JP2014133909A - 無電解めっき物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性高分子を用いた無電解めっき下地膜部分に選択的かつ安定的に均一なめっき皮膜を形成できる、無電解めっき物の製造方法を提供する。
【解決手段】導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する工程、前記無電解めっき下地膜を、標準電極電位EがE=−1.00V〜−0.10Vである酸性の還元剤水溶液に接触させる工程、及び前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する工程を含む、無電解めっき物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解めっき物の製造方法に関する。
導電性高分子は、電解コンデンサや電子機器のバックアップ用電池、携帯電話やノート型パソコンに使用されているリチウムイオン電池の電極等に使用されている。
導電性高分子の一種であるポリアニリンは,その電気的な特性に加え,安価なアニリンから比較的簡便に合成でき,かつ導電性を示す状態で酸素等に対して優れた安定性を示すという利点及び特性を有する。また,特許文献1に記載の方法によって、簡便に,かつ高導電のポリアニリンを得ることができる。
また、ポリアニリンは酸化還元能力を有しており、この特性を活かして無電解めっきの下地剤として注目されている(特許文献2)。
国際公開第2005/052058号パンフレット 特開2012−45819号公報
ポリアニリンを無電解めっき下地剤として用いる場合、従来は、下地剤の前処理工程(脱脂工程)には界面活性剤を用いていた。しかしながら、密着性向上のために下地膜中にバインダーを添加した場合や、下地膜の膜厚が厚い場合、脱脂工程の効果が薄れてめっきの析出性が低下し、均一なめっき皮膜が形成できないという問題があった。
本発明の目的は、導電性高分子を用いた無電解めっき下地膜部分に選択的かつ安定的に均一なめっき皮膜を形成できる、無電解めっき物の製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の無電解めっき物の製造方法が提供される。
1.導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する工程、
前記無電解めっき下地膜を、標準電極電位EがE=−1.00V〜−0.10Vである酸性の還元剤水溶液に接触させる工程、及び
前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する工程を含む、
無電解めっき物の製造方法。
2.前記還元剤水溶液のpHが6以下である1に記載の無電解めっき物の製造方法。
3.前記還元剤水溶液のpHが5以下である1又は2に記載の無電解めっき物の製造方法。
4.前記還元剤水溶液のpHが3以上である1〜3のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
5.前記還元剤水溶液の標準電極電位EがE=−0.80V〜−0.20Vである1〜4のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
6.前記還元剤水溶液が亜硫酸水素ナトリウム水溶液である1〜5のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
7.導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する工程、
前記無電解めっき下地膜を、2wt%以上20wt%以下の還元剤水溶液である亜硫酸水素ナトリウム水溶液に接触させる工程、及び
前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する工程を含む、
無電解めっき物の製造方法。
8.前記導電性ポリマーが置換又は無置換のポリアニリンがドーパントによってドープされたポリアニリン複合体である1〜7のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
9.前記ドーパントが下記式(III)で表される8に記載の無電解めっき物の製造方法。
Figure 2014133909
(式(III)中、Mは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。m’は、Mの価数である。R13及びR14は、それぞれ炭化水素基又は−(R15O)−R16基である。R15は、それぞれ炭化水素基又はシリレン基であり、R16は水素原子、炭化水素基又はR17 Si−基であり、rは1以上の整数である。R17は、それぞれ炭化水素基である。)
10.前記無電解めっき下地膜を、前記基材表面の一部に形成し、形成した無電解めっき下地膜上にのみ無電解めっき層を形成する1〜9のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
11.前記還元剤水溶液との接触工程後、前記無電解めっき層形成工程前に、前記無電解めっき下地膜に無電解めっき液用触媒金属を担持させる担持工程を含む1〜10のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
12.前記無電解めっき液用触媒金属がパラジウムである11に記載の無電解めっき物の製造方法。
13.前記担持工程を、前記無電解めっき下地膜にパラジウムイオンを含む溶液を接触させて行う11又は12に記載の無電解めっき物の製造方法。
14.前記パラジウムイオンを含む溶液が塩化パラジウム溶液である13に記載の無電解めっき物の製造方法。
15.前記無電解めっき層の形成を、前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜に無電解めっき液を接触させて行う1〜14のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
16.前記無電解めっき液が、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、銀、金、白金及びスズから選択される1以上の金属イオンを含む15に記載の無電解めっき物の製造方法。
本発明によれば、導電性高分子を用いた無電解めっき下地膜部分に選択的かつ安定的に均一なめっき皮膜を形成できる、無電解めっき物の製造方法が提供できる。
本発明の無電解めっき物の製造方法は、導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する工程、無電解めっき下地膜を、標準電極電位EがE=−1.00V〜−0.10Vである酸性の還元剤水溶液に接触させる工程、及び還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する工程を含む。
無電解めっき下地膜に、界面活性剤の代わりに上記の還元剤水溶液を接触(含浸)させることにより、めっき下地膜がバインダーを含む場合や、膜厚が厚い場合であっても、めっき下地膜上に均一なめっき皮膜を形成することができる。
また、本発明の製造方法によれば、基材表面の一部にめっき下地膜を形成した場合であっても、そのめっき下地膜上にのみめっき層を形成(析出)することができる。即ち、めっき下地膜を設けていない基材表面(めっき不要部分)にはめっき層は形成されないため、基材上に選択的にめっきをすることができる。この効果は、基材上にめっき金属回路を形成する場合等に特に有用である。
1.無電解めっき下地膜形成工程
本工程では、導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する。
導電性ポリマーとしては、π共役ポリマーがドーパントによってドープされているπ共役ポリマー複合体が好ましい。具体的には、置換又は無置換のポリアニリンがドーパントによってドープされているポリアニリン複合体、置換又は無置換のポリピロールがドーパントによってドープされているポリピロール複合体、及び、置換又は無置換のポリチオフェンがドーパントによってドープされているポリチオフェン複合体が挙げられる。なかでも、置換又は無置換のポリアニリンがドーパントによってドープされているポリアニリン複合体が好ましい。
ポリアニリンの重量平均分子量(以下、分子量という)は好ましくは20,000以上である。分子量が20,000未満であると、層の強度や延伸性が低下するおそれがある。分子量は、好ましくは20,000〜500,000であり、より好ましくは20,000〜300,000であり、さらに好ましくは20,000〜200,000である。分子量は、例えば50,000〜200,000、53,000〜200,000である。ここで、上記の重量平均分子量はポリアニリン複合体の分子量ではなく、ポリアニリンの分子量である。
分子量分布は好ましくは1.5以上10.0以下である。導電率の観点からは分子量分布は小さい方が好ましいが、溶剤への溶解性や成形性の観点では、分子量分布が広い方が好ましい場合もある。
分子量と分子量分布は、ゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)によりポリスチレン換算で測定する。
置換ポリアニリンの置換基としては、例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基(−CF基)等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
ポリアニリンは、汎用性及び経済性の観点から無置換のポリアニリンが好ましい。
置換もしくは無置換のポリアニリンは、好ましくは塩素原子を含まない酸の存在下で重合して得られるポリアニリンである。塩素原子を含まない酸とは、例えば1族〜16族及び18族に属する原子からなる酸である。具体的には、リン酸が挙げられる。塩素原子を含まない酸の存在下で重合して得られるポリアニリンとして、リン酸の存在下で重合して得られるポリアニリンが挙げられる。
塩素原子を含まない酸の存在下で得られたポリアニリンは、ポリアニリン複合体の塩素含有量をより低くすることができる。
ポリアニリン複合体の塩素含有量は、0.6重量%以下が好ましい。より好ましくは0.1重量%以下であり、さらに好ましくは0.04重量%以下であり、最も好ましくは0.0001重量%以下である。
ポリアニリン複合体の塩素含有量が0.6重量%超の場合、ポリアニリン複合体と接触する金属部分が腐食するおそれがある。
上記塩素含有量は、燃焼−イオンクロマト法によって測定する。
ポリアニリン複合体のドーパントとしては、例えばブレンステッド酸又はブレンステッド酸の塩から生じるブレンステッド酸イオンが挙げられ、好ましくは有機酸又は有機酸の塩から生じる有機酸イオンであり、さらに好ましくは下記式(I)で示される化合物(プロトン供与体)から生じる有機酸イオンである。
尚、本発明において、ドーパントが特定の酸であると表現する場合、及びドーパントが特定の塩であると表現する場合は、いずれも特定の酸又は特定の塩から生じる特定の酸イオンが、上述したπ共役ポリマーにドープするものとする。
M(XARn)m (I)
式(I)のMは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。
上記有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基が挙げられる。また、上記無機遊離基としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄が挙げられる。
式(I)のXは、アニオン基であり、例えば−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基が挙げられ、好ましくは−SO 基である。
式(I)のAは、置換又は無置換の炭化水素基である。
上記炭化水素基は、鎖状若しくは環状の飽和脂肪族炭化水素基、鎖状若しくは環状の不飽和脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基である。
鎖状の飽和脂肪族炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
環状の飽和脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。環状の飽和脂肪族炭化水素基は、複数の環状の飽和脂肪族炭化水素基が縮合していてもよい。例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基、縮合したアダマンチル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。鎖状の不飽和脂肪族炭化水素としては、直鎖若しくは分岐状のアルケニル基が挙げられる。
ここで、Aが置換の炭化水素基である場合の置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基又はエステル基である。
式(I)のRは、Aと結合しており、それぞれ独立して、−H、−R、−OR、−COR、−COOR、−(C=O)−(COR)、又は−(C=O)−(COOR)で表わされる置換基あり、Rは、置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、−(RO)x−R基、又は−(OSiR )x−OR(Rはそれぞれ独立にアルキレン基、Rはそれぞれ独立に炭化水素基であり、xは1以上の整数である)である。
の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、直鎖若しくは分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。また、上記炭化水素基の置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基又はエステル基である。Rの炭化水素基もRと同様である。
のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
式(I)のnは1以上の整数であり、式(I)のmは、Mの価数/Xの価数である。
式(I)で示される化合物としては、ジアルキルベンゼンスルフォン酸、ジアルキルナフタレンスルフォン酸、又はエステル結合を2以上含有する化合物が好ましい。
上記エステル結合を2以上含有する化合物は、スルホフタール酸エステル、又は下記式(II)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2014133909
式中、M、m及びXは、式(I)と同様である。Xは、−SO 基が好ましい。
式(II)のR、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)である。
、R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
の炭化水素基としては、R、R及びRの場合と同様である。
式(II)のR及びRは、それぞれ独立に、炭化水素基又は−(R10O)−R11基[ここで、R10は炭化水素基又はシリレン基であり、R11は水素原子、炭化水素基又はR12 Si−(R12は、炭化水素基であり、3つのR12は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]である。
及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられ、R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基の具体例としては、例えば、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
及びRにおける、R10が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基、芳香環を含むアリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基である。また、R及びRにおける、R11及びR12が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R、R及びRの場合と同様であり、qは、1〜10であることが好ましい。
及びRが−(R10O)−R11基である場合の式(II)で表わされる化合物の具体例としては、下記式で表わされる2つの化合物である。
Figure 2014133909
(式中、Xは式(I)と同様である。)
上記式(II)で表わされる化合物は、下記式(III)で示されるスルホコハク酸誘導体であることがさらに好ましい。
Figure 2014133909
式中、Mは、式(I)と同様である。m’は、Mの価数である。
式(III)のR13及びR14は、それぞれ独立に、炭化水素基又は−(R15O)−R16基[ここで、R15はそれぞれ独立に炭化水素基又はシリレン基であり、R16は水素原子、炭化水素基又はR17 Si−基(ここで、R17はそれぞれ独立に炭化水素基である)であり、rは1以上の整数である]である。
13及びR14が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRと同様である。
13及びR14において、R15が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R10と同様である。また、R13及びR14において、R16及びR17が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R、R及びRと同様である。
rは、1〜10であることが好ましい。
13及びR14が−(R15O)−R16基である場合の具体例としては、R及びRにおける−(R10O)−R11と同様である。
13及びR14の炭化水素基としては、R及びRと同様であり、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基が好ましい。
上記ドーパントはその構造を変えることにより、ポリアニリン複合体の導電性や、溶剤への溶解性をコントロールできることが知られている(特許第3384566号)。本発明においては、用途毎の要求特性によって最適なドーパントを選択できる。本発明において、式(I)で示される化合物としては、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。本発明のドーパントとしては、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸イオンが好ましい。
ポリアニリン複合体のドーパントが、置換又は無置換のポリアニリンにドープしていることは、紫外・可視・近赤外分光法やX線光電子分光法によって確認することができ、当該ドーパントは、ポリアニリンにキャリアを発生させるに十分な酸性を有していれば、特に化学構造上の制限なく使用できる。
ポリアニリンに対するドーパントのドープ率は、好ましくは0.35以上0.65以下であり、より好ましくは0.42以上0.60以下であり、さらに好ましくは0.43以上0.57以下であり、特に好ましくは0.44以上0.55以下である。ドープ率が0.35未満である場合、ポリアニリン複合体の有機溶剤への溶解性が高くならないおそれがある。
尚、ドープ率は(ポリアニリンにドープしているドーパントのモル数)/(ポリアニリンのモノマーユニットのモル数)で定義される。例えば無置換ポリアニリンとドーパントを含むポリアニリン複合体のドープ率が0.5であることは、ポリアニリンのモノマーユニット分子2個に対し、ドーパントが1個ドープしていることを意味する。
尚、ドープ率は、ポリアニリン複合体中のドーパントとポリアニリンのモノマーユニットのモル数が測定できれば算出可能である。例えば、ドーパントが有機スルホン酸の場合、ドーパント由来の硫黄原子のモル数と、ポリアニリンのモノマーユニット由来の窒素原子のモル数を、有機元素分析法により定量し、これらの値の比を取ることでドープ率を算出できる。但し、ドープ率の算出方法は、当該手段に限定されない。
ポリアニリン複合体は、無置換ポリアニリンとドーパントであるスルホン酸イオンとを含み、下記式(5)を満たすことが好ましい。
0.42≦S/N≦0.60 (5)
(式中、Sはポリアニリン複合体に含まれる硫黄原子のモル数の合計であり、Nはポリアニリン複合体に含まれる窒素原子のモル数の合計である。
尚、上記窒素原子及び硫黄原子のモル数は、例えば有機元素分析法により測定した値である。)
ポリアニリン複合体は、さらにリンを含んでも含まなくてもよい。
ポリアニリン複合体がリンを含む場合、リンの含有量は例えば10重量ppm以上5000重量ppm以下である。またリンの含有量は、例えば2000重量ppm以下、500重量ppm以下、250重量ppm以下である。
上記リンの含有量は、ICP発光分光分析法で測定することができる。
また、ポリアニリン複合体は、不純物として第12族元素(例えば亜鉛)を含まないことが好ましい。
ポリアニリン複合体は、公知の方法(例えば塩酸存在下でのアニリンの重合)で製造することができるが、好ましくはプロトン供与体、リン酸を含み、2つの液相を有する溶液中で、置換又は無置換のアニリンを化学酸化重合することにより製造する。
ここで「2つの液相を有する溶液」とは、溶液中に相溶しない2つの液相が存在する状態を意味する。例えば、溶液中に「高極性溶媒の相」と「低極性溶媒の相」が存在する状態、を意味する。
また、「2つの液相を有する溶液」は、片方の液相が連続相であり、他方の液相が分散相である状態も含む。例えば「高極性溶媒の相」が連続相であり「低極性溶媒の相」が分散相である状態、及び「低極性溶媒の相」が連続相であり「高極性溶媒の相」が分散相である状態が含まれる。
上記ポリアニリン複合体の製造方法に用いる高極性溶媒としては、水が好ましく、低極性溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましい。
上記プロトン供与体は、好ましくは上記式(I)で表わされる化合物である。
プロトン供与体の使用量は、アニリン単量体1molに対して好ましくは0.1〜0.5molであり、より好ましくは0.3〜0.45molであり、さらに好ましくは0.35〜0.4molである。
プロトン供与体の使用量が当該範囲より多い場合、重合終了後に例えば「高極性溶剤の相」と「低極性溶剤の相」を分離することができないおそれがある。
リン酸の使用濃度は、高極性溶媒に対して0.3〜6mol/Lであり、より好ましくは1〜4mol/Lであり、さらに好ましくは1〜2mol/Lである。
化学酸化重合に用いる酸化剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素のような過酸化物;二クロム酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硫酸カリウム鉄(III)、三塩化鉄(III)、二酸化マンガン、ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム、あるいはパラトルエンスルホン酸鉄等が使用でき、好ましくは過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
これら酸化剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
酸化剤の使用量は、アニリン単量体1molに対して好ましくは0.05〜1.8molであり、より好ましくは0.8〜1.6molであり、さらに好ましくは1.2〜1.4molである。酸化剤の使用量を当該範囲とすることで、十分な重合度が得られる。また、アニリンが十分に重合しているので、分液回収が容易であり、また重合体の溶解性が低下するおそれもない。
重合温度は通常−5〜60℃で、好ましくは−5〜40℃である。また、重合温度は重合反応の途中に変えてもよい。重合温度が当該範囲であることで、副反応を回避することができる。
ポリアニリン複合体は、具体的には以下の方法で製造することができる。
プロトン供与体及び乳化剤をトルエンに溶解した溶液を、窒素等の不活性雰囲気の気流下においたセパラブルフラスコに入れ、さらにこの溶液に、置換又は無置換のアニリンを加える。その後、不純物として塩素を含まないリン酸を溶液に添加し、溶液温度を冷却する。
溶液内温を冷却した後、撹拌を行う。過硫酸アンモニウムをリン酸に溶解した溶液を、滴下ロートを用いて滴下し、反応させる。その後、溶液温度を上昇させ、反応を継続する。反応終了後、静置することで二相に分離した水相側を分液する。有機相側にトルエンを追加し、リン酸及びイオン交換水で洗浄を行うことでポリアニリン複合体(プロトネーションされたポリアニリン)トルエン溶液が得られる。
得られた複合体溶液に含まれる若干の不溶物を除去し、ポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収する。この溶液をエバポレーターに移し、加温及び減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、ポリアニリン複合体が得られる。
後述するように、無電解めっき下地膜は、ポリアニリン複合体等の導電性ポリマーを含む溶液(塗工液)を用いて製造することができる。塗工液はフェノール性化合物を含むと好ましい。
フェノール性化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されない。フェノール性水酸基を有する化合物とは、フェノール性水酸基を1つ有する化合物、フェノール性水酸基を複数有する化合物、及びフェノール性水酸基を1つ又は複数有する繰り返し単位から構成される高分子化合物である。
フェノール性水酸基を1つ有する化合物は、好ましくは下記式(A)、(B)及び(C)で表わされる化合物である。
Figure 2014133909
(式中、nは1〜5の整数であり、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1である。
Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基である。)
式(A)で表されるフェノール性化合物において、−ORの置換位置はフェノール性水酸基に対し、メタ位、又はパラ位であることが好ましい。−ORの置換位置をメタ位又はパラ位とすることにより、フェノール性水酸基の立体障害が低減され、組成物の導電性をより高めることができる。
式(A)で表わされるフェノール性化合物の具体例としては、メトキシフェノール(例えば4−メトキシフェノール)、エトキシフェノール、プロポキシフェノール、イソプロポキシフェノール、ブチルオキシフェノール、イソブチルオキシフェノール、ターシャルブチルオキシフェノールが挙げられる。
Figure 2014133909
(式中、nは0〜7の整数であり、好ましくは0〜3であり、より好ましくは1である。
Rは、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基である。)
式(B)で表わされるフェノール性化合物の具体例としては、ヒドロキシナフタレンが挙げられる。
Figure 2014133909
(式中、nは1〜5の整数であり、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1である。
Rは、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基である。)
式(C)で表わされる化合物の具体例としては、o−,m−若しくはp−クレゾール、o−,m−若しくはp−エチルフェノール、o−,m−若しくはp−プロピルフェノール(例えば4−イソプロピルフェノール)、o−,m−若しくはp−ブチルフェノール、o−,m−若しくはp−ペンチルフェノール(例えば、4−tert−ペンチルフェノール)が挙げられる。
式(A)、(B)及び(C)のRについて、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャルブチル等が挙げられる。
アルケニル基としては、上述したアルキル基の分子内に不飽和結合を有する基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
アルキルアリール基、及びアリールアルキル基としては、上述したアルキル基とアリール基を組み合わせて得られる基等が挙げられる。
上記フェノール性水酸基を1つ有する化合物の例を示したが、置換フェノール類の具体例としてはフェノール、o−,m−若しくはp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。フェノール性水酸基を複数有する化合物の具体例としてはカテコール、レゾルシノール、下記式(D)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014133909
(式中、Rは炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン原子、カルボン酸基、アミノ基、SH基、スルホン酸基、又は水酸基であり、複数のRはそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0〜6の整数である。)
式(D)で表わされるフェノール性化合物は、互いに隣接しない2以上の水酸基を有することが好ましい。
また、式(D)で表されるフェノール性化合物の具体例としては、1,6ナフタレンジオール、2,6ナフタレンジオール、2,7ナフタレンジオールが挙げられる。
フェノール性水酸基を1つ又は複数有する繰り返し単位から構成される高分子化合物の具体例としては、フェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)が挙げられる。
ポリアニリン複合体及びフェノール性化合物を含む、塗工液中のフェノール性化合物の含有量は、好ましくはポリアニリン複合体1gに対してフェノール性化合物のモル濃度が0.01[mmol/g]以上100[mol/g]以下、より好ましくは0.05[mmol/g]以上1[mol/g]以下、さらに好ましくは0.1[mmol/g]以上500[mmol/g]以下、特に好ましくは0.2[mmol/g]以上80[mmol/g]以下の範囲である。
フェノール性化合物の含有量が少なすぎる場合、電気伝導率の改善効果が得られないおそれがある。一方、フェノール性化合物の含有量が多すぎる場合、膜質が悪くなるおそれがある。また、揮発除去する際に多大な熱や時間等の労力を必要としコスト増となる。
導電性高分子がポリピロールの場合、ポリピロールの分子量、分子量分布、置換ポリピロールの置換基は上記ポリアニリンと同様である。
ポリピロール複合体のドーパントとしては、特に制限はなく、一般的にピロール及び/又はピロール誘導体の重合体を含んでなる導電性ポリマーに好適に用いられるアクセプター性ドーパントを適宜使用できる。
代表的なものとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸等のスルホン酸類、過塩素酸、塩素、臭素等のハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸等がある。これらは、酸形態であってよいし、塩形態にあることもできる。モノマーに対する溶解性の観点から好ましいものは、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸テトラブチルアンモニウム、トリフルオロスルホンイミドテトラブチルアンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等である。
ドーパントを使用する場合のドーパントの使用量は、ピロール重合体単位ユニット当たりドーパント0.01〜0.3分子となる量が好ましい。0.01分子以下では、十分な導電性パスを形成するに必要なドーパント量としては不十分であり、高い導電性を得ることが難しい。一方、0.3分子以上加えてもドープ率は向上しないから、0.3分子以上のドーパントの添加は経済上好ましくない。ここでピロール重合体単位ユニットとは、ピロールモノマーが重合して得られるピロール重合体のモノマー1分子に対応する繰返し部分のことを指す。
導電性高分子がポリチオフェンの場合、ポリチオフェンの分子量、分子量分布、置換ポリチオフェンの置換基は上記ポリアニリンと同様である。置換ポリチオフェンとしては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が好ましい。
ポリチオフェン複合体のドーパントとしては、アニオン系界面活性剤の有機酸イオン、無機酸イオンが挙げられる。アニオン系界面活性剤の有機酸イオンとしては、スルホン酸系イオン、エステル化された硫酸イオン等が挙げられる。無機酸イオンとしては、硫酸イオン、ハロゲンイオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、ヘキサシアノ鉄酸イオン、リン酸イオン、リンモリブデン酸イオン等が挙げられる。
基材は特に限定されず、金属、無機素材(セラミックス、ガラス等)、又は樹脂であってもよい。また、金属を樹脂で完全に覆った基材や、無機系素材と樹脂との複合材(例えば、FRP、ガラスエポキシ複合材)等であってもよい。樹脂の種類としては、ポリカーボネート系、アクリル系、ナイロン系、ポリイミド系、ポリエステル系、スチレン系、フェノール系等が挙げられる。また、耐熱性が要求される場合には、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
基材の可撓性、印刷時の寸法安定性、及びフィルムの入手性の観点から、基材の厚さは2μm以上であることが好ましい。例えば、10μm以上、20μm以上、50μm以上である。上限は特に限定されないが、例えば100mm以下、10mm以下、1mm以下である。
無電解めっき下地膜の形成方法は、特に限定されない。例えば、導電性ポリマーを溶媒に溶解した溶液(塗液)を用いて、バーコート法により基材上に塗工し、乾燥する塗工方法が挙げられる。
上記溶媒としては、芳香族系、ケトン系、脂肪族系、アルコール系、アミド系、エステル系等から適宜使用できるが、具体的にはトルエン、クレゾール、ヘキサン、メチルイソブイチルケトン、2−ブタノン、2−プロパノール、メタノール、ジメチルホルムアミド、酢酸ブチル、酢酸エチル等が挙げられる。これらを単独で用いても、複数を組合せて用いてもよい。
上記塗液は、基材との密着性向上のため、バインダーを含んでもよい。バインダーとしては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリアミド系、ビニル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系等が挙げられる。
さらに、末端にアクリレート、メタクリレート等の反応性官能基を有し、UV(紫外線)やEB(電子線)等で硬化するモノマー、オリゴマー、ポリマーをバインダーとすることも可能である。この場合、上記溶剤に代え、モノマーやオリゴマーを添加して粘度等液性を調整した無溶媒系として用いることも可能である。
無電解めっき下地膜の乾燥膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上である。膜厚が0.1μm未満であると、基材とめっき膜の密着力が保持できないため、剥離しやすくなってしまう。また、Pd金属が担持されない領域が多くなる恐れがあり、無電解めっきされない領域が多くなる恐れがある。乾燥膜厚の上限は特にないが、例えば100μm以下、10μm以下、5.0μm以下である。
2.酸性還元剤水溶液との接触工程
本工程では、上記で得られた無電解めっき下地膜を、標準電極電位EがE=−1.00V〜−0.10Vである酸性の還元剤水溶液に接触させる。
本発明における還元剤水溶液は酸性であり、還元剤水溶液のpHは、好ましくは6以下、より好ましくは5以下である。また、還元剤水溶液のpHは、好ましくは3以上である。このような、いわゆる弱酸性の範囲であると好ましい。pHはpHメーターを使用して測定する。
また、還元剤水溶液の標準電極電位Eは、好ましくはE=−0.20V〜−0.80Vである。標準電極電位は、25℃の条件で、酸化還元電位計(ORP計)で測定した値に基づき算出する。尚、本発明における還元剤水溶液は酸性であるので、酸化還元電位計の測定も酸性環境下で行う。
還元剤としては、亜硫酸水素ナトリウムが最も好ましい。
還元剤水溶液の濃度(重量比)は2%〜20%が好ましく、3〜18%がさらに好ましく、4%〜16%がより好ましく、8〜16%が最も好ましい。濃度が低すぎると、ポリアニリン等の導電性ポリマーを完全還元状態にすることができない恐れがある。
尚、還元剤処理の前に、表面の状態を整えるために界面活性剤によって処理を行ってもよい。
上記接触工程の後、通常、無電解めっき下地膜に触媒金属を担持させる工程を含む。
触媒金属の担持は、触媒金属の単体又は化合物の溶液、即ち触媒金属イオンを含む溶液を、無電解めっき下地膜に接触させて行うことができる。
触媒金属イオンを含む溶液を接触させると、ポリアニリン複合体等の導電性ポリマーは触媒金属イオンを吸着し、導電性ポリマーの還元作用により、触媒金属イオンが触媒金属に還元される。
尚、触媒金属は、還元された状態、即ち金属状態でなければ無電解めっきにおける触媒作用を発現しない。
上記単位面積当たりの触媒金属付着量(触媒金属イオン及び触媒金属を含む)は1.7μg/cm以上であることが好ましく、2.5μg/cm以上であることがさらに好ましい。
触媒金属としては、パラジウム(Pd)が好ましい。また、Pd化合物としては、塩化パラジウムが好ましい。
溶媒としては、塩酸が一般に用いられるが、Pdがイオン状態で水溶液中に存在していればよいため、塩酸に限定されない。Pd化合物溶液としては、例えば、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
Pd化合物溶液と無電解めっき下地膜との接触温度は、通常20〜50℃、好ましくは30〜40℃であり、接触時間は、通常0.1〜10分、好ましくは1〜5分である。
3.無電解めっき層の形成工程
本工程では、上記処理を行った無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する。
無電解めっき層の形成は、めっき下地膜に無電解めっき液を接触させて行うことができる。めっき下地膜と無電解めっき液が接触すると、担持した触媒金属の触媒作用により、めっき下地膜上にめっき層が形成される。
無電解めっきとは、還元剤を用いて行う、自己触媒作用を有する金属の無電解めっきである。例えば無電解銅めっきの場合、溶液中の銅イオンを、ホルムアルデヒド等の還元剤を用いて還元して金属銅皮膜を析出させ、析出した金属銅が自己触媒となってさらに銅イオンを金属化し、析出させる化学的プロセスである。
無電解めっき液としては、通常の無電解めっき液を用いることができる。無電解めっきの金属種は、銅の他にニッケル、コバルト、パラジウム、銀、金、白金及びスズ等が挙げられる。また、これらの他にリン、ホウ素、鉄等の元素が含有されていてもよい。
無電解めっき液との接触温度は、めっき浴種類、厚み等によって異なるが、例えば低温浴であれば20〜50℃程度、高温では50〜90℃程度である。また無電解めっき液との接触時間もめっき浴種類や厚み等によって異なるが、例えば1〜30分、好ましくは5〜15分である。
無電解めっきでめっきを行ってもよく、または無電解めっきで金属薄膜を設けた後で電解めっきにより、さらに同種又は異なる金属膜を設けることも可能である。
製造例1
[ポリアニリン複合体の製造]
エーロゾルOT(AOT:ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)37.8g及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル構造を有する非イオン乳化剤であるソルボンT−20(東邦化学工業株式会社製)1.47gをトルエン600mLに溶解した溶液を、窒素気流下においた6Lのセパラブルフラスコに入れ、さらにこの溶液に、22.2gのアニリンを加えた。その後、1Mリン酸1800mLを溶液に添加し、トルエンと水の2つの液相を有する溶液の温度を5℃に冷却した。
溶液内温が5℃に到達した時点で、毎分390回転で撹拌を行った。65.7gの過硫酸アンモニウムを1Mリン酸600mLに溶解した溶液を、滴下ロートを用いて2時間かけて滴下した。滴下開始から18時間、溶液内温を5℃に保ったまま反応を実施した。その後、反応温度を40℃まで上昇させ、1時間反応を継続した。その後、静置し、トルエン相を分離した。得られたトルエン相にトルエンを1500ml添加し、1Mリン酸500mL1回、イオン交換水500mLで3回洗浄し、トルエン相を静置分離し、濃度調整のための濃縮を行い、ポリアニリン複合体トルエン溶液900gを得た。このポリアニリン複合体トルエン溶液のポリアニリン複合体濃度は5.7重量%であった。
製造例2
製造例1で得たポリアニリン/AOT複合体トルエン溶液を60℃の湯浴で、減圧乾燥し、乾固してポリアニリン複合体を51.3g得た。
実施例1
[めっき下地膜形成工程]
製造例2で得たポリアニリン粉末2.8gをMIBK(和光純薬製)17gとイソプロパノール(和光純薬製)8.5gに溶解した。その後、ウレタン樹脂であるASPU112(DIC株式会社製、固形分濃度30%)を5.7g添加し、撹拌を行い均一なめっき下地形成用塗液を作製した。得られた塗液をバーコーターにてポリカーボネートフィルムであるカーボグラスフィルムC110C(PCフィルム、PCフィルム、旭硝子株式会社製)の表面の一部に塗布し、120℃で30分乾燥してめっき下地膜を形成した。このとき、めっき下地膜の厚みは1μmであった。めっき下地膜中のポリアニリン濃度は62.5wt%、ウレタン樹脂濃度は37.5wt%であった。
[前処理工程]
亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解し、10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を調製した。
めっき下地膜を設けた基材全体を、この10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液中へ30℃で5分間浸漬して、脱脂処理を行った。
[Pd金属担持工程]
脱脂処理後のフィルムを、レッドシューマー(パラジウム水溶液、日本カニゼン株式会社製)の5倍希釈液中に30℃で5分間浸漬し、金属Pd担持処理を行った。
[めっき層形成工程]
Pd金属担持処理後のフィルムについて、無電解銅めっき液「ATSアドカッパーIW」(奥野製薬工業株式会社製)を用いて33℃で15分間めっき処理を行った。
その結果、めっき下地膜上に均一な銅めっきの形成が確認できた。また、めっき下地膜以外の部分には銅めっきは形成されなかった。
実施例2
前処理工程において、10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液の代わりに、亜硫酸水素ナトリウム15gをイオン交換水85gに溶解して調製した15wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして無電解めっき処理を行った。
その結果、めっき下地膜上に均一な銅めっきの形成が確認できた。また、めっき下地膜以外の部分には銅めっきは形成されなかった。
実施例3
前処理工程において、10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液の代わりに亜硫酸水素ナトリウム4gをイオン交換水96gに溶解して調製した4wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして無電解めっき処理を行った。
その結果、めっき下地膜上に均一な銅めっきの形成が確認できた。また、めっき下地膜以外の部分には銅めっきは形成されなかった。
比較例1
前処理工程において、10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液の代わりにチオ硫酸ナトリウム(和光純薬株式会社製)4gをイオン交換水96gに溶解して調製した4wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして無電解めっき処理を行った。
その結果、めっき下地膜上に銅めっきが全く形成されなかった。
比較例2
前処理工程において、10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液の代わりに亜硫酸ナトリウム(和光純薬株式会社製)4gをイオン交換水96gに溶解して調製した4wt%亜硫酸ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして無電解めっき処理を行った。
その結果、めっき下地膜上に銅めっきが形成されている部分とされていない部分が確認され、均一な銅めっきが形成されなかった。
比較例3
前処理工程において、10wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液の代わりに水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬株式会社製)0.5gをイオン交換水99.5gに溶解して調製した0.5wt%水素化ホウ素ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして無電解めっき処理を行った。
その結果、めっき下地膜がない部分までも銅めっきが析出され、めっき下地膜部分のみに選択的に銅めっきを形成させることはできなかった。
実施例及び比較例で用いた還元剤水溶液のpHを以下に示す。尚、pHはpHメーターを使用して測定した。
10wt%亜硫酸水素ナトリウム:pH4.3
15wt%亜硫酸水素ナトリウム:pH4.1
4wt%亜硫酸水素ナトリウム:pH4.3
4wt%チオ硫酸ナトリウム:pH6.5
4wt%亜硫酸ナトリウム:pH9.6
0.5wt%水素化ホウ素ナトリウム:pH13.2
また、実施例及び比較例で用いた還元剤の標準電極電位Eを以下に示す。尚、標準電極電位Eは、25℃の条件で、酸化還元電位計(ORP計)で測定した値に基づき算出した。
亜硫酸水素ナトリウム:E=−0.45V
チオ硫酸ナトリウム:E=0.08V
亜硫酸ナトリウム:E=−0.93V
水素化ホウ素ナトリウム:E=−1.24V
実施例及び比較例における評価結果を表1に示す。
めっき下地膜の領域にめっきが形成されたか否かの評価(領域内めっき形成)において、めっき下地膜上に均一な銅めっきの形成が確認できた場合を「○」、めっき下地膜上に銅めっきが形成されている部分とされていない部分が確認され、均一な銅めっきが形成されなかった場合を「△」、めっき下地膜上に銅めっきが全く形成されなかった場合を「×」とした。
また、めっき下地膜以外の領域に余計なめっきが形成されたか否かの評価(領域外めっき形成)において、めっき下地膜以外の領域に銅めっきの形成が確認されなかった場合を「○」、めっき下地膜以外の領域に銅めっきの形成が確認された場合を「×」とした。
Figure 2014133909
比較例1〜3について、以下のように考察される。
比較例1で用いたチオ硫酸ナトリウムは還元力が低く、ポリアニリンを完全還元状態にすることはできなかった。
比較例2で用いた亜硫酸ナトリウムは、塩基性条件下では還元力を有するが、反応が進むにつれて徐々に溶液が酸性になるため還元能を有さなくなり、めっき性が低下した。
比較例3で用いた水素化ホウ素ナトリウムは還元力が非常に強いため、基材や下地膜を侵食した。基材表面上に少量でも水素化ホウ素ナトリウムが残留すると、下地膜以外の部分でもPdを担持してしまうため、範囲外析出を引き起こした。
本発明の無電解めっき物の製造方法は、無電解めっきに用いることができる。

Claims (16)

  1. 導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する工程、
    前記無電解めっき下地膜を、標準電極電位EがE=−1.00V〜−0.10Vである酸性の還元剤水溶液に接触させる工程、及び
    前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する工程を含む、
    無電解めっき物の製造方法。
  2. 前記還元剤水溶液のpHが6以下である請求項1に記載の無電解めっき物の製造方法。
  3. 前記還元剤水溶液のpHが5以下である請求項1又は2に記載の無電解めっき物の製造方法。
  4. 前記還元剤水溶液のpHが3以上である請求項1〜3のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  5. 前記還元剤水溶液の標準電極電位EがE=−0.80V〜−0.20Vである請求項1〜4のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  6. 前記還元剤水溶液が亜硫酸水素ナトリウム水溶液である請求項1〜5のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  7. 導電性ポリマーを含む無電解めっき下地膜を基材上に形成する工程、
    前記無電解めっき下地膜を、2wt%以上20wt%以下の還元剤水溶液である亜硫酸水素ナトリウム水溶液に接触させる工程、及び
    前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜上に無電解めっき層を形成する工程を含む、
    無電解めっき物の製造方法。
  8. 前記導電性ポリマーが置換又は無置換のポリアニリンがドーパントによってドープされたポリアニリン複合体である請求項1〜7のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  9. 前記ドーパントが下記式(III)で表される請求項8に記載の無電解めっき物の製造方法。
    Figure 2014133909
    (式(III)中、Mは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。m’は、Mの価数である。R13及びR14は、それぞれ炭化水素基又は−(R15O)−R16基である。R15は、それぞれ炭化水素基又はシリレン基であり、R16は水素原子、炭化水素基又はR17 Si−基であり、rは1以上の整数である。R17は、それぞれ炭化水素基である。)
  10. 前記無電解めっき下地膜を、前記基材表面の一部に形成し、形成した無電解めっき下地膜上にのみ無電解めっき層を形成する請求項1〜9のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  11. 前記還元剤水溶液との接触工程後、前記無電解めっき層形成工程前に、前記無電解めっき下地膜に無電解めっき液用触媒金属を担持させる担持工程を含む請求項1〜10のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  12. 前記無電解めっき液用触媒金属がパラジウムである請求項11に記載の無電解めっき物の製造方法。
  13. 前記担持工程を、前記無電解めっき下地膜にパラジウムイオンを含む溶液を接触させて行う請求項11又は12に記載の無電解めっき物の製造方法。
  14. 前記パラジウムイオンを含む溶液が塩化パラジウム溶液である請求項13に記載の無電解めっき物の製造方法。
  15. 前記無電解めっき層の形成を、前記還元剤水溶液との接触後の無電解めっき下地膜に無電解めっき液を接触させて行う請求項1〜14のいずれかに記載の無電解めっき物の製造方法。
  16. 前記無電解めっき液が、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、銀、金、白金及びスズから選択される1以上の金属イオンを含む請求項15に記載の無電解めっき物の製造方法。
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