JP7210004B2 - 電解コンデンサ用の電解液及び電解コンデンサ - Google Patents
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(1)表面に誘電体酸化被膜層を有する陽極箔、陰極箔、及び固体電解質層を有するコンデンサ素子と、該コンデンサ素子に含浸された電解液と、を有する電解コンデンサ用の電解液であり、
前記電解液が、ヒドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する有機化合物と無機酸との複合化合物若しくはその塩を含有する有機溶媒からなることを特徴とする電解コンデンサ用の電解液。
(3)前記縮合環がナフタレンである、上記(1)に記載の電解コンデンサ用の電解液。
(4)前記無機酸がホウ酸である、上記(1)~(3)のいずれかに1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
(5)前記複合化合物の塩が、アンモニア、又は1~4級アミンとの塩である、上記(1)~(4)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
(6)前記複合化合物の塩が、3級アミンとの塩である、上記(1)~(5)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
(8)前記溶媒が、ポリアルキレングリコール、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はベンジルアルコールである、上記(1)~(7)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
(10)さらに、ニトロ化合物からなる添加物を含有する、上記(1)~(9)のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
(11)上記(1)~(10)のいずれか1項に記載の電解液を使用する電解コンデンサ。
本発明の電解液は、表面に誘電性酸化被膜層を有する陽極及び陰極、固体電解質を有するコンデンサ素子と、該コンデンサ素子に含浸された電解液と、を有する電解コンデンサに使用される。
本発明で使用する固体電解質は、ドーパント成分をドープした導電性ポリマーである。導電性ポリマーとしては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン又はそれらの誘導体が用いられる。
上記のなかでも、電解コンデンサのESRが低い点が優れる、3,4-エチレンジオキシチオフェン、メチル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、エチル-3,4-エチレンジオキシチオフェンが特に好ましい。
ドーパント成分として、具体的には、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、又はこれらの金属塩等が挙げられる。これらは単独の重合体であっても、2種類以上の共重合体であってもよい。これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
また、導電性ポリマー分散液又は溶液には、成膜性、膜強度を調整するために、バインダ樹脂、界面活性剤、アルカリ化合物を含有させてもよい。導電性ポリマー分散液は、導電性ポリマーが分散媒に分散しているものであり、導電性ポリマーの一部が分散媒に溶解していてもよい。
電解コンデンサは、用いる陽極及び陰極の形状により、チップ型又は巻回型とすることができる。
本発明における電解液は、電解質を含有する有機溶媒を含有する。
本発明の電解液における電解質は、ヒドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する化合物と無機酸との複合化合物若しくはその塩である。
かかる2~4の縮合環は、2~4個のベンゼン環が縮合したものであり、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、なかでも、有機溶媒への溶解性の高いナフタレン環が好ましい。
これらの縮合環には、置換基を有していてもよく、置換基としては、好ましくは炭素数が1~8の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数が1~8の直鎖又は分岐のアルコキシ基、炭素数が1~8の直鎖又は分岐のケトン基、炭素数が1~8の直鎖又は分岐のエステル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。また、2以上の縮合環を有していてもよい。
本発明におけるヒドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する化合物とホウ酸との複合化合物は、原料であるヒドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する化合物とホウ酸とから、両者を溶媒中で反応させるなどの既知の方法により得ることができる。
3級アミンとしては、トリアルキルアミン類(トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn-プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、メチルエチルn-プロピルアミン、メチルエチルイソプロピルアミン、ジエチルn-プロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリn-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn-ブチルアミン、トリtert-ブチルアミンなど)、フェニル基含有アミン(ジメチルフェニルアミン、メチルエチルフェニルアミン、ジエチルフェニルアミンなど)が挙げられる。
本発明におけるヒドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する化合物とホウ酸との複合化合物の塩は、ドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する化合物とホウ酸との複合化合物と、アンモニア、又は1~4級アミンとを溶媒中で反応させるなどの既知の方法により得ることができる。
電解液に用いる有機溶媒は、プロトン性極性溶媒又は非プロトン性極性溶媒を用いることができ、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。
本発明の電解液に、電解コンデンサの寿命性能や抵抗性能などの特性を改善する目的で、上記電解質以外の添加することができる。かかる添加物質は、特に限定されるものではない。例えば、以下のものが挙げられる。
リン系化合物(リン酸エステルなど)、ホウ酸系化合物(ホウ酸、ホウ酸と多糖類[マンニット、ソルビットなど]との錯化合物)、ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物、ニトロ化合物(o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、o-ニトロフェノール、m-ニトロフェノール、p-ニトロフェノールなど)が挙げられる。これら添加剤を加えることで駆動用電解液の火花電圧を上昇させることができる場合がある。
(導電性ポリマー分散液の調製)
ドーパント成分である、ポリスチレンスルホン酸(重量平均分子量:50,000)の20質量%水溶液12.2gを、水187.5gに混合して10分間攪拌した。次に、モノマーとしての3,4-エチレンジオキシチオフェン2.04gを投入してさらに15分間攪拌しモノマー溶液を調製した。得られたモノマー溶液は、薄い黄色を呈していた。
表面をエッチング処理した後に化成処理を行って酸化皮膜層を形成し、リード端子を取り付けたアルミニウム陽極箔と、表面をエッチング処理しリード端子を取り付けたアルミニウム陰極箔とをセルロース繊維からなるセパレータ(厚み0.05mm)を介して巻回して、コンデンサ素子を作製した。
このコンデンサの定格電圧は35Vであり、封止後の外形寸法は、直径10mm、高さ16mmを有する円筒形であった。
作製したコンデンサを150℃雰囲気下で定格電圧の負荷試験を行い、容量(120Hz)及びESR(100kHz)の測定を行った。その結果を表1に示す。
なお、容量変化率は、(1000時間後の容量 / 初期容量 ‐1)の百分率で表し、また、ESR変化率は、(1000時間後のESR / 初期ESR ‐1)の百分率を表す。
Claims (9)
- 表面に誘電酸化被膜層を有する陽極箔、陰極箔、及び固体電解質層を有するコンデンサ素子と、該コンデンサ素子に含浸された電解液と、を有する電解コンデンサ用の電解液であり、
前記電解液が、ヒドロキシ基とカルボキシル基を有する2~4の縮合環を有する有機化合物と無機酸との複合化合物若しくはその塩を含有する有機溶媒からなり、前記複合化合物の塩が、3級アミンとの塩であることを特徴とする電解コンデンサ用の電解液。 - 前記縮合環が、ナフタレン、アントラセン又はフェナントレンである、請求項1に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- 前記縮合環が、ナフタレンである、請求項1に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- 前記無機酸が、ホウ酸である、請求項1~3のいずれかに1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- 前記固体電解質層が、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、又はそれらの誘導体の層である、請求項1~4のいずれかに1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- 前記溶媒が、ポリアルキレングリコール、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はベンジルアルコールである、請求項1~5のいずれかに1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- 前記複合化合物若しくはその塩を0.1~40重量%含有する、請求項1~6のいずれかに1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- さらに、ニトロ化合物からなる添加物を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の電解コンデンサ用の電解液。
- 請求項1~8のいずれかに記載の電解液を使用する電解コンデンサ。
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