JP2011182095A - 固体撮像装置および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】列回路へのクロック波形の精度を向上し、AD変換の高速化と高精度化を実現する固体撮像装置を提供する。
【解決手段】画素信号とランプ波とを比較し、画素信号とランプ波とが一致するタイミングを検知する列比較回路と、画素列毎に設けられ、列比較回路でのタイミングを、クロック信号が供給されることにより計測するカウンタ回路10と、等間隔に直列接続されたM個の第1インバータとを有し、カウンタ回路10は、上位クロック段に配置されたM個の第1インバータのそれぞれに対応したM個のグループのいずれかに属し、奇数番目のグループは、当該グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該グループのカウンタ回路10との間に配置された第2インバータを有し、偶数番目のグループは、当該グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該グループのカウンタ回路10との間に配置されたバッファを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、固体撮像装置及び撮像装置に関し、特にAD変換機能を有する固体撮像装置及び撮像装置に関する。
MOSセンサには、画素から読み出された信号を、アナログ信号として出力するアナログ信号出力方式と、画素から読み出された信号を、センサ内でアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号として出力するデジタル信号出力方式がある。
このデジタル信号出力方式の列AD変換方式には、ランプ型AD変換装置と呼ばれるものがあり、MOSセンサに搭載して、広く使われてきている(たとえば、特許文献1)。特許文献1では、ランプ型AD変換装置は、AD変換用の参照信号と、基準成分と信号成分とを含んで表される処理対象信号とを比較し、この比較処理と並行して、ダウンカウントモード及びアップカウントモードの何れか一方のモードでカウント処理を行ない、比較処理が完了した時点のカウント値を保持している。この際、基準成分と信号成分の何れについて比較処理を行なっているのかに応じてカウント処理のモードを切り替えるようにしている。
上記デジタル信号出力方式において、画素の読み出しを高速化すると、このAD変換装置のクロック周波数も高くする必要がある。動作周波数が高くなるにつれ、発生するノイズが大きくなるが、このノイズを抑制する手段の一つとして、例えば、特許文献2が開示されている。特許文献2に開示されたバッファリング技術によれば、バッファステージ数およびバッファ分岐数は、許容されるバッファステージの最大数など、適用分野の設計制約に基づいて計算される。
特開2005−323331号公報 特開2007−60036号公報
しかしながら、特許文献2に開示されている“バッファリング技術”は、始点から終点(始点から分岐した複数の終点を含む)までの信号(クロックも含む)を、複数のバッファで遅延させているため、例えば、画素の総列数が4000列からなる1200万画素クラスのMOSセンサでは、必要なバッファ段数が極めて多くなる。また、クロックの総配線は、16mm(4000列×4μm(単位画素当りのサイズを4μmとした場合))と長距離を走るため配線負荷が大きくなる。バッファ段数が多段、且つ配線負荷が大きくなると、プロセスがばらついた場合に、クロックの“H”幅(パルス)もしくは“L”幅(パルス)の一方が短くなり、特に最遠端(バッファが直列に最も繋がっている個所)では波形(パルス)が潰れてしまい、結果として、最遠端側の回路が正しく動作しなくなる。
今後、更にプロセスが微細化すると、トランジスタのPMOSとNMOSのP/Nバランスはより崩れやすく、より顕著に波形(パルス)は消失する。また、画素の総列数が増加する度にバッファ数が増加するためレイアウト面積(縦方向)も増加する。
図7は、特許文献2に開示された“バッファリング技術”を採用した列AD変換装置の構成図の一例である。同図には、特許文献2に開示された“バッファリング技術”をもとにしたクロックツリー構造の一例が表されている。
図7に記載された構成は、列AD変換装置内のカウンタ回路855が左から右へ16列並んでおり、カウントクロック入力端子800がバッファ801にカウントクロックを供給し、バッファ801は、バッファ802とバッファ803にその出力信号を供給(分岐)する。また、バッファ803は、バッファ804とバッファ807にその出力信号を供給(分岐)する。そして、バッファ807は、バッファ809へ、また、バッファ809からはバッファ810、811、812へと、カウントクロックを順次遅延した信号を供給するように接続されている。バッファ801及び802は第1のステージ850に配置され、バッファ803〜806は第2のステージ851に配置され、バッファ807及び808は第3のステージ852に配置され、バッファ809〜824は第4のステージ853に配置されている。バッファ813〜816、バッファ817〜820、バッファ821〜824は、それぞれ、バッファ809〜812と同様に、直列に接続されたものである。
バッファ802は、カウンタ回路855の1列目〜8列目と、カウンタ回路855の9列目〜16列目までの動作を、極力同時に動作させない役割を担ったものである。カウントクロック入力端子800からバッファ824の出力までに使用されているバッファの段数は8段(インバータ換算では16段)であり、ステージ数は4となる。なお、各バッファは、バッファ802のように、インバータ825とインバータ826とを直列に接続したものである。
図8(a)は、特許文献2に開示された“バッファリング技術”を採用した列AD変換装置の構成図の一例である。図8(a)は、図7記載の列AD変換装置内のカウンタ回路を16列から32列にしたものである。
図8(a)の構成は、列AD変換装置内のカウンタ回路955が左から右へ32列並んでおり、カウントクロック入力端子900は、バッファ901にカウントクロックを供給し、バッファ901は、バッファ902及び903にその出力信号を供給(分岐)する。なお、バッファ903の出力以降の構成は、図7記載のバッファ801の出力以降の構成と同様である。バッファ902の次段以降についても同様である。
これらのクロックツリー構造は、特許文献2に記載された以下の式1および式2にしたがって、図7に記載された構成と同様にカウンタ回路のピーク電力が極力分散するような構成を採り、遅延用のバッファを各終点までに複数段設けたものである。
平均分岐数= 1 0 ^ ( ( l o g N ) / S ) (式1)
所要ステージ数= c e i l ( l o g x ( N ) ) (式2)
ここで、Nはシンクポイント数、Sは最大可能ステージ数である。また、xは式1で計算された平均分岐数、ceilは得られた結果が切り上げられることを示す。
図8(a)に記載された構成では、列数が2倍に増加した分、図7記載の構成より、カウントクロック入力端子900からバッファ904までに使用されているバッファ数が10段(インバータ換算で20段)と2段増加(インバータ換算では4段増加)し、また、ステージ数も第1のステージ910から第5のステージ914の5段構成となり、1段増加する。
図8(a)のバッファ901の入力からバッファ904の出力までの10段のバッファ(インバータ換算で20段)での波形の変化について、以下で説明する。PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのプロセスばらつきを考慮して、バッファサイズ(インバータ20段のP/Nのバランス)は調整済みとする。
しかしながら、カウントクロックの“H”幅と“L”幅のバランス(デューティ)はバッファ1段を通過する度に少しずつ崩れる。例えば、バッファ1段あたり“H”幅が30ps狭まる。この場合、バッファ10段で、30ps×10段=300ps(=0.3ns)“H”幅が狭まることになる。
図8(b)は、クロックツリーを構成するバッファの入出力波形の比較図である。バッファ901の入力カウントクロック周波数が243MHzの場合、カウントクロックの1周期は4.12nsである。そして、デューティを50%とすると、カウントクロックの“H”幅(パルス)は2.06nsである。このカウントクロックがバッファ10段を通過すると、バッファ901の入力カウントクロックの“H”幅が2.06nsであるのに対し、バッファ10段を通過しての“H”狭まり分0.3nsを引いた値1.76nsが、バッファ904の出力カウントクロックの“H”幅となり、図8(b)に記載された波形図にように両者の波形図に差異が生じる。バッファ904の出力カウントクロックのデューティは、1.76÷4.12=42.7%と減少する。
図8(a)に記載された構成は、列AD変換装置内のカウンタ回路の列数が32なので、上述した差異は、この程度で留まるが、例えば、1200万画素クラスのセンサでは列数が4000列あり、この場合には、式1より必要となる最少のバッファ段数を算出すると、23段(インバータでは46段)となる。この場合の“H”狭まり分は0.69nsとなり、最終バッファでのクロックデューティは、1.37÷4.12=33.3%となる。ここでは、バッファ段数最少化を優先したため、バッファのステージ数が5段から8段に増加するので、レイアウト面積が増加するという課題が新たに発生する。
図8(c)は、カウントクロックの周波数を2倍にした場合のクロックツリーを構成するバッファの入出力波形の比較図である。つまり、図8(c)に示した波形は、図8(b)に示した波形に対し、バッファ901に入力するカウントクロック入力端子900の周波数を2倍にしたものである。例えば、カウントクロック入力端子900の周波数を486MHzにした場合、カウントクロックの1周期は2.06nsとなる。また、デューティを50%とすると、カウントクロックの“H”幅は1.03nsとなる。このカウントクロックがバッファ10段を通過すると、入力カウントクロック“H”幅1.03nsから、バッファ10段を通過しての“H”狭まり分0.3nsを引いた0.73nsが、バッファ904の出力カウントクロックの“H”幅(パルス)となる(図8(c))。バッファ904の出力カウントクロックのデューティは、0.73÷2.06=35.4%となり、さらに減少する。図8(b)に示した波形でのデューティ42.7%が、図8(c)に示した波形ではデューティ35.4%となっており、周波数が高くなると、極端にデューティが悪化していることがわかる。つまり、従来例のクロックツリー構造では、列AD変換装置の列数増加に向かず、また、カウントクロックの周波数UP(=AD変換装置の高速化)に不向きであるという課題を有する。
また、AD変換装置内のカウンタ回路には、SDR(Single Data Rate)方式のカウンタ回路と、DDR(Double Data Rate)方式のカウンタ回路がある。
SDR方式のカウンタ回路は、最下位から最上位ビットまでをリップルカウンタとし、カウントクロックの1周期の立ち上がりと立ち下がりのいずれか一方のエッジのみでカウントを実施するものである(つまり、カウントクロックの1周期で+1、または−1のカウントを行う)。この方式では、クロックデューティにズレが発生しても、完全にパルスが潰れてしまわなければ問題とはならない。
しかしながら、DDR方式の場合は、クロックデューティのズレがそのまま性能劣化に直結する。以下、その理由を説明する。
DDR方式のカウンタ回路は、カウントクロックをデータとして入力するラッチ回路を最下位ビットとし、2ビット目から最上位まではSDR方式と同様のリップルカウンタとし、カウントクロックの1周期の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの双方でカウントを行う(つまり、カウントクロックの半周期で+1、または−1のカウントを行う。SDR方式のカウンタ回路に対し、カウント周波数が2倍になるので、AD変換の高速化やビット精度向上に有効である)。ただし、この場合、カウントクロックのデューティを50%にする必要がある。カウントクロックの“H”幅と“L”幅のバランス(デューティ)が崩れると、AD変換の微分直線性が悪化し、AD変換精度が低下するという課題を有する。
上記課題に鑑み、本発明は、列AD変換装置、その中でも特にランプ型AD変換装置を搭載したMOS型の固体撮像装置において、各列回路へのクロック波形の精度を向上し、AD変換の高速化と高精度化、およびそれによる動画と静止画の両方についての画質の向上を実現する手段を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、光電変換素子を含む単位画素が2次元マトリクス状に配置されたN(Nは自然数)列の画素アレイと、画素列毎に設けられ、前記単位画素からの画素信号が読み出される読出し信号線と、前記画素アレイに隣接して設けられ、読出し信号線経由で出力される前記画素信号をランプ波によりAD変換するランプ型列AD変換装置とを備え、前記ランプ型列AD変換装置は、前記ランプ波を生成するD/A変換回路と、画素列毎に設けられ、前記画素信号と前記ランプ波とを比較し、前記画素信号の電圧と前記ランプ波の電圧とが一致するタイミングを検知する列比較回路と、画素列毎に設けられ、前記列比較回路での比較開始から前記タイミングまでの時間を、クロック信号が供給されることにより計測する列カウンタ回路と、全ての前記列カウンタ回路が一次元状に配列された方向に沿うように実質的に等間隔に直列接続された、上位クロック段を構成するM(M<N)個の第1インバータとを有し、前記列カウンタ回路は、前記M個の第1インバータのそれぞれに対応づけられたM個の列カウンタ回路グループのいずれかに属し、奇数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって下位クロック段に配置された第2インバータを列カウンタ回路ごとに有し、偶数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって前記下位クロック段に配置されたバッファを列カウンタ回路ごとに有し、前記クロック信号は、前記上位クロック段、前記下位クロック段という順で経由して前記列カウンタ回路に分配されることを特徴とする。
本態様によれば、画素アレイが高画素数を有していても、画素信号のAD変換に用いられるカウントクロックのデューティの低下を抑制した状態で、各列AD変換器に供給することができるため、静止画の画質向上に直結するAD変換ビット幅の拡大や画素数の増加が容易となり、また、フレームレートを上げることができ、より滑らかな動画像を取得できるようになる。
さらに、クロックバッファのステージ数を、列AD変換器の列数によらず、2段(第1のステージと第2のステージのみ)にすることができる。よって、レイアウト面積の増加も抑制できる。
また、光電変換素子を含む単位画素が2次元マトリクス状に配置されたN(Nは自然数)列の画素アレイと、画素列毎に設けられ、前記単位画素からの画素信号が読み出される読出し信号線と、前記画素アレイに隣接して設けられ、読出し信号線経由で出力される前記画素信号をランプ波によりAD変換するランプ型列AD変換装置とを備え、前記ランプ型列AD変換装置は、前記ランプ波を生成するD/A変換回路と、画素列毎に設けられ、前記画素信号と前記ランプ波とを比較し、前記画素信号の電圧と前記ランプ波の電圧とが一致するタイミングを検知する列比較回路と、画素列毎に設けられ、前記列比較回路での比較開始から前記タイミングまでの時間を、クロック信号が供給されることにより計測する列カウンタ回路と、全ての前記列カウンタ回路が一次元状に配列された方向に沿うように実質的に等間隔に直列接続された、上位クロック段を構成するM(M<N)個の第1インバータとを有し、前記列カウンタ回路は、前記M個の第1インバータのそれぞれに対応づけられたM個の列カウンタ回路グループのいずれかに属し、奇数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって下位クロック段に配置されたバッファを列カウンタ回路ごとに有し、偶数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって前記下位クロック段に配置された第2インバータを列カウンタ回路ごとに有し、前記クロック信号は、前記上位クロック段、前記下位クロック段という順で経由して前記列カウンタ回路に分配されてもよい。
本態様によれば、奇数番目の列カウンタ回路グループの下位クロック段には、バッファが列カウンタ回路ごとに配置され、偶数番目の列カウンタ回路グループの下位クロック段には、第2インバータが列カウンタ回路ごとに配置される。この場合には、逆位相のクロック信号を入力した場合に対応でき、画素信号のAD変換に用いられるカウントクロックのデューティの低下を抑制した状態で、対応する各列のAD変換器に供給することができる。よって、静止画の画質向上に直結するAD変換ビット幅の拡大や画素数の増加が容易となり、また、フレームレートを上げることができ、より滑らかな動画像を取得できるようになる。
さらに、クロックバッファのステージ数を、列AD変換器の列数によらず、2段(第1のステージと第2のステージのみ)にすることができる。よって、レイアウト面積の増加も抑制できる。
また、前記クロック信号は、上位クロック段のうち、一番目の列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの入力端子から入力され、一の列カウンタ回路が属する列カウンタ回路グループに対応する第1インバータまでを経由し、当該第1インバータの出力端子、当該出力端子と前記一の列カウンタ回路との間に接続された1つの前記第2インバータまたはバッファを経由して、前記一の列カウンタ回路に分配される。
本態様によれば、クロック信号が列カウンタ回路へ供給されるまでに、最長でも上位クロック段のインバータM段と下位クロック段のバッファ1段とを経由することとなる。インバータを、クロックツリーを構成するリピータとして活用した場合、インバータの構成要素であるインバータ1段目の出力とインバータ2段目の出力とは同負荷にできるため、インバータ1段目で発生したバラツキは吸収できる。これにより、リピータがインバータで構成されている本態様においては、波形ばらつきが抑制され、当該波形のHIGHレベルの幅の減少度合いが小さい。よって、画素信号のAD変換に用いられるカウントクロックのデューティの低下を抑制した状態で、各列AD変換器に供給することができる。
また、前記列カウンタ回路は、分配された前記クロック信号の波形の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの双方を用いて、前記列比較回路での比較開始から前記タイミングまでの時間を計測することが好ましい。
SDR方式のカウンタ回路は、最下位から最上位ビットまでをリップルカウンタとし、カウントクロックの1周期の立ち上がりと立ち下がりのいずれか一方のエッジのみでカウントを実施するものである。この方式は、クロックデューティにズレが発生しても、完全にパルスが潰れてしまわなければ問題とはならない。
一方、DDR方式のカウンタ回路は、カウントクロックをデータとして入力するラッチ回路を最下位ビットとし、2ビット目から最上位まではSDR方式と同様のリップルカウンタとし、カウントクロックの1周期の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの双方でカウントを行う。DDR方式のカウンタ回路は、SDR方式のカウンタ回路と比較して、カウント周波数が2倍になるので、AD変換の高速化やビット精度向上に有効である。ただし、DDR方式は、両エッジによるカウント方式であるので、クロックデューティにズレが発生すると検出ビット精度が低下してしまう。
本態様によれば、カウントクロックのデューティの低下を抑制できるので、DDR方式を積極的に採用できる。
また、前記上位クロック段は、前記M個の第1インバータに電圧または電流を供給するための第1電源線及び第1接地線を備え、前記第1電源線と第1前記接地線との間に、デカップリングコンデンサを備えることが好ましい。
本態様によれば、電源線及び接地線内を電荷が移動する距離を、可能な限り短くして、電源電流が流れる配線のループ面積を狭くすることができる。これにより、インバータ及びバッファは、他のインバータ及びバッファの動作による電圧変動に影響されない。よって、上位クロック段及び列カウンタ回路で発生したピークノイズ(電源とGNDの揺れ)を抑制することができる。よって、クロック信号のHIGHレベル及びLOWレベルの幅の減少度合いを抑制できる。
また、前記下位クロック段は、全ての前記第2インバータ及び前記バッファに電圧または電流を供給するための第2電源線及び第2接地線を備え、前記第2電源線と前記第2接地線との間に、デカップリングコンデンサを備えることが好ましい。
本態様によれば、下位クロック段及び列カウンタ回路で発生したピークノイズ(電源とGNDの揺れ)を抑制することができる。よって、クロック信号のHIGHレベル及びLOWレベルの幅の減少度合いを抑制できる。
また、前記デカップリングコンデンサは、前記M個の第1インバータのそれぞれに対応して配置されていることが好ましい。
さらには、前記デカップリングコンデンサは、画素列ごとに配置されていることが好ましい。
デカップリングコンデンサにより、電源線及び接地線内を電荷が移動する距離を、可能な限り短くすることが好ましい。よって、デカップリングコンデンサがより狭いピッチで配置されることにより、クロック信号のHIGHレベル及びLOWレベルの幅の減少度合いをより効果的に抑制できる。
また、本発明は、上記のような特徴を有する固体撮像装置として実現することができるだけでなく、このような固体撮像装置を備える撮像装置としても、上記と同様の構成と効果がある。
本発明の固体撮像装置及び撮像装置によれば、ランプ型AD変換装置を搭載したMOS型の固体撮像装置において、カウンタ用のクロック信号(カウントクロック)の波形を高精度(クロックのデューティの低下を抑制)に保ったまま、各列AD変換装置に供給することができる。よって、静止画の画質向上に直結するAD変換ビット幅の拡大や画素数の増加が容易となり、また、フレームレートを上げることができ、より滑らかな動画像を取得できるようになる。
さらに、クロックバッファのステージ数を、列AD変換器の列数によらず、2段(第1のステージと第2のステージのみ)にすることができるためレイアウト面積の増加も抑制でき、クロックバッファの各ステージにそれぞれ専用の電源・GND配線を設け、デカップリング容量を追加することにより、ピーク電流、およびこれに起因するノイズの増加も抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置の機能ブロック構成図である。 本発明の実施の形態1の係る固体撮像装置の有する列AD回路の動作タイミングチャートである。 (a)は、本発明の実施の形態1に係る列AD回路に内蔵するカウンタ回路の動作波形の一例を示す図である(SDR方式)。(b)は、本発明の実施の形態1に係る列AD回路に内蔵するカウンタ回路の動作波形の一例を示す図である(DDR方式)。 (a)は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置で使用するカウントクロックのクロックツリー構成図である。(b)は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置の有するクロックツリー構成の入出力波形の比較図である。(c)は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置で使用するカウントクロック周波数を2倍にした場合のクロックツリー構成の入出力波形の比較図である。 本発明の実施の形態2に係るMOS型の固体撮像装置で使用するカウントクロックのクロックツリー構成図である。 本発明の実施の形態3に係る撮像装置(カメラ)の機能ブロック構成図である。 特許文献2に開示された“バッファリング技術”を採用した列AD変換装置の構成図の一例である。 (a)は、特許文献2に開示された“バッファリング技術”を採用した列AD変換装置の構成図の一例である。(b)は、クロックツリーを構成するバッファの入出力波形の比較図である。(c)は、カウントクロックの周波数を2倍にした場合のクロックツリーを構成するバッファの入出力波形の比較図である。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る固体撮像装置は、ランプ波を生成するD/A変換回路と、画素信号とランプ波信号とを比較するコンパレータと、画素信号とランプ波信号が一致するまでの時間を計りその結果をカウント値として保持するカウンタ回路と、で構成された列処理部を有する。上記列処理部は、上記カウンタ回路を動作させるバッファリング手段として、逐次的に接続され、列の最遠端部まで等間隔に配置された第1インバータを持つ第1のステージと、第1のステージの奇数番目の第1インバータの出力端子に、m列分の第2インバータが並列に接続され、偶数番目の第1インバータの出力端子に、m列分のバッファが並列に接続された第2のステージとを有する。そして、第2のステージの第2インバータとバッファが各列のカウンタ回路に接続されている。これにより、カウンタクロックのデューティの低下が抑制され、カウント信号をカウンタ回路に供給することができる。
以下、本発明によるMOS固体撮像装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置の機能ブロック構成図である。なお、このMOS型の固体撮像装置は、本発明に係る電子機器の一態様である。
固体撮像装置1は、入射光量に応じた電気信号を出力する光電変換素子を含む複数個の単位画素4aが2次元マトリクス状に配列された画素アレイ4を有し、各画素からの信号出力を同時並列的に処理するCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)処理機能部や、デジタル変換部(ADC;Analog Digital Converter)などが列並列に設けられているものである。上記CDS処理機能部や、上記デジタル変換部は、例えば、列処理部21に含まれる。
ここで、“列並列にCDS処理機能部やADC部が設けられている”とは、全列の読出し信号線である垂直信号線6に対して実質的に並列に複数のCDS処理機能部やデジタル変換部が設けられていることを意味する。複数の各機能部は、デバイスを俯瞰したときに、ともに画素アレイ4に対して列方向の一方の遠端側(図の下側に配されている出力側)にのみ配されている形態のものであってもよいし、画素アレイ4に対して列方向の一方の遠端側(図の下側に配されている出力側)とその反対側である他方の遠端側(図の上側)に分けて配されている形態のものであってもよい。後者の場合、行方向の読出走査(水平走査)を行なう水平走査部も、各遠端側に分けて配して、それぞれが独立に動作可能に構成するのがよい。
たとえば、列並列にCDS処理機能部やADC部が設けられている典型例としては、撮像部の出力側に設けたカラム領域と呼ばれる部分に、CDS処理機能部やADC部を画素列ごとに設けるものである。また、隣接する複数(たとえば2つ分)の垂直信号線6に対して1つのCDS処理機能部やADC部を割り当てる形態や1つの垂直信号線6に対して複数のCDS処理機能部やADC部を割り当てる形態などを採ることもできる。
クロック発生器15は、入力されたクロック周波数よりも高速のクロック周波数のパルスを生成する周波数逓倍回路を内蔵している。このクロック発生器15は、通信・タイミング制御部2からクロックCK0を受け取り、それを元にして2倍以上高い周波数のクロックを生成する。
画素アレイ4は、フォトダイオードなどの光電変換素子を含む単位画素4aが2次元マトリクス状にアレイ配置されて構成されている。この単位画素4aの一例としては、光電変換素子に対して、電荷読出部(転送ゲート部/読出ゲート部)の一例である読出選択用トランジスタと、リセットゲート部の一例であるリセットトランジスタと、垂直選択用トランジスタと、フローティングディフュージョンの電位変化を検知する検知素子の一例であるソースフォロア構成の増幅用トランジスタとを有する。上記構成は、MOSセンサとして汎用的な4トランジスタからなる構成であってもよいし、この4トランジスタからなる構成から垂直選択用トランジスタを省略した3つのトランジスタからなる構成であってもよい。
また、固体撮像装置1には、水平走査回路13、垂直走査回路3、および通信・タイミング制御部2が設けられている。水平走査回路13は、列処理部21の各列を順次選択して、各列のAD変換結果であるカウント値を読み出す機能を持つ。
単位画素4aは、行選択のための行制御線20を介して垂直走査回路3と、また垂直信号線6を介して列AD回路21aが列ごとに設けられた列処理部21とが、それぞれ接続されている。ここで、行制御線20は垂直走査回路3から画素に入る配線全般を示す。
水平走査回路13や垂直走査回路3は、後述のようにデコーダを含んで構成され、通信・タイミング制御部2から与えられる制御信号CMD0に応答してシフト動作(走査)を開始する。行制御線20には、単位画素4aを駆動するための種々のパルス信号(例えば、リセットパルス、転送パルス、制御パルスなど)が含まれており、これは垂直走査回路3により駆動される。
通信・タイミング制御部2は、図示しないが、各部の動作に必要なクロックや所定タイミングのパルス信号を供給するタイミングジェネレータTG(読出アドレス制御装置の一例)の機能ブロックと、端子1aを介してマスタークロックMCLKを受け取り、また端子1bを介して動作モードなどを指令するデータDATAを受け取り、さらに固体撮像装置1の情報を含むデータを出力する通信インタフェースの機能ブロックとを備える。
たとえば、水平アドレス信号を水平デコーダ13aへ、また垂直アドレス信号を垂直デコーダ3aへ出力し、水平デコーダ13a及び垂直デコーダ3aは、それを受けて対応する行もしくは列を選択する。
この際、単位画素4aを2次元マトリクス状に配置してあるので、画素信号生成部により生成され垂直信号線6を介して列方向に出力されるアナログの画素信号を行単位で(列並列で)アクセスし取り込む(垂直)スキャン読みを行なう。この後に、列の並び方向である行方向(図面上の横方向)にアクセスし画素信号(本例ではデジタル化された画素データ)を出力側へ読み出す(水平)スキャン読みを行なうようにすることで、画素信号や画素データの読出しの高速化を図るのがよい。勿論、スキャン読みに限らず、読み出したい単位画素4aを直接にアドレス指定することで、必要な単位画素4aの情報のみを読み出すランダムアクセスも可能である。
また、実施の形態1の通信・タイミング制御部2は、端子1aを介して入力されるマスタークロックMCLKと同じ周波数のクロックや、それを分周したクロック、または、前述のクロック発生器15を経由して周波数を逓倍したクロックを、デバイス内の各部、たとえば水平走査回路13、垂直走査回路3、列処理部21などに供給する。
垂直走査回路3は、通信・タイミング制御部2で生成されるクロックCKvに同期して画素アレイ4の行を選択し、その行に必要なパルスを供給するものである。たとえば、垂直方向の読出行を規定する(画素アレイ4の行を選択する)垂直デコーダ3aと、垂直デコーダ3aにて規定された読出アドレス上(行方向)の単位画素4aに対する行制御線20にパルスを供給して駆動する垂直駆動回路3bとを有する。なお、垂直デコーダ3aは、信号を読み出す行の他に、電子シャッタ用の行なども選択する。
水平走査回路13は、通信・タイミング制御部2で生成されるクロックCKhに同期して列処理部21の列AD回路21aを順番に選択し、その信号を水平信号線(水平出力線)12に導くものである。たとえば、水平方向の読出列を規定する(列処理部21内の個々の列AD回路21aを選択する)水平デコーダ13aと、水平デコーダ13aにて規定された読出アドレスに従って、列処理部21の各信号を水平信号線12に導く水平駆動回路13bとを有する(水平走査回路13内の読出アドレス規定手段としてシフトレジスタを使用してもよい。)。なお、水平信号線12は、たとえば列AD回路21aが取り扱うビット数n(nは正の整数)分、たとえば15(=n)ビットならば、そのビット数に対応して15本配置して、1列分のビットを並列で転送するようにしても良いし、60本配置して、4列分のビットを並列で転送できるようにしても良い。
このような構成の固体撮像装置1において、単位画素4aから出力される画素信号は、列ごとに垂直信号線6を介して、列処理部21の列AD回路21aに供給される。
列処理部21の各列AD回路21aは、1列分の画素の信号を受けて、その信号を処理する。たとえば、各列AD回路21aは、アナログ信号を、クロックCKdacを用いて、15ビットのデジタルデータに変換するAD変換機能を備える。
AD変換機能については、詳細は後述するが、電圧比較器(以後、コンパレータと称す)にランプ状の参照電圧信号Rampを供給すると同時にクロック信号でのカウント(計数)を開始し、垂直信号線6を介して入力されたアナログの画素信号を参照電圧信号Rampと比較し、コンパレータでの電位の一致を知らせるパルス信号が得られるまでカウントすることでAD変換を行なう。
列AD回路21aでデジタル化された画素データは、水平走査回路13からの水平選択信号により駆動される、図示しない水平選択スイッチを介して水平信号線12に伝達され、さらに出力バッファ14に入力される。なお、15ビットは一例であって、15ビット未満(たとえば10ビット)や15ビットを超えるビット数(たとえば16ビット)など、その他のビット数としてもよい。
このような構成によって、光電変換素子を含む単位画素4aが行列状に配された画素アレイ4からは、行ごとに各列について画素信号が順次出力される。そして、光電変換素子が行列状に配された画素アレイ4に対応する1枚分の画像すなわちフレーム画像が、画素アレイ4全体の画素信号の集合で示されることとなる。
また、参照信号生成部7は、DA変換回路(DAC;Digital Analog Converter)7aを有して構成されており、通信・タイミング制御部2からの制御データCMD1で示される初期値から、カウントクロックCKdacに同期して、階段状、または鋸歯状とも表現されるランプ波である信号Rampを生成し、列処理部21の個々の列AD回路21aに、この生成したランプ波をAD変換用の参照電圧(ADC基準信号)として供給するようになっている。
なお、このランプ波は、クロック発生器15からの高速クロック、たとえば逓倍回路で生成される逓倍クロックを元に生成することで、端子1aを介して入力されるマスタークロックMCLKに基づき生成するよりも、高速に変化させることができる。
通信・タイミング制御部2から参照信号生成部7のDA変換回路7aに供給する制御データCMD1は、比較処理ごとのランプ電圧が同じ傾き(変化率)となるように、時間に対するデジタルデータの変化率に関する情報も含んでいる。具体的には、単位時間にカウント値を1ずつ線形に変化させるのが一般的だが、これを非線形に変化させてもよい。
列AD回路21aは、参照信号生成部7のDA変換回路7aで生成される参照電圧信号Rampと、行制御線20(V0、V1、…、Vn)毎に単位画素4aから垂直信号線6(H0、H1、…、Hn)を経由し得られるアナログの画素信号とを比較するコンパレータ8と、コンパレータ8が比較する2信号の一致を検出するまでの時間をカウントし、その結果を保持するカウンタ回路10とを備えて構成されたnビットAD変換機能を有している。
コンパレータ8は、画素列毎に設けられており、画素信号とランプ波とを比較し、当該画素信号の電圧とランプ波の電圧とが一致するタイミングを検知する列比較回路である。
通信・タイミング制御部2は、コンパレータ8が画素信号のノイズ成分ΔVと信号成分Vsigの何れについて比較処理を行なっているのかに応じてカウンタ回路10におけるカウント処理のモードを切り替える制御部の機能を持つ。この通信・タイミング制御部2から各列AD回路21aのカウンタ回路10には、カウンタ回路10がダウンカウントモードで動作するのかアップカウントモードで動作するのかを指示するための制御信号CMD2が入力されている。
コンパレータ8の一方の入力端子には、他のコンパレータ8の入力端子と共通に、参照信号生成部7で生成される参照電圧信号Rampが入力され、他方の入力端子には、それぞれ対応する列の垂直信号線6が接続され、画素アレイ4からの画素信号電圧が個々に入力される。コンパレータ8の出力信号はカウンタ回路10に供給される。
カウンタ回路10は、画素列毎に設けられており、コンパレータ8での比較開始から上記タイミングまでの時間を、クロック信号が供給されることにより計測する列カウンタ回路である。
カウンタ回路10のクロック端子には、全列共通に、通信・タイミング制御部2からカウントクロックCKcntが入力されている。
このカウンタ回路10は、1本のカウントクロックCKcntの入力で、内部のカウントを行なうようになっている。カウントクロックCKcntも、参照電圧信号Rampと同様に、クロック発生器15からの高速クロック(たとえば逓倍クロック)を元に生成することで、端子1aを介して入力されるマスタークロックMCLKで生成するよりも高速にすることができる。
ここで、カウンタ回路10は、前のカウント値を保持したままダウンカウント動作とアップカウント動作とを切り替えることが可能なアップダウンカウンタとする。
また、本実施の形態のカウンタ回路10には、カウント出力値がカウントクロックCKcntに同期して出力される同期カウンタ(全てのフリップフロップ(カウンタ基本要素)の動作がカウントクロックCKcntで制限されるカウンタ)と、動作制限周波数が最初のフリップフロップ(カウンタ基本要素)の制限周波数のみで決まる非同期カウンタ、どちらかの使用が考えられる。上記2つの使用のうち、カウンタ回路10には、高速動作に適する非同期カウンタを使用するのが好ましい。
カウンタ回路10は、参照信号生成部7から発せられるランプ波形電圧に同期してダウンカウントモードもしくはアップカウントモードでカウント動作を開始する。そして、コンパレータ出力CMPout9の反転した情報(本例では“L”から“H”へ遷移)がカウンタ回路10に通知されると、カウント動作を停止し、その時点のカウント値を画素データとしてラッチ(保持・記憶)することでAD変換を完了する。
この後、カウンタ回路10が記憶・保持した画素データは、所定のタイミングで水平走査回路13から列制御線22を介して入力される水平選択信号Hpn(Hp0,Hp1、Hp2、…、Hpn)により、順次、選択・読み出されて、出力端子1cからDOUTとしてチップ外へ出力される。
列処理部21及び参照信号生成部7は、画素アレイ4に隣接して設けられ、垂直信号線6経由で出力される画素信号を、ランプ波によりAD変換するランプ型列AD変換装置である。
なお、図1に記載された単位画素4aは、画素(フォトダイオード)、転送トランジスタ、FD、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタを有する構造、いわゆる1画素1セル構造であってもよいし、複数の画素を含み、さらに、FD、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタのいずれか、あるいは、すべてを単位セル内で共有する構造、いわゆる多画素1セル構造であってもよい。すなわち、多画素1セル構造は、隣接する複数の光電変換素子でリセットトランジスタ、読み出しトランジスタ及び選択トランジスタを共有化し、実質的に1光電変換素子あたりのトランジスタ数を少なくするものであり、本発明の固体撮像装置の構成要素として適用が可能である。
また、上記画素は半導体基板の表面、すなわち、トランジスタのゲート端子及び配線が形成された面と同じ面側に形成される構造により形成されていてもよいし、上記画素が半導体基板の裏面、すなわちトランジスタのゲート端子及び配線が形成された面に対して裏面側に形成される、いわゆる、裏面照射型イメージセンサ(裏面照射型固体撮像装置)の構造により形成されていてもよい。
図2は、本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置の有する列AD回路の動作タイミングチャートである。
ここで、固体撮像装置1の有する列AD回路21aとは、コンパレータ8とカウンタ回路10とで構成され、2次元のマトリクス状に配置された単位画素4aの画素信号を、順次AD変換するためのものである。図2に記載されたAD変換期間(時刻t0〜時刻t11)は、単位画素4aと、垂直信号線6と、コンパレータ8と、カウンタ回路10とで発生したノイズ成分を検出する期間(ノイズ検出期間(時刻t3〜時刻t5))と、入射光量の信号成分を検出する期間(信号検出期間(時刻t8〜時刻t10))とを含む。
以下、上記ノイズ検出期間及び上記信号検出期間における列AD回路21aの動作を説明する。
まず、全列共通に、コンパレータリセット信号を時刻t1〜時刻t2の期間に“L”入力し、コンパレータ8の機能をリセットする(コンパレータ8の出力信号CMPout9を“L”にセットする)。このとき、参照電圧信号Rampをその初期値に設定しておく。
次に、各列のコンパレータ8の入力端子の一方へ、垂直信号線の電圧Vpix(フローティングディフィージョンアンプで増幅した行Vmの各単位画素4a(H0、H1、…、Hn)からの出力信号ΔV)を入力し、他方の入力端子に、参照電圧信号Rampを時刻t3〜時刻t5の期間入力する(図4に示すように掃引する)。前者と後者の電圧が一致した時点(時刻t4)で、コンパレータ8の出力信号CMPout9は“H”を出力する(画素により信号電位が異なるので、一致タイミング(時刻t4)も列により異なるが、図2では、ある列のコンパレータに着目した波形を示している)。一方、全列のカウンタ回路10は、時刻t1〜時刻t2期間にカウントリセット信号として“L”を入力され、たとえば、カウント値が1024にセットされる。時刻t3に、参照電圧信号Rampの掃引が開始すると同時に、全列のカウンタ回路10のクロック入力端子にカウントクロックCKcntの入力が始まり、参照電圧信号Rampが掃引している期間(時刻t3〜時刻t5)入力し続ける。各列のカウンタ回路10は、その列のコンパレータの出力信号CMPout9が“H”になるまで(時刻t4)ダウンカウントし、CMPout9が“H”になったとき、その列のカウンタ回路10はカウントクロックの入力がマスクされ、その時点のダウンカウント値を保持して停止する。このダウンカウント値が、たとえば512の場合、ノイズ成分が512であったことを意味する。
次に、列AD回路21aは、コンパレータリセット信号を時刻t6〜時刻t7の期間に“L”入力し、コンパレータの機能をリセットする(コンパレータの出力信号CMPout9を“L”にセットする)。また、同じく、参照電圧信号Rampをその初期値に設定しておく。一方、全列のカウンタ回路10は、ノイズ検出時の動作と異なり、カウントリセットを行わず、時刻t8の時点までダウンカウント時の値を保持したままである。また時刻t8までに、カウンタ回路10の動作モードをダウンカウントからアップカウントに切り替える。
次に、各列のコンパレータ8の入力端子の一方へ、垂直信号線の電圧Vpixの電圧(フローティングディフィージョンアンプで増幅したHn行の単位画素4a(H0、H1、…、Hn)からの出力信号(ΔV+Vsig))を入力し、他方の入力端子に、参照電圧信号Rampを時刻t8〜時刻t10の期間入力する。前者と後者の電圧が一致した時点(時刻t9)で、コンパレータ8は出力信号CMPout9を“H”出力する。
時刻t8に、参照電圧信号Rampの掃引が開始すると同時に、全列のカウンタ回路10のクロック入力端子にカウントクロックCKcntの入力が始まり、参照電圧信号Rampが掃引している期間(時刻t8〜時刻t10)入力し続ける。各列のカウンタ回路10は、その列のコンパレータの出力信号CMPout9が“H”になるまで(t9)アップカウントし、CMPout9が“H”になったとき、その列のカウンタ回路10はカウントクロックの入力がマスクされ、その時点のアップカウント値を保持して停止する。
以上の動作の結果として、たとえば、ダウンカウント値が512だった列で、アップカウント値が2512だった場合(時刻t9)、その列のカウンタ回路で保持されている値は3024となる。実際の信号成分VsigのAD変換結果は、カウント回路のオフセット1024を除いた“3024−1024=2000”ということになる。
このように、ノイズ成分と信号+ノイズ成分をともにAD変換し、デジタル値としてからノイズ成分を減算する処理方法は、デジタルCDSと呼ばれる。
デジタルCDSを行わない場合にもランプ型AD変換動作は適用が可能で、その場合は、あらかじめアナログ領域でノイズ成分が減算され、信号成分のみとなったアナログ量のAD変換を行うことになる(信号検出期間のみとなり、カウンタ回路の動作はアップカウント、またはダウンカウントの一方のみでよくなる)。
いずれにしても、ランプ型AD変換であれば、AD変換後のデジタル値の全階調(15ビットであれば32768階調)分の比較を、所定の時間内に行う必要があるので、列AD回路21aに含まれるカウンタ回路10に入力するカウントクロックは、それに見合う高い周波数とする必要がある。この方式のAD変換に関する課題は、たとえば、クロック伝播に関わるものである。
次に、上記クロック伝播に関わる課題を緩和しつつ、AD変換の高速化(フレームレートの向上)や、画質向上のための変換ビット幅の向上をする手段として、DDR(Double Data Rate)方式のカウンタ回路について説明する。DDR方式では、カウンタ回路の構成を変更して、カウントクロックCKcntの1周期の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの双方でカウントを行う。
これに対して、カウンタ回路10をそのまま非同期カウンタのみで構成する方式(カウントクロックCKcntの1周期の、たとえば、立ち上がりエッジのみでカウントする方式)をSDR(Single Data Rate)方式と呼ぶ。
SDR方式のカウンタ回路は、最下位から最上位ビットまでをリップルカウンタとし、カウントクロックの1周期の立ち上がりと立ち下がりのいずれか一方のエッジのみでカウントを実施するものである(つまり、カウントクロックの1周期で+1、または−1のカウントを行う)。この方式は、クロックデューティにズレが発生しても、完全にパルスが潰れてしまわなければ問題とはならない。
これに対して、DDR方式のカウンタ回路は、カウントクロックをデータとして入力するラッチ回路を最下位ビットとし、2ビット目から最上位ビットまではSDR方式と同様のリップルカウンタとし、最下位ビット用ラッチ回路のデータ入力端子と、リップルカウンタの最下位ビット(つまり、DDR方式カウンタの2ビット目)に対応するフリップフロップのクロック入力端子とに、カウントクロックを入力することにより、カウントクロックの1周期の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの双方でカウントを行う(カウントクロックの半周期で+1、または−1のカウントを行う)。
以下、図3(a)及び図3(b)を用いて、SDR方式とDDR方式のカウンタの動作の違いを説明する。
図3(a)は、本発明の実施の形態1に係る列AD回路に内蔵するカウンタ回路のSDR方式による動作波形の一例を示す図である。また、図3(b)は、本発明の実施の形態1に係る列AD回路に内蔵するカウンタ回路のDDR方式による動作波形の一例を示す図である。同じ周波数のカウントクロックに対して、SDR方式のカウンタ回路の動作波形を示す図3(a)とDDR方式のカウンタ回路の動作波形を示す図3(b)の違いは、DDR方式で追加された最下位ビットのラッチ(波形図のLath[0])である。これにより、カウントクロックの1サイクルtcのta期間とtb期間を区別することができ、カウント周波数が2倍になるので、AD変換の高速化やビット精度向上に有効である。SDR方式のままカウントクロックCKcntの周波数を上げるより、電源とGNDのノイズ(揺れ)と、低消費電力化(ピーク時の消費電力および平均電力も含む)の観点からも、DDR方式のカウンタ回路を採用するのが好ましい。
さて、以上で説明したSDR方式やDDR方式のカウンタ回路を含む列AD変換回路では、高速のクロック入力が必要であり、特に、DDR方式ではクロックデューティなどの波形品質が問題となる。
ここで、上述のDDR方式のカウンタ回路を円滑に動作させるための、カウントクロックCKcntの“H”幅(パルス)と“L”幅(パルス)を崩さない(例えば、クロックのDutyを理想的な50%に維持する)クロックツリー構造を説明する。
図4(a)は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置で使用するカウントクロックのクロックツリー構成図である。
通信・タイミング制御部2で生成されたカウントクロックCKcntは、入力端子600に入力され、列遠端部(図4では4080列目)まで、規則的(本構成では120列毎とする)に配置されたインバータ(以後、リピータとも称す)によりバッファされる。つまり、列処理部21は、全てのカウンタ回路10が一次元状に配列された方向に沿うように実質的に等間隔に直列接続された、画素列数より少ない複数の第1インバータを有している。また、各カウンタ回路10は、上記複数のM個の第1インバータのそれぞれに対応づけられたM個の列カウンタ回路グループのいずれかに属する。
この規則的(120列毎の列カウンタ回路グループ)に配置されたリピータの領域である上位クロック段を、第1のステージ650とする。第1のステージ650で規則的(120列毎の列カウンタ回路グループ)に配置されたリピータは、バッファではなく、インバータであるため、信号の極性(負極性/正極性)が120列(列カウンタ回路グループ)毎に異なる。例えば、インバータ601の出力信号は入力端子600に対し、(遅延を除いて)逆の極性となり、インバータ602の出力信号は入力端子600に対し、(同じく遅延を除いて)同じ極性となる。この極性を統一するために、インバータ601の出力端子とインバータ602の入力端子との間のノードと、カウンタ回路10との間には、第2インバータが120個(カウンタ回路10ごとに)並列に接続されている。一方、インバータ602の出力端子とインバータ603の入力端子との間のノードと、カウンタ回路10との間には、バッファが120個(カウンタ回路10ごとに)並列に接続されている(以後、前者を負極性の列群、後者を正極性の列群と呼ぶ)。この並列に配置された第2インバータとバッファは、下位クロック段である第2のステージ651に配置されている。また、この負極性の列群と、正極性の列群の出力信号は、各列のカウンタ回路10の入力端子に接続されている。上述で、“第1のステージ650にインバータを120列毎に配置している”と定義したが、各インバータのファンイン/ファンアウト次第では特に120列毎に固執する必要はない。また、たとえば総列数がちょうど4000列の1200万画素クラスのMOSセンサでは、120列毎に階層化すると、
4000列 = 120列 × 33群 + 40列 × 1群 (式3)
となり、端数の列群を生じることになる。
この場合、たとえば、最遠端側に40列の群を設けてもよいし、または、
4000列 = 122列 × 20群 + 120列 × 13群 (式4)
として、一部の群を122列としてもよい。
上記について、“120列 × 33群 = 3960列”の場合を基準として、比較する。
式3で規定される構成の場合、最終段の40列を駆動するリピータのクロック信号配線に負荷を追加してもよい。また、負荷を追加しない場合でも、最遠端側に位置する最終段のリピータなので、波形品質や消費電力への影響は最低限に抑制できる。
式4で規定される構成の場合、120列に対する122列は1.7%の負荷増に相当するが、プロセス変動幅を考慮すると、その誤差は許容範囲である。
つまり、本発明のクロックツリーのメリットを最大限発揮するには第2のステージで列を均等に割る方が速度、波形品質及び消費電力のバランスとして最適ではあるが、全群の列数を厳密に合わせる必要はない。
また、第1のステージ650に配置された各インバータのサイズは、所定のファンアウト/ファンイン比を満足できるサイズであればよい。ファンアウトとは、例えば、インバータ601が駆動できるサイズであり、ファンインとは、例えば、ドライブするインバータ(インバータ601)に与える負荷(第2のステージに接続している120個のインバータの負荷+配線負荷)である。ファンアウト/ファンイン比は、一般的に3以下である。
また、上記極性統一の観点から、インバータ601の出力端子とインバータ602の入力端子との間のノードと、カウンタ回路10との間に、バッファがカウンタ回路10ごとに並列接続されてもよい。この並列接続状態において、インバータ602の出力端子とインバータ603の入力端子との間のノードと、カウンタ回路10との間に、第2インバータがカウンタ回路10ごとに並列に接続される。以降、列カウンタ回路グループごとにバッファと第2インバータとが交互に配置された構成をとる。
なお、上述したカウントクロックのクロックツリー構成、つまり、第1のステージ650及び第2のステージ651は、図1に記載された固体撮像装置1における通信・タイミング制御部2と、一次元状に配列されたカウンタ回路10との間に配置されている。この場合、第1のステージ650及び第2のステージ651は、列処理部21の内部に配置されていてもよいし、固体撮像装置1内であって列処理部21の外部に配置されていてもよい。
図4(b)は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置の有するクロックツリー構成の波形図である。図4(b)により、インバータ601の入力からバッファ609の入力までの波形変化について説明する。
インバータ601の入力からバッファ609の出力に至るまでのインバータ段数は、第1のステージ650のインバータ分34段(4080列÷120列/段)と第2ステージのバッファ分2段を合わせて36段である。
カウントクロックの“H”幅と“L”幅はインバータ1段を通過する度に少しずつ崩れるが、その度合いはバッファに比べて小さくなる。
例えば、インバータ1段あたり“H”幅が5ps程度狭まる。ここで、“H”幅が5ps程度に抑制できる理由を説明する。バッファをリピータとして活用した場合、バッファの構成要素であるインバータ1段目と2段目とで負荷が大きく異なり、MOSトランジスタのプロセスバラツキは、外部負荷の影響を受ける2段目のインバータのバラツキとして現れ、そのバラツキは一方向に累積するため、バッファ1段あたりのデューティずれは30psと大きい。
これに対し、インバータをリピータとして活用した場合、このインバータの出力負荷をできるだけ合わせ、MOSトランジスタのサイズを調整することで、インバータ1段で発生するバラツキを次段のインバータで相殺できる。結果として、インバータ1段あたりのデューティズレは、例えば“H”幅が狭まる場合、狭まり幅は5ps程度に収まる。この場合、インバータ36段では、5ps×36段=180ps(≒0.18ns)“H”幅が狭まることになる。ここで、最終段のバッファ609を構成するインバータの負荷は小さいので、デューティズレは第1のステージ650のインバータと同程度となる。インバータ601の入力カウントクロック周波数が243MHzの場合、カウントクロックの1周期は4.12ns、デューティを50%として、カウントクロックの“H”幅(パルス)は2.06nsである。このカウントクロックがインバータ36段を通過すると、カウントクロックの“H”幅は2.06nsから、インバータ36段を通過しての“H”狭まり分0.18nsを引いた値1.88nsが、バッファ609の出力カウントクロックの“H”幅となる(図6(b))。よって、1200万画素(3000行×4000列)クラスのセンサでも、バッファ609の出力信号のデューティは1.88ns÷4.12ns=45.8%であり、45%以上維持できる。
図4(c)は、本発明の実施の形態1に係るMOS型の固体撮像装置で使用するカウントクロック周波数を2倍にした場合のクロックツリー構成の波形図である。また、図4(c)は、図4(b)に対し、インバータ601に入力するカウントクロックの周波数を2倍にしたものである。例えば、カウントクロックの周波数を243MHzから486MHzにした場合、カウントクロックCKcntの1周期は2.06nsである。また、デューティを50%とすると、カウントクロックCKcntの“H”幅は1.03nsとなる。このカウントクロックCKcntが上記インバータ36段を通過すると、バッファ609の出力カウントクロックの“H”幅は、1.03nsから、上述した“H”幅の減少分である0.18nsを引いた値、つまり、0.85nsとなる。図4(c)に記載された波形図にように、インバータ601の入力波形の“H”幅に対して、バッファ609の出力波形の“H”幅が減少する。しかしながら、この場合においても、1200万画素(3000行×4000列)クラスのセンサでは、バッファ609の出力信号のデューティは、0.85ns÷2.06ns=41.3%を維持しており、周波数が高くなっても、デューティ40%以上を維持できる。
以上より、本発明の実施の形態1に係るランプ型AD変換装置を搭載したMOS固体撮像装置によれば、画素アレイが1200万画素クラスでも、カウントクロックのデューティの低下を抑制した状態で、各列AD変換器に供給することができる。よって、静止画の画質向上に直結するAD変換ビット幅の拡大や画素数の増加が容易となり、また、フレームレートを上げることができ、より滑らかな動画像を取得できるようになる。
さらに、クロックバッファのステージ数を、列AD変換器の列数によらず、2段(第1のステージと第2のステージのみ)にすることができる。よって、レイアウト面積の増加も抑制できる。
なお、逆位相のクロック信号を入力した場合、第2のステージの負極性の列群と、正極性の列群の配置を入れ替えれば、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図面を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。なお、以下は、実施の形態1との違いを中心に説明し、それ以外の部分は実施の形態1と同じである。
図5は、本発明の実施の形態2に係るMOS型の固体撮像装置で使用するカウントクロックのクロックツリー構成図である。
通信・タイミング制御部2で生成されたカウントクロックCKcntは、入力端子700に入力され、列遠端部(図5では4080列目)まで、規則的(本構成では120列毎とする)に配置されたインバータ(いわゆるリピータと呼ばれるもの)にて随時バッファされる。つまり、列処理部21は、全てのカウンタ回路10が一次元状に配列された方向に沿うように実質的に等間隔に直列接続された、画素列数より少ない複数の第1インバータを有している。また、各カウンタ回路10は、上記複数のM個の第1インバータのそれぞれに対応づけられたM個の列カウンタ回路グループのいずれかに属する。
この規則的(120列毎の列カウンタ回路グループ毎に)に配置されたリピータ領域を、第1のステージ750とする。第1のステージ750で規則的に(120列毎の列カウンタ回路グループ毎に)配置されたリピータは、バッファではなく、インバータであるため、信号の極性(負極性/正極性)が120列(列カウンタ回路グループ)毎に異なる。例えば、インバータ701の出力信号は入力端子700に対し負極性となり、インバータ702の出力信号は入力端子700に対し正極性となる。この極性を統一するために、インバータ701の出力端子とインバータ702の入力端子との間のノードと、カウンタ回路10との間には、第2インバータが120個(カウンタ回路10ごとに)並列接続されている。一方、インバータ702の出力端子と次のインバータの入力端子との間のノードと、カウンタ回路10との間には、バッファが120個(カウンタ回路10ごとに)並列接続されている。この並列に設けられた第2インバータとバッファは、下位クロック段である第2のステージ751に配置されている。第2のステージ750に設けた第2インバータ(もしくはバッファ)と、カウンタ回路は120列単位で同時に動作する。
実施の形態2では、実施の形態1と比較して、更に、インバータ(もしくはバッファ)と、カウンタ回路10で発生したピークノイズ(電源とGNDの揺れ)を抑制する。
ピークノイズの抑制手法の一例を、説明する。まず、第2のステージ751の各列(全4080列)にキャパシタ770が1個ずつ配置されている。第2のステージ751に配置されたキャパシタ770は、第2ステージ751の第2インバータ及びバッファに電圧または電流を供給するための第2電源線である電源線783と第2接地線であるGND線782との電圧揺れを抑える手段として、電源線783とGND線782との間に接続される。なお、電源線783の接続先である電源は、第2のステージ下にあるアップ/ダウンカウンタ回路で共用される場合もある。
次に、第1のステージ750の第1インバータに電圧または電流を供給するための第1電源線である電源線780とGND線781との電圧揺れを抑制する手段として、規則的(120列毎)に配置されたリピータ領域の間に、複数のキャパシタ770が配置される。配置されたキャパシタ770は、第1のステージ750に配置された第1電源線である電源線780と第1接地線であるGND線781との電圧揺れを抑制する手段として、電源線780とGND線781との間に接続される。なお、GND線782とGND線781は共通接地されていてもよい。
上述した接続関係を有するキャパシタ770は、いわゆるデカップリングコンデンサであり、電源線及び接地線内を電荷が移動する距離を、可能な限り短くして、電源電流が流れる配線のループ面積を狭くする機能を有する。これにより、インバータ及びバッファは、他のインバータ及びバッファの動作による電圧変動に影響されない。よって、第1のステージ750と、第2のステージ751と、カウンタ回路10で発生したピークノイズ(電源とGNDの揺れ)を抑制することができる。よって、カウントクロックCKcntの“H”幅の狭まり分または“L”幅の狭まり分も改善できる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置(カメラ)の機能ブロック構成図である。
同図に示すように、本発明の撮像装置30は、大きく分けて光学系100、固体撮像装置200、画像処理回路300、およびカメラシステム制御部400から構成されている。
光学系100は、被写体からの光を集光して、本発明の実施の形態1及び2で説明した固体撮像装置である固体撮像装置200の画素配列上に画像イメージを形成するレンズ101を備えている。
固体撮像装置200は、フォトダイオードなどの光感応素子やMOSトランジスタ等を含む単位画素を2次元配列上に並べた画素アレイ4と、画素アレイ4の単位画素4aを行単位で選択し、画素のリセットや読み出しを制御する垂直走査回路3と、画素アレイ4から読み出された画素信号をAD変換する列AD回路21aと、列AD回路21aでAD変換された画素信号を保持する列デジタルメモリ21bと、列デジタルメモリ21bの各列を選択して、保持されているデジタル画素信号の読み出しを駆動する水平走査回路13とを備える。
画像処理回路300は、固体撮像装置200から出力されたデジタル画素信号を受けて、カメラ信号処理として必要な、ガンマ補正、色補間処理や空間補間処理、オートホワイトバランスなどの処理を行うDSP(Digital Signal Processor)等である。また、JPEGなどの圧縮フォーマットへの変換やメモリへの記録、カメラが備える液晶画面への表示用信号処理などを行う場合もある。
カメラシステム制御部400は、ユーザI/F(図示せず)で指定された各種の設定に従って、光学系100や固体撮像装置200、画像処理回路300の制御を行い、撮像装置30の全体動作を統合するマイクロコンピュータ等である。ユーザI/Fとしては、例えば、ズーム倍率の変更やレリーズボタンなどのリアルタイム指示も入力として受け、レンズ101のズーム倍率変更や幕シャッタの走行や固体撮像装置200のリセット走査の制御を行う。
ここで、固体撮像装置200は、ランプ型AD変換装置を搭載し、カウントクロックのデューティの劣化を抑制して、各列AD回路21aに供給することができる。また、クロックバッファのステージ数を2段にすることができるため、レイアウト面積の増加も抑制できる。さらに、クロックバッファの各ステージにそれぞれ専用の電源線・GND配線が設けられデカップリング容量が付加されることにより、ピーク電流、およびこれに起因するノイズの増加も抑制することができる。
この固体撮像装置200を搭載した撮像装置30は、静止画の画質向上に直結するAD変換ビット幅の拡大や画素数の増加が容易となり、また、フレームレートを上げることができ、より滑らかな動画像を取得できるようになる。
また、本実施の形態に係る固体撮像装置200及び撮像装置30では、図6に記載された各機能ブロックを、個別部品の組み合わせとして構成しているが、機能ブロックの全て、もしくは一部を同じIC内に集積化してもよい。個別部品の組み合わせとして構成した場合は、撮像装置の有するデバイスの低コスト化に有利である。一方、集積化した場合は上記デバイスの高速化に有利である。
以上、本発明の固体撮像装置及び撮像装置について、実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明に係る固体撮像装置及び撮像装置は、上記実施の形態に限定されるものではない。実施の形態1〜3における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態1〜3に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る固体撮像装置及び撮像装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
本発明は、特にデジタルスチルカメラやビデオカメラに有用であり、高画質の静止画像や滑らかな動画像が必要な固体撮像装置及びカメラに用いるのに最適である。
1、200 固体撮像装置
1a、1b 端子
2 通信・タイミング制御部
3 垂直走査回路
3a 垂直デコーダ
3b 垂直駆動回路
4 画素アレイ
4a 単位画素
6 垂直信号線
7 参照信号生成部
7a DA変換回路
8 コンパレータ
9 CMPout
10、855、955 カウンタ回路
12 水平信号線
13 水平走査回路
13a 水平デコーダ
15 クロック発生器
20 行制御線
21 列処理部
21a 列AD回路
21b 列デジタルメモリ
22 列制御線
30 撮像装置
100 光学系
101 レンズ
300 画像処理回路
400 カメラシステム制御部
600、700 入力端子
601、602、603、701、702、825、826 インバータ
609、801、802、803、804、806、807、809、810、811、812、813、816、817、820、821、824、901、902、903、904 バッファ
650、750、850、910 第1のステージ
651、751、851、911 第2のステージ
770 キャパシタ
780、783 電源線
781、782 GND線
800、900 カウントクロック入力端子
852、912 第3のステージ
853、913 第4のステージ
914 第5のステージ

Claims (9)

  1. 光電変換素子を含む単位画素が2次元マトリクス状に配置されたN(Nは自然数)列の画素アレイと、
    画素列毎に設けられ、前記単位画素からの画素信号が読み出される読出し信号線と、
    前記画素アレイに隣接して設けられ、読出し信号線経由で出力される前記画素信号をランプ波によりAD変換するランプ型列AD変換装置とを備え、
    前記ランプ型列AD変換装置は、
    前記ランプ波を生成するD/A変換回路と、
    画素列毎に設けられ、前記画素信号と前記ランプ波とを比較し、前記画素信号の電圧と前記ランプ波の電圧とが一致するタイミングを検知する列比較回路と、
    画素列毎に設けられ、前記列比較回路での比較開始から前記タイミングまでの時間を、クロック信号が供給されることにより計測する列カウンタ回路と、
    全ての前記列カウンタ回路が一次元状に配列された方向に沿うように実質的に等間隔に直列接続された、上位クロック段を構成するM(M<N)個の第1インバータとを有し、
    前記列カウンタ回路は、前記M個の第1インバータのそれぞれに対応づけられたM個の列カウンタ回路グループのいずれかに属し、
    奇数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって下位クロック段に配置された第2インバータを列カウンタ回路ごとに有し、
    偶数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって前記下位クロック段に配置されたバッファを列カウンタ回路ごとに有し、
    前記クロック信号は、前記上位クロック段、前記下位クロック段という順で経由して前記列カウンタ回路に分配される
    固体撮像装置。
  2. 光電変換素子を含む単位画素が2次元マトリクス状に配置されたN(Nは自然数)列の画素アレイと、
    画素列毎に設けられ、前記単位画素からの画素信号が読み出される読出し信号線と、
    前記画素アレイに隣接して設けられ、読出し信号線経由で出力される前記画素信号をランプ波によりAD変換するランプ型列AD変換装置とを備え、
    前記ランプ型列AD変換装置は、
    前記ランプ波を生成するD/A変換回路と、
    画素列毎に設けられ、前記画素信号と前記ランプ波とを比較し、前記画素信号の電圧と前記ランプ波の電圧とが一致するタイミングを検知する列比較回路と、
    画素列毎に設けられ、前記列比較回路での比較開始から前記タイミングまでの時間を、クロック信号が供給されることにより計測する列カウンタ回路と、
    全ての前記列カウンタ回路が一次元状に配列された方向に沿うように実質的に等間隔に直列接続された、上位クロック段を構成するM(M<N)個の第1インバータとを有し、
    前記列カウンタ回路は、前記M個の第1インバータのそれぞれに対応づけられたM個の列カウンタ回路グループのいずれかに属し、
    奇数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって下位クロック段に配置されたバッファを列カウンタ回路ごとに有し、
    偶数番目の前記列カウンタ回路グループは、当該列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの出力端子と、当該列カウンタ回路グループに属する列カウンタ回路との間であって前記下位クロック段に配置された第2インバータを列カウンタ回路ごとに有し、
    前記クロック信号は、前記上位クロック段、前記下位クロック段という順で経由して前記列カウンタ回路に分配される
    固体撮像装置。
  3. 前記クロック信号は、上位クロック段のうち、一番目の列カウンタ回路グループに対応する第1インバータの入力端子から入力され、一の列カウンタ回路が属する列カウンタ回路グループに対応する第1インバータまでを経由し、当該第1インバータの出力端子、当該出力端子と前記一の列カウンタ回路との間に接続された1つの前記第2インバータまたはバッファを経由して、前記一の列カウンタ回路に分配される
    請求項1または2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記列カウンタ回路は、分配された前記クロック信号の波形の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの双方を用いて、前記列比較回路での比較開始から前記タイミングまでの時間を計測する
    請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  5. 前記上位クロック段は、前記M個の第1インバータに電圧または電流を供給するための第1電源線及び第1接地線を備え、
    前記第1電源線と第1前記接地線との間に、デカップリングコンデンサを備える
    請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  6. 前記下位クロック段は、全ての前記第2インバータ及び前記バッファに電圧または電流を供給するための第2電源線及び第2接地線を備え、
    前記第2電源線と前記第2接地線との間に、デカップリングコンデンサを備える
    請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  7. 前記デカップリングコンデンサは、前記M個の第1インバータのそれぞれに対応して配置されている
    請求項5または6に記載の固体撮像装置。
  8. 前記デカップリングコンデンサは、画素列ごとに配置されている
    請求項5または6に記載の固体撮像装置。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の固体撮像装置を備えた撮像装置。
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