JP2004085425A - 物質の検出試薬及び検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アフィニティークロマト法に用いる試薬において、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定された第1の検出領域、及び、検出対象物質競合物質が固定された第2の検出領域を設け、第1の検出領域及び第2の検出領域に達する展開液に、標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質が含まれるようにする。また、アフィニティークロマト法において、展開液を二つの検出領域を通して展開させ、検出領域に達する展開液に標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質を含ませるようする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液展開法を用いる物質の検出に関し、より詳しくは、半定量的な測定が可能な、物質の検出試薬(試験片)及び検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床検査などの分野において、特定の検出対象物質が被験試料中に存在するか否かを判定するための方法の一つとして免疫学的抗原抗体反応を利用した方法が広範に使用されている。例えば、妊娠により尿中に特定のホルモン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が排出されるため、これを測定することにより妊娠を判定する方法や、血液中に出現する特定の癌のマーカー蛋白質の測定による鑑別診断等がある。
【0003】
ところで免疫学的抗原抗体反応を利用した方法には、一般に、高感度で精度の高い定量法、及び、操作が簡単で短時間で結果が得られる定性法の2種類があり、必要に応じて適宜使い分けられている。主な定量法としては、標識として酵素を用いた酵素免疫測定法(以下EIAと略記する)などがあり、また主な定性法としては微粒子を用いた粒子凝集法及び凝集阻止法ならびに有色微粒子を用いた着色法が知られている。着色法のなかではフロースルー法及びイムノクロマトグラフ法(以下イムノクロマト法と略記する)が最も一般的に知られており、これらの方法を利用した診断試薬が多数市販され、臨床検査に使用されている。
【0004】
イムノクロマト法は、検出対象物質を含む試料及び反応微粒子(抗体を微粒子に結合させた複合体)が、抗体固定化部位を有する膜上をペーパークロマト法と同様の現象によって展開し、膜上の抗体固定化部位に展開流が到達したときに反応微粒子と膜上に固定化された抗体とが検出対象物質をサンドイッチ状に挟んだ複合体を形成し、このとき微粒子の色調が膜上に認められ、検出対象物質の存在が肉眼で確認できるという原理に基づいている。
【0005】
尚、ここに例示した方法は抗体により検出対象物質(目的物)をサンドイッチして検出することから、その原理をサンドイッチ法と呼ぶ。ここで微粒子に結合させる物質を、目的物に対する抗体ではなく目的物そのものにすることにより、試料中の目的物と微粒子に結合した目的物が膜上の抗体に競争して結合する方法もあり、これはその競争の原理から競合法と呼ばれている。
【0006】
サンドイッチ法と競合法にはそれぞれ一長一短があり、たとえば競合法は一般的にサンドイッチ法に比べて感度が低いため、あまり実用化の例を見ない。また、サンドイッチ法は競合法に比べれば感度は高いが、競合法には起こらないプロゾーンという現象が起きるため、結果の解釈を誤ることがある。すなわち、その原理から試料に検出対象物質が大量に含まれる場合はプロゾーンが出現し、あたかも検出対象物質が試料中に存在しないかのような結果を得るのである。そこでこの点についても検討が進められたが、プロゾーン領域を狭めることには成功したものの、結局無くすまでには至っていない。従って、試料中の検出対象物質がある範囲を超えた場合には、やはり試料中に検出対象物質が存在するにも関わらず、あたかも検出対象物質が存在しないかのような偽陰性の結果が得られることには変わりない。
【0007】
また、イムノクロマト法に基づく検出試薬は、診断試薬として広範に利用されているが、これらの診断試薬は通常いずれもある一定レベルの検出対象物質が含まれるか否かの定性目的で使用されている場合がほとんどであり、このままで定量的な判定を行うことは困難であった。
【0008】
従来の方法では、予め濃度の異なる抗体をメンブレンに塗布し、どの量の抗体と反応するかを確認することによって定量性をもたせる試みがなされている(特開平7−325085、特開平11−326326)が、この場合定量したいステップに応じて塗布する抗体量の数(ライン数又はスポット数)を必要とするため、より細かな読み取りを行いたい場合は非常に多くのライン又はスポットが必要となり、実際の小さなデバイス又はメンブレン上では限界がある。また、2種類以上の標識抗体を用意することによって出現するパターンを光学的に比較して定量性を持たせる(特開2001−083153)方法もあるが、得られる結果は定性法とそれほど変わらない。更に、通常の定性法に準じたイムノクロマトなどを行い、その色調を電子的又は光学的に測定する方法もあるが、このための専用装置が必要となるため、そもそも簡便性という性質が損なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記観点からなされたものであり、試料中に含まれる検出対象物質を正確、簡便、迅速に、かつ半定量的に測定する検出試薬及び検出方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、アフィニティークロマトグラフィーの原理を利用し、これまでのイムノクロマト法にさらに工夫を重ねることにより、半定量的に検出対象物質を測定できる方法及びキットを開発した。
【0011】
すなわち、上記に述べたとおりイムノクロマト法では、検出対象である目的物を、目的物に対する抗体と、微粒子に結合させた同抗体とでサンドイッチするサンドイッチ法のみ、または目的物と同じ物質を微粒子に結合させて目的物と競合させる競合法のみのどちらか一方を行うことが一般的である。これらは先に述べたとおり各々に欠点があり、またこれらどちらか一方を行うだけでは定性反応の域を脱することが難しい。
【0012】
そこでサンドイッチ法と競合法を同時に行わせることはそれぞれの短所を補って非常に判りやすい結果を得ることが出来ると考え、この両者を組み合わせることを発案した。
【0013】
しかしながら単純にこれらの反応を組み合わせると、微粒子に結合させるものが目的物と同じ物質及び目的物に対する抗体となり、これらが各々目的物を介して(または介さずに)膜上に存在する目的物に対する抗体と結合すれば、その結果の解釈が非常に困難となる。
【0014】
そこでまず始めに競合反応として、これまで多く行われてきたように微粒子に目的物と同じ物質を結合させたものを膜上で移動させるのではなく、微粒子には目的物に対する抗体を結合させたものを膜上で移動させ、さらに、膜上には目的物と同じ物質そのもの、及び目的物に対する抗体を別々に固定する方法を考案した。そして、この方法によって従来の方法と同様の競合反応を行わせることが出来ることを確認した。
【0015】
このようにサンドイッチ法と競合法を同時に行わせることにより、従来の競合法の欠点であった測定範囲を広げ、かつサンドイッチ法で認められる偽陰性のリスクを回避することが出来た。さらに検出される色調を組み合わせることで、特定の機械を必要とすることも無く半定量的な測定を行うことに成功した。
【0016】
以上の知見に基づき、本発明は完成された。従って、本発明は以下のものを提供する。
【0017】
(1)標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質、
前記の標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と試料とを含む展開液を展開するための展開担体、ならびに、
前記展開担体上に設けられた、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定された第1の検出領域、及び、検出対象物質競合物質が固定された第2の検出領域を含む、検出対象物質の検出試薬。
【0018】
(2)検出対象物質がアレルギー原因物質である(1)に記載の検出試薬。
【0019】
(3)検出対象物質に特異的に結合する物質が検出対象物質に対する抗体である(1)または(2)に記載の検出試薬。
【0020】
(4)検出対象物質が糖であり、該検出対象物質に特異的に結合する物質がレクチンである(1)に記載の検出試薬。
【0021】
(5)標識物質が有色微粒子である(1)〜(4)のいずれかに記載の検出試薬。
【0022】
(6)展開担体がニトロセルロース膜又はナイロン膜である(1)〜(5)のいずれかに記載の検出試薬。
【0023】
(7)第1の検出領域における検出対象物質に特異的に結合する物質の固定量、及び、第2の検出領域における検出対象物質競合物質の固定量が、検出対象物質を含む展開液が展開されたときに第1及び第2の検出領域で生じる信号の強度の組合せによって、検出対象物質の濃度を判定するのに適したものである(1)〜(6)のいずれかに記載の検出試薬。
【0024】
(8)標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と試料とを含む展開液を、展開担体上の第1の検出領域及び第2の検出領域を通して展開させ、第1及び第2の検出領域における信号に基づき物質を検出することを含む検出対象物質の検出方法であって、
第1の検出領域には検出対象物質に特異的に結合する物質が固定され、
第2の検出領域には検出対象物質競合物質が固定されている、前記検出方法。
【0025】
(9)検出対象物質がアレルギー原因物質である(8)に記載の検出方法。
【0026】
(10)検出対象物質に特異的に結合する物質が検出対象物質に対する抗体である(8)または(9)に記載の検出方法。
【0027】
(11)検出対象物質が糖であり、該検出対象物質に特異的に結合する物質がレクチンである(8)に記載の検出方法。
【0028】
(12)標識物質が有色微粒子である(8)〜(11)のいずれかに記載の検出方法。
【0029】
(13)展開担体がニトロセルロース膜又はナイロン膜である(8)〜(12)のいずれかに記載の検出方法。
【0030】
(14)検出対象物質を含む展開液が展開されたときに、検出領域で生じる信号の強度の組合せによって、検出対象物質の濃度を判定することをさらに含む(8)〜(13)のいずれかに記載の検出方法。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
<1>検出試薬
本発明の検出試薬は、(a)標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質、(b)前記(a)の物質と試料とを含む展開液を展開するための展開担体、ならびに、(c)前記(b)の展開担体上に設けられた、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定された第1の検出領域、及び、検出対象物質競合物質が固定された第2の検出領域を含む、検出対象物質の検出試薬である。
【0033】
検出対象物質は、それに特異的に結合する物質が存在するものであれば特に限定されず、蛋白質、ペプチド、糖(特に糖タンパク質の糖部分、糖脂質の糖部分等)、複合糖質などを例示することができる。本発明において「特異的に結合する」とは、生体分子が持つ親和力に基づいて結合することを意味する。このような親和力に基づく結合としては、抗原と抗体との結合、糖とレクチンとの結合、ホルモンと受容体との結合、酵素と阻害剤との結合、DNAとDNA結合蛋白質との結合などが挙げられる。従って、検出対象物質が抗原性を有する場合、検出対象物質に特異的に結合する物質としてはポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を例示することができる。また、検出対象物質が糖の場合、検出対象物質に特異的に結合する物質としてはレクチンタンパク質を例示することもできる。
【0034】
検出対象物質の例としては、アレルギー原因物質が挙げられる。アレルギー原因物質の例としては、食物アレルギーの原因物質が挙げられ、食物アレルギーの原因物質を含む食物としては卵、乳、小麦、そば、落花生を例示することができる。
【0035】
前記検出試薬は、物質間の親和力を利用したアフィニティークロマトグラフ法を応用したものである。また、検出対象物質に特異的に結合する物質がポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の場合は、イムノクロマトグラフ法と定義することができる。従って、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定された第1の検出領域、及び、検出対象物質競合物質が固定された第2の検出領域が設けられ、第1の検出領域及び第2の検出領域に達する展開液に、標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質が含まれる他は、本発明の検出試薬は、通常のアフィニティークロマトグラフ法に用いられる検出試薬と同様でよい。
【0036】
以下に、本発明の検出試薬を構成する要素及び本発明の検出試薬の使用法について詳述する。
【0037】
(1)標識
検出対象物質に特異的に結合する物質の標識は、アフィニティークロマト法において通常に用いられる方法によって行うことができる。標識に用いられる標識物質としては、通常には、微粒子が用いられる。尚、以下の記載において、微粒子により標識されかつ検出対象物質検出対象物質に特異的に結合する物質を「反応微粒子」ということがある。
【0038】
微粒子は、検出対象物質の存在を肉眼で判定するための標識であり、肉眼判定を容易にするためには有色であることが好ましい。材質としては、例えばポリスチレンラテックス等の合成高分子、ゼラチン等の天然高分子からなる均質な球状粒子、又は金コロイド等の金属コロイド粒子等、水不溶性素材が上げられる。尚、金属コロイド粒子は、その本質的な色があるため着色する必要は無い。また、無色であるものは、色素を用いて適宜着色すればよい。微粒子の粒径は、展開担体の孔径よりも小さくなければならないが、概ね0.01から5μmの範囲で使用でき、0.05から2μm程度が特に望ましい。
【0039】
(2)展開担体
本発明に用いられる展開担体は、検出対象物質と抗検出対象物質抗体との結合を介して上記微粒子を間接的に補足するためのものであり、反応性物質を固定化することが出来、更にクロマトグラフィー担体として水溶液中で微粒子を展開することが出来るものであればよい。展開担体の形状は、通常には、膜である。材質としては、有孔の三次元構造膜、例えばナイロン膜、ニトロセルロース膜等が挙げられ、合成又は天然高分子膜のいずれでもよい。また、膜の孔径は反応微粒子が目詰まりを起こさず通過できるサイズであればよいが、0.2〜8μmの範囲であることが、特に望ましい。
【0040】
(3)検出対象物質競合物質及び検出対象物質に特異的に結合する物質
本発明の検出試薬において、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定される第1の検出領域では、展開が行われたときに、検出対象物質と、固定化されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質との結合、及び、検出対象物質と、標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質との結合により、検出対象物質がサンドイッチされる。従って、本発明において、固定化されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と、標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質とは、検出対象物質における結合部位が異なる。このような結合部位が異なる、検出対象物質に特異的に結合する物質の組み合わせの選択は、当業者であれば、通常のサンドイッチ法の原理に基づき、容易に行うことができる。
【0041】
本発明の検出試薬において、検出対象物質競合物質が固定される第2の領域では、展開が行われたときに、検出対象物質に特異的に結合する物質に対して、試料中の検出対象物質と、固定化された検出対象物質競合物質が競合する。従って、本発明においては、「検出対象物質競合物質」とは、検出対象物質に特異的に結合する物質への結合に関して、検出対象物質と競合する物質であればよいものであり、検出対象物質と同じ物質そのものだけでなく、検出対象物質と競合する限り、検出対象物質の部分に相当する物質や検出対象物質に類似する物質も包含する。例えば、検出対象物質が蛋白質であれば、その蛋白質に特異的に結合する物質が結合する該蛋白質由来のペプチドも検出対象物質に包含される。
【0042】
検出対象物質競合物質及び検出対象物質に特異的に結合する物質を展開担体に固定する方法、ならびに標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質を標識物質に固定する方法は、物理吸着法、化学結合法、その他のいずれでもよい。すなわち、検出対象物質、検出対象物質に特異的に結合する物質、および標識された検出対象物質に特異的に結合する物質が、展開が行われる条件で展開担体または標識物質より脱離せず、さらに、固定化された検出対象物質競合物質と、標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質との結合、または、固定化された検出対象物質と特異的に結合する物質もしくは標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と、検出対象物質との結合を妨げないのであれば、どのような固定化手段を用いてもよい。
【0043】
尚、以下の記載において、検出対象物質競合物質及び測定対象物質に特異的に結合する物質を固定化した膜を「反応性物質固定化膜」ということがある。
【0044】
第1の検出領域における検出対象物質に特異的に結合する物質の固定量、及び、第2の検出領域における検出対象物質競合物質の固定量は、検出試薬に適用される試料に含まれ得る測定対象物質の量に応じて適宜選択される。これらの固定量は、検出対象物質を含む展開液が展開されたときに第1及び第2の検出領域で生じる信号の強度の組合せによって、検出対象物質の濃度を判定するのに適したものであることが好ましい。
【0045】
固定化部位すなわち検出領域の、展開担体上における配置及び形状は、試料と、標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質とを含む展開液が両検出領域を通過する限り特に限定されない。展開液が、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定される第1の検出領域を通過した後に、検出対象物質競合物質が固定される第2の領域を通過するように、両検出領域を配置してもよいし、逆に、第2の検出領域を通過した後に、第1の検出領域を通過するようにしてもよい。また、展開液が、第1の検出領域及び第2の検出領域を、展開液の流れに対して並列に配置し、他方の検出領域を通過しない展開液が両検出領域を通過するようにしてもよい。検出領域の形状は、製造の容易さの点からは、展開液の流れ方向に対して垂直方向の線(ライン)状とされるのが通常である。
【0046】
(4)測定試薬の任意の構成要素
標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質を含む展開液が展開されるような構成は、通常の、アフィニティークロマト法に用いられる試薬において採用されるものと同様でよい。例えば、標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質(コンジュゲート)を、展開液が展開されたときにコンジュゲートが移動するように保持する部材(コンジュゲートパッド)を設けることが挙げられる。コンジュゲートパッドは、コンジュゲートの性質に応じ適宜作製することができる。例えば、コンジュゲートが反応微粒子の場合には、以下のようにしてコンジュゲートパッドを作製できる。コロイド化学的安定性及び反応性物質の特異結合活性を保持させるため0.05〜3%(w/w)程度のウシ血清アルブミン、0.05〜10%(w/w)程度のポリエチレングリコール等の水溶性高分子、その他の安定剤及び防腐剤を含有した緩衝液に懸濁し、冷所で保管する。また使用にあたっては保管していた反応微粒子をコロイド化学的安定性を保持するために0.05〜10%(w/w)程度のポリエチレングリコールなどの水溶性高分子、0.05〜10%(w/w)程度の界面活性剤及び0.05〜10%(w/w)程度の糖類などに懸濁し、グラスファイバーなどに染み込ませ乾燥させ、短冊状にする。
【0047】
また、反応時のpHを調整するための緩衝液を含んで乾燥され、初めに測定対象物資を含む試料を吸収した時点でpHを調節するためのサンプルパッド及び展開液が検出領域を通過したあとで余分な水分を吸収するための吸収パッドなどのパッド類を設けてもよい。
【0048】
サンプルパッド及びコンジュゲートパッドの配置については、いずれを上流(展開液の流れの方向に関して上流、以下同じ)に配置してもよい。
【0049】
サンプルパッドをコンジュゲートパッドの上流に配置した場合には、サンプルパッドに適用された試料自体が展開液となって、または、試料に追加して適用した展開液が試料を含む展開液となって展開し、コンジュゲートパッドを通過することにより、試料とコンジュゲートとを含む展開液となる。サンプルパッドへの試料及び/または展開液の適用は、試料及び/または展開液のパッドへの滴下や、パッドの試料及び/または展開液への浸漬により行うことができる。
【0050】
サンプルパッドをコンジュゲートパッドの下流に配置した場合には、コンジュゲートパッドの上流に展開液適用部を設ける。この場合、サンプルパッドに試料を滴下し、展開液適用部に展開液を適用することにより、展開液がまずコンジュゲートパッドを通過し、コンジュゲートを含む展開液となり、ついでサンプルパッドを通過することにより、試料とコンジュゲートとを含む展開液となる。
【0051】
試料が液体であって微量のものでない場合には、試料自体を展開液として用いることができるので、サンプルパッドを上流に配置する方が、構成が単純となって有利である。
【0052】
サンプルパッドを試料等に浸漬する態様においては、コンジュゲートパッドが試料等に誤って浸漬され、コンジュゲートが試料等に拡散してしまうことを防ぐため、サンプルパッドの下流部からコンジュゲートパッドにかけての部分を非液体透過性の材料で覆うことが好ましい。非液体透過性材料は、試料等の浸漬が外部から目視で確認できるように透明であることが好ましい。
【0053】
展開担体の検出領域の下流には、コンジュゲート自体を捕捉する物質を固定した参照領域を設けることもできる。後述するように、試料中に含まれる検出対象物質の量に依存して、第1及び第2の検出領域のいずれにも又は一方に可視シグナルが生じないことがあるが、参照領域を設けておくことで、両検出領域のいずれにも又は一方に可視シグナルが生じないときでも反応の終了を確認することができる。
【0054】
本発明の検出試薬は、二つの検出領域を設けることの他は、従来の方法と同様にして製造することができる。例えば、検出対象物質に特異的に結合する物質及び検出対象物質競合物質をそれぞれライン状に固定した展開担体、コンジュゲートパッド、サンプルパッド、及び、吸収パッドを作製し、これらを組み合わせて台紙などの支持体に貼り付け大きな短冊とし、それを端から細く切断し、スティック状にすることにより、検出試薬を作製することができる。この場合、台紙など支持体を吸収パッドの位置よりも延長させておくことができ、この延長部分は、スティック状にしたときに検出試薬のハンドル部として用いることができる。
【0055】
(5)使用方法
上述のように、本発明の検出試薬は、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定された第1の検出領域、及び、検出対象物質競合物質が固定された第2の検出領域が設けられ、第1の検出領域及び第2の検出領域に達する展開液に、標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質が含まれる他は、本発明の検出試薬は、通常のアフィニティークロマトグラフ法に用いられる検出試薬と同様であり、従って、二つの検出領域においてシグナルを観察することの他は、その構成に応じて通常のアフィニティークロマトグラフ法に用いられる検出試薬と同様に使用できる。
【0056】
以下、展開担体(膜)上に、サンプルパッド、反応微粒子を含むコンジュゲートパッド、検出対象物質に特異的に結合する物質及び検出対象物質競合物質を固定化した部位、ならびに、吸収パッドをこの順に設けた構成を有する検出試薬を例として、使用法を説明する。
【0057】
検出試薬のサンプルパッド側を検出対象物質を含む試料に浸漬する。このとき、反応微粒子を含むコンジュゲートパッドまで浸漬しないように注意する。理由は、コンジュゲートパッドに含まれる反応微粒子が拡散してしまうことを防ぐためである。
【0058】
試料溶液が十分にサンプルパッドに染み込み、液が上昇を始めたら検出試薬を取り出し、検出試薬を静置し一定時間放置する。試料中の検出対象物質はまず初めに反応微粒子と結合し、結合しなかったものも併せて一緒に膜上を毛細管現象により移動する。ここで膜上に検出対象物質に特異的に結合する物質(以下、第一の反応性物質と略記することがある)、続いて検出対象物質(以下、第二の反応性物質と略記することがある)の順に固定化部位が配置されている場合、まず反応微粒子と結合した測定対象物質は第一の反応性物質に捕捉され可視シグナルが生じる。また測定対象物質と結合しなかった反応微粒子は第二の反応性物質に捕捉され可視シグナルが生じる。より詳細に説明すると、例えば試料中に測定対象物質が存在しない場合は、反応微粒子と測定対象物質の複合体が生じないため、第一の反応性物質の固定化部位で可視シグナルを生じず、第二の反応性物質の固定化部位のみに可視シグナルが生じる。また、試料中に適度に測定対象物質が存在する場合は、第一の反応性物質の固定化部位及び第二の反応性物質の固定化部位の両方で可視シグナルが生じる。さらに、試料中に過度に測定対象物質が存在する場合は、第一の反応性物質には反応微粒子と結合していないフリーの測定対象物質が確率的に先に結合してしまうので、第一の反応性物質の固定化部位には反応微粒子による可視シグナルが生じず、また反応微粒子はすべて測定対象物質と結合するために第二の反応性物質とも反応しないので、第二の反応性物質の固定化部位にも可視シグナルが生じない。このとき、第一の反応性物質及び第二の反応性物質の固定量を調整することにより、ある一定の濃度の試料に対して第一の反応性物質及び第二の反応性物質の固定化部位に生じる可視シグナルの濃さを調整しておけば、両固定化部位の可視シグナル比較により半定量的測定を行うことができる。例えば、第一の反応性物質及び第二の反応性物質の固定化部位の可視シグナルの濃さが同等のときは0.1mg/mlで、また可視シグナルが両方とも検出されなくなる濃度が10mg/mlであるように調製してあれば、第一の反応性物質の固定化部位の可視シグナルが第二の反応性物質の固定化部位の可視シグナルよりも薄い場合には、試料中の測定対象物質の濃度は0.1mg/ml以下であり、また第一の反応性物質の固定化部位と第二の反応性物質の固定化部位の可視シグナルが同等であれば試料中の測定対象物質の濃度は0.1mg/ml程度であり、また第一の反応性物質の固定化部位の可視シグナルが第二の反応性物質の固定化部位の可視シグナルよりも濃い場合には試料中の測定対象物質の濃度は0.1〜10mg/mlの間であり、両方の可視シグナルが検出されない場合は10mg/mlよりも濃いと判断できる。さらに、数種の既知濃度の試料により得たパターンと比較すれば、これらの間の更に細かい可視シグナルのパターンを読み取ることも可能となり、より詳細な濃度の判定を行うことができる。
【0059】
<2>検出方法
本発明の検出方法は、標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と試料とを含む展開液を、展開担体上の第1の検出領域及び第2の検出領域を通して展開させ、第1及び第2の検出領域における信号に基づき物質を検出することを含み、第1の検出領域には検出対象物質に特異的に結合する物質が固定され、第2の検出領域には検出対象物質競合物質が固定されている検出方法である。
【0060】
検出対象物質、検出対象物質に特異的に結合する物質、標識物質、展開担体等は、本発明の検出試薬に関し説明したのと同様である。
【0061】
展開液の展開は、展開液を二つの検出領域を通して展開させること、及び、検出領域に達する展開液に標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質を含ませることの他は、通常のアフィニティークロマト法と同様にして行うことができる。展開液に標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質とを含ませること、及び、展開液を二つの検出領域を通して展開させることは、上述の本発明の検出試薬を用いることにより行うことができる。
【0062】
第1及び第2の検出領域における信号は、用いる標識物質に応じた方法により測定できる。例えば、標識物質として微粒子を用いた場合には目視により測定できる。
【0063】
本発明の検出方法は、検出対象物質を含む展開液が展開されたときに、検出領域で生じる信号の強度の組合せによって、検出対象物質の濃度を判定することをさらに含んでもよい。これにより、半定量的な測定が可能になる。
【0064】
<3>アレルギー原因物質の検出試薬及び検出方法
以下、測定対象物質がアレルギー原因物質である場合を例として説明する。
【0065】
本試薬は膜と微粒子とを含み、微粒子と膜の一部には抗アレルギー原因物質抗体が固定化され、膜の別の部位にはアレルギー原因物質そのものまたは該抗アレルギー原因物質抗体が結合し得るアレルギー原因物質由来の主要ペプチドもしくはムコイドが固定化されている。
【0066】
膜、微粒子及びサンプルパッド、吸収パッドについては前記<1>と同様である。
【0067】
本発明のアレルギー原因物質測定試薬及びこれを用いた測定方法について説明する。また、アレルギー原因物質としては牛乳由来のβ−ラクトグロブリン(βLG)を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
(1)抗βLG抗体固定化微粒子を含むコンジュゲートパッド
反応性物質として抗βLG抗体を有色微粒子に固定化し、抗βLG抗体固定化微粒子懸濁液を作製する。抗βLG抗体はポリクローナル及びモノクローナルのいずれでもよく、既知の方法により作製することもできるが、また市販品を用いることも可能である。これをグラスファイバー上に適宜染み込ませ、乾燥させて抗βLG抗体固定化微粒子を含むコンジュゲートパッドとする。
【0069】
(2)反応性物質固定化膜
反応性物質として抗βLG抗体及びβLGを固定した膜を調製する。抗βLG抗体は前記抗βLG抗体固定化微粒子を含むコンジュゲートパッドと同様の方法による。またβLGも牛乳から既知の方法により精製することも出来るが、また市販品を用いることも可能である。これらをメンブレンフィルター等の膜に点着、噴霧または印刷等の手法で固定し、抗βLG抗体及びβLG固定化膜を調製する。固定する量は、最終の測定試薬の感度等により適宜調整できるが、線状に固定する場合には1cm当たり0.5〜10μgの間が、特に望ましい。
【0070】
(3)測定試薬
前記抗βLG抗体固定化微粒子を含むコンジュゲートパッド及び反応性物質固定化膜は前記<1>に記載したサンプルパッド及び吸収パッドを併せて台紙に貼り付け短冊状にしたのち、端から5mmの幅でカットすることにより測定試薬とする。
【0071】
(4)βLG測定試薬の使用法
前記βLG測定試薬を用いてβLGの測定を以下のように実施する。
前記βLG測定試薬のサンプルパッド側を測定対象物質を含む試料に浸漬する。このとき、反応微粒子を含むコンジュゲートパッドまで浸漬しないように注意する。理由は、コンジュゲートパッドに含まれる反応微粒子が拡散してしまうことを防ぐためである。
【0072】
試料溶液が上昇を始めたらスティックを取り出し、硬い実験台の上など吸収性のないものの上にスティックを静置し一定時間放置し、観察されるラインのパターンにより試料中に含まれるβLGの濃度を判定する。尚、本測定試薬で使用される検体は、βLGが含まれることが予想される液体、及び固体からの抽出液である。
【0073】
(5)反応原理
前記βLG測定試薬の使用における反応原理を以下に示す。試料中のβLGはまず初めに抗βLG抗体固定化微粒子(反応微粒子)と結合し、結合しなかったものも併せて一緒に膜上を毛細管現象により移動する。ここで膜上で試料が反応する順序として抗βLG抗体、続いてβLGの順に固定化部位が配置されている場合、まず反応微粒子と結合したβLGは固定化された抗βLG抗体に捕捉され可視シグナルが生じる。またβLGと結合しなかった反応微粒子は固定化されたβLGに捕捉され可視シグナルが生じる。より詳細に説明すると、例えば試料中にβLGが存在しない場合は反応微粒子とβLGの複合体が生じないため、抗βLG抗体固定化部位で可視シグナルが生じず、βLG固定化部位のみに可視シグナルが生じる。また、試料中に適度にβLGが存在する場合は、抗βLG抗体固定化部位及びβLG固定化部位の両方で可視シグナルが生じる。さらに、試料中に過度にβLGが存在する場合は、膜上の抗βLG抗体には反応微粒子と結合していないフリーのβLGが確率的に先に結合してしまうので、抗βLG抗体固定化部位には反応微粒子による可視シグナルが生じず、また反応微粒子はすべて試料中のβLGと予め結合するために膜上のβLGまたはβLG由来のペプチドと反応しないので、βLG固定化部位にも可視シグナルが生じない。このとき、抗βLG抗体及びβLGの固定量を調整することにより、ある一定の濃度の試料に対して抗βLG抗体及びβLGの固定化部位に生じる可視シグナルの濃さを調整しておけば、両固定化部位の可視シグナルの比較により半定量的測定を行うことができる。例えば、抗βLG抗体及びβLGの固定化部位の可視シグナルの濃さが同等のときは0.1mg/mlで、また可視シグナルが両者とも検出されなくなる濃度が10mg/mlであるように調整してあれば、抗βLG抗体固定化部位の可視シグナルがβLG固定化部位の可視シグナルよりも薄い場合には、試料中のβLGの濃度は0.1mg/ml以下であり、また抗βLG抗体固定化部位とβLG固定化部位の可視シグナルが同等であれば試料中のβLGの濃度は0.1mg/ml程度であり、また抗βLG抗体固定化部位の可視シグナルがβLG固定化部位の可視シグナルよりも濃い場合には試料中のβLGの濃度は0.1〜10mg/mlの間であり、両方の可視シグナルが検出されない場合は10mg/mlよりも濃いと判断できる。さらに、数種の既知濃度の試料により得たパターンと比較すれば、これらの間の更に細かい可視シグナルのパターンを読み取ることも可能となり、より詳細な濃度の判定を行うことができる。
【0074】
なお、上記の原理は、βLGの代わりに抗βLGが結合するβLG由来のペプチドを用いても同様であることは明らかである。
【0075】
本発明の検出試薬及び検出方法は、その場で食品に含まれるアレルギー原因物質の迅速な測定が必要な場合に特に有利である。例えば、仮に牛乳のアレルギーを持つ患者が食事後アレルギーの発作を起こし、その原因に心当たりの無い場合、摂取した食品を本測定試薬を用いて測定することで、牛乳が予期せず混入している食品をスクリーニングすることが出来る。
【0076】
本発明によるアレルギー原因物質の測定の実際を、たとえばオレンジジュースに混入した牛乳を想定して説明する。この時、摂取したオレンジジュースに上記(3)の態様の測定試薬のサンプルパッドの一部を浸漬し、液が上昇を始めたことを確認した時点で測定試薬を取り出し机の上などの固いもののうえに静置する。そこで一定時間放置することにより、可視シグナルのパターン(着色パターン)を観察することで牛乳の混入があったかどうか、またあったとすればどの程度の混入があったのかを判定する。
【0077】
このような目的に使用できる検出試薬としては、βLGの標準品を用いてその濃度による有色微粒子の着色パターンを観察すると、1mg/ml〜1ng/mlの範囲で、濃度に応じた有色微粒子による異なる着色パターンを検出することができるものが挙げられる。
【0078】
試料中に含まれるβLGの濃度を測定することが必要な場合には、試料を何段階か希釈して、そこで確認されるパターンを標準品によって確認したパターンと比較する。たとえば、通常の牛乳を試料とした場合には、10倍に希釈した牛乳を測定したときに観察された有色微粒子による着色パターンが、標準品の100μg/mlを測定した場合とほぼ同様のパターンを示し、また1,000倍に希釈した牛乳を測定した場合は、標準品の1μg/mlを測定した場合とほぼ同様のパターンを示し、さらには100,000倍に希釈した牛乳を測定した場合は、標準品の0.01μg/mlを測定した場合とほぼ同様のパターンを示す。
【0079】
試料としてたとえばオレンジジュースを用いて牛乳を希釈した場合でも、試料に含まれるβLGのおおよその濃度を確認することができる。従って、たとえば市販のオレンジジュースなどに何らかの理由で牛乳成分が含まれている場合は、本測定試薬を用いることにより、その濃度を測定することができる。
【0080】
尚、ここには例として牛乳中のβLGについて記載したが、発明はこれに限られるものではない。
【0081】
【実施例】
次に実施例を示して、本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0082】
【実施例1】測定試薬の作製
(1)抗βLG抗体
公知の方法により、抗βLGのポリクローナル抗体を作製した。すなわち市販βLG(ナカライ社製)を2mg/mlとなるようにPBSにて溶解し、フロイントの完全アジュバントと混合し、家兎に免疫した。その後、一定の期間を置いてフロイントの不完全アジュバントと混合した市販βLGを家兎に免疫し、4ヵ月後に家兎血清のβLGに対する力価が十分上昇したことを確認して採血を行った。さらに得られた抗血清を市販のプロテインAセファロースカラム(ファルマシア社製)にかけることによって、IgG画分を精製した。
【0083】
(2)反応微粒子の調製
公知の方法により、コロイド金に前記(1)で作製したIgGを物理的に吸着させることにより、反応微粒子を得た。
【0084】
(3)測定試薬の作製
A)反応性物質固定化膜の調製
上記(1)で作製したIgGおよび市販のβLG(ナカライ社製)を、各々精製水にて希釈し、IgG及びβLGについて1μg/cmとなるように、市販のニトロセルロース膜(ミリポア社製)に線着して固定した。十分に乾燥させ、のち非特異的な吸着を避けるためにブロッキングバッファー(0.05% ポリビニルピロリドン)にてブロッキングを行い、反応性物質固定化膜を得た。
【0085】
B)反応微粒子を含むコンジュゲートパッドの作製
上記(2)で作製した反応微粒子を、1%シュクロース溶液にて希釈し、グラスフィルター(ワットマン社製)に浸漬したのち、十分に乾燥させ、コンジュゲートパッドを作製した。
【0086】
C)緩衝液等を含むサンプルパッドの作製
反応をスムースに行わせるために、0.5%のTween20(和光純薬社製)を含むpH7.5となるように作製したPBSを市販の濾紙(S&S社製)に含ませ、十分に乾燥させ、サンプルパッドを作製した。
【0087】
D)測定試薬の組み立て
上記A)、B)およびC)の膜およびパッド類と、さらには膜を展開した液を吸収するための吸収パッド(ワットマン社製)を粘着性の両面テープを貼り付けたプラスチックの台紙に順序よく貼り付け、短冊とした。この短冊を端から0.5cmの幅となるようにカットして、イムノクロマト法による測定試薬とした。測定試薬の構造を図1に示す。なお、図1においては台紙は省略されている。
【0088】
【比較例1】比較試験用測定試薬(サンドイッチ法)の作製
実施例1において、βLGの線着をしなかったことの他は、実施例1と同様にして測定試薬を作製した。
【0089】
【比較例2】比較試験用測定試薬(競合法)の作製
実施例1において、IgGの線着をしなかったことの他は、実施例1と同様にして測定試薬を作製した。
【0090】
【試験例1】
実施例1の測定試薬を用い、精製された市販のβLGを標準品として測定を行った場合に、濃度に応じた異なる有色微粒子の着色パターンが得られることを確認した。
【0091】
(1)標準品
市販のβLG(ナカライ社製)を使用した。
【0092】
(2)試験方法
実施例1の測定試薬を用い、濃度1mg/ml〜1ng/mlまで10n倍ずつに希釈した標準品について測定を行った。すなわち、各試料に実施例1の測定試薬のサンプルパッドを浸漬し、試料溶液が上昇を始めたら測定試薬を取り出し、水平に静置し、10分放置した後、反応性物質固定化膜上に検出される有色微粒子による可視シグナルを観察した。
【0093】
(3)結果
本試験の結果は図2に示すとおりである。図2は、標準品の各濃度における検出試薬の着色パターンの結果である。図中、サンドイッチ反応ラインは、抗βLG抗体固定化部位、競合反応ラインは、βLG固定化部位である。
【0094】
標準品を用いて、各濃度による有色微粒子の着色パターンを観察した結果、1mg/ml〜1ng/mlの範囲で、濃度に応じた有色微粒子による異なる着色パターンを検出することができた。
【0095】
【試験例2】
実施例1の測定試薬、比較例1の測定試薬(サンドイッチ法)及び比較例2の測定試薬(競合法)を用いて、検出結果(着色パターン)の比較を行った。
【0096】
(1)標準品
市販のβLG(ナカライ社製)を使用した。
【0097】
(2)試験方法
濃度1mg/ml〜1ng/mlまで10n倍ずつに希釈した標準品について、各々の試薬を用いて測定を行った。すなわち、各試料に各測定試薬のサンプルパッドを浸漬し、試料溶液が上昇を始めたら測定試薬を取り出し、水平に静置し、10分放置した後、反応性物質固定化膜上に検出される有色微粒子による可視シグナルを観察した。
【0098】
(3)結果
本試験の結果は図3及び表1に示す。図中、サンドイッチ反応ラインは、抗βLG抗体固定化部位、競合反応ラインは、βLG固定化部位である。
【0099】
図3は、本発明の方法(実施例1)、サンドイッチ法(比較例1)、及び競合法(比較例2)による測定試薬の着色パターンの結果を示す。また、表1は図3の結果における判定結果を、陽性〔+〕、陰性〔−〕、どちらとも判定できない〔±〕に区別して判定した結果である。
【0100】
実施例1の測定試薬においては、濃度1mg/ml〜1ng/ml の範囲で、濃度に応じた有色微粒子による異なる着色パターンを検出することができた。しかしながら、比較例1の測定試薬(サンドイッチ法)では1ng/ml以上の範囲で可視シグナルが出現し+と判定できたものの、1mg/mL以上の濃さになると可視シグナルが出現せず、偽陰性の判定となった。また、比較例2の測定試薬(競合法)では可視シグナルが出現したのは1μg/mL以上であり、特に偽陰性は生じなかったものの、感度が不十分であった。
【0101】
【表1】
【0102】
【実施例3】
実施例1の測定試薬を用い、牛乳中に含まれるβLG濃度の測定を行った。
【0103】
(1)標準品
市販のβLG(ナカライ社製)を使用した。
【0104】
(2)試料
試料として市販の牛乳(森永乳業社製)を用いた。
【0105】
(3)試験方法
試料の牛乳を水を用いて10倍、1,000倍および100,000倍に希釈し、実施例1の測定試薬を用いて測定を行った。すなわち、各試料にサンプルパッドを浸漬し、試料溶液が上昇を始めたら測定試薬を取り出し、水平に静置し、10分放置した後、反応性物質固定化膜上に検出される有色微粒子による可視シグナルを観察した。また、濃度1mg/ml〜1ng/mlまで10n倍ずつに希釈した標準品についても同時に測定を行った。
【0106】
(4)結果
試料のパターンと種々の濃度のβLG標準品のパターンを比較することにより、牛乳を10倍希釈した試料のβLG濃度は約0.1mg/mlよりやや多く、また牛乳を1,000倍希釈した試料のβLG濃度は約1μg/mlよりやや多く、さらに100,000倍希釈した試料のβLG濃度は約0.01μg/mlよりやや多いと測定された。
【0107】
牛乳には通常約0.3%のβLGが含まれていることが知られている(社団法人 日本生化学会編、生化学ハンドブックI、1580頁、株式会社東京化学同人)。このことからも、今回の測定が正しく行われていることが確認された。
【0108】
【試験例4】
実施例1の測定試薬を用い、オレンジジュースを用いて牛乳を希釈した場合に、βLGの濃度が測定できるかどうかを確認した。
【0109】
(1)標準品
市販のβLG(ナカライ社製)を使用した。
【0110】
(2)試料
試料として市販の牛乳(森永乳業社製)を用いた。
【0111】
(3)試験方法
a)標準品を濃度1mg/ml〜1ng/mlまで市販のオレンジジュース(森永乳業社製)にて10n倍ずつに希釈して標準品の試料を調製し、実施例1の測定試薬を用いて測定を行った。すなわち、各試料にサンプルパッドを浸漬し、試料溶液が上昇を始めたら測定試薬を取り出し、水平に静置し、10分放置した後、反応性物質固定化膜上に検出される有色微粒子による可視シグナルを観察した。
【0112】
b)試料の牛乳を10倍、1,000倍および100,000倍となるようにオレンジジュースにて希釈し(含まれるβLGの濃度は各々300μg/ml、3μg/mlおよび0.03μg/mlとなる)、実施例1の測定試薬を用いて測定を行った。すなわち、各試料にサンプルパッドを浸漬し、試料溶液が上昇を始めたら測定試薬を取り出し、水平に静置し、10分放置した後、反応性物質固定化膜上に検出される有色微粒子による可視シグナルを観察した。
【0113】
(4)結果
標準品のパターンと試料のパターンを比較した結果、たとえば10倍に希釈した牛乳(βLG含量=約300μg/ml)を測定したときに観察された有色微粒子による着色パターンは、標準品の100μg/mlを測定した場合よりやや多いことを示唆するパターンを示し、また1,000倍に希釈した牛乳(βLG含量=約3μg/ml)を測定した場合は、標準品の1μg/mlを測定した場合よりやや多いことを示唆するパターンを示し、さらには100,000倍の牛乳(βLG含量=約0.03μg/ml)を測定した場合は、標準品の0.01μg/mlを測定した場合よりやや多いことを示唆するパターンを示した。従って、たとえば市販のオレンジジュースなどに牛乳成分が含まれている場合は、本測定試薬を用いることにより、含まれているか否かが判定できることは勿論、さらにその含まれている濃度を測定することができることが確認できた。
【0114】
【発明の効果】
本発明により、検出対象物質を簡便に短時間で半定量的に測定するための測定試薬及び測定方法が提供される。本発明の測定試薬及び測定方法は、サンドイッチ法や競合法単独では達成が困難であった広い測定可能な濃度範囲を得ることができ、サンドイッチ反応でしばしば問題となる偽陰性を生じにくく、プロゾーンの出現を回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の測定試薬の構造を示す。なお、台紙は省略されている。
【図2】試験例1における測定試薬の着色パターンを示す。
【図3】試験例2における測定試薬の着色パターンを示す。
【符号の説明】
1 膜
2 抗βLG抗体固定化部位
3 βLG固定化部位
4 サンプルパッド
5 コンジュゲートパッド
6 吸収パッド
Claims (14)
- 標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質、
前記の標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と試料とを含む展開液を展開するための展開担体、ならびに、
前記展開担体上に設けられた、検出対象物質に特異的に結合する物質が固定された第1の検出領域、及び、検出対象物質競合物質が固定された第2の検出領域を含む、検出対象物質の検出試薬。 - 検出対象物質がアレルギー原因物質である請求項1に記載の検出試薬。
- 検出対象物質に特異的に結合する物質が検出対象物質に対する抗体である請求項1または2に記載の検出試薬。
- 検出対象物質が糖であり、該検出対象物質に特異的に結合する物質がレクチンである請求項1に記載の検出試薬。
- 標識物質が有色微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の検出試薬。
- 展開担体がニトロセルロース膜又はナイロン膜である請求項1〜5のいずれかに記載の検出試薬。
- 第1の検出領域における検出対象物質に特異的に結合する物質の固定量、及び、第2の検出領域における検出対象物質競合物質の固定量が、検出対象物質を含む展開液が展開されたときに第1及び第2の検出領域で生じる信号の強度の組合せによって、検出対象物質の濃度を判定するのに適したものである請求項1〜6のいずれかに記載の検出試薬。
- 標識物質により標識されかつ検出対象物質に特異的に結合する物質と試料とを含む展開液を、展開担体上の第1の検出領域及び第2の検出領域を通して展開させ、第1及び第2の検出領域における信号に基づき物質を検出することを含む検出対象物質の検出方法であって、
第1の検出領域には検出対象物質に特異的に結合する物質が固定され、
第2の検出領域には検出対象物質競合物質が固定されている、前記検出方法。 - 検出対象物質がアレルギー原因物質である請求項8に記載の検出方法。
- 検出対象物質に特異的に結合する物質が検出対象物質に対する抗体である請求項8または9に記載の検出方法。
- 検出対象物質が糖であり、該検出対象物質に特異的に結合する物質がレクチンである請求項8に記載の検出方法。
- 標識物質が有色微粒子である請求項8〜11のいずれかに記載の検出方法。
- 展開担体がニトロセルロース膜又はナイロン膜である請求項8〜12のいずれかに記載の検出方法。
- 検出対象物質を含む展開液が展開されたときに、検出領域で生じる信号の強度の組合せによって、検出対象物質の濃度を判定することをさらに含む請求項8〜13のいずれかに記載の検出方法。
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