JP2015199787A - 導電性高分子溶液およびその製造方法、導電性高分子材料、ならびに固体電解コンデンサ - Google Patents

導電性高分子溶液およびその製造方法、導電性高分子材料、ならびに固体電解コンデンサ Download PDF

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寛之 出水
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康久 菅原
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Abstract

【課題】 高い導電率を有する導電性高分子材料を得るための導電性高分子溶液、およびその製造方法、ならびにこの導電性高分子材料を用いた低ESRの固体電解コンデンサを提供すること。【解決手段】 導電性高分子、およびドーパントであるポリ酸からなる混合物と、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を含有し、前記化合物のアニオン基の少なくとも一部が前記導電性高分子にドープしており、前記化合物のカチオン基が前記ポリ酸のアニオン基とイオン結合していることを特徴とする導電性高分子溶液。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子溶液とその製造方法、導電性高分子溶液から得られる導電性高分子材料およびそれを用いた固体電解コンデンサに関する。
導電性高分子材料は、コンデンサの電極、色素増感太陽電池などの電極、エレクトロルミネッセンスディスプレイの電極などに用いられる。このような導電性高分子材料としては、ピロール、チオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、アニリンなどを高分子量化したポリマー材料が知られている。
従来の導電性高分子溶液として、導電性高分子と導電性高分子にドープしたポリ酸から構成されているものがある。特許文献1には、ポリチオフェンからなる導電性高分子とポリ酸からなる構成が開示されている。
特開7−90060号公報
導電性高分子材料の導電率を向上させる手段のひとつに、導電性高分子を配向させる方法がある。導電性高分子は、一般にポリ酸に比べ高分子鎖が短いため、導電性高分子とポリ酸から構成される混合物においては、ポリ酸の配向性が、導電性高分子溶液から得られる導電性高分子材料の導電率に影響する。
特許文献1のような、導電性高分子とポリ酸から構成されている導電性高分子溶液では、ポリ酸の配向性が低いことから、導電性高分子材料の更なる導電率の向上が求められている。
本発明は、高い導電率を有する導電性高分子材料を得るための導電性高分子溶液、およびその製造方法、ならびにこの導電性高分子材料を用いた低ESR(等価直列抵抗)の固体電解コンデンサを提供することである。
本発明は、導電性高分子、およびドーパントであるポリ酸からなる混合物と、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を含有し、前記化合物のアニオン基の少なくとも一部が前記導電性高分子にドープしており、前記化合物のカチオン基が前記ポリ酸のアニオン基とイオン結合していることを特徴とする導電性高分子溶液である。
また、本発明は、前記化合物のアニオン基がスルホ基であることを特徴とする上記の導電性高分子溶液である。
また、本発明は、前記化合物のカチオン基がアミノ基であることを特徴とする上記の導電性高分子溶液である。
また、本発明は、前記導電性高分子が3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体から構成されるポリマーであることを特徴とする上記の導電性高分子溶液である。
また、本発明は、前記ポリ酸はポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする上記の導電性高分子溶液である。
また、本発明は、ドーパントとしてのポリ酸またはその塩を含む、水または水混和有機溶媒中で、導電性高分子のモノマーを、酸化剤を用いて化学酸化重合させて、導電性高分子を含む水溶液を得る第一の工程と、第一の工程で得られた前記水溶液に、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を添加する第二の工程を含むことを特徴とする導電性高分子溶液の製造方法である。
また、本発明は、前記化合物のアニオン基がスルホ基であることを特徴とする上記の導電性高分子溶液の製造方法である。
また、本発明は、前記化合物のカチオン基がアミノ基であることを特徴とする上記の導電性高分子溶液の製造方法である。
また、本発明は、前記導電性高分子が3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体から構成されるポリマーであることを特徴とする上記の導電性高分子溶液の製造方法である。
また、本発明は、前記ポリ酸はポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする上記の導電性高分子溶液の製造方法である。
また、本発明は、上記に記載の導電性高分子溶液を加熱乾燥して溶媒を除去して得られる導電性高分子材料である。
また、本発明は、上記に記載の導電性高分子材料を電解質として有することを特徴とする固体電解コンデンサである。
本発明によれば、導電性高分子とポリ酸からなる混合物と、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を含有し、化合物のアニオン基が導電性高分子にドープし、化合物のカチオン基とポリ酸のアニオン基がイオン結合する構成とすることにより、ポリ酸の配向性が向上し、高い導電率を有する導電性高分子材料を得るための導電性高分子溶液、およびその製造方法、ならびにこの導電性高分子材料を用いた低ESRの固体電解コンデンサを提供することが可能となる。
以下、本実施形態に係る導電性高分子溶液、導電性高分子材料、固体電解コンデンサおよびその製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態に係る導電性高分子溶液は、導電性高分子、およびドーパントであるポリ酸からなる混合物と、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を含有している。この化合物のアニオン基の少なくとも一部は、導電性高分子にドープしており、化合物のカチオン基がポリ酸のアニオン基とイオン結合している。この構成とすることにより、カチオン基とアニオン基を具備する化合物を介して、導電性高分子とポリ酸からなる混合物が整列し、この混合物におけるポリ酸の配向性を向上することができる。
(導電性高分子)
本実施の形態の導電性高分子は、水または水混和性有機溶媒に分散している。本実施の形態に係る導電性高分子としては、π共役系導電性高分子を用いることができ、例えばピロール、チオフェン、アニリン等の繰り返し単位を含む高分子が挙げられる。
具体的には、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびそれらの誘導体が挙げられる。特に、化1式で示される繰り返し単位を含むポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)またはその誘導体が好ましい。
Figure 2015199787
3,4−エチレンジオキシチオフェンの誘導体としては、3,4−(1−ヘキシル)エチレンジオキシチオフェン等の3,4−(1−アルキル)エチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。導電性高分子はホモポリマーでもコポリマーでもよい。また、これらの導電性高分子は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
導電性高分子溶液における導電性高分子の含有量は、溶媒である水または水混和性有機溶媒の少なくとも一方の100質量部に対して、0.1質量部以上、30質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上、20質量部以下であることがより好ましい。
本発明に係る導電性高分子の合成方法は特に限定されないが、例えば、ドーパントを含む溶媒中で導電性高分子を与えるモノマーを、酸化剤を用いて化学酸化重合させることにより合成することができる。
(ポリ酸)
ドーパントとしては、ポリ酸が用いられる。ポリ酸としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等のポリカルボン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸、およびこれらの構造単位を有する共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリ酸としては化2式で示される繰り返し単位を含むポリスチレンスルホン酸が好ましい。
Figure 2015199787
これらのポリ酸は、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。ポリ酸の重量平均分子量は、2000以上、500000以下であることが好ましく、10000以上、200000以下であることがより好ましく、30000以上、100000以下であることがさらに好ましい。
ポリ酸のアニオン基の一部が導電性高分子にドープし、導電性高分子に導電性を付与する。ここで、ポリ酸中には、導電性高分子のドーピングに関与しないフリーのアニオン基が多数存在している。
(溶媒)
本実施の形態に係る導電性高分子溶液は、溶媒として水または水混和性有機溶媒の少なくとも一方を含む。水混和性有機溶媒としては、水と混和する有機溶媒であれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸等のプロトン性極性溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。水混和性有機溶媒としては、ジメチルスルホキシドがより好ましい。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(化合物)
本実施の形態に係る導電性高分子溶液は、ポリ酸の配向性を向上させるために、添加剤として少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を含んでいる。
化合物のアニオン基の少なくとも一部は、導電性高分子にドープしている。したがって、本実施の形態の導電性高分子に対して、ポリ酸と化合物の両方がドーパントとして作用している。
一方、化合物のカチオン基は、ポリ酸の、ドープしていないフリーなアニオン基とイオン結合を形成する。この結果、導電性高分子とポリ酸からなる混合物が整列し、混合物におけるポリ酸の配向性を向上することができる。
少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物において、カチオン基としてはアミノ基、アニオン基としてはスルホ基が好ましい。
アミノ基とスルホ基の両方を具する化合物としては、アミノメタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン− 1−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、2−アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸などが挙げられる。
特に、化3式で表されるp−アミノベンゼンスルホン酸またはその誘導体、さらには、アミノメタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸などのアミノアルキルスルホン酸及びその誘導体が、導電性を良好に与える点から好ましく、この中でも、p−アミノベンゼンスルホン酸またはその誘導体が導電性及び耐熱性の観点から好ましい。これらは、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
Figure 2015199787
(導電性高分子溶液の製造方法)
本実施の形態に係る導電性高分子溶液の製造方法は、ドーパントとしてのポリ酸またはその塩を含む、水または水混和有機溶媒中で、導電性高分子のモノマーを、酸化剤を用いて化学酸化重合させて、導電性高分子を含む水溶液を得る第一の工程と、第一の工程で得られた水溶液に、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を添加する第二の工程を含むことを特徴とする。
上述したように、第一の工程では、ドーパントとしてポリ酸またはその塩を含む、水または水混和有機溶媒中で、導電性高分子を与えるモノマーを、酸化剤を用いて化学酸化重合させる。
ドーパントの使用量は、モノマー1重量部に対して1から100重量部を使用することが好ましく、1〜50重量部を使用することがより好ましい。
酸化剤としては、特に制限はなく、塩化鉄(III)六水和物、無水塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)九水和物、無水硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)n水和物(n=3〜12)、硫酸鉄(III)アンモニウム十二水和物、過塩素酸鉄(III)n水和物(n=1,6)、テトラフルオロホウ酸鉄(III)等の無機酸の鉄(III)塩、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、テトラフルオロホウ酸銅(II)等の無機酸の銅(II)塩、テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩、過酸素水素、オゾン、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、硫酸四アンモニウムセリウム(IV)二水和物、臭素、ヨウ素、p−トルエンスルホン酸鉄(III)等の有機酸の鉄(III)塩を用いることができる。中でも、無機酸もしくは有機酸の鉄塩(III)、または過硫酸塩が好ましく、過硫酸アンモニウムまたはp−トルエンスルホン酸鉄(III)がより好ましく、ドーパントを兼ねる性質を有していることから、p−トルエンスルホン酸鉄(III)がさらに好ましい。酸化剤は、1種でも2種以上でもよい。
酸化剤の使用量は、より穏やかな酸素雰囲気で反応させて高導電率の重合体を得るため、モノマー1重量部に対して0.5〜100重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましい。
化学酸化重合の反応温度は、特に限定されないが、一般的には、使用する溶媒の還流温度付近であり、0〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましい。反応速度が、適性でないと導電性が損なわれる可能性がある。化学酸化重合の反応時間は、酸化剤の種類および投入量、反応温度、攪拌条件などに依存するが、5〜100時間程度である。
第二の工程では、第一の工程で得られた水溶液に、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を添加する。
化合物の添加量は、導電性高分子溶液100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、5〜30重量部が特に好ましい。
導電性高分子溶液に対して、前記化合物を室温にて添加し、24時間攪拌して、導電性高分子溶液を調製する。
(導電性高分子材料)
本実施の形態に係る導電性高分子材料は、上記の導電性高分子溶液を加熱乾燥し、水または水混和性有機溶媒を除去して得られる。溶媒である水または水混和性有機溶媒を除去するための乾燥の温度は、導電性高分子の分解温度以下であれば特に制限されないが、300℃以下が好ましい。本実施の形態に係る導電性高分子材料は、ポリ酸の配向性が向上している構成であるため、高い導電率が得られる。
(固体電解コンデンサ)
本実施の形態に係る固体電解コンデンサは、上記の導電性高分子溶液を加熱乾燥して得られる導電性高分子材料を含む固体電解質層を有する。本実施の形態において、固体電解質を形成する導電性高分子材料が高導電率であるため、低ESRの固体電解コンデンサとなる。
本実施の形態の固体電解コンデンサは、陽極導体上に、誘電体層、固体電解質層、陰極導体がこの順に形成された構造を有している。
陽極導体は、弁作用金属の板、箔または線、弁作用金属の微粒子からなる焼結体、エッチングによって拡面処理された多孔質体金属などによって形成される。弁作用金属としては、タンタル、アルミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウム,タンタルおよびニオブから選択される少なくとも一種の弁作用金属であることが好ましい。
誘電体層は、陽極導体の表面を電解酸化させることで形成できる層であり、焼結体や多孔質体などの空孔部にも形成される。誘電体層の厚みは、電解酸化の電圧によって適宜調整できる。
固体電解質層は、上記の導電性高分子材料を含む。固体電解質層は、単層構造でもよいが、多層構造でもよい。
固体電解質層は、二酸化マンガン、酸化ルテニウムなどの酸化物誘導体、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンコンプレックス塩)などの有機物半導体を含んでいてもよい。
固体電解質層の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、誘電体層上に、導電性高分子溶液を塗布または含浸し、乾燥により溶媒を除去する方法が挙げられる。乾燥して溶媒を除去する際の乾燥温度としては、溶媒除去が可能な温度範囲であれば特に限定されないが、熱による素子劣化防止の観点から300℃未満であることが好ましい。乾燥時間は、乾燥温度によって適宜最適化する必要があるが、導電性が損なわれない範囲であれば特に制限されない。
陰極導体は、導体であれば特に限定されない。例えば、グラファイト等からなるカーボン層と、銀層とからなる2層構造としてもよい。
(実施例1)
重量平均分子量50000のポリスチレンスルホン酸(5g)、3,4−エチレンジオキシチオフェン(1.25g)及び硫酸鉄(III)(0.125g)を水(50ml)に溶解した。この溶液に24時間にわたって空気を導入し、導電性高分子とポリ酸からなる混合物を有する水溶液を得た。
この水溶液100重量部に対して、添加剤であるp−アミノベンゼンスルホン酸を5重量部添加し、この溶液を室温下、24時間攪拌して、導電性高分子溶液を調整した。
得られた導電性高分子溶液をガラス基板上に30μl滴下し、150℃に設定した恒温槽中で完全に溶媒を揮発させて乾燥することで、導電性高分子材料である導電性高分子膜を形成した。
得られた導電性高分子膜の膜厚と、四端子法にて計測した表面抵抗(Ω/□)から、導電率(S/cm)を算出した。
(実施例2)
添加剤であるp−アミノベンゼンスルホン酸の添加量を30重量部とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(実施例3)
添加剤であるp−アミノベンゼンスルホン酸の添加量を50重量部とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(実施例4)
添加剤をo−アミノベンゼンスルホン酸とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(実施例5)
添加剤をm−アミノベンゼンスルホン酸とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(実施例6)
添加剤をアミノメタンスルホン酸とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(実施例7)
添加剤を2−アミノエタンスルホン酸とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(実施例8)
添加剤を3−アミノプロパンスルホン酸とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
(比較例1)
実施例1において、p−アミノベンゼンスルホン酸を添加しない構成とし、それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を製造した。そして、実施例1と同様にして、導電性高分子膜を形成し、その導電率を算出した。
実施例1〜8、比較例1において作製した導電性高分子膜の導電率を表1に示す。
Figure 2015199787
(実施例9)
弁作用金属からなる陽極導体として、エッチングにより拡面処理された3mm×4mmの多孔質アルミニウム箔を用いた。この陽極導体は、表面に誘電体層を備えている。誘電体層を備えた陽極導体の陰極部を、実施例1で製造した導電性高分子溶液に浸漬し引き上げた後、恒温槽中で125℃で乾燥、固化させて、固体電解質層を形成した。そして、固体電解質層の上に、グラファイト層および銀層を順番に形成して、固体電解コンデンサを製造した。
得られた固体電解コンデンサのESRを、LCRメータを用いて100kHzの周波数で測定した。
(実施例10)
実施例2で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(実施例11)
実施例3で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(実施例12)
実施例4で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(実施例13)
実施例5で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(実施例14)
実施例6で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(実施例15)
実施例7で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(実施例16)
実施例8で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
(比較例2)
比較例1で製造した導電性高分子溶液を使用し、それ以外は実施例9と同様にして、固体電解コンデンサを製造した。そして、実施例9と同様に、ESRを測定した。
実施例9〜16、比較例2で製造した固体電解コンデンサのESRを表2に示す。
Figure 2015199787
以上説明したとおり、本発明によれば、導電性高分子溶液においてポリ酸の配向性が向上し、高い導電率を有する導電性高分子材料を得ることが可能となる。また、この導電性高分子材料を用いることにより、低ESRの固体電解コンデンサを提供することが可能となる。

Claims (12)

  1. 導電性高分子、およびドーパントであるポリ酸からなる混合物と、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を含有し、前記化合物のアニオン基の少なくとも一部が前記導電性高分子にドープしており、前記化合物のカチオン基が前記ポリ酸のアニオン基とイオン結合していることを特徴とする導電性高分子溶液。
  2. 前記化合物のアニオン基がスルホ基であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子溶液。
  3. 前記化合物のカチオン基がアミノ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性高分子溶液。
  4. 前記導電性高分子が3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体から構成されるポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性高分子溶液。
  5. 前記ポリ酸はポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性高分子溶液。
  6. ドーパントとしてのポリ酸またはその塩を含む、水または水混和有機溶媒中で、導電性高分子のモノマーを、酸化剤を用いて化学酸化重合させて、導電性高分子を含む水溶液を得る第一の工程と、第一の工程で得られた前記水溶液に、少なくとも1つのカチオン基と少なくとも1つのアニオン基を具備する化合物を添加する第二の工程を含むことを特徴とする導電性高分子溶液の製造方法。
  7. 前記化合物のアニオン基がスルホ基であることを特徴とする請求項6に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
  8. 前記化合物のカチオン基がアミノ基であることを特徴とする請求項6または7に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
  9. 前記導電性高分子が3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体から構成されるポリマーであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の導電性高分子溶液の製造方法。
  10. 前記ポリ酸はポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の導電性高分子溶液の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性高分子溶液を加熱乾燥して溶媒を除去して得られる導電性高分子材料。
  12. 請求項11に記載の導電性高分子材料を電解質として有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
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