JP2011173827A - ビスイミドフェノール誘導体及びその製造方法並びに高分子化合物 - Google Patents

ビスイミドフェノール誘導体及びその製造方法並びに高分子化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶剤中での反応に十分な溶解性を有し、単純化された分子構造によって十分なイミド基含量を有する芳香族ビスイミドフェノール化合物から誘導された、耐熱性高分子材料の原料モノマー等として有用な芳香族ビスイミドフェノール誘導体を提供する。
【解決手段】一般式(I)のビスイミドフェノール化合物のR〜Rの水酸基が−O−R(Rは反応性官能基を有する炭素数1〜20の有機基)に置換されたビスイミドフェノール誘導体。
Figure 2011173827

(Rは最安定構造の理論計算で、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値|α|が45゜〜90゜の官能基。Rは−H又は|α|が0゜以上45゜未満の官能基。R〜Rは−H、−OH又は炭素数1〜10の有機基。Rは炭素数1〜10の有機基。Xは単結合、炭素数1〜20の有機基、−C(CF−、−O−又は−SO−。n=0〜3。R〜R≠ハロゲン原子。R〜Rのうちの一つは水酸基。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規ビスイミドフェノール誘導体及びその製造方法と、このビスイミドフェノール誘導体をモノマーの少なくとも一部として重合して得られる高分子化合物に関する。
イミド化合物は耐熱性に優れていることが知られており、イミド基を導入したモノマー化合物は、耐熱性が要求される高分子材料の原料として有用である。耐熱性高分子材料の代表的なものとして、芳香族ポリイミド樹脂があるが、融点が非常に高い上、一般的な有機溶剤に対する溶解性が非常に低く、作業性、加工性の面で問題が多い。例えば、ポリイミドを溶液として用いるには、N−メチルピロリドンのような高極性溶剤が必要であるが、N−メチルピロリドンのような高極性溶剤は沸点が非常に高いため、除去が困難であり、後工程でフクレの原因となりやすいなどの問題がある。
この対策として、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液を用い、溶剤を除去した後に加熱或いは化学的手法によってイミド環を閉環してポリイミド樹脂とする方法が知られている(非特許文献1)が、この方法では閉環時の体積収縮によって反りが起こるなどの問題がある。
一方で、ビスイミドフェノール化合物をモノマーとして用いる方法も開示されている(特許文献1〜4)。しかし、これまでに知られているビスイミドフェノール化合物は、一般的な有機溶剤への溶解性が十分でなかったり、また溶解性を付与するために分子構造を複雑にした結果、イミド基の濃度が低下してしまったりするものであった。
また、ビスイミドフェノール化合物は、末端がフェノール基であるため、これ自体のモノマーとしての適用範囲には限界があった。加えて、その溶剤溶解性の低さから、ビスイミドフェノール化合物に他の反応性官能基を導入することは非常に困難であった。
特開平1−319528号公報 特開平2−70722号公報 特開平3−209858号公報 特開2007−91799号公報
「耐熱性高分子電子材料の展開」シーエムシー出版、2008年、92頁
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、その課題は、樹脂の耐熱性改良が期待されるイミド基を含有し、一般的な有機溶剤中での反応に十分な溶解性を有し、また単純化された分子構造によって十分なイミド基含量を有する芳香族ビスイミドフェノール化合物から誘導された、耐熱性高分子材料の原料モノマー等として有用な芳香族ビスイミドフェノール誘導体を提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定の構造を有することで、一般的な有機溶剤への十分な溶解性を発現するビスイミドフェノール化合物に対して、種々の反応性官能基を導入したビスイミドフェノール誘導体を見出した。また、特定のアミノフェノール化合物と芳香族カルボン酸二無水物とを反応させることにより、このビスイミドフェノール化合物を製造し、更にこれを用いて一般的な変換反応で種々のビスイミドフェノール誘導体を製造することができることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物のR〜Rのいずれか一つの水酸基が−O−R(Rは反応性官能基を有する炭素数1〜20の有機基を表し、化合物中の複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。)に置換された構造を有するビスイミドフェノール誘導体、に存する。
Figure 2011173827
(一般式(I)において、Rは、以下に定義される|α|が45゜以上、90゜以下となる一価の官能基を示し、Rは、水素原子又は以下に定義される|α|が0゜以上、45゜未満となる一価の官能基を示す。
、R及びRは、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
は、炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
Xは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜20の二価の有機基、−C(CF−、−O−又は−SO−を示す。
nは0〜3の整数である。
複数のR〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、R〜Rはハロゲン原子であることはなく、また、各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基であることにより、化合物中には2個の水酸基を有する。)
{|α|の定義}
|α|とは、下記式(I−1)に示す構造において、理論計算に基づいた最安定構造を算出した際、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値である。
Figure 2011173827
(式中、RはR又はRに該当する。)
ここで、二面角の理論計算は、OSとして「Microsoft社製Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」、ソフトに「Gaussian社製Gaussian03 x86-Win32版Rev.B.05」を用いて、AM1法(オプションとして「opt=verytight」を指定)により、最安定構造を計算して行われる。
αとしては、隣接する4つの原子、C(イミドのカルボニル炭素)−N(イミドの窒素)−C(芳香環)−C(芳香環)の成す以下の(1)〜(4)の4種の二面角の内、絶対値が最小のものとする。なお、C〜Cは下記式(I−Ia)に示される。
(1) C−C−N−C
(2) C−C−N−C
(3) C−C−N−C
(4) C−C−N−C
Figure 2011173827
(式中、RはR又はRに該当する。)
本発明の別の要旨は、下記一般式(II)で表されるアミノフェノールと、下記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物とを脱水縮合させることにより、前記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物を合成し、該ビスイミドフェノール化合物のフェノール性水酸基の水素原子をR(Rは請求項1におけると同義である。)に置換することを特徴とする、上記ビスイミドフェノール誘導体の製造方法、に存する。
Figure 2011173827
(一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
Figure 2011173827
(一般式(III)において、X、R及びnはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
本発明の更に別の要旨は、上記ビスイミドフェノール誘導体をモノマーの少なくとも一部として重合して得られる高分子化合物、に存する。
本発明によれば、樹脂の耐熱性改良が期待されるイミド基を含有するビスイミドフェノール誘導体であって、単純化された分子構造によって十分なイミド基含量を有すると共に、種々の反応性官能基を有することにより、高耐熱性の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の原料モノマーとして、その他架橋剤、硬化剤、反応性希釈剤、物性改良剤等として有用な新規芳香族ビスイミドフェノール誘導体が提供される。
しかも、本発明のビスイミドフェノール誘導体は、連結基が有し得る−C(CF−以外にハロゲン原子を含まない低ハロゲン系化合物、或いは、ハロゲン原子を含まない非ハロゲン系化合物であるので、近年の脱ハロゲン化の流れの中で非常に好適である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明において、「有機基」とは炭素原子を含む基であり、また、「官能基」とは有機基と水酸基などの無機基との総称である。
[ビスイミドフェノール誘導体]
本発明のビスイミドフェノール誘導体は、下記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物(以下、「本発明のビスイミドフェノール化合物」と称す場合がある。)のR〜Rのいずれか一つの水酸基が−O−R(Rは反応性官能基を有する炭素数1〜20の有機基を表し、化合物中の複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。)に置換された構造を有するものであり、重合反応等における取り扱い性に優れ、また、各種の反応性官能基に由来する様々な機能を有し、また、分子中のイミド基濃度が高いことから、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等に耐熱性を付与するための原料モノマーとして、その他、架橋剤、硬化剤、反応性希釈剤、物性改良剤等として有用である。
Figure 2011173827
(一般式(I)において、Rは、以下に定義される|α|が45゜以上、90゜以下となる一価の官能基を示し、Rは、水素原子又は以下に定義される|α|が0゜以上、45゜未満となる一価の官能基を示す。
、R及びRは、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
は、炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
Xは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜20の二価の有機基、−O−又は−SO−を示す。
nは0〜3の整数である。
複数のR〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、R〜Rはハロゲン原子であることはなく、また、各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基であることにより、化合物中には2個の水酸基を有する。)
{|α|の定義}
|α|とは、下記式(I−1)に示す構造において、理論計算に基づいた最安定構造を算出した際、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値である。
Figure 2011173827
(式中、RはR又はRに該当する。)
ここで、二面角の理論計算は、OSとして「Microsoft社製Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」、ソフトに「Gaussian社製Gaussian03 x86-Win32版Rev.B.05」を用いて、AM1法(オプションとして「opt=verytight」を指定)により、最安定構造を計算して行われる。
αとしては、隣接する4つの原子、C(イミドのカルボニル炭素)−N(イミドの窒素)−C(芳香環)−C(芳香環)の成す以下の(1)〜(4)の4種の二面角の内、絶対値が最小のものとする。なお、C〜Cは下記式(I−Ia)に示される。
(1) C−C−N−C
(2) C−C−N−C
(3) C−C−N−C
(4) C−C−N−C
Figure 2011173827
(式中、RはR又はRに該当する。)
{ビスイミドフェノール化合物}
まず、一般式(I)で表される本発明のビスイミドフェノール化合物について説明する。
このビスイミドフェノール化合物は各種の有機溶剤、特にケトン系溶剤に対する溶解度が高いという利点を有する。
<溶解性発現の説明>
イミド基含有化合物、特に芳香族イミド化合物は、イミド基を含む共役平面同士がスタッキングすることによる強い凝集力によって優れた物性を示す一方で、溶剤溶解性が非常に低く、取り扱いが困難であった。
本発明のビスイミドフェノール化合物が溶剤に対する溶解性に優れる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推定される。
(1) イミド基のオルト位に適切な大きさの置換基Rを有することで、イミド基を含む共役平面が捻れを持ち、分子間のスタッキングが適度に阻害される。
(2) イミド基の両オルト位が非対称(R≠R)であることで結晶性が低下する。
本発明のビスイミドフェノール化合物では、これらの要因が協奏的に作用することによって良好な溶剤溶解性が発現している。
ただし、捻れを生じさせる置換基Rが大きすぎる場合は、イミド化合物の特徴である分子間のスタッキングを完全に阻害してしまい、十分な物性が得られない可能性があるため、該置換基Rは適度な大きさに留めるのが好ましい。
<R
は上記|α|が45゜以上、90゜以下の、ハロゲン原子以外の一価の官能基である。Rの|α|の下限は、分子間の重なりによる溶剤溶解性低下が起こりにくいことから、好ましくは48°、より好ましくは51°である。一方、|α|の上限は、置換基がイミド化合物の特徴である分子間のスタッキングの起きる適度な大きさであることから、好ましくは75°、より好ましくは60°である。
は、上記|α|を満たした上で、炭素イミドフェノール分子中のイミド基濃度、及び、イミド化合物に期待される物性が発現しやすい、即ち、分子量が過度に大きくないことにより、イミド基含量を十分なものとし、また、イミド化合物に期待される物性が、立体障害により分子間の相互作用が阻害されることにより損なわれないと思われることから、炭素数1〜10の有機基が好ましく、炭素数1〜3の有機基が更に好ましく、炭素数1〜2の有機基が特に好ましい。
の具体例は、炭化水素基、芳香族基、アシル基(アルデヒド、ケトン)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、アルコキシル基、アリ−ロキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルボキサミド基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ−ルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホ基、トリアルキルシリル基等が挙げられる。中でも、|α|が好適範囲であることから、直鎖又は二級炭化水素基、アシル基(アルデヒド、ケトン)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、アルコキシル基、アリ−ロキシル基、置換されたアミノ基、置換されたカルボキサミド基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ−ルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホ基が好ましく、とりわけ、直鎖炭化水素基、ホルミル基を除くアシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、置換されたアミノ基、スルホニル基、スルホ基が好ましい。
なお、|α|が45〜90°の官能基を表1に、また、これらのうち特にRとして好適な官能基(|α|=48〜75°)について、その|α|と共に表2に示す(以下においてPhはフェニル基を、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を示す。)。
Figure 2011173827
Figure 2011173827
表2に示す官能基のうち、Rとしては特に下記表3に示すもの(|α|=51〜60°)が好ましい。
Figure 2011173827
<R
は、水素原子又は上記|α|が0°以上、45°未満のハロゲン原子以外の一価の官能基である。|α|が0°となるのは、Rがイミド基のカルボニル酸素と強く相互作用するルイス酸性を有した置換基の場合であり、こうした場合にはRによる二面角の形成をRが阻害し、十分な溶解性を確保できない可能性があることから、|α|の下限は、好ましくは10°、より好ましくは20°である。また、大きな捻れを生じさせる置換基は、Rによって生じた二面角を更に増大し、好ましい範囲を逸脱させるおそれがあることから、|α|の上限は、好ましくは43°である。
の具体例としては、下記表4に|α|を示す水素原子又は官能基のような立体的に小さい水素原子又は官能基が挙げられ、この内、水素原子又は水酸基などの、立体的に小さく、ルイス酸性が小さい水素原子又は官能基が好ましい。
Figure 2011173827
<R〜R
〜Rは、各々独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1〜10のハロゲン原子以外の一価の有機基を示すが、R〜Rのうち、隣接する2つの基が互いに結合してベンゼン環に縮合する、炭素数20以下の環を形成してもよい。
〜Rとしての炭素数1〜10の有機基としては、特に限定されないが、各基の分子量が大きくなると相対的なイミド基含量が低下するため、炭素数3以下の有機基であることが好ましい。
〜Rの具体例としては、各々独立に、水素原子、炭化水素基、芳香族基(複素環基を含む)、カルボニル基(アルデヒド、ケトン、エステル、アミド等)、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキルチオ基、アリ−ロキシ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。R〜Rが炭化水素基の場合、炭素数が10以下であれば置換基を有していてもよく、該置換基としては、複素環基、カルボニル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキルチオ基、アリ−ロキシ基、シリル基が挙げられる。
〜Rとしては、各々独立に、水素原子、水酸基又はメチル基であることが好ましい。
<R〜Rの水酸基>
本発明のビスイミドフェノール化合物においては、R〜Rのうち、いずれか一つは水酸基である必要がある。
これは、本発明のビスイミドフェノール化合物を原料モノマーとして用いて高分子量化する場合に、反応可能な置換基がないと重合できないこと、また、最も汎用性の高い反応性の置換基が水酸基であることによる。
ただし、一分子中に水酸基が3個以上あり、3官能以上になるとゲル化するので、R〜Rのいずれか一つずつが水酸基であり、一分子中のイミド基に結合した2個のベンゼン環に各々1個ずつの水酸基が結合していればよい。
<R
は、各々独立に、炭素数1〜10のハロゲン原子以外の一価の有機基を示し、1つのベンゼン環上でRが隣接する位置にある場合、隣接する2つのRは互いに結合してベンゼン環に縮合する、炭素数20以下の環を形成していてもよい。
としては、炭素数1〜10のハロゲン原子以外の有機基であれば、特に限定されないが、各基の分子量が大きくなると、相対的なイミド基含量が低下するため、炭素数3以下の有機基であることが好ましい。
の具体例としては、各々独立に、炭化水素基、芳香族基(複素環基を含む)、カルボニル基(アルデヒド、ケトン、エステル、アミド等)、ジアルキルアミノ基が挙げられる。Rが炭化水素基の場合、炭素数が10以下であれば置換基を有していてもよく、該置換基としては、複素環基、カルボニル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキルチオ基、アリ−ロキシ基、シリル基が挙げられる。
<X>
Xは単結合、置換されていてもよい炭素数1〜20の二価の有機基、−C(CF−、−O−、又は−SO−を示す。Xが二価の有機基の場合、その分子量が大きくなると相対的にイミド基含量が低下するため、炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、炭素数1〜3の有機基であることが好ましい。炭素数1〜3の二価の有機基としては具体的には、メチレン基、2,2−プロピリデン基、オキシメチレン基等が挙げられる。
Xとしては、特に単結合、オキシメチレン基、−C(CF−、−O−、又は−SO−が好ましい。
<n>
nは0〜3の整数であるが、nが大きく、ビスイミドフェノール化合物の分子量が大きくなると、相対的なイミド基含量が低下するため、nは0又は1が好ましい。
<対称性>
本発明のビスイミドフェノール化合物において、連結基Xで連結される左右の環構造のベンゼン環部分に結合するR〜Rと、Rの個数を表すnは、左右で各々同一でも異なってもよいが、同一の方が分子の対称性がよく、高分子量化した際にイミドの特徴である凝集力を損なわないことから好ましい。
<分子量>
本発明のビスイミドフェノール化合物の分子量の下限は504であるが、その上限としては、1000以下、特に800以下、とりわけ600以下であることが好ましい。
本発明のビスイミドフェノール化合物の分子量が過度に小さいと、本発明のビスイミドフェノール化合物の分子設計が不可能であり、逆に過度に大きいと、ビスイミドフェノール化合物、ひいては本発明のビスイミドフェノール誘導体のイミド基含量が小さくなり、好ましくない。
<イミド基含量>
本発明のビスイミドフェノール化合物のイミド基含量(本発明のビスイミドフェノール化合物1g当たりのイミド基のモル量)は、本発明のビスイミドフェノール誘導体がイミド基含量の多い、耐熱性高分子材料の原料モノマーとして有用なビスイミドフェノール誘導体となり得ることから、0.22mmol/g以上、特に1.0mmol/g以上、とりわけ2.0mmol/g以上であることが好ましい。なお、イミド基含量の最大値は、理論的には4.0mmol/gである。
イミド基含量等の本発明のビスイミドフェノール化合物の構造は、H−NMR(核磁気共鳴スペクトル分析法:重ジメチルスルホキシド溶媒)、IR(赤外線吸収スペクトル法)、MS(質量分析法)によって確認することができる。
<溶剤に対する溶解度>
本発明のビスイミドフェノール化合物は、ケトン系溶剤に対する溶解度が高い。具体的には、本発明のビスイミドフェノール化合物の内、好ましいものは、ケトン系溶剤に対し、60℃で0.5重量%以上の溶解度を示し、更に好ましいものは1.0重量%以上の溶解度を示し、特に好ましいものは2.0重量%以上の溶解度を示し、最も好ましいものは3.0重量%以上の溶解度を示す。
ここで、ケトン系溶剤とは、ケトン基を有する液体を指す。中でも、ビスイミドフェノールの反応を妨げないように非プロトン性であることが望ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルメチルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトン等が挙げられる。
これらのケトン系溶剤をはじめとして、各種の有機溶剤に対する溶解度がごく僅かであっても、部分的にでも溶解していれば温度や時間をかけることで反応は進行するが、実際の作業性を考慮すると溶解度は高いことが好ましい。
本発明のビスイミドフェノール化合物が溶剤溶解性を有することで、種々の本発明のビスイミドフェノール誘導体の製造が容易となり、好ましい。
なお、本発明のビスイミドフェノール化合物の溶剤に対する溶解度の測定方法は以下の通りである。
(溶解度の測定方法)
サンプル瓶に、ビスイミドフェノール化合物と溶剤を入れ、時々手で振り混ぜながら、油浴中で60℃で2時間加熱した際の溶解性を目視で確認する。高濃度から測定を開始し、溶け残りがある場合には少量ずつ溶剤を足して濃度を下げ、完全に溶解した時点の濃度を溶解度とする。
{ビスイミドフェノール誘導体}
本発明のビスイミドフェノール誘導体は、上述の本発明のビスイミドフェノール化合物のR〜Rのいずれか一つの水酸基が−O−R(Rは反応性官能基を有する炭素数1〜20の有機基を表し、化合物中の複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。)に置換された構造を有するものである。
<R〜Rの−O−R
本発明のビスイミドフェノール誘導体においては、前述の一般式(I)におけるR〜Rのうち、何れか1つは−O−Rである。
ここで、Rは、反応性官能基を有する炭素数1〜20の有機基であり、複数のRを有する場合は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ここで、Rの炭素数は反応性官能基の炭素数も含めたR全体の炭素数である。
の炭素数は、ビスイミドフェノール誘導体中におけるイミド基濃度を高くしやすい点では、少ない方が好ましいが、また、一方で、ビスイミドフェノール誘導体の溶剤溶解性の点では、多い方が好ましい。具体的には、炭素数が16以下であるのが好ましく、8以下であるのが更に好ましく、6以下であるのが特に好ましく、4以下が最も好ましい。
が有する反応性官能基とは、それ自体、又は他の官能基と化学反応することで共有結合を生成し、高分子量化されることが可能な官能基全般を指す。
が有する反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、ビニル基、エチニル基、アミノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、エピチオ基、カルボキシ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、酸無水物基、アルコキシカルボニル基、ハロホルミル基、ヒドラジノ基、ホルミル基、チオホルミル基、アジド基等が挙げられる。これらのうち、エポキシ基及び不飽和結合を有する官能基(ビニル基、エチニル基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、アジド基等)が好ましく、エポキシ基及びオレフィン性官能基(ビニル基、エチニル基等)が更に好ましい。
の具体例としては、例えば以下のような構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、以下の構造式において、Qは任意の置換基を表すが、R全体としての炭素数は20以下であり、複数のQは互いに同一でも異なっていてもよい。また、※は一般式(I)における両端のベンゼン環への結合位置を示す。mは0〜4の整数を示し、pは0〜3の整数を示す。
Figure 2011173827
<分子量>
本発明のビスイミドフェノール誘導体の分子量の下限は552であるが、その上限としては、1200以下、特に10000以下、とりわけ800以下であることが好ましい。
本発明のビスイミドフェノール誘導体の分子量が過度に小さいと、本発明のビスイミドフェノール誘導体の分子設計が不可能であり、逆に過度に大きいと、ビスイミドフェノール誘導体のイミド基含量が少なくなり、好ましくない。
<イミド基含量>
本発明のビスイミドフェノール誘導体のイミド基含量(本発明のビスイミドフェノール誘導体1g当たりのイミド基のモル量)は、イミド基含量の多い、耐熱性高分子材料の原料モノマーとして有用なビスイミドフェノール誘導体となり得ることから、0.2mmol/g以上、特に0.8mmol/g以上、とりわけ1.8mmol/g以上であることが好ましい。なお、イミド基含量の最大値は、理論的には3.6mmol/gである。
イミド基含量等の本発明のビスイミドフェノール誘導体の構造は、H−NMR(核磁気共鳴スペクトル分析法:重クロロホルム又は重ジメチルスルホキシド溶媒)、IR(赤外線吸収スペクトル法)、MS(質量分析法)によって確認することができる。
<用途>
本発明のビスイミドフェノール誘導体の用途としては、特に制限はないが、本発明のビスイミドフェノール誘導体は、例えば、高耐熱の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂原料、架橋剤、硬化剤、反応性希釈剤、物性改良剤等として有用である。
[ビスイミドフェノール誘導体の製造方法]
本発明のビスイミドフェノール誘導体の製造方法には特に制限はないが、例えば、前述の本発明のビスイミドフェノール化合物のR〜Rのいずれか一つの水酸基の水素原子を、前述のRに置換することにより製造することができる。
以下に、本発明のビスイミドフェノール誘導体の製造方法を、本発明のビスイミドフェノール化合物を製造し、得られたビスイミドフェノール化合物の水酸基の変換反応で製造する方法について説明するが、本発明のビスイミドフェノール誘導体の製造方法は何ら以下の方法に限定されるものではない。
{ビスイミドフェノール化合物の製造方法}
本発明のビスイミドフェノール化合物の製造方法には特に制限はないが、例えば、下記一般式(II)で表されるアミノフェノールと、下記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物を脱水縮合させる本発明の製造方法により製造することができる。
Figure 2011173827
(一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
Figure 2011173827
(一般式(III)において、X、R及びnはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
前記一般式(II)で表されるアミノフェノール(以下、単に「アミノフェノール」と称す。)と、前記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物(以下単に「芳香族カルボン酸二無水物」と称す。)の脱水縮合は、フェノール性水酸基によるエステル生成の副反応を最小化する観点から、イミド閉環(脱水)が起こらない温度条件でこれらの原料をアミック酸としてから(以下「一段目反応」と称す場合がある。)、反応温度を上げてイミド環を形成させる(以下「二段目反応]と称す場合がある。)手法で行うのが好ましい。
アミック酸を生成させる際に、活性プロトンが存在すると酸無水物基と副反応を起こし、アミック酸の生成を阻害することから、アミック酸の生成は非プロトン性の有機溶剤中で加熱して行うのが好ましい。
アミック酸からイミド環を形成させる脱水反応は、生成したアミック酸を更に加熱して行ってもよく、また、脱水剤を用いて行ってもよい。この脱水反応は、溶剤存在下でも不在下でも構わない。
以下、アミノフェノールと芳香族カルボン酸二無水物との脱水縮合反応による本発明のビスイミドフェノール化合物の製造方法につき、詳細に説明する。
<アミノフェノール>
前記一般式(II)で表されるアミノフェノールとしては、例えば、次のようなものが挙げられる。
(|α|=51°〜60°のもの)
<安息香酸類:R=COOH>
2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−エチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−プロピル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−アセチルアミノ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,6−ジメチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−エチルチオ安息香酸、2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、5−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、2−アミノ−5−エトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−5−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−メチル−5−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−メトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−6−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、6−アミノ−3−エチル−2−ヒドロキシ安息香酸
<安息香酸メチル類:R=COOMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル、2−アミノ−5−エトキシ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル、3,4−メトキシカルボニル−2−アミノフェノール、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−アセチルアミノ安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−6−[(2−トリメチルシリルエトキシ)メトキシ]安息香酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル、5−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル安息香酸メチル、2−アミノ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−メトキシカルボニル−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−ベンゾイルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−メトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−6−ヒドロキシ安息香酸メチル、6−アミノ−3−エチル−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
<アセトフェノン類:R=COMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルアセトフェノン、2−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルアセトフェノン、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,6−ジメチルアセトフェノン、2−アミノ−4−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−プロピルアセトフェノン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルアセトフェノン、2−アミノ−5−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−3−メトキシ−5−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−6−メチルアセトフェノン、2−アミノ−6−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−メチルアセトフェノン
<ジメチルアニリン類:R=NMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン
<アセチルアニリン類:R=NHCOMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−エトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−アセチル−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン
<スルホン酸メチル類:R=SOMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル、2−アミノ−5−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル、2−アミノ−6−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル
<メチルスルホン類:R=SOMe>
(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン、(2−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン、(2−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン、(2−アミノ−6−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン
<アミノフェノール類:R=Me>
4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、3−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,3,4−トリメチルフェノール、5−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,5,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5,6−テトラメチルフェノール
2−アミノ−6−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−アミノ−4,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール、2−アミノ−3−メチル−6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−アミノ−2,3−ジメチル−6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−アミノ−3−メチル−5−(2−トリル)フェノール、2−(1−アダマンチル)−5−アミノ−4−メチルフェノール、4−アミノ−2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−アミノ−2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、4−アミノ−2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、4−アミノ−2−(1,1−ジメチルプロピル)−5−メチルフェノール、4−アミノ−5−メチル−2−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、4−アミノ−2−(4−シクロヘキシルブチル)−5−メチルフェノール、4−アミノ−6−エチル−2,3−ジメチルフェノール、2−ヒドロキシ−6−メチル−3−アニシジン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−5−アニシジン、2−ヒドロキシ−6−メチル−4−アニシジン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−3−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−アニシジン、2−アミノ−5−ヘキサデシルオキシ−4−イソブチル−3−メチルフェノール、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3−イソプロピル−6−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチル、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸メチル、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチルアセトフェノン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルアセトフェノン、2−アミノ−4−シアノ−3,5−ジメチルフェノール、N,N−ジメチル−3−アミノ−4,5−ジメチル−2−ヒドロキシベンズアミド、N,N−ジメチル−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチルベンズアミド、2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルメチル)−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチルベンゾフェノン、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾフェノン、2−アセトキシ−4−アミノ−6−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−アセチルアミノ−4−アミノ−5−メチルフェノール、4−アセチルアミノ−2−アミノ−3−メチルフェノール、6−アセチルアミノ−2−アミノ−3−メチルフェノール、N,N−ジベンジル−2−(4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパンアミド、2−アミノ−3−メチル−4,6−ビス(N−ピペリジニルメチル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−2,6−ビス(N−ピペリジニルメチル)フェノール、2−アミノ−3−メチル−4,6−ビス(N−ピロリジニルメチル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−2−(3−チオフェニル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−6−(3−チオフェニル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−6−(3−チオフェニルメチル)フェノール
(|α|=48°〜75°のもの)
<R=Et>
3−アミノ−2−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチル−2,6−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジエチルフェノール、3−アミノ−4−エチルフェノール、5−アミノ−4−エチル−2−メトキシカルボニルフェノール、2−アミノ−3−エチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジエチルフェノール
<R=iPr>
3−アミノ−2−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、2−アセチル−4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、4−アミノ−6−カルボキシ−3−イソプロピルフェノール、4−アミノ−2,5−ジイソプロピルフェノール、3−アミノ−4−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール
<R=OMe>
3−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメトキシアニリン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−エトキシカルボニル−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2,5−ジメトキシアニリン、4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−2−アニシジン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−アニシジン、4−アミノ−2,3−ジメトキシ−6−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメトキシフェノール、4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メチル−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、5−ヒドロキシ−3−メチル−2,4−ジメトキシアニリン、5−ヒドロキシ−4−ベンゾイルアミノ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−アセチルアミノ−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−アセチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−[2−(N,N−ジプロピルアミノ)エチル]−2−アニシジン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシメチル−4,6−ジメトキシアニリン、6−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、3−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、2,3,4−トリメトキシ−6−アミノフェノール
<R=SMe>
2−メチルチオ−3−アミノフェノール、3−メチルチオ−4−アミノフェノール、4−メチルチオ−3−アミノフェノール、2−メトキシ−4−メチルチオ−5−アミノフェノール、2,4−メチルチオ−5−アミノフェノール、3−メチルチオ−2−アミノフェノール
<R=CONH>
2−アミノ−6−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−5−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシベンズアミド、5−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニルベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−エトキシカルボニルベンズアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルベンズアミド
(|α|=45°〜90°のもの)
<R=tBu>
3−アミノ−2−tert−ブチルフェノール、3−アミノ−2,5−ジ−tert−ブチルフェノール、3−アミノ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−アミノ−3−tert−ブチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジ−tert−ブチルフェノール、3−アミノ−4−tert−ブチルフェノール、5−アミノ−2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−3−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジ−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−3,6−ジ−tert−ブチルフェノール
<R=Ph>
3−アミノ−2−フェニルフェノール、4−アミノ−3−フェニルフェノール、4−アミノ−2,5−ジフェニルフェノール、3−アミノ−4−フェニルフェノール、5−アミノ−2−メトキシカルボニル−4−フェニルフェノール、2−アミノ−3−フェニルフェノール
<R=SiMe>
3−アミノ−2−トリメチルシリルフェノール、4−アミノ−3−トリメチルシリルフェノール、3−アミノ−4−トリメチルシリルフェノール、2−アミノ−3−トリメチルシリルフェノール
<R=CONHMe>
2−アミノ−6−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド
中でも、分子量が小さく、置換基の反応性が低いことから、以下のものが好ましい。
<R=NMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン
<R=Me>
4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、3−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,3,4−トリメチルフェノール、5−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,5,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5,6−テトラメチルフェノール、2−アミノ−6−イソプロピル−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−アミノ−6−エチル−2,3−ジメチルフェノール、2−ヒドロキシ−6−メチル−3−アニシジン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−5−アニシジン、2−ヒドロキシ−6−メチル−4−アニシジン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−3−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−アニシジン、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3−イソプロピル−6−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチル、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸メチル
<R=Et>
3−アミノ−2−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチル−2,6−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジエチルフェノール、3−アミノ−4−エチルフェノール、2−アミノ−3−エチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジエチルフェノール
<R=iPr>
3−アミノ−2−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、2−アセチル−4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジイソプロピルフェノール、3−アミノ−4−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール
<R=OMe>
3−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−アニシジン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−3−メチル−5−メトキシ−2−アニシジン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−アニシジン、4−アミノ−2,3−ジメトキシ−6−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメトキシフェノール、5−ヒドロキシ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メチル−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−メチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−アセチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−[2−(N,N−ジプロピルアミノ)エチル]−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、3−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、2,3,4−トリメトキシ−6−アミノフェノール
これらのうち、特に、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノールなどが、得られるビスイミドフェノール化合物の溶解性と凝集力のバランスや、入手の容易さから好ましい。
これらのアミノフェノールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、対称性のよいビスイミドフェノール化合物を製造する上で、好ましくは1種のみを用いる。
<芳香族カルボン酸二無水物>
前記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物としては、例えば、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)等のテトラカルボン酸二無水物;2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物等のジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物;2,2’,3,3’−(2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−(2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−(2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物等の(2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物;2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等のベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等のジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物;2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等のジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。中でも、それ自体の分子の対称性がよく、ビスイミドフェノール化合物全体としての対称性をよくしてイミドの性質を十分に発揮させ、前記|α|を適切に設定することで必要な溶解性を確保することができ、また、入手容易であることから、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などが好ましい。
なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<溶剤>
一段目反応に用いられる溶剤は、前述の如く、活性プロトンが存在すると酸無水物基と反応する可能性があり、アミック酸生成を妨げることから、非プロトン性有機溶剤が好ましい。二段目反応に溶剤を用いる場合、その溶剤には特に制限はない。この場合、アミック酸を生成する一段目反応とイミド環を生成する二段目反応で用いる溶剤は、同一でも異なってもよいが、簡便性の点では、溶剤交換の煩雑さを避けるために同一とするか、或いは異なる溶剤を用いる場合は二段目反応において、更に別の溶剤を追加するようにすることが好ましい。
一段目のアミック酸を生成する際に用いる有機溶剤は、芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールを部分的にでも溶解可能で、かつ反応条件において原料と反応しない非プロトン性有機溶剤であればよく、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クメン、アニソール等の芳香族系溶剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。混合して用いる場合は、反応初期から混合されていてもよく、また反応の途中で添加されてもよい。
<原料比率・原料温度>
反応に供する芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールとのモル比率は、両原料が残留しない反応当量の1:2が最も好ましい。しかしながら、除去容易なアミノフェノールが芳香族カルボン酸二無水物に対し、必要量以上(芳香族カルボン酸二無水物1モルに対し2モル以上)であっても構わない。即ち、アミノフェノールは酸処理によって水溶化するため、反応後に残留しても除去が容易である。一方、酸無水物基は、アルカリ処理によってジカルボン酸のアルカリ塩とし、水溶化することは可能であるが、生成したビスイミドフェノールもアルカリ塩となることから、アミノフェノールに比べて芳香族カルボン酸二無水物は、分離、精製しにくい。反応に供する芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールのモル比率としては、芳香族カルボン酸二無水物:アミノフェノールが1:2〜1:4が好ましく、1:2〜1:3が更に好ましく、1:2が特に好ましい。
一段目反応と二段目反応を溶剤を用いて行う場合、アミノフェノールの反応溶液中濃度としては0.2〜95重量%、特に1〜55重量%、とりわけ3〜35重量%とすることが好ましい。また、芳香族カルボン酸二無水物の反応溶液中濃度としては0.02〜88重量%、特に2〜64重量%、とりわけ、5〜50重量%とすることが好ましい。
また、反応溶液中の芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールの合計濃度は特に限定されないが、作業性の問題から、アミック酸を生成する一段目反応では8〜85重量%が好ましく、イミド環を生成する二段目反応では5重量%以上が好ましい。なお、この二段目反応は無溶剤で行われても構わない。
<触媒>
一段目反応も、二段目反応も、多くの場合、無触媒でも十分に反応は進行するが、必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては、例えばピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンのような芳香族アミン;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、ウロトロピン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンのような3級アミン化合物;酢酸、トリフルオロ酢酸、フェノール化合物、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ホウ酸、リン酸のようなブレンステッド酸性化合物;アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモン、ビスマス、ランタノイド類、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、マンガン、レニウム、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛等を含むルイス酸性化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
触媒の使用量には特に制限はないが、反応点となる酸無水物基に対して概ね10モル%以下、例えば1〜5モル%程度とするのが好ましい。
なお、触媒の有無により、以下に記載する反応条件を変える必要はない。
<脱水剤>
二段目反応の脱水反応を脱水剤を用いる化学的手法で行う場合、その方法としては、例えば無水酢酸とピリジンのように酸無水物と塩基を併用する方法や、酸ハライドと塩基を併用する方法、またN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミド系化合物やリン酸系の脱水縮合剤を用いる方法が挙げられる。
これらの脱水剤の使用量としては特に制限はないが、例えば酸無水物基に対して1.0〜2.0モル当量程度とすることが好ましい。
これらの脱水剤を用いる場合、一段目反応終了後に、上記適当量の脱水剤を反応系に添加して二段目反応を行えばよい。
<反応条件>
反応温度、反応時間などの反応条件は、イミド環が生成される条件であればよいが、作業性の観点から以下の範囲内が好ましい。
即ち、アミック酸を生成する一段目反応では、反応温度は、イミドの閉環反応(脱水)が起こらない条件が望ましいことから、上限として110℃が好ましく、100℃が更に好ましく、95℃が特に好ましく、90℃が最も好ましい。また、同下限は、低すぎると反応速度が遅くなり効率が低下することから、5℃が好ましく、40℃が更に好ましく、60℃が特に好ましい。この一段目反応のアミック酸の生成反応の反応時間は温度にもよるが、下限が通常0.5時間、好ましくは1時間、同上限が通常12時間、好ましくは6時間である。
反応圧力は、常圧又は加圧が好ましく、常圧が更に好ましい。
一段目反応において、加熱時の突沸を防ぐため、反応系を撹拌することが好ましく、撹拌にはメカニカルスターラーやマグネチックスターラーを用いることができる。撹拌速度は特に限定されない。
二段目反応のイミド環の生成段階で、加熱による脱水を行う場合の反応温度は、水が揮発して反応系外に除去されるに十分な温度が必要であることから、下限は好ましくは120℃、より好ましくは130℃、特に好ましくは140℃であり、同上限は、生成物の熱分解を防ぐ観点から、好ましくは250℃、より好ましくは200℃がよい。脱水反応は、除去された水の量が理論量に達するまで行われ、ほとんどの場合24時間以内である。
脱水剤を用いる化学的手法によって脱水を行う場合の反応温度は、水を加熱留去する必要性がないことから、通常5〜100℃とする。
脱水剤を用いて脱水を行う場合、溶剤を必要とするが、加熱による脱水を行う場合は、溶剤は存在してもしなくてもよく、例えばある溶剤中でアミック酸を生成させた後に、別の高沸点の溶剤に置換して加熱脱水を行ったり、或いはアミック酸から溶剤を留去して無溶剤で加熱脱水を行ったりすることもできる。
二段目反応において、溶剤を用いる場合、反応圧力は常圧でよく、溶剤を用いない場合には常圧でも減圧でもよいが、脱水をスムーズに進行させるためには減圧であることが好ましい。また、溶剤を用いる場合、一段目反応と同様に加熱時の突沸を防ぐため、反応系を撹拌することが好ましく、撹拌にはメカニカルスターラーやマグネチックスターラーを用いることができる。撹拌速度は特に限定されない。
二段目反応を無溶剤で行う場合には継続的な撹拌は不要である。
<その他の添加剤>
本発明の方法では、本発明の反応を大幅に妨げなければ、反応系に、酸化防止剤、界面活性剤等の添加剤を加えてもよいが、イミド化の反応を妨げないよう必要最低限に止めるべきであり、これらの添加剤を添加する場合、添加量は原料の5重量%以下とすることが好ましい。
これらの添加剤としては、イミド環の形成の点から、原料以外の1級アミン、2級アミン、フェノール類を除くアルコール、原料以外の酸無水物、イソシアネート化合物等以外の物質が好ましい。
<反応の進行状況の確認>
反応の進行は、薄層クロマトグラフィ(TLC)やガスクロマトグラフィ(GC)、液体クロマトグラフィ(LC)等によって原料の消費をモニターすることで確認することができる。また、加熱脱水法においてはより簡便に、除去された水の量によって反応の進行を確認することができる。例えば、溶媒を用いる方法においては、Dean−Stark管を用いることで水の量を測定することができ、溶媒を用いない方法においては、重量の減少によって除去された水の量を知ることができ、これによって反応の進行を確認することができる。
<生成物の回収、精製>
一段目反応及び二段目反応を経て生成したビスイミドフェノール化合物は、溶剤を用いた場合には溶液となるか、あるいは析出して分散液か沈殿物となる。溶液となっている場合には溶剤を蒸発させて除去したり、又はビスイミドフェノール化合物が溶解しない貧溶媒を混合することで析出させたりして固体として得ることができる。分散液や沈殿物となっている場合にはそのまま濾取することも可能であるし、貧溶媒と混合することでさらに濾取しやすくすることもできる。濾過は加圧、常圧、減圧濾過のいずれを用いてもよい。
濾取したビスイミドフェノールは、原料の比率が適切であれば十分な純度で得られるが、残留アミノフェノールや微量の着色成分等の不純物が問題となる場合には、更に精製することもできる。
精製法としては、ビスイミドフェノールが溶解せず、不純物が溶解する溶剤を用いて洗浄除去する方法が最も簡便であり、この場合、用いる溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。どの溶剤が適切であるかは、ビスイミドフェノールによって異なる。また、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸で洗浄することで、残留アミノフェノールをより効率的に除去することができる。
不純物が結晶中に取り込まれて、洗浄では除去が困難である場合には、再結晶法が有効である。再結晶は、濾取したビスイミドフェノールを一旦溶剤に溶解し、貧溶媒を加えて再度析出させた後、濾取することにより行うことができる。ビスイミドフェノールを溶解する溶剤と貧溶媒の組み合わせとしては特に限定されないが、例えばアセトン/水、N−メチルピロリドン/水、N−メチルピロリドン/トルエン等が挙げられる。更にこれを濾取した後、前述の洗浄を行ってもよい。
ビスイミドフェノールの乾燥法は特に限定されず、加温されていてもいなくてもよく、減圧されていてもいなくてもよい。
上記の好ましい条件で反応及び精製を行えば、収率は良好であり、通常、本発明の方法によれば、80〜100%の収率で目的とするビスイミドフェノール化合物を得ることができる。
なお、不純物として混入する可能性のあるものとしては、例えば、未反応の原料、アミノフェノール中に含まれる不純物のジアミンが反応してできたイミドオリゴマー、残留溶剤、アミンの酸化物等が挙げられる。
{ビスイミドフェノール誘導体の製造方法}
本発明のビスイミドフェノール誘導体は、上述の本発明のビスイミドフェノール化合物を原料とし、例えば、R−L(Rは前述のR又はその前駆体基であり、Lは、ビスイミドフェノール化合物との反応でRを分離し得る相手基である。)で表される種々の反応剤を反応させて化学変換を経ることで製造される。この化学変換は一段階でもよいし、二段階以上の複数の工程を経てもよい。また複数の工程を経る場合は、ワンポットで行われてもよく、工程毎に単離・精製されてもよい。即ち、本発明のビスイミドフェノール誘導体は、上述のビスイミドフェノール化合物を原料として、そのフェノール性水酸基の水素原子をRに置換することにより製造されるが、Rは、ビスイミドフェノール化合物に直接1段反応で導入してもよいし、ビスイミドフェノール化合物にRの前駆体基を導入してこれをRに変える多段反応で導入してもよい。
また、化学変換の原料となる本発明のビスイミドフェノール化合物は、精製されたものであってもよく、精製前の不純物を含むものであってもよい。
反応性官能基を有する置換基Rを導入する方法としては、従来公知のいずれの方法でもよく、例えば以下の文献に記載されている方法を用いることができる。
「Comprehensive Organic Transformations 2nd Edition」Wiley−VCH、1999年
「Metal−catalyzed Cross−coupling Reactions」Wiley−VCH、1998年
<溶剤>
ビスイミドフェノール化合物の化学変換反応(以下「本発明の変換反応」と称す場合がある。)には溶剤を用いてもよい。ここで用いる溶剤としては、原料となるビスイミドフェノールを僅かでも溶解することができれば使用が可能であるが、作業上の簡便さや反応性を考慮するとビスイミドフェノール化合物の溶解度が高い溶剤であることが好ましい。例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチロラクトン、カプロラクトン等のエステル系溶剤;ピリジン、トリエチルアミン等のアミン系溶剤;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホン系溶剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、単独ではビスイミドフェノール化合物を溶解できない溶剤であっても、これらの溶剤と混合することで反応に適した溶剤を併用することも可能であり、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、クメン、アニソール等の芳香族系溶剤や、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロメチルベンゼン等のハロゲン系溶剤を上記の溶剤と混合して用いることができる。混合して用いる場合は、反応初期から混合されていてもよく、また反応の途中で添加されてもよい。
<比率・濃度>
本発明の変換反応に供するビスイミドフェノール化合物と反応剤とのモル比率は、両原料が残留しない反応当量の1:2が最も好ましい。しかしながら、反応系によっては反応剤が水分や酸素等で容易に分解してしまい、当量がずれるおそれがあるため、反応剤を過剰量用いることができる。また、平衡反応であるために当量では反応が完結しない反応系もあり、こうした場合にはいずれかを過剰量用いて平衡を生成物側に偏らせるようにしてもよい。さらに、原料のビスイミドフェノール化合物は一般に生成物よりも溶剤溶解性が悪く、これを有効に活用して、反応剤を当量より少なく用い、反応後、溶解度の低い原料のビスイミドフェノール化合物を濾過で除くことにより生成物を容易に分取することも可能である。
このようなことから、ビスイミドフェノール化合物と反応剤のモル比率としては、ビスイミドフェノール化合物:反応剤が1:1〜1:10が好ましく、1:1.5〜1:6が更に好ましく、1:1.8〜1:3が特に好ましい。
本反応に用いる原料の反応溶液中濃度としては、両原料の合計(ビスイミドフェノール化合物と反応剤の合計)の固形分濃度として0.2〜95重量%、特に1〜75重量%、とりわけ2〜55重量%とすることが好ましい。
<触媒・その他の添加剤>
本発明の変換反応は無触媒で進行するものもあるが、必要に応じて触媒や縮合剤、発生するプロトンのアクセプタ、酸化防止剤や重合禁止剤等の添加剤を加えてもよい。
触媒としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸;アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモン、ビスマス、ランタノイド類、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、マンガン、レニウム、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛等を含むルイス酸性化合物や金属錯体;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の無機塩基、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、イミダゾール類、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、ウロトロピン、トリアルキルホスフィン類等の有機塩基等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
縮合剤としてはN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、BOP試薬(Castro試薬)、PyBOP、TBTU、CDMT、DMT−MM、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド等が挙げられ、また触媒として挙げた無機酸、有機酸、ルイス酸性化合物も触媒的脱水縮合剤と解釈することができる。
プロトンのアクセプタとしては、触媒として挙げた無機塩基、有機塩基等が挙げられる。
酸化防止剤、重合禁止剤としては公知のものが用いられる。
上記触媒、縮合剤、プロトンアクセプタ、酸化防止剤、重合禁止剤等の各種添加剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<反応条件(温度、時間、圧力)>
本発明の変換反応の反応条件は、用いる反応剤の種類によって異なるが、反応温度の上限は、最も安定性が高いと思われるエチニル基の反応開始温度である200℃以下、好ましくは100℃以下である。また同下限は、簡便に取り扱える低温条件として−78℃以上、好ましくは0℃以上である。
反応時間も反応系によって異なり、反応温度にも依存するが、下限が0.5時間、同上限は通常48時間、好ましくは24時間である。
反応圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれでもよく、反応系によって最適な条件を選べばよい。例えば揮発性の高い化合物を使用して加熱したい場合は加圧下で、反応副生成物を揮発させて除去したい場合は減圧下で行うなど、化学反応を行う上での常識的な判断に従えばよい。
反応時は反応系を撹拌することが好ましく、撹拌にはメカニカルスターラーやマグネチックスターラー等を用いることができる。撹拌速度は特に限定されない。
<反応の進行状況の確認>
反応の進行は、薄層クロマトグラフィ(TLC)やガスクロマトグラフィ(GC)、液体クロマトグラフィ(LC)等によって原料の消費をモニターすることで確認することができる。
<生成物の回収、精製>
本発明の変換反応で生成したビスイミドフェノール誘導体は、溶剤を用いた場合には溶液となるか、あるいは析出して分散液か沈殿物となる。溶液となっている場合には溶剤を蒸発させて除去したり、又はビスイミドフェノール誘導体が溶解しない貧溶媒を混合することで析出させたりして固体として得ることができる。逆に、残留した原料のビスイミドフェノール化合物の溶剤溶解性が低いことを利用し、生成物のみを溶液として不溶物を濾取し、濾液を濃縮することでビスイミドフェノール誘導体を分離回収することができる。また水や無機塩の水溶液を加えて分液することで、水溶性の不純物を分離した後、前述の方法を用いて固体として得ることもできる。分散液や沈殿物となっている場合にはそのまま濾取することも可能であるし、貧溶媒と混合することでさらに濾取しやすくすることもできる。濾過は加圧、常圧、減圧濾過のいずれを用いてもよい。
本反応のビスイミドフェノール誘導体は、原料の比率が適切であれば十分な純度で得られるが、残留する原料や添加剤、微量の着色成分等の不純物が問題となる場合には、更に精製することもできる。
精製法としては、ビスイミドフェノール誘導体が溶解せず、不純物が溶解する溶剤を用いて洗浄除去する方法が最も簡便であり、この場合、用いる溶剤としては、例えば水;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の酸性水溶液;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性水溶液;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン系溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。どのような溶剤が適切であるかは、ビスイミドフェノール誘導体によって異なる。
不純物が結晶中に取り込まれて、洗浄では除去が困難である場合には、再結晶法が有効である。再結晶は、濾取したビスイミドフェノール誘導体を一旦溶剤に溶解し、再度析出させた後、濾取することにより行うことができる。この際、貧溶媒を加えても加えなくてもよい。貧溶媒を加える場合、ビスイミドフェノール誘導体を溶解する溶剤と貧溶媒の組み合わせとしては特に限定されないが、例えばアセトン/水、ジクロロメタン/ヘキサン、N−メチルピロリドン/トルエン、N−メチルピロリドン/水等が挙げられる。更にこれを濾取した後、前述の洗浄を行ってもよい。
また、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィも用いることができる。即ち、不純物を含む粗生成物をシリカゲルに吸着させ、適当な溶出溶媒で分離・流出させることで精製が可能であり、コスト面では不利であるが、小スケールの合成で簡便に純度の高い生成物を得ることができる。
これらの精製法は単独で用いるだけでなく、任意の順で適宜組み合わせて用いることができる。
また、生成したビスイミドフェノール誘導体の乾燥法は特に限定されず、加温しても加温しなくてもよく、減圧しても減圧しなくてもよい。ただし、反応性の官能基が自己反応を開始しない条件を選ぶことが必要であり、誘導体の種類によって窒素下での乾燥、酸素存在下での乾燥、低温での乾燥等を使い分けることが好ましい。
上記の好ましい条件で反応及び精製を行えば、収率は良好であり、通常、本発明の変換反応によれば、50〜100%の収率で目的とするビスイミドフェノール誘導体を得ることができる。
なお、不純物として混入する可能性のあるものとしては、例えば、未反応の原料、原料に元々含まれる不純物、反応剤の分解物、フェノール性水酸基以外の部位にRが導入された副生成物、原料の酸化物、残留添加剤、残留溶剤等が挙げられる。
[高分子化合物]
本発明の高分子化合物は、上述の本発明のビスイミドフェノール誘導体を原料モノマーの少なくとも一部として用い、これを重合するか、或いは他のモノマーと共重合してなるものであり、具体的にはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、トリアゾール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂等、又はこれらの樹脂が複合された樹脂(例えばポリイミドポリエステル、ポリエステルポリウレタン、ポリイミドアクリル、ポリアクリルウレタン等)が挙げられる。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下において、純度を示す「%」はすべて「重量%」である。
また、合成された化合物のH−NMRは、Bruker AV400Mを用いて、重DMSO(ジメチルスルホキシド)又は重クロロホルム溶媒中、室温で測定した。また、IRは、FT/IR−230(日本分光(株)製)を用いて、KBr錠剤を作成し、透過法で測定した。MSはPolaris Q((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、イオン源温度200℃、イオン化法はEI、イオン化エネルギー70eVで、直接導入法で測定した。
[製造例1:本発明のビスイミドフェノール化合物の製造]
メカニカルスターラー、Dean−Stark管、及び還流冷却管を装備した2Lフラスコに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA、三菱化学(株)製、純度99.8%)100g(340mmol)とN−メチルピロリドン(NMP、三菱化学(株)製、純度99.9%)300mlを加え、撹拌しながら4−アミノ−m−クレゾール(製品名)(又は4−アミノ−3−メチルフェノール(別名))(和光純薬工業(株)製、純度98%以上)84g(680mmol)を投入した。これを80℃の油浴で2時間加熱した後、トルエン150mlを加え、油浴温度を160℃に上げた。トルエンが還流開始してから3時間後、Dean−Stark管にほぼ理論量の水が留出したことを確認し、油浴を外して室温まで撹拌しながら冷却した。ここに1.5Lの蒸留水を加えると、生成物が析出した。これをブフナー漏斗で濾取し、3Lの水、1Lのエタノールで洗浄した後、135℃で減圧乾燥して溶剤を除去し、下記式(A1−1)で表される、薄黄色のN,N’−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミド(以下、「ビスイミドフェノール化合物(A1−1)」と称す。)を得た。収量167g(332mmol、収率98%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.05(6H,s,-CH3),6.72(2H,dd,J=2.8,8.0Hz,Ar-H),6.79(2H,d,J=2.8Hz,Ar-H),7.15(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.09(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.38(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.41(2H,s,Ar-H),9.71(2H,s,-OH)
IR(KBr):3448,1774,1709,1618,1504,1460,1421,1383,1300,1257,1111,744,546cm-1
MS:m/z504([M+],100%),505([M+]+1,31%),506([M+]+2,6.2%)
[実施例1:エポキシ誘導体の製造]
メカニカルスターラー、環流冷却管を備えた2Lフラスコに、製造例1で合成したビスイミドフェノール化合物(A1−1)103.3g(200mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド(和光純薬工業(株)製、特級)300ml、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製、特級)138.2g(1mol)を加え、撹拌しながら臭化アリル(和光純薬工業(株)製、特級)60.5g(500mmol)を滴下した。これを45℃の油浴で7時間加熱し、TLCで原料の消失を確認した後、蒸留水1.5Lを加えた。析出した固体をブフナー漏斗(濾紙5C)で濾取し、2Lの蒸留水、1Lのアルコール混媒(ソルミックスA−11、日本アルコール製)で洗浄した。これを135℃で減圧乾燥して溶剤を除去し、下記式(C1−1)で表される灰白色のN,N’−ビス(2−メチル−4−アリロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量115.4g(197.3mmol、収率98.7%)。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ2.20(6H,s,−CH3),4.58(4H,d,J=5.2Hz,CH2),5.32(2H,dd,J=2.8,10.4Hz,allyl
C-H),5.44(2H,dd,J=2.8,17.2Hz,allyl
C-H),6.06(2H,ddd,J=5.2,10.4,17.2Hz,allyl
C-H),6.88(2H,dd,J=2.8,8.8Hz,Ar-H),6.92(2H,d,J=2.8Hz,Ar-H),7.13(2H,d,J=8.8Hz,Ar-H),8.07(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.09(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.24(2H,s,Ar-H)
このN,N’−ビス(2−メチル−4−アリロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミド1.17g(2mmol)とクロロホルム50ml(和光純薬工業(株)製、特級)を、スターラーチップと環流冷却管を備えた300mlフラスコに加え、撹拌しながら氷浴で0℃に冷却した。ここに、m−クロロ過安息香酸1.1g(和光純薬工業(株)製、水分含有量約70%、4.4mmol)を少しずつ加えた。これを40℃で2時間、50℃で4時間、60℃で7時間加熱撹拌し、TLCで原料の消失を確認した後、室温まで冷却してから亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液20mlを加えて過剰のm−クロロ過安息香酸を分解し、更に炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を30ml加えて中和した。反応溶液を分液漏斗に移し、更に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液20ml、飽和食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これを濾過、濃縮すると、下記式(C1−2)で表される淡黄色のN,N’−ビス(2−メチル−4−グリシジルオキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドが得られた。収量1.19g(1.93mmol、収率96.5%)。また、分析用のサンプルとしてこの一部をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル/ジクロロメタン=1/20→1/10)で更に精製すると、非常に純度の高い上記化合物が、僅かに黄色味がかった白色固体として得られた。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ2.20(6H,s,-CH3),2.78(2H,dd,J=2.4,4.8Hz,epoxy O-CH2-CH),2.93(2H,dd,J=4.0,4.8Hz,epoxy O-CH2-CH),3.38(2H,dddd,J=2.4,3.2,4.8,6.0Hz,CH2-CH),4.00(2H,dd,J=6.0,11.2Hz,CH2),4.26(2H,dd,J=3.2,11.2Hz,CH2),6.88(2H,dd,J=2.8,8.4Hz,Ar-H),6.94(2H,d,J=2.8Hz,Ar-H),7.15(2H,d,J=8.4Hz,Ar-H),8.07(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.09(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.24(2H,s,Ar-H)
IR(KBr):1774,1713,1616,1503,1419,1379,1298,1286,1249,1171,1110,1089,1043,744cm‐1
MS:m/z616([M+],100%),617([M+]+1,39%),618([M+]+2,8.3%)
[実施例2:プロパルジル誘導体の製造]
スターラーチップ、環流冷却管を備えた300mlフラスコに、製造例1で合成したビスイミドフェノール化合物(A1−1)2.58g(5.0mol)とN,N−ジメチルアセトアミド(和光純薬工業(株)製、特級)50ml、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製、特級)6.9g(50mmol)を加え、撹拌しながら臭化プロパルジル(和光純薬工業(株)製、特級)0.83ml(11mmol)を滴下した。これを40℃の油浴で5時間加熱し、TLCで原料の消失を確認した後、蒸留水200Lを加えた。析出した固体をブフナー漏斗(濾紙5C)で濾取し、500mLの蒸留水、500mLのアルコール混媒(ソルミックスA−11、日本アルコール製)で洗浄した。これを135℃で減圧乾燥して溶剤を除去し、下記式(C2)で表される灰白色のN,N’−ビス(2−メチル−4−プロパルジルオキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量2.62g(4.5mmol、収率90.3%)。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.13(6H,s,-CH),3.62(2H,t,J=2.4Hz,C≡CH),4.87(4H,d,J=2.4Hz,C≡C-CH2),6.98(2H,dd,J=2.8,8.4Hz,Ar-H),7.04(2H,d,J=2.8Hz,Ar-H),7.33(2H,d,J=8.4Hz,Ar-H),8.11(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.39(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.42(2H,s,Ar-H)
IR(KBr):3281,1772,1713,1604,1504,1421,1380,1310,1241,1168,1110,1088,1034,844,822,745cm-1
MS:m/z580([M+],100%),581([M+]+1,3%)582([M+]+2,9.4%)
[実施例3:メタクリル誘導体の製造]
マグネチックスターラー、環流冷却管を備えた200mlフラスコに、製造例1で合成したビスイミドフェノール化合物(A1−1)5.16g(10.0mmol)とジクロロメタン35ml(和光純薬工業(株)製、特級)、ピリジン15ml(和光純薬工業(株)製、)、N,N−ジメチルアミノピリジン122mg(東京化成工業(株)製、特級)を加えて撹拌し、均一な溶液とした。ここに、塩化メタクリロイル(和光純薬工業(株)製、特級)4.8ml(48mmol)を滴下し、40℃で7時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液と飽和食塩水を加えて分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶剤を留去し、50℃で減圧乾燥して、下記式(C3)で表される淡黄色のN,N’−ビス(2−メチル−4−メタクリルオキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量4.48g(7.0mol、収率70.0%)。また、分析用のサンプルとしてこの一部をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル/ジクロロメタン=1/10)で更に精製すると、非常に純度の高い上記化合物が、白色固体として得られた。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ2.04(6H,s,Ar-CH3),2.18(6H,s,CH3-C-C(=O)),5.95(2H,s,C=CH2),6.33(2H,s,C=CH2),7.19(2H,dd,J=2.4,8.8Hz,Ar-H),7.28(2H,d,J=2.8Hz,Ar-H),7.48(2H,d,J=8.8Hz,Ar-H),8.13(2H,d,J=7.6Hz,Ar-H),8.42(2H,d,J=7.6Hz,Ar-H),8.48(2H,s,Ar-H)
IR(KBr):1774,1730,1714,1500,1420,1376,1320,1294,1239,1161,1132,1108,887,743cm-1
MS:m/z640([M+],100%),641([M+]+1,41%),642([M+]+2,9.5%)
[製造例2]
4−アミノ−3−メチルフェノールをp−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98%)74g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B1−1)で表されるN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミド(CAS No.128761−43−3)を得た。収量159g(335mmol、収率98%)。
Figure 2011173827
[製造例3]
4−アミノ−3−メチルフェノールを4−アミノ−3,5−キシレノール(東京化成工業(株)製、純度98%以上)93g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B1−2)で表されるN,N’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量177g(333mmol、収率98%)。この化合物において、一般式(I)のR,Rに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.00(12H,s,-CH),6.63(4H,s,Ar-H),8.12(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.40(2H,dd,J=0.8,8.0Hz,Ar-H),8.44(2H,d,J=0.8Hz,Ar-H),9.64(2H,s,-OH)
IR(KBr):3371,1770,1707,1597,1475,1423,1377,1321,1271,1161,1113,1028,889,847,748,692,557,538cm-1
MS:m/z532([M+],100%),533([M+]+1,38.1%),534([M+]+2,7.5%),535([M+]+3,1.0%)
[製造例4]
4−アミノ−3−メチルフェノールをm−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98.5%)74g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B2−1)で表されるN,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミド(CAS No.295348−32−2)を得た。収量152g(319mmol、収率94%)。
Figure 2011173827
[製造例5]
4−アミノ−3−メチルフェノールを5−アミノ−o−クレゾール(和光純薬工業(株)製、純度97%以上)84g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B2−2)で表されるN,N’−ビス(4−メチル−3−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量151g(300mmol、収率88%)。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.19(6H,s,-CH),6.80(2H,dd,J=2.0,8.0Hz,Ar-H),6.89(2H,d,J=2.0Hz,Ar-H),7.20(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.08(2H,d,J=7.6Hz,Ar-H),8.37(2H,dd,J=1.2,7.6Hz,Ar-H),8.41(2H,d,J=1.2Hz,Ar-H),9.67(2H,s,-OH)
IR(KBr):3471,1770,1718,1618,1599,1523,1427,1369,1281,1265,1232,1186,1128,1095,796,741,553cm-1
MS:m/z504([M+],100%),505([M+]+1,34.0%),506([M+]+2,6.9%)
[製造例6]
4−アミノ−3−メチルフェノールをo−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度97%)74g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B3−1)で表されるN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量160g(337mmol、収率99%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当する水酸基(OH)の|α|は42.3°である。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ6.94(2H,ddd,J=1.2,7.6,7.6Hz,Ar-H),7.01(2H,dd,J=1.2,7.6Hz,Ar-H),7.30(2H,dd,J=1.6,7.6Hz,Ar-H),7.34(2H,ddd,J=1.2,7.6,7.6Hz,Ar-H),8.01(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.44(2H,dd,J=1.6,8.0Hz,Ar-H),8.44(2H,d,J=1.6Hz,Ar-H),9.90(2H,s,-OH)
IR(KBr):3317,1768,1701,1620,1601,1512,1464,1425,1389,1300,1286,1198,1111,1090,893,872,758,744,631cm-1
MS:m/z476([M+],100%),477([M+]+1,33.0%),478([M+]+2,6.5%)
[製造例7]
4−アミノ−3−メチルフェノールを6−アミノ−m−クレゾール(和光純薬工業(株)製、純度90%以上)84g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B3−2)で表されるN,N’−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量168g(333mmol、収率98%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当する水酸基(OH)の|α|は42.3°である。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.26(6H,s,-CH3),6.90(2H,d,J=8.4Hz,Ar-H),7.09(2H,d,J=2.4Hz,Ar-H),7.14(2H,dd,J=2.4,8.4Hz,Ar-H),8.09(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.39(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.43(2H,s,Ar-H),9.62(2H,s,-OH)
IR(KBr):3398,1774,1718,1618,1512,1425,1375,1336,1292,1277,1188,1140,1109,1088,820,768,742,557cm-1
MS:m/z504([M+],100%),505([M+]+1,34.6%),506([M+]+2,7.3%)
[製造例8]
4−アミノ−3−メチルフェノールを2−アミノ−p−クレゾール(東京化成工業(株)製、純度98%)84g(680mmol)に変更した以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B3−3)で表されるN,N’−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量158g(313mmol、収率92%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当する水酸基(OH)の|α|は42.3°である。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.32(6H,s,-CH3),6.75(2H,d,J=7.6Hz,Ar-H),6.82(2H,s,Ar-H),7.15(2H,d,J=7.6Hz,Ar-H),8.08(2H,d,J=7.6Hz,Ar-H),8.38(2H,dd,J=1.6,7.6Hz,Ar-H),8.42(2H,d,J=1.6Hz,Ar-H),9.73(2H,s,-OH)
IR(KBr):3556,3473,1768,1707,1616,1527,1427,1383,1304,1279,1171,1117,891,808,746,559cm-1
MS:m/z504([M+],100%),505([M+]+1,33.9%),506([M+]+2,7.0%)
[製造例9]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を4,4’−オキシジフタル酸無水物(製品名)(又は3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(別名))(東京化成工業(株)製、純度98%)100g(322mmol)とし、4−アミノ−3−メチルフェノールをp−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98%)70g(644mmol)とした以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B4−1)で表されるN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド(CAS No.95576−73−1)を得た。収量157g(320mmol、収率99%)。
Figure 2011173827
[製造例10]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を4,4’−オキシジフタル酸無水物(製品名)(又は3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(別名))(東京化成工業(株)製、純度98%)100g(322mmol)とし、4−アミノ−3−メチルフェノールをm−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98.5%)70g(644mmol)とした以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B4−2)で表されるN,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミド(CAS No.50444−30−9)を得た。収量157g(320mmol、収率99%)。
Figure 2011173827
[製造例11]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製、純度96%以上)100g(279mmol)とし、4−アミノ−3−メチルフェノールをp−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98%)61g(558mmol)とした以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B5−1)で表されるN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−スルホニルジフタルイミドを得た。収量149g(276mmol、収率99%)。
Figure 2011173827
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ6.88(4H,dd,J=2.0,6.8Hz,Ar-H),7.20(4H,dd,J=2.0,6.8Hz,Ar-H),8.17(2H,dd,J=0.8,8.0Hz,Ar-H),8.61(2H,dd,J=1.6,8.0Hz,Ar-H),8.63(2H,dd,J=0.8,1.6Hz,Ar-H),9.79(2H,s,-OH)
IR(KBr):3450,1778,1711,1599,1518,1452,1389,1319,1242,1178,1149,1119,1095,1059,837,742,675,638,598,563,526cm-1
MS:m/z540([M+],100%),541([M+]+1,31.3%),542([M+]+2,12.0%),543([M+]+3,2.6%)
[製造例12]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製、純度96%以上)100g(279mmol)とし、4−アミノ−3−メチルフェノールをm−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98.5%)61g(558mmol)とした以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B5−2)で表されるN,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−4,4’−スルホニルジフタルイミド(CAS No.129209−40−1)を得た。収量149g(276mmol、収率99%)。
Figure 2011173827
[製造例13]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(和光純薬工業(株)製、純度96%以上)100g(310mmol)とし、4−アミノ−3−メチルフェノールをp−アミノフェノール(製品名)(和光純薬工業(株)製、純度98%)68g(620mol)とした以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B6−1)で表されるN,N’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−オキソメチレンジフタルイミド(CAS No.53417−18−8)を得た。収量155g(307mmol、収率99%)。
Figure 2011173827
[製造例14]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(和光純薬工業(株)製、純度96%以上)100g(310mmol)とし、4−アミノ−3−メチルフェノールをm−アミノフェノール(和光純薬工業(株)製、純度98.5%)68g(620mol)とした以外は、製造例1と同様に行って、下記式(B6−2)で表されるN,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−4,4’−オキソメチレンジフタルイミド(CAS No.54942−20−0)を得た。収量150g(298mmol、収率96%)。
Figure 2011173827
[比較例1〜13]
製造例2〜14で合成した各化合物を、それぞれ製造例3におけるビスイミドフェノール化合物(A1−1)の代わりに反応系に適用しようとしたが、溶剤溶解性が不足しており、ほとんど反応が進行しなかった。
以上のように、原料として溶剤溶解性の高いビスイミドフェノール化合物を用いた場合は、耐熱性高分子材料の原料等として有用である種々の反応性官能基を有するビスイミドフェノール誘導体を製造することが可能であるが、製造例2〜14のビスイミドフェノール化合物は溶剤溶解性が悪いため、変換反応そのものがほとんど進行しないことがわかる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物のR〜Rのいずれか一つの水酸基が−O−R(Rは反応性官能基を有する炭素数1〜20の有機基を表し、化合物中の複数のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。)に置換された構造を有するビスイミドフェノール誘導体。
    Figure 2011173827
    (一般式(I)において、Rは、以下に定義される|α|が45゜以上、90゜以下となる一価の官能基を示し、Rは、水素原子又は以下に定義される|α|が0゜以上、45゜未満となる一価の官能基を示す。
    、R及びRは、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
    は、炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
    Xは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜20の二価の有機基、−C(CF−、−O−又は−SO−を示す。
    nは0〜3の整数である。
    複数のR〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、R〜Rはハロゲン原子であることはなく、また、各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基であることにより、化合物中には2個の水酸基を有する。)
    {|α|の定義}
    |α|とは、下記式(I−1)に示す構造において、理論計算に基づいた最安定構造を算出した際、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値である。
    Figure 2011173827
    (式中、RはR又はRに該当する。)
    ここで、二面角の理論計算は、OSとして「Microsoft社製Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」、ソフトに「Gaussian社製Gaussian03 x86-Win32版Rev.B.05」を用いて、AM1法(オプションとして「opt=verytight」を指定)により、最安定構造を計算して行われる。
    αとしては、隣接する4つの原子、C(イミドのカルボニル炭素)−N(イミドの窒素)−C(芳香環)−C(芳香環)の成す以下の(1)〜(4)の4種の二面角の内、絶対値が最小のものとする。なお、C〜Cは下記式(I−Ia)に示される。
    (1) C−C−N−C
    (2) C−C−N−C
    (3) C−C−N−C
    (4) C−C−N−C
    Figure 2011173827
    (式中、RはR又はRに該当する。)
  2. 下記一般式(II)で表されるアミノフェノールと、下記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物とを脱水縮合させることにより、前記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物を合成し、該ビスイミドフェノール化合物のフェノール性水酸基の水素原子をR(Rは請求項1におけると同義である。)に置換することを特徴とする、請求項1に記載のビスイミドフェノール誘導体の製造方法。
    Figure 2011173827
    (一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
    Figure 2011173827
    (一般式(III)において、X、R及びnはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
  3. 請求項1に記載のビスイミドフェノール誘導体をモノマーの少なくとも一部として重合して得られる高分子化合物。
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