定化される第一の抗体として受託番号FERM BP-11344のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を用い、不溶性メンブレン担体に固定化される第二の抗体として受託番号FERM BP-11345のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を用いるときには、希釈液に一般式CH3(CH2)nOSO3Na (n=5〜10)で表されるアルキル硫酸ナトリウムを含有させることによって、測定範囲を調節することができる。好適には、ヘキシル硫酸ナトリウムやオクチル硫酸ナトリウム等を希釈液に0.05〜0.3%添加することによって、好ましい濃度反応曲線が得られるためより望ましい。この際、望ましい希釈倍率は50倍から200倍である。その他、希釈液にCa2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなどを含有させてもよい。
次に第一の測定対象物としてヘモグロビン(以下、「Hb」と表記する場合がある。)、第二の測定対象物としてCRPを測定する場合の実施例挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
1)抗CRP抗体感作コンジュゲート(抗CRPモノクローナル抗体が金コロイド粒子に固定化されたコンジュゲート)及び抗ヘモグロビン抗体感作コンジュゲート(抗ヘモグロビンモノクローナル抗体が金コロイド粒子に固定化されたコンジュゲート)の作製
抗CRPモノクローナル抗体(Clone:FERM BP-11344)と抗ヘモグロビンモノクローナル抗体(Clone:#69202)とを、それぞれ以下のような、緩衝液条件と抗体濃度に調製し、1OD/mLの金コロイド粒子(粒径40nm)溶液20mLに対し、各1mL添加し、室温で10分間撹拌した。該金コロイド粒子−各抗体混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を2mL添加し、さらに5分間撹拌後、10℃にて、10,000rpmで45分間遠心し、沈渣(抗CRP抗体感作コンジュゲート、抗ヘモグロビン抗体感作コンジュゲート)を得た。得られた各コンジュゲートに対し、Conjugate Dilution Buffer(Scripps社製)を1.2mL添加しコンジュゲートを懸濁させた。各コンジュゲートの最大吸収波長における吸光度を測定した。
i) FERM BP-11344(20μg/mL)、2mmol/Lリン酸緩衝液pH7.0
ii) #69202(80μg/mL)、2mmol/Lホウ酸緩衝液pH9.0
2)コンジュゲートパッドの作製
上記1)で作製した抗CRP抗体感作コンジュゲートを20 OD/mL、抗ヘモグロビン抗体感作コンジュゲートを10 OD/mLとなるように、1.33%カゼイン、4%スクロース溶液を含む20mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)と混合し、コンジュゲート溶液を作製した。これを、一定体積のグラスファイバー製パッド(日本ポール社、No.8964)に該パッド体積の1.2倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、30分間加温することにより乾燥させ、コンジュゲートパッドとした。また、必要に応じ、増感剤などの添加剤を添加する場合には、前記コンジュゲート溶液に必要量を添加した後、同様の操作を行えばよい。
3)抗CRP抗体及び抗ヘモグロビン抗体が固定化された不溶性メンブレン担体(抗体固定化メンブレン)の作製
抗CRPモノクローナル抗体(Clone:FERM BP-11345)及び抗ヘモグロビンモノクローナル抗体(Clone:#69209)を1mg/mLになるように、2.5%スクロースを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)として調製し、ニトロセルロースメンブレン(ミリポア社SHF180)の短辺の一端の内側の位置(CRP測定ライン)に抗CRPモノクローナル抗体を、約5mmの間隔をあけて外側(Hb測定ライン)に抗ヘモグロビンモノクローナル抗体を、イムノクロマトグラフィー用ディスペンサー「XYZ3050」(BIO DOT社)を用いて0.75μL/cmとなるよう設定し、ライン状に塗布した。ドライオーブン内で70℃、45分乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。
4)サンプルパッドの作製
24mmol/L NaCl、0.5%スクロース及び30mmol/Lエチレンジアミンテトラ酢酸を含む20mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.2)を、一定体積に切断したグラスファイバー製パッド(Lydall社)に該パッド体積の1.15倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、45分乾燥し、サンプルパッドとした。
5)テストストリップの作製
プラスチック製粘着シート(a)に、展開上流部側に抗CRP抗体(c)の塗布部(CRP測定ライン)、次いで抗ヘモグロビン抗体(d)の塗布部(Hb測定ライン)となるように配置して、上記3)で作製した抗体固定化メンブレン(b)を貼り、さらにグラスファイバー製パッドからなる3rd Pad(i)を装着した。次いで、上記2)で作製したコンジュゲートパッド(e)を配置装着し、さらにこのコンジュゲートパッドに重なるように上記4)で作製したサンプルパッド(f)を配置装着し、反対側の端には吸収パッド(g)を配置装着した。また、最後に抗体固定化メンブレンおよび吸収パッドを被覆するように上面にポリエステルフィルム(h)を配置装着しラミネート加工した。このように各構成要素を重ね合わせた構造物に切断してイムノクロマトグラフィー用テストストリップを作製した。該テストストリップは、アッセイの際、プラスチック性の専用のハウジング(サンプルパッド上部に形成されたサンプル供給窓部及び測定ライン上部に形成された検出窓部を有する、図1中図示せず)に格納・搭載し、イムノクロマトグラフィー用テストデバイスの形態にした。図1にイムノクロマトグラフィー用テストストリップの模式構造図を示した。
6)競合反応を利用した競合イムノクロマトグラフィーによるヘモグロビン測定(プロゾーン現象領域でのヘモグロビンの測定)
採血に同意の得られた健常者一名からEDTA-2Na真空採血管を用いて5mLの血液を採取した。この血液の一部を用い、ミクロヘマトクリット法にてヘマトクリット値を測定したところ、46%の値が得られ、基準値内の試料であることを確認した。上記の5)で作製したイムノクロマトグラフィー用テストデバイスを用い、前記血液試料を0.1%ヘキシル硫酸ナトリウム、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で50倍〜400倍に溶血、希釈し、それぞれ120μLをイムノクロマトグラフィー用テストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの検出窓部からHb測定ラインの反射光強度を測定した。その結果、図2のように、ヘモグロビン濃度が高くなるにつれて、イムノクロマトグラフィー用テストストリップ上の抗ヘモグロビン抗体が固定化されたHb測定ラインに捕捉される金コロイド粒子の反射光強度が低下する右肩下がりの用量反応曲線が得られた。
7)CRP測定のキャリブレーションカーブの作製
ナノピア用CRPキャリブレーターA (積水メディカル株式会社製)を0.1%ヘキシル硫酸ナトリウム、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で100倍に希釈し、その120μLを上記5)で作製したイムノクロマトグラフィー用テストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの検出窓部からCRP測定ラインの反射光強度を測定した。図3にCRP濃度1.5〜420mg/Lの範囲のキャリブレーションカーブを示した。
8)ミクロヘマトクリット法によるヘマトクリット値の測定
採血に同意の得られた健常者22例からEDTA-2Na真空採血管を用いて5mLずつ22の血液検体を採取した。各血液検体の一部をヘマトクリット毛細管(ドラモント社製、CEN02-0019)に採取し、専用パテ(HELIX社製、CRITOSEAL、A422)で毛細管の底を封入した後、毛細管をヘマトクリット遠心機(KOKUSAN社製、H-1200F)にて、室温、12000rpm、10分間遠心し、遠心機付属の計測盤を用いてヘマトクリット値を測定した。
9)本発明のイムノクロマグラフィー用テストストリップを用いたCRP及びヘマトクリット値の算出
上記5)で作製したイムノクロマトグラフィー用テストデバイスを用い、前記22例の血液検体のCRP濃度とヘモグロビン濃度を測定した。すなわち、各血液検体2μLを0.1%ヘキシル硫酸ナトリウム、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で100倍に希釈し、溶血し、その120μLをイムノクロマトグラフィー用テストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの検出窓部からCRP測定ライン及びHb測定ラインの反射光強度を測定した。CRP測定ラインの反射光強度を図3のキャリブレーションカーブに外挿してCRP濃度を求めた。また、Hb測定ラインの反射光強度と上記8)で得られたヘマトクリット値との関係式を図4に示した。この関係式を用いて、各血液検体のHb測定ラインの反射光強度からヘマトクリット値を算出した。
ヘマトクリット値(%)(算出値)
=(-0.0788)×(Hb測定ラインの反射光強度)+ 68.585
10)本発明によるヘマトクリット補正
上記9)で算出した各血液検体のCRP測定値を、上記9)で算出したヘマトクリット値により、次式にしたがい、ヘマトクリット補正した。
11)本発明のヘマトクリット補正の効果の確認
上記の22例の血液検体の血漿中のCRP濃度を、ラテックス凝集反応を測定原理とする市販キット(ナノピアCRP、積水メディカル株式会社製)を用いて測定した。このナノピアCRPの「CRP測定値」に対する、上記9)で算出されたCRP濃度「CRP測定値(HCT補正なし)」との相関性を図5に示した。また、ナノピアCRPによる「CRP測定値」に対する、上記10)で算出されたヘマトクリット補正後のCRP濃度「CRP測定値(HCT補正あり、つまり本発明)」との相関性を図6に示した。さらに、ナノピアCRPによる「CRP測定値」に対する、上記9)で算出されたCRP濃度を平均ヘマトクリット値(44%)により一律補正したCRP濃度「CRP測定値(一律補正)」との相関性を図7に示した。
ヘマトクリット補正をしない「CRP測定値(HCT補正なし)」の場合、市販CRP測定キットで測定されたCRP測定値との相関回帰式の傾きは約0.73、R2は約0.965であった(図5)のに対し、本発明のヘマトクリット補正をした「CRP測定値(HCT補正あり)」の場合は、傾きが約1.20、R2は約0.989となり、ラテックス凝集反応で測定されたCRP測定値との相関性の向上が認められた(図6)。
一方、平均ヘマトクリット値により一律補正をした「CRP測定値(一律補正)」の場合は、相関回帰式の傾きが約0.73から1.30へと大きくなったため、y切片も約-0.23から約-0.41となり、0から乖離した(図7)。
これらの結果より、同一試料中のCRPとヘモグロビンの濃度とを、本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを用いて同時に測定し、試料中のヘモグロビンの測定値とヘマトクリット値との相関関係を利用して、CRP測定値をヘマトクリット補正することによって、より正確なCRP測定が可能になることが示された。
試験例1 抗ヒトCRPモノクローナル抗体の作製方法
上記実施例1で用いた抗ヒトCRPモノクローナル抗体以外の組み合わせとして、以下に示す方法により、モノクローナル抗体を得て、これらを実施例2、3に用いた。
1)免疫用抗原の調製方法
ヒトCRP(ラジオイムノアッセイ社製)をコンプリートフロインドアジュバント(Gibco社製)と1:1で混合後、連結シリンジを用いてエマルジョンを作製し、免疫用抗原とした。また、ボランティアから採血した血液の赤血球画分の溶血液から陽イオン交換クロマトグラフィーによって精製した精製Hbを同様にコンプリートフロインドアジュバントと1:1で混合後エマルジョンを作製し免疫用抗原とした。
2)免疫及びハイブリドーマの作製方法
上記、免疫用抗原を雄のBALB/cマウスの腹腔に注入した(1匹当たり50〜100μg)。この操作(免疫)を2週間毎に2回繰り返した。免疫開始5週間後、試験採血にて高い抗体価が確認されたマウスから脾臓を摘出し、50%-PEG1450(Sigma社製)を用いて常法により細胞融合を行った。ミエローマ細胞はSP2/Oを用いた。得られた融合細胞は、脾臓細胞として2.5×106個/mLになるようにHAT、15%ウシ胎児血清及び10%のBM-Condimed H1 Hybridoma Cloning Supplement(Roche社製)を含むRPMI1640培地に懸濁し、96穴培養プレートに0.2mLずつ分注した。これを5%CO2インキュベーター中で37℃にて培養した。
3)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
細胞融合7〜10日後に培養上清を用いて、常法(「役に立つ免疫実験法」、1984年、講談社発行)に従って、抗原固相化ELISAを行い、各抗原に対し高い反応性を示したwellを陽性wellとして選別した。陽性well中の細胞は、24穴プレートにおいて継代した。
4)クローニング及びモノクローナル抗体採取
上記のスクリーニングで選択したハイブリドーマを限界希釈法にてクローニングし、それぞれのハイブリドーマを得た。次いで各ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を採取するため、2週間前にプリスタン0.5mLを腹腔内に注射しておいた8週齢の雄BALB/cマウスに、ハイブリドーマを細胞数0.4〜1.3×10個の量で腹腔内に投与した。投与後1週間目から1日おきに腹水を採取し、遠心処理して上清を得た。上清を等量の吸着用緩衝液(3mol/L NaCl、1.5 mol/L Glycine-NaOH緩衝液、pH8.5)と混和後、ろ過した。該ろ液を、吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAセファロースカラムに通し、ろ液中の抗体をカラムに吸着させた後、0.1 mol/Lクエン酸緩衝液(pH3.0)で溶出させた。該溶出液を、1mol/L Tris-HCl緩衝液(pH9.0)で中和後、PBSで透析を行い、精製抗体を採取した。上記で得られたハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体のうち、CRPとの反応性の高い2種類の抗体を#08209、#08210として以下の実施例に用いた。
[実施例2〕
1)抗CRP抗体感作コンジュゲート(抗CRPモノクローナル抗体が金コロイド粒子に固定化されたコンジュゲート)及び抗ヘモグロビン抗体感作コンジュゲート(抗ヘモグロビンモノクローナル抗体が金コロイド粒子に固定化されたコンジュゲート)の作製
抗CRPモノクローナル抗体(Clone:#08210)と抗ヘモグロビンモノクローナル抗体(Clone:#69202)とを、それぞれ以下のような、緩衝液条件と抗体濃度に調製した。CRPモノクローナル抗体(Clone:#08210)は1 OD/mLの金コロイド(粒径30nm)溶液200mLに対し抗体溶液10mLを添加し、抗ヘモグロビンモノクローナル抗体(Clone:#69202)は1 OD/mLの金コロイド(粒径40nm)溶液200mLに対し抗体溶液10mLを添加し、各々室温で10分間撹拌した。前記の金コロイド粒子−抗体混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を20mL添加し、さらに5分間撹拌後、10℃にて、10,000rpmで45分間遠心し、沈渣(抗CRP抗体感作コンジュゲート、抗ヘモグロビン抗体感作コンジュゲート)を得た。得られた各コンジュゲートに対し、Conjugate Dilution Buffer(Scripps社製)を12mL添加しコンジュゲートを懸濁させた。各コンジュゲートの最大吸収波長における吸光度を測定した。
i) #08210(20μg/mL)、2mmol/Lリン酸緩衝液pH7.0
ii) #69202(80μg/mL)、2mmol/Lホウ酸緩衝液pH9.0
2)コンジュゲートパッドの作製
上記1)で作製した抗CRP抗体感作コンジュゲートを15 OD/mL、抗ヘモグロビン抗体感作コンジュゲートを10 OD/mLとなるように、1.33%カゼイン、4%スクロース溶液を含む20mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)と混合し、コンジュゲート溶液を作製した。これを、一定体積のグラスファイバー製パッド(日本ポール社、No.8964)に該パッド体積の1.2倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、30分間加温することにより乾燥させ、コンジュゲートパッドとした。また、必要に応じ、増感剤などの添加剤を添加する場合には、前記コンジュゲート溶液に必要量を添加した後、同様の操作を行えばよい。
3)抗CRP抗体及び抗ヘモグロビン抗体が固定化された不溶性メンブレン担体(抗体固定化メンブレン)の作製
抗CRP抗体として、Clone FERM BP-11344を用いる代わりにClone #08210を用いたこと以外は、実施例1と同様に作製した。
4)サンプルパッドの作製
実施例1と同様に作製した。
5)テストストリップの作製
抗体固定化メンブレンとしてとして、実施例2における上記3)の抗体固定化メンブレンを用いた以外は、実施例1と同様に作製した。また、得られたテストストリップを、実施例1と同様にしてイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの形態にした。
6)ヘマトクリット値(HCT値)算出用キャリブレーションカーブの作製
総ヘモグロビン測定用認証実用標準物質(JCCRM 622-1)を用いて、40.4 g/L ,80.7g/L,136.7g/L,185.7g/L,273.4g/L のヘモグロビン標準液を調製し、各濃度の標準液を0.01%Tween20、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で151倍に希釈した。それぞれ120μLをイムノクロマトグラフィー用テストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの検出窓部からHb測定ラインの反射光強度を測定した。各標準液のヘモグロビン濃度(g/L)を2.9/10倍したHCT値(%)をY軸に、Hb測定ラインの反射光強度をX軸にとり、HCT値算出用キャリブレーションカーブを作製した(図8)。
7)CRP測定のキャリブレーションカーブの作製
ナノピア用CRPキャリブレーターD(積水メディカル株式会社製)の420mg/L標準品を0mg/L標準品で希釈し、0, 3, 10, 30, 60, 120, 210, 420mg/Lの希釈系列を調製した。それぞれを 0.01%Tween20、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で151倍に希釈し、その120μLをテストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの検出窓部からCRP測定ラインの反射光強度を測定した。図9にCRP濃度0〜420mg/Lの範囲のキャリブレーションカーブを示す。
8)本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを用いたCRP及びHCT値の算出
上記のイムノクロマトグラフィー用テストデバイスを用い、採血で得られた200検体の測定を実施した。すなわち、各血液10μLを0.01%Tween20、10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で150倍に希釈、溶血し、その120μLをイムノクロマトグラフィー用テストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にイムノクロマトグラフィー用テストデバイスの検出窓部からCRP測定ライン及びHb測定ラインの反射光強度を測定した。
Hb測定ラインの反射光強度を図8のキャリブレーションカーブに外挿してHCT値(%)を求め、CRP測定ラインの反射光強度を図9のキャリブレーションカーブに外挿してCRP濃度を求めた。また、次式により、HCT補正後のCRP濃度を算出した。
9)本発明のHCT補正効果の確認
上記200例の血液検体の血漿中のCRP濃度を、ラテックス凝集反応を測定原理とする市販キット(ナノピアCRP、積水メディカル株式会社製)を用いて測定した。
ナノピアCRPの「CRP測定値」に対する、本実施例の上記8)で算出された、HCT補正前のCRP濃度「CRP測定値(HCT補正なし)」との相関性を図10に示した。また、ナノピアCRPによる「CRP測定値」に対する、本実施例の上記8)で算出された、HCT補正後のCRP濃度「CRP測定値(HCT補正あり、つまり本発明)」との相関性を図11に示した。
ヘマトクリット補正をしない「CRP測定値(HTC補正なし)」の場合、市販CRP測定キットとの相関回帰式の傾きは約0.62、R2は約0.930であったのに対し、本発明のヘマトクリット補正をした「CRP測定値(HTC補正あり)」の場合は、傾きが約0.99、R2は約0.968となり、相関性の向上が認められた。
これらの結果より、本発明による同一測定試料中のCRPとヘモグロビンの濃度とをイムノクロマトグラフィー用試薬を用いて同時に測定し、試料中のヘモグロビンの測定値とヘマトクリット値との相関関係を利用して、CRP測定値をヘマトクリット補正することによって、より正確なCRP測定が可能になることが示された。
[実施例3]
実施例1の1)〜5)において、3)の抗体固定化メンブレンを作製する際、抗CRP抗体としてClone FERM BP-11345を用いる代わりにClone 08209を用い、メンブレンのCapillary flow timeを19秒/cm(SHF75),30秒/cm(SHF120, 45秒/cm(SHF180),60秒/cm(SHF240)に変化させたこと以外は同様に行って、4種類のイムノクロマトグラフィー用テストデバイスを作製した。
総ヘモグロビン測定用認証実用標準物質{JCCRM 622-1L(80.7g/L)、1mol/L(136.7g/L)、1H185.7g/L)}を、0.01%Tween20、10m mol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で151倍に希釈し、それぞれ120μLを上記の4種類のイムノクロマトグラフィー用テストデバイスのサンプル供給窓部に滴下し、イムノクロマトリーダーICA-1000(浜松ホトニクス社)を用いて、5分後にデバイスの検出窓部からHb測定ラインの反射光強度を測定した。各標準液のヘモグロビン濃度(g/L)を2.9/10倍したHCT値(%)をY軸に、Hb測定ラインの反射光強度をX軸にとり、HCT値算出用キャリブレーションカーブを作製した(図12)。
メンブレンのCapillary flow timeが小さくなり流速が速くなるにつれて、HCT値の変化に対する反射光強度変化が小さくなることが判った。Capillary flow timeが19秒/cmまで小さくなると、HCT値が変化しても反射光強度はほとんど変わらなくなった。この結果は、本発明のHb測定の原理が、抗Hb抗体とは結合していない遊離Hbと、金コロイド粒子上の抗Hb抗体に結合したHbとの競合反応に基づくことに起因していると考えられる。恐らく、流速が速くなると、遊離Hbが先にHb測定ラインに到達してしまい、Hb測定ライン上の抗Hb抗体のHb結合部位を埋め尽くしてしまうのではないかと考えられる。これらの結果から、メンブレンのCapillary flow timeは30秒/cm〜60秒/cmが好ましいことが分かった。
(a)プラスチック製粘着シート
(b)抗体固定化メンブレン
(c)抗CRP抗体
(d)抗ヘモグロビン抗体
(e)コンジュゲートパッド
(f)サンプルパッド
(g)吸収パッド
(h)ポリエステルフィルム
(i)3rd Pad
FERM BP-11344
FERM BP-11345
[寄託生物材料への言及]
(1)FERM BP-11344(#08202産生ハイブリドーマ)
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305-8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成21年11月26日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM BP-11344
(2)FERM BP-11345(#08203産生ハイブリドーマ)
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305-8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成21年11月26日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM BP-11345

Claims (10)

  1. 第一の測定対象物であるヘモグロビン及び第二の測定対象物を少なくとも含有する50倍から400倍に溶血、希釈された試料を、以下の工程A〜Dを有するイムノクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする測定方法。
    A.以下の1)及び2)を用いる競合イムノクロマトグラフィーにより、試料中の第一の測定対象物を第一の測定対象物の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)で測定する工程
    1)第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート
    2)第一の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第一の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体
    B.以下の5)及び6)を用いるイムノクロマトグラフィーにより、試料中の第二の測定対象物を測定する工程
    5)第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート
    6)第二の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第二の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体
    C.工程Aで得られた第一の測定対象物の測定値より試料のヘマトクリット値を求める工程
    D.工程Bで得られた第二の測定対象物の測定値を、工程Cで得られたヘマトクリット値を用いて補正する工程
  2. 工程Aは、さらに以下の3)及び4)を用いるものであって、かつ、1)のコンジュゲートは、パッドに含有されてコンジュゲートパッドとされ、2)の不溶性メンブレン担体の上流側に配置されている、請求項1記載の測定方法。
    3)コンジュゲートパッドの上流側に位置し、試料が供給されるサンプルパッド
    4)2)の不溶性メンブレン担体の下流側に位置する吸収パッド
  3. 工程A及び工程Bは、同一の不溶性メンブレン担体を用いた工程である請求項1または2に記載の測定方法。
  4. 工程A及び工程Bは、同一の流路内で行われる、請求項3に記載の測定方法。
  5. 第二の測定対象物がC反応性蛋白質(CRP)である、請求項1から4のいずれかに記載の測定方法。
  6. 第一の測定対象物であるヘモグロビン及び第二の測定対象物を少なくとも含有する50倍から400倍に溶血、希釈された試料をイムノクロマトグラフィーにより試料中の第一の測定対象物を第一の測定対象物の最大シグナル値が得られる濃度以上の濃度範囲(プロゾーン現象領域)で測定するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、以下のE及びFを含み、Eの2)及びFの6)の不溶性メンブレン担体は同一の不溶性メンブレン担体である、イムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
    E.以下の1)及び2)を含む第一の測定対象物測定用テストストリップ
    1)第一の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート
    2)第一の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第一の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体
    F.以下の5)及び6)を含む第二の測定対象物測定用テストストリップ
    5)第二の測定対象物に対する第一の抗体が標識体に固定化されたコンジュゲート
    6)第二の測定対象物に対する第二の抗体(ここで、第二の測定対象物に対する第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるが、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じ若しくは第一の抗体と第二の抗体が同じ場合を含む。)が固定化された不溶性メンブレン担体
  7. E及びFは、同一の流路内に配置されている、請求項6に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  8. さらに以下のG及びHを含み、かつ、Eの1)及びFの5)のコンジュゲートは、パッドに含有されてコンジュゲートパッドとされ、Eの2)及びFの6)の不溶性メンブレン担体の上流側に配置されている、請求項6又は7に記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
    G.コンジュゲートパッドの上流側に位置し、試料が供給されるサンプルパッド
    H.Eの2)及びFの6)の不溶性メンブレン担体の下流側に位置する吸収パッド
  9. 第二の測定対象物がC反応性蛋白質(CRP)である、請求項6〜8のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載のイムノクロマトグラフィー用テストストリップと、溶血し希釈するための希釈液とを含む、イムノクロマトグラフィー用測定試薬キット
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