JP2000106329A - コンデンサの製造方法 - Google Patents

コンデンサの製造方法

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JP2000106329A
JP2000106329A JP10274954A JP27495498A JP2000106329A JP 2000106329 A JP2000106329 A JP 2000106329A JP 10274954 A JP10274954 A JP 10274954A JP 27495498 A JP27495498 A JP 27495498A JP 2000106329 A JP2000106329 A JP 2000106329A
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capacitor
solvent
mixed solution
oxidizing agent
capacitor element
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Kenji Akami
研二 赤見
Yasuo Kudo
康夫 工藤
Yasue Matsuka
安恵 松家
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェ
ン)からなる導電性高分子層を備えたコンデンサで、高
温・高湿度下での安定性に優れたコンデンサの製造方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 酸化剤と3,4−エチレンジオキシチオ
フェンモノマ−及び溶媒を混ぜ合わせた混合溶液を誘電
体層に塗布した後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱して
重合反応を進行させることと、導電性高分子層中に残っ
た過剰な酸化剤を有機溶剤を用いた洗浄によって取り除
くことにより、高温・高湿度下での安定性に優れたコン
デンサ得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数特性及び耐
湿特性の優れた小型大容量コンデンサの製造方法に関
し、誘電体層の少なくとも一方の表面に、ポリ(3,4
−エチレンジオキシチオフェン)からなる導電性高分子
層を備えたコンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器のデジタル化に伴って、
コンデンサについても小型大容量で高周波領域でのイン
ピーダンスの低いものが要求されている。
【0003】従来、コンデンサの電解質に電気伝導度の
高い導電性高分子を用いて、高周波領域でのインピ−ダ
ンスを低くしたコンデンサが多く提案されている。
【0004】誘電体皮膜を設けたアルミニウムに3、4
ーエチレンジオキシチオフェンを繰り返し単位としp−
トルエンスルホン酸アニオンをド−パントとして含む導
電性高分子を化学重合により形成したコンデンサが提案
されている(特開平2−15611号公報)。3,4−
エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸化剤を溶媒に
より溶解した溶液を、酸化が施されたアルミニウム電極
に塗布し、次いで室温あるいは加熱して溶媒を除去し、
化学重合反応により導電性高分子層を形成し、次いで水
を用いて導電性高分子層から過剰な酸化剤を洗い去り、
最後に乾燥させてコンデンサを得る製造方法が記述され
ている。
【0005】また、エッチドアルミ箔上に電着ポリイミ
ド薄膜からなる誘電体を形成した後、化学重合及び電解
重合により、順次導電性高分子層を形成して電極とする
大容量フィルムコンデンサが提案されている(電気化学
会第58回大会講演要旨集251〜252頁(1991
年))。
【0006】さらに、3、4ーエチレンジオキシチオフ
ェンと酸化剤とを混合した混合溶液を、陽極電極箔と陰
極電極箔とをガラスペ−パ−からなるセパレ−タを介し
て巻回したコンデンサ素子に含浸し、セパレ−タに浸透
した混合溶液中の重合反応により生成したポリエチレン
ジオキシチオフェンを電解質層としてセパレ−タで保持
した固体電解コンデンサが提案されている(特開平9−
293639号公報)。酸化剤にはp−トルエンスルホ
ン酸第二鉄を、溶媒にはエチレングリコ−ルを用い、混
合溶液を含浸したコンデンサ素子を、25℃ないし10
0℃の温度に放置して、重合反応によりポリエチレンジ
オキシチオフェンからなる導電性高分子層を生成させ、
次いで水、有機溶媒等を用いて洗浄し、最後に乾燥させ
てコンデンサを得る製造方法が記述されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温・
高湿度下での安定性を良くするには、導電性高分子層中
の過剰な酸化剤を洗浄により取り除く必要がある。コン
デンサ素子に混合溶液を塗布、あるいは含浸させた後
に、溶媒の沸点未満の温度で重合反応させて導電性高分
子層を形成した場合、エタノ−ルなどの有機溶剤で洗浄
するときに導電性高分子層が膨潤し剥がれやすく、有機
溶剤を用いて洗浄を施せず、脱イオン水を用いて洗浄を
施すために、過剰な酸化剤を取り除くことができない。
そのために、高温・高湿度下にさらしたときに容量の減
少や損失・インピ−ダンスの増加が生じ、特性が劣化す
るという課題を抱えていた。
【0008】また、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ
−タを介して円筒状に巻回したコンデンサ素子に混合溶
液を含浸させた後に、溶媒の沸点未満の温度で重合反応
させた場合、溶媒は円筒状の両側の開放された端面から
蒸発する。端面には内部から少なからず混合溶液が供給
されるために、重合反応により形成された導電性高分子
層が端面近傍に集まる。混合溶液の含浸、重合、洗浄の
プロセスを少ない回数(極端な場合には1回)繰り返す
内に端面を塞いでしまう。端面が塞がれると、混合溶液
を含浸させようとしてもコンデンサ素子内部に浸透しな
いので、プロセスをより多く繰り返して、コンデンサ素
子内部に導電性高分子層を緻密に形成することができな
いために、高い容量達成率が得られないという課題を抱
えていた。
【0009】さらに、巻回したコンデンサ素子において
も、溶媒の沸点未満の温度で重合反応させて導電性高分
子層を形成した場合、上述と同様に十分な洗浄を施して
過剰な酸化剤を取り除くことができないために、高温・
高湿度下にさらしたときに容量の減少や損失・インピ−
ダンスの増加が生じ、特性が劣化するという課題を抱え
ていた。
【0010】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
もので、高容量達成率で、かつ高温・高湿度下での安定
性に優れた固体電解コンデンサを得ることを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するもので、本発明による第一のコンデンサの製造方
法は、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマ−と
酸化剤を溶媒により溶解した混合溶液を用意する工程
と、誘電体層を用意する工程と、前記誘電体層の少なく
ても一方に前記混合溶液を塗布する工程と、前記混合溶
液が塗布された誘電体層を前記溶媒の沸点以上に速やか
に加熱する工程と、前記モノマ−と前記酸化剤との化学
重合反応により、前記誘電体層の少なくても一方に導電
性高分子層を形成する工程と、少なくとも有機溶剤によ
り洗浄する工程とを有する構成である。
【0012】誘電体層に塗布した直後では混合溶液は均
一に混ざり合った状態である。そして、溶媒の沸点未満
の温度に放置して重合反応を進める場合には、徐々に溶
媒(一部モノマ−)が蒸発するので、モノマ−と酸化剤
が均一に混ざり合った状態でなくなり、酸化剤が一部析
出するような相分離が生じる。溶媒あるいはモノマ−の
蒸発と重合反応は同時に進行するわけであるが、相分離
が生じた結果、重合反応により形成された導電性高分子
層の中に重合度のばらつきが生じ、かつ、未反応のモノ
マ−や過剰な酸化剤が多く残った状態となる。そのため
に、導電性高分子層が有機溶剤に膨潤しやすく、剥がれ
やすいと考えられる。
【0013】そこで、誘電体層に混合溶液を塗布した
後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱することにより、溶
媒を速やかに蒸発させ、モノマ−と酸化剤が均一に混ざ
り合った状態で重合反応を進行させることによって、分
子量が大きく、均一な導電性高分子層が得られ、未反応
のモノマ−や過剰な酸化剤が、溶媒の沸点未満の温度に
放置して重合反応を進める場合に比べると減少し、少量
残った状態となる。その結果、有機溶剤を用いて洗浄を
行う際に膨潤しにくく、剥がれにくいために、十分に洗
浄を施して未反応のモノマ−や過剰な酸化剤を取り除く
ことができるので、高温・高湿度下での安定性に優れた
コンデンサが得られる。
【0014】本発明による第二のコンデンサの製造方法
は、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸
化剤を溶媒により溶解した混合溶液を用意する工程と、
陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを介して巻回し
たコンデンサ素子を用意する工程と、前記コンデンサ素
子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記溶媒の沸点以
上に速やかに加熱する工程と、前記モノマ−と前記酸化
剤との化学重合反応により、前記コンデンサ素子内に導
電性高分子層を形成する工程と、少なくとも有機溶剤に
より洗浄する工程とを有する構成である。
【0015】陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを
介して円筒状に巻回したコンデンサ素子に混合溶液を含
浸させた後に、溶媒の沸点未満の温度で重合反応させた
場合、溶媒は円筒状の両側の開放された端面から蒸発す
る。端面には内部から少なからず混合溶液が供給される
ために、重合反応により形成された導電性高分子層が端
面近傍に集まる。混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセ
スを少ない回数(極端な場合には1回)繰り返す内に端
面を塞いでしまう。端面が塞がれると、混合溶液を含浸
させようとしてもコンデンサ素子内部に浸透しないの
で、プロセスをより多く繰り返して、コンデンサ素子内
部に導電性高分子層を緻密に形成することができない。
【0016】そこで、コンデンサ素子に混合溶液を含浸
させた後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱することによ
り、溶媒が蒸発して体積が膨張し、陽極電極箔、セパレ
−タ、及び陰極電極箔の間隙を通って端面から噴出す
る。重合反応により生成された導電性高分子層が端面近
傍に集まって端面を塞ごうとしても、噴出する力により
押し破り、導電性高分子層によって端面が塞がれること
を防止できるので、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロ
セスを繰り返してコンデンサ素子内部に導電性高分子層
を緻密に形成することができるために、高い容量達成率
のコンデンサが得られる。
【0017】また、溶媒の沸点以上に速やかに加熱する
ことにより、溶媒を速やかに蒸発させ、モノマ−と酸化
剤が均一に混ざり合った状態で重合反応を進行させるこ
とによって、分子量が大きく、均一な導電性高分子層が
得られ、未反応のモノマ−や過剰な酸化剤が、溶媒の沸
点未満の温度に放置して重合反応を進める場合に比べる
と減少し、少量残った状態となる。その結果、有機溶剤
を用いて洗浄を行う際に膨潤しにくく、剥がれにくいた
めに、十分に洗浄を施して未反応のモノマ−や過剰な酸
化剤を取り除くことができるので、高温・高湿度下での
安定性に優れたコンデンサが得られる。
【0018】本発明による第三のコンデンサの製造方法
は、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸
化剤を溶媒により溶解した混合溶液を用意する工程と、
多数の貫通孔が配された陽極電極箔と陰極電極箔を用意
する工程と、前記陽極電極箔と前記陰極電極箔とをセパ
レ−タを介して巻回したコンデンサ素子を用意する工程
と、前記コンデンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程
と、前記溶媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前
記モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応により、前記
コンデンサ素子内に導電性高分子層を形成する工程と、
少なくとも有機溶剤により洗浄する工程とを有する構成
である。
【0019】巻回したコンデンサ素子において、両端面
間の寸法が大きい大容量のものを使う場合、開放されて
いる場所が端面だけであると有機溶剤がコンデンサ素子
の内部まで浸透するのが難しく、十分な洗浄を施すこと
ができない。
【0020】そこで、陽極電極箔と陰極電極箔に多数の
貫通孔を配することにより、円筒状のコンデンサ素子の
端面だけでなく、側面からも有機溶剤が浸透できる。そ
のために、十分に洗浄を施して導電性高分子層から未反
応のモノマ−や過剰な酸化剤を取り除くことができるの
で、高温・高湿度下での安定性に優れたコンデンサが得
られる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸化剤
を溶媒により溶解した混合溶液を用意する工程と、誘電
体層を用意する工程と、前記誘電体層の少なくても一方
に前記混合溶液を塗布する工程と、前記混合溶液が塗布
された誘電体層を前記溶媒の沸点以上に速やかに加熱す
る工程と、前記モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応
により、前記誘電体層の少なくても一方に導電性高分子
層を形成する工程と、少なくとも有機溶剤により洗浄す
る工程とを有するコンデンサの製造方法としたものであ
り、誘電体層に混合溶液を塗布した後、溶媒の沸点以上
に速やかに加熱することにより、溶媒を速やかに蒸発さ
せ、モノマ−と酸化剤が均一に混ざり合った状態で重合
反応を進行させることによって、分子量が大きく、均一
な導電性高分子層が得られ、未反応のモノマ−や過剰な
酸化剤が、溶媒の沸点未満の温度に放置して重合反応を
進める場合に比べると減少し、少量残った状態となる。
【0022】その結果、有機溶剤を用いて洗浄を行う際
に膨潤しにくく、剥がれにくいために、十分に洗浄を施
して未反応のモノマ−や過剰な酸化剤を取り除くことが
できるので、高温・高湿度下での安定性に優れたコンデ
ンサが実現できる。
【0023】ここで、酸化剤には、アルキルベンゼンス
ルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、アルキ
ルナフタレンスルホン酸第二鉄、アントラキノンスルホ
ン酸第二鉄等があげられるが、好適にはナフタレンスル
ホン酸第二鉄が用いられる。
【0024】また、溶媒には、水、メタノ−ル、エタノ
−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル等があげられる
が、好適にはエタノ−ルが用いられる。
【0025】また、塗布する工程としては、刷毛塗り、
浸漬塗布、滴下塗布、スプレ−塗布等があげられるが、
好適には浸漬塗布が用いうる。
【0026】また、加熱する工程としては、オ−ブン加
熱、赤外線ランプ加熱等があげられるが、好適にはオ−
ブン加熱が用いうる。
【0027】また、洗浄用有機溶剤には、メタノ−ル、
エタノ−ル等があげられるが、好適にはエタノ−ルが用
いられる。
【0028】また、誘電体層が弁金属の酸化皮膜で構成
されるコンデンサでは、導電性高分子層は陰極を兼ねた
電解質として機能し、一方それが高分子薄膜で構成され
るフィルムコンデンサでは、単純な電極として機能す
る。
【0029】また、請求項2記載のように、誘電体層
が、弁金属の酸化物であってもよい。また、請求項3記
載のように、弁金属としてアルミニウムが用いうる。
【0030】また、請求項4記載のように、誘電体層
を、高分子膜で構成することもできる。
【0031】また、請求項5記載のように、高分子膜を
ポリイミド膜で構成することができる。
【0032】本発明の請求項6記載の発明は、3,4−
エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸化剤を溶媒に
より溶解した混合溶液を用意する工程と、陽極電極箔と
陰極電極箔とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ
素子を用意する工程と、前記コンデンサ素子に前記混合
溶液を含浸する工程と、前記溶媒の沸点以上に速やかに
加熱する工程と、前記モノマ−と前記酸化剤との化学重
合反応により、前記コンデンサ素子内に導電性高分子層
を形成する工程と、少なくとも有機溶剤により洗浄する
工程とを有するコンデンサの製造方法としたものであ
り、コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた後、溶媒の
沸点以上に速やかに加熱することにより、溶媒が蒸発し
て体積が膨張し、陽極電極箔、セパレ−タ、及び陰極電
極箔の間隙を通って端面から噴出する。重合反応により
生成された導電性高分子層が端面近傍に集まって端面を
塞ごうとしても、噴出する力により押し破り、導電性高
分子層によって端面が塞がれることを防止できるので、
混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを繰り返してコ
ンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密に形成するこ
とができるために、高い容量達成率のコンデンサが実現
できる。
【0033】また、溶媒の沸点以上に速やかに加熱する
ことにより、溶媒を速やかに蒸発させ、モノマ−と酸化
剤が均一に混ざり合った状態で重合反応を進行させるこ
とによって、分子量が大きく、均一な導電性高分子層が
得られ、未反応のモノマ−や過剰な酸化剤が、溶媒の沸
点未満の温度に放置して重合反応を進める場合に比べる
と減少し、少量残った状態となる。その結果、有機溶剤
を用いて洗浄を行う際に膨潤しにくく、剥がれにくいた
めに、十分に洗浄を施して未反応のモノマ−や過剰な酸
化剤を取り除くことができるので、高温・高湿度下での
安定性に優れたコンデンサが実現できる。
【0034】ここで、陽極電極箔と陰極電極箔には、ア
ルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔等の弁
金属にエッチング処理が施され、陽極電極箔にはさらに
陽極酸化処理が施されたものが用いられる。
【0035】また、セパレ−タには、マニラ紙、クラフ
ト紙、合成繊維紙、ガラスペ−パ−等が用いられる。
【0036】また、請求項7記載のように、速やかに加
熱する工程として、コンデンサ素子をオ−ブン中で加熱
する方法が用いうる。
【0037】また、請求項8記載のように、速やかに加
熱する工程として、コンデンサ素子をホットプレ−ト上
に接触させて加熱する方法が用いうる。
【0038】本発明の請求項9記載の発明は、3,4−
エチレンジオキシチオフェンモノマ−と酸化剤を溶媒に
より溶解した混合溶液を用意する工程と、多数の貫通孔
が配された陽極電極箔と陰極電極箔を用意する工程と、
前記陽極電極箔と前記陰極電極箔とをセパレ−タを介し
て巻回したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コン
デンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記溶媒
の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前記モノマ−と
前記酸化剤との化学重合反応により、前記コンデンサ素
子内に導電性高分子層を形成する工程と、少なくとも有
機溶剤により洗浄する工程とを有するコンデンサの製造
方法としたものであり、陽極電極箔と陰極電極箔に多数
の貫通孔を配することにより、円筒状のコンデンサ素子
の端面だけでなく、側面からも有機溶剤が浸透できる。
そのために、十分に洗浄を施して導電性高分子層から未
反応のモノマ−や過剰な酸化剤を取り除くことができる
ので、高温・高湿度下での安定性に優れたコンデンサが
実現できる。
【0039】ここで、貫通孔の加工には、プレス打ち抜
き、エッチング処理等が用いうる。以下、本発明の各実
施の形態について詳細に説明する。
【0040】(実施の形態1)以下、本発明の第1の実
施の形態について図1をもとに説明する。
【0041】縦8mm×横3.3mmのアルミニウムエ
ッチド箔1を、4mmと3mmの部分に仕切るように、
両面に渡って、幅1mmのポリイミドテープ2を貼付け
た。
【0042】次に、アルミニウムエッチド箔1の3mm
×3.3mmの部分に陽極リード線5を取り付け、アル
ミニウムエッチド箔1の4mm×3.3mmの部分を、
70℃の3%アジピン酸アンモニウム水溶液を用い、ま
ず10mV/secの速度で0から10Vまで上げ、続
けて10Vの定電圧を40分間印加し、陽極酸化により
誘電体層3を形成した。そして、脱イオン水の流水によ
り10分洗浄してから、105℃で5分乾燥を行った。
この構成をコンデンサと見立て、化成液中の容量を測定
したところ、18μFであった。
【0043】遷移金属塩のナフタレンスルホン酸第二鉄
からなる酸化剤を、溶媒の水5.2重量%とエタノ−ル
57.65重量%で溶解させたナフタレンスルホン酸第
二鉄溶液を用意した。次に、溶媒のエタノ−ル7.5g
の中に、前記ナフタレンスルホン酸第二鉄溶液3gを入
れて混合した。さらに、チオフェン誘導体モノマ−であ
る3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマ−1.4
1gを混ぜ合わせてから撹拌して混合溶液を用意した。
【0044】混合溶液の中にアルミニウムエッチド箔1
の誘電体層3が設けられた部分を1分浸漬してから引き
上げ、溶媒の沸点より高い120℃のオ−ブン中に入れ
て速やかに加熱し、20分放置した。加熱によって溶媒
が速やかに蒸発し、化学重合反応が進行して誘電体層3
の上にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)か
らなる導電性高分子層4を形成した。
【0045】次に、有機溶剤のエタノ−ルの中にアルミ
ニウムエッチド箔1を10分浸漬して洗浄を行った。続
けて脱イオン水の中にアルミニウムエッチド箔1を10
分浸漬して洗浄を行った。そして、オ−ブン中に入れて
105℃で5分乾燥した。
【0046】導電性高分子層4が所定の厚さになるま
で、浸漬塗布から乾燥までの一連の工程を12回繰り返
した。
【0047】導電性高分子層4形成の後、その上に、カ
−ボン層と銀ペイント層で陰極層7を形成すると共に、
その上に陰極リ−ド線6を取り付けた。
【0048】さらに、エポキシ樹脂を用いて外装してか
ら、エ−ジング処理を行い、合計で10個のコンデンサ
を完成させた。
【0049】これら10個のコンデンサについて、1k
Hzにおける容量、損失係数、400kHzにおけるイ
ンピ−ダンス及び定格電圧6.3V印加2分後の漏れ電
流を各々測定した。さらに85℃85%雰囲気中にさら
し、6.3Vを印加しての、負荷耐熱・耐湿性試験を行
い、容量、損失係数、インピ−ダンス、及び漏れ電流を
測定した。それらの平均値を以下の(表1)に示した。
【0050】
【表1】
【0051】本実施の形態によれば、誘電体層に混合溶
液を塗布した後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱するこ
とにより、溶媒を速やかに蒸発させ、モノマ−と酸化剤
が均一に混ざり合った状態で重合反応を進行させること
によって、分子量が大きく、均一な導電性高分子層が得
られ、未反応のモノマ−や過剰な酸化剤が、溶媒の沸点
未満の温度に放置して重合反応を進める場合に比べると
減少し、少量残った状態となる。その結果、有機溶剤を
用いて洗浄を行う際に膨潤しにくく、剥がれにくいため
に、十分に洗浄を施して未反応のモノマ−や過剰な酸化
剤を取り除くことができるので、高温・高湿度下での安
定性に優れたコンデンサを得ることができる。
【0052】(比較例1)比較例1として、加熱条件と
洗浄条件を変更した以外、実施の形態1と同様の操作で
コンデンサを作製した。変更したところを以下説明す
る。まず、加熱条件は、混合溶液に浸漬してから引き上
げ、溶媒の沸点より低い60℃のオ−ブン中に60分放
置してから、120℃のオ−ブン中に20分放置するよ
うに変更した。次に、洗浄条件は、有機溶剤のエタノ−
ルで洗浄すると導電性高分子層が剥がれてしまうので、
脱イオン水のみの洗浄を15分行うように変更した。
【0053】特性を測定した結果を前述の(表1)に示
す。比較例1では、誘電体層に混合溶液を塗布した後、
溶媒の沸点以上に速やかに加熱しなかったために、モノ
マ−と酸化剤が均一に混ざり合った状態でなくなり、酸
化剤が一部析出するような相分離が生じる。溶媒あるい
はモノマ−の蒸発と重合反応は同時に進行するわけであ
るが、相分離が生じた結果、重合反応により形成された
導電性高分子層の中に重合度のばらつきが生じ、未反応
のモノマ−や過剰な酸化剤が多く残った状態となる。そ
して、導電性高分子層が有機溶剤に膨潤しやすく、剥が
れやすいために、有機溶剤を用いて洗浄を施すことがで
きない。また、ここで用いている酸化剤は脱イオン水に
はほとんど溶解しないものであり、脱イオン水を用いた
洗浄では酸化剤を取り除くことができない。
【0054】比較例1では、(表1)に示すように、高
温・高湿度下での安定性が悪かった。導電性高分子層中
に残った酸化剤によって誘電体層の腐食が生じたため
に、特性の劣化が生じたと考えられる。
【0055】この(表1)における比較例1と実施の形
態1との比較から明らかなように、実施の形態1では、
誘電体層に混合溶液を塗布した後、溶媒の沸点以上に速
やかに加熱することと、有機溶剤による洗浄を施すこと
によって、高温・高湿度下での安定性に優れたコンデン
サを得られたことが判明した。
【0056】(実施の形態2)20mmx20mmのア
ルミニウム箔に、実施の形態1のように、酸化皮膜から
なる誘電体層を形成するのではなく、スピンコートによ
り、厚さ0.5μmのポリイミド薄膜を形成し、そのポ
リイミド薄膜からなる誘電体層を形成した以外、実施の
形態1と同様の条件で、計10個のコンデンサを作製し
た。実施の形態1と同様の特性評価を行い、それらの平
均値を(表1)に示した。
【0057】なお、ここで得られた容量は、容量達成率
が85%であった。本実施の形態によれば、誘電体層に
混合溶液を塗布した後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱
することと、有機溶剤による洗浄を施すことによって、
(表1)に示すように高温・高湿度下での安定性に優れ
たコンデンサを得ることができる。
【0058】(実施の形態3)以下、本発明の第3の実
施の形態について図2をもとに説明する。
【0059】陽極電極箔11には、アルミニウムエッチ
ド箔12の両面に陽極酸化によって誘電体層13が設け
られたものを、幅2.3mm、長さ154mmの大きさ
に切断して用いた。また、陰極電極箔14には、幅2.
3mm、長さ180mmのアルミニウムエッチド箔を用
いた。
【0060】次に、陽極電極箔11及び陰極電極箔14
を、厚さ40μmのマニラ紙からなるセパレ−タ15を
介して巻回し、巻き止めテ−プ16により止めて、コン
デンサ素子17を得る。ここで用いた巻回したコンデン
サ素子17の外形寸法は、直径が約7mm、端面上部1
8と端面下部19の両端面間の寸法が3.4mmのもの
である。なお、陽極電極箔11、陰極電極箔14には、
予め陽極リ−ド線20と陰極リ−ド線21が電気的に接
続されており、端面上部18から突出している。
【0061】次に、陽極電極箔11を形成したときの切
断面に陽極酸化処理を施した。陽極リ−ド線20を支持
して、コンデンサ素子17を70℃の3%アジピン酸ア
ンモニウム水溶液の中に浸漬させた。まず10mV/s
ecの速度で0から14Vまで上げ、続けて14Vの定
電圧を10分間印加し、陽極酸化により切断面に誘電体
層を形成した。そして、脱イオン水の流水により10分
洗浄してから、105℃で5分乾燥を行った。この構成
をコンデンサと見立て、化成液中の容量を測定したとこ
ろ、220μFであった。
【0062】遷移金属塩のナフタレンスルホン酸第二鉄
からなる酸化剤を、溶媒の水5.2重量%とエタノ−ル
57.65重量%で溶解させたナフタレンスルホン酸第
二鉄溶液を用意した。また、遷移金属塩のトリイソプロ
ピルナフタレンスルホン酸第二鉄からなる酸化剤を、エ
タノ−ル60重量%で溶解させたトリイソプロピルナフ
タレンスルホン酸第二鉄溶液を用意した。次に、エタノ
−ル6.45gの中に、前記ナフタレンスルホン酸第二
鉄溶液0.9gと前記トリイソプロピルナフタレンスル
ホン酸第二鉄溶液2.55gを入れて混合した。さら
に、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマ−1.
29gを混ぜ合わせてから撹拌して混合溶液を用意し
た。
【0063】混合溶液の中にコンデンサ素子17を2分
浸漬して含浸させてから引き上げ、溶媒の沸点より高い
130℃のオ−ブン中に入れて速やかに加熱し、20分
放置した。加熱によって溶媒が速やかに蒸発し、化学重
合反応が進行してコンデンサ素子17の内部にポリ
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)からなる導電
性高分子層22を形成した。
【0064】次に、有機溶剤のエタノ−ルの中にコンデ
ンサ素子17を15分浸漬して洗浄を行った。続けて脱
イオン水の中にコンデンサ素子17を15分浸漬して洗
浄を行った。そして、オ−ブン中に入れて120℃で3
0分乾燥した。
【0065】導電性高分子層22がコンデンサ素子17
の内部に所定の量形成されるまで、浸漬塗布から乾燥ま
での一連の工程を10回繰り返した。
【0066】導電性高分子層22形成の後、コンデンサ
素子17を有底筒状のアルミニウムケ−スに収納し、そ
の開口部をエポキシ樹脂により封口してから、エ−ジン
グ処理を行い、合計で10個のコンデンサを完成させ
た。
【0067】これら10個のコンデンサについて、1k
Hzにおける容量、損失係数、400kHzにおけるイ
ンピ−ダンス及び定格電圧4V印加2分後の漏れ電流を
各々測定した。さらに85℃85%雰囲気中にさらし、
4Vを印加しての、負荷耐熱・耐湿性試験を行い、容
量、損失係数、インピ−ダンス、及び漏れ電流を測定し
た。それらの平均値を以下の(表1)に示した。
【0068】本実施の形態によれば、コンデンサ素子に
混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点以上に速やかに加
熱することにより、溶媒が蒸発して噴出する力で、導電
性高分子層によって端面が塞がれることを防止できるの
で、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを繰り返し
てコンデンサ素子内部に導電性高分子層を緻密に形成す
ることができるために、(表1)に示すように高い容量
達成率のコンデンサを得ることができる。
【0069】また、溶媒の沸点以上に速やかに加熱する
ことにより、溶媒を速やかに蒸発させ、モノマ−と酸化
剤が均一に混ざり合った状態で重合反応を進行させるこ
とによって、分子量が大きく、均一な導電性高分子層が
得られ、未反応のモノマ−や過剰な酸化剤が、溶媒の沸
点未満の温度に放置して重合反応を進める場合に比べる
と減少し、少量残った状態となる。その結果、有機溶剤
を用いて洗浄を行う際に膨潤しにくく、剥がれにくいた
めに、十分に洗浄を施して未反応のモノマ−や過剰な酸
化剤を取り除くことができるので、(表1)に示すよう
に高温・高湿度下での安定性に優れたコンデンサを得る
ことができる。
【0070】(比較例2)比較例2として、加熱条件と
洗浄条件を変更した以外、実施の形態3と同様の操作で
コンデンサを作製した。変更したところを以下説明す
る。まず、加熱条件は、コンデンサ素子を混合溶液に浸
漬して含浸させてから引き上げ、溶媒の沸点より低い6
0℃のオ−ブン中に60分放置してから、130℃のオ
−ブン中に20分放置するように変更した。次に、洗浄
条件は、有機溶剤のエタノ−ルで洗浄すると導電性高分
子層が剥がれてしまうので、脱イオン水のみの洗浄を2
0分行うように変更した。
【0071】特性を測定した結果を前述の(表1)に示
す。比較例2では、コンデンサ素子に混合溶液を含浸さ
せた後、溶媒の沸点以上に速やかに加熱しなかったため
に、溶媒が徐々に蒸発し端面から噴出する力が弱いの
で、端面が導電性高分子層によって塞がれるのを防止で
きず、混合溶液の含浸、重合、洗浄のプロセスを少ない
回数(極端な場合には1回)繰り返す内に端面が塞がれ
る。端面が塞がれると、混合溶液を含浸させようとして
もコンデンサ素子内部に浸透しないので、プロセスをよ
り多く繰り返して、コンデンサ素子内部に導電性高分子
層を緻密に形成することができない。そのため、比較例
2では(表1)に示すように、容量達成率が低かった。
【0072】また、脱イオン水のみの洗浄では酸化剤を
取り除くことができないので、(表1)に示すように、
高温・高湿度下での安定性が悪かった。
【0073】この(表1)における比較例2と実施の形
態3との比較から明らかなように、実施の形態3では、
コンデンサ素子に混合溶液を含浸させた後、溶媒の沸点
以上に速やかに加熱することと、有機溶剤による洗浄を
施すことによって、容量達成率が高く、高温・高湿度下
での安定性に優れたコンデンサを得られたことが判明し
た。
【0074】(実施の形態4)以下、本発明の第4の実
施の形態について図2を用いて説明する。
【0075】加熱条件を変更した以外、実施の形態3と
同様の操作でコンデンサを作製した。変更したところを
以下説明する。コンデンサ素子を混合溶液に浸漬して含
浸させてから引き上げ、溶媒の沸点より高い130℃の
ホットプレ−ト上にコンデンサ素子の端面下部19を3
0秒接触させてから、130℃のオ−ブン中に20分放
置するように変更した。
【0076】実施の形態3と同様の特性評価を行い、そ
れらの平均値を(表1)に示した。本実施の形態によれ
ば、コンデンサ素子に混合溶液を含浸した後、ホットプ
レ−トを用いて溶媒の沸点以上に速やかに加熱すること
と、また、実施の形態3と同様に有機溶剤による洗浄を
施すことによって、(表1)に示すように容量達成率が
高く、高温・高湿度下での安定性に優れたコンデンサを
得ることができる。
【0077】(実施の形態5)以下、本発明の第5の実
施の形態について図3を用いて説明する。
【0078】陽極電極箔31には、直径0.5mmの多
数の貫通孔32をプレス打ち抜きによって設けた後、エ
ッチング処理と陽極酸化処理が施されたアルミニウムエ
ッチド箔を、幅12mm、長さ331mmの大きさに切
断して用いた。また、陰極電極箔33には、直径0.5
mmの多数の貫通孔34を同じように設けた後、エッチ
ング処理が施されたアルミニウムエッチド箔を、幅12
mm、長さ363mmの大きさに切断して用いた。
【0079】次に、陽極電極箔31及び陰極電極箔33
を、厚さ40μmのマニラ紙からなるセパレ−タ35を
介して巻回し、巻き止めテ−プ36により止めて、コン
デンサ素子37を得る。コンデンサ素子37の外形寸法
は、直径が約11mm、端面上部39と端面下部40の
両端面間の寸法が14mmである。巻き止めテ−プ36
は、幅1.5mmのものを3本用いて止め、コンデンサ
素子37の側面38全面を覆わないようにしている。そ
のため、コンデンサ素子37の内部が、陽極電極箔3
1、セパレ−タ35、及び陰極電極箔33の間隙を通し
て端面上部39と端面下部40から大気に開放されてい
るだけでなく、貫通孔32、セパレ−タ35、及び貫通
孔34の間隙を通して、側面38からも大気に開放され
た構造となっている。
【0080】陽極電極箔31の切断面の陽極酸化処理を
実施の形態3と同様の条件で施した後、化成液中の容量
を測定したところ、2200μFであった。
【0081】これら以外、実施の形態3と同様の操作で
コンデンサを作製した。実施の形態3と同様の特性評価
を行い、それらの平均値を(表1)に示した。
【0082】本実施の形態によれば、陽極電極箔と陰極
電極箔に多数の貫通孔を配することにより、コンデンサ
素子の内部が端面からだけでなく、側面からも大気に開
放された構造となっている。端面と同じように側面から
も混合溶液の含浸、溶媒の沸点以上に速やかに加熱する
ことによる溶媒蒸気の噴出、及び洗浄用有機溶剤の浸透
が進むために、両端面間の寸法が大きい大容量のコンデ
ンサ素子であっても、(表1)に示すように容量達成率
が高く、高温・高湿度下での安定性に優れたコンデンサ
を得ることができる。
【0083】なお、溶媒は水とエタノ−ルの混合系の場
合について述べたが、水単独、エタノ−ル単独、メタノ
−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ−ル、その他の溶媒、
及び種々の混合系を適用することもでき、その種類に限
定されない。
【0084】なお、実施の形態2では、誘電体層となる
高分子として、ポリイミドを用いる場合について述べた
が、薄膜を形成できる高分子材料であればポリイミド以
外のものを用いることもでき、本発明はその種類に限定
されない。また、アルミニウム箔にスピンコートで誘電
体層となるポリイミド薄膜を形成する場合について述べ
たが、アルミニウム箔表面に例えば電着で設けたポリイ
ミドフィルムを誘電体層としたフィルムコンデンサの一
方の電極としても適用することができ、本発明はその形
成方法に限定されない。
【0085】なお実施の形態では、重合可能なモノマ−
として、3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いた
場合についてのみ述べたが、その他の置換基を有する誘
導体を用いることもできる。
【0086】なお、上記実施の形態では、弁金属がアル
ミニウムの場合についてのみ述べたが、その他タンタ
ル、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム及びチタンさら
にはそれらの金属間化合物等も使用可能である。
【0087】なお、上記実施の形態では、コンデンサの
一方の電極にのみ導電性高分子層が形成されたコンデン
サに関してのみ述べたが、両方の電極を導電性高分子層
で構成することもできる。
【0088】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コンデン
サ素子に混合溶液を塗布あるいは含浸した後、溶媒の沸
点以上に速やかに加熱することと、また、有機溶剤によ
る洗浄を施すことによって、容量達成率が高く、高温・
高湿度下での安定性に優れたコンデンサを得ることがで
きるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるコンデンサの正
面図と断面図
【図2】本発明の実施の形態3におけるコンデンサ素子
の外観図と内部拡大図
【図3】本発明の実施の形態5におけるコンデンサ素子
外観図
【符号の説明】
1、12 アルミニウムエッチド箔 2 ポリイミドテ−プ 3、13 誘電体層 4、22 導電性高分子層 5、20 陽極リ−ド線 6、21 陰極リ−ド線 7 陰極層 11、31 陽極電極箔 14、33 陰極電極箔 15、35 セパレ−タ 16、36 巻き止めテ−プ 17、37 コンデンサ素子 18、39 端面上部 19、40 端面下部 32、34 貫通孔 38 側面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3,4−エチレンジオキシチオフェンモ
    ノマ−と酸化剤を溶媒により溶解した混合溶液を用意す
    る工程と、誘電体層を用意する工程と、前記誘電体層の
    少なくても一方に前記混合溶液を塗布する工程と、前記
    混合溶液が塗布された誘電体層を前記溶媒の沸点以上に
    速やかに加熱する工程と、前記モノマ−と前記酸化剤と
    の化学重合反応により、前記誘電体層の少なくても一方
    に導電性高分子層を形成する工程と、少なくとも有機溶
    剤により洗浄する工程とを有するコンデンサの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 誘電体層が、弁金属の酸化物である請求
    項1記載のコンデンサ。
  3. 【請求項3】 弁金属が、アルミニウムである請求項1
    記載のコンデンサ。
  4. 【請求項4】 誘電体層が、高分子膜である請求項1記
    載のコンデンサ。
  5. 【請求項5】 高分子膜がポリイミド膜である請求項4
    記載のコンデンサ。
  6. 【請求項6】 3,4−エチレンジオキシチオフェンモ
    ノマ−と酸化剤を溶媒により溶解した混合溶液を用意す
    る工程と、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレ−タを介
    して巻回したコンデンサ素子を用意する工程と、前記コ
    ンデンサ素子に前記混合溶液を含浸する工程と、前記溶
    媒の沸点以上に速やかに加熱する工程と、前記モノマ−
    と前記酸化剤との化学重合反応により、前記コンデンサ
    素子内に導電性高分子層を形成する工程と、少なくとも
    有機溶剤により洗浄する工程とを有するコンデンサの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 速やかに加熱する工程が、コンデンサ素
    子をオ−ブン中で加熱する請求項6記載のコンデンサの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 速やかに加熱する工程が、コンデンサ素
    子をホットプレ−ト上に接触させて加熱する請求項6記
    載のコンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 3,4−エチレンジオキシチオフェンモ
    ノマ−と酸化剤を溶媒により溶解した混合溶液を用意す
    る工程と、多数の貫通孔が配された陽極電極箔と陰極電
    極箔を用意する工程と、前記陽極電極箔と前記陰極電極
    箔とをセパレ−タを介して巻回したコンデンサ素子を用
    意する工程と、前記コンデンサ素子に前記混合溶液を含
    浸する工程と、前記溶媒の沸点以上に速やかに加熱する
    工程と、前記モノマ−と前記酸化剤との化学重合反応に
    より、前記コンデンサ素子内に導電性高分子層を形成す
    る工程と、少なくとも有機溶剤により洗浄する工程とを
    有するコンデンサの製造方法。
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