JP2011049458A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ショートの発生が抑制された固体電解コンデンサ、およびその製造方法に関する。
【解決手段】表面に誘電体被膜が形成された陽極体と、誘電体被膜上に形成された導電性高分子層と、を備える固体電解コンデンサであって、導電性高分子層は、少なくとも、誘電体被膜上に形成された第1導電性高分子層と、該第1導電性高分子層上に形成された第2導電性高分子層とを備え、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層はシラン化合物を含み、第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度と第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度とが異なる、固体電解コンデンサの製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関し、特に、ショートの発生が抑制された固体電解コンデンサ、およびその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化や高周波化により、電子機器を構成する電子部品であるコンデンサに対しても、小型化や高周波化が求められている。小型化に適したコンデンサとして、弁金属からなる陽極体に誘電体被膜が形成され、該誘電体被膜上に電解液、二酸化マンガンおよび導電性高分子等からなる層が形成された固体電解コンデンサがある。
固体電解コンデンサにおいて、誘電体酸化被膜は、陽極体を形成する弁金属を化成処理することによって形成される。このようにして形成される誘電体酸化被膜は、極めて緻密であり、耐久性が高く、かつ非常に薄い。このため、固体電解コンデンサは、他のコンデンサ、たとえば、紙コンデンサやフィルムコンデンサと比較して、静電容量を低下させることなく小型化することが可能となる。
しかし、上述のような固体電解コンデンサは、小型化が可能である一方で、小型化に伴い製造工程におけるLC(漏れ電流)不良、ショート不良が生じる確率が高まる傾向がある。また、製造後においても、高温でのリフロー処理により、LC不良が生じるという傾向がある。
このようなショート不良の発生を抑制するために、たとえば、特許文献1には、酸化被膜が形成された陽極体を重合製モノマー溶液に浸漬、乾燥して導電性高分子層を形成した後に、さらに、導電性高分子溶液に浸漬(または塗布)、乾燥する方法が開示されている。特許文献1には、上記方法により、導電性高分子層を均一に形成させることができ、もって、ショート不良の発生を抑制できることが記載されている。
特開2005−109252号公報
しかしながら、ショート不良の発生確率を低下させる必要性は現在も存在している。また、ショート不良の発生確率を低下させるだけでなく、同時に、コンデンサとしての特性の維持、たとえば、静電容量の維持、ESR(Equivalent Series Resistance;等価直列抵抗)の増加の抑制なども必要となる。
そこで、本発明の目的は、コンデンサとしての特性を維持しつつ、ショートの発生が抑制された固体電解コンデンサ、およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、固体電解コンデンサの導電性高分子層中のシラン化合物の濃度に着目し、鋭意検討を重ねた結果、導電性高分子層の厚み方向に対するシラン化合物の濃度を変化させることによって、コンデンサとしての特性を維持したまま、ショートの発生を抑制できることを知見した。本発明は、上記知見に基づいたものである。
すなわち、本発明は、表面に誘電体被膜が形成された陽極体と、誘電体被膜上に形成された導電性高分子層と、を備える固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層は、少なくとも、誘電体被膜上に形成された第1導電性高分子層と、該第1導電性高分子層上に形成された第2導電性高分子層とを備え、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層はシラン化合物を含み、第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度と第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度とが異なる固体電解コンデンサである。
上記固体電解コンデンサにおいて、第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度が、第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度よりも高いことが好ましい。
上記固体電解コンデンサにおいて、陽極体は焼結体からなることが好ましい。
また、本発明は、表面に誘電体被膜が形成された陽極体と、誘電体被膜の表面に形成された導電性高分子層と、を備える固体電解コンデンサの製造方法であって、陽極体の表面に誘電体被膜を形成する工程と、誘電体被膜の表面に、導電性高分子層を形成する工程とを有し、導電性高分子層を形成する工程は、少なくとも、シラン化合物を含む第1重合液を用いて、誘電体被膜上に第1導電性高分子層を形成する工程と、シラン化合物を含む第2重合液を用いて、第1導電性高分子層上に第2導電性高分子層を形成する工程と、を有し、第1重合液中のシラン化合物の濃度と第2重合液中のシラン化合物の濃度が異なる、固体電解コンデンサの製造方法である。
また、上記固体電解コンデンサの製造方法において、第1重合液中のシラン化合物の濃度が、第2重合液中のシラン化合物の濃度よりも高いことが好ましい。
また、上記固体電解コンデンサの製造方法において、重合液中のシラン化合物の濃度が、5%以上30%以下であることが好ましい。
また、上記固体電解コンデンサの製造方法において、陽極体は、焼結体からなることが好ましい。
本明細書において、前駆体モノマーは必ずしも単量体である必要ななく、たとえば低分子のオリゴマーも含む概念であり、酸化剤はドーパントとしての機能を有していても良い。また、本明細書において、物質Aの濃度とは、重合液を構成する物質A〜Cの各重量がX〜Zだった場合に、Y+Zの重量に対するXの重量の比率をいう。
本発明によれば、コンデンサとしての特性を維持しつつ、ショートの発生が抑制された固体電解コンデンサ、およびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの構造を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明するための図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。なお、図面における長さ、大きさ、幅などの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法を表していない。
<固体電解コンデンサの構造>
図1は、本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの構造を概略的に示す断面図である。図1において、固体電解コンデンサ100は、表面に誘電体被膜12が形成された陽極体11と、誘電体被膜12上に形成された導電性高分子層13と、導電性高分子層13上に形成された、陰極引出層としてのカーボン層14および銀ペースト層15と、を有するコンデンサ素子10を備える。
固体電解コンデンサ100は、さらに、陽極リード16と、陽極端子17と、接着層18と、陰極端子19とを備える。陽極リード16は、金属、たとえばタンタルからなる棒状体であり、その一端は陽極体11に埋設されており、他端がコンデンサ素子10の外部へ突出するように配置される。陽極端子17は、溶接により、その一部が陽極リード16に接続される。また、陰極端子19は、導電性の接着剤からなる接着層18を介して、コンデンサ素子10の最外層である銀ペースト層15と接続するように配置される。
また、固体電解コンデンサ100は、外装樹脂20をさらに備える。当該外装樹脂20は、陽極端子17の一部および陰極端子19の一部が外装樹脂20から露出するように、陽極リード16、陽極端子17、接着層18および陰極端子19が配置されたコンデンサ素子10を封止する。
上記固体電解コンデンサ100において、陽極体11は、弁作用金属(タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウムなど)の焼結体からなり、誘電体被膜12は、弁作用金属を化成処理することによって形成される酸化被膜である。たとえば、弁作用金属としてタンタル(Ta)を用いた場合の誘電体被膜12の組成はTa25となり、弁作用金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合の誘電体被膜12の組成はAl2となる。なお、焼結体は多孔質構造を有している。
また、導電性高分子層13は、導電性高分子、シラン化合物を含んでいる。この導電性高分子層13は、たとえば、導電性高分子の前駆体モノマー、シラン化合物および酸化剤を含む重合液に、表面に誘電体被膜12が形成された陽極体11を浸漬することにより、誘電体被膜12上に形成される。また、たとえば、誘電体被膜12が形成された陽極体11を前駆体モノマーおよびシラン化合物を含む重合液に浸漬した後、酸化剤溶液に浸漬してもよい。また、たとえば、誘電体被膜が形成された陽極体11を酸化剤溶液に浸漬した後、前駆体モノマーおよびシラン化合物を含む重合液に浸漬してもよい。あるいは、誘電体被膜が形成された陽極体11に、前駆体モノマー、シラン化合物および酸化剤を含む重合液を塗布してもよい。
ところで、シラン化合物は、加水分解および脱水反応を経て無機物と化学結合することによって誘電体被膜の欠陥部を保護することができる。このようなシラン化合物の作用に鑑みれば、導電性高分子層中のシラン化合物の濃度を高くすることによって、固体電解コンデンサのショートの発生を抑制することができると考えられる。しかし、本発明者らは、導電性高分子層13の厚さ方向に対するシラン化合物の濃度を従来よりも高くした場合、固体電解コンデンサ100におけるショートの発生が抑制される一方で、ESRの増加を引き起こしてしまうことを知見した。これは、シラン化合物自体が絶縁体であるためと考えられる。
そこで、ショートの発生およびESRの増加の抑制を両立すべく、発明者らが鋭意検討を重ねた結果、導電性高分子層13の厚み方向に対するシラン化合物の濃度を変化させることにより、ショートの発生およびESRの増加の抑制を両立を達成することに成功した。
すなわち、本実施の形態に係る固体電解コンデンサ100では、導電性高分子層13中のシラン化合物の濃度は均一ではなく、厚さ方向に対して段階的に変化している。導電性高分子層13中のシラン化合物の濃度の変化の態様については特に限定されないが、一態様として、図1において、面13aを有する第1導電性高分子層(内側層)と、面13bを有し、第1導電性高分子層上に形成された第2導電性高分子層(外側層)とからなり、第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度と第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度が異なっている導電性高分子層13が挙げられる。この構成により、固体電解コンデンサのショートの発生を効果的に抑制することができる。
また、上記のように、導電性高分子層13が2層構造である場合、第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度が第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度よりも高いことが好ましい。この場合には、固体電解コンデンサのショートの発生をより効果的に抑制することができる。
また、当然に、導電性高分子層13の構造は2層構造に限られず、何層構造であってもよい。特に、導電性高分子層13を構成する各層のうち、面13aを有する第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度が、他の層、特に面13bを有する第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度よりも高いことが好ましい。この場合には、固体電解コンデンサのショートの発生をより効果的に抑制することができる。
また、導電性高分子層13が複数の層からなる場合に、各層の形成に用いられる前駆体モノマー、シラン化合物、酸化剤の種類、およびこれらを含有させる溶媒の種類については、各層で異なってもよい。
導電性高分子層13を構成する導電性高分子としては、脂肪族系化合物、芳香族系化合物、複素環式系化合物およびヘテロ原子含有化合物のうちの少なくとも1つを有している高分子が好ましく、中でも、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフランおよびTCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)銀塩などが好ましい。
また、導電性高分子層13を構成するシラン化合物としては、ビニルトリクロルシラン、ビニル(β−メトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトルプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどがある。
特に、シラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたはN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。これらは、固体電解コンデンサ100のショート発生の抑制、ESRの増加の抑制に優れている。
また、酸化剤としては、たとえば、スルホン酸系金属塩がある。スルホン酸系金属塩は酸化剤とドーパントとしての役割を果たす。スルホン酸を構成する部分としては、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、多環芳香族スルホン酸などが挙げられ、金属塩を構成する部分としては、鉄(III)、銅(II)、クロム(IV)、セリウム(IV)、ルテニウム(III)、亜鉛(II)などから適宜選択することができる。
また、陰極引出層としてのカーボン層14は導電性を有していればよく、たとえば、グラファイトを用いて構成することができる。陽極端子17および陰極端子19は、たとえば銅または銅合金などの金属で構成することができる。また、外装樹脂20の素材としては、たとえばエポキシ樹脂を用いることができる。
<固体電解コンデンサの製造方法>
次に、固体電解コンデンサ100の製造方法について、図2を用いて説明する。ここでは、一例として、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層からなる導電性高分子層13を備える固体電解コンデンサの製造方法を説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造方法を説明するための図であり、各図2(a)〜(e)は、各製造段階で形成される構造の概略的な断面を示す。
まず、図2(a)において、弁作用金属粉末が準備され、棒状体の陽極リード16の長手方向の一端側が金属粉末に埋め込まれた状態で、当該粉末を所望の形状に成形する。そして、これを焼結することにより、陽極リード16の一端が埋め込まれた多孔質構造の陽極体11が形成される。
次いで、図2(b)に示されるように、陽極体11を化成処理することにより、陽極体11の表面に誘電体被膜12を形成する。化成処理の方法として、陽極体11を、0.01〜2質量%のリン酸水溶液または硝酸水溶液などの化成溶液中に浸して電圧を印加する方法がある。
次いで、誘電体被膜12が形成された陽極体11を、導電性高分子層13を構成する高分子の前駆体モノマー、シラン化合物および酸化剤を含む重合液に浸漬して、誘電体被膜12上に導電性高分子層13を形成する。この際に、導電性高分子層13中のシラン化合物の濃度が導電性高分子層13の厚み方向に対して段階的に変化するように、重合液中のシラン化合物の濃度が以下のように調製される。
まず、前駆体モノマー、シラン化合物、酸化剤を含む第1重合液としての重合液Aに、誘電体被膜12が形成された陽極体11を浸漬する。そして、重合液Aから引上げた陽極体11を乾燥処理して溶媒を除去することにより、図2(c)に示されるように、第1導電性高分子層としての内側層13Aを形成する。乾燥処理としては熱処理を用いることができる。
次いで、重合液Aとシラン化合物の濃度が異なる第2重合液としての重合液Bに、内側層13Aが形成された陽極体11を浸漬する。そして、重合液Bから引上げた陽極体11を乾燥処理して溶媒を除去することにより、図2(d)に示されるように、内側層13A上に第2導電性高分子層としての外側層13Bを形成する。乾燥処理としては熱処理を用いることができる。
重合液Aおよび重合液Bとしては、前駆体モノマー、シラン化合物および酸化剤を、溶媒、たとえば、1−ブタノールなどの有機溶媒中に含ませたものを用いることができる。重合反応としては、化学酸化重合反応、電気化学重合反応などがあるが、製造プロセスを簡易化できること、導電性高分子層13中のシラン化合物の濃度を調製し易い点を考慮すると、化学酸化重合反応を採用することが好ましい。
その後、上述の処理後の陽極体11に、公知の技術にしたがって、カーボン層14、銀ペースト層15、陽極端子17、接着層18、陰極端子19を配置し、外装樹脂20にて封止することにより、図2(e)に示される固体電解コンデンサ100が製造される。
本実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造方法によれば、浸漬処理、乾燥処理の繰り返しによる導電性高分子層13の形成において、各浸漬処理に用いる重合液のうち、少なくとも1つの重合液中のシラン化合物の濃度が他の重合液中のシラン化合物の濃度と異なる。したがって、たとえば2層構造の導電性高分子層13を形成する場合、図2(e)に示されるように、それぞれシラン化合物の濃度が異なる内側層13Aおよび外側層13Bからなる導電性高分子層13を形成することができる。これにより、導電性高分子層13中のシラン化合物の量が過剰に増加することによるESRの増加を抑制しつつ、ショートの発生を抑制することができる。
また、導電性高分子層13が上記のような2層構造の場合、内側層13A中のシラン化合物の濃度が外側層13B中のシラン化合物の濃度よりも大きいことが好ましい。この場合、より効果的にショートの発生を抑制することができる。
また、重合液A,B中のシラン化合物の濃度としては、重合液A,B中のシラン化合物以外の物質の重量に対する比率が、5%以上30%以下であることが好ましい。この場合、シラン化合物の量に起因するESRの増加を効果的に抑制しつつ、ショートの発生を抑制することができる。
また、導電性高分子層13が複数の層から構成される場合、誘電体被膜12と接する面13aを有する内側層13Aを形成する際に用いる重合液A中のシラン化合物の濃度を、カーボン層14と接する面13bを有する外側層を形成する際に用いる重合液B中のシラン化合物の濃度よりも高くすることが好ましい。これにより、より効果的に、ESRの増加およびショートの発生を抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、複数の層からなる導電性高分子層を形成するために用いられる複数の重合液において、少なくとも1つの重合液中のシラン化合物の濃度が、他の重合液中のシラン化合物の濃度と異なることにより、製造される固体電解コンデンサのコンデンサとしての特性を維持、または向上させた上で、ショートの発生を抑制することができる。また、シラン化合物の濃度が段階的に異なる複数の重合液を用いることにより、段階的にシラン化合物の濃度が変化する導電性高分子層を形成することができる。
また、本発明における固体電解コンデンサは、上記の実施の形態に係る固体電解コンデンサに限定されず、公知の形状に応用することができる。公知の形状としては具体的に、巻回型の固体電解コンデンサ、弁金属の板を用いた積層タイプの固体電解コンデンサなどがある。
ただし、多孔質構造の焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサにおいて、陽極体の誘電体被膜上に導電性高分子層を形成するに当たって、陽極体を重合液に浸漬して乾燥する工程を複数回繰り返すことが一般的である。このため、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサの導電性高分子層を、たとえば2層構造とし、内側層と外側層のシラン化合物の濃度を変化させることは製造工程上容易である。したがって、本発明を焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサに適用することは好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、タンタル粉末を準備し、棒状体の陽極リード16の長手方向の一端側を金属粉末に埋め込んだ状態で、当該粉末を直方体に成形した。そして、これを焼結して、陽極リード16の一端が埋め込まれた陽極体11を準備した。次いで、陽極体11を0.02質量%のリン酸溶液に浸して100Vの電圧を印加することにより、陽極体11の表面にTa25からなる誘電体被膜12を形成した。
次いで、1−ブタノールに、前駆体モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェン、シラン化合物としてのγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ドーパント機能を有する酸化剤としてのp−トルエンスルホン酸鉄(III)を混合させた重合液Aを準備した。重合液Aは、各化合物の重量比が、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.9:5:11.5となるように調製した。そして、この重合液Aに、誘電体被膜12が形成された陽極体11を1分間浸漬した。その後、内側層13Aが形成された陽極体11を重合液Aから引き上げて熱処理することにより導電性高分子層13のうちの内側層13Aを形成した。
次いで、各化合物の重量比が、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:1.5:5:8.5となるように調製した重合液Bに、内側層13Aが形成された陽極体11を浸漬した。その後、外側層13Bが形成された陽極体11を重合液Bから引上げて熱処理することにより、導電性高分子層13のうちの外側層13Bを形成した。
そして、乾燥後の陽極体11に、さらに、グラファイト粒子懸濁液を塗布して大気中で乾燥させることによりカーボン層14を形成し、さらに、公知の技術にしたがって、銀ペースト層15、陽極端子17、接着層18、陰極端子19を配置し、外装樹脂20にて封止することにより、固体電解コンデンサを製造した。
<実施例2>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:1.8:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.7:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<実施例3>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:2.6:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.7:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<実施例4>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:3.5:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.7:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<実施例5>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:5.3:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.7:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例1>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.04:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.03:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例2>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.18:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.15:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例3>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.7:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.6:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例4>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.9:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:0.7:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例5>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:1.8:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:1.5:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例6>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:3.5:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:2.9:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例7>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:5.3:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:4.4:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例8>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:7:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:5.8:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例9>
重合液Aとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:8.8:5:11.5となるように調製した重合液を用い、重合液Bとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):1−ブタノール=1:7.3:5:8.5となるように調製した重合液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<性能評価>
≪静電容量相対値≫
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサについて、初期特性としての静電容量(μF)を測定した。具体的には、各実施例および各比較例の固体電解コンデンサから、それぞれランダムに120個ずつ選び、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数120Hzにおける初期静電容量(μF)を測定し、各実施例および各比較例における平均値を算出した。そして、比較例1の固体電解コンデンサの平均初期静電容量を基準値として、各実施例および比較例の固体電解コンデンサの平均初期静電容量の基準値に対する相対値を算出した。結果を表1に示した。
≪LC良品率≫
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサについて、LC良品率(%)を測定した。LC良品率とは、固体電解コンデンサの漏れ電流の程度を示す指標である。具体的には、各実施例および各比較例の固体電解コンデンサから、それぞれランダムに120個ずつ選び、固体電解コンデンサに1kΩの抵抗を直列につなぎ、直流電源にて25Vの定格電圧を1分間印加した後の漏れ電流を測定した。そして、漏れ電流量が37.5μA以下のものを良品と判断して、各実施例および各比較例におけるLC良品率を算出した。結果を表1に示した。
≪ESR値≫
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサについて、初期特性としてのESR値(mΩ)を測定した。具体的には、各実施例および各比較例の固体電解コンデンサから、それぞれランダムに120個ずつ選び、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を測定し、各実施例および各比較例における平均値を算出した。結果を表1に示した。
≪リフローショート発生率≫
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサについて、リフローショート発生率を測定した。具体的には、信頼性試験としての熱風式のリフロー試験として、121℃以上、2気圧の環境下に各実施例および比較例の固体電解コンデンサを12時間放置して強制吸湿させ、その後最高温度260℃で10秒間保持することを4回繰り返した。そして、リフロー試験後の各実施例および比較例の固体電解コンデンサに25Vの定格電圧を1分間印加してショートの有無を試験し、各実施例および比較例の固体電解コンデンサのショート発生率を算出した。ショートの有無として、漏れ電流が1mA以上測定された場合に、ショートに到ったものと規定した。結果を表1に示した。
Figure 2011049458
表1の結果から、導電性高分子層中のシラン化合物の濃度が従来と同等の場合(比較例1〜3)には、リフローショート発生率が高く、LC良品率が低いのに対し、実施例1〜5、および比較例4〜7のリフローショート発生率が低く、LC良品率が高いことが確認された。また、比較例8、9は、静電容量が大幅に低下してしまうことが確認された。
さらに、実施例1と比較例4、5において、各ESR値、リフローショート発生率を比較すると、実施例1のほうが、総合的なコンデンサの特性が優れているといえる。これにより、各浸漬工程に用いる各重合液において、シラン化合物の濃度が異なるように調製して、導電性高分子層13の厚さ方向に対するシラン化合物の濃度を段階的に変化させることにより、コンデンサとしての特性に優れた固体電解コンデンサを得られることがわかった。
また、実施例2によれば、内側層13Aのシラン化合物の濃度を外側層13Bのシラン化合物の濃度よりも高くすべく、重合液Aのシラン化合物の濃度を、重合液B中のシラン化合物の濃度よりも高くして導電性高分子層13を形成することによって、静電容量、LC良品率、ESR値、リフローショート発生率に関し、コンデンサの特性が総合的に優れているいることがわかった。これにより、導電性高分子層13を形成するに当たって、1回目の浸漬工程に用いる重合液のシラン化合物の濃度を、2回目の浸漬工程に用いるシラン化合物の濃度よりも高くすることが好ましいことがわかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、固体電解コンデンサとしての特性を向上させるために広く利用することができる。
10 コンデンサ素子、11 陽極体、12 誘電体被膜、13 導電性高分子層、13A 内側層、13B 外側層、14 カーボン層、15 銀ペースト層、16 陽極リード、17 陽極端子、18 接着層、19 陰極端子、100 固体電解コンデンサ。

Claims (7)

  1. 表面に誘電体被膜が形成された陽極体と、前記誘電体被膜上に形成された導電性高分子層と、を備える固体電解コンデンサであって、
    前記導電性高分子層は、少なくとも、前記誘電体被膜上に形成された第1導電性高分子層と、該第1導電性高分子層上に形成された第2導電性高分子層とを備え、
    前記第1導電性高分子層および前記第2導電性高分子層はシラン化合物を含み、
    前記第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度と前記第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度とが異なる、固体電解コンデンサ。
  2. 前記第1導電性高分子層中のシラン化合物の濃度が、前記第2導電性高分子層中のシラン化合物の濃度よりも高い請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記陽極体は焼結体からなる請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 表面に誘電体被膜が形成された陽極体と、前記誘電体被膜の表面に形成された導電性高分子層と、を備える固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記陽極体の表面に前記誘電体被膜を形成する工程と、
    前記誘電体被膜の表面に、前記導電性高分子層を形成する工程とを有し、
    前記導電性高分子層を形成する工程は、少なくとも、
    シラン化合物を含む第1重合液を用いて、前記誘電体被膜上に第1導電性高分子層を形成する工程と、
    シラン化合物を含む第2重合液を用いて、前記第1導電性高分子層上に第2導電性高分子層を形成する工程と、を有し、
    前記第1重合液中のシラン化合物の濃度と前記第2重合液中のシラン化合物の濃度が異なる、固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第1重合液中のシラン化合物の濃度が、前記第2重合液中のシラン化合物の濃度よりも高い、請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記重合液中の前記シラン化合物の濃度が5%以上30%以下である請求項4または5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記陽極体は、焼結体からなる請求項4から6のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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