JP2000299253A - コンデンサの製造方法 - Google Patents

コンデンサの製造方法

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JP2000299253A
JP2000299253A JP11106271A JP10627199A JP2000299253A JP 2000299253 A JP2000299253 A JP 2000299253A JP 11106271 A JP11106271 A JP 11106271A JP 10627199 A JP10627199 A JP 10627199A JP 2000299253 A JP2000299253 A JP 2000299253A
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capacitor element
mixed solution
capacitor
polymerizable monomer
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JP11106271A
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English (en)
Inventor
Kenji Akami
研二 赤見
Yasuo Kudo
康夫 工藤
Yasue Matsuka
安恵 松家
Hiroki Kusayanagi
弘樹 草柳
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンタル焼結体や、アルミの陽極電極箔と陰
極電極箔をセパレ−タを介して巻回したコンデンサ素子
に、冷却された重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を混合
した混合溶液を含浸させてから、化学重合により導電性
高分子層を形成するコンデンサの製造方法において、容
量達成率が高く、特性の優れたコンデンサを得ることを
目的とする。 【解決手段】 混合溶液をコンデンサ素子に含浸させた
後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱することによって、
容量達成率が高く、損失特性やインピ−ダンス特性の優
れたコンデンサを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高分子を用
いた小型大容量のコンデンサの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器のデジタル化に伴って、
コンデンサについても小型大容量で高周波領域でのイン
ピーダンスの低いものが要求されている。
【0003】従来、コンデンサの電解質に電気伝導度の
高い導電性高分子を用いて、高周波領域でのインピ−ダ
ンスを低くしたコンデンサが多く提案されている。
【0004】誘電体皮膜を設けたアルミニウムに3、4
ーエチレンジオキシチオフェンを繰り返し単位としp−
トルエンスルホン酸アニオンをド−パントとして含む導
電性高分子を化学重合により形成したコンデンサが提案
されている(特開平2−15611号公報)。3,4−
エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸化剤を溶媒に
より溶解した溶液を、酸化が施されたアルミニウム電極
に塗布し、次いで室温あるいは加熱して溶媒を除去し、
化学重合反応により導電性高分子層を形成し、次いで水
を用いて導電性高分子層から過剰な酸化剤を洗い去り、
最後に乾燥させてコンデンサを得る製造方法が記述され
ている。
【0005】また、エッチドアルミ箔上に電着ポリイミ
ド薄膜からなる誘電体を形成した後、化学重合及び電解
重合により、順次導電性高分子層を形成して電極とする
大容量フィルムコンデンサが提案されている(電気化学
会第58回大会講演要旨集251〜252頁(1991
年))。
【0006】さらに、3、4ーエチレンジオキシチオフ
ェンと酸化剤とを混合した混合溶液を、陽極電極箔と陰
極電極箔とをガラスペ−パ−からなるセパレ−タを介し
て巻回したコンデンサ素子に含浸し、セパレ−タに浸透
した混合溶液中の重合反応により生成したポリエチレン
ジオキシチオフェンを電解質層としてセパレ−タで保持
した固体電解コンデンサが提案されている(特開平9−
293639号公報)。
【0007】酸化剤にはp−トルエンスルホン酸第二鉄
を、溶媒にはエチレングリコ−ルを用い、混合溶液を含
浸したコンデンサ素子を、25℃ないし100℃の温度
に放置して、重合反応によりポリエチレンジオキシチオ
フェンからなる導電性高分子層を生成させ、次いで水、
有機溶媒等を用いて洗浄し、最後に乾燥させてコンデン
サを得る製造方法が記述されている。
【0008】さらに、冷却されたピロ−ルモノマ−と酸
化剤とを混合した混合溶液をタンタル焼結体からなるコ
ンデンサ素子に含浸してから、空気中25℃で重合させ
る製造方法が提案されている(特開平6−325984
号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘電体
層が形成された焼結体金属からなるコンデンサ素子に、
冷却させた重合性モノマ−と酸化剤との混合溶液を含浸
し、溶媒の沸点未満の温度で重合反応させた場合、溶媒
は焼結体金属表面の空孔から蒸発する。表面の空孔には
内部から少なからず混合溶液が供給されるために、重合
反応により形成された導電性高分子層が表面近傍に集ま
る。混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを少ない回
数(極端な場合には1回)繰り返す内に表面の空孔を塞
いでしまう。
【0010】表面の空孔が塞がれると、混合溶液を含浸
させようとしてもコンデンサ素子内部に浸透しないの
で、プロセスをより多く繰り返して、コンデンサ素子内
部に導電性高分子層を緻密に形成することができないた
めと、また、導電性高分子層形成後に十分な洗浄を施し
て過剰な酸化剤を取り除くことができないために、高い
容量達成率と優れたコンデンサ特性が得られないという
課題を抱えていた。
【0011】また、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ
−タを介して円筒状に巻回したコンデンサ素子に冷却さ
せた混合溶液を含浸させた後に、溶媒の沸点未満の温度
で重合反応させた場合、溶媒は円筒状の両側の開放され
た端面から蒸発する。端面には内部から少なからず混合
溶液が供給されるために、重合反応により形成された導
電性高分子層が端面近傍に集まる。混合溶液の含浸、重
合、洗浄のプロセスを少ない回数(極端な場合には1
回)繰り返す内に端面を塞いでしまう。端面が塞がれる
と、混合溶液を含浸させようとしてもコンデンサ素子内
部に浸透しないので、プロセスをより多く繰り返して、
コンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密に形成する
ことができないためと、また、導電性高分子層形成後に
十分な洗浄を施して過剰な酸化剤を取り除くことができ
ないために、高い容量達成率と優れたコンデンサ特性が
得られないという課題を抱えていた。
【0012】さらに、導電性高分子層を電解質に用いた
場合、高い耐電圧特性が得られないという課題を抱えて
いた。
【0013】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
もので、高容量達成率で、コンデンサ特性に優れたコン
デンサを得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するもので、本発明による第一のコンデンサの製造方
法は、重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却する工程
と、冷却された前記重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を
混合した混合溶液を用意する工程と、焼結体金属に誘電
体層を形成したコンデンサ素子を用意する工程と、前記
コンデンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記
混合溶液が含浸されたコンデンサ素子を前記混合溶液中
の溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前記重合
性モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応により導電性
高分子層を形成する工程とを有する構成である。
【0015】コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた
後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱することにより、溶
媒が蒸発して体積が膨張し、焼結体金属表面の空孔から
噴出する。重合反応により生成された導電性高分子層が
表面近傍に集まって空孔を塞ごうとしても、噴出する力
により押し破り、導電性高分子層によって焼結体金属表
面の空孔が塞がれることを防止できるので、混合溶液の
含浸、重合、洗浄のプロセスを繰り返してコンデンサ素
子内部に導電性高分子層を緻密に形成することができる
ため、また、導電性高分子層形成後に十分な洗浄を施し
て過剰な酸化剤を取り除くことができるために、容量達
成率が高く、損失特性やインピ−ダンス特性の優れたコ
ンデンサが得られる。
【0016】本発明による第二のコンデンサの製造方法
は、重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却する工程
と、冷却された前記重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を
混合した混合溶液を用意する工程と、誘電体層を形成し
た陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを介して巻回
したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コンデンサ
素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記混合溶液中
の溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前記重合
性モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応により、前記
コンデンサ素子内に導電性高分子層を形成する工程とを
有する構成である。
【0017】コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた
後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱することにより、溶
媒が蒸発して体積が膨張し、陽極電極箔、セパレ−タ、
及び陰極電極箔の間隙を通って端面から噴出する。重合
反応により生成された導電性高分子層が端面近傍に集ま
って端面を塞ごうとしても、噴出する力により押し破
り、導電性高分子層によって端面が塞がれることを防止
できるので、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを
繰り返してコンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密
に形成することができるため、また、導電性高分子層形
成後に十分な洗浄を施して過剰な酸化剤を取り除くこと
ができるために、容量達成率が高く、損失特性やインピ
−ダンス特性の優れたコンデンサが得られる。
【0018】本発明による第三のコンデンサの製造方法
は、重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却する工程
と、冷却された前記重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を
混合した混合溶液を用意する工程と、誘電体層を形成し
た陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを介して巻回
したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コンデンサ
素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記混合溶液中
の溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前記重合
性モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応により、前記
コンデンサ素子内に導電性高分子層を形成する工程と、
前記導電性高分子層に電解液を含浸する工程とを有する
構成である。
【0019】コンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻
密に形成した後、導電性高分子層に電解液を含浸させる
ことにより、誘電体層欠陥の修復能力を高めることがで
きるために、耐電圧特性の優れたコンデンサが得られ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却する工程と、冷
却された前記重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を混合し
た混合溶液を用意する工程と、焼結体金属に誘電体層を
形成したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コンデ
ンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記混合溶
液が含浸されたコンデンサ素子を前記混合溶液中の溶媒
の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前記重合性モノ
マ−と前記酸化剤との化学重合反応により導電性高分子
層を形成する工程とを有するコンデンサの製造方法とし
たものであり、コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた
後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱することにより、溶
媒が蒸発して体積が膨張し、焼結体金属表面の空孔から
噴出する。
【0021】重合反応により生成された導電性高分子層
が表面近傍に集まって空孔を塞ごうとしても、噴出する
力により押し破り、導電性高分子層によって焼結体金属
表面の空孔が塞がれることを防止できるので、混合溶液
の含浸、重合、洗浄のプロセスを繰り返してコンデンサ
素子内部に導電性高分子層を緻密に形成することができ
るため、また、導電性高分子層形成後に十分な洗浄を施
して過剰な酸化剤を取り除くことができるために、容量
達成率が高く、損失特性やインピ−ダンス特性の優れた
コンデンサを実現できる。
【0022】ここで、重合性モノマ−には、チオフェ
ン、ピロ−ル、アニリンまたは、それらの誘導体が用い
られる。
【0023】また、重合性モノマ−溶液の溶媒として
は、水、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、
ブタノ−ル、あるいはそれらを混合したものがあげられ
るが、溶媒を用いないで重合性モノマ−原液でもよい。
【0024】また、酸化剤には、アルキルベンゼンスル
ホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、アルキル
ナフタレンスルホン酸第二鉄、アントラキノンスルホン
酸第二鉄等があげられるが、好適にはナフタレンスルホ
ン酸第二鉄が用いられる。
【0025】また、酸化剤溶液の溶媒には、水、メタノ
−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、あ
るいはそれらを混合したものが用いうる。
【0026】また、速やかに加熱する工程としては、オ
−ブン中で加熱する方法や、ホットプレ−ト上に接触さ
せて加熱する方法が用いうる。
【0027】また、請求項2記載のように、誘電体層
が、弁金属の酸化物皮膜であってもよい。
【0028】本発明の請求項3記載の発明は、重合性モ
ノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却する工程と、冷却された
前記重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を混合した混合溶
液を用意する工程と、誘電体層を形成した陽極電極箔と
陰極電極箔とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ
素子を用意する工程と、前記コンデンサ素子に前記混合
溶液を含浸する工程と、前記混合溶液中の溶媒の沸点以
上に速やかに加熱する工程と、前記重合性モノマ−と前
記酸化剤との化学重合反応により、前記コンデンサ素子
内に導電性高分子層を形成する工程とを有するコンデン
サの製造方法としたものであり、コンデンサ素子に混合
溶液を含浸させた後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱す
ることにより、溶媒が蒸発して体積が膨張し、陽極電極
箔、セパレ−タ、及び陰極電極箔の間隙を通って端面か
ら噴出する。
【0029】重合反応により生成された導電性高分子層
が端面近傍に集まって端面を塞ごうとしても、噴出する
力により押し破り、導電性高分子層によって端面が塞が
れることを防止できるので、混合溶液の含浸、重合、洗
浄のプロセスを繰り返してコンデンサ素子内部に導電性
高分子層を緻密に形成することができるため、また、導
電性高分子層形成後に十分な洗浄を施して過剰な酸化剤
を取り除くことができるために、容量達成率が高く、損
失特性やインピ−ダンス特性の優れたコンデンサを実現
できる。
【0030】ここで、陽極電極箔と陰極電極箔には、ア
ルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔等の弁
金属にエッチング処理が施され、陽極電極箔にはさらに
誘電体層が形成されたものが用いられる。
【0031】また、セパレ−タには、マニラ紙、クラフ
ト紙、合成繊維紙、ガラスペ−パ−等が用いられる。
【0032】本発明の請求項4記載の発明は、重合性モ
ノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却する工程と、冷却された
前記重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を混合した混合溶
液を用意する工程と、誘電体層を形成した陽極電極箔と
陰極電極箔とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ
素子を用意する工程と、前記コンデンサ素子に前記混合
溶液を含浸する工程と、前記混合溶液中の溶媒の沸点以
上に速やかに加熱する工程と、前記重合性モノマ−と前
記酸化剤との化学重合反応により、前記コンデンサ素子
内に導電性高分子層を形成する工程と、前記導電性高分
子層に電解液を含浸する工程とを有するコンデンサの製
造方法としたものであり、コンデンサ素子内部に導電性
高分子層を緻密に形成した後、導電性高分子層に電解液
を含浸させることにより、誘電体層欠陥の修復能力を高
めることができるために、耐電圧特性の優れたコンデン
サを実現できる。
【0033】また、請求項5記載のように、誘電体層
が、弁金属の酸化物皮膜であってもよい。
【0034】また、請求項6記載のように、誘電体層
が、高分子膜であってもよい。
【0035】また、請求項7記載のように、高分子が、
ポリイミドまたはアクリル酸とメタクリル酸とスチレン
の共重合体であることが好適である。
【0036】また、請求項8記載のように、γ−ブチロ
ラクトンとフタル酸塩からなる電解液を用いうる。
【0037】以下、本発明の各実施の形態について詳細
に説明する。
【0038】(実施の形態1)以下、本発明の第1の実
施の形態について説明する。大きさが3.6×2.9×
1.4mmで、タンタルのリ−ド線が配された重量約9
0mgのタンタル焼結体金属のコンデンサ素子に対し
て、リン酸5mlを1000mlの脱イオン水に溶解し
た約90℃の溶液を用い、まず5mV/secの速度で
0から42Vまで上げ、続けて42Vの定電圧を3時間
印加し、陽極酸化により酸化皮膜誘電体層を形成した。
この構成をコンデンサと見立て、化成液中の容量を測定
したところ、68μFであった。
【0039】重合性モノマ−の3,4−エチレンジオキ
シチオフェン(EDOT)をメタノ−ルの中に入れたモ
ノマ−溶液を−30℃の恒温槽の中に入れて冷却する。
次にナフタレンスルホン酸第二鉄をメタノ−ルの中に入
れ、スタ−ラで撹拌して溶かした酸化剤溶液を−30℃
の恒温槽の中に入れて冷却する。モノマ−溶液と酸化剤
溶液を混合した混合溶液を用意する。このとき、混合溶
液としたときにEDOT1mol/l、ナフタレンスル
ホン酸第二鉄0.18mol/lの濃度となるように調
合した。
【0040】混合溶液の中にコンデンサ素子を2分浸漬
して含浸させてから引き上げ、溶媒の沸点より高い15
0℃のホットプレ−ト上に直方体形状であるコンデンサ
素子の一面を30秒接触させてから、130℃のオ−ブ
ン中に20分放置した。ホットプレ−トにはフッ素系樹
脂のテ−プを貼るか、またはフッ素系樹脂のコ−ティン
グを施しており、接触によるコンデンサ素子の損壊を防
止している。加熱によって溶媒が速やかに蒸発し、化学
重合反応が進行してコンデンサ素子の内部及び表面にポ
リ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDO
T)からなる導電性高分子層を形成した。
【0041】エタノ−ルによる洗浄を10分間、脱イオ
ン水による洗浄を10分間した後、120℃のオ−ブン
中で乾燥を30分間行った。コンデンサ素子の内部に導
電性高分子層が充填され、かつ表面に導電性高分子層が
覆われるまで、混合溶液への浸漬から乾燥までの一連の
工程を15回繰り返した。
【0042】次に、導電性高分子層の上にカ−ボン層と
銀ペイント層で陰極層を形成すると共に、陰極リ−ド線
を取り付けた。
【0043】さらに、エポキシ樹脂を用いて外装してか
ら、エ−ジング処理を行い、合計で10個のコンデンサ
を完成させた。
【0044】これら10個のコンデンサについて、1k
Hzにおける容量、損失係数、400kHzにおけるイ
ンピ−ダンスを各々測定した。それらの平均値を以下の
(表1)に示した。
【0045】
【表1】
【0046】本実施の形態によれば、コンデンサ素子に
混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点以上に速やかに加
熱することにより、溶媒が蒸発して体積が膨張し、焼結
体金属表面の空孔から噴出する。重合反応により生成さ
れた導電性高分子層が表面近傍に集まって空孔を塞ごう
としても、噴出する力により押し破り、導電性高分子層
によって焼結体金属表面の空孔が塞がれることを防止で
きるので、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを繰
り返してコンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密に
形成することができるため、また、導電性高分子層形成
後に十分な洗浄を施して過剰な酸化剤を取り除くことが
できるために、容量達成率が高く、損失特性やインピ−
ダンス特性の優れたコンデンサを得ることができる。
【0047】(比較例1)比較例1として、加熱条件を
変更した以外、実施の形態1と同様の操作でコンデンサ
を作製した。変更したところを以下説明する。加熱条件
は、混合溶液に浸漬してから引き上げ、溶媒の沸点より
低い60℃のオ−ブン中に60分放置してから、130
℃のオ−ブン中に20分放置するように変更した。
【0048】特性を測定した結果を前述の(表1)に示
す。
【0049】比較例1では、コンデンサ素子に混合溶液
を含浸した後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱しなかっ
たために、溶媒が徐々に蒸発し焼結体金属表面の空孔か
ら噴出する力が弱いので、表面の空孔が導電性高分子層
によって塞がれるのを防止できず、混合溶液の含浸、重
合、洗浄のプロセスを少ない回数(極端な場合には1
回)繰り返す内に表面の空孔が塞がれる。表面の空孔が
塞がれると、混合溶液を含浸させようとしてもコンデン
サ素子内部に浸透しないので、プロセスをより多く繰り
返して、コンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密に
形成することができないためと、また、導電性高分子層
形成後に十分な洗浄を施して過剰な酸化剤を取り除くこ
とができないために、比較例1では(表1)に示すよう
に、容量達成率が低く、損失特性やインピ−ダンス特性
が悪かった。
【0050】この(表1)における比較例1と実施の形
態1との比較から明らかなように、実施の形態1では、
コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点
以上に速やかに加熱することによって、容量達成率が高
く、損失特性やインピ−ダンス特性の優れたコンデンサ
を得られたことが判明した。
【0051】(実施の形態2)以下、本発明の第2の実
施の形態について図1をもとに説明する。
【0052】陽極電極箔1には、アルミニウムエッチド
箔2の両面に陽極酸化によって誘電体層3が設けられた
ものを、幅2.3mm、長さ154mmの大きさに切断
して用いた。また、陰極電極箔4には、幅2.3mm、
長さ180mmのアルミニウムエッチド箔を用いた。
【0053】次に、陽極電極箔1及び陰極電極箔4を、
厚さ40μmのマニラ紙からなるセパレ−タ5を介して
巻回し、巻き止めテ−プ6により止めて、コンデンサ素
子7を得る。ここで用いた巻回したコンデンサ素子7の
外形寸法は、直径が約7mm、端面上部8と端面下部9
の両端面間の寸法が3.4mmのものである。なお、陽
極電極箔1、陰極電極箔4には、予め陽極リ−ド線10
と陰極リ−ド線11が陽極リ−ド用タブ12と陰極リ−
ド用タブ13を介して接続されており、端面上部8から
突出している。
【0054】次に、陽極電極箔1を形成したときの切断
面と陽極リ−ド用タブ12に陽極酸化処理を施した。陽
極リ−ド線10を支持して、コンデンサ素子7を70℃
の3%アジピン酸アンモニウム水溶液の中に浸漬させ
た。まず10mV/secの速度で0から14Vまで上
げ、続けて14Vの定電圧を10分間印加し、陽極酸化
により切断面と陽極リ−ド用タブ12に誘電体層を形成
した。そして、脱イオン水の流水により10分洗浄して
から、105℃で5分乾燥を行った。
【0055】この構成をコンデンサと見立て、化成液中
の容量を測定したところ、220μFであった。
【0056】重合性モノマ−のEDOTをメタノ−ルの
中に入れたモノマ−溶液を−30℃の恒温槽の中に入れ
て冷却する。次にナフタレンスルホン酸第二鉄をメタノ
−ルの中に入れ、スタ−ラで撹拌して溶かした酸化剤溶
液を−30℃の恒温槽の中に入れて冷却する。モノマ−
溶液と酸化剤溶液を混合した混合溶液を用意する。この
とき、混合溶液としたときにEDOT1mol/l、ナ
フタレンスルホン酸第二鉄0.18mol/lの濃度と
なるように調合した。
【0057】混合溶液の中にコンデンサ素子7を2分浸
漬して含浸させてから引き上げ、溶媒の沸点より高い1
50℃のホットプレ−ト上にコンデンサ素子の端面下部
9を30秒接触させてから、130℃のオ−ブン中に2
0分放置した。加熱によって溶媒が速やかに蒸発し、化
学重合反応が進行してコンデンサ素子7の内部にPED
OTからなる導電性高分子層14を形成した。
【0058】次に、有機溶剤のエタノ−ルの中にコンデ
ンサ素子7を15分浸漬して洗浄を行った。続けて脱イ
オン水の中にコンデンサ素子7を15分浸漬して洗浄を
行った。そして、オ−ブン中に入れて120℃で30分
乾燥した。
【0059】導電性高分子層14がコンデンサ素子7の
内部に所定の量形成されるまで、浸漬含浸から乾燥まで
の一連の工程を13回繰り返した。
【0060】導電性高分子層14形成の後、コンデンサ
素子7を有底筒状のアルミニウムケ−スに収納し、その
開口部をエポキシ樹脂により封口してから、エ−ジング
処理を行い、合計で10個のコンデンサを完成させた。
実施の形態1と同様の特性評価を行い、それらの平均値
を(表1)に示した。
【0061】本実施の形態によれば、コンデンサ素子に
混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点以上に速やかに加
熱することにより、溶媒が蒸発して噴出する力で、導電
性高分子層によって端面が塞がれることを防止できるの
で、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを繰り返し
てコンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密に形成す
ることができるため、また、導電性高分子層形成後に十
分な洗浄を施して過剰な酸化剤を取り除くことができる
ために、(表1)に示すように容量達成率が高く、損失
特性やインピ−ダンス特性の優れたコンデンサを得るこ
とができる。
【0062】(比較例2)比較例2として、加熱条件を
変更した以外、実施の形態2と同様の操作でコンデンサ
を作製した。加熱条件は、コンデンサ素子を混合溶液に
浸漬して含浸させてから引き上げ、溶媒の沸点より低い
60℃のオ−ブン中に60分放置してから、130℃の
オ−ブン中に20分放置するように変更した。
【0063】特性を測定した結果を前述の(表1)に示
す。
【0064】比較例2では、コンデンサ素子に混合溶液
を含浸させた後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱しなか
ったために、溶媒が徐々に蒸発し端面から噴出する力が
弱いので、端面が導電性高分子層によって塞がれるのを
防止できず、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを
少ない回数(極端な場合には1回)繰り返す内に端面が
塞がれる。端面が塞がれると、混合溶液を含浸させよう
としてもコンデンサ素子内部に浸透しないので、プロセ
スをより多く繰り返して、コンデンサ素子内部に導電性
高分子層を緻密に形成することができないためと、ま
た、導電性高分子層形成後に十分な洗浄を施して過剰な
酸化剤を取り除くことができないために、比較例2では
(表1)に示すように、容量達成率が低く、損失特性や
インピ−ダンス特性が悪かった。
【0065】この(表1)における比較例2と実施の形
態2との比較から明らかなように、実施の形態2では、
コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点
以上に速やかに加熱することによって、容量達成率が高
く、損失特性やインピ−ダンス特性の優れたコンデンサ
を得られたことが判明した。
【0066】(実施の形態3)以下、本発明の第3の実
施の形態について説明する。
【0067】本実施の形態では、実施の形態2の構成に
おいて、混合溶液の組成と重合条件を変更した以外、実
施の形態2と同様にしてコンデンサを完成させた。変更
したところを以下説明する。まず、混合溶液の組成は、
メタノ−ルを溶媒として重合性モノマ−のピロ−ル0.
62mol/l、酸化剤のナフタレンスルホン酸第二鉄
0.35mol/lに変更した。次に、重合条件は、混
合溶液の中にコンデンサ素子を10秒浸漬して含浸させ
てから引き上げ、溶媒の沸点より高い110℃のホット
プレ−ト上にコンデンサ素子の端面下部を20秒接触さ
せてから、室温の約25℃で20分放置に変更して、コ
ンデンサ素子の内部にポリピロ−ルからなる導電性高分
子層を形成した。なお、導電性高分子層がコンデンサ素
子の内部に所定の量形成されるまで、浸漬含浸から乾燥
までの一連の工程を8回繰り返した。
【0068】実施の形態1と同様の特性評価を行い、そ
れらの平均値を(表1)に示した。
【0069】本実施の形態によれば、導電性高分子層と
してポリピロ−ルを形成した場合にも、表1に示すよう
に、容量達成率が高く、損失特性やインピ−ダンス特性
の優れたコンデンサを実現できることが分かった。
【0070】(実施の形態4)以下、本発明の第4の実
施の形態について説明する。
【0071】本実施の形態では、誘電体層として陽極酸
化皮膜に替えて高分子のポリイミドを用いた以外、実施
の形態2と同様にしてコンデンサを完成させた。誘電体
層をポリイミドに変更し、導電性高分子層を形成する前
までの工程を以下説明する。
【0072】アルミニウムエッチド箔の両面に電着によ
ってポリイミドからなる誘電体層を設ける。まず、ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジア
ミンをN−メチルピロリドン中、窒素還流化で反応させ
てポリアミック酸を得た。このポリアミック酸をN,N
−ジメチルアミドに希釈し、トリエチルアミンを加えて
ポリアミック酸塩溶液を得た。そして、メタノ−ルを添
加して最終的にポリアミック酸を0.15%含むように
調整し電着液とした。
【0073】この電着液にアルミニウムエッチド箔を浸
してこれを陽極とし、隔離して設けた電極との間に30
Vの電圧を印加してポリアミック酸膜を電着させた。そ
の後、250℃で1時間加熱してポリアミック酸をポリ
イミド化した。この電着並びに加熱を3回繰り返してポ
リイミドからなる誘電体層を形成した。
【0074】誘電体層が設けられたアルミニウムエッチ
ド箔を、幅2.3mm、長さ154mmの大きさに切断
して陽極電極箔に用いた。また、陰極電極箔には、幅
2.3mm、長さ180mmのアルミニウムエッチド箔
を用いた。
【0075】次に、陽極電極箔及び陰極電極箔を、厚さ
40μmのマニラ紙からなるセパレ−タを介して巻回
し、巻き止めテ−プにより止めて、コンデンサ素子を得
る。なお、陽極電極箔、陰極電極箔には、予め陽極リ−
ド線と陰極リ−ド線が陽極リ−ド用タブと陰極リ−ド用
タブを介して接続されており、端面上部から突出してい
る。
【0076】次に、陽極リ−ド線を支持して、コンデン
サ素子を上記と同様の電着液の中に浸漬させる。陽極電
極箔を陽極とし、隔離して設けた電極との間に30Vの
電圧を印加してポリアミック酸膜を電着させた。その
後、250℃で1時間加熱してポリアミック酸をポリイ
ミド化した。このようにして、陽極電極箔を形成したと
きの切断面と陽極リ−ド用タブにポリイミドからなる誘
電体層を形成した。
【0077】この構成をコンデンサと見立て、アジピン
酸水溶液からなる化成液中の容量を測定したところ、9
μFであった。
【0078】実施の形態1と同様の特性評価を行い、そ
れらの平均値を(表1)に示した。本実施の形態によれ
ば、誘電体層として高分子のポリイミドを用いた場合に
も、表1に示すように、容量達成率が高く、損失特性や
インピ−ダンス特性の優れたフィルムコンデンサを実現
できることが分かった。
【0079】(実施の形態5)以下、本発明の第5の実
施の形態について説明する。
【0080】本実施の形態では、誘電体層として陽極酸
化皮膜に替えて高分子のアクリル酸とメタクリル酸とス
チレンの共重合体を用いた以外、実施の形態2と同様に
してコンデンサを完成させた。誘電体層をアクリル酸と
メタクリル酸とスチレンの共重合体に変更し、導電性高
分子層を形成する前までの工程を以下説明する。
【0081】アルミニウムエッチド箔の両面に電着によ
ってアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体か
らなる誘電体層を設ける。まず、用いた電着液組成は、
固形分10重量%、脱イオン水86重量%、ブチルセロ
ソルブ4重量%である。その中の固形分は、分子量約3
万のアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体と
ベンゾクアナミン系樹脂を7対3で混合し、電着液中に
分散させるため、カルボン酸基の50%をトリメチルア
ミンにより中和したものを用いた。
【0082】この電着液にアルミニウムエッチド箔を浸
してこれを陽極とし、隔離して設けた電極との間に電圧
を印加し、0.3mA/cm2の電流密度で10Vに達
するまで定電流電着を行い、さらに10Vで15分間定
電圧電着を行った。
【0083】次に、80℃の脱イオン水による洗浄を2
0分間行ってから、180℃で30分間熱処理すること
により、ベンゾグアナミン系樹脂との間で架橋反応させ
た。これら一連の処理を3回繰り返して誘電体層を形成
した。
【0084】誘電体層が設けられたアルミニウムエッチ
ド箔を、幅2.3mm、長さ154mmの大きさに切断
して陽極電極箔に用いた。また、陰極電極箔には、幅
2.3mm、長さ180mmのアルミニウムエッチド箔
を用いた。
【0085】次に、陽極電極箔及び陰極電極箔を、厚さ
40μmのマニラ紙からなるセパレ−タを介して巻回
し、巻き止めテ−プにより止めて、コンデンサ素子を得
る。なお、陽極電極箔、陰極電極箔には、予め陽極リ−
ド線と陰極リ−ド線が陽極リ−ド用タブと陰極リ−ド用
タブを介して接続されており、端面上部から突出してい
る。
【0086】次に、陽極リ−ド線を支持して、コンデン
サ素子を上記と同様の電着液の中に浸漬させる。陽極電
極箔を陽極とし、隔離して設けた電極との間に電圧を印
加し、0.3mA/cm2の電流密度で10Vに達する
まで定電流電着を行い、さらに10Vで15分間定電圧
電着を行った。
【0087】次に、80℃の脱イオン水による洗浄を2
0分間行ってから、180℃で30分間熱処理すること
により、ベンゾグアナミン系樹脂との間で架橋反応させ
た。
【0088】このようにして、陽極電極箔を形成したと
きの切断面と陽極リ−ド用タブにアクリル酸とメタクリ
ル酸とスチレンの共重合体からなる誘電体層を形成し
た。
【0089】この構成をコンデンサと見立て、アジピン
酸水溶液からなる化成液中の容量を測定したところ、
9.5μFであった。
【0090】実施の形態1と同様の特性評価を行い、そ
れらの平均値を(表1)に示した。
【0091】本実施の形態によれば、誘電体層として高
分子のアクリル酸とメタクリル酸とスチレンの共重合体
を用いた場合にも、表1に示すように、容量達成率が高
く、損失特性やインピ−ダンス特性の優れたフィルムコ
ンデンサを実現できることが分かった。
【0092】(実施の形態6)以下、本発明の第6の実
施の形態について説明する。本実施の形態では、陽極酸
化の化成電圧を14Vから80Vに変更したことと、導
電性高分子層に電解液を含浸する以外、実施の形態2と
同様にしてコンデンサを完成させた。電解液の含浸方法
を以下説明する。
【0093】実施の形態2と同様にして導電性高分子層
を形成した後、電解液の中にコンデンサ素子を浸漬し、
減圧して電解液を導電性高分子層に含浸した。電解液と
しては、フタル酸モノメチルトリエチルアンモニウムを
20%含むγ−ブチロラクトン溶液を用いた。
【0094】コンデンサを完成させた後、電圧を印加し
て耐電圧を調べたところ、38Vまで耐えることが分か
った。ちなみに、電解液を導電性高分子層に含浸させな
い場合には、26Vまでの耐電圧であった。
【0095】本実施の形態によれば、コンデンサ素子内
部に導電性高分子層を緻密に形成した後、導電性高分子
層に電解液を含浸させることにより、誘電体層欠陥の修
復能力を高めることができるために、耐電圧特性の優れ
たコンデンサを実現できる。
【0096】なお、溶媒にはメタノ−ルの場合について
述べたが、水、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ
−ル、その他の溶媒、及び種々の混合系を適用すること
もでき、その種類に限定されない。
【0097】なお、実施の形態では、誘電体層となる高
分子として、ポリイミド、及びアクリル酸とメタクリル
酸とスチレンの共重合体を用いる場合について述べた
が、薄膜を形成できる高分子材料であればそれ以外のも
のを用いることもでき、本発明はその種類に限定されな
い。
【0098】なお、実施の形態では、弁金属がタンタル
とアルミニウムの場合についてのみ述べたが、その他、
ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム及びチタンさらには
それらの金属間化合物等も使用可能である。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コンデン
サ素子に混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点以上に速
やかに加熱することによって、容量達成率が高く、損失
特性やインピ−ダンス特性の優れたコンデンサを得るこ
とができるという有利な効果が得られる。
【0100】また、導電性高分子層に電解液を含浸させ
ることによって、誘電体層欠陥の修復能力を高めること
ができるために、耐電圧特性の優れたコンデンサを得る
ことができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態2におけるコンデンサ素子
外観図と内部拡大図
【符号の説明】
1 陽極電極箔 2 アルミニウムエッチド箔 3 誘電体層 4 陰極電極箔 5 セパレ−タ 6 巻き止めテ−プ 7 コンデンサ素子 8 端面上部 9 端面下部 10 陽極リ−ド線 11 陰極リ−ド線 12 陽極リ−ド用タブ 13 陰極リ−ド用タブ 14 導電性高分子層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/035 C08J 5/00 CFJ // C08J 5/00 CFJ H01G 9/02 311 C08L 65:00 79:02 (72)発明者 松家 安恵 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 草柳 弘樹 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA59 AA69 AC14 AE06 AG02 AG06 AG12 AG28 AG29 AH12 BA02 BB12 BC02 4J032 BA03 BA04 BA13 BA14 BB01 BC02 BC03 BC13 4J043 PA02 QB02 RA08 SA05 SB01 UA121 XA03 XA29 XB21 XB26 XB31 XB35 ZA44 ZB49 5E082 AA07 AB01 AB04 AB09 BC14 BC30 BC35 EE04 EE15 EE23 EE24 EE27 EE28 EE29 EE30 EE35 FG03 FG27 FG38 FG41 FG44 GG06 HH03 HH07 HH08 HH25 HH30 HH48 LL05 LL21 LL23 LL35 MM24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却
    する工程と、冷却された前記重合性モノマ−溶液と酸化
    剤溶液を混合した混合溶液を用意する工程と、焼結体金
    属に誘電体層を形成したコンデンサ素子を用意する工程
    と、前記コンデンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程
    と、前記混合溶液が含浸されたコンデンサ素子を前記混
    合溶液中の溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、
    前記重合性モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応によ
    り導電性高分子層を形成する工程とを有するコンデンサ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 誘電体層が、弁金属の酸化物皮膜である
    請求項1記載のコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却
    する工程と、冷却された前記重合性モノマ−溶液と酸化
    剤溶液を混合した混合溶液を用意する工程と、誘電体層
    を形成した陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを介
    して巻回したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コ
    ンデンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記混
    合溶液中の溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、
    前記重合性モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応によ
    り、前記コンデンサ素子内に導電性高分子層を形成する
    工程とを有するコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 重合性モノマ−溶液と酸化剤溶液を冷却
    する工程と、冷却された前記重合性モノマ−溶液と酸化
    剤溶液を混合した混合溶液を用意する工程と、誘電体層
    を形成した陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを介
    して巻回したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コ
    ンデンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記混
    合溶液中の溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、
    前記重合性モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応によ
    り、前記コンデンサ素子内に導電性高分子層を形成する
    工程と、前記導電性高分子層に電解液を含浸する工程と
    を有するコンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 誘電体層が、弁金属の酸化物皮膜である
    請求項3、4のいずれかに記載のコンデンサの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 誘電体層が、高分子膜である請求項3、
    4のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 高分子がポリイミドまたはアクリル酸と
    メタクリル酸とスチレンの共重合体である請求項3、4
    のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 電解液が、γ−ブチロラクトンとフタル
    酸塩からなる請求項4記載のコンデンサの製造方法。
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