JP2010034384A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PEDTの導電性高分子体を生成する化学重合反応の収率が高く、固体電解質を安定して形成することができ、PEDTの固体電解質の形成歩留りを著しく向上することができる固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】誘電体酸化皮膜層4の表面に導電性高分子の固体電解質6を有するコンデンサ素子1を備える固体電解コンデンサの製造方法において、前記誘電体酸化皮膜層4の表面に酸化マンガン層を形成し、この酸化マンガン層を酸化剤として3,4−エチレンジオキシチオフェンと芳香族スルホン酸と多価アルコールと溶媒を含む反応溶液を化学重合させ、前記酸化マンガン層のマンガンイオンに多価アルコールを配位させて固体電解質6から除外するように固体電解質6を形成するようにした固体電解コンデンサの製造方法とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器に用いられるポリチオフェンの導電性高分子からなる固体電解質を有する固体電解コンデンサの製造方法に関する。
各種電子機器の高性能化に伴い固体電解コンデンサの高性能化が要求されている。特にコンピュータ、デジタル家電の分野では、高周波領域における等価直列抵抗(以下、ESRと記す)を低減することは固体電解コンデンサとしてもはや必須条件となってきており、この低ESR化を実現しつつ、昨今の電子機器の大電流化に対応して固体電解コンデンサの大容量化を実現するために様々な検討が進められている。
図5は従来の固体電解コンデンサのコンデンサ素子の要部断面図である。この固体電解コンデンサのコンデンサ素子は、陽極体42上に、誘電体酸化皮膜層44、固体電解質46が順次形成されたものである。
前記陽極体42は、弁作用金属箔をエッチング処理する又は弁作用金属粉末を焼結することにより形成された多孔質体であり、多孔質体は平均孔径が約0.1μm〜0.8μmの細孔部43を有している。
また、誘電体酸化皮膜層44は陽極体42の細孔部43の内部及び陽極体42の外周部42aの表面に形成され、固体電解質46は高い電導度を有する導電性高分子を用いることにより固体電解コンデンサの低ESRを実現している。
この誘電体酸化皮膜層44の表面に導電性高分子を形成する方法として、ポリチオフェンを形成する場合、チオフェンモノマー又はチオフェン誘導体モノマーと、酸化剤との酸化還元反応により形成する化学重合法が知られている(例えば、特許文献1、2、3を参照)。
特許文献1は、エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体を浸漬し、続いてペルオクソ二硫酸アンモニウムの酸化剤水溶液に陽極体を浸漬して化学重合応を行う方法が示されている。
また、特許文献2は、3,4−エチレンジオキシチオフェン、p−トルエンスルホン酸第二鉄をジエチレングリコールと水の溶媒中で混合した反応溶液に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体を浸漬して化学重合を行う方法が開示されている。
また、特許文献3は、誘電体酸化皮膜層上に硝酸マンガン水溶液を熱分解して二酸化マンガン層を形成し、この二酸化マンガン層を酸化剤として酸の存在下でピロールモノマー、ベンゼンスルホン酸、メタノールを含有した反応溶液を接触させて化学重合反応を行い、ポリピロール−二酸化マンガン複合体の固体電解質を形成する方法が開示されている。
特開平11−238648号公報 特開2001−110683号公報 特開平02−249222号公報
特許文献1、特許文献2の化学重合方法は、3,4−エチレンジオキシチオフェンと酸化剤とを溶液中で混合するので化学重合が溶液中で生じるために、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTと称する)が混合溶液中に浮遊して生成してしまい、誘電体酸化皮膜層上に形成されるPEDOTが少なくなり、収率が低い課題があった。
また、陽極体42の外周部42aにおける化学重合反応が速く進んでしまうため、図5に示すようにPEDOTが細孔部43の開口部43aを塞いでしまい細孔部43の内部に均一に形成され難く静電容量が小さい課題があった。
また、特許文献3の化学重合方法は、ピロールモノマーを用いたものであるがピロールモノマーの代わりに3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、3,4−エチレンジオキシチオフェン、ベンゼンスルホン酸、メタノールに混合した反応溶液を作製し、この反応溶液を誘電体酸化皮膜層44上に形成した二酸化マンガンに接触させると、化学重合反応が途中で停止してしまいPEDOTを誘電体酸化皮膜層44上に安定して形成できない課題があった。
そこで本発明は、PEDOTを形成する化学重合反応の収率が高く、PEDOTの固体電解質を安定に形成することができ、PEDOTの固体電解質の形成歩留りを著しく向上することができる固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、誘電体酸化皮膜層の表面に導電性高分子の固体電解質を有するコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサの製造方法において、前記誘電体酸化皮膜層の表面に酸化マンガン層を形成し、この酸化マンガン層を酸化剤として3,4−エチレンジオキシチオフェンと芳香族スルホン酸と多価アルコールと溶媒を含む反応溶液を化学重合させ、前記酸化マンガン層のマンガンイオンに多価アルコールを配位させて固体電解質から除外するように固体電解質を形成するようにした製造方法とするものである。
本発明によれば、酸化マンガン層を酸化剤として3,4−エチレンジオキシチオフェンと芳香族スルホン酸と多価アルコールと溶媒を含む反応溶液を化学重合させ、前記酸化マンガン層のマンガンイオンに多価アルコールを配位させて固体電解質から除外するように固体電解質を形成することにより、誘電体酸化皮膜層の近傍で化学重合反応が生じるため、PEDTが反応溶液中に浮遊することを低減でき、化学重合反応の収率を向上することができる顕著な作用効果を有する。
また、エチレングリコールを反応溶液に添加することにより、化学重合反応中に酸化マンガン層の二酸化マンガンや三酸化二マンガンが二価マンガンイオンに還元され、その濃度が高くなるにしたがい化学重合反応が遅くなるのを、エチレングリコールが生成した二価マンガンイオンに配位することによって、化学重合反応の進行を継続させることができるので、化学重合反応を安定して進行できるという効果を有する。
これによって、誘電体酸化皮膜層上に形成されたPEDTの導電性高分子体は、膜厚のばらつきが小さくなり、固体電解質の形成歩留りを著しく向上することができる。
また、芳香族スルホン酸がスルホサリチル酸であることにより、PEDTの固体電解質の膜厚みを厚くすることができ、かつ固体電解質によって引き出される静電容量が向上し、ESR(等価直列抵抗)を小さくすることができる。
また、反応溶液の一価アルコールがイソプロピルアルコールであることにより、イソプロピルアルコールが蒸発し難いため、溶媒の変動が少なく化学重合反応を安定にすることができる。
また、酸化マンガン層形成工程が、誘電体酸化皮膜層の表面に硝酸マンガン水溶液を付着させた後、湿度40vol%以上の加湿雰囲気で熱分解を行うものであることにより、固体電解コンデンサの静電容量の向上及びESRを小さくすることができる作用効果を有する。
(実施の形態)
本発明の実施の形態における固体電解コンデンサについて説明する。
図1は本発明の実施の形態における固体電解コンデンサの断面図、図2は同コンデンサ素子の要部断面図である。
本実施の形態の固体電解コンデンサは、まず、コンデンサ素子1を構成する基体となる陽極体2はアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属の箔からなるものを用いる。なお、陽極体2は、弁作用金属の粉末を焼結した多孔質焼結体に弁作用金属のリード部材が接合されたものでもよい。
この陽極体2は、図2に示すように細孔部3がエッチング処理により形成され、細孔部3を設けることにより表面積を拡大している。そして、細孔部3の内部及び陽極体2の外周部2aの表面に誘電体酸化皮膜層4が設けられている。
次に、この陽極体2を陽極部21と陰極部22に絶縁性の分離層10によって分離されている。陰極部22には、陽極体2上に誘電体酸化皮膜層4が形成され、この誘電体酸化皮膜層4の表面に導電性高分子からなる固体電解質6と、固体電解質6上に集電体層9とが順次形成されてコンデンサ素子1が構成されている。
なお、集電体層9は、グラファイトを含有するカーボン層7と、銀又はニッケル等の導電性粒子とエポキシ樹脂等を含有する導電体層8とを順次積層したものである。
さらに、前記コンデンサ素子1の陽極部21が溶接によって陽極端子11に接続され、陰極部22の集電体層9が導電性接着剤14を介して陰極端子12に接続されている。
最後に、コンデンサ素子1がエポキシ樹脂等からなる絶縁性の外装樹脂13によって被覆され、陽極端子11及び陰極端子12が外装樹脂13から一部が露呈し実装面に引き出されて固体電解コンデンサを構成している。
次に、前記コンデンサ素子1の製造方法について詳細に説明する。
図3はコンデンサ素子1の製造工程を表す工程図である。まず、陽極体2を拡面化処理し、次に誘電体酸化皮膜層形成を順次行う。拡面化処理は、陽極体2の弁作用金属の箔を電解液中でエッチング処理することにより、弁作用金属の箔の表面積を拡大する工程である。誘電体酸化皮膜層形成は、誘電体酸化皮膜層4を水溶液中で陽極酸化処理により、陽極体2の表面に形成する工程である。
分離層形成工程は、分離層10を形成する工程であり、誘電体酸化皮膜層形成の後、又は拡面化処理の前、又は誘電体酸化皮膜層形成の前に行われ、分離層10はポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂を弁作用金属の箔表面に塗布するか又は前記絶縁性樹脂のフィルムを貼付して形成される。
続いて、酸化マンガン層形成工程、化学重合工程を順次行い、PEDTの固体電解質6を誘電体酸化皮膜層4上に形成する。
酸化マンガン層形成工程は、硝酸マンガン水溶液を誘電体酸化皮膜層4の表面に塗布し付着させた後、この硝酸マンガンを加湿状態の高温雰囲気中で熱分解理することにより、図4に示すように酸化マンガン層5の薄膜を誘電体酸化皮膜層4の表面に形成する工程である。
酸化マンガン層5は、二酸化マンガン、三酸化二マンガンの少なくともいずれかを含有するものであり、陽極体2の細孔部3の内部と、陽極体2の外周部2aの表面に形成されている。
酸化マンガン層形成工程における熱分解処理の加湿状態は、湿度を40vol%以上とすることにより、固体電解質6によって引き出される静電容量が向上し、ESRを小さくすることができる。ここで、加湿状態の湿度は、空気と水蒸気を混合した雰囲気に対する水蒸気の割合を示す。
前記酸化マンガン層形成工程での湿度を40vol%以上にすると、硝酸マンガン水溶液の熱分解処理の加湿状態の湿度が高いほど三酸化二マンガンの成分が増加(酸化マンガン層5中に三酸化二マンガンの存在がX線回折により確認)し、湿度が20vol%より低い場合と比較して相対的に酸化マンガンの粒子径が小さく酸化マンガン層5の厚みが均一になる。
一方、湿度が低いほど二酸化マンガンの成分が増加し、湿度が20vol%以下になると二酸化マンガンが主成分となり、相対的に酸化マンガンの粒子径が大きく酸化マンガン層5の厚みが不均一になる。
この酸化マンガン層5に含有する三酸化二マンガン、二酸化マンガンとも、化学重合反応の酸化剤として作用し、この二つの酸化剤による3,4−エチレンジオキシチオフェンの化学重合反応の速度は異なっている。
加湿状態の湿度を40vol%以上にすると三酸化二マンガンの含有が増加することによって化学重合反応の急激な進行が抑制され、さらに酸化マンガン層5が均一な厚みに形成されていることが加わることによって、PEDTの重合度が高まり、誘電体酸化皮膜層4の表面にPEDTの固体電解質6が緻密に形成される。その結果、静電容量が向上しESRを小さくすることができる。
また、熱分解処理の加湿状態の湿度を90vol%以下とすることが望ましく加湿状態の雰囲気を制御し易くなる。なお、熱分解処理の温度は、200℃〜350℃が好適である。
前記硝酸マンガン水溶液の硝酸マンガンの濃度は、50重量%以下(0重量%を除く)が好ましく、酸化マンガン層5の付着量を制御し易く、固体電解コンデンサの静電容量のバラツキを小さくすることができる。
なお、酸化マンガン層5の付着量は5〜20μg/mm2の範囲が好ましく、付着量が5μg/mm2未満では十分な固体電解質6を得ることができず、20μg/mm2を超えると化学重合反応が速く進んでしまい、PEDOTが細孔部を塞いでしまい静電容量が小さくなる。
また、酸化マンガン層5は、化学重合工程の化学重合反応の過程において、全て消費され誘電体酸化皮膜層4の表面から無くなる。または、酸化マンガン層5は、化学重合反応の過程で全てが消費されずに島状又は縞状に離散した状態で誘電体酸化皮膜層4の表面に残存してもよい。
次に、化学重合工程は、酸化剤の酸化マンガン層5を形成したコンデンサ素子1を反応溶液に浸漬することにより化学重合反応が生じ、PEDTが生成される工程である。
この化学重合反応は、下記の化学反応(1)と化学反応(2)が同時に生じている。化学反応(1)は、酸化マンガン層5の二酸化マンガン、三酸化二マンガンが、酸性の反応溶液中で二価マンガンイオンに還元され反応溶液に溶解する化学反応である。化学反応(2)は、3,4−エチレンジオキシチオフェンが酸化されてPEDTになる化学反応である。
また、化学重合反応は、酸化マンガン層5の表層と反応溶液との界面の近傍で生じ、化学重合反応で生成したPEDTが誘電体酸化皮膜層4の表面に形成される。
このように、酸化マンガン層5を誘電体酸化皮膜層4の表面に形成し、この酸化マンガン層5を化学重合反応の酸化剤として用いることにより、誘電体酸化皮膜層4の近傍で化学重合反応が生じるため、PEDTが反応溶液中に浮遊することを低減でき、化学重合反応の収率を向上することができる顕著な作用効果を有するものである。
反応溶液は、3,4−エチレンジオキシチオフェンと芳香族スルホン酸と多価アルコールと溶媒とからなり、溶媒は水と一価アルコールとの混合溶媒を用い、3,4−エチレンジオキシチオフェンと芳香族スルホン酸は溶媒に溶解され、かつエチレングリコールの含有量は10重量%以下(0%を除く)である。
この反応溶液は、PEDTを生成する化学重合反応が遅くなったり途中で停止してしまったりすることを防止でき、PEDTの固体電解質6を安定して形成することができる。さらに、3,4−エチレンジオキシチオフェンの化学重合生成物が反応溶液中に浮遊や沈殿することを低減でき、化学重合反応の収率を向上することができる。
これによって、誘電体酸化皮膜層4上に形成されたPEDTの導電性高分子体は、膜厚のばらつきがコンデンサ素子1間で小さくなり、固体電解質6の形成歩留りを著しく向上することができる。
さらに、本発明の化学重合は、常温において化学重合反応速度が著しく向上するため、化学重合工程の生産性が改善できる。
前記反応溶液に添加されるエチレングリコールの含有量が10重量%より多くなると、3,4−エチレンジオキシチオフェンがエチレングリコールや水に溶解しないため、化学重合反応が安定して進行せずに3,4−エチレンジオキシチオフェンのオリゴマー等の重合度の低い化学重合生成物が浮遊したり、PEDTが誘電体酸化皮膜層4に形成されずに沈殿したりすることが生じる。
なお、反応溶液には、3,4−エチレンジオキシチオフェンの化学重合反応の酸化作用を生じさせる第二鉄塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩、過酸化水素等の酸化剤を含まない。
反応溶液の溶媒の一価アルコールは、3,4−エチレンジオキシチオフェンを反応溶液に溶解するために用い、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を用いることができる。
一価アルコールはイソプロピルアルコールが好ましく、イソプロピルアルコールは蒸発しにくいため反応溶液の溶媒の組成変動が小さく、化学重合反応を安定にすることができる。一価アルコールの含有量は、溶解させる3,4−エチレンジオキシチオフェンの含有量によって調整する。
このように3,4−エチレンジオキシチオフェンを反応溶液に溶解させているので、3,4−エチレンジオキシチオフェンが、陽極体2の細孔部3の内部に浸透して細孔部3の内部の酸化マンガン層5と化学重合を行うことができ、細孔部3の内部にPEDTを形成することができる。
また、反応溶液の溶媒の水は、芳香族スルホン酸を溶解するために用い、芳香族スルホン酸が反応溶液に溶解して酸性水溶液となることにより、酸化剤としての酸化マンガン層5の酸化作用を向上させることができ、PEDTを形成する化学重合を安定して進行させることができる。
反応溶液の3,4−エチレンジオキシチオフェンは、反応溶液中の含有量が0.3重量%以上から2.0重量%以下であることが好ましく、これによって、化学重合反応の収率が高く固体電解質6を安定して形成することができる作用効果を有する。
反応溶液の芳香族スルホン酸は、ドーパントとしてPEDTに取り込まれる。芳香族スルホン酸としては、例えば、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホサリチル酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ポリアルキルナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、ビフェニルスルホン酸およびこれらの誘導体を挙げることができ、これらの芳香族スルホン酸およびその誘導体を単独もしくは組み合わせて用いることができる。
芳香族スルホン酸は、芳香環上に水酸基、カルボキシル基のうち少なくとも1つを有することが好ましく、化学重合を早く進行させる効果を有する。
芳香族スルホン酸は、スルホサリチル酸であることが好ましく、陽極体2の外周部2a上に形成されるPEDTの固体電解質6の膜厚みを厚くすることができ、かつ固体電解質6よる静電容量の引き出しが向上し、固体電解コンデンサのESRを小さくすることができる。
陽極体2の外周部2a上に形成されるPEDTの導電性高分子体の膜厚みを厚くすることにより、外部ストレスによって誘電体酸化皮膜層4が損傷して漏れ電流が劣化することを低減できる作用効果を有する。
本発明の化学重合工程における化学重合反応が安定に進行するメカニズムは、発明者は、以下のように推測している。
化学重合反応が進行するにつれて、化学反応(1)は化学重合反応領域の近傍で二価マンガンイオンの濃度が高くなるため停止し、その結果、化学反応(2)が生じなくなってしまう。しかし、反応溶液に含有したエチレングリコールが、生成した二価マンガンイオンに配位することによって、化学反応(1)の進行が継続し化学反応(2)が安定に進行できると推測している。
なお、固体電解質6は、PEDTの導電性高分子体の表面に、さらにポリピロール、ポリチオフェン、アニリン等の導電性高分子体を既知の電解重合法、化学重合法を用いて形成したものでもよい。
次に、集電体層形成を行い、固体電解質6の表面に集電体層9を形成する。
集電体層形成では、グラファイトを含有するカーボン水溶液を固体電解質6の表面に塗布、硬化しカーボン層7を形成した後、導電性粒子を含有する樹脂ペーストをカーボン層の表面に塗布、硬化し導電体層8を形成し集電体層9を設ける。
以上のようにコンデンサ素子1を形成し、続いてリードフレーム接合、外装樹脂形成、端子形成を順次行い、固体電解コンデンサを完成する。
リードフレーム接合は、コンデンサ素子1をリードフレームに接合する工程であり、コンデンサ素子1の陽極部21をリードフレームの陽極端子11に接合し、コンデンサ素子1の集電体層9をリードフレームの陰極端子12に接合するものである。
外装樹脂形成は、モールド成形を用いてリードフレームに接合されたコンデンサ素子1を外装樹脂13により封止する工程である。
端子形成は、外装樹脂13から露出する前記リードフレームを外装樹脂13の外周面に沿って折り曲げて、陽極端子11及び陰極端子12を形成する工程である。
また、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、コンデンサ素子が、セパレータを介して弁作用金属の箔からなる陽極体及び陰極体が巻回され固体電解質を形成した固体電解コンデンサに用いることができる。
次に、具体的な実施例を用いて本発明についてさらに説明する。
(実施例1)
実施例1は、コンデンサ素子がアルミニウム箔の陽極体を用いてPEDTの固体電解質が形成されたものである。
陽極体は、厚み100μm、純度99.99%のアルミニウム箔に、交流電解エッチングにて拡面化処理を行ったものである。
次に、前記アルミニウム箔を濃度0.3wt%のリン酸二水素アンモニウム水溶液中に浸漬して、液温70℃で6Vの直流電圧を20分間印加し、アルミニウム箔の表面に誘電体酸化皮膜層を形成した。
続いて、酸化マンガン層形成工程を行った。
酸化マンガン層形成工程では、誘電体酸化皮膜層が形成されたアルミニウム箔の陰極部を硝酸マンガン水溶液に浸漬し、アルミニウム箔に硝酸マンガン水溶液を塗布した。硝酸マンガン水溶液は硝酸マンガンを45重量%含有したものである。
次に100℃以下の温度で乾燥することにより、アルミニウム箔に外表面に塗布された硝酸マンガン水溶液の水を目視で確認できない程度に減少させた。さらに温度300℃、湿度40vol%の加湿状態の高温雰囲気中で10分間、熱分解処理を行い、酸化マンガン層を形成した。
次に化学重合工程を行った。
化学重合工程の反応溶液は、純水66重量%とイソプロピルアルコール15重量%の混合溶媒と、3,4−エチレンジオキシチオフェン1重量%と、スルホサリチル酸13重量%と、エチレングリコール5重量%からなる混合溶液を用いた。
前記反応溶液を20〜25℃に保ち、酸化マンガン層が形成されたアルミニウム箔の陰極部を反応溶液に30分間浸漬し化学重合を行い、PEDTからなる固体電解質を形成した。
化学重合工程は、反応溶液に浸漬し化学重合する一連の工程を1回のみ行い、固体電解質を形成した。
さらに、固体電解質の表面にグラファイトのカーボン層、銀粒子とエポキシ樹脂の導電体層を順次形成して集電体層を設け、コンデンサ素子を作製した。
このコンデンサ素子の陽極部を銅合金のリードフレームの陽極端子にレーザ溶接し、銀粒子を含有する導電性接着剤を介してコンデンサ素子の陰極部を銅合金のリードフレームの陰極端子に接合した。
次に、トランスファーモールド成形によりエポキシ樹脂からなる外装樹脂を形成しコンデンサ素子を封止し、さらに外装樹脂から表出した陽極端子、陰極端子を外装樹脂に沿って端面から実装面に折り曲げて、定格電圧2V、定格容量34μFの固体電解コンデンサを作製した。
以下の実施例2〜8、比較例1〜5は実施例1と異なる製造方法のみを示し、それ以外は実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2〜実施例4)
実施例2〜実施例4は、実施例1の反応溶液の芳香族スルホン酸が実施例1と異なり、芳香族スルホン酸の含有量に対し純水の含有量を調整した。
実施例2の反応溶液は、芳香族スルホン酸としてp−トルエンスルホン酸11重量%を含有し、p−トルエンスルホン酸と、純水68重量%とイソプロピルアルコール15重量%の混合溶媒と、3,4−エチレンジオキシチオフェン1重量%と、エチレングリコール5重量%からなる混合溶液を用いた。
実施例3の反応溶液は、芳香族スルホン酸としてナフタレンジスルホン酸7重量%を含有し、純水を72重量%に調整し、実施例2と同様にイソプロピルアルコール、3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチレングリコールは実施例1と同じ含有量とする混合溶液である。
実施例4の反応溶液は、芳香族スルホン酸としてキシレンスルホン酸8重量%を含有し、純水を71重量%に調整し、同様にイソプロピルアルコール、3,4−エチレンジオキシチオフェン、エチレングリコールは実施例1と同じ含有量とする混合溶液である。
(比較例1〜比較例4)
比較例1〜比較例4は、夫々実施例1〜実施例4の反応溶液にエチレングリコールを含有しないものであり、代わりにイソプロピルアルコールの含有量を増やした。
比較例1の反応溶液は、純水66重量%とイソプロピルアルコール20重量%の混合溶媒と、3,4−エチレンジオキシチオフェン1重量%、スルホサリチル酸13重量%からなる混合溶液を用いた。
比較例2〜比較例4の反応溶液は、比較例1と同様にエチレングリコールを含有させずにエチレングリコールの含有量を20重量%にして、これ以外のイソプロピルアルコール、3,4−エチレンジオキシチオフェン、芳香族スルホン酸は夫々実施例2〜実施例4と同じにした。
(比較例5)
比較例5は、実施例1の反応溶液にイソプロピルアルコールを含有させずに、代わりにエチレングリコールにしたものである。
比較例5の反応溶液は、純水66重量%とエチレングリコール20重量%の溶媒と、3,4−エチレンジオキシチオフェン1重量%、スルホサリチル酸13重量%からなる混合溶液を用いた。
実施例1〜4及び比較例1〜5の固体電解コンデンサについて、固体電解質の形成歩留り率を算出した。固体電解質の形成歩留り率は、作製したコンデンサ素子の100個の試料に対する固体電解質の形成良品数の比である。
固体電解質の形成良品は、PEDTの導電性高分子体の膜厚みが十分あり、PEDTが陽極体の外周部表面を被覆することによって、陰極部の誘電体酸化皮膜層が目視により観察されないものである。一方、固体電解質の形成不良品は、陰極部の誘電体酸化皮膜層が目視により観察される箇所がありPEDTの膜厚みが不十分のものである。
また、固体電解質の形成良品についてPEDTの膜厚み比を求めた。膜厚みは陰極部の陽極体の外周部表面に形成されたPEDTの膜厚みであり、膜厚み比は比較例1の膜厚みの平均値に対する各条件の膜厚みの平均値の比である。
さらに、固体電解質の形成良品について、固体電解コンデンサの測定周波数120Hzの静電容量と測定周波数100kHzのESRを測定し、夫々平均値を算出した。
静電容量の平均値については、比較例1の静電容量の平均値に対する各条件の静電量容量の平均値の比で示す。
但し、比較例5は、陰極部に固体電解質が形成できていないため膜厚み、静電容量、ESRの測定を行っていない。その結果を(表1)に示す。
Figure 2010034384
(表1)に示すように、固体電解質の形成歩留り率は、実施例1〜実施例4が夫々100%であり、比較例1〜比較例5は、夫々74%、41%、50%、32%、0%である。
このことから、エチレングリコールを反応溶液中に5重量%含有することによって、比較例1〜比較例4のエチレングリコールを含有しない反応溶液に比較し、固体電解質の形成歩留りを著しく改善できることがわかる。
また、比較例5のイソプロピルアルコールを含有せずにエチレングリコールと水の混合溶媒とした反応溶液には、3,4−エチレンジオキシチオフェンが溶解されないため、コンデンサ素子の誘電体酸化皮膜上にPEDTが形成されないことがわかる。
さらに、実施例1は、芳香族スルホン酸がスルホサリチル酸であり、芳香族スルホン酸が実施例2〜実施例4のP−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、キシレンスルホン酸に比較し、PEDTの膜厚みが厚く、かつ静電容量が大きく、ESRが小さいものを得ることができていることがわかる。
(実施例5、実施例6)
実施例5、実施例6は、反応溶液中のエチレングリコールの含有量が実施例1と異なるものであり、エチレングリコールの含有量に対し純水の含有量を調整した。
実施例5の反応溶液は、エチレングリコールを1重量%としたものであり、エチレングリコールと、純水70重量%とイソプロピルアルコール15重量%の混合溶媒と、3,4−エチレンジオキシチオフェン1重量%、スルホサリチル酸13重量%の混合溶液である。
実施例6の反応溶液は、エチレングリコールを10重量%としたものであり、純水を61重量%に調整し、実施例5と同様にイソプロピルアルコール、3,4−エチレンジオキシチオフェン、スルホサリチル酸は実施例1と同じ含有量とする混合溶液である。
実施例5、実施例6の固体電解コンデンサについて、固体電解質の形成歩留り率を算出した。
また、化学重合反応後の反応溶液の状態を目視により観察し、反応溶液の状態が良好なものは、反応溶液中に化学重合生成物の浮遊物、沈殿物がない状態である。同様に実施例1、比較例1、比較例5についても反応溶液の状態を観察した。その結果を(表2)に示す。
Figure 2010034384
(表2)に示すように、固体電解質の形成歩留り率は、実施例5、実施例6は実施例1と同様に100%であり、エチレングリコールを反応溶液中に1重量%〜10重量%を含有することによって固体電解質の形成歩留り率を著しく高くすることができる。
また、実施例1、実施例5、実施例6は、化学重合反応後の反応溶液の状態は良好であり、化学重合反応が安定に進行し収率を高くすることができていることがわかる。
一方、比較例1、比較例5の反応溶液中には化学重合反応の途中の生成物が浮遊やPEDTの沈殿物が生じていた。
以上のように、エチレングリコールを反応溶液中に10重量%以下(0%を含まず)を含有することにより、化学重合反応の収率が高く固体電解質を安定して形成することができ固体電解質の形成歩留りを著しく向上させることができる。
(実施例7、実施例8)
実施例7、実施例8は、熱分解処理の雰囲気の湿度が実施例1と異なるものであり、これ以外は実施例1と同様に作製した。
実施例7、実施例8の熱分解処理の雰囲気は、温度が300℃であり、湿度は夫々20vol%、85vol%である。
実施例7、実施例8の固体電解コンデンサについて、測定周波数120Hzの静電容量、測定周波数100kHzのESRを測定し、夫々の平均値を算出した。
静電容量の平均値については静電容量比で示し、静電容量比は比較例1の静電容量の平均値に対する実施例7、実施例8の静電容量の平均値の比である。その結果を(表3)に示す。
Figure 2010034384
(表3)に示すように、実施例7、実施例8は、静電容量比が夫々1.00、1.09であり、ESRは夫々13.1mΩ、10.8mΩであった。
実施例7、実施例8及びに実施例1、比較例1と比較すると、実施例1、実施例8は、実施例7、比較例1に比較し静電容量比が大きく、またESRは小さくなっている。
(実施例9)
実施例9は、硝酸マンガン水溶液の濃度を変化させて、誘電体酸化皮膜層上に酸化マンガン層の付着量を1、5、10、15、20、25μg/mm2にした以外は実施例1と同様に作製した。
実施例9のそれぞれの固体電解コンデンサについて、測定周波数120Hzの静電容量、測定周波数100kHzのESRを測定し、夫々の平均値を算出した。
静電容量の平均値については静電容量比で示し、静電容量比は比較例1の静電容量の平均値に対する実施例9の静電容量の平均値の比である。
その結果を(表4)に示す。
Figure 2010034384
(表4)に示すように、実施例9と比較例1と比較すると、酸化マンガン層の付着量が5μg/mm2未満及び20μg/mm2を超えると、比較例1に比較し静電容量比が小さく、またESRは大きくなっている。
このように、誘電体酸化皮膜層の表面に硝酸マンガン水溶液を付着させ、湿度40vol%以上の加湿雰囲気で熱分解を行い、酸化マンガン層を形成することにより、固体電解コンデンサの静電容量を向上できESRを小さくできることがわかる。
本発明にかかわる固体電解コンデンサの製造方法は、PEDTを形成する化学重合反応の収率が高く、PEDTの固体電解質を安定に形成することができる効果を有し、PEDTの導電性高分子からなる固体電解質を有する固体電解コンデンサ等の製造方法として有用である。
本発明の実施の形態における固体電解コンデンサの断面図 本発明の実施の形態におけるコンデンサ素子の要部断面図 本発明の実施の形態におけるコンデンサ素子を形成する工程図 本発明の実施の形態における酸化マンガン層を形成した陽極体の要部断面図 従来のコンデンサ素子の要部断面図
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 陽極体
4 誘電体酸化皮膜層
6 固体電解質
9 集電体層
10 分離層
11 陽極端子
12 陰極端子
13 外装樹脂
14 導電性接着剤
21 陽極部
22 陰極部

Claims (4)

  1. 誘電体酸化皮膜層の表面に導電性高分子の固体電解質を有するコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサの製造方法において、前記誘電体酸化皮膜層の表面に酸化マンガン層を形成し、この酸化マンガン層を酸化剤として3,4−エチレンジオキシチオフェンと芳香族スルホン酸と多価アルコールと溶媒を含む反応溶液を化学重合させ、前記酸化マンガン層のマンガンイオンに多価アルコールを配位させて固体電解質から除外するように固体電解質を形成するようにした固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 溶媒は水と一価アルコールからなり、多価アルコールはエチレングリコールからなり、エチレングリコールの含有量が10重量%以下(0%を除く)である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記芳香族スルホン酸は、スルホサリチル酸である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記酸化マンガン層の形成は、前記誘電体酸化皮膜層の表面に硝酸マンガン水溶液を付着させた後、湿度40vol%以上の加湿雰囲気で熱分解を行うものである請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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