JP7248056B2 - 電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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本発明に係る電解コンデンサの製造方法の一例は、以下の通りである。すなわち、表面に酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子を形成する(素子形成工程)。なお、必要に応じてこのコンデンサ素子に修復化成を施してもよい。続いて、このコンデンサ素子を、導電性高分子(必要に応じてさらにドーパント剤を含む)の粒子と、ソルビトール又はソルビトール及び多価アルコールと、溶媒とを含む導電性高分子化合物分散体に含浸させ(含浸工程)、乾燥を経て導電性高分子、ソルビトール又はソルビトール及び多価アルコールを含む固体電解質層を形成する(固体電解質形成工程)。その後、このコンデンサ素子を所定の電解液に浸漬して、コンデンサ素子内の空隙部にこの電解液を充填する(電解液充填工程)。そして、このコンデンサ素子を外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した後、エージングを行い、電解コンデンサを形成する(封止工程)。
陽極箔としては、平板状の金属箔(例えば、アルミニウムなどの弁作用金属箔)をエッチング処理し、さらに化成処理により誘電体酸化皮膜を形成したエッチング箔を用いることができる。陰極箔としては、陽極箔と同様に平板状の金属箔をエッチング処理し、必要に応じて化成処理により薄い誘電体酸化皮膜(1~10V程度)を形成したエッチング箔を用いることができる。陽極箔及び陰極箔は、例えば、100μmのアルミニウム箔を交流エッチングにより微細な細孔(エッチングピット)を形成し、その後リン酸などの水溶液中で化成処理を行い、表面に誘電体酸化皮膜を形成する。
導電性高分子化合物分散体としては、例えば、ポリ-(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTという)からなる導電性高分子化合物の粒子とポリスチレンスルホン酸からなるドーパントの固形分を混合したものを溶媒の水に溶解したものを用いることが好ましい。また、導電性高分子化合物の濃度は、水溶液に対して1~10%とすることができる。なお、導電性高分子化合物の分散液の溶媒は、導電性高分子化合物が溶解するものであれば水以外でも良い。ここで、上記の粒子とは、導電性高分子の一次粒子や、導電性高分子化合物及びドーパントが凝集した凝集物(二次粒子)やそれらの粉末も含むものである。
この導電性高分子化合物分散体には、さらに、ソルビトール又はソルビトール及び多価アルコールが含有されている。得られた固体電解質層中にソルビトールが含有されることで、初期のESR特性が改善し、また耐電圧が向上する。ソルビトールとともに含有され得る多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、グリセリン、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールが挙げられる。ここで、いずれの多価アルコールにおいても、沸点180℃以上の多価アルコールが好ましい。これは導電性高分子化合物分散体の乾燥工程にて、上記多価アルコールが飛散しにくく固体電解質層に残留させることができるからである。上記の多価アルコールのなかでも特にESR特性を低減できるエチレングリコールが好適である。
コンデンサ素子を導電性高分子化合物分散体に含浸する時間は、コンデンサ素子の大きさによって決まるが、φ5×3L程度のコンデンサ素子では5秒以上、φ9×5L程度のコンデンサ素子では10秒以上が望ましく、最低でも5秒間は含浸することが必要である。なお、長時間含浸しても特性上の弊害はない。また、このように含浸した後、減圧状態で保持すると好適である。その理由は、揮発性溶媒の残留量が少なくなるためであると考えられる。
コンデンサ素子に導電性高分子化合物分散体を含浸した後、所定温度でコンデンサ素子を乾燥する。乾燥温度は、100~160℃で0.5~3時間が好ましい。この乾燥工程を経ることで、導電性高分子と、ソルビトール又はソルビトール及び多価アルコールとを含む固体電解質層がコンデンサ素子中、特にエッチング箔のエッチングピット内の酸化皮膜層の上に形成される。なお、この導電性高分子化合物分散体の含浸工程及び乾燥工程は、必要に応じて複数回行っても良い。
コンデンサ素子内に導電性高分子化合物と、ソルビトール又はソルビトール及び多価アルコールとを含む固体電解質層を形成した後、コンデンサ素子内に充填する電解液としては、電解コンデンサ用電解液を用いることができる。電解液に使用できる溶媒としては、溶媒の例としては、γ-ブチロラクトン、エチレングリコール、スルホラン、ジメチルホルムアミド、水及びそれらの混合溶媒等が挙げられるが、その沸点が、寿命試験温度である120℃以上の溶媒を用いることが好ましい。特に、エチレングリコールを用いると、初期のESR特性や耐電圧特性が良好となる。
上記のような電解液をコンデンサ素子に充填する場合、その充填量は、コンデンサ素子内の空隙部に充填できれば任意であるが、コンデンサ素子内の空隙部の3~100%が好ましい。
コンデンサ素子は、電解液とともに外装ケースに挿入され、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した後、エージングを行い、電解コンデンサを作製する。また外装ケース以外にも、コンデンサ素子をエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂に外装を被覆し、エージングを行い電解コンデンサを作製することもできる。
上記のように、コンデンサ素子内にソルビトール又はソルビトール及び多価アルコールを含む固体電解質層を形成した後、このコンデンサ素子をエチレングリコールを含む電解液に浸漬して、コンデンサ素子内の空隙部にこの電解液を充填することにより、鉛フリーリフローによる耐電圧特性の劣化を防止し、且つESR特性を改善することができる。
GBL:γ-ブチロラクトン
TMS:スルホラン
BSalA:ボロジサリチル酸
TMA:トリメチルアミン
AzA:アゼライン酸
TEA:トリエチルアミン
Claims (5)
- 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子の粒子と、ソルビトール及び多価アルコールと、を含む導電性高分子化合物分散体を用いた固体電解質層であって前記ソルビトール及び多価アルコールを60~92wt%含む前記固体電解質層を形成するとともに、該固体電解質層が形成されたコンデンサ素子内の空隙部に、エチレングリコールを溶媒中5~20wt%以下含む電解液を充填させ、前記多価アルコールが、グリセリン、マンニトール、エチレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする電解コンデンサ。
- 前記多価アルコールがエチレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 前記電解液には、溶媒としてさらにγ-ブチロラクトンが含有され、有機酸、無機酸、及び有機酸と無機酸との複合化合物の少なくとも1種のアンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、及びアミン塩から選ばれる溶質が含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
- 前記電解液には、更にスルホラン、3-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホランから選ばれる少なくとも1種の溶媒を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の電解コンデンサ。
- 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子の粒子と、ソルビトール及び多価アルコールと、溶媒と、を含む導電性高分子化合物分散体を含浸する含浸工程と、
前記含浸工程の後乾燥工程を経て、コンデンサ素子中に前記ソルビトール及び多価アルコールを60~92wt%残留させた固体電解質層を形成する固体電解質形成工程と、
前記ソルビトール及び多価アルコールを残留させた固体電解質層が形成されたコンデンサ素子内の空隙部に、エチレングリコールを溶媒中5~20wt%以下含む電解液を充填させる電解液充填工程と、
を含み、前記多価アルコールが、グリセリン、マンニトール、エチレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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