JP2003100559A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を
防止することができ、高耐電圧品を製造する場合の歩留
まりを向上させることができる固体電解コンデンサの製
造方法を提供する。 【解決手段】 表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と
陰極箔をセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子
を形成し、このコンデンサ素子に修復化成を施す。続い
て、このコンデンサ素子を重合性モノマーと酸化剤と所
定の溶媒とを混合して調製した混合液に浸漬し、コンデ
ンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固
体電解質層を形成する。その後、このコンデンサ素子を
所定のイオン伝導性物質に浸漬して、コンデンサ素子内
の空隙部の3〜100%にこのイオン伝導性物質を充填
する。そして、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入
し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によっ
て封止した後、エージングを行い、固体電解コンデンサ
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に、高耐電圧が要求され
る固体電解コンデンサの歩留まりを向上させることがで
きる固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】タンタルあるいはアルミニウム等のよう
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
【0003】この種の固体電解コンデンサにおいて、小
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
【0004】また、固体電解コンデンサに用いられる固
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸
化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオ
フェン(以下、PEDTと記す)等の導電性ポリマーに
着目した技術(特開平2−15611号公報)が存在し
ている。
【0005】このような巻回型のコンデンサ素子にPE
DT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成す
るタイプの固体電解コンデンサは、以下のようにして作
製される。まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる
陽極箔の表面を塩化物水溶液中での電気化学的なエッチ
ング処理により粗面化して、多数のエッチングピットを
形成した後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を
印加して誘電体となる酸化皮膜層を形成する(化成)。
陽極箔と同様に、陰極箔もアルミニウム等の弁作用金属
からなるが、その表面にはエッチング処理を施すのみで
ある。
【0006】このようにして表面に酸化皮膜層が形成さ
れた陽極箔とエッチングピットのみが形成された陰極箔
とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形
成する。続いて、修復化成を施したコンデンサ素子に、
3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと
記す)等の重合性モノマーと酸化剤溶液をそれぞれ吐出
し、あるいは両者の混合液に浸漬して、コンデンサ素子
内で重合反応を促進し、PEDT等の導電性ポリマーか
らなる固体電解質層を生成する。その後、このコンデン
サ素子を有底筒状の外装ケースに収納して固体電解コン
デンサを作成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、上述
したような固体電解コンデンサが車載用として用いられ
るようになってきている。通常、車載用回路の駆動電圧
は12Vであり、固体電解コンデンサには25Vの高耐
電圧が要求される。しかしながら、上述したような従来
の製造方法によりこのような高耐電圧品を製造した場
合、エージング工程でショートが発生する割合が高く、
歩留まりが低いという欠点があった。
【0008】また、近年、環境問題から高融点の鉛フリ
ー半田が用いられるようになり、半田リフロー温度が2
00〜220℃から230〜270℃へとさらに高温化
している。このような高温下におかれる半田リフローを
行う場合、電解質層の熱劣化又は結晶化によるものと思
われるが、耐電圧が低下する。なお、このような問題点
は、重合性モノマーとしてEDTを用いた場合に限ら
ず、他のチオフェン誘導体、ピロール、アニリン等を用
いた場合にも同様に生じていた。
【0009】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止す
ることができ、高耐電圧品を製造する場合の歩留まりを
向上させることができる固体電解コンデンサ及びその製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、高耐電圧品を製造する場合に、エージン
グ工程でショートが発生する割合が高くなる原因につい
て種々検討を重ねた結果、以下の結論に達したものであ
る。すなわち、通常、導電性ポリマーを形成した後のコ
ンデンサ素子内には、導電性ポリマーの他に、重合反応
に関与しなかったモノマーや酸化剤及びその他の反応残
余物が存在している。そして、これらの導電性ポリマー
以外の物質の耐電圧は導電性ポリマーの耐電圧より低い
ため、これらの物質が固体電解コンデンサの耐電圧を低
下させていると考えられる。そこで、本発明者等は、こ
れらの反応残余物の耐電圧を向上させると共に、鉛フリ
ーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止すべく検討を
重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】(固体電解コンデンサの製造方法)本発明
に係る固体電解コンデンサの製造方法は以下の通りであ
る。すなわち、表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と
陰極箔をセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子
を形成し、このコンデンサ素子に修復化成を施す。続い
て、このコンデンサ素子を重合性モノマーと酸化剤と所
定の溶媒とを混合して調製した混合液に浸漬し、コンデ
ンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させ、固
体電解質層を形成する。その後、このコンデンサ素子を
所定のイオン伝導性物質に浸漬して、コンデンサ素子内
の空隙部の3〜100%にこのイオン伝導性物質を充填
する。そして、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入
し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によっ
て封止した後、エージングを行い、固体電解コンデンサ
を形成する。
【0012】(イオン伝導性物質)コンデンサ素子内で
導電性ポリマーの重合を行った後、コンデンサ素子内に
充填するイオン伝導性物質としては、通常の状態ではイ
オン解離している(解離定数を有する)高沸点溶媒や電
解質溶液(電解コンデンサ用電解液)を用いることがで
きる。この高沸点溶媒としては、その沸点が、エージン
グ温度である120℃以上の溶媒を用いることが好まし
く、鉛フリー半田リフロー温度である230℃以上の溶
媒を用いることがより好ましい。また、高沸点溶媒の例
としては、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、
スルホラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0013】また、電解質溶液としては、上記の高沸点
溶媒と、有機酸、無機酸のアンモニウム塩、四級アンモ
ニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩等の溶質と
からなる溶液を挙げることができる。なお、上記有機酸
としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マ
レイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナン
ト酸、マロン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7
−オクタンジカルボン酸等のカルボン酸、フェノール類
が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン
酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。
【0014】なお、これらの中で、高沸点溶媒のみを用
いた場合のほうが、電解コンデンサ用電解液を用いた場
合より好適である。なかでも、高温安定性の良好なスル
ホランを用いると、鉛フリーリフロー特性が良好である
のでより好ましい。また、上記のように、高沸点溶媒の
みを用いた場合のほうが好適であるのは、電解コンデン
サ用電解液中の溶質と導電性ポリマーの反応によって導
電性ポリマーが変質し、導電性物質としての電導度、耐
電圧等の特性が劣化するためであると考えられる。
【0015】(イオン伝導性物質の充填条件)上記のよ
うなイオン伝導性物質をコンデンサ素子に充填する場
合、その充填量は、コンデンサ素子内の空隙部の3〜1
00%が好ましい。イオン伝導性物質の充填量がコンデ
ンサ素子内の空隙部の3%以下であると、充填量が少な
すぎて、反応残余物に浸透してそれらを絶縁化させる作
用が十分に得られないからである。
【0016】なお、イオン伝導性物質の充填量を図る基
準となるコンデンサ素子内の空隙部の容積は、導電性ポ
リマー形成後のコンデンサ素子に減圧含浸等で上記の高
沸点溶媒のいずれかを含浸し、このとき含浸した溶媒の
容積から求めることができる。また、上記のようなイオ
ン伝導性物質をコンデンサ素子に充填する方法として
は、コンデンサ素子をイオン伝導性物質に浸漬して含浸
する方法、コンデンサ素子にイオン伝導性物質を吐出し
て含浸する方法等を用いることができる。
【0017】(減圧)重合工程で減圧すると、さらに好
適である。その理由は、本発明のように200℃未満の
温度で熱処理をした場合、モノマーや酸化剤溶液が残存
する可能性があるが、加熱重合時に減圧すると、重合と
共に残存物を蒸散させることができるからである。な
お、減圧の程度は、10〜360mmHg程度の減圧状
態とすることが望ましい。
【0018】(EDT及び酸化剤)重合性モノマーとし
てEDTを用いた場合、コンデンサ素子に含浸するED
Tとしては、EDTモノマーを用いることができるが、
EDTと揮発性溶媒とを1:0〜1:3の体積比で混合
したモノマー溶液を用いることもできる。前記揮発性溶
媒としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセ
トン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセ
トニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、
なかでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好ま
しい。
【0019】また、酸化剤としては、エタノールに溶解
したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしく
はヨウ素酸の水溶液を用いることができ、酸化剤の溶媒
に対する濃度は40〜57wt%が好ましく、45〜5
7wt%がより好ましい。酸化剤の溶媒に対する濃度が
高い程、ESRは低減する。なお、酸化剤の溶媒として
は、上記モノマー溶液に用いた揮発性溶媒を用いること
ができ、なかでもエタノールが好適である。酸化剤の溶
媒としてエタノールが好適であるのは、蒸気圧が低いた
め蒸発しやすく、残存する量が少ないためであると考え
られる。
【0020】(EDTと酸化剤の混合比)EDTと酸化
剤(溶媒を含まず)の混合比は、重量比で1:0.5〜
1:2.5の範囲が好適であり、1:1.0〜1:2.
0の範囲がより好適である。この範囲外ではESRが上
昇する。その理由は、以下の通りであると考えられる。
すなわち、モノマーに対する酸化剤の量が多過ぎると、
相対的に含浸されるモノマーの量が低下するので、形成
されるPEDTの量が低下してESRが上昇する。一
方、酸化剤の量が少なすぎると、モノマーを重合するの
に必要な酸化剤が不足して、形成されるPEDTの量が
低下してESRが上昇する。
【0021】(浸漬工程)コンデンサ素子を混合液に浸
漬する時間は、コンデンサ素子の大きさによって決まる
が、φ5×3L程度のコンデンサ素子では5秒以上、φ
9×5L程度のコンデンサ素子では10秒以上が望まし
く、最低でも5秒間は浸漬することが必要である。な
お、長時間浸漬しても特性上の弊害はない。また、この
ように浸漬した後、減圧状態で保持すると好適である。
その理由は、揮発性溶媒の残留量が少なくなるためであ
ると考えられる。減圧の条件は上述した重合工程での減
圧条件と同様である。
【0022】(修復化成の化成液)修復化成の化成液と
しては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アン
モニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等
のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジ
ピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、
リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。ま
た、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
【0023】(他の重合性モノマー)本発明に用いられ
る重合性モノマーとしては、上記EDTの他に、EDT
以外のチオフェン誘導体、アニリン、ピロール、フラ
ン、アセチレンまたはそれらの誘導体であって、所定の
酸化剤により酸化重合され、導電性ポリマーを形成する
ものであれば適用することができる。なお、チオフェン
誘導体としては、下記の構造式のものを用いることがで
きる。
【化1】
【0024】(作用・効果)上記のように、コンデンサ
素子内に導電性ポリマーを形成した後、このコンデンサ
素子を所定のイオン伝導性物質に浸漬して、コンデンサ
素子内の空隙部の3〜100%にこのイオン伝導性物質
を充填することにより、鉛フリーリフローによる耐電圧
特性の劣化を防止することができると共に、エージング
工程でショートが発生する割合を大幅に低減することが
できる。
【0025】このように、エージング工程でショートが
発生する割合を大幅に低減することができる理由は、コ
ンデンサ素子に充填したイオン伝導性物質が、コンデン
サ素子内に残存する反応残余物に浸透することにより、
これらの反応残余物が電子伝導性の高い導電性ポリマー
に対しては絶縁性を有する物質となり、その結果、これ
らの耐電圧を向上させるためと考えられる。また、鉛フ
リーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止することが
できる理由は、上記のイオン伝導性物質は熱的に安定で
あるので、鉛フリーリフロー条件下でも、前述の耐電圧
向上効果は低下しないためであると考えられる。
【0026】
【実施例】続いて、以下のようにして製造した実施例及
び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰
極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極箔をセパレー
タを介して巻回して、素子形状が5φ×2.8Lのコン
デンサ素子を形成した。そして、このコンデンサ素子を
リン酸二水素アンモニウム水溶液に40分間浸漬して、
修復化成を行った。一方、所定の容器に、EDTと45
%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液
を、その重量比が1:2となるように注入し、コンデン
サ素子を上記混合液に10秒間浸漬し、250mmHg
程度の減圧状態で保持し、次いで同じ条件下で120
℃、60分加熱して、コンデンサ素子内でPEDTの重
合反応を発生させ、固体電解質層を形成した。その後、
このコンデンサ素子の空隙容積の50%に相当するスル
ホランを充填した。そして、このコンデンサ素子を有底
筒状の外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着
して、加締め加工によって封止した。その後に、150
℃、120分、33Vの電圧印加によってエージングを
行い、固体電解コンデンサを形成した。なお、この固体
電解コンデンサの定格電圧は25WV、定格容量は6.
8μFである。
【0027】(実施例2)重合後に、コンデンサ素子の
空隙容積の50%に相当するスルホラン75%、フタル
酸−1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム2
5%とからなる電解質溶液を充填した。その他の条件及
び工程は、実施例1と同様である。
【0028】(比較例)重合後に、コンデンサ素子の空
隙容積の2%に相当するスルホランを充填した。その他
の条件及び工程は、実施例1と同様である。 (従来例)重合後に、コンデンサ素子にイオン伝導性物
質を充填しなかった。その他の条件及び工程は、実施例
1と同様である。
【0029】[比較結果]上記の方法により得られた実
施例1、実施例2、比較例及び従来例の固体電解コンデ
ンサ各50個のそれぞれについて、エージング時のショ
ートの数を調べたところ、表1に示したような結果が得
られた。また、ショートの発生しなかった良品につい
て、ピーク温度250℃、230℃以上30秒保持の鉛
フリーリフローを行った後、32.5Vの充放電を12
5℃の下で1000回行うサージ試験を行い、それぞれ
のショート電圧を測定したところ、表1に示したような
結果が得られた。
【表1】
【0030】表1から明らかなように、イオン伝導性物
質を充填しなかった従来例においては、ショート数は6
/50と高かったのに対し、イオン伝導性物質として高
沸点溶媒であるスルホランをコンデンサ素子の空隙容積
に対して50%充填した実施例1においては、50個す
べてにおいてショートは発生しなかった。また、イオン
伝導性物質として電解質溶液をコンデンサ素子の空隙容
積に対して50%充填した実施例2においても、ショー
ト数は2/50と大幅に低減した。一方、イオン伝導性
物質として高沸点溶媒であるスルホランをコンデンサ素
子の空隙容積に対して2%充填した比較例においては、
ショート数は5/50と実施例1及び実施例2に比べて
高かった。
【0031】また、従来例及び比較例においては、サー
ジ後のショート電圧は、それぞれ52V、53Vと低か
ったが、実施例1及び実施例2においては、それぞれ5
8V、55Vと高かった。特に、高沸点溶媒であるスル
ホランを用いた実施例1の方が、電解質溶液を用いた実
施例2より良好な結果が得られた。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、鉛
フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止すること
ができ、高耐電圧品を製造する場合の歩留まりを向上さ
せることができる固体電解コンデンサ及びその製造方法
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 克己 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
    を介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと
    酸化剤とを含浸して導電性ポリマーからなる固体電解質
    層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、 前記導電性ポリマーを形成した後のコンデンサ素子内の
    空隙部の3〜100%にイオン伝導性物質を充填させた
    ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記イオン伝導性物質が、エチレングリ
    コール、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルホ
    ルムアミドから選ばれる溶媒のみからなることを特徴と
    する請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記イオン伝導性物質が、エチレングリ
    コール、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルホ
    ルムアミドから選ばれる溶媒と、有機酸、無機酸のアン
    モニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム
    塩、アミン塩から選ばれる溶質とからなる電解質溶液で
    あることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 前記重合性モノマーが、チオフェン誘導
    体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れか一に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記チオフェン誘導体が、3,4−エチ
    レンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項
    4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
    を介して巻回したコンデンサ素子に、重合性モノマーと
    酸化剤とを含浸して導電性ポリマーからなる固体電解質
    層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、 前記コンデンサ素子内に導電性ポリマーを形成した後、
    コンデンサ素子内の空隙部の3〜100%にイオン伝導
    性物質を充填させることを特徴とする固体電解コンデン
    サの製造方法。
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