JP2001110683A - コンデンサの製造方法 - Google Patents

コンデンサの製造方法

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JP2001110683A
JP2001110683A JP2000079779A JP2000079779A JP2001110683A JP 2001110683 A JP2001110683 A JP 2001110683A JP 2000079779 A JP2000079779 A JP 2000079779A JP 2000079779 A JP2000079779 A JP 2000079779A JP 2001110683 A JP2001110683 A JP 2001110683A
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Japan
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capacitor
polymerization
conductive polymer
polyhydric alcohol
polymer layer
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JP2000079779A
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English (en)
Inventor
Yasue Matsuka
安恵 松家
Kenji Akami
研二 赤見
Hiroki Kusayanagi
弘樹 草柳
Yasuo Kudo
康夫 工藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極箔5と陰極箔6にセパレータ7、8を介
在させて捲回したコンデンサ素子の誘電体層上にポリエ
チレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子層を形
成したコンデンサの製法において、高容量で特性の優れ
たコンデンサを容易に得ることを目的とする。 【解決手段】 3,4-エチレンジオキシチオフェンと酸化
剤と多価アルコールと水の溶媒を混合した溶液に含浸し
化学重合により導電性高分子層を形成する。高濃度の重
合溶液を高温で重合させることにより、導電性高分子層
を緻密に形成し、周波数特性と容量達成率の優れたコン
デンサを得ることができる。さらに上記混合溶媒を電解
液として用いることにより誘電体層欠陥の修復能力が上
がり耐電圧特性の優れたコンデンサが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は周波数特性に優れ、
容量達成率の高い導電性高分子層を固体電解質として用
いた小型大容量の固体電解コンデンサの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器のデジタル化に伴って、
アルミ電解コンデンサについても高周波領域でのインピ
ーダンスの低いものが要求されている。
【0003】従来、コンデンサの電解質に電気伝導度の
高い導電性高分子を用いて、高周波領域でのインピーダ
ンスを低くしたコンデンサが多く提案されている。
【0004】特開平2−15611号公報には、誘電体
皮膜を設けたアルミニウムに、3,4−エチレンジオキ
シチオフェンを繰り返し単位としp−トルエンスルホン
酸アニオンをドーパントとして含む導電性高分子を化学
重合により形成したコンデンサが提案されている。
【0005】3,4−エチレンジオキシチオフェンモノ
マーと酸化剤を溶媒により溶解した溶液を酸化が施され
たアルミニウム電極に塗布し、ついで室温あるいは過熱
して溶媒を除去し、化学重合反応により導電性高分子層
を形成し、洗浄,乾燥してコンデンサを得る製造方法が
記述されている。
【0006】また、特開平9−320900号公報に
は、誘電体皮膜を設けた弁作用金属を3、4−エチレン
ジオキシチオフェンと酸化剤の重合溶液に含浸し、重合
反応によってポリエチレンジオキシチオフェン層を形成
したコンデンサが提案されている。
【0007】弁作用金属の表面に誘電体皮膜を設けたコ
ンデンサ素子を3、4−エチレンジオキシチオフェンと
二価もしくは三価アルコール、二価アルコールの誘導体
の1種以上を溶解した酸化剤の重合溶液に含浸、付着さ
せ、加熱により重合反応を促進させることによりポリエ
チレンジオキシチオフェンからなる導電性高分子層を生
成させ、これを電解質層としてコンデンサを得る製造方
法が記述されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、周波数
特性に優れ、容量達成率の高いコンデンサを得ようとす
る場合、特にセパレータを介して巻回したコンデンサ素
子では、誘電体酸化被膜のエッチングピットおよびセパ
レータの奥深くまで導電性高分子が隙間なく形成されて
いる必要がある。
【0009】陽極と陰極の間にセパレータを介在させた
コンデンサ素子に3、4−エチレンジオキシチオフェン
と酸化剤の重合溶液を含浸し、重合反応によってポリエ
チレンジオキシチオフェン層を形成する場合、誘電体酸
化被膜のエッチングピットおよびセパレータの奥深くま
で導電性高分子を形成することは難しい。加熱重合反応
によってポリエチレンジオキシチオフェン層を形成する
場合、加熱によりある程度重合反応は促進されるもの
の、高温で重合を進める時、低沸点溶媒の蒸発が速く、
緻密で収量の多い導電性高分子層を形成することは困難
であった。
【0010】ここで未反応のモノマーや過剰な酸化剤が
滞留することにより充分な電気伝導度が得られず、周波
数特性に優れた容量達成率の高いコンデンサが得られな
いという課題を抱えていた。
【0011】また、弁作用金属の表面に誘電体皮膜を設
けたコンデンサ素子を3、4−エチレンジオキシチオフ
ェンと二価もしくは三価アルコール、二価アルコールの
誘導体の1種以上を溶解した酸化剤の重合溶液に含浸、
付着させ、加熱重合反応によってポリエチレンジオキシ
チオフェン層を形成する場合収量を高くすることはでき
るが、上記溶媒のみでは酸化剤を溶解しにくいために固
形分濃度を高くできず、緻密な導電性高分子層を形成す
ることは困難であった。
【0012】そのために優れた特性のコンデンサが得ら
れないという課題を抱えていた。
【0013】本発明は、上記技術課題を解決するもの
で、誘電体酸化皮膜を形成した陽極と陰極にセパレータ
を介在させて巻回したコンデンサ、もしくは、高分子被
膜誘電体層を形成した陽極金属電極箔と陰極金属電極箔
とをセパレ−タを介して巻回したフィルムコンデンサに
おいて、高温で高濃度の重合溶液の重合反応を進めるこ
とを可能にしたもので、導電性高分子が隙間なく緻密に
形成されることにより電気伝導度が高く、周波数特性に
優れた容量達成率の高いコンデンサを得ることを目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のコン
デンサの製造方法は、弁金属からなる陽極に誘電体酸化
被膜を形成する工程と、陽極と陰極の間にセパレータを
介在させて巻回する工程と、誘電体酸化被膜上に3,4
−エチレンジオキシチオフェンと、ナフタレン環を持つ
スルホン酸系第二鉄である酸化剤と、多価アルコールと
水の溶媒を混合した溶液に含浸し、加熱重合により導電
性高分子層を形成する工程とを有する構成である。
【0015】本発明によれば、誘電体酸化皮膜を形成し
た陽極と陰極にセパレータを介在させて巻回したコンデ
ンサにおいて、高沸点の溶媒を用いることにより、加温
による溶媒の急激な蒸発が抑えられ、高温での重合が可
能となることから重合反応を十分進めることができ収量
を高くできる。かつ、水を添加することにより、酸化剤
の溶解性をあげることが可能となることから、重合溶液
中の3,4−エチレンジオキシチオフェンと酸化剤の濃
度を高濃度にできる。これにより収量、電気伝導度が高
く、緻密な導電性高分子層を形成できるために周波数特
性に優れた容量達成率の高いコンデンサを得ることがで
きる。
【0016】本発明による第2のコンデンサの製造方法
は、金属電極箔表面に例えば電着によってポリアクリル
酸系共重合体もしくはポリイミドを形成して誘電体と
し、セパレータを介して巻回したフィルムコンデンサ
で、誘電体被膜上に3,4−エチレンジオキシチオフェ
ンと、ナフタレン環を持つスルホン酸系第二鉄である酸
化剤と、多価アルコールと水の溶媒を混合した溶液に含
浸し、加熱重合により導電性高分子層を形成する工程と
を有する構成である。
【0017】この本発明によれば、高分子被膜誘電体層
を形成した陽極金属電極箔と陰極金属電極箔とをセパレ
−タを介して巻回したフィルムコンデンサにおいて、高
沸点の溶媒を用いることにより、加温による溶媒の急激
な蒸発が抑えられ、高温での重合が可能となることから
重合反応を十分進めることができ収量を高くできる。か
つ、水を添加することにより、酸化剤の溶解性をあげる
ことが可能となることから、重合溶液中の3,4−エチ
レンジオキシチオフェンと酸化剤の濃度を高濃度にでき
る。これにより収量、電気伝導度が高く、緻密な導電性
高分子層を形成できるために周波数特性に優れた容量達
成率の高い導電性高分子層を対極導電層に用いたフィル
ムコンデンサを得ることができる。
【0018】本発明による第3のコンデンサの製造方法
は、弁金属からなる陽極に誘電体酸化被膜を形成する工
程と、陽極と陰極の間にセパレータを介在させて巻回す
る工程と、誘電体酸化被膜上に3,4−エチレンジオキ
シチオフェンと、酸化剤と、多価アルコールと水の溶媒
を混合した溶液に含浸し、加熱重合により誘電体酸化被
膜上に導電性高分子層を形成し、前記多価アルコールと
水の混合溶媒を電解液とした工程とを有する構成であ
る。
【0019】この本発明によれば、誘電体酸化皮膜を形
成した陽極と陰極にセパレータを介在させて巻回したコ
ンデンサにおいて、高沸点の溶媒を用いることにより、
加温による溶媒の急激な蒸発が抑えられ、高温での重合
が可能となることから重合反応を十分進めることができ
収量を高くできる。かつ、水を添加することにより酸化
剤の溶解性をあげることが可能となることから、高濃度
の重合溶液で重合反応を効率的に進めることにより導電
性高分子が隙間なく緻密に形成され、さらに、重合溶液
の溶媒として用いた多価アルコールと水の混合溶媒を電
解液として用いることにより誘電体層欠陥の修復能力を
高めることができるために耐電圧特性の優れたコンデン
サを得ることができる。
【0020】本発明による第4のコンデンサの製造方法
は、金属電極表面に例えば電着によってポリアクリル酸
系共重合体もしくはポリイミドを形成して誘電体とした
フィルムコンデンサで、誘電体被膜上に3,4−エチレ
ンジオキシチオフェンと、酸化剤と、多価アルコールと
水の溶媒を混合した溶液に含浸し、加熱重合により誘電
体被膜上に形成した導電性高分子層と前記多価アルコー
ルと水の混合溶媒を対極導電層に用いた工程とを有する
構成である。
【0021】この本発明によれば、高分子被膜誘電体層
を形成した陽極金属電極箔と陰極金属電極箔とをセパレ
−タを介して巻回したフィルムコンデンサにおいて、高
沸点の溶媒を用いることにより、加温による溶媒の急激
な蒸発が抑えられ、高温での重合が可能となることから
重合反応を十分進めることができ収量を高くできる。か
つ、水を添加することにより酸化剤の溶解性をあげるこ
とが可能となることから、高濃度の重合溶液で重合反応
を効率的に進めることにより導電性高分子が隙間なく緻
密に形成され、さらに、前記導電性高分子層と、重合溶
液の溶媒として用いた多価アルコールと水の混合溶媒を
対極導電層に用いることにより誘電体層欠陥の修復能力
を高めることができるために耐電圧特性の優れたコンデ
ンサを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
弁金属を含む誘電体酸化皮膜を形成した陽極と陰極にセ
パレータを介在させて巻回したコンデンサ素子を作製す
る工程と、多価アルコール及び水を含む溶媒にナフタレ
ン環を持つスルホン酸系第二鉄である酸化剤及び3,4
−エチレンジオキシチオフェンを混合した重合溶液に前
記コンデンサ素子を含浸し、加熱重合により導電性高分
子層を形成する工程を含むコンデンサの製造方法であ
り、重合溶液の溶媒として多価アルコールと水の混合溶
媒を用いる。多価アルコールの沸点が120℃〜250
℃のものを使用し、これを用いることにより、加温によ
る溶媒の急激な蒸発が抑えられ、高温での重合が可能と
なることから重合反応を十分進めることができ収量を高
くできる。かつ、水を添加することにより、酸化剤の溶
解性をあげることが可能となることから、重合溶液中の
3,4−エチレンジオキシチオフェンと酸化剤の濃度を
高濃度にできる。これにより収量、電気伝導度が高く、
緻密なポリエチレンジオキシチオフェンからなる導電性
高分子層を形成できるために周波数特性に優れた容量達
成率の高いコンデンサを得ることができる。
【0023】セパレータには、マニラ紙、クラフト紙、
合成繊維紙、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート等からなる合成繊維不
織布、ガラスペーパー等が用いられる。
【0024】具体的には、弁金属からなる誘電体酸化被
膜を形成した陽極と陰極にセパレータを介在させて巻回
したコンデンサ素子を、誘電体酸化被膜上に3,4−エ
チレンジオキシチオフェンと、ナフタレン環を持つスル
ホン酸系第二鉄である酸化剤と、多価アルコールと水の
溶媒を混合した溶液に含浸する。ここで、酸化剤は、ナ
フタレンスルホン酸第二鉄,ナフタレンジスルホン酸第
二鉄,ナフタレントリスルホン酸第二鉄等があげられ
る。多価アルコールは、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール等が好適
である。
【0025】この多価アルコールに水を添加することに
より、酸化剤の溶解性が上がり、重合溶液を高濃度にで
きる。
【0026】請求項2記載のように、弁金属はアルミニ
ウムが好適である。
【0027】請求項3記載のように、弁金属からなる誘
電体酸化皮膜を形成した陽極と陰極にセパレータを介在
させて巻回したコンデンサに、温度250℃〜300℃
の大気圧中で加熱処理を施す。この加熱処理は、セパレ
ータの繊維を細くするために行う。
【0028】請求項4記載のように、ポリエチレンジオ
キシチオフェン層の形成工程は過熱工程を含んだ化学的
酸化重合法を用いる。
【0029】また、請求項5記載のように、多価アルコ
ールの沸点が120℃〜250℃のものを用いる。ま
た、請求項6記載のように、重合溶液として高濃度のも
のを用いる。
【0030】本発明の請求項7記載の発明は、高分子被
膜誘電体層を形成した陽極金属電極箔と陰極金属電極箔
とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ素子を作製
する工程と、多価アルコール及び水を含む溶媒にナフタ
レン環を持つスルホン酸系第二鉄である酸化剤及び重合
性モノマーを混合した重合溶液に前記コンデンサ素子を
含浸し、加熱重合により導電性高分子層を形成する工程
を含むコンデンサの製造方法であり、重合溶液の溶媒と
して多価アルコールと水の混合溶媒を用いる。多価アル
コールの沸点が120℃〜250℃のものを使用し、こ
れを用いることにより、加温による溶媒の急激な蒸発が
抑えられ、高温での重合が可能となることから重合反応
を十分進めることができ収量を高くできる。かつ、水を
添加することにより、酸化剤の溶解性をあげることが可
能となることから、重合溶液中の3,4−エチレンジオ
キシチオフェンと酸化剤の濃度を高濃度にできる。これ
により収量、電気伝導度が高く、緻密なポリエチレンジ
オキシチオフェンからなる導電性高分子層を形成できる
ために周波数特性に優れた容量達成率の高いフィルムコ
ンデンサを得ることができる。
【0031】具体的には、高分子被膜誘電体層を形成し
た陽極金属電極箔と陰極金属電極箔とをセパレ−タを介
して巻回したフィルムコンデンサ素子を、誘電体被膜上
に3,4−エチレンジオキシチオフェンと、ナフタレン
環を持つスルホン酸系第二鉄である酸化剤と、多価アル
コールと水の溶媒を混合した溶液に含浸する。ここで、
酸化剤は、ナフタレンスルホン酸第二鉄,ナフタレンジ
スルホン酸第二鉄,ナフタレントリスルホン酸第二鉄等
があげられる。多価アルコールは、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオ
ール等が好適である。
【0032】この多価アルコールに水を添加することに
より、酸化剤の溶解性が上がり、重合溶液を高濃度にで
きる。
【0033】請求項8記載のように、金属電極箔にエッ
チドアルミニウム箔が好適である。
【0034】請求項9記載のように、重合性モノマーは
3,4−エチレンジオキシチオフェンが好適である。
【0035】また、請求項10記載のように、高分子皮
膜誘電体層に、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンか
らなる共重合体もしくはポリイミドが好適に用いられ
る。
【0036】請求項11記載のように、多価アルコール
の沸点は120℃〜250℃のものを用いる。また、請
求高12記載のように、重合溶液として高濃度のものを
用いる。
【0037】本発明の請求項13記載の発明は、弁金属
を含む誘電体酸化皮膜を形成した陽極と陰極にセパレー
タを介在させて巻回したコンデンサ素子を作製する工程
と、多価アルコール及び水を含む溶媒に酸化剤及び3,
4−エチレンジオキシチオフェンを混合した重合溶液に
前記コンデンサ素子を含浸し、加熱重合により導電性高
分子層を形成する工程を含み、前記溶媒を前記導電性高
分子層に残存させることを特徴とするコンデンサの製造
方法である。
【0038】重合溶液の溶媒として多価アルコールと水
の混合溶媒を用いる。この混合溶媒を用いることによ
り、酸化剤の溶解性が上がり、より高濃度の状態で溶解
した重合溶液となる。この重合溶液に含浸、加熱重合す
ることにより重合反応が促進される。これにより化学重
合にて、収量、電気伝導度が高いポリエチレンジオキシ
チオフェンからなる導電性高分子層が緻密に形成され、
周波数特性に優れ容量達成率の高いコンデンサを得るこ
とができる。さらに、前記用いた多価アルコールと水の
混合溶媒を電解液として用いることにより、誘電体層欠
陥の修復能力を高めることができるために、耐電圧特性
の優れたコンデンサを得ることができる。
【0039】具体的には、弁金属からなる誘電体酸化被
膜を形成した陽極と陰極にセパレータを介在させて巻回
したコンデンサ素子を、誘電体酸化被膜上に3,4−エ
チレンジオキシチオフェンと、酸化剤と、多価アルコー
ルと水の溶媒を混合した溶液に含浸する。ここで、酸化
剤は、ナフタレンスルホン酸第二鉄,ナフタレンジスル
ホン酸第二鉄,ナフタレントリスルホン酸第二鉄等があ
げられる。多価アルコールは、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール等
が好適である。
【0040】この多価アルコールに水を添加することに
より、固形分の溶解性が上がり、記載のように、重合溶
液を高濃度にできる。
【0041】請求項14記載のように、弁金属はアルミ
ニウムが好適である。
【0042】請求項15記載のように、弁金属からなる
誘電体酸化皮膜を形成した陽極と陰極にセパレータを介
在させて巻回したコンデンサに、温度250℃〜300
℃の大気圧中で加熱処理を施す。この加熱処理は、セパ
レータの繊維を細くするために行う。
【0043】請求項16記載のように、ポリエチレンジ
オキシチオフェン層の形成工程は過熱工程を含んだ化学
的酸化重合法を用いる。
【0044】請求項17記載のように、多価アルコール
の沸点が120℃〜250℃のものを用いる。また、請
求項18記載のように、重合溶液として高濃度のものを
用いる。
【0045】本発明の請求項19記載の発明は、高分子
被膜誘電体層を形成した陽極金属電極箔と陰極金属電極
箔とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ素子を作
製する工程と、多価アルコール及び水を含む溶媒にナフ
タレン環を持つスルホン酸系第二鉄である酸化剤及び重
合性モノマーを混合した重合溶液に前記コンデンサ素子
を含浸し、加熱重合により導電性高分子層を形成する工
程を含み、前記溶媒を前記導電性高分子層に残存させる
ことを特徴とするコンデンサの製造方法である。
【0046】重合溶液の溶媒として多価アルコールと水
の混合溶媒を用いる。この混合溶媒を用いることによ
り、酸化剤の溶解性が上がり、より高濃度の状態で溶解
した重合溶液となる。この重合溶液に含浸、加熱重合す
ることにより重合反応が促進される。これにより化学重
合にて、収量、電気伝導度が高いポリエチレンジオキシ
チオフェンからなる導電性高分子層が緻密に形成され、
周波数特性に優れ容量達成率の高いコンデンサを得るこ
とができる。さらに、前記用いた多価アルコールと水の
混合溶媒を対極導電層として用いることにより、誘電体
層欠陥の修復能力を高めることができるために、耐電圧
特性の優れたコンデンサを得ることができる。
【0047】具体的には、高分子被膜誘電体層を形成し
た陽極金属電極箔と陰極金属電極箔とをセパレ−タを介
して巻回したフィルムコンデンサ素子を、誘電体酸化被
膜上に3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤
と、多価アルコールと水の溶媒を混合した溶液に含浸す
る。ここで、酸化剤はナフタレンスルホン酸第二鉄,ナ
フタレンジスルホン酸第二鉄,ナフタレントリスルホン
酸第二鉄等があげられる。多価アルコールは、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、2−ブテン−1,
4−ジオール等が好適である。この多価アルコールに水
を添加することにより、酸化剤の溶解性が上がり、記載
のように、重合溶液を高濃度にできる。
【0048】請求項20記載のように、金属電極にエッ
チドアルミニウム箔が好適である。
【0049】請求項21記載のように、重合性モノマー
は3,4−エチレンジオキシチオフェンが好適である。
【0050】また、請求項22記載のように、高分子皮
膜誘電体層に、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンか
らなる共重合体もしくはポリイミドが好適に用いられ
る。
【0051】請求項23記載のように、多価アルコール
の沸点が120℃〜250℃のものを用いる。また、請
求項24記載のように、重合溶液として高濃度のものを
用いる。これにより収量、電気伝導度が高く、緻密な導
電性高分子層を形成できるために周波数特性に優れた容
量達成率の高いコンデンサを得ることができる。
【0052】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。
【0053】(実施の形態1)以下、本発明の第1の実
施の形態ついて図1を参照しながら説明する。
【0054】まず、陽極アルミニウムタブ1を介して陽
極リード3を取り付けた5mm×240mmのエッチドアルミニ
ウムからなる陽極箔5と陰極アルミニウムタブ2を介し
て陰極リード4を取り付けた5mm×240mmのエッチドアル
ミニウムからなる陰極箔6の間にセパレータ7、8を陽
陰極間に挟み込み、巻回し、さらに幅3mmのポリイミド
の粘着テープ9で端末を接着し、図1に示すようなコン
デンサ素子を作製した。これを温度250℃〜300℃
の大気圧中で加熱処理を行った。セパレータ紙はマニラ
麻を用いた。エッチドアルミニウムとは、エッチングに
より表面の酸化膜を除去したアルミニウムである。
【0055】この素子に、70℃のアジピン酸アンモニ
ウム3%水溶液の化成液中で陽陰極間に7.7Vを印加し
て陽極に誘電体酸化被膜を形成した。
【0056】この構成をコンデンサと見立て、化成液中
の容量を測定したところ1095μFであった。
【0057】陽極に誘電体酸化被膜が形成されたコンデ
ンサ素子をジエチレングリコール2.3gと水0.2gの混合
溶媒に、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー
(バイエル社製、商品名バイトロンM)1.6Mと、ナフタ
レンジスルホン酸第二鉄0.4Mを混合した溶液に含浸し
た。このときの酸化剤固形分濃度は27wt%であった。そ
の後、加熱重合を行い、導電性高分子層であるポリエチ
レンジオキシチオフェン層を形成した。その際の加熱重
合条件は130℃で2時間であった。加熱重合後、洗
浄、乾燥を施しコンデンサを作成した。
【0058】上記方法でコンデンサを10個作製し、得ら
れたコンデンサの容量達成率とインピーダンス特性を測
定した。その平均値を(表1)に示す。
【0059】
【表1】
【0060】(比較例1)比較のためジエチレングリコ
ールに水の添加なしで重合溶液を用意し、コンデンサを
試作した結果を示す。この時、3,4−エチレンジオキ
シチオフェンモノマーが1.29Mと、ナフタレンジスルホ
ン酸第二鉄が0.32Mであること以外は第1の実施の形態
と同様にして10コのコンデンサを作成した。本比較例
1ではナフタレンジスルホン酸第二鉄はジエチレングリ
コールに完全には溶けず、一部溶解しなかった。このコ
ンデンサの容量、インピーダンスを(表1)に示す。
【0061】なお、酸化剤の固形分濃度が5.7wt%程度で
も水を添加しない場合には完全には溶けなかった。
【0062】比較例1では、溶媒に水を添加しないため
ナフタレン環を持つ酸化剤は溶媒に溶けにくい。このこ
とから、重合溶液中のモノマーと酸化剤は重合反応を促
進するほどの濃度に達せず、緻密で収量、電気伝導度が
高い導電性高分子を得ることができないために、比較例
1では(表1)に示すように、容量達成率、インピ−ダ
ンス特性が悪かった。
【0063】この(表1)における比較例1と第1の実
施の形態との比較から明らかなように、本第1の実施の
形態では、重合溶液が多価アルコールと水の混合溶媒で
あり、酸化剤の溶解性があがり、重合溶液中の3,4−
エチレンジオキシチオフェンと酸化剤が高濃度で溶解し
ている。それにより重合反応が促進され、緻密で収量、
電気伝導度が高く、周波数特性に優れた容量達成率の高
いポリエチレンジオキシチオフェンを導電性高分子層と
して形成されたコンデンサを得ることができる。
【0064】(実施の形態2)以下、本発明の第2の実
施の形態ついて説明する。
【0065】本実施の形態では、ポリアミドの不織布を
熱処理を施さずに用いた以外は第1の実施の形態と同様
にしてコンデンサを完成させた。完成後、第1の実施の
形態と同様の特性評価を行い、それらの平均値を(表1)
に示した。
【0066】本実施の形態によれば、(表1)に示すよ
うに、ポリアミドの不織布を熱処理を施さずに用いた場
合も、重合溶液が多価アルコールと水の混合溶媒である
ことから酸化剤の溶解性があがり、重合溶液中が高濃度
で溶解しているため重合反応が促進され、緻密で収量、
電気伝導度が高く、周波数特性に優れた容量達成率の高
いコンデンサを得ることができる。
【0067】(実施の形態3)本実施の形態では、誘電
体層として陽極酸化被膜に替えて高分子のアクリル酸と
メタクリル酸とスチレンの共重合体を用いた以外、第1
の実施の形態と同様にしてコンデンサを完成させた。ま
た、本実施の形態では熱処理は施さなかった。誘電体層
をアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体に変
更し、導電性高分子層を形成する前までの工程を以下説
明する。
【0068】エッチドアルミニウム箔の両面に電着によ
ってアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体か
らなる誘電体層を設けた。まず、用いた電着液組成は、
固形分10重量%、脱イオン水86重量%、ブチルセロ
ソルブ4重量%であった。その中の固形分は、分子量約
3万のアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体
とベンゾクアナミン系樹脂を7対3で混合し、電着液中
に分散させるため、カルボン酸基の50%をトリメチル
アミンにより中和したものを用いた。
【0069】この電着液にエッチドアルミニウム箔を浸
してこれを陽極とし、隔離して設けた電極との間に電圧
を印加し、0.3mA/cm2の電流密度で10Vに達
するまで定電流電着を行い、さらに10Vで15分間定
電圧電着を行った。
【0070】次に、80℃の脱イオン水による洗浄を2
0分間行ってから、180℃で30分間熱処理すること
により、ベンゾグアナミン系樹脂との間で架橋反応させ
た。これら一連の処理を3回繰り返して誘電体層を形成
した。
【0071】誘電体層が設けられたエッチドアルミニウ
ム箔を、幅2.3mm、長さ154mmの大きさに切断
して陽極電極箔に用いた。また、陰極電極箔には、幅
2.3mm、長さ180mmのエッチドアルミニウム箔
を用いた。
【0072】次に、陽極電極箔及び陰極電極箔を、厚さ
40μmのマニラ紙からなるセパレ−タを介して巻回
し、巻き止めテ−プにより止めて、コンデンサ素子を得
た。
【0073】なお、陽極電極箔、陰極電極箔には、予め
陽極リ−ド線と陰極リ−ド線が陽極リ−ド用タブと陰極
リ−ド用タブを介して接続されており、端面上部から突
出している。
【0074】この構成をコンデンサと見立て、アジピン
酸水溶液からなる化成液中の容量を測定したところ、
9.5μFであった。
【0075】陽極に誘電体酸化被膜が形成されたコンデ
ンサ素子をジエチレングリコール2.3gと水0.2gの混合
溶媒に、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー
(バイエル社製、商品名バイトロンM)1.6Mと、ナフタ
レンジスルホン酸第二鉄0.4Mを混合した溶液に含浸し
た。このときの酸化剤固形分濃度は27wt%であった。そ
の後、加熱重合を行い、導電性高分子層であるポリエチ
レンジオキシチオフェン層を形成した。その際の加熱重
合条件は130℃で2時間であった。加熱重合後、洗
浄、乾燥を施しコンデンサを作成した。
【0076】上記方法でコンデンサを10個作製し、得ら
れたコンデンサの容量達成率とインピーダンス特性を測
定した。その平均値を(表1)に示す。
【0077】本実施の形態によれば、誘電体層として高
分子のアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体
を用いた場合にも、(表1)に示すように、容量達成率
が高く、インピ−ダンス特性の優れたフィルムコンデン
サを実現できることが分かった。
【0078】これは、重合溶液が多価アルコールと水の
混合溶媒であるので酸化剤の溶解性があがり、重合溶液
中の3,4−エチレンジオキシチオフェンと酸化剤が高
濃度で溶解する。これにより重合反応がより促進され第
1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】(実施の形態4)以下、本発明の第4の実
施の形態ついて説明する。
【0080】本実施の形態では、ポリアミドの不織布を
熱処理を施さずに用いた以外は第3の実施の形態と同様
にしてフィルムコンデンサを完成させた。完成後、第1
の実施の形態と同様の特性評価を行い、それらの平均値
を(表1)に示した。
【0081】本実施の形態によれば、(表1)に示すよ
うにポリアミドの不織布を用いた場合も、重合溶液が多
価アルコールと水の混合溶媒であることから酸化剤の溶
解性があがり、重合溶液中が高濃度で溶解しているため
重合反応が促進され、緻密で収量、電気伝導度が高く、
周波数特性に優れた容量達成率の高いコンデンサを得る
ことができる。
【0082】(実施の形態5)以下、本発明の第5の実
施の形態ついて説明する。
【0083】本実施の形態では、第1の実施の形態の構
成において、重合溶液の酸化剤を変更したことと、重合
溶液の溶媒である多価アルコールと水の混合溶媒を電解
液としたこと以外、第1の実施の形態と同様にしてコン
デンサを完成させた。本実施の形態で変更した点を以下
に説明する。
【0084】第1の実施の形態と同様の手順で誘電体酸
化被膜上に導電性高分子層を形成した。その際、重合溶
液の使用酸化剤はナフタレントリスルホン酸第二鉄を用
いた。その後、加熱重合を行い、洗浄、乾燥工程なしで
コンデンサ10コを作成した。完成後、第1の実施の形態
と同様の特性評価を行い、それらの平均値を(表1)に示
した。
【0085】本実施の形態によれば、洗浄・乾燥を行わ
ないことにより、重合溶液の溶媒として用いたジエチレ
ングリコールと水の混合溶媒がコンデンサ素子内部に残
存する。これが電解液としての機能を果たし、誘電体層
欠陥の修復能力を高めることができるために、耐電圧特
性の優れたコンデンサを得ることができる。
【0086】(実施の形態6)以下、本発明の第6の実
施の形態ついて説明する。本実施の形態では、ポリアミ
ドの不織布を熱処理を施さずに用いた以外は第5の実施
の形態と同様にしてコンデンサを完成させた。完成後、
第1の実施の形態と同様の特性評価を行い、それらの平
均値を(表1)に示した。
【0087】本実施の形態によれば、(表1)に示すよ
うにポリアミドの不織布を用いた場合も、重合溶液が多
価アルコールと水の混合溶媒であることから酸化剤の溶
解性があがり、重合溶液中が高濃度で溶解しているため
重合反応が促進され、緻密で収量、電気伝導度が高く、
周波数特性に優れた容量達成率の高いコンデンサを得る
ことができる。さらに、洗浄・乾燥を行わないことによ
り、重合溶液の溶媒として用いたジエチレングリコール
と水の混合溶媒がコンデンサ素子内部に残存する。これ
が電解液としての機能を果たし、誘電体層欠陥の修復能
力を高めることができるために、耐電圧特性の優れたコ
ンデンサを得ることができる。
【0088】(実施の形態7)以下、本発明の第7の実
施の形態ついて説明する。
【0089】本実施の形態では、誘電体層として陽極酸
化皮膜に替えて高分子のアクリル酸とメタクリル酸とス
チレンの共重合体を用いた以外、第5の実施の形態と同
様にしてコンデンサを完成させた。また、本実施の形態
では熱処理は施さなかった。誘電体層にアクリル酸とメ
タクリル酸とスチレンの共重合体を用いたフィルムコン
デンサを重合溶液に浸漬し加熱重合後の洗浄、乾燥工程
なしでコンデンサを完成させた。
【0090】完成後、第1の実施の形態と同様の特性評
価を行い、それらの平均値を(表1)に示した。
【0091】本実施の形態によれば、誘電体層としてア
クリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体を用いた
フィルムコンデンサの場合も、(表1)に示すように、
洗浄・乾燥を行わないことにより、コンデンサ素子内部
に残存しているジエチレングリコールと水の混合溶媒が
誘電体層欠陥の修復能力を高め、耐電圧特性の優れたコ
ンデンサを得ることができる。
【0092】(実施の形態8)以下、本発明の第8の実
施の形態ついて説明する。
【0093】本実施の形態では、ポリアミドの不織布を
用いた以外は第7の実施の形態と同様にしてフィルムコ
ンデンサを完成させた。完成後、第1の実施の形態と同
様の特性評価を行い、それらの平均値を(表1)に示し
た。
【0094】本実施の形態によれば、ポリアミドの不織
布を用いたフィルムコンデンサの場合も、(表1)に示
すように、洗浄・乾燥を行わないことにより、コンデン
サ素子内部に残存しているジエチレングリコールと水の
混合溶媒が誘電体層欠陥の修復能力を高め、耐電圧特性
の優れたコンデンサを得ることができる。
【0095】なお、本実施例ではコンデンサ素子は巻回
型を用いたが、積層型を用いても同様の結果が得られ
る。
【0096】また、酸化剤にナフタレンスルホン酸第二
鉄を用いた場合も、室温で多価アルコールに溶解させる
時、水を添加することにより溶解性があがり、同様の効
果が得られる。
【0097】また、誘電体酸化被膜上に導電性高分子層
を形成後、洗浄・乾燥を施した後に電解液を含浸させて
も誘電体層欠陥の修復能力を高めることができ同様の効
果が得られる。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明は、弁金属からなる
誘電体酸化皮膜を形成した陽極と陰極にセパレータを介
在させて巻回したコンデンサにおいて、誘電体酸化被膜
上に導電性高分子層を形成する時、あるいは、高分子被
膜誘電体層を形成した陽極金属電極箔と陰極金属電極箔
とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ素子に、重
合性モノマーを重合してなる導電性高分子層を形成する
時、重合溶液の溶媒として多価アルコールと水の混合溶
媒を用いることにより、酸化剤の溶解性が向上し、モノ
マーおよび酸化剤固形分がより高濃度で溶解した重合溶
液となり、この重合溶液に含浸、加熱重合することによ
り電気伝導度が高い導電性高分子が緻密に形成されるた
め、周波数特性に優れた容量達成率の高いコンデンサを
得ることができる。
【0099】また、上記コンデンサで、コンデンサ素子
内部に重合溶液の溶媒として用いたジエチレングリコー
ルと水の混合溶媒を残存させることにより、誘電体層の
欠陥を修復させて、耐電圧特性の優れたコンデンサを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施の形態におけるコンデンサ素
子外観図
【符号の説明】
1 陽極アルミニウムタブ 2 陰極アルミニウムタブ 3 陽極リード 4 陰極リード 5 陽極箔 6 陰極箔 7 セパレータ 8 セパレータ 9 粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/24 B (72)発明者 草柳 弘樹 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 工藤 康夫 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AA07 AB04 AB09 EE03 EE30 EE35 FF05 FG04 FG34 FG37 FG38 KK02 MM24 PP06 PP07

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁金属を含む誘電体酸化皮膜を形成した
    陽極と陰極にセパレータを介在させて巻回したコンデン
    サ素子を作製する工程と、多価アルコール及び水を含む
    溶媒にナフタレン環を持つスルホン酸系第二鉄である酸
    化剤及び3,4−エチレンジオキシチオフェンを混合し
    た重合溶液に前記コンデンサ素子を含浸し、加熱重合に
    より導電性高分子層を形成する工程を含むコンデンサの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 弁金属がアルミニウムである請求項1記
    載のコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 コンデンサ素子を温度250℃〜300
    ℃の大気圧中で加熱処理する工程を含む請求項1又は2
    記載のコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 導電性高分子層を形成する工程が加熱工
    程を含んだ化学的酸化重合工程である請求項1ないし3
    のいずれか記載のコンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 多価アルコールの沸点が120℃〜25
    0℃である請求項1ないし4のいずれか記載のコンデン
    サの製造方法。
  6. 【請求項6】 重合溶液が高濃度である請求項1ないし
    5のいずれか記載のコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 高分子被膜誘電体層を形成した陽極金属
    電極箔と陰極金属電極箔とをセパレ−タを介して巻回し
    たコンデンサ素子を作製する工程と、多価アルコール及
    び水を含む溶媒にナフタレン環を持つスルホン酸系第二
    鉄である酸化剤及び重合性モノマーを混合した重合溶液
    に前記コンデンサ素子を含浸し、加熱重合により導電性
    高分子層を形成する工程を含むコンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 金属電極箔にエッチドアルミニウム箔を
    用いる請求項7記載のフィルムコンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 重合性モノマーが3,4−エチレンジオ
    キシチオフェンである請求項7又は8記載のコンデンサ
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 高分子皮膜誘電体層に、アクリル酸、
    メタクリル酸及びスチレンを含む共重合体又はポリイミ
    ドを用いる請求項7ないし9のいずれか記載のコンデン
    サの製造方法。
  11. 【請求項11】 多価アルコールの沸点が120℃〜2
    50℃である請求7ないし10のいずれか記載のコンデ
    ンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 重合溶液が高濃度である請求項7ない
    し11のいずれか記載のコンデンサの製造方法。
  13. 【請求項13】 弁金属を含む誘電体酸化皮膜を形成し
    た陽極と陰極にセパレータを介在させて巻回したコンデ
    ンサ素子を作製する工程と、多価アルコール及び水を含
    む溶媒に酸化剤及び3,4−エチレンジオキシチオフェ
    ンを混合した重合溶液に前記コンデンサ素子を含浸し、
    加熱重合により導電性高分子層を形成する工程を含み、
    前記溶媒を前記導電性高分子層に残存させることを特徴
    とするコンデンサの製造方法。
  14. 【請求項14】 弁金属がアルミニウムである請求項1
    3記載のコンデンサの製造方法。
  15. 【請求項15】 コンデンサ素子を温度250℃〜30
    0℃の大気圧中で加熱処理する工程を含む請求項13又
    は14記載のコンデンサの製造方法。
  16. 【請求項16】 導電性高分子層を形成する工程が加熱
    工程を含んだ化学的酸化重合工程である請求項13ない
    し15のいずれか記載のコンデンサの製造方法。
  17. 【請求項17】 多価アルコールの沸点が120℃〜2
    50℃である請求13ないし16のいずれか記載のコン
    デンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 重合溶液が高濃度である請求項13な
    いし17のいずれか記載のコンデンサの製造方法。
  19. 【請求項19】 高分子被膜誘電体層を形成した陽極金
    属電極箔と陰極金属電極箔とをセパレ−タを介して巻回
    したコンデンサ素子を作製する工程と、多価アルコール
    及び水を含む溶媒にナフタレン環を持つスルホン酸系第
    二鉄である酸化剤及び重合性モノマーを混合した重合溶
    液に前記コンデンサ素子を含浸し、加熱重合により導電
    性高分子層を形成する工程を含み、前記溶媒を前記導電
    性高分子層に残存させることを特徴とするコンデンサの
    製造方法。
  20. 【請求項20】 陽極金属電極箔及び陰極金属電極箔に
    エッチドアルミニウム箔を用いる請求項19記載のコン
    デンサの製造方法。
  21. 【請求項21】 重合性モノマーが3,4−エチレンジ
    オキシチオフェンである請求項19又は20記載のフィ
    ルムコンデンサの製造方法。
  22. 【請求項22】 高分子皮膜誘電体層に、アクリル酸、
    メタクリル酸及びスチレンを含む共重合体又はポリイミ
    ドを用いる請求項19ないし21のいずれか記載のコン
    デンサの製造方法。
  23. 【請求項23】 多価アルコールの沸点が120℃〜2
    50℃である請求19ないし22のいずれか記載のフィ
    ルムコンデンサの製造方法。
  24. 【請求項24】 重合溶液が高濃度である請求項19な
    いし23のいずれか記載のフィルムコンデンサの製造方
    法。
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