JP6384896B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。

固体電解コンデンサとして、表面に誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子の陽極箔上に、導電性高分子層を形成したものが知られている。

固体電解コンデンサの陽極電極は一般的に、エッチングで表面積を増大させたアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属箔上に誘電体酸化皮膜を形成し、この誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成させて、電極を引き出して構成される。この導電性高分子層は、電解コンデンサにおける真の陰極としての役割を担っており、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼす。

導電性高分子層とは、電子導電性である固体の電解質を含む層であって、ポリチオフェンの誘導体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなどの導電性高分子を固体電解質として用いることが知られている(特許文献1)。

このような導電性高分子層を形成する方法として、予め酸化剤とモノマーとの混合液を調製し、この混合液にコンデンサ素子を浸漬して含浸する方法や、酸化剤とモノマーとを別々に順次コンデンサ素子に含浸する方法がある。例えば、特許文献2記載の固体電解コンデンサは、重合性モノマーと酸化剤とを混合した混合液にコンデンサ素子を浸漬し、コンデンサ素子内で導電性ポリマーの重合反応を発生させている。そして、固体電解質層を形成した後に、このコンデンサ素子を所定のイオン伝導性物質に浸漬して、コンデンサ素子内の空隙部にイオン伝導性物質を充填することによって、高温リフロー下における耐電圧特性の劣化を防止している。
上記の方法はいずれも、コンデンサ素子上で重合反応を進行させながら導電性高分子層を形成するものであるが、これらの方法には、重合の進行に伴う溶液粘度の変化や、酸化剤とモノマーとの混合が不十分になることなど工程管理上の困難があることも知られていた。

一方、予め重合反応させた導電性高分子を含む分散液を、コンデンサ素子に含浸および乾燥し、塗膜とすることで導電性高分子層を形成する方法も知られている。この方法は、誘電体酸化皮膜上で重合反応を行う必要がないため、工程の制御が比較的容易であり量産性の面で有利であるという特徴がある。(特許文献3)。

特許文献3の発明は、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との水分散体であるBaytron−P(商品名、ドイツ・スタルク社製)を導電性高分子層の形成に用いており、導電性高分子層における導電性の向上(ESR増加の回避)と電気的特性の長期信頼性の向上を目的としている。特許文献3の発明では、まず陽極酸化皮膜が形成され、その表面にプリコート層(ポリスチレンスルホン酸を塗布・乾燥した層)及び内部導電性高分子層(化学酸化重合によって形成される、比較的分子量の小さい導電性高分子の膜)が形成された陽極体を準備する。次いで、PEDOTおよびPSSを含む水分散液に、ナフタレンスルホン酸類、高分子量PSS、ホウ酸、マンニトールやグリコール類及び水を含む溶液を混合し、それにより高分子重合溶液を作製する。そして、この重合溶液を前記の陽極体に塗布又は含浸し、乾燥することによって導電性高分子層を設けることを特徴とする。

特開平2−15611号 特許第4779277号 特開2008−311582号

ところで、固体電解コンデンサの用途が拡大するにつれて、より厳しい環境下でも問題なく使用できるコンデンサが求められている。具体的には85℃−85%R.H.という高温・高湿度下でも電気特性の変化が少ないコンデンサが求められている。ところが従来の固体電解コンデンサにおいては、高温・高湿度下に置かれても、電気容量の変化が少なくESRの増加も生じにくい十分な耐湿性を有するものは知られていなかった。本発明はこのような状況に鑑みて、高温・高湿度下でも電気容量の変化が少なく、低いESRが維持される、耐湿性に優れた固体電解コンデンサを提供することを課題とする。

発明者らは、予め重合反応させた、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)とからなる導電性高分子を含む分散液にコンデンサ素子を浸漬することでコンデンサ素子に導電性高分子を含浸させ、その後、乾燥させることで水分を除去する過程において、以下に示す課題が存在することに着目した。すなわち、発明者らは、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる層(以後、PEDOT/PSSと記載することもある)は水分により膨潤するため、高湿度雰囲気下において短時間で特性変化が大きくなるという課題に着目した。

そして、上記課題に対し、発明者らが鋭意検討した結果、以下に示す2つのポイントにより解決できることを見出した。
i)沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒をコンデンサ素子に含浸させること。
有機溶媒を導電性高分子に含有させることで水分の影響を緩和することができる。ここで、有機溶媒としては、イオン伝導性を有する溶液(イオン伝導性溶液)と、イオン伝導性を有しない非イオン伝導性溶液とに分けられる。イオン伝導性溶液を使用した場合には、低温領域における静電容量変化が大きくなるため好ましくない。一方、非イオン伝導性溶液を使用した場合でも、静電容量変化がやや大きくなってしまう。しかしながら、以下に示すポイント(ii)を適用することで、非イオン伝導性溶液の影響を低減することができる。さらに、非イオン伝導性有機溶媒として沸点が150℃以上の高沸点溶媒を採用することにより、水分による悪影響の緩和のほか、実用上問題となるリフロー時の製品膨張を防止することができる。
ii)ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)とからなる導電性高分子層(第二の導電性高分子層)とは異なる導電性高分子(第一の導電性高分子層)を誘電体酸化皮膜上に形成すること。
上記構成により、ポイント(i)の非イオン伝導性溶液の影響を低減することができる。すなわち、誘電体酸化皮膜上に形成された第一の導電性高分子層が第二の導電性高分子層が水分により膨潤するのを抑制し、固体電解コンデンサの耐湿性を向上させることができる。第一の導電性高分子層としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンまたはその誘導体が好ましい。

すなわち、本発明にかかる固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子において、
前記誘電体酸化皮膜上に、第一の導電性高分子が溶解された溶液を含浸および乾燥させることで形成された第一の導電性高分子層と、
前記第一の導電性高分子層上に、前記第一の導電性高分子とは異なる、第二の導電性高分子を含む分散液を含浸および乾燥させることで形成された第二の導電性高分子層とを有し、
前記コンデンサ素子に沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒が含浸されていることを特徴とする。

上記の固体電解コンデンサは、有機溶媒が含浸されているため、高湿度雰囲気下において水分の影響を受け難い。この有機溶媒が非イオン伝導性有機溶媒であるため、有機溶媒がイオン伝導性有機溶媒である場合よりも、低温領域における静電容量の変化が小さい。また非イオン伝導性有機溶媒を含浸することで、エージング後の漏れ電流不良発生が抑えられる。陽極皮膜上に第一の導電性高分子層を有しているために、さらに水分の影響を抑えて耐湿性の高い固体電解コンデンサを得ることができる。また、含浸される有機溶媒の沸点が150℃以上であるので、リフロー時の製品膨張が抑制され、品質の安定した固体電解コンデンサを得ることができる。

前記第二の導電性高分子層は、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる層を含むことが好ましく、第一の導電性高分子層は、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はその誘導体を含むことが好ましい。また、沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒は、γ―ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、スルホラン、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドからなる群から選択される1又は複数の有機溶媒であることが好ましい。

第二の導電性高分子層をポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる層(PEDOT/PSS)で構成することで、導電性の高い固体電解コンデンサを得ることができる。また、第一の導電性高分子層を上記の物質で構成することで、含浸する非イオン伝導性有機溶媒の影響を低減するとともに電気特性を改善することができる。

固体電解コンデンサのセパレータとしては、加水分解性を有さないセパレータであることが好ましい。特に高温・高湿度域においては、加水分解性を有さないセパレータを用いることで、より耐久性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。

また本発明は、固体電解コンデンサの製造方法であって、誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子が溶解された溶液を含浸及び乾燥させて、前記誘電体酸化皮膜上に第一の導電性高分子層を形成させる工程、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む分散液を含浸及び乾燥させて、前記第一の導電性高分子層上に第二の導電性高分子層を形成させる工程、及び沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒を含浸する工程を有することを特徴とする。

本発明の製造方法によれば、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との分散液を使用することで、コンデンサ素子内に酸化剤やモノマー成分が残存することが少なくなり、特に高温・高湿度下における誘電体皮膜の劣化が抑えられる。このため低温領域における静電容量の変化が小さく、また、高温・高湿度下においてもコンデンサの特性変化が少ない、耐湿性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。

本発明の製造方法において、導電性高分子が溶解された溶液は、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はその誘導体のいずれかが溶解された溶液であることが好ましい。また、沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒は、γ―ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等であることが好ましい。また固体電解コンデンサのセパレータは、加水分解性を有さないセパレータであることが好ましい。

導電性高分子が溶解された溶液として上記のものを用いることで、汎用的な方法で陽極箔表面に導電性高分子層を一層形成することが可能である。また、導電性高分子の溶液を用いることによって、陽極酸化皮膜上で重合反応を行う場合よりも均一に導電性高分子層を形成することが可能であり、また、コンデンサ素子内に未反応モノマーや酸化剤等の不要物質が残存することがないため、固体電解コンデンサの耐湿性を向上させると共に電気特性を改善することが可能である。

本発明によれば、低温領域における静電容量の変化が少なく、高温・高湿下でも特性変化が少なく耐湿性の高い固体電解コンデンサが得られる。

コンデンサ素子の概要を示す分解斜視図である。

図1はコンデンサ素子の概要を示す分解斜視図である。コンデンサ素子4内には、陽極箔1と陰極箔3がセパレータ2を介して巻回されて収納されており、陽極箔に接続された陽極リード線5及び陰極箔に接続された陰極リード線6が引き出されている。

本発明の固体電解コンデンサの陽極箔は、所定の幅の平板上の弁作用金属の表面をエッチング処理で粗面化した後に化成酸化処理を行って、表面上に誘電体酸化皮膜が形成されたものを用いる。弁金属作用としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンから選択させる少なくとも一つを含む金属が好ましく、中でもアルミニウムが好ましい。

エッチング処理および化成酸化処理は公知の方法で行うことが可能であり、固体電解コンデンサに通常用いられている公知の材料・条件で処理してもよいし、購入品を用いることもできる。例えば、化成酸化処理に用いる化成液は、カルボン酸基を有する有機酸塩類、リン酸等の無機酸塩類の溶質を有機溶媒又は無機溶媒に溶解した化成液が使用できる。

陽極箔は前述のとおりセパレータ及び陰極箔とともに巻回されるが、巻回後に、陽極箔の切り口や外部引き出し電極の取り付け時に欠損した誘電体酸化皮膜を修復するために、公知の条件・方法に従って修復化成を行う。修復化成のための化成液としては、カルボン酸基を有する有機酸塩類、リン酸等の無機酸塩類の溶質を有機溶媒又は無機溶媒に溶解した化成液が使用できる。

本発明の固体電解コンデンサでは、誘電体酸化皮膜上に第一の導電性高分子層を形成する。第一の導電性高分子層は、溶液タイプの導電性高分子溶液を含浸・乾燥することによって形成されることが好ましい。第一の導電性高分子層は、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンまたはその誘導体を主体とする溶液を用いて形成されること、つまり、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はその誘導体を主体とする導電性高分子層であることが好ましい。溶液における導電性高分子の濃度は0.1〜2.0wt%、溶媒としてはアルコールやエーテル類、芳香族系を問わず、導電性高分子を溶解し且つ、250℃未満の乾燥温度にて蒸散可能な溶媒を用いることができる。乾燥条件は、溶媒を除去可能かつコンデンサ素子に悪影響を及ぼさない限り制限されないが、例えば100〜250℃で30〜120分、乾燥させることができる。第一の導電性高分子層を形成するための溶液として、特に好ましくは、0.5〜1.5wt%のポリアニリン/イソプロピルアルコール溶液を用い、150℃で30分乾燥させることにより形成できる。ポリアニリンのドーパントには、例えば、スルホコハク酸エステルを用いることができる。

第一の導電性高分子層の上に、第二の導電性高分子層が形成される。第二の導電性高分子層は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)とを含むポリマー分散液に、コンデンサ素子を浸漬・含浸させた後、乾燥によって水分を除去することによって形成されることが好ましい。PEDOT/PSS分散液としては、溶媒として、水を使用したものが好ましく、分散液中のPEDOT/PSSの濃度を0.5〜3.0wt%として作製したものを用いてもよい。第二の導電性高分子層を形成する工程は公知の条件によることができ、含浸・浸漬を減圧下で行うことも好ましい。また、含浸及び乾燥は、一回又は二回以上繰り返して行うことができる。乾燥条件は、溶媒を除去可能かつコンデンサ素子に悪影響を及ぼさない限り制限されないが、例えば85〜150℃で30〜120分、乾燥させることができる。特に好ましくは、1.0wt%のPEDOT/PSSを含むポリマー分散体溶液を用いて、10kPaの減圧下で15分間浸漬・含浸させ、100℃で60分乾燥を行う工程を3回繰り返すことによって、第二の導電性高分子層を形成することができる。

本発明の固体電解コンデンサは、さらに、コンデンサ素子内に沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒が含浸されている。沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒としては、γ―ブチロラクトン、ポリエチレングリコール、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの非イオン伝導性有機溶媒は、導電性高分子形成後の空隙に対して30%〜100%の割合になるように含浸されることが好ましい。非イオン伝導性溶媒が30%未満になると、コンデンサ素子の水分吸収量が大きくなり、85℃−85%R.H.の耐湿性試験において、1000時間で特性が大きく変化するため好ましくない。
上記の導電性高分子層を有するコンデンサ素子内にこのような溶媒を含浸することによって、固体電解コンデンサが水分の影響を受け難くなり耐湿性が向上するとともに、リフロー時の製品膨張も抑えられるため、高い耐湿性と電気特性を両立し、さらに製品としての安定性にも優れた固体電解コンデンサが得られる。

セパレータとしては、加水分解性を有しないタイプのセパレータが好ましく、例えば、ポリアクリロニトリル、アラミドを主体とするセパレータであることが好ましい。

以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されない。

[実施例1]
所定の幅に切断された陽極箔及び陰極箔に外部引き出し電極用のタブ端子を接続した。陽極箔は、弁金属としてアルミニウム箔を用い、弁金属の表面にエッチング処理及び化成処理を施すことによって、誘電体酸化皮膜が形成されたものを用いた。
前記の陽極箔及び陰極箔を、ポリアクリロニトリルを主体としたセパレータを介して巻回し、巻回素子を完成した。
続いて、陽極箔の切り口や外部引き出し電極取り付け時に欠損した誘電体酸化皮膜の修復、いわゆる化成処理を行った。アジピン酸アンモニウムを水溶媒に溶解させた0.5wt%〜3wt%の化成液を用いて、誘電体酸化皮膜の化成電圧値に近似した電圧を印加し、化成処理を行った。

次に、固体電解コンデンサの陰極層である導電性高分子層の形成を行った。
まず、巻回素子に1.0wt%ポリアニリン/イソプロピルアルコール溶液を含浸し、150℃で30分乾燥させることで第一の導電性高分子層を形成させた。
その後、2.0wt%のPEDOT/PSSを含むポリマー分散体溶液を10kPaの減圧下で15分間浸漬・含浸させ、100℃で60分加熱することによって水分を除去した。この含浸及び乾燥を3回繰り返して、第二の導電性高分子層を形成させた。
さらに、ポリエチレングリコール(分子量600)を10kPa減圧下で30分含浸することによって、素子内に含浸させた。

上記方法で導電性高分子層が形成されたコンデンサ素子を金属ケースに収納し、金属ケースの開口部をカーリングした。続いて、150℃程度の温度条件にてコンデンサに定格電圧を印加してエージング処理を施し、固体電解コンデンサを完成した。

[実施例2]
コンデンサ素子に含浸する溶液として、ポリエチレングリコール(分子量600)に替えて、γ−ブチロラクトンとした以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。

[比較例1]
コンデンサ素子に含浸する溶液として、ポリエチレングリコール(分子量600)に替えて、25wt%フタル酸水素トリエチルアミンを含有するポリエチレングリコール(分子量600)とした以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。

[比較例2]
ポリアニリン/イソプロピルアルコール溶液の含浸・乾燥を行わない(第一の導電性高分子層を形成しない)こと以外は実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。

[比較例3]
ポリアニリン/イソプロピルアルコール溶液の含浸・乾燥を行わないこと、及び、ポリエチレングリコール(分子量600)の含浸を行わないこと以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。

[比較例4]
セパレータとして、ポリアクリロニトリルを主体としたものに替えて、ヘンプ100%タイプのセパレータを用いた。また、実施例1と同様の方法で化成処理を行い、続いて、セパレータの炭化処理(280℃×60分)をおこなった。
続いて、次の方法で導電性高分子を形成した。
化成処理済みのコンデンサ素子に酸化剤溶液(p‐トルエンスルホン酸/ブタノール溶液、濃度40%)を1分間浸漬することによって、酸化剤溶液を含浸した後、200℃/5分加熱することで、溶媒を蒸散させた。
エチレンジオキシチオフェン(モノマー)/イソプロパノール溶液を5秒間含浸した後、重合槽内で所定の温度で一定時間(200℃/30分間)加熱し、酸化剤とモノマーとを化学重合させて、固体電解質(ポリエチレンジオキシチオフェン)を形成した。
その後、ポリエチレングリコール(分子量600)を10kPa減圧下で30分含浸することによって、素子内に含浸させた。
上記方法で導電性高分子層が形成されたコンデンサ素子を金属ケース内に収納し、金属ケースの開口部をカーリングした。続いて、150℃程度の温度にてコンデンサに定格電圧を印加しエージング処理を施し、固体電解コンデンサを完成した。

[比較例5]
ポリエチレングリコール(分子量600)を含浸しないこと以外は上記比較例4と同様に、固体電解コンデンサを作製した。

[実施例及び比較例の固体電解コンデンサの評価]
実施例及び比較例の固体電解コンデンサについて、85℃−85%R.H.、定格電圧16Vを印加した、2000時間後の電気特性及び−55℃/20℃の静電容量変化を測定した。結果を表1に示す。

上表に示されるとおり、実施例は、比較例3〜5と比較して試験前・試験後における特性変化が顕著に少なく、安定している。また実施例は、比較例1〜4と比較して、−55℃/20℃の容量変化が顕著に小さい。さらに、実施例は、比較例3〜5と比較して、エージング後漏れ電流不良率が顕著に低い。すなわち、実施例の固体電解コンデンサは、エージング後漏れ電流不良率が低く生産性にも優れるうえに、85℃−85%R.H.という高温高湿下においても特性変化が少なく耐湿性に優れており、低温領域(−55℃)においても容量変化が少なく安定性に優れている。

1 陽極箔
2 セパレータ
3 陰極箔
4 コンデンサ素子
5 陽極リード線
6 陰極リード線

Claims (3)

  1. 誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子において、前記誘電体酸化皮膜上に、第一の導電性高分子が溶解された溶液を含浸および乾燥させることで形成された第一の導電性高分子層と、前記第一の導電性高分子層上に、前記第一の導電性高分子とは異なる、第二の導電性高分子を含む分散液を含浸および乾燥させることで形成された第二の導電性高分子層とを有し、
    前記第一の導電性高分子層が、ポリアニリンとスルホコハク酸エステルからなり、
    前記第二の導電性高分子層が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる層であり、
    前記コンデンサ素子に沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒が含浸され、前記非イオン伝導性有機溶媒が、ポリエチレングリコールであり、前記第一および第二の導電性高分子層形成後の空隙に対して30〜100%の割合である、固体電解コンデンサ。
  2. 前記セパレータが、加水分解性を有さないセパレータである、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、ポリアニリンとスルホコハク酸エステルとを含む導電性高分子がアルコール、エーテル又は芳香族系溶媒に溶解された溶液を含浸及び乾燥させて、前記誘電体酸化皮膜上に、第一の導電性高分子層を形成させる工程、
    ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む分散液を含浸及び乾燥させて、前記第一の導電性高分子層上に第二の導電性高分子層を形成させる工程、及び
    沸点が150℃以上の非イオン伝導性有機溶媒であり、ポリエチレングリコールである有機溶媒を、前記第一および第二の導電性高分子層形成後の空隙に対して30〜100%の割合になるよう含浸する工程を有することを特徴とする、固体電解コンデンサの製造方法。
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