JP6610264B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に係り、特に、80V以上の高圧用途に好適な固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
タンタルあるいはアルミニウム等のような弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッチング箔等の形状にして誘電体を拡面化することにより、小型で大きな容量を得ることができることから、広く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実装に適している等の特質を備えていることから、電子機器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものとなっている。
この種の固体電解コンデンサにおいて、小型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在させて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料としては、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属が用いられる。
また、固体電解コンデンサに用いられる固体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られているが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTと記す)等の導電性ポリマーに着目した技術(特許文献1)が存在している。
このような巻回型のコンデンサ素子にPEDOT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成するタイプの固体電解コンデンサは、以下のようにして作製される。まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる陽極箔の表面を塩化物水溶液中での電気化学的なエッチング処理により粗面化して、多数のエッチングピットを形成した後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜層を形成する(化成)。陽極箔と同様に、陰極箔もアルミニウム等の弁作用金属からなり、その表面にはエッチング処理を施される。
このようにして表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰極箔とを、セパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。続いて、修復化成を施したコンデンサ素子に、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTと記す)等の重合性モノマーと酸化剤溶液をそれぞれ吐出し、あるいは両者の混合液に浸漬して、コンデンサ素子内で重合反応を促進し、PEDOT等の導電性ポリマーからなる固体電解質層を生成する。その後、このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納して固体電解コンデンサを作製する。
また、ポリピロール又はポリアニリンを含む導電性ポリマーと、γ−ブチロラクトン又はエチレングリコールを含む電解液とを組み合わせて用いて、電解液による化成皮膜の欠陥部の修復作用により、漏れ電流を低減するとともにESRを改善することが行われている(特許文献2)。
特開平2−15611号公報 特開平11−186110号公報
ところで、近年、車載用や一般電源回路用として用いられるような25Vや63V程度の低圧用途のみならず、80V以上の高圧用途に使用すべく、高温でのESR特性が良好な固体電解コンデンサが要望されている。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、高温でのESR特性が良好な固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、種々検討を重ねた結果、80Vを超える高圧領域において、コンデンサ素子に充填する電解液の溶質として芳香族カルボン酸のアンモニウム塩を用いることで高温でのESR特性が良好になるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の固体電解コンデンサは、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子の粒子が溶媒に分散した導電性高分子分散体を用いて固体電解質層を形成するとともに、該固体電解質層が形成されたコンデンサ
素子内の空隙部に、溶質として芳香族カルボン酸のアンモニウム塩を10wt%以下含有した電解液を充填させたことを特徴とする。
また、前記のような固体電解コンデンサを製造するための方法も本発明の1つである。
本発明によれば、高圧領域における高温でのESR特性が良好な固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る固体電解コンデンサを製造するための代表的な製造手順を開示しつつ、本発明を更に詳しく説明する。
(固体電解コンデンサの製造方法)
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法の一例は、以下の通りである。すなわち、表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に修復化成を施す(第1の工程)。続いて、このコンデンサ素子に、導電性高分子の粒子が溶媒に分散した導電性高分子分散体を含浸させて固体電解質層を形成する(第2の工程)。その後、このコンデンサ素子を所定の電解液に浸漬して、固体電解質層が形成されたコンデンサ素子内の空隙部にこの電解液を充填する(第3の工程)。そして、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した後、エージングを行い、固体電解コンデンサを形成する(第4の工程)。
(第1の工程における修復化成の化成液)
修復化成の化成液としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。また、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
(第2の工程における導電性高分子分散体)
導電性高分子分散体は、PEDOTの粉末とポリスチレンスルホン酸からなるドーパントの固形分を混合したものが好ましい。また、導電性高分子分散体の溶媒は、導電性高分子の粒子または粉末が溶解するものであれば良く、主として水が用いられる。ただし、必要に応じて分散体の溶媒としてエチレングリコールを単独又は混合して用いてもよい。分散体の溶媒としてエチレングリコールを用いると、製品の電気的特性のうち、特にESRを低減できることが判明している。なお、導電性高分子分散体の含浸性、電導度の向上のため、導電性高分子分散体に各種添加剤を添加したり、カチオン添加による中和を行っても良い。
(導電性高分子分散体への含浸)
コンデンサ素子を導電性高分子分散体に含浸する時間は、コンデンサ素子の大きさによって決まるが、φ5×3L程度のコンデンサ素子では5秒以上、φ9×5L程度のコンデンサ素子では10秒以上が望ましく、最低でも5秒間は含浸することが必要である。なお、長時間含浸しても特性上の弊害はない。また、このように含浸した後、減圧状態で保持すると好適である。その理由は、揮発性溶媒の残留量が少なくなるためであると考えられる。また、導電性高分子分散体の含浸ならびに乾燥は、必要に応じて複数回行ってもよい。
(第3の工程における電解液)
電解液に使用できる溶媒としては、その沸点が、寿命試験温度である120℃以上の溶媒を用いることが好ましい。溶媒の例としては、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールなどの多価アルコール、スルホラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールなどの低分子量の多価アルコールがよく、特に、エチレングリコールを含む溶媒を用いると、初期のESR特性が良好となり、さらに高温特性も良好となる。
即ち、エチレングリコールなどの多価アルコールを含む溶媒を用いた場合、エチレングリコールを含まない溶媒を用いた場合と比較して、初期のESRが低下するとともに、長時間の使用において静電容量の変化率(ΔCap)が小さいことが判明している。その理由は、エチレングリコールは、導電性ポリマーのポリマー鎖の伸張を促進する効果があるため、電導度が向上し、ESRが低下すると考えられる。また、γ−ブチロラクトンやスルホランよりも、エチレングリコールのようなヒドロキシル基を有するプロトン性溶媒の方がセパレータや電極箔、導電性ポリマーとの親和性が高いため、電解コンデンサ使用時の電解質溶液が蒸散する過程において、セパレータや電極箔、導電性ポリマーと電解質溶液との間で電荷の受け渡しが行われやすく、ΔCapが小さくなると考えられる。また、混合溶媒中におけるエチレングリコールの添加量は、好ましくは5wt%以上、さらに好ましくは40wt%以上、最も好ましくは60wt%以上である。
また、電解質溶液の溶媒としてγ−ブチロラクトンを所定量添加させることで、電解質溶液のコンデンサ素子への含浸性を改善できる。比較的粘性の高いエチレングリコールと粘性が低いγ−ブチロラクトンを用いることで、コンデンサ素子への含浸性を高め、初期特性及び長時間の使用での良好な特性を維持とともに、低温での充放電特性が良好となる。混合溶媒中におけるγ−ブチロラクトンの添加量は、好ましくは、40wt%以下である。
さらに、イオン伝導性物質のエチレングリコール溶媒に、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランから選ばれる少なくとも1種の溶媒を追加的に用いてもよい。これらスルホラン系の溶媒は高沸点であるため、電解質溶液の蒸散を抑制し、高温特性が良好になる。混合溶媒中のこれらスルホラン系の溶媒の添加量は、好ましくは、40wt%以下である。
電解質の溶質としては、芳香族カルボン酸のアンモニウム塩が挙げられる。この芳香族カルボン酸としては、安息香酸若しくはナフトエ酸等の芳香族モノカルボン酸、又はサリチル酸、マンデル酸若しくはヒドロキシナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシモノカルボン酸であることが好ましい。
特に、溶質としてカルボン酸塩を用い、溶媒としてエチレングリコールなどの多価アルコールを用いた電解液においては、固体電解コンデンサが熱雰囲気下に晒されることで電解液中のエステル化反応によって多価アルコールとカルボン酸のエステルが生成される。アミン塩などにおいては、このエステル化反応によってアミニウムイオンがプロトンを失ってガス化するが、沸点が高いため、コンデンサケース内に残留し、この結果電解液のpHが過剰に変化することになり、導電性高分子の劣化が生じ易くなるが、本発明のように溶質として用いた芳香族カルボン酸のアンモニウム塩においては、エステル化によってアンモニウムイオンがプロトンを失ってガス化して蒸散していくため、熱雰囲気下に晒されることで電解液のpHの過剰な変化が生じにくく、導電性高分子の劣化が低減されると考えられる。
また、種々の溶質を評価した結果、芳香族カルボン酸のアンモニウム塩は、電解液としての化成性の向上に加え、導電性高分子との相性が良く、高温耐久試験における導電性高分子層を劣化させにくいものと考えられ、これは溶質濃度が低いほど導電性高分子層の劣化が抑制されるものと考えられる。
上記電解液においては、後述する実施例の結果からも明らかなとおり、芳香族カルボン酸のアンモニウム塩を用いた溶質の添加量を好ましくは10wt%以下、より好ましくは7wt%以下、最も好ましくは5wt%未満とする。
さらに、電解質溶液の添加剤として、ポリオキシエチレングリコール、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコールとの錯化合物、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)、リン酸エステルなどが挙げられる。
(電解液の充填条件)
上記のような電解液をコンデンサ素子に充填する場合、その充填量は、コンデンサ素子内の空隙部に充填できれば任意であるが、コンデンサ素子内の空隙部の3〜100%が好ましい。
(作用・効果)
上記のように、コンデンサ素子内に導電性ポリマーを形成した後、このコンデンサ素子を所定の電解液に含浸させて、コンデンサ素子内の空隙部にこの電解液を充填することにより、耐電圧特性が著しく向上するとともに高温でのESR特性が良好になる。
この理由については、上記のとおり作製したコンデンサ素子内には従来のような重合反応残余物がそもそも存在せず、導電性ポリマーの耐電圧より低い反応残余物による耐電圧の低下を抑制できる結果、耐電圧を向上させるためと考えられる。また、上述したように、芳香族カルボン酸のアンモニウム塩を用いることにより、電解液としての化成性の向上に加え、導電性高分子との相性が向上し、高温耐久試験における導電性高分子層の劣化が抑制されるものと考えられる。
続いて、以下のようにして製造した実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
まず、以下の各実施例1、2、5〜9及び比較例1、2の評価のために作成されるコンデンサ素子及び固体電解コンデンサは次の通りである。すなわち、表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極箔をセパレータを介して巻回して、素子形状が10φ×12.5Lのコンデンサ素子を形成した。そして、このコンデンサ素子をリン酸二水素アンモニウム水溶液に40分間浸漬して、修復化成を行った。その後、PEDOTの微粒子とポリスチレンスルホン酸を水溶液に分散した導電性高分子分散体に浸漬し、コンデンサ素子を引き上げて約150℃で乾燥した。さらに、このコンデンサ素子の導電性高分子分散体への浸漬−乾燥を複数回繰り返して、コンデンサ素子に導電性高分子からなる導電性高分子層を形成した。その後、このコンデンサ素子に、表1に示すように、芳香族カルボン酸のアンモニウム塩の電解液を充填した(実施例1、2)。また、塩としてアンモニウム以外のトリエチルアミンを用いた電解液を充填した(比較例1、2)。そして、これらのコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した。その後に、電圧印加によってエージングを行い、固体電解コンデンサを形成した。なお、この固体電解コンデンサの定格電圧は100WV、定格容量は33μFである。
Figure 0006610264
実施例1、2および比較例1、2で作製した固体電解コンデンサの初期のESR特性および125℃、1500時間無負荷放置試験を行ったときのESR特性、ΔCapの結果を表1に併せて示す。なお、本明細書において、ESR特性はすべて100kHz(20℃)における値を示している。
表1の結果より、実施例1と比較例1を比較すると、初期のESRは同等であるものの、塩として安息香酸アンモニウムを用いた実施例1の方が安息香酸トリエチルアミンを用いた比較例1より高温試験後において特性劣化が小さいことが分かった。
また、実施例2と比較例2を比較すると、初期のESRは同等であるものの、塩としてサリチル酸アンモニウムを用いた実施例2の方がサリチル酸トリエチルアミンを用いた比較例2より高温試験後において特性劣化が小さいことが分かった。
次に、表2に示すように、エチレングリコールと安息香酸アンモニウムとの配合比を変化させた電解液を作製し(実施例5〜実施例9)、これらの電解液の耐電圧を評価した。実施例5〜9で作製した電解液を測定用のコンデンサ素子に含浸し耐電圧を測定した結果を表2に示す。測定方法は、酸化皮膜を有する陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に実施例5〜9で作製した電解液を含浸し、10mAの電流密度で室温下でブレークダウン電圧を測定した。
Figure 0006610264
表2の結果より、安息香酸アンモニウムの量が13wt%では耐電圧が320Vであったが(実施例9)、10wt%で350V(実施例8)、7wt%で400V(実施例7)、3wt%で420V(実施例6)、1wt%で430V(実施例5)となり、溶質の安息香酸アンモニウムの量が減少するに従って耐電圧が向上した。
このため、安息香酸アンモニウムの量を特に10wt%以下、特に7wt%以下とすることにより、耐電圧が飛躍的に向上することが判明した。
更に、表3に示すように、エチレングリコールと安息香酸アンモニウムとの配合比を変化させた実施例1、実施例5〜9の電解液を充填した各固体電解コンデンサに関し、ESRとtanδの初期特性および150℃、2000時間無負荷放置後の特性を評価した。tanδは120Hzにおける値を示している。コンデンサ素子の素子形状は10φ×12.5Lであり、固体電解コンデンサの定格電圧は100WV、定格容量は33μFである。
Figure 0006610264
表3の結果より、初期のESR及びtanδは実施例1、実施例5〜9の全てが同等であったが、150℃、2000時間無負荷放置後については、安息香酸アンモニウムの量が減少するに従って特性劣化の程度が小さくなっている。特に、実施例9に対して実施例1、実施例5〜8を比較すると、安息香酸アンモニウムの量を10wt%以下とすることにより、特性劣化の程度が著しく小さくなり、また実施例8に対して実施例1、実施例5〜7を比較すると、7wt%以下とすることにより、更に特性劣化の程度が小さくなっていることがわかる。
このため、安息香酸アンモニウムの量を特に10wt%以下、望ましくは7wt%以下とすることにより、ESR及びtanδの特性劣化を更に抑制できることが判明した。

Claims (7)

  1. 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子の粒子が溶媒に分散した導電性高分子分散体を用いて固体電解質層を形成するとともに、該固体電解質層が形成されたコンデンサ素子内の空隙部に、溶質として芳香族カルボン酸のアンモニウム塩を10wt%以下含有した電解液を充填させたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記芳香族カルボン酸は、芳香族モノカルボン酸又は芳香族ヒドロキシモノカルボン酸であることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記芳香族モノカルボン酸は、安息香酸又はナフトエ酸であることを特徴とする請求項2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記芳香族ヒドロキシモノカルボン酸は、サリチル酸、マンデル酸又はヒドロキシナフトエ酸であることを特徴とする請求項2記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記電解液の溶媒として多価アルコールを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記溶質の濃度がwt%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  7. 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子の粒子が溶媒に分散した導電性高分子分散体を含浸させて固体電解質層を形成する工程と、該固体電解質層が形成されたコンデンサ素子内の空隙部に、溶質として芳香族カルボン酸のアンモニウム塩を10wt%以下含有した電解液を含浸させる工程と、を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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