JP2011095593A - ペリクルフレーム及びペリクル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】枠体の対向する少なくとも一対の辺において、両端部より辺中点方向に延在する非貫通の凹部が辺外側面に部分的に設けられていることを特徴とするペリクルフレーム、及び、前記ペリクルフレームにペリクル膜を張設したペリクルであり、好ましくは、一対の長辺のみに前記凹部を設けられ、又は、全辺に前記凹部を設けられている。
【選択図】図1
Description
ペリクルは、露光原版の表面に形成されたパターン領域を囲むように設置される。ペリクルは、露光原版上にゴミが付着することを防止するために設けられるものであるから、このパターン領域とペリクル外部とはペリクル外部の塵埃がパターン面に付着しないように隔離されている。
もちろん、ペリクルフレームの断面積を大きくする等の剛性を高める方法によっても、かかる問題を解決することができる。しかしながら、実際には、ペリクルフレームの内側は上記のように露光領域の問題があり、外側についてもフォトマスクの固定や搬送におけるハンドリング用のクリアランスを確保する必要がある。そのため、一般的に、ペリクルフレームの各辺は、これらの制限から決定された直線形状で形成されている。
また、ペリクルフレームの材質をより高剛性のものとする方法もあり、例えば炭素繊維複合材(CFRP)やチタンを用いた場合には、一般的に使用されるアルミニウム合金よりも撓み量を少なくすることができる。しかしながら、これら材料は母材が高価なことに加え加工性が悪いため、大幅なコストアップにつながり、現実には採用は難しい。
すなわち、ペリクルフレームの凹凸形状は、張設するペリクル膜の張力の分布形状に合わせて設計する必要がある。しかし、量産で生産されるペリクル膜の張力は、常に一定というわけではなく、いくらかのばらつきが生じる。そのため、膜張力が設計値よりも大きい場合、ペリクルフレームは内側への撓み量が大きくなり、逆に小さい場合は、設計した外側への突出量が残ってしまうことになる。通常、ペリクル膜による撓みやペリクルの貼り付け誤差等を考慮して、ペリクルの内寸公差はマスクなどの露光原版のパターン部に対して、いくらかの余裕を持って設定するが、外側への撓みは機械的な変形を除いてあり得ないため、そもそも考慮されていない。そのため、ペリクルフレームが外側へ変形していた場合、ペリクル貼り付け装置や露光機内のハンドリング時に干渉する等の問題が発生するおそれがある。
(1)枠体の対向する少なくとも一対の辺において、両端部より辺中点方向に延在する非貫通の凹部が辺外側面に部分的に設けられていることを特徴とするペリクルフレーム、
(2)一対の長辺のみに前記凹部を設けた、(1)に記載のペリクルフレーム、
(3)全辺に前記凹部を設けた、(1)に記載のペリクルフレーム、
(4)(1)〜(3)いずれか1つに記載のペリクルフレームにペリクル膜を張設したペリクル。
図1は、本発明によるペリクルフレームを用いて構成されるペリクルの基本的構成を示す概略断面図である。
図1に示すように、ペリクル10は、本発明によるペリクルフレーム11の上端面にペリクル膜貼り付け用接着層2を介してペリクル膜1を張設したもので、この場合、ペリクル10を露光原版(マスク基板又はレチクル)5に粘着させるための粘着層4がペリクルフレーム11の下端面に形成され、該粘着層4の下端面にライナー(不図示)を剥離可能に貼着してなるものである。また、ペリクルフレーム11に気圧調整用穴(通気口)6が設置されていて、さらにパーティクル除去の目的で除塵用フィルター7が設けられていてもよい。
図2は、本実施形態によるペリクルフレームを模式的に示す概略図である。図2(a)は本実施形態によるペリクルフレームを模式的に示す平面図、図2(b)は図2(a)に示すペリクルフレームを長辺側からみた概略側面図、図2(c)は図2(a)に示すペリクルフレームを短辺側からみた概略側面図、図2(d)は図2(b)中のA−A線断面拡大図である。
図2に示すように、ペリクルフレーム11は、その全体形状が略矩形状の枠体となっている。ペリクル膜を張設する前のペリクルフレーム11は、その形状として外側への突出形状がなく、その長辺及び短辺における枠部分はいずれもほぼ直線状になっている。なお、ペリクルフレーム11の各角部は、外側及び内側のいずれもR形状となっている。このペリクルフレーム11の大きさは、通常のペリクル、例えば半導体リソグラフィ用ペリクル、大型液晶表示板製造リソグラフィ工程用ペリクル等と同様である。
なお、ペリクルフレーム11の各角部は必ずしも外側及び内側のいずれもR形状となっている必要はなく、いずれか一方又は両方がR形状でなくてもよいが、いずれもR形状となっていることが好ましい。
なお、凹部12は、辺内側面よりも辺外側面に設けられていることが好ましい。
また、凹部12の長さlは、ペリクルフレーム11の長辺の辺長Lに対して、l/Lの値が0.03〜0.25の範囲となるように設定することが好ましく、0.05〜0.1の範囲となるように設定することがより好ましい。
また、凹部12の幅hは、ペリクルフレーム11の厚さHの20〜50%に設定することが好ましい。また、凹部12の深さdは、ペリクルフレーム11の撓み形状により適宜調整することができるが、ペリクルフレーム11の幅Dの20〜50%以下であり、なおかつ、5mm以下に設定することが好ましい。凹部12の幅h及び深さdをこれらの範囲に設定することにより、ペリクルフレーム11の高さ方向の剛性が過度に低下するのを防止し、ハンドリングやペリクル貼付時にペリクルフレーム11が変形するのを回避することができる。
ペリクルフレームに対してペリクル膜を張設すると、図3及び図4に示すように、ペリクル膜の張力によりペリクルフレームは内側へ撓む。ここで、図3は、本発明のペリクルフレーム21(図2に示すペリクルフレーム11)にペリクル膜を張設した後の撓み形状を示している。他方、図4は、一般的な矩形断面の従来のペリクルフレーム22にペリクル膜を張設した後の撓み形状を示している。なお、図4に示す従来のペリクルフレーム22は、形状自体は図2に示す本発明のペリクルフレーム21と同じであるが、本発明のペリクルフレーム21と異なり凹部を設けずに、断面形状を一般的な矩形断面としたものである。
断面形状を一般的な矩形断面とした従来の図4では、ペリクルフレームの撓み形状は、各辺の中央部を最大値dbとした円弧状となる。これに対して、凹部を設けた本発明の図3では、ペリクルフレームの撓み形状は、各辺の中央部が最大値daとなる点は同じであるが、円弧状というよりも直線状となり、辺全体が台形状のような撓み形状となる。こうして、本発明によれば、最大撓み量を減少させることができる。
図6は、本発明の他の実施形態によるペリクルフレームを模式的に示す概略平面図である。図6(a)は本実施形態によるペリクルフレームを模式的に示す平面図、図6(b)は図6(a)に示すペリクルフレームを長辺側からみた概略側面図、図6(c)は図6(a)に示すペリクルフレームを短辺側からみた概略側面図である。
図6に示すように、ペリクルフレーム41の対向する両長辺においては、図2に示す場合と同様に、両端部より辺中点方向に延在する非貫通の凹部42が辺外側面に部分的に設けられている。
図2に示すような形状のアルミニウム合金製ペリクルフレーム11を機械加工により製作した。このペリクルフレーム11の形状は、各コーナー部の外寸は1068mm×1526mm、同内寸は1031mm×1490mmの長方形で、厚さHは6.2mm、各コーナー部の大きさは内側はR2、外側はR6とした。ここで、長辺の両端部には、図2(a)〜図2(d)に示すように、幅h=2.4mm、深さd=4.0mmで最深部の半径が1.2mmの凹部12が長さl=65mmに渡って設けられている。
上記実施例と全く同じ外形形状で、コーナー部近傍の凹部12がないペリクルフレームを製作し、ペリクルに仕上げた。この完成したペリクルの長辺の撓み量を上記と同様にして計測したところ、長辺の中央部で3.4mmと上記実施例よりも大きな値となった。
2:接着層
4:粘着層
5:露光原版
6:気圧調整用穴(通気口)
7:除塵用フィルター
10:ペリクル
11:ペリクルフレーム
12:凹部
21:本発明のペリクルフレーム
22:従来のペリクルフレーム
31:仮枠
32:ペリクル膜
33:ペリクル膜の張力(長辺中央)
34:ペリクル膜の張力(短辺中央)
35:ペリクル膜の張力(角部)
41:ペリクルフレーム
42:凹部
43:凹部
51:ペリクル
52:定盤
53:隙間ゲージ
Claims (4)
- 枠体の対向する少なくとも一対の辺において、両端部より辺中点方向に延在する非貫通の凹部が辺外側面に部分的に設けられていることを特徴とするペリクルフレーム。
- 一対の長辺のみに前記凹部を設けた、請求項1に記載のペリクルフレーム。
- 全辺に前記凹部を設けた、請求項1に記載のペリクルフレーム。
- 請求項1〜3いずれか1つに記載のペリクルフレームにペリクル膜を張設したペリクル。
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