JP2012094835A - 固体コンデンサ形成用酸化剤、これを含む電解質組成物、固体コンデンサ、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体コンデンサ形成用酸化剤において、固体電解質の付活現象を改変して、そのミクロ構造と固体電解質の特性に影響させる。
【解決手段】固体コンデンサ形成用酸化剤は、3価の鉄イオンと、ある特定の化学式で表される構造を有する少なくとも1つの有機スルホン酸イオンとからなるイオン化合物であるスルホン酸鉄塩を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体コンデンサ形成用酸化剤に関し、特に固体コンデンサの破壊電圧を向上させることのできる固体コンデンサ形成用酸化剤に関する。
新世代の固体コンデンサは、摂氏300度を超える耐熱性、高周波低抵抗(10ミリオーム)、高速放電、小体積、液漏れがない、寿命が最長4万時間到達可能といった特徴を有している。その一方で現在、中央演算装置は演算速度が益々高速化しており、従来の液体電解コンデンサでは高温に耐えきれずに破裂する現象が生じ易いため、液体電解コンデンサはすでに通信、コンピュータおよび消費性電子等製品のニーズを満たすことができず、徐々に固体コンデンサに代替されてきている。現時点で、固体コンデンサは、3,4−エチレンジオキシチオフェン(3,4−ethylenedioxythiophene、以下「EDOT」と略称する)等のモノマーと、p−トルエンスルホン酸鉄(III)(Iron(III)p−toluenesulfonate、以下「FePTS」と略称する)等の鉄塩酸化剤とを固体コンデンサ内で重合させ、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(poly−3,4−ethylenedioxy−thiophene、以下「PEDOT」と略称する)を生成して固体電解質としている。かかる原料から得られる固体コンデンサは、電圧が30Vを超えると、固体コンデンサの特性が劣化し、信頼性が不安定になり、時には短絡現象が発生することもある。
固体コンデンサの破壊電圧に影響する原因には、導電性伝導層の耐熱性不足、誘電層の安定性欠如、セパレータの穿通防止効果不良、あるいは他の原因が含まれる。固体コンデンサに漏れ電流が存在し、高電圧下に導電性高分子が発熱するために、導電性高分子の材質劣化や、正負電極の短絡現象が発生することもあり、こうした現象が固体コンデンサの耐電圧不足やコンデンサの特性劣化を引き起こす。文献には、固体コンデンサの耐電圧特性の向上は、下記のいくつかの手段により達成可能であることが報告されている。A.EDOTを予備重合する、B.セパレータの性能を改善する、C.誘電層に保護層をめっきする、D.新構造のPEDOTを使用する、E.イオン伝導性物質を添加する、F.試薬を添加しPEDOTの安定性を強化する。
A.EDOTを予備重合する利点と欠点
EDOTを予備重合した後、タンタル質の固体コンデンサに含浸する。この方法で作製したタンタル質の固体コンデンサは、ESRを低下させ、耐電圧特性を向上させることもできる(例えば、非特許文献1参照)。
また、タンタル質の固体コンデンサの製造において、従来EDOTと鉄塩酸化剤とを重合させてPEDOTを得ていたのを、EDOTを先ず予備重合し、その後コンデンサに作製すれば、漏れ電流を低下させ、かつその耐電圧性を向上できるとしているものもある(例えば、非特許文献2参照)。
EDOTの予備重合は、固体コンデンサの耐電圧特性を向上させることができるが、固体コンデンサの生産設備を同期的に改変せねばならず、費用の大きな設備投資が必要である。さらに、異なる製造工程には異なる製造条件の調整が必要であり、現段階の固体コンデンサメーカーにとって必ずしも有用であるとは言えない。
B.セパレータ性能改善の利点と欠点
セパレータの繊維の長短、組成種類または密度等性質を制御して、こうした調整により固体コンデンサのESR、漏れ電流、耐電圧等特性に影響させることを提案しているものもある(例えば、特許文献1参照)。セパレータの特性の改善は、耐電圧の向上には役立つが、セパレータは正負電極間の摩擦を低減させ、誘電層の破壊を減少させることができるのみである。導電性高分子の特性を効果的に向上できなければ、結局は固体コンデンサの耐電圧特性を向上させることはできない。
C.誘電層に保護層をめっきする利点と欠点
高分子シラン化合物を誘電層の保護膜に用いて、固体コンデンサの耐電圧を向上できることを指摘するものもある(例えば、非特許文献3参照)。この保護層の方法は、誘電層の破壊可能性を直接的に低下させることができ、耐電圧特性が向上される。しかし、保護膜は陽極多孔質アルミニウム箔の孔に充填され、多孔質アルミニウム箔の表面積が減少するため、固体コンデンサの容量が低下する。
D.新構造のPEDOT使用の利点と欠点
新構造の含硫黄ヘテロ環高分子のポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)を電解質に用いて、固体コンデンサの耐電圧を向上できることを提案しているものがある(例えば、特許文献2参照)。新構造の高分子は、固体コンデンサの耐電圧特性を向上できるが、この構造の高分子は合成が困難で、原料コストが高く、固体コンデンサの製造に用いればコストの上昇を招く。
E.イオン伝導性物質添加の利点と欠点
導電性高分子にカルボン酸高分子を添加することを提案したものもある(例えば、特許文献3参照)。このカルボン酸高分子は、固体コンデンサの漏れ電流を低下させ、固体コンデンサの耐電圧特性を向上させることができる。カルボン酸高分子を添加すると、固体コンデンサの耐電圧特性が向上するが、カルボン酸高分子は非導電性物質であるため、添加後に導電性高分子の導電度に影響し、コンデンサの抵抗特性が低下することもある。
F.試薬を添加しPEDOTの安定性を強化することの利点と欠点
異なる添加剤を用いて固体コンデンサの耐電圧を向上できることを指摘したものがある(例えば、特許文献4参照)。添加剤には、PEG200、PEG400、PEG6000等の重合性高分子、ビニルイミダゾール等の含窒素分子、イオン液体等のイオン伝導性化合物、KBM503等のシランカップリング剤が含まれる。こうした添加剤の使用は、PEDOTの安定性を向上させるが、同時に導電性高分子の導電特性を低下させ、抵抗上昇エネルギー消費を増加させる。
上記提案は、固体コンデンサの耐電圧を改善する各種方法を提示しているが、従来の製造工程を変更する必要があり、固体コンデンサの容量は低下し、導電性高分子の合成コストが高く、あるいは導電性高分子の導電特性に影響するなど、大きな改善の余地がある。
特開2007−059789号公報 特開2008−091589号公報 特開2009−158547号公報 中国特許出願公開第101385105号明細書
ウド・メルケル(Udo Merker),ウィルフリード・リューベニヒ(Wilfried Loevenich),クラウス・ヴィソウ(Klaus Wussow),「コンダクティング・ポリマー・ディスパーションズ・フォア・ハイキャパシタンス・タンタル・キャパシタ(Conducting Polymer Dispersions for High-Capacitance Tantalum Capacitors)」,キャパシタおよびレジスタのテクノロジーシンポジウム(Capacitor and Resistor Technology Symposium),2006年研究会発表 ユリ・フリーマン(Yuri Freeman),ウィリアム・R・ハーレル(William R.Harrell),イゴール・ルツィノフ(Igor Luzinov),ブライアン・ホルマン(Brian Holman),フィリップ・レスナー(Philip Lessner),「エレクトリカル・キャラクタリゼーション・オブ・ポリマー・タンタル・キャパシタ・ウィズ・ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・カソード(Electrical Characterization of Polymer Tantalum Capacitors with Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)Cathode)」,ジャーナル・オブ・エレクトロケミカム・ソサイアシィ(J. Electrochem.Soc.),156巻,65号,2009年 野上勝憲,坂本清,早川晃鏡,柿本雅明,「導電性重合体アルミニウム固体電解コンデンサへの超分岐ポリ(シロキシシラン)の効果(The effects of hyperbranched poly(siloxysilane)s on conductive polymer aluminum solid electrolytic capacitors)」,ジャーナル・オブ・パワー・ソーシズ(Journal of Power Sources),166巻,p.584,2007年
本発明は、固体コンデンサ形成用酸化剤を提案しており、主に、鉄塩酸化剤の陰イオン構造を改変し、異なるスルホン酸陰イオンを導入し、固体電解質の付活現象を改変して、そのミクロ構造と固体電解質の特性に影響させるものである。影響する特性には、導電度、熱安定性等が含まれる。本発明に記載の酸化剤が形成する固体コンデンサは、その固体コンデンサの破壊電圧が、通常のスルホン酸鉄酸化剤で形成した固体コンデンサよりも高くなる。これは、本発明に記載の有機スルホン酸鉄塩の耐熱性が良好であるため、得られる固体電解質の耐熱性もこれに伴って向上し、こうして固体コンデンサの破壊電圧が高くなる。この新規スルホン酸鉄塩を使用する方法は、現段階の固体コンデンサメーカーの生産に直接組み入れることができ、設備の改造を必要とせず、条件パラメータの部分で従来のパラメータを微調整するだけで生産を開始できる。また、上記方法は、固体コンデンサの容量低下を要さず、合成コストの高い導電性高分子も使用せず、さらには固体電解質の導電特性にも影響を及ぼさずに、固体コンデンサの破壊電圧を向上させることができる。
本発明は、3価の鉄イオンと、式1、式2、式3、式4または式5で表される構造を有する少なくとも1つの有機スルホン酸イオンとからなるイオン化合物であるスルホン酸鉄塩を含む固体コンデンサ形成用酸化剤を提供する。
Figure 2012094835
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式中、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R51、R52およびR53は、各々独立に、H、C1〜18アルキル基、C1〜18エステル基、C5〜12シクロアルキル基、ニトロ基、スルホ基、ヒドロキシ基、またはアリール基を示し、かつ、前記有機スルホン酸イオンが式1の構造であり、R13がメチル基であるとき、R11、R12、R14およびR15のうち少なくとも1つがHではない。
本発明はまた、溶剤と、前記固体コンデンサ形成用酸化剤と、導電性高分子とを含む電解質組成物を提供する。
本発明はさらに、コンデンサ素子の表面に誘電層を形成すること、前記電解質組成物を重合反応させ、固体電解質溶液を得ること、前記コンデンサ素子を前記固体電解質溶液に含浸すること、前記固体電解質溶液から前記コンデンサ素子を取り出して乾燥工程を行うこと、および前記コンデンサ素子を組み立てて固体コンデンサを形成することを含む固体コンデンサの製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記製造方法で製造する固体コンデンサを提供する。
本発明の上記およびその他の目的、特徴および利点をさらに明確に理解するため、次に特に実施例を挙げて詳細に説明する。
本発明は、固体コンデンサの破壊電圧を向上させることのできるスルホン酸鉄塩を含むとともに、前記スルホン酸鉄塩を用いて本発明を完成させる電解質組成物と固体コンデンサを完成させる。高電圧の固体コンデンサを開発できれば、その市場は自動車、電源供給装置等に拡大使用でき、コンデンサの価格と利潤を大いに上昇させることが可能になる。
先ず、各式の構造の有機スルホン酸鉄酸化剤を合成する。合成方法としては、塩化鉄と各式の有機スルホン酸分子をメタノール中で加熱して生成される塩酸ガスを用いて、何度か加熱共沸した後、大部分の塩酸不純物が除去され、最後に各式構造の有機スルホン酸鉄を3回再結晶させて、対応する高純度有機スルホン酸鉄を得ることができる。その反応式(1)は下記の通りである。
FeCl+3XH→FeX+3HCl(g)……(1)
式中、Xは、有機スルホン酸イオンを表し、式1、式2、式3、式4または式5に示した構造を有することができる。
Figure 2012094835
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式中、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R51、R52およびR53は、各々独立に、H、C1〜18アルキル基、C1〜18エステル基、C5〜12シクロアルキル基、ニトロ基、スルホ基、ヒドロキシ基、またはアリール基を示し、かつ、前記有機スルホン酸イオンが式1の構造であり、R13がメチル基であるとき、R11、R12、R14およびR15のうち少なくとも1つがHではない。
上記において、「アリール基(aryl)」は、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基(tetrahydronaphthyl)、ビフェニル基(biphenyl)、フェナントリル基(phenanthryl)、アントラシル基(anthracyl)等の単環式または多環式系の炭化水素芳香環を表す。「シクロアルキル基(cycloalkyl)」は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]オクチル基等の、非芳香族の単環性または多環性炭化水素を表し、炭素原子を3〜12個含んでいてもよい。
実施例1
新構造の有機スルホン酸鉄の合成
塩化鉄10ミリモル(mmol)を、200ミリリットル(mL)の水および30mmolの各式構造の有機スルホン酸に添加し、次いで加熱蒸留して100mLの水と副産物の塩化水素を除去するとともに、新たに100mLの純水を補充し、除去と水補充を3回繰り返し、続けて水を減圧蒸留して除去した。得られた固体を適量の水またはメタノールで3〜5回再結晶させ、表1に示したような、対応する有機スルホン酸鉄を得た。
Figure 2012094835
Figure 2012094835
各式のスルホン酸鉄塩の名称は次の通りである。FeCSの名称はカンファースルホン酸鉄塩、FeNSはナフタレンスルホン酸鉄塩、FeDBSはジメチルベンゼンスルホン酸鉄塩、FeATはアントラセンスルホン酸鉄塩、FeMNSは2−メチル−4−ニトロベンゼンスルホン酸鉄塩、FeDBは4−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄塩、FeHBは4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸鉄塩、FeBPAはビフェニル−4−スルホン酸鉄塩、FeIQAはキノリン−8−スルホン酸鉄塩。
このほか、本発明はまた、高電圧固体コンデンサに用いる前記スルホン酸鉄塩酸化剤の製造方法を提供しており、その具体的な手順には、上記各式のスルホン酸鉄塩酸化剤を提供する方法が含まれる。
実施例2
固体コンデンサの製造
エッチング陽極アルミニウム箔と陰極アルミニウム箔にそれぞれリードタブを付け、2つの電極の間をセパレータで仕切り、かつ2つの電極とセパレータを巻回し、最後にテープで固定し、この部品を素子(element)と称する。素子は先ず10%のアジピン酸二アンモニウム水溶液中で50Vの電圧を印加して前記素子表面を酸化処理し、表面に誘導層を形成させた。次いで120℃下で30分乾燥させ、かつ250℃でセパレータを炭化し、冷却して使用に備えた。
上記各式のスルホン酸鉄塩酸化剤を1Mメタノール溶液に調製した。他の実施例において、溶剤は、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、またはn−ブタノール等の炭素数1〜10のアルコール類とすることもできる。上記溶液10mLを、0℃(または0℃以下)に降温し、低温下に1.18gのEDOTを加え、電解質組成物を形成した。
スルホン酸鉄塩酸化剤とEDOTを均一に攪拌した後、前記処理した素子をこの電解質組成物溶液中に含浸した。含浸時の温度範囲は、下記温度範囲−20℃〜−10℃、−10℃〜−5℃、−5℃〜10℃、5℃〜25℃、10℃〜50℃、15℃〜50℃、20℃〜45℃、25℃〜35℃、35℃〜50℃、45℃〜65℃、45℃〜80℃、50℃〜115℃、65℃〜120℃、80℃〜115℃、115℃〜150℃、または前記任意の温度範囲の組合せである例えば、−20℃〜−10℃、−10℃〜−5℃、−5℃〜10℃、10℃〜50℃、50℃〜115℃、115℃〜150℃の勾配温度範囲の組合せとする。換言すれば、−20℃〜150℃の間の勾配温度範囲の組合せである。この電解質組成物溶液中の、スルホン酸鉄塩酸化剤の重量百分率濃度範囲は、下記濃度範囲5%〜40%、10%〜75%、12%〜55%、18%〜74%、25%〜48%、35%〜79%、5%〜80%、7%〜71%、28%〜68%、22%〜72%、および65%〜76%のうちから1つを選択する。さらに、スルホン酸鉄塩酸化剤と前記導電性高分子のモル比の範囲は、下記範囲5:1〜0.5:1、4.5:1〜0.5:2、4.7:1〜0.5:1.5、4.8:1〜0.6:1、4.9:1〜0.3:1.5、4.1:1〜0.8:1、3.8:1〜2.1:1および3.2:1〜1.8:1のうちから1つを選択する。対応的に、導電性高分子の濃度範囲は、下記範囲0.3M〜2M、0.32M〜1.8M、0.35M〜2.5M、0.29M〜2.2M、0.21M〜1.5M、0.6M〜1.2M、1.3M〜1.7M、1.1M〜1.9Mおよび0.7M〜1.1Mのうちから1つを選択する。前記含浸温度範囲、スルホン酸鉄塩酸化剤の重量百分率濃度範囲、スルホン酸鉄塩酸化剤と前記導電性高分子のモル比範囲、および導電性高分子の濃度範囲等パラメータの相互影響下において、コンデンサ素子の含浸時間は5分〜300分の間が好ましい。
含浸完成後、40℃で30分反応させ、かつ温度60℃〜200℃の範囲で1時間乾燥させ、その後、電圧破壊するまで異なる電圧を直に供給した。前記破壊電圧は即ちその耐電圧であり、異なる構造のその耐電圧の結果を表2に示した。鉄塩酸化剤の各々についていずれも3つのコンデンサを作製し、かつその特性を測定した。この実施例において、固体電解質組成物は、導電性高分子と実施例1における各式のスルホン酸鉄塩酸化剤とを含む。具体的には、導電性高分子は、3,4−エチレンジオキシチオフェン、アニリン、ピロール(pyrrole)またはその誘導体とすることができる。さらに本発明はまた、高電圧固体コンデンサに適用される前記固体電解質組成物の製造方法を提供しており、その具体的手順は、前記各式の導電性高分子(好適にはエチレンジオキシチオフェン)と、前記各式のスルホン酸鉄塩酸化剤(好適にはアントラセンスルホン酸鉄塩)を混合する方法を含む。
Figure 2012094835
コンデンサ特性で40V以上の耐電圧試験をパスしたコンデンサの場合、漏れ電流(LC)、容量値(Cs)、エネルギー消費係数(DF)および等価直列抵抗(ESR)のコンデンサ特性を測定し、その結果を表3にまとめた。
Figure 2012094835
実施例のデータからわかるように、各種構造の鉄塩酸化剤を使用すると耐電圧特性への影響が非常に大きい。ナフタレン環(FeNS)またはアントラセン環(FeAT)スルホン酸構造分子を用いた場合、その耐電圧は40V以上に到達可能である。高耐電圧の効果だけでなく、その漏れ電流、容量値、エネルギー消費係数および等価直列抵抗の結果も、製品の規格に合致している。このため、現段階の固体コンデンサ装置の製造に直接適用することができる。
比較例1
従来の鉄塩酸化剤の固体コンデンサにおける耐電圧試験
実施形式は実施例2を参照する。このうち鉄塩酸化剤にp−トルエンスルホン酸鉄(FepTS)を使用した以外は、実施例2と同様とした。耐電圧試験の結果を表4に示した。
Figure 2012094835
表4に示した比較例データから、現段階で使用されているp−トルエンスルホン酸鉄(FepTS)の耐電圧は、高電圧(40V以上)ニーズに達し得ないことがわかる。
本発明の技術内容および技術特徴を上に示したが、当業者は本発明の教示および開示に基づいて本発明の主旨を逸脱しない数多の置換えや修飾を行うことが可能である。したがって、本発明の保護範囲は実施例に示されたものに限らず、本発明を逸脱しない各種の置換えや修飾も含まれるべきであり、また特許請求の範囲に含まれるものである。

Claims (22)

  1. 3価の鉄イオンと、式1、式2、式3、式4または式5で表される構造を有する少なくとも1つの有機スルホン酸イオンとからなるイオン化合物であるスルホン酸鉄塩を含む固体コンデンサ形成用酸化剤。
    Figure 2012094835
    Figure 2012094835
    Figure 2012094835
    Figure 2012094835
    Figure 2012094835
    式中、R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R51、R52およびR53は、各々独立に、H、C1〜18アルキル基、C1〜18エステル基、C5〜12シクロアルキル基、ニトロ基、スルホ基、ヒドロキシ基、またはアリール基を示し、かつ、前記有機スルホン酸イオンが式1の構造であり、R13がメチル基であるとき、R11、R12、R14およびR15のうち少なくとも1つがHではない。
  2. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  3. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  4. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  5. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  6. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  7. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  8. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  9. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  10. 前記有機スルホン酸イオンの構造が、
    Figure 2012094835
    であることを特徴とする請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤。
  11. 溶剤と、
    請求項1に記載の固体コンデンサ形成用酸化剤と、
    導電性高分子と、
    を含む電解質組成物。
  12. 前記導電性高分子は、3,4−エチレンジオキシチオフェン、アニリン、またはピロールであることを特徴とする請求項11に記載の電解質組成物。
  13. 前記固体コンデンサ形成用酸化剤の重量百分率濃度範囲が、前記固体コンデンサ形成用酸化剤と導電性高分子の全重量を基準として、5%〜80%の間であることを特徴とする請求項11に記載の電解質組成物。
  14. 前記固体コンデンサ形成用酸化剤と前記導電性高分子のモル比が、5:1〜0.5:1の間であることを特徴とする請求項11に記載の電解質組成物。
  15. 前記導電性高分子の濃度が、0.3M〜2Mの間であることを特徴とする請求項11に記載の電解質組成物。
  16. 前記溶剤が、炭素数1〜10のアルコール類であることを特徴とする請求項11に記載の電解質組成物。
  17. コンデンサ素子の表面に誘電層を形成する工程、
    前記コンデンサ素子を請求項11に記載の電解質組成物中に含浸する工程、
    コンデンサ素子に吸着した電解質組成物を重合反応させる工程、および
    前記コンデンサ素子を組み立てて固体コンデンサを形成する工程、
    を含む固体コンデンサの製造方法。
  18. 前記コンデンサ素子を請求項11に記載の電解質組成物中に含浸する温度範囲が、−20℃〜150℃の間であることを特徴とする請求項17に記載の固体コンデンサの製造方法。
  19. 前記コンデンサ素子を請求項11に記載の電解質組成物中に含浸する時間が、5分〜300分の間であることを特徴とする請求項17に記載の固体コンデンサの製造方法。
  20. 前記重合反応完了後に、前記コンデンサ素子を乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の固体コンデンサの製造方法。
  21. 前記乾燥工程の温度が、60℃〜200℃の間であることを特徴とする求項21に記載の固体コンデンサの製造方法。
  22. 請求項17に記載の固体コンデンサの製造方法により製造された固体コンデンサ。
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