JP2007123315A - レドックスキャパシタ用電極の製造方法、その製造方法によって得られうるレドックスキャパシタ用電極、ならびにレドックスキャパシタ。 - Google Patents
レドックスキャパシタ用電極の製造方法、その製造方法によって得られうるレドックスキャパシタ用電極、ならびにレドックスキャパシタ。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】レドックスキャパシタ用電極の作製工程を、簡素する方法を提供する事を目的とする。
【解決手段】上記課題を、下記(A)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。あるいは「少なくとも、下記(A)および(B)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程。(B)前記(A)工程の後、該多孔質電極を、前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体に接触させる工程。」によって、解決する。
【選択図】図1
【解決手段】上記課題を、下記(A)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。あるいは「少なくとも、下記(A)および(B)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程。(B)前記(A)工程の後、該多孔質電極を、前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体に接触させる工程。」によって、解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、レドックス反応を利用する電気化学蓄電素子における電極材料の作製方法に関する。
高エネルギー密度のキャパシタの要求が高まってくる中で、電気化学キャパシタは、小型化、軽量化が容易に可能であるため、小型電子機器の電源やバックアップ用電源、電気自動車やハイブリッド自動車向けの補助電源等として、近年急速に需要が伸びている。
そのような状況下において性能向上、製造手法に関して様々な検討がなされている。
性能向上に関しては、電気自動車用電源に代表される大容量を必要とされるキャパシターや、メモリーバックアップに用いられる小型キャパシタにおいても、低内部抵抗、高重量エネルギー密度、高体積エネルギー密度のキャパシタの開発が望まれている。
電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタを含む)用電極及び電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタを含む)の製造手法に関しては、以下に示すように種々の方法で製造されるものが知られている。
電気二重層キャパシタの製造方法に関して、特許文献1には、分極電極を集電体とせず、炭素質材料、ポリテトラフルオロエチレン及び結着剤を混合し、ペースト状としてから押し出し成型し、これを圧延ロールで圧延してシート状に成型することによって、電気二重層キャパシタを作製する旨が記載されている。
また、特許文献2には、有機溶媒に活性炭粉末とPTFEとを加え、分散液とし、これを金属集電体の表面に塗布した後、乾燥させ、プレス成型して電極を薄膜化することによって、電気二重層キャパシタを作製する旨が記載されている。
電気化学キャパシタに関して、導電性高分子の重合液に炭素材料を分散させておいて化学重合を行い、炭素材料の表面を導電性高分子によって被覆する方法によって、導電性高分子で被覆された炭素材料を得た後、次に特許文献1、2と同様に電極を作製することで、電気化学キャパシタを作製する方法などが有る。
また、有機溶媒に炭素材料および結着剤を加えて分散液とし、これを金属集電体の表面に塗布後乾燥する事によって炭素電極を作製する。次にこれを電極として用い、電解重合を行い炭素電極の表面に導電性高分子の薄膜を形成し、電気化学キャパシタを作製する方法が知られている。
電気化学キャパシタに関しては、電解重合を用いた方法が用いられる事が多く、その工程が煩雑であるが、これまで工程を簡素化する試みは殆ど行なわれていない。
特開平11−283887号公報。
特開平9−36005号公報。
本発明が解決しようとする課題は、レドックスキャパシタ用電極の作製工程を、簡素化する方法を提供する事である。この電極は擬似容量を用いた電気二重層キャパシターの電極材料として適用が可能であるばかりでなく、導電性高分子の酸化還元反応を利用したレドックスキャパシターに広く適用できる。
(1)本発明の第1は、
「下記(A)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。
(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程」、
である。
「下記(A)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。
(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程」、
である。
(2)本発明の第2は、
「少なくとも、下記(A)および(B)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。
(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程。
(B)前記(A)工程の後、該多孔質電極を、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体に接触させる工程」、
である。
「少なくとも、下記(A)および(B)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。
(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程。
(B)前記(A)工程の後、該多孔質電極を、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体に接触させる工程」、
である。
(3)本発明の第3は、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体が、該導電性高分子を溶解しない液体である、(2)記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体が、該導電性高分子を溶解しない液体である、(2)記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(4)本発明の第4は、
前記の導電性高分子が、ポリピロール、ポリピロールの誘導体、ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、ポリパラフェ二レンビニレン、ポリパラフェ二レンビニレンの誘導体、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体、ポリキノン、及びポリキノンの誘導体から選択された少なくとも一種類以上である、(2)〜(3)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の導電性高分子が、ポリピロール、ポリピロールの誘導体、ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、ポリパラフェ二レンビニレン、ポリパラフェ二レンビニレンの誘導体、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体、ポリキノン、及びポリキノンの誘導体から選択された少なくとも一種類以上である、(2)〜(3)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(5)本発明の第5は、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体が、スルホン酸アニオン(−SO3 −)、硫酸アニオン(−SO4 −)、カルボキシラト(−COO−)、BF4 −、PF6 −、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンを含むイオン性液体である、(2)〜(4)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の導電性高分子を溶解可能な液体が、スルホン酸アニオン(−SO3 −)、硫酸アニオン(−SO4 −)、カルボキシラト(−COO−)、BF4 −、PF6 −、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンを含むイオン性液体である、(2)〜(4)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(6)本発明の第6は、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体が、フッ素化アルコールである、(2)〜(4)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の導電性高分子を溶解可能な液体が、フッ素化アルコールである、(2)〜(4)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(7)本発明の第7は、
前記の多孔質電極が、アルミ、ニッケル、これらの合金材料、および炭素から選択される1以上である、(1)〜(6)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の多孔質電極が、アルミ、ニッケル、これらの合金材料、および炭素から選択される1以上である、(1)〜(6)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(8)本発明の第8は、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体が、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、およびヘキサンからなる群から選択される1以上である、(2)〜(7)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体が、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、およびヘキサンからなる群から選択される1以上である、(2)〜(7)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(9)本発明の第9は、
前記の導電性高分子を溶解しない液体が、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、およびヘキサンからなる群から選択される1以上である、(2)〜(8)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記の導電性高分子を溶解しない液体が、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、およびヘキサンからなる群から選択される1以上である、(2)〜(8)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(10)本発明の第10は、
前記(A)工程
および/または
前記(B)工程
が、真空含浸をする工程を含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
前記(A)工程
および/または
前記(B)工程
が、真空含浸をする工程を含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法、
である。
(11)本発明の第11は、
(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法で得られうる、レドックスキャパシタ用電極、
である。
(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法で得られうる、レドックスキャパシタ用電極、
である。
(12)本発明の第12は、
(11)に記載のレドックスキャパシタ用電極を含む、レドックスキャパシタ、
である。
(11)に記載のレドックスキャパシタ用電極を含む、レドックスキャパシタ、
である。
本発明によれば、導電性高分子をポリマー(高分子)状態で多孔質炭素電極へ直接導入できることより、従来では難しかった、レドックスキャパシタ用電極の作製工程を簡素化でき、同時に容量密度、繰り返し特性を向上させることができる。この様な導電性高分子膜と電極との電極複合体は擬似容量を用いた二重層キャパシターの電極材料として適用が可能であり、さらには導電性高分子のレドックス反応を利用したレドックスキャパシターに広く適用可能である。使用する電極材料の材質、表面状態や導電性高分子種を最適化すれば、高容量化が期待される。
上記、「レドックスキャパシタ用電極の作製工程の簡素化」の課題を実現するために、種々の検討を行った。
電極作製工程において電解重合を行う工程の時間が最も長い事より、「モノマー(単量体)を陽極酸化することでポリマー(高分子)を形成する」従来の電解重合にかわり、導電性高分子をポリマーの状態で直接電極へ導入する方法を完成するに至った。
その方法とは、以下の二つの方法である。
一つは「まず導電性高分子を溶解可能なイオン性液体中へ溶解させ、
次にその溶液を多孔質炭素電極の孔中へ真空含浸させる。」方法である。
上記導電性高分子を溶解可能なイオン性液体が、粘度、電位窓の点からそのままデバイスの電解質として使用できる場合は作業時間が短く、最良の方法であり容量・繰り返し特性が良好な電極を得る事ができる。
一つは「まず導電性高分子を溶解可能なイオン性液体中へ溶解させ、
次にその溶液を多孔質炭素電極の孔中へ真空含浸させる。」方法である。
上記導電性高分子を溶解可能なイオン性液体が、粘度、電位窓の点からそのままデバイスの電解質として使用できる場合は作業時間が短く、最良の方法であり容量・繰り返し特性が良好な電極を得る事ができる。
本発明の実施例では、実施例1として多孔質炭素電極の孔中へ真空含浸して導入したイオン性液体を電解質として用いたが、これに限らず、必要であれば他の電解質を追加して使用することも可能である。
二つ目は「まず導電性高分子を溶解可能なイオン性液体中へ溶解させ、
次にその溶液を多孔質炭素電極の孔中へ真空含浸させる。」
続いて溶液を含浸させた多孔質電極を、
「イオン性液体を溶解させるが、導電性高分子を溶解させない液体」
で洗浄する。」方法である。
用いるイオン性液体が、粘度、電位窓の特性が悪く、そのままデバイスの電解質として使用できない場合は、この二つ目の方法を用いる必要がある。
洗浄時に、導電性高分子の電極との接触状態を安定に保つことができれば、適切な電解質と組合わせることで、より高い特性のデバイスを得ることができる。
二つ目は「まず導電性高分子を溶解可能なイオン性液体中へ溶解させ、
次にその溶液を多孔質炭素電極の孔中へ真空含浸させる。」
続いて溶液を含浸させた多孔質電極を、
「イオン性液体を溶解させるが、導電性高分子を溶解させない液体」
で洗浄する。」方法である。
用いるイオン性液体が、粘度、電位窓の特性が悪く、そのままデバイスの電解質として使用できない場合は、この二つ目の方法を用いる必要がある。
洗浄時に、導電性高分子の電極との接触状態を安定に保つことができれば、適切な電解質と組合わせることで、より高い特性のデバイスを得ることができる。
上記二つの方法を使い分ける事で、作製時間を短縮し、かつ特性の良好な電極および、それを用いたレドックスキャパシタを得る事ができる。
実施例で説明するとおり、ピロールを用い、従来の作製方法(電解重合法)と比較実験を行なったところ、本発明の手法を用いる事で、表2に示すとおり電極作製工程時間が短縮される事が確認できた。またその電極を用いた電気化学特性は、表1の結果の通り電解重合で得られた電極を用いた場合よりも優れた特性であった。
<レドックスキャパシタ>
本発明のレドックスキャパシターとは、電気エネルギーの貯蔵と放出に電極材料の酸化還元、電気二重層における充放電、電極表面でのイオンの吸脱着のすべてあるいは一部を利用するものであり、金属酸化物電極系、可逆レドックス溶液系、アンダーポテンシャル系等を含めた電気化学キャパシターの一種である。
本発明のレドックスキャパシターとは、電気エネルギーの貯蔵と放出に電極材料の酸化還元、電気二重層における充放電、電極表面でのイオンの吸脱着のすべてあるいは一部を利用するものであり、金属酸化物電極系、可逆レドックス溶液系、アンダーポテンシャル系等を含めた電気化学キャパシターの一種である。
一般的に、活物質レベルで容量密度120Wh/kg, 出力密度20kw/kg 程度以上で、数秒以内に高速度充放電可能な気化学キャパシターが開発されている。
<レドックスキャパシタ用電極>
本発明のレドックスキャパシター用電極とは、レドックスキャパシタに用いられる電極であり、本発明の多孔質電極と導電性高分子を複合させたものである。構造としては、導電性高分子が多孔質電極の表面に担持されていることが好ましい。
本発明のレドックスキャパシター用電極とは、レドックスキャパシタに用いられる電極であり、本発明の多孔質電極と導電性高分子を複合させたものである。構造としては、導電性高分子が多孔質電極の表面に担持されていることが好ましい。
<導電性高分子>
次に本発明に用いられる導電性高分子(導電性ポリマー)について述べる。
次に本発明に用いられる導電性高分子(導電性ポリマー)について述べる。
本発明に用いられる導電性高分子は特に限定されるものではないが、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリキノン、及びこれらの誘導体が好ましく用いられる。例えば該誘導体の代表的例として、ポリ1−4ジオキシチオフェン、3‐アルキルチオフェン(アルキル基としてはブチル基、へキシル基、オクチル基、ドデシル基、等)、ポリ1,5ジアミノアントラキノン、等を挙げることができる。これらの導電性高分子の合成法としては、化学重合法、電解重合法が好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる導電性高分子のドーパントとしては、特に制限はないが、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルフォン酸イオン、アントラキノン−2−スルホン酸イオン、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸イオン、ポリビニルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、n−プロピルリン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ酸イオン、等を例示する事ができる。
電解重合は、例えば、ピロールモノマーを支持電解質と共に溶媒に溶解し、陽極酸化する事により脱水素重合する方法で、陽極上に導電性高分子であるポリピロールを析出させることができる。一般的に、ポリマーの酸化還元電位はモノマーに比べて低いため、重合過程でさらにポリマー骨格の酸化が進み、それに伴って支持電解質である
アニオン及び/又はカチオンが
ドーパントとしてポリマー中に取り込まれる。
アニオン及び/又はカチオンが
ドーパントとしてポリマー中に取り込まれる。
一方、化学重合は、適当な酸化剤の存在下で、例えばピロールなどの原料モノマーを酸化脱水することで重合し高分子重合体を合成する方法である。酸化剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、あるいは鉄、銅、マンガン等の遷移金属塩が使用できる。化学重合により合成された導電性高分子も、酸化剤のアニオンがドーパントとして重合過程でポリマー中に取り込まれるため、一段階の反応で導電性を有するポリマーを得る事ができる。
<導電性高分子を溶解可能な液体>
本発明の、導電性高分子を溶解可能な液体とは、スルホン酸アニオン(−SO3 −)、硫酸アニオン(−SO4 −)、カルボキシラト(−COO−)、BF4 −、PF6 −、及びビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンを含むイオン性液体である。
本発明の、導電性高分子を溶解可能な液体とは、スルホン酸アニオン(−SO3 −)、硫酸アニオン(−SO4 −)、カルボキシラト(−COO−)、BF4 −、PF6 −、及びビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンを含むイオン性液体である。
導電性高分子を多量に溶かす事ができるという観点では、スルホン酸アニオン(−SO3 −)を用いた物が好ましく、中でもエチルメチルイミダゾリウムパラトルエンスルフォナートが最も好ましい。
本発明の、導電性高分子を溶解可能な液体とは、また、フッ素化アルコールである。
導電性高分子を多量に溶かす事ができるという観点では、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールが好ましい。
<導電性高分子と導電性高分子を溶解可能な液体との混合物>
本発明における<導電性高分子と導電性高分子を溶解可能な液体との混合物>とは
導電性高分子を必須成分とする状態であって、該導電性高分子が
該導電性高分子を溶解可能な液体に分散及び/又は溶解している部分を含む事を特徴とする、混合物を指す。
本発明における<導電性高分子と導電性高分子を溶解可能な液体との混合物>とは
導電性高分子を必須成分とする状態であって、該導電性高分子が
該導電性高分子を溶解可能な液体に分散及び/又は溶解している部分を含む事を特徴とする、混合物を指す。
また、「分散及び/又は溶解している部分を含む」とは、
(A)「分散している部分を含む」場合であってもよいし、
(B)「分散している部分を含む、および、溶解している部分を含む」場合であってもよいし、
(C)「溶解している部分を含む」場合であってもよい。
また、
分散及び/又は溶解している部分の他に、
(D)分散も溶解もしていない部分が含まれていても良い。
(A)「分散している部分を含む」場合であってもよいし、
(B)「分散している部分を含む、および、溶解している部分を含む」場合であってもよいし、
(C)「溶解している部分を含む」場合であってもよい。
また、
分散及び/又は溶解している部分の他に、
(D)分散も溶解もしていない部分が含まれていても良い。
なお、本発明において、「分散している」ことは、以下のようにして、確認することができる。
例えば、よく乾燥した100cm3の二口フラスコに、攪拌ペラとリービッヒ還流管を取りつけ、0.50gの導電性高分子を10mlのイオン性液体に加え、150℃で攪拌し、イオン性液体に導電性高分子を分散・あるいは溶解させる。150℃で30分間加熱後室温に冷却し、イオン性液体をろ過する。ろ紙(東洋濾紙製、No.2)上に炉別された、分散または溶解しきれていない導電性高分子を、水とメタノールで洗浄し乾燥後、重量を測定したところXgである場合を考える。
この場合、「0.50−X」gの導電性高分子は、上記のイオン性液体に、分散していると考えられる。もちろん、分散しているものの中には、溶解しているものが含まれていると、推定される。
なお、上記の「ろ紙」は、同メーカーのホームページ(下記のURL)
(http://www.advantec.co.jp/ japanese/hinran/seihin_index.html)によると、
保留粒子径のカタログ値は5μm(ただし、JISP3801で規定された硫酸バリウムなどを自然濾過したときの漏洩粒子径より求めたもの)である。
(http://www.advantec.co.jp/ japanese/hinran/seihin_index.html)によると、
保留粒子径のカタログ値は5μm(ただし、JISP3801で規定された硫酸バリウムなどを自然濾過したときの漏洩粒子径より求めたもの)である。
<導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体>
本発明における“導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体“とは、“導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体“である限りにおいては、特に限定を受けない。
本発明における“導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体“とは、“導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体“である限りにおいては、特に限定を受けない。
具体的には、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、ヘキサンをあげる事ができる。
<導電性高分子を溶解しない液体>
本発明における“導電性高分子を溶解しない液体”とは、該導電性高分子の溶解度が低い液体よりも、導電性高分子を溶解しない液体であり、特別に導電性高分子の溶解度を規定するものではない。
本発明における“導電性高分子を溶解しない液体”とは、該導電性高分子の溶解度が低い液体よりも、導電性高分子を溶解しない液体であり、特別に導電性高分子の溶解度を規定するものではない。
<多孔質電極>
本発明における多孔質電極とは、電極材料であってもよいし、その電極が電極材料と集電体を兼ねる材料であってもよい。基本的には炭素材料となるが、導電性を持つ樹脂やエッチングアルミであっても問題ない。
炭素材料の場合は、少なくとも活性炭粉末、および/またはグラファイト粉末が含まれることが好ましく、BET比表面積が20m2/g以上である事が好ましい。
本発明における多孔質電極とは、電極材料であってもよいし、その電極が電極材料と集電体を兼ねる材料であってもよい。基本的には炭素材料となるが、導電性を持つ樹脂やエッチングアルミであっても問題ない。
炭素材料の場合は、少なくとも活性炭粉末、および/またはグラファイト粉末が含まれることが好ましく、BET比表面積が20m2/g以上である事が好ましい。
本発明の多孔質電極は、また、アルミ、ニッケル、これらの合金材料、および炭素から選択される1以上であることが好ましい。
比表面積が大きいという観点では、炭素が好ましい。
<接触させる工程>
明細書中での“接触させる工程”とは、多孔質電極と、導電性高分子を溶解させたイオン性液体の接触を例にあげると、実施例で述べた真空含浸法を用いる場合や単に多孔質電極を当該溶液で洗浄する場合など、様々な方法があり一様に決定されるものではない。
明細書中での“接触させる工程”とは、多孔質電極と、導電性高分子を溶解させたイオン性液体の接触を例にあげると、実施例で述べた真空含浸法を用いる場合や単に多孔質電極を当該溶液で洗浄する場合など、様々な方法があり一様に決定されるものではない。
<真空含浸>
本発明の真空含浸とは、多孔質電極内に液体を導入する手段として用いる。真空含浸の方法を用いる事で、多孔質電極内にある空気を完全に追い出し、より多くの孔内に溶液を導入する事ができる。具体的には、<1>→<2>→<3>の手順で作業を行なう。
<1>導入すべき液体が入ったビーカーに多孔質電極を入れて、該電極を該液体に浸す。
<2>前記のビーカー全体を三方コック栓フラスコ(ポンプ等で、真空引きができるものであれば、これだけに限定されない)中に入れる。
<3>前記のフラスコを真空引きする。
本発明の真空含浸とは、多孔質電極内に液体を導入する手段として用いる。真空含浸の方法を用いる事で、多孔質電極内にある空気を完全に追い出し、より多くの孔内に溶液を導入する事ができる。具体的には、<1>→<2>→<3>の手順で作業を行なう。
<1>導入すべき液体が入ったビーカーに多孔質電極を入れて、該電極を該液体に浸す。
<2>前記のビーカー全体を三方コック栓フラスコ(ポンプ等で、真空引きができるものであれば、これだけに限定されない)中に入れる。
<3>前記のフラスコを真空引きする。
(実施例1)
(導電性高分子の合成)
以下の手順に従い、化学重合によりポリピロールの合成を行なった。
(導電性高分子の合成)
以下の手順に従い、化学重合によりポリピロールの合成を行なった。
重合方法はSynthetic Metals 79 (1996)17−22に記載されている方法を参考とした。
3.3重量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)100mlに2.2gの硫酸第二鉄を溶解した酸化剤水溶液に、3.3重量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)100mlに20.1gのピロールを溶解した水溶液を加え、80℃で、24時間良く攪拌した。それを濾紙(東洋濾紙製、No.2)にて濾過、洗浄し、乾燥させてポリピロールを得た。(以下、COP−1と略す)
(イオン性液体の合成)
本発明のイオン性液体の合成例についてのべる。
(イオン性液体の合成)
本発明のイオン性液体の合成例についてのべる。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムパラトルエンスルフォナート(ILS−1と略す):広栄化学より購入した市販品を使用した。
(導電性高分子と導電性高分子を溶解可能な液体の作製)
(1)ILS−1(90重量部)とCOP−1(10重量部)を混合し、スターラーで攪拌後、ろ過を行い目的溶液を得た。(以下、ILS−1+COP−1溶液と略す)
(多孔質電極材料の作製)
以下の製法で作製したカーボンキセロゲルを電極材料に使用した。
(1)ILS−1(90重量部)とCOP−1(10重量部)を混合し、スターラーで攪拌後、ろ過を行い目的溶液を得た。(以下、ILS−1+COP−1溶液と略す)
(多孔質電極材料の作製)
以下の製法で作製したカーボンキセロゲルを電極材料に使用した。
まずレゾルシノール(R)、ホルムアルデヒド(F)、炭酸ナトリウム(C)、水(W)をR/F=0.5(モル比)、R/C=1500、(R+F)/(R+F+C+W)=0.3(重量比)で混合した。
溶液をプラスチック容器内に封入後、20℃で7日、続いて50℃で4日恒温漕内で加熱した。加熱終了後、溶媒をアセトンで置換し、50℃で1日乾燥させ、エアロジェルを得た。
続いて、窒素雰囲気中のマッフル炉内にて2℃/分の速度で室温から1500℃まで昇温後、2℃/分の速度で室温まで降温させる事で、目的のカーボンキセロゲルを得た。BET比表面積は50m2/gであった。
溶液をプラスチック容器内に封入後、20℃で7日、続いて50℃で4日恒温漕内で加熱した。加熱終了後、溶媒をアセトンで置換し、50℃で1日乾燥させ、エアロジェルを得た。
続いて、窒素雰囲気中のマッフル炉内にて2℃/分の速度で室温から1500℃まで昇温後、2℃/分の速度で室温まで降温させる事で、目的のカーボンキセロゲルを得た。BET比表面積は50m2/gであった。
(電極の作製)
本発明の、ドープ・脱ドープ利用型電気二重層コンデンサ(レドックスキャパシター)用電極の作製について述べる。
本発明の、ドープ・脱ドープ利用型電気二重層コンデンサ(レドックスキャパシター)用電極の作製について述べる。
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
カーボンキセロゲル(80重量部)、ポリフッカビニリデン(10重量部)、グラファイト粉末(10重量部)、N−メチル2ピロリドンからなる混合物を良く混錬した。
溶媒のN−メチル2ピロリドンはカーボンキセロゲルと同量用いた。なお、用いたグラファイト粉末は平均粒径4μm、比表面積20m2/gのものである。
カーボンキセロゲル(80重量部)、ポリフッカビニリデン(10重量部)、グラファイト粉末(10重量部)、N−メチル2ピロリドンからなる混合物を良く混錬した。
溶媒のN−メチル2ピロリドンはカーボンキセロゲルと同量用いた。なお、用いたグラファイト粉末は平均粒径4μm、比表面積20m2/gのものである。
この混錬物を表面エッチングしたアルミニウム箔(厚さ20μm)の集電体全体が覆われる様に厚さ200μm(アルミニウム箔の20μmを含まない)になるように塗布し、その後150℃で加熱処理後、圧延を行い混錬物部分の厚み60μmの電極(アルミニウム箔の20μmを含まない)とし、それをφ10mm(約5mg)に打ち抜き電極とした(以下、炭素電極−1と略す)。
(B)真空含浸による導電性高分子/炭素複合電極の作製
まず前記のILS−1+COP−1溶液10cc(10cm3)をビーカー中に入れ、(A)で得られた電極をその中に沈めた。その後、前記の溶液と電極が入っているビーカーを三方コック栓フラスコ(約、体積200cm3)中に入れ、フラスコを真空引きすることで、電極間の隙間にILS−1+COP−1溶液を導入した。なお、真空引きの条件は、ポンプ(アルバック社製GCD−136X)を使用して、0.1〜1mmHgの範囲で30分間保持する条件である。(以下、COP炭素複合電極−1と略す。)
まず前記のILS−1+COP−1溶液10cc(10cm3)をビーカー中に入れ、(A)で得られた電極をその中に沈めた。その後、前記の溶液と電極が入っているビーカーを三方コック栓フラスコ(約、体積200cm3)中に入れ、フラスコを真空引きすることで、電極間の隙間にILS−1+COP−1溶液を導入した。なお、真空引きの条件は、ポンプ(アルバック社製GCD−136X)を使用して、0.1〜1mmHgの範囲で30分間保持する条件である。(以下、COP炭素複合電極−1と略す。)
(試験セルの組立て)
上記の方法で作製したCOP炭素複合電極−1を用い、図1に示すセルを作製した。
01、02はそれぞれCOP炭素複合電極−1、電解液、03は多孔性のセパレータ、04、05は電極端子、06は電気絶縁性のガスケットである。
上記の方法で作製したCOP炭素複合電極−1を用い、図1に示すセルを作製した。
01、02はそれぞれCOP炭素複合電極−1、電解液、03は多孔性のセパレータ、04、05は電極端子、06は電気絶縁性のガスケットである。
尚、電解液にはILS−1を使用した。(詳細には、炭素複合電極内に含まれるILS−1を使用したため、電解質として別途加えてはいない。)
(特性の測定・評価)
上記の方法で作製したセルをもちいて、50mA/gの定電流充放電試験を0V〜2.5Vの範囲で実施した。容量は、アニオンの脱ドープの放電曲線を積分することにより算出した。得られた容量を規格化するために、集電体部分をのぞいた複合体電極の重量を測定し単位グラムあたりの容量を計算した。この様な充電放電の反応を繰り返し実施し、容量変化を測定する事により、その繰り返し安定性を評価した。なお、初期容量として容量が安定する5サイクル目の値を採用し、1000回繰り返し後の容量値との比較を行いドープ、脱ドープ反応の繰り返し安定性の評価とした。各実施例及び各比較例の特性評価結果を表に示す。
(特性の測定・評価)
上記の方法で作製したセルをもちいて、50mA/gの定電流充放電試験を0V〜2.5Vの範囲で実施した。容量は、アニオンの脱ドープの放電曲線を積分することにより算出した。得られた容量を規格化するために、集電体部分をのぞいた複合体電極の重量を測定し単位グラムあたりの容量を計算した。この様な充電放電の反応を繰り返し実施し、容量変化を測定する事により、その繰り返し安定性を評価した。なお、初期容量として容量が安定する5サイクル目の値を採用し、1000回繰り返し後の容量値との比較を行いドープ、脱ドープ反応の繰り返し安定性の評価とした。各実施例及び各比較例の特性評価結果を表に示す。
(実施例2)
(導電性高分子の合成)
実施例1と同じ。
(導電性高分子の合成)
実施例1と同じ。
(イオン性液体の合成)
ILS−1を使用した。
ILS−1を使用した。
(導電性高分子と導電性高分子を溶解可能な液体の作製)
実施例1と同じ
(多孔質電極材料の作製)
実施例1と同じ。
実施例1と同じ
(多孔質電極材料の作製)
実施例1と同じ。
(電極の作製)
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
実施例1と同じ。
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
実施例1と同じ。
(B)真空含浸による導電性高分子/炭素複合電極の作製
実施例1と同様の作業を行い、電極間の隙間にILS−1+COP−1溶液を導入した。
実施例1と同様の作業を行い、電極間の隙間にILS−1+COP−1溶液を導入した。
続いて電極をアセトニトリル溶液で洗浄することでILS−1を除去し、その後アセトニトリルを取り除くため70℃下15分間乾燥させ、目的の複合電極を得た。(以下、COP炭素複合電極−2と略す)
(試験セルの組立て)
上記の方法で作製したCOP炭素複合電極−2を用い、図1に示すセルを作製した。
(試験セルの組立て)
上記の方法で作製したCOP炭素複合電極−2を用い、図1に示すセルを作製した。
尚、電解液には広栄化学製の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオボレートを使用した。
(特性の測定・評価)
実施例1と同じ。
実施例1と同じ。
(実施例3)
(導電性高分子の合成)
実施例1と同じ。
(導電性高分子の合成)
実施例1と同じ。
(イオン性液体の合成)
ILS−1を使用した。
ILS−1を使用した。
(導電性高分子と導電性高分子を溶解可能な液体の作製)
実施例1と同じ
(多孔質電極材料の作製)
実施例1と同じ。
実施例1と同じ
(多孔質電極材料の作製)
実施例1と同じ。
(電極の作製)
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
実施例1と同じ。
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
実施例1と同じ。
(B)真空含浸による導電性高分子/炭素複合電極の作製
実施例2と同じ。(以下、COP炭素複合電極−3と略す)
(試験セルの組立て)
上記の方法で作製したCOP炭素複合電極−3を用い、図1に示すセルを作製した。
実施例2と同じ。(以下、COP炭素複合電極−3と略す)
(試験セルの組立て)
上記の方法で作製したCOP炭素複合電極−3を用い、図1に示すセルを作製した。
尚、電解液には三和油化製の1MテトラエチルアンモニウムテトラフルオボレートのPC(プロピレンカーボネート)溶液を使用した。
(特性の測定・評価)
実施例1と同じ。
実施例1と同じ。
(比較例1)
(従来の方法(電解重合法)による複合電極作製)
多孔質電極材料の作製については比較例と同様の方法を用いた。電極の作製に関しては、(A)アルミ集電体多孔質電極の作製については、実施例と同様の方法を用いたが、(B)アルミ集電体多孔質炭素電極中へのピロールモノマーの導入および、(C)電解重合による導電性高分子/炭素複合電極の作製については、異なる方法を用いた。
詳しくは以下の通りである。
(従来の方法(電解重合法)による複合電極作製)
多孔質電極材料の作製については比較例と同様の方法を用いた。電極の作製に関しては、(A)アルミ集電体多孔質電極の作製については、実施例と同様の方法を用いたが、(B)アルミ集電体多孔質炭素電極中へのピロールモノマーの導入および、(C)電解重合による導電性高分子/炭素複合電極の作製については、異なる方法を用いた。
詳しくは以下の通りである。
(多孔質電極材料の作製)
実施例1と同様の方法で作製した。
実施例1と同様の方法で作製した。
(電極の作製)
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
実施例1と同様の方法で作製した。
(B)アルミ集電体多孔質炭素電極中へのピロールモノマーの導入
まず、ピロールモノマー(10cc(10cm3))が入っているビーカー中に電極を沈めた。次に、該ビーカー(前記の溶液と電極が入っている)を三方コック栓フラスコ(約、体積200cm3)中に入れ、フラスコを真空引きすることで、材料の隙間にピロールモノマーを導入した。なお、真空引きの条件は、ポンプ(アルバック社製GCD−136X)を使用して、50mmHgの範囲で30分間保持する条件である。
(A)アルミ集電体多孔質炭素電極の作製
実施例1と同様の方法で作製した。
(B)アルミ集電体多孔質炭素電極中へのピロールモノマーの導入
まず、ピロールモノマー(10cc(10cm3))が入っているビーカー中に電極を沈めた。次に、該ビーカー(前記の溶液と電極が入っている)を三方コック栓フラスコ(約、体積200cm3)中に入れ、フラスコを真空引きすることで、材料の隙間にピロールモノマーを導入した。なお、真空引きの条件は、ポンプ(アルバック社製GCD−136X)を使用して、50mmHgの範囲で30分間保持する条件である。
続いて、アセトニトリルで電極表面を洗浄した。
(C)電解重合による導電性高分子/炭素複合電極の作製
上記で作製したピロールモノマー含有炭素電極上への導電性高分子膜形成を以下の手順で行なった。
まずピロールモノマー含有炭素電極を、アセトニトリルを溶媒とした1M(1mol/L)テトラブチルアンモニウムテトラフルオボレートのアセトニトリル溶液中に配置した。
続いて、炭素電極に1.5Vの定電圧を50分間印加して電解重合反応をおこない、電解重合ポリピロール層を炭素電極上に形成した(以下、COP炭素複合電極−4と略す)。
(C)電解重合による導電性高分子/炭素複合電極の作製
上記で作製したピロールモノマー含有炭素電極上への導電性高分子膜形成を以下の手順で行なった。
まずピロールモノマー含有炭素電極を、アセトニトリルを溶媒とした1M(1mol/L)テトラブチルアンモニウムテトラフルオボレートのアセトニトリル溶液中に配置した。
続いて、炭素電極に1.5Vの定電圧を50分間印加して電解重合反応をおこない、電解重合ポリピロール層を炭素電極上に形成した(以下、COP炭素複合電極−4と略す)。
(試験セルの組立て)
COP炭素複合電極−1の代りにCOP炭素複合電極−4を用いた以外は、実施例1と同じ方法でセルを組み立てた。
(特性の測定・評価)
実施例1と同じ。
COP炭素複合電極−1の代りにCOP炭素複合電極−4を用いた以外は、実施例1と同じ方法でセルを組み立てた。
(特性の測定・評価)
実施例1と同じ。
(まとめ)
ピロールを用い、従来の作製方法(電解重合法)と比較実験を行なったところ、本発明の手法を用いる事で、表2に示すとおり電極作製工程時間が短縮される事が確認できた。またその電極を用いた電気化学特性は、表1の結果の通り電解重合で得られた電極を用いた場合よりも優れた特性であった。
ピロールを用い、従来の作製方法(電解重合法)と比較実験を行なったところ、本発明の手法を用いる事で、表2に示すとおり電極作製工程時間が短縮される事が確認できた。またその電極を用いた電気化学特性は、表1の結果の通り電解重合で得られた電極を用いた場合よりも優れた特性であった。
01 COP炭素複合電極−1
02 電解液
03 多孔性のセパレータ
04 電極端子
05 電極端子
06 電気絶縁性のガスケット
02 電解液
03 多孔性のセパレータ
04 電極端子
05 電極端子
06 電気絶縁性のガスケット
Claims (12)
- 下記(A)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。
(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程。 - 少なくとも、下記(A)および(B)の工程を含む製造方法で得られうるレドックスキャパシタ用電極の製造方法。
(A)導電性高分子と、導電性高分子を溶解可能な液体との、混合物を、多孔質電極に接触させる工程。
(B)前記(A)工程の後、該多孔質電極を、
前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体に接触させる工程。 - 前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体が、該導電性高分子を溶解しない液体である、請求項2記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記の導電性高分子が、ポリピロール、ポリピロールの誘導体、ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、ポリパラフェ二レンビニレン、ポリパラフェ二レンビニレンの誘導体、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体、ポリキノン、及びポリキノンの誘導体から選択された少なくとも一種類以上である、請求項2〜3のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記の導電性高分子を溶解可能な液体が、スルホン酸アニオン(−SO3 −)、硫酸アニオン(−SO4 −)、カルボキシラト(−COO−)、BF4 −、PF6 −、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンを含むイオン性液体である、請求項2〜4のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記の導電性高分子を溶解可能な液体が、フッ素化アルコールである、請求項2〜4のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記の多孔質電極が、アルミ、ニッケル、これらの合金材料、および炭素から選択される1以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記の導電性高分子を溶解可能な液体よりも該導電性高分子の溶解度が低い液体が、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、およびヘキサンからなる群から選択される1以上である、請求項2〜7のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記の導電性高分子を溶解しない液体が、水、メタノール、エタノール、アセトン、DMF、DMSO、およびヘキサンからなる群から選択される1以上である、請求項2〜8のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。
- 前記(A)工程
および/または
前記(B)工程
が、真空含浸をする工程を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の、レドックスキャパシタ用電極の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法で得られうる、レドックスキャパシタ用電極。
- 請求項11に記載のレドックスキャパシタ用電極を含む、レドックスキャパシタ。
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- 2005-10-25 JP JP2005309510A patent/JP2007123315A/ja active Pending
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