JP2018167584A - 積層体、当該積層体を含む電極及び配線材料、並びに当該電極を含む電気化学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】電極として使用できる、耐久性に優れた積層体を提供する。【解決手段】少なくとも導電性高分子を含む樹脂層と、導電性基材層とを含む積層体であって、前記導電性高分子を含む樹脂層と前記導電性基材層とが接しており、前記樹脂層に含まれる前記導電性基材層を構成する元素の濃度が0原子%以上10原子%以下である積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、該積層体を含む電極及び配線材料、並びに該電極を含む電気化学デバイスに関する。
高エネルギー密度のキャパシタの要求が高まってくる中で、電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタを含む)は、小型化、軽量化が容易に可能であるため、小型電子機器の電源やバックアップ用電源、電気自動車やハイブリッド自動車向けの補助電源等として、近年急速に需要が伸びている。
上記電気化学キャパシタに用いる電極としては、電解重合により導電性高分子にドーパントを電気化学的にドーピングした導電性高分子、又は可溶性の導電性高分子とドーパントを混合することで調製したドーパントがドープした導電性高分子を、集電体等に塗布する方法が開示されている(特許文献1−3)。
特開2012−62462号公報 特開2005−158882号公報 特開2007−123315号公報
上記導電性高分子を導電性基材であるITO上に積層した例が開示されている。しかしながら、ITOは導電性高分子との接着性が必ずしも高くないため、電気化学キャパシタ用の電極として用いると接触抵抗上昇の問題があった。
上記に加え、導電性高分子のドーパントは酸性を示すものが多いため、ドーパント濃度によっては集電体等の電極材料を腐食してしまい、電気抵抗の上昇や酸化還元能の低下を招くおそれがある。
本発明の目的は、耐久性に優れた積層体を提供することにある。また、本発明の目的は、高容量で耐久性に優れた電極を提供することにある。
本発明によれば、以下の積層体等が提供される。
1.少なくとも導電性高分子を含む樹脂層と、導電性基材層とを含む積層体であって、
前記導電性高分子を含む樹脂層と前記導電性基材層とが接しており、
前記樹脂層に含まれる前記導電性基材層を構成する元素の濃度が0原子%以上10原子%以下である積層体。
2.前記導電性基材層を構成する材料が、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1に記載の積層体。
3.前記導電性高分子を含む樹脂層に含まれる前記導電性基材層を構成する元素が、Al、Ni、Ag及びCuから選ばれる1種以上の金属元素、及び/又は、グラフェン、活性炭及びカーボンナノチューブから選ばれる1種以上に由来する炭素元素である1又は2に記載の積層体。
4.前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が30%以上200%以下である1〜3のいずれかに記載の積層体。
5.前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が35%以上100%以下である1〜3のいずれかに記載の積層体。
6.前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が40%以上80%以下である1〜3のいずれかに記載の積層体。
7.前記ドーパントが、芳香族スルホン酸、芳香族ポリスルホン酸、ヒドロキシ基を有する有機スルホン酸、カルボキシル基を有する有機スルホン酸、脂環式スルホン酸及びベンゾキノンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上である4〜6のいずれかに積層体。
8.前記導電性高分子が、ピロール、チオフェン、フラン及びアニリンから選ばれる1種以上の重合体もしくは共重合体、又は前記重合体もしくは共重合体の誘導体である1〜7のいずれかに積層体。
9.前記導電性高分子が、ポリアニリン又はポリアニリン誘導体である1〜8のいずれかに記載の積層体。
10.さらに、前記導電性基材層の、前記導電性高分子を含む樹脂層とは反対側の面に1以上の別の導電性基材層が積層されており、
該別の導電性基材層を構成する材料が、前記導電性基材層を構成する材料とは異なり、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1〜9のいずれかに記載の積層体。
11.前記導電性高分子を含む樹脂層が、さらに導電性基材を含む1〜10のいずれかに記載の積層体。
12.前記導電性高分子を含む樹脂層に含まれる導電性基材が、グラフェン、活性炭、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上である11に記載の積層体。
13.前記導電性高分子を含む樹脂層に含まれる導電性基材が、シート状のグラフェン、シート状の活性炭、又はシート状のカーボンナノチューブを含み、
前記導電性高分子が、前記シート状の導電性基材中に含浸されている11又は12に記載の積層体。
14.前記樹脂層に含まれる導電性基材が、粉末状のグラフェン、粉末状の活性炭、又は粉末状のカーボンナノチューブであり、
該粉末状の導電性基材が、前記導電性高分子を含む樹脂層中に分散されている11又は12に記載の積層体。
15.1〜14のいずれかに記載の積層体を含む電極。
16.15に記載の電極を含む電気化学デバイス。
17.15に記載の電極を含む電気二重層キャパシタ。
18.1〜16のいずれかに記載の積層体を含む配線材料。
本発明によれば、耐久性に優れた積層体が提供できる。
本発明によれば、高容量で耐久性に優れた電極が提供できる。
本発明の第1の態様の一実施形態の積層体を示す模式図である。 本発明の第1の態様の一実施形態の別の構成を有する積層体を示す模式図である。 本発明の第2の態様の一実施形態の積層体を示す模式図である。 本発明の第2の態様の一実施形態の別の構成を有する積層体を示す模式図である。
本発明の一態様の積層体は、
少なくとも導電性高分子を含む樹脂層と、導電性基材層とを含む積層体であって、
前記導電性高分子を含む樹脂層と前記導電性基材層とが接しており、
前記樹脂層に含まれる前記導電性基材層を構成する元素の濃度が0原子%以上10原子%以下であることを特徴とする。
導電性基材層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。
導電性高分子を含む樹脂層は、導電性基材を含んでいてもよい。この場合、導電性高分子はシート状に形成された導電性基材に含浸されていてもよいし、逆に導電性基材が導電性高分子を含む樹脂層に分散されていてもよい。
本発明の第1の態様の積層体は、前記導電性高分子を含む樹脂層が、導電性基材を含まない。
本発明の第2の態様の積層体は、前記導電性高分子を含む樹脂層が、さらに導電性基材を含有する。
本発明の第1及び第2の態様の積層体は、前記導電性基材層を2層以上有していてもよい。
ここで、「前記導電性高分子を含む樹脂層と前記導電性基材層とが接している」とは、樹脂層と導電性基材層とが界面を為して隣接していることをいう。
本発明の第1の態様の積層体の一実施形態を図1及び図2に示す。
図1及び図2においては、導電性高分子を含む樹脂層5は、導電性基材を含有せず、当該樹脂層5がその一方の面で導電性基材層2と直接積層されている。
図2においては、第1の導電性基材層2a及び第2の導電性基材層2bを有し、2つの導電性基材層が積層構造を有している。
本発明の第2の態様の一実施形態の積層体を図3及び図4に示す。
図3においては、粉末状の炭素系導電性基材13が、導電性高分子を含む樹脂層12中に分散されており、樹脂層が活性炭等の炭素系導電性基材のバインダとして機能する。樹脂層12はその一方の面で導電性基材層15と積層されている。
図4においては、樹脂層22は、導電性高分子が炭素系導電性基材からなるシートに含浸されて形成されており、導電性ペースト(活物質ペースト、導電性接着剤とも呼ばれる)からなる第1の導電性基材層25aを介して、第2の導電性基材層25bが積層されている。
本発明の第1の態様の積層体(以下、本発明の第1の態様の積層体ということがある。)は、導電性高分子を含む樹脂層5と導電性基材層2とを含み、樹脂層5と導電性基材層2とが接している積層体である。
本発明の第1の態様の積層体では、樹脂層が、導電性基材層を構成する元素を含み、樹脂層中の導電性基材を構成する元素の濃度が0原子%以上10原子%以下である。このような積層体を用いることで、導電性基材層の腐食を防止することができ、積層体を電極材料に用いた場合にドープ・脱ドープに伴うレドックス電流を安定的に取り出すことができる。
導電性高分子にドーパントがドープしている場合、導電性高分子を含む樹脂層と導電性基材層を含み、これらが接している積層体では、ドーパントの影響で導電性基材層の成分が樹脂層側に拡散し、導電性基材層と樹脂層の界面における電気抵抗の上昇、樹脂層の電気抵抗の上昇、樹脂層の密着性低下、樹脂層中の導電性高分子の酸化還元能の低下を招くおそれがある。
本発明の一実施形態の積層体では、樹脂層中の導電性基材層を構成する元素の濃度が所定の範囲となっており、導電性高分子と導電性基材層との間で不動態又はこれに類似した形態が形成されている推定され、上記問題が生じることがない。
以下、本発明の第1及び第2の態様の積層体の各構成部材をそれぞれ説明する。
導電性基材層の材料(以下、「導電性基材」と呼ぶことがある)は、導電性があれば特に限定されないが、例えばAl、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる金属の合金、並びにグラフェン、活性炭、カーボンナノチューブ等の炭素系材料が挙げられる。これら導電性基材のうち、Al、Ni、Ag及びCuは、表面が露わになっても、近傍の導電性高分子の酸化作用により不動態を形成し、防錆効果が得られるため好ましい。
導電性基材層は、上記材料のいずれか1つからなる単層でもよく、上記材料のいずれか1つからなる、材料の異なる単層が2以上積層した積層構造を有しいてもよい。図2には、材料の異なる単層2a及び2bが2以上積層した例が記載されている。導電性基材の厚みは例えば5nm〜1000μmである。導電性基材層が積層構造を有する場合は、両者を銀ペースト、カーボンペースト、ヒタゾル(日立化成品名)等の導電性接着剤(導電性ペースト、活物質ペーストとも呼ばれる)で接続してもよい。尚、上記導電性接着剤も、導電性基材層となり得る。
導電性高分子を含む樹脂層は、合成されたときには導電性基材層を構成する元素を含んでいないが、積層体の製造過程において導電性基材層と接触することにより、導電性基材層を構成する元素を一定の濃度で含むようになる。
導電性高分子を含む樹脂層は、上記のようにして導電性基材層を構成する元素を含むこととなり、樹脂層中の導電性基材層を構成する元素の濃度が、0原子%以上10原子%以下であれば、導電性高分子を含む樹脂層と導電性基材層との間に不動態又はこれに類似した形態が形成され、導電性基材層と樹脂層の界面における電気抵抗の上昇、樹脂層の電気抵抗の上昇、樹脂層の密着性低下、樹脂層中の導電性高分子の酸化還元能の低下が生じない。導電性高分子中の導電性基材を構成する元素の濃度は、好ましくは2原子%以上8原子%以下である。
「導電性高分子を含む樹脂層中の導電性基材層を構成する元素の濃度」とは、(樹脂層中の導電性基材層元素の合計含量)の(導電性高分子を含む樹脂層中の全元素の量)に対する割合(原子%)である。
樹脂層に含まれる導電性基材層を構成する元素は、好ましくはAl、Ni、Ag及びCuから選ばれる1種以上の金属元素、及び/又は、グラフェン、活性炭及びカーボンナノチューブから選ばれる1種以上に由来する炭素元素である。
樹脂層中の導電性基材層を構成する元素(以下、「導電性基材層を構成する元素」を「導電性基材層元素」という場合がある)の濃度の測定方法は、ICP(誘導結合プラズマ)、XRF(蛍光X線)、オージェ、SIMS(二次イオン質量分析)、XPS(X線光電分光法)等の方法が使用可能である。
本発明では、樹脂層の膜厚が30nm以上の場合には、「樹脂層中の導電性基材層元素の濃度」を、樹脂層と導電性基材層の界面から樹脂層側に30nmの位置における濃度(原子%)と定義する。そのため、この界面からの距離が特定できる測定方法が好ましく、オージェ、SIMS、XPS等の表面分析法による深さ方向分析のうち、本発明ではXPSを用いる。
尚、樹脂層の膜厚が30nmよりも小さい場合は、深さ方向分析ではなく、樹脂層と導電性基材層との界面とは反対側の樹脂層の表面(以下、最表面という)を評価する。この場合には、「樹脂層中の導電性基材層元素の濃度」を、樹脂層と導電性基材層との界面とは反対側の樹脂層の表面(最表面)における濃度(原子%)と定義する。最表面を評価する場合にも、XPSを用いる。
また、図3及び図4に模式的に示されている本発明の第2の態様の積層体では、導電性高分子を含む樹脂層がさらに導電性基材を含む。この場合、導電性高分子を含む樹脂層は、活性炭等の炭素系材料(導電性基材)のバインダとして存在する。この場合も、本発明の第1の態様のように、樹脂層と導電性基材層との界面から特定の位置での元素組成を評価して導電性基材層元素の濃度(原子%)を求める。
第1の態様における、樹脂層と導電性基材層の界面から樹脂層側30nmの位置における樹脂層中の導電性基材層元素の濃度は、具体的には、樹脂層内に検出される全元素の深さ方向依存性を測定し、樹脂層と導電性基材層の界面から樹脂層側30nmの位置における樹脂層中の導電性基材層元素/全元素の原子比(原子%)を求める。具体的には実施例に記載の方法で評価する。この導電性基材元素/全元素の原子比が、所定の位置、即ち、導電性基材層表面から樹脂層側の距離30nmの位置、又は樹脂層の最表面で10原子%を超えている場合、導電性高分子の導電性が著しく低下していることを意味する。
例えば導電性基材層が金とアルミニウムの積層構造を有し、樹脂層中に含まれる導電性基材層元素が金及びアルミニウムである場合、濃度を測定する導電性基材層元素は金元素とアルミニウム元素の両方であり、所定の位置における樹脂層中に含まれる全元素の含有量を100原子%としたときの(金元素+アルミニウム元素)の合計の割合(原子%)を求める。
また、導電性基材層が、グラフェン、活性炭、カーボンナノチューブ等の炭素系材料からなる場合、これら炭素系材料は、通常は溶媒に溶けないが、炭素系材料の構造体中の炭素原子が導電性高分子を含む樹脂層に拡散することがある。これは、導電性高分子を含む樹脂層と導電性基材層との界面劣化の結果である。
樹脂層中に含まれる、導電性基材層を構成するグラフェン、活性炭、カーボンナノチューブ等の炭素系材料由来の炭素元素を評価する場合において、XPSを用いれば、炭素の結合状態から導電性高分子を含む樹脂層由来の炭素元素と導電性基材層由来の炭素元素を区別でき、樹脂層と導電性基材層の界面から樹脂層側30nmの位置における導電性基材層由来の炭素元素/全元素の割合(原子%)として求めることができる。
樹脂層に含まれる導電性高分子としては、ピロール、チオフェン、フラン及びアニリンから選ばれる1種以上の重合体又は共重合体、及びこれら重合体又は共重合体の誘導体が挙げられ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、及びこれらの誘導体が好ましい。
導電性高分子の分子量は、特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量が10,000以上であり、より好ましくは20,000以上であり、さらに好ましくは30,000以上1,000,000以下であり、さらに好ましくは40,000以上1,000,000以下であり、特に好ましくは52,000以上1,000,000以下、70,000以上1,000,000以下である。また、導電性高分子の分子量分布は、例えば1.5〜10.0である。
上記分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定できる。
導電性高分子には、好ましくはドーパントがドープしている(以下、ドーパントがドープしている導電性高分子を「導電性高分子複合体」という場合がある)。
ドーパントは、特には限定されないが、好ましくは芳香族スルホン酸、芳香族ポリスルホン酸、ヒドロキシ基を有する有機スルホン酸、カルボキシル基を有する有機スルホン酸、脂環式スルホン酸及びベンゾキノンスルホン酸から選ばれる1種以上である。
有機スルホン酸のイオン(アニオン)は、分子サイズが大きく高温雰囲気中で脱ドープしにくいため、導電性高分子を含む樹脂層の導電率の安定化に効果的である。
上記有機スルホン酸の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホイソフタル酸、スルホサリチル酸、カンファースルホン酸、アダマンタンスルホン酸、スルホコハク酸等を挙げることができる。
導電性高分子は、ポリアニリン又はポリアニリン誘導体が好ましく、導電性高分子がこれらポリアニリンやポリアニリン誘導体である場合、ドーパントとしては下記式で表されるスルホコハク酸誘導体が好ましい。
(式中、Mは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。mは、Mの価数である。
13及びR14は、それぞれ独立に、炭化水素基又は−(R15O)−R16基[ここで、R15はそれぞれ独立に炭化水素基又はシリレン基であり、R16は水素原子、炭化水素基又はR17 Si−基(ここで、R17はそれぞれ独立に炭化水素基である)であり、rは1以上の整数である]である。)
Mの有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基が挙げられる。また、Mの無機遊離基としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄が挙げられる。
13及びR14が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基等が挙げられ、R13及びR14が炭化水素基である場合の炭化水素基の具体例としては、例えば、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
13及びR14における、R15が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基である。また、R13及びR14における、R16及びR17が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
rは、1〜10であることが好ましい。
13及びR14が−(R15O)−R16基である場合のドーパントの具体例としては、下記式で表わされる2つのドーパントが挙げられる。
ドーパントとしては、ArOH(ここで、Arはアリール基又は置換アリール基である)で示されるフェノール性化合物も用いることができる。具体的には、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、o−,m−若しくはp−エチルフェノール、o−,m−若しくはp−プロピルフェノール、o−,m−若しくはp−ブチルフェノール、o−,m−若しくはp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン等の置換フェノール類;カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール性化合物;及びフェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)等の高分子化合物等を例示することができる。
フェノール性化合物は、アルキル基の炭素数が1〜20の、アルコキシフェノール、アルキルフェノール又はアルキルナフトールであることが好ましく、アミルフェノール、メトキシフェノール又はイソプロピルフェノールであることがより好ましく、p−tert−アミルフェノール、4−メトキシフェノール又は4−イソプロピルフェノールであることがさらに好ましい。
樹脂層中の導電性基材層元素の濃度は、例えば導電性高分子のドーパントと導電性基材層を構成する材料(導電性基材)との組み合わせにより調整できる。例えばドーパントが上述のスルホコハク酸誘導体であれば、導電性基材は特に限定されない。一方、ドーパントにナフタレンスルホン酸が加わる場合は、導電性基材層は、Auからなる層と、Al、Ni、Ag及びCuから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Ag及びCuから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭又はカーボンナノチューブからなる群から選択される材料からなる層の積層構造を有していると好ましい。
ドーパントと導電性基材層の材料(導電性基材)の好ましい組合せは、導電性基材のプルベーダイヤグラムによって大まかに説明できるが、厳密には導電性基材層表面の不動態の安定性がドーパントによって異なるため、好ましい組合せが存在する。
ポリアニリン又はポリアニリン誘導体にドーパントがドープしている導電性高分子複合体である場合、ドーパントが芳香族スルホン酸、芳香族ポリスルホン酸、ヒドロキシ基を有する有機スルホン酸、カルボキシル基を有する有機スルホン酸、脂環式スルホン酸及びベンゾキノンスルホン酸から選ばれる1種、並びに/又はArOH(ここで、Arはアリール基又は置換アリール基である)で示されるフェノール性化合物であり、導電性基材層の材料が、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、又はカーボンナノチューブからなると好ましい。
具体的に、ドーパントと導電性基材層の材料のより好ましい組合せは以下のようになる:
・ドーパントがスルホコハク酸誘導体のみの場合:Al、Ni、Cu、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、又はカーボンナノチューブからなる導電性基材
・ドーパントがスルホコハク酸誘導体とクレゾール系化合物の混合の場合:Al、Ni、Cu、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、又はカーボンナノチューブからなる導電性基材
・ドーパントがスルホコハク酸誘導体とフェノール系化合物の混合の場合:Al、Ni、Cu、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、又はカーボンナノチューブからなる導電性基材
・ドーパントがスルホコハク酸誘導体と強酸の混合の場合:Pt、Irから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、又はカーボンナノチューブからなる導電性基材
ここで、強酸とは、スルホン酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、臭素酸、過臭素酸、過マンガン酸、チアシオン酸、テトラフルオロホウ酸及びヘキサフルオロホウ酸から選ばれる1種以上を示す。
スルホコハク酸誘導体はスルホン酸基を含むが、ポリアニリン骨格のプロトネーションに消費される。このため、ドーパントがスルホコハク酸誘導体のみのポリアニリン(導電性高分子複合体)を、Al、Ni、Cu等の非貴金属からなる導電性基材層に塗布しても、金属(不動態層含む)を浸食しないため、好適に使用できる。ただし、スルホコハク酸誘導体も過剰に存在すると、導電性基材層を構成する金属(不動態層含む)を浸食することがあり、用途によっては注意が必要である。
ドーパントがドープしている導電性高分子複合体において、導電性高分子複合体中のドーパント濃度は、好ましくは30%以上200%以下であり、より好ましくは35%以上100%以下であり、さらに好ましくは40%以上80%以下である。
導電性高分子にドープしているドーパントは、その一部が脱落して導電性基材層側に溶出するが、ドーパント濃度が上記範囲であれば、導電性高分子の導電性が低下するおそれがない。
導電性高分子中のドーパント濃度とは、導電性高分子を構成するモノマーユニットに対するドーパント(カウンターアニオン)の濃度を意味する。例えば、導電性高分子がチオフェン環を有し、カウンターアニオンがスルホン酸を有していれば、チオフェンユニット:スルホン酸が1:1(モル比)のとき、ドーパント濃度は100%と定義される。また、導電性高分子がポリアニリンの場合は、アニリン環2つで一価のカチオンとなるため、例えばカウンターアニオンがスルホン酸を有していれば、アニリンユニット:スルホン酸が2:1のとき、ドーパント濃度は100%となる。
導電性高分子複合体中のドーパント濃度は、実施例に記載の方法で確認できる。
導電性高分子へのドーパントの導入は2回以上行ってもよく、上記のドーパントを、導電性高分子の電解重合中に電解質の状態で重合系に添加し、電解重合後さらに過剰のドーパントを添加して導入してもよい。あるいは、可溶性の導電性インクにドーパントを添加し、さらに過剰のドーパントを添加してもよい。
ドーパント濃度が200%を超えると、ドーパントの種類によっては導電性基材層の表面を腐食し、導電性高分子中に導電性基材層元素が規定量を超えて観測されるおそれがある。ドーパント濃度を調整することで、樹脂層中の導電性基材層元素の濃度を調整することができる。
導電性高分子を含む樹脂層は、導電性高分子のみからなってもよく、さらにバインダー基材(「マトリックス基材」とも呼ばれる)、可塑剤等として他の樹脂を含んでもよい。
バインダー基材は、の具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンークロロトリフロオロエチレンコポリマー(ECTFE)等が挙げられる。
可塑剤の具体例としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル等が挙げられる。
他の樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコールが挙げられる。
また上記樹脂の代わりに、また上記樹脂と共に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、もしくはこれら熱硬化性樹脂を形成し得る前駆体を含んでもよい。
樹脂層は導電性高分子のみからなると好ましい。
樹脂層の厚みは特に限定されないが、例えば1nm〜1000μmである。
本発明の一実施形態の積層体は、樹脂層及び導電性基材層を含めばよく、樹脂層及び導電性基材層のみからなってよい。本発明の一実施形態の積層体は、樹脂層及び導電性基材層の他に電気絶縁性層が積層されていてもよい。
電気絶縁性層は、例えば、光硬化性のエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、又はシロキサン系樹脂等からなると好ましい。
本発明の一態様の積層体は、電気化学デバイスの電極又は配線材料として好適に用いることができる。電気化学デバイスとしては、例えば電気化学キャパシタが挙げられる。
本発明の一態様の積層体を電気化学キャパシタ用電極として使用する場合、本発明の一態様の積層体は、例えば次のような方法で製造される。
導電性高分子のモノマーを溶解することができ、かつモノマーの電解酸化反応が起きる電位においても酸化されず安定な有機溶媒もしくは水に、導電性高分子のモノマーとドーパントを溶解させ、この溶液中に粉末状活性炭を懸濁させてこれを電解重合する。粉末状活性炭ではなく繊維状の活性炭を用いた場合には、そのまま重合電極(陽極)として用いることができる。
電解重合に使用する重合電極としては、使用電位において安定であれば任意の導体が使用できる。当該導体としては、例えば金、銀、銅、白金、ステンレス、チタン、ニッケル、鉛、錫、アルミニウム、タングステン等の金属、もしくはこれらの金属の合金、あるいはグラファイト(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、フェノール系等)が使用できる。導体は、任意の物体にメッキ等により導電性を付与したものであってもよい。
電解重合に用いるモノマーとしては、ピロール、アニリン、チオフェン、フラン、もしくはこれらの誘導体、あるいはこれらを複数組み合わせたもの(共重合体)も使用できる。
懸濁させる活性炭としては、粉末状又は繊維状のものでもよいが、重合液中に沈降するようなものは好ましくない。ただし沈降するようなものであるときは、溶液を攪拌等により沈降を防止するようにすればよい。本発明に用いられる活性炭材料は、特に限定されず、粉末状、粒状、繊維状、あるいは成形体状の活性炭が用いられる
このようにして得られた導電性高分子複合体は、導電性高分子のモノマーに対するドーパント量を調整するため、さらにドーピングしてもよい。例えば、導電性高分子複合体を、高濃度のドーパントのみを含む電解液に浸漬して過剰量のドーパントを含ませることができる。必要に応じて導電性高分子複合体を電極と見立て、陽極酸化することで、ドーパントを含ませることができる。ここで「過剰量」とは、ドーパント濃度が100%を超える場合を意味し、好ましくは100%超200%以下である。
本発明の一態様である電気化学キャパシタは例えば次のような方法によっても製造される。アニリンをアニオン性界面活性剤と反応させてアニリン塩とし、化学酸化重合を行うことでアニオン性界面活性剤、もしくはアニオン性高分子をドーパントとして取り込んだポリアニリン複合体が、水や有機溶媒に可溶な形で得られる。さらにメタクレゾール、フェノール誘導体やジクロロ酢酸を二次ドーパントとして加えることで、ポリアニリン複合体の導電率を飛躍的に高めることができる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の疎水性部分を有する界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、フォスファノールFP120(東邦化学工業株式会社製)等が挙げられる。
このようにして得られた溶液状態のポリアニリン複合体を導電性基材、例えば、金属や活性炭に塗布又は含浸させることで、樹脂層の導電性高分子が過剰量のドーパントを含む樹脂層、又は当該樹脂層と導電性基材層とを有する積層体を得ることができる。
電極成型時に、導電剤を導電性高分子に添加し、電極の抵抗を低下させてもよい。導電剤としては、カーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、金属ファイバー、酸化チタン、酸化ルテニウム等が使用できる。特にカーボンブラックの1種であるケッチェンブラック又はアセチレンブラックは、少量でも効果が大きく好ましい。
本発明の一態様の積層体は、耐久性に優れ、高容量で耐久性に優れた電極、電気化学デバイス、特に電気二重層キャパシタ、配線材料として有用である。
本発明の実施形態には、以下のものも含む。
1. 導電性高分子を含む樹脂層と導電性基材とを含む積層体であって、
前記樹脂層と前記導電性基材とが接しており、
前記導電性高分子が、前記導電性基材を構成する元素を含み、前記導電性高分子中の前記導電性基材を構成する元素の濃度が0原子%以上10原子%以下である積層体。
2. 前記導電性基材が、Al、Ni、Cu、Au,Pt及びIrから選ばれる1種以上の金属もしくは前記金属の合金、グラフェン、活性炭、又はカーボンナノチューブからなる1に記載の積層体。
3. 前記導電性高分子に含まれる前記導電性基材を構成する元素が、Al、Ni及びCuから選ばれる1種以上の金属元素、又は、グラフェン、活性炭及びカーボンナノチューブから選ばれる1種以上に由来する炭素元素である1又は2に記載の積層体。
4. 前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が30%以上200%以下である1〜3のいずれかに記載の積層体。
5. 前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が35%以上100%以下である1〜3のいずれかに記載の積層体。
6. 前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が40%以上80%以下である1〜3のいずれかに記載の積層体。
7. 前記ドーパントが、芳香族スルホン酸、芳香族ポリスルホン酸、ヒドロキシ基を有する有機スルホン酸、カルボキシル基を有する有機スルホン酸、脂環式スルホン酸及びベンゾキノンスルホン酸から選ばれる1種以上である4〜6のいずれかに積層体。
8. 前記導電性高分子が、ピロール、チオフェン、フラン及びアニリンから選ばれる1種以上の重合体もしくは共重合体、又は前記重合体もしくは共重合体の誘導体である1〜7のいずれかに積層体。
9. 前記導電性高分子が、ポリアニリン又はポリアニリン誘導体である1〜7のいずれかに記載の積層体。
10. 1〜9のいずれかに記載の積層体を含む電極。
11. 10に記載の電極を含む電気化学デバイス。
12. 10に記載の電極を含む電気二重層キャパシタ。
13. 1〜9のいずれかに記載の積層体を含む配線材料。
以下、本発明を実施例と比較例を用いて説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
[導電性ポリアニリン組成物の調製]
(1)ポリアニリン複合体の調製
エーロゾルOT(スルホコハク酸誘導体であるジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム、純度75%以上、和光純薬工業製)5.4g(12mmol)、フォスファノールFP120(東邦化学工業株式会社製)0.66g(0.8mmol)をトルエン100mLに攪拌溶解して調製した溶液を、窒素気流下に置いた30Lのガラス反応器(機械式攪拌器、ジャケット、温度計及び滴下ロート付)に入れた。この溶液に、3.7g(40mmol)の原料アニリンを加え、攪拌溶解した。冷媒によるフラスコの攪拌冷却を開始し、1Mリン酸300mLを溶液にさらに添加した。溶液温度を5℃に保持した状態で、7.3g(32mmol)の過硫酸アンモニウムを1Mリン酸100mLに溶解した溶液を滴下ロートで滴下し、2時間で滴下を完了した。静置により二相に分離した水相(下相)を反応器下部から抜き出し、粗ポリアニリン複合体トルエン溶液を得た。
得られた粗ポリアニリン複合体溶液にイオン交換水100mLを加え攪拌した後、静置して水相を分離し、この操作をもう一度行った。1Nリン酸水溶液100mLで同様に複合体溶液を洗浄し、静置後、酸性水溶液を分離し、この酸性水溶液に含まれる若干の不溶物を#5Cの濾紙により除去し、ポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収した。この溶液をエバポレーターに移し、60℃の湯浴で加温し、減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、7gのポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン組成物Aの調製
得られたポリアニリン複合体に、トルエン121g、イソプロピルアルコール6.5gを混合し、一晩撹拌後、超音波を20分かけた。さらに遠心分離機で2300rpm、30分の条件で処理し、上澄み70gを除去して、ポリアニリン固形分濃度が5%のポリアニリン組成物Aを得た。
(3)追加ドーパントの導入
イソプロピルアルコール12g、ナフタレンスルホン酸水和物0.6g、4−メトキシフェノール17.4gを混合した溶液Bを、上記で得られたポリアニリン組成物Aに添加、混合して、上記(1)のエーロゾルOTがドープしたポリアニリン複合体に、ナフタレンスルホン酸をさらにドープしたポリアニリン複合体を含む導電性ポリアニリン組成物Bを得た。
[積層体の製造と評価]
導電性ポリアニリン組成物Bから約10mlを取り出し、金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板(導電性基材層)に塗布した後、窒素雰囲気下150℃で5分間乾燥して、ポリアニリン/金/アルミ基板から構成される積層体を得た。
ポリアニリン/Au/Al積層体の導電性高分子を含む樹脂層であるポリアニリン部分のC、H、N、S、O、Al及びAuの各元素の含有量から算出した、樹脂層中のAuとAlの合計の原子%((Au+Al)/全元素×100;%)の深さ依存性をXPSにより評価した。
尚、上記XPSにより、樹脂層に含まれる各原子の原子%を次のようにして求めた。XPS装置(VersaProbeII、アルバック・ファイ社製)を使用し、アルゴンガスクラスターイオンビーム(加速電圧10kV,電流30nA,照射範囲3×3mm)を使ってポリアニリンからなる樹脂層側からスパッタした。スパッタを2分毎に休止し、X線を照射してC、H、N、S、O、Al及びAuのナロースキャンを行い、各元素の原子%をピーク面積から求めた。このような作業を繰返し、各元素のデプスプロファイルを得た。得られたデプスプロファイルにおいて、ポリアニリンを構成する炭素のC1sスペクトルが50%になったところを導電性基材層(金属)と樹脂層(ポリアニリン)との界面とした。界面から樹脂層(ポリアニリン)側に30nmの地点は、樹脂層(ポリアニリン)の膜厚とスパッタ時間の関係からスパッタレートを算出することで決定した。この界面から30nmの深さでの各元素の原子%に基づいて、樹脂層中の導電性基材層を構成する元素の濃度を求めた。結果を表1に示す。
製造した積層体について、ポリアニリン組成物Bからなる樹脂層のポリアニリン複合体のドーパント濃度を導電性基材層と接している樹脂層であるポリアニリンの表面から10nmの深さの原子%をXPSのデプスプロファイルにより評価した結果、ドーパント濃度は46%であった。
NとSの合計に対するNの比率[N/(N+S)×100]は23%であったが、ポリアニリンを構成するアニリンユニット:スルホン酸の比が2:1のとき、ドーパント濃度が100%となるので、実施例1の導電性高分子に含まれるドーパントの濃度は23%×2=46原子%と算出した。
表1が示すように、ナフタレンスルホン酸による追加ドープを行ったポリアニリン組成物Bを用いた実施例1では、導電性高分子であるポリアニリン組成物B(樹脂層)中の、導電性基材層元素の濃度は、合計で3.5原子%であった。また、導電性高分子であるポリアニリン膜(樹脂層)中のAuの濃度は2.5原子%であり、Alの濃度は1.0原子%であった。AuとAlの濃度から、AuによってAlの腐食が防止されたこと、即ち、Alのポリアニリン膜(樹脂層)への拡散の抑制が確認された。
製造した積層体を作用極とし、対極として金属リチウム、電解液として1モルのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMABF4)を溶解したプロピレンカーボネート(PC)、セパレータとして微小孔を開けたポリエチレンを用いたラミネートセルを作製した。
このラミネートセルをポテンショスタットに接続し、掃引速度5mV/s、掃引範囲2.5〜4.5Vの条件でサイクリックボルタンメトリー(CV)を行い、酸化還元の応答速度の指標として、酸化還元のピークセパレーションを評価した。ピークセパレーションが0.5V未満であれば、酸化還元の応答速度が非常に高いことを示し、ピークセパレーションが1.0Vを超えると応答速度が低すぎて電極として使用できないことを示す。結果を表1に示す。
また、ラミネートセルの比容量をCVの酸化電流から次のようにして求めた。
(a)CVの酸化電流に流れた単位面積当たりの通電量をQ(C/cm)とする。
(b)電極に塗布した導電性高分子の単位面積あたりの重量をM(g/cm)とする。
(c)単位重量あたりの通電量を(a)/(b)により求める。
(d)容量を電圧の掃引範囲ΔV=2Vで除算して、単位重量あたりの容量(比容量)とする。
CVから求めた比容量は60F/gと高容量であった。
製造した積層体の導電性基材層の腐食程度、即ち、積層体の耐久性を、電気抵抗測定により評価した。具体的には、樹脂層側に常温硬化タイプの銀ペースト(ドータイトD−550)を直径2mmの面積で塗布し、導電性基材層側を接地し、銀ペースト側に電圧をかけて電流−電圧特性を測定した。グラフの傾きから実測抵抗を求め、銀ペーストの面積と樹脂層の厚さとから導電率を算出した。導電率の値が10−5S/cm以上であれば、導電性基材層の腐蝕が進んでおらず、積層体が電極として使えるとして、「OK」と判定した。導電率の値が10−5S/cm未満であれば、導電性基材層の腐蝕が進んでおり、積層体が電極として使えないため、「NG」と判定した。
結果を表1に示す。
実施例2
ポリアニリン組成物Bではなくポリアニリン組成物Aを用いて積層体を製造した他は、実施例1と同様にして積層体及びラミネートセルを製造し、評価した。結果を表1に示す。
表1が示すように、ナフタレンスルホン酸による追加ドープを行わなかったため、ドーパント濃度は32%となった。Auは検出されず、Alの濃度は1.2原子%であった。Auが検出されずにAlのみが検出されたことからAlの僅かな溶出は認められるものの酸化還元能に影響を与えるほどの腐食ではなかった。比容量は15F/gと低下したが、ピークセパレーションの評価からレドックスの応答速度低下は認められなかった。
比較例1
金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmのアルミ基板を用いた他は実施例1と同様にして積層体及びラミネートセルを製造し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1では、アルミ基板にAuを積層せず、ポリアニリン組成物BをAl基板上に直接積層したため、Alがポリアニリン複合体(樹脂層)側に溶出し、Alの濃度は10.5原子%となった。導電性基材層の腐蝕が進んだことがわかる。
また、導電性基材層であるAlの腐食により導電性高分子の酸化還元応答速度が低下し、比容量は30F/gであったが、ピークセパレーションが1V程度にまで広がり、キャパシタとしての性能に問題があった。
実施例3
ポリアニリン組成物Bではなくポリアニリン組成物Aを用い、金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmのアルミ基板を用いた他は実施例1と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例3では、ナフタレンスルホン酸による追加ドープを行わず、ドーパント濃度は25%であった。樹脂層(ポリアニリン複合体)中の導電性基材層元素の濃度(Alの濃度)は1.2原子%であり、Alの腐食は認められなかった。
実施例4
イソプロピルアルコール12gと4−メトキシフェノール17.4gを混合した溶液Cを、ポリアニリン組成物Aに添加、混合し、実施例1の(1)のポリアニリン複合体に4−メトキシフェノールをさらにドープしたポリアニリン複合体を含む導電性ポリアニリン組成物Cを得た。
ポリアニリン組成物Bではなくポリアニリン組成物Cを用い、金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmのアルミ基板を用いた他は実施例1と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例5
ポリアニリン組成物Aに、クレゾール30gを添加し混合した。これにより実施例1の(1)のポリアニリン複合体にクレゾールをさらにドープしたポリアニリン複合体を含む導電性ポリアニリン組成物Dを得た。
ポリアニリン組成物Bではなくポリアニリン組成物Dを用い、金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmのアルミ基板を用いた他は実施例1と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmの銅基板を用いた他は、実施例2と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
比較例2
金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmの銅基板を用いた他は実施例1と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例7
30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmの銅基板を用いた他は実施例4と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例8
30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmの銅基板を用いた他は実施例5と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
比較例3
金を蒸着した30mm×30mm角のアルミ基板の代わりに30mm×30mmの鉄基板を用いた他は実施例1と同様にして積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例9
粉末状活性炭(株式会社クラレ製、クラレコール(登録商標))86g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)7g、カーボンブラック7gを混合し、乳鉢でアセトンを追加しながら混練して、活性炭組成物を調製した。得られた活性炭組成物をロール成形機に投入し、シート状に成形した後、170℃×10hの条件で乾燥して活性炭シートを得た。続いてこの活性炭シートに、実施例1で得た導電性ポリアニリン組成物Bを塗布し、活性炭シート内部に導電性ポリアニリン組成物Bが到達するように減圧含浸した。次に、活性炭シート表面に残っている導電性ポリアニリン組成物Bをゴムヘラで除去し、さらに110℃、10分の条件で乾燥した。不要な溶媒を除去するため、さらに120℃、2時間の条件で真空乾燥し、導電性ポリアニリン含浸活性炭シートを製造した。
このようにして得た導電性ポリアニリン含浸活性炭シート(樹脂層)をアルミ箔(導電性基材層)に、炭素系材料と樹脂からなるキャパシタ用活物質ペースト「ヒタゾル」を用いて接着し、導電性ポリアニリン含浸活性炭シート/活物質ペースト層/Alの積層体を得た。ここで、活物質ペースト層(「ヒタゾル」からなる層)は第1の導電性基材層であり、Al箔は第2の導電性基材層である。続いて実施例1と同様にして、XPSによって樹脂層中の導電性基材層元素の原子%を求め、導電性基材層の腐蝕程度を評価した。
結果を表1に示す。尚、実施例9で製造した積層体は、図4に記載の構造を有する。
実施例10
粉末状活性炭の代わりに酸化グラフェン(東京化成製)を用いた以外は、実施例9と同様にシート電極を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例11
粉末状活性炭の代わりにカーボンナノチューブ(東京化成製)を用いた以外は、実施例9と同様にシート電極を製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例12
導電性高分子組成物として、導電性ポリアニリン組成物Bの代わりにPEDOT−PSS溶液(シグマアルドリッチ製;ポリ(4−スチレンスルホン酸)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))を用いた以外は実施例9と同様に、導電性高分子組成物を活性炭シートに塗布し、減圧含浸させ、乾燥し、PEDOT−PSS含浸活性炭シートを製造した。続いてPEDOT−PSS含浸活性炭シートを、キャパシタ用活物質ペースト「ヒタゾル」(第1の導電性基材層)を用いてアルミ箔(第2の導電性基材層)に接着し、PEDOT−PSS含浸活性炭シート/活物質ペースト層/Al積層体を得た。さらに実施例9と同様にして、評価した。結果を表1に示す。
比較例4
粉末状活性炭(株式会社クラレ製、クラレコール(登録商標))86g、PTFE7g、カーボンブラック7gを混合し、乳鉢でアセトンを追加しながら混練して、活性炭組成物を調製した。得られた活性炭組成物をロール成形機に投入し、シート状に成形した後、170℃×10hの条件で乾燥して活性炭シートを得た。活性炭シートを、キャパシタ用活物質ペースト「ヒタゾル」(第1の導電性基材層)を用いてアルミ箔(第2の導電性基材層)に接着し、活性炭シート/活物質ペースト層/Al積層体を得た。
続いて上記で得た活性炭シート/活物質ペースト層/Al積層体の活性炭シートに、実施例1で得た導電性ポリアニリン組成物Bを塗布し、活性炭シート内部に導電性ポリアニリン組成物Bが到達するように減圧含浸した。次に、活性炭シート表面に残っている導電性ポリアニリン組成物Bをゴムヘラで除去し、さらに110℃、10分の条件で乾燥した。不要な溶媒を除去するため、さらに120℃、2時間の条件で真空乾燥し、導電性ポリアニリン含浸活性炭シート(樹脂層)/活物質ペースト層/Al積層体を製造した。
このようにして得た導電性ポリアニリン含浸活性炭シート/活物質ペースト層/Al積層体について、実施例9と同様にして、評価した。結果を表1に示す。
比較例5
導電性ポリアニリン組成物Bの代わりにPEDOT−PSS溶液(シグマアルドリッチ製)を用いた以外は比較例4と同様の工程で、PEDOT−PSS含浸活性炭シート(樹脂層)/活物質ペースト層/Al積層体を製造した。このようにして得た導電性ポリアニリン含浸活性炭シート/活物質ペースト層/Al積層体について、実施例9と同様にして、評価した。結果を表1に示す。
表1中の略号は以下のものを示す。
PANI:ポリアニリン
AOT:エーロゾールOT
NSA:ナフタレンスルホン酸
4MP:4−メトキシフェノール
PEDOT:ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)
PSS:ポリ(4−スチレンスルホン酸)
CNT:カーボンナノチューブ
活物質ペースト:ヒタゾル、日立化成社製、炭素系材料と樹脂からなる
表1の結果から、樹脂層中の導電性基材層元素の濃度が10原子%以下であれば、導電性基材層の腐蝕が少なく、耐久性に優れた積層体となることがわかる。
実施例9と比較例4との対比、及び実施例12と比較例5との対比から、樹脂層が導電性高分子を含浸させた活性炭シートを含み、該導電性高分子が、ドーパントとしてナフタレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等の金属を腐食させる成分を含む場合に、導電性基材層の腐食を防止するためには、上記導電性高分子を活性炭シートに含浸させた後に、Al等の金属からなる導電性基材層と接着する必要があることがわかる。
1A、1B 第1の態様の積層体
2 導電性基材層
2a 第1の導電性基材層
2b 第2の導電性基材層
5 導電性高分子を含む樹脂層
10A、10B 第2の態様の積層体
12 導電性高分子を含む樹脂層
13 粉末状の炭素系導電性基材
15a 第1の導電性基材層
15b 第2の導電性基材層
22 導電性高分子が含浸されたシート状の炭素系導電性基材を含む樹脂層
25a 第1の導電性基材層(活物質ペーストの層)
25b 第2の導電性基材層(Al箔)

Claims (18)

  1. 少なくとも導電性高分子を含む樹脂層と、導電性基材層とを含む積層体であって、
    前記導電性高分子を含む樹脂層と前記導電性基材層とが接しており、
    前記樹脂層に含まれる前記導電性基材層を構成する元素の濃度が0原子%以上10原子%以下である積層体。
  2. 前記導電性基材層を構成する材料が、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される請求項1に記載の積層体。
  3. 前記導電性高分子を含む樹脂層に含まれる前記導電性基材層を構成する元素が、Al、Ni、Ag及びCuから選ばれる1種以上の金属元素、及び/又は、グラフェン、活性炭及びカーボンナノチューブから選ばれる1種以上に由来する炭素元素である請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が30%以上200%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が35%以上100%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記導電性高分子にドーパントがドープしており、前記導電性高分子に含まれるドーパントの濃度が40%以上80%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  7. 前記ドーパントが、芳香族スルホン酸、芳香族ポリスルホン酸、ヒドロキシ基を有する有機スルホン酸、カルボキシル基を有する有機スルホン酸、脂環式スルホン酸及びベンゾキノンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上である請求項4〜6のいずれかに積層体。
  8. 前記導電性高分子が、ピロール、チオフェン、フラン及びアニリンから選ばれる1種以上の重合体もしくは共重合体、又は前記重合体もしくは共重合体の誘導体である請求項1〜7のいずれかに積層体。
  9. 前記導電性高分子が、ポリアニリン又はポリアニリン誘導体である請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. さらに、前記導電性基材層の、前記導電性高分子を含む樹脂層とは反対側の面に1以上の別の導電性基材層が積層されており、
    該別の導電性基材層を構成する材料が、前記導電性基材層を構成する材料とは異なり、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる金属、Al、Ni、Cu、Au、Pt、Ag及びIrから選ばれる1種以上の金属の合金、グラフェン、活性炭及びカーボンナノチューブからなる群から選択される請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  11. 前記導電性高分子を含む樹脂層が、さらに導電性基材を含む請求項1〜10のいずれかに記載の積層体。
  12. 前記導電性高分子を含む樹脂層に含まれる導電性基材が、グラフェン、活性炭、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される1種以上である請求項11に記載の積層体。
  13. 前記導電性高分子を含む樹脂層に含まれる導電性基材が、シート状のグラフェン、シート状の活性炭、又はシート状のカーボンナノチューブを含み、
    前記導電性高分子が、前記シート状の導電性基材中に含浸されている請求項11又は12に記載の積層体。
  14. 前記樹脂層に含まれる導電性基材が、粉末状のグラフェン、粉末状の活性炭、又は粉末状のカーボンナノチューブであり、
    該粉末状の導電性基材が、前記導電性高分子を含む樹脂層中に分散されている請求項11又は12に記載の積層体。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の積層体を含む電極。
  16. 請求項15に記載の電極を含む電気化学デバイス。
  17. 請求項15に記載の電極を含む電気二重層キャパシタ。
  18. 請求項1〜14のいずれかに記載の積層体を含む配線材料。
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