JP4931776B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサに関する。
一般に固体電解コンデンサは、ニオブ(Nb)やタンタル(Ta)などの弁作用金属からなる陽極を陽極酸化することによりその表面に主に酸化物からなる誘電体層を形成し、この誘電体層の上に電解質層を形成し、その上に陰極層を形成することにより構成されている。電解質層としては、たとえば、化学重合法により形成したポリピロールからなる第1導電性高分子層と、電解重合法により形成したポリピロールからなる第2導電性高分子層とを積層した構造のものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平4−48710号公報
しかしながら、このような従来の固体電解コンデンサでは、誘電体層中に欠陥(たとえば、非晶質な誘電体層の結晶化、等)が生じ、漏れ電流が増加するという問題があった。これに対し、漏れ電流の低減のために誘電体層の厚さを増加させると、静電容量が低下するという別の問題が生じる。このため、近年の固体電解コンデンサには、こうした特性の改善が強く求められている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、漏れ電流の増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサは、陽極と、導電性高分子層を含む陰極との間において、この導電性高分子層と接して設けられた誘電体層を備え、誘電体層には導電性高分子層との界面に複数の凹部を設け、凹部の深さが凹部の開口径の0.1倍〜1.5倍の範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、漏れ電流の増加を抑制することが可能な固体電解コンデンサが提供される。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1は本実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。図2(A)は図1の固体電解コンデンサにおける陽極体近傍を拡大した概略断面図、図2(B)は陽極体を構成する金属粒子1つ分に相当する拡大断面の模式図である。
本実施形態の固体電解コンデンサは、図1に示すように、陽極体1と、この陽極体1の表面に形成された誘電体層2と、誘電体層2の上に形成された導電性高分子層3と、この導電性高分子層3の上に形成された陰極層4と、を備えている。そして、誘電体層2は、図2(B)に示すように、導電性高分子層3との界面から陽極体(金属粒子)1に向って誘電体層2の厚さ方向に孔状のピット(凹部)2aを有している。こうしたピット2aは誘電体層2の表面に沿って複数設けられ、複数のピット2aのそれぞれは導電性高分子層3で充填された状態となっている。なお、すべてのピット2aが導電性高分子層3により
充填されている必要はなく、一部(途中まで)充填されている状態や、全く充填されずピットの内部が空洞となっている状態であってもよいし、これらの状態が混在していてもよい。
具体的な固体電解コンデンサの構成は以下の通りである。
陽極体1は、図2(A)に示すように、弁作用金属からなる金属粒子の多孔質焼結体で構成され、その内部に弁作用金属からなる陽極リード1aの一部が埋め込まれている。ここで、陽極リード1aおよび陽極体1を構成する弁作用金属としては、絶縁性の酸化膜を形成できる金属材料であり、たとえば、ニオブ、タンタル、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などが採用される。また、上述の弁作用金属同士の合金を採用してもよい。
誘電体層2は、弁作用金属の酸化物からなる誘電体で構成され、陽極リード1aおよび陽極体1の表面上に所定の厚さで設けられている。たとえば、弁作用金属がニオブ金属から構成される場合には、誘電体層2は酸化ニオブとなる。そして、誘電体層2には、図2(B)に示すように、複数の孔状のピット(凹部)2aが誘電体層2の表面(誘電体層2の陰極側表面)に沿って点在している。こうした孔状のピット2aは、誘電体層2の表面から陽極体(金属粒子)1に向って誘電体層2の厚さ方向に形成され、所定の開口径Wおよび所定の深さDを有するとともに、隣接するピット2a間は所定の間隔Lで分布している。また、本実施形態では、誘電体層2内にはフッ素(F)が含まれ、フッ素は誘電体層2の陽極側に偏在している。具体的には、フッ素は誘電体層2の厚さ方向(誘電体層2の陰極側から陽極側に向う方向)に濃度分布を有し、フッ素の濃度は誘電体層2と陽極体1との界面で最大となっている。
導電性高分子層3は、電解質層として機能し、ピット2a内を含む誘電体層2の表面上に設けられている。この導電性高分子層3は、化学重合法により形成された第1導電性高分子層と、電解重合法により形成された第2導電性高分子層との積層膜となっている。なお、導電性高分子層3(第1導電性高分子層および第2導電性高分子層)の材料としては、導電性を有する高分子材料であれば特に限定されないが、導電性に優れたポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフランなどの材料が採用される。
陰極層4は、カーボン粒子を含む層からなるカーボン層4aと、銀粒子を含む層からなる銀ペースト層4bとの積層膜で構成され、導電性高分子層3の上に設けられている。こうした陰極層4および導電性高分子層3により陰極が構成される。
本実施形態では、さらに陰極層4の上に導電性接着材5を介して平板状の陰極端子6が接続され、陽極リード1aに平板状の陽極端子7が接続されている。そして、陽極端子7および陰極端子6の一部が、図1のように外部に引き出される形で、エポキシ樹脂などからなるモールド外装体8が形成されている。陽極端子7および陰極端子6の材料としては、ニッケル(Ni)などの導電性材料を用いることができ、モールド外装体8から露出した陽極端子7および陰極端子6の端部は、折り曲げて本固体電解コンデンサの端子として機能させる。
なお、陽極体1は本発明の「陽極」、弁作用金属からなる金属粒子は本発明の「金属粒子」、多孔質焼結体は本発明の「焼結体」、誘電体層2は本発明の「誘電体層」、ピット2aは本発明の「凹部」、導電性高分子層3は本発明の「導電性高分子層」、導電性高分子層3および陰極層4は本発明の「陰極」、深さDは本発明の「深さ」、及び開口径Wは本発明の「開口径」の一例である。
(製造方法)
次に、図1に示す本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
工程1:陽極リード1aの周囲に、陽極リード1aの一部を埋め込むように成形された弁作用を有する金属粒子からなる成形体を真空中で焼結することにより、多孔質焼結体からなる陽極体1を形成する。この際、金属粒子間は溶着される。
工程2:陽極体1に対してフッ素イオンを含む水溶液中において陽極酸化を行うことにより、陽極体1の周囲を覆うように弁作用金属の酸化物からなる誘電体層2を所定の厚さで形成する。本実施形態では、所定の温度において、設定電圧を所定の振幅で、且つ、所定の周期で変動させて陽極酸化することにより、陽極体1上に誘電体層2を形成するとともに、誘電体層2の表面(陰極側の表面)に複数のピット2aを発生させている。なお、この際、誘電体層2にはフッ素が取り込まれ、フッ素は誘電体層2の陽極側(誘電体層2と陽極体1との界面)に偏在して分布する。
工程3:ピット2a内を含む誘電体層2の表面上に、化学重合法を用いて第1導電性高分子層を形成する。具体的には、化学重合法では、酸化剤を用いてモノマーを酸化重合することにより第1導電性高分子層を形成する。引き続き、第1導電性高分子層の表面上に、電解重合法を用いて第2導電性高分子層を形成する。具体的には、電解重合法では、第1導電性高分子層を陽極とし、モノマーおよび電解質を含む電解液中において外部陰極との間で電解重合することにより第2導電性高分子層を形成する。このようにして、ピット2a内を含む誘電体層2上に第1導電性高分子層と第2導電性高分子層との積層膜からなる導電性高分子層3を形成する。
工程4:導電性高分子層3上にカーボンペーストを塗布、乾燥することによりカーボン層4aを形成する。さらに、このカーボン層4a上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀ペースト層4bを形成する。これにより、導電性高分子層3上にカーボン層4aと銀ペースト層4bとの積層膜からなる陰極層4が形成される。
工程5:平板状の陰極端子6上に導電性接着材5を塗布した後、この導電性接着材5を介して陰極層4と陰極端子6とを接触させた状態で乾燥させることにより、陰極層4と陰極端子6とを接続する。また、陽極リード1a上に平板状の陽極端子7をスポット溶接により接続する。
工程6:トランスファー法でモールドを行い、エポキシ樹脂からなるモールド外装体8を周囲に形成する。この際、陽極リード1a、陽極体1、誘電体層2、導電性高分子層3、及び陰極層4を内部に収納するとともに、陽極端子7および陰極端子6の端部を外部(相反する方向)に引き出すように形成する。
工程7:モールド外装体8から露出した陽極端子7および陰極端子6の先端部を下方に折り曲げ、モールド外装体8の下面に沿って配置する。この両端子の先端部は、固体電解コンデンサの端子として機能し、実装基板に固体電解コンデンサを電気的に接続するために使用される。
以上の工程を経て、本実施形態の固体電解コンデンサが製造される。
以下の実施例および比較例では、陰極層まで形成した固体電解コンデンサを作製し、その特性評価を行った。
(実施例1)
実施例1では、上述実施形態の製造方法における各工程(工程1〜工程4)に対応した工程を経て固体電解コンデンサA1を作製した。
工程1A:電解酸化被膜(誘電体層)形成後のニオブ多孔質焼結体の容量と電解電圧の積であるCV値が150,000μF・V/gとなるニオブ金属粉末を用意する。このニオブ金属粉末を用いて陽極リード1aの一部を埋め込むようにして成型し、真空中において1200℃程度で焼結する。これにより、ニオブ多孔質焼結体からなる陽極体1を形成する。この際、ニオブ金属粒子間は溶着される。以下、特に断らない限り、各実施例および比較例におけるCV値は150,000μF・V/gである。
工程2A:焼結された陽極体1に対して、40℃に保持した0.1重量%のフッ化アンモニウム水溶液中において中心電圧20V(振幅0.20V、周期10分)で10時間陽極酸化を行う。これにより、陽極体1の周囲を覆うようにフッ素を含む酸化ニオブからなる誘電体層2を形成するとともに、誘電体層2の表面(陰極側の表面)に複数の孔状のピット2aを形成する。この際、フッ素は誘電体層2の厚さ方向に濃度分布を有し、フッ素の濃度は誘電体層2と陽極体1との界面で最大となる。上述のフッ化アンモニウム水溶液中における電圧制御では、こうした孔状のピット2aは、開口径Wが平均径で2.5nm、深さDが平均深さで2.5nm(平均径の1.0倍)の状態に仕上がる。なお、本発明における開口径Wとしては、陽極体近傍の断面TEM(透過電子顕微鏡)像などから100個程度のピットを抽出し、ピット断面の内径の最大値を開口径として、その開口径の平均値より求める平均径を採用している。また、深さDは、同様にして100箇所程度のピットを抽出し、その深さの平均値より求める平均深さを採用している。
工程3A:表面にピット2aを有する誘電体層2が形成された陽極体1を、酸化剤溶液に浸漬した後、ピロールモノマー液に浸漬し、誘電体層2上でピロールモノマーを重合させる。これにより、誘電体層2上にポリピロールからなる第1導電性高分子層が形成される。引き続き、第1導電性高分子層を陽極とし、ピロールモノマーおよび電解質を含む電解液中で電解重合することにより、第1導電性高分子層上にさらに第2導電性高分子層を所定の厚さで形成する。これにより、第1導電性高分子層上にポリピロールからなる第2導電性高分子層が形成される。このようにして、ピット2a内を含む誘電体層2の表面上に第1導電性高分子層と第2導電性高分子層との積層膜からなる導電性高分子層3を形成する。
工程4A:導電性高分子層3上にカーボンペーストを塗布、乾燥することによりカーボン粒子を含む層からなるカーボン層4aを形成し、このカーボン層4a上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀粒子を含む層からなる銀ペースト層4bを形成する。これにより、導電性高分子層3上にカーボン層4aと銀ペースト層4bとの積層膜からなる陰極層4を形成する。
このようにして、実施例1における固体電解コンデンサA1が作製される。
(実施例2)
実施例2では、工程2Aにおける陽極酸化時の設定温度を、温度40℃から温度30℃に代えてピットを有する誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサA2を作製した。なお、この条件によるピットは、平均径2.5nm、平均深さ0.25nm(平均径の0.1倍)の状態で形成される。
(実施例3および4)
実施例3および4では、工程2Aにおける陽極酸化時の設定温度を、温度40℃から温度35℃および45℃に代えてピットを有する誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサA3およびA4を作製した。なお、こうした条件によるピットは、平均径2.5nm、平均深さ1.25nm(平均径の0.5倍)および3.75nm(平均径の1.5倍)の状態で形成される。
(実施例5)
実施例5では、工程2Aにおける陽極酸化時の電圧制御条件を、周期10分(中心電圧20V、振幅0.20V)から周期5分(中心電圧20V、振幅0.20V)に代えてピットを有する誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサA5を作製した。なお、この条件によるピットは、平均径0.2nm、平均深さ0.2nm(平均径の1.0倍)の状態で形成される。
(実施例6〜12)
実施例6〜12では、工程2Aにおける陽極酸化時の電圧制御条件を、周期10分(中心電圧20V、振幅0.20V)から周期2分、7分、13分、15分、17分、20分、60分(中心電圧20V、振幅0.20V)に代えてピットを有する誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサA6〜A12を作製した。なお、こうした条件によるピットは、平均径0.1nm〜70.0nm(表2参照)、平均深さ0.1nm〜70.0nm(平均径の1.0倍)の状態で形成される。
(比較例)
比較例では、工程2Aにおける陽極酸化時の電圧制御条件を、従来条件と同じ電圧一定(電圧20V)にして誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサXを作製した。なお、この条件では表面にピットが発生することなく誘電体層が形成される。
(評価)
固体電解コンデンサについて漏れ電流と静電容量をパラメータとする性能指数を評価した。表1は各固体電解コンデンサの性能指数の評価結果(ピットの平均深さ依存)を示し、表2は各固体電解コンデンサの性能指数の評価結果(ピットの平均径依存)を示す。なお、各性能指数の値は試料数各10個についての平均である。
性能指数は、漏れ電流、静電容量、及び定格電圧を用いて、以下の式(1)により算出される。なお、この値が小さい程、コンデンサの性能が高いことを表している。
性能指数=(漏れ電流(μA)/静電容量(μF)×定格電圧(V))・・・(1)
漏れ電流および静電容量の測定条件は以下の通りである。
漏れ電流は、電流計を用いて、各固体電解コンデンサに対して2.5V(定格電圧に相当)の電圧を印加して20秒後の電流を測定した。
静電容量(固体電解コンデンサの周波数120Hzでの静電容量)は、各種固体電解コンデンサに対して、LCRメータを用いて測定した。
Figure 0004931776
表1に示すように、従来の比較例(固体電解コンデンサX)に対し、誘電体層の表面に各平均深さを有するピットを設けた実施例1〜4(固体電解コンデンサA1〜A4)では、性能指数が向上していることが分かる。これは、誘電体層のピットにより漏れ電流の増加が抑制されたためと推察される。すなわち、誘電体層のピット内に導電性高分子層が充填された部分(充填ピット)あるいは誘電体層のピット内に導電性高分子層が充填されずピットに起因した空洞が形成される部分(空洞ピット)では、作製時もしくは使用時に発生する応力が、こうした充填ピットあるいは空洞ピットの変形(膨張・収縮)により緩和される。これにより、誘電体層にピットがない場合に比べて、誘電体層内での欠陥の発生が抑制されるためであると推察される。
Figure 0004931776
表2に示すように、従来の比較例(固体電解コンデンサX)に対し、誘電体層の表面に各平均径を有するピットを設けた実施例1、5〜12(固体電解コンデンサA1、A5〜A12)では、性能指数が向上していることが分かる。これは、誘電体層のピット(充填ピットあるいは空洞ピット)に起因して漏れ電流の増加が抑制されたためと推察される。また、こうした実施例の中でピットの平均径が0.2nm〜50.0nmの範囲では、性能指数をさらに向上させることができる。なお、ピットの平均径が0.1nmの場合に性能指数の改善効果が比較的小さいのは、誘電体層のピット自体が小さいために応力緩和効果が十分得られていないためと推察される。また、ピットの平均径が70.0nmの場合には、ピット内に充填される導電性高分子層との間で比較的剥離が生じやすく、静電容量が低下したためと推察される。
本実施形態の固体電解コンデンサによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)誘電体層2の表面(陰極側表面)に沿って複数の孔状のピット2aを設け、その誘電体層2の表面に設けるピット2aの深さを、平均径の0.1倍〜1.5倍の範囲としたことで、作製時もしくは使用時に発生する応力により誘電体層に欠陥が発生することを抑制することができる。この結果、漏れ電流の増加が抑制された固体電解コンデンサを得ることができる。
(2)陽極体1を構成する金属粒子それぞれの表面に誘電体層2を所定の厚さで形成し、その厚さの方向に孔状のピット2aを設けたことで、誘電体層2の表面にピット2aを高密度に配置させることが可能になり、ピット2aに起因した応力緩和効果をさらに増加させることが可能となる。このため、上記(1)の効果をより顕著に享受することができる。
(3)誘電体層2の表面に設けるピット2aの開口径を、平均径で0.2nm〜50.0nmの範囲としたことで、上記(1)および(2)の効果をより顕著に得ることができる。
(4)誘電体層2中にフッ素を含有させ、このフッ素を陽極側表面近傍(誘電体層2と陽極体1との界面近傍)に存在するようにしたことで、誘電体層2から陽極体1への酸素の拡散が抑制され、誘電体層2の厚みの減少が抑制されるので、固体電解コンデンサの漏れ電流をさらに低減することができる。
これは、フッ素が誘電体層2と陽極体1との界面近傍(陽極側表面近傍)に存在するようにしたことで、誘電体層2と陽極体1との界面近傍にフッ化物層が形成されるためであると推察される。すなわち、誘電体層2と陽極体1との界面近傍のフッ素を含む領域は、誘電体層2から陽極体1への酸素の拡散を抑制するブロック層として機能すると推察される。この結果、誘電体層2中の酸素が安定して存在するようになり、応力や熱負荷に対して誘電体層の状態が安定化する。
なお、本発明は、上記した実施形態(実施例)に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態(実施例)も本発明の範囲に含まれうるものである。
上記実施例では、ニオブ金属を採用した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、タンタル、アルミニウム、チタンなどの弁作用金属あるいはその合金であれば、その表面に形成される誘電体層に複数のピットを設けることができ、上記効果を享受することができる。
上記実施例では、フッ素イオンを含む電解液としてフッ化アンモニウム水溶液を採用し
た陽極酸化の例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、電解液としてフッ化カリウム水溶液、フッ化ナトリウム水溶液、あるいはフッ酸水溶液などを採用してもよい。また、これらの電解液を組み合わせてもよい。こうした場合にも上記効果を享受することができる。
次に、本件発明の上記実施の形態から把握できる請求項以外の技術思想を、その効果とともに記載する。
陽極の表面を陽極酸化することにより誘電体層を形成する第1の工程と、前記誘電体層上に導電性高分子層を形成する第2の工程と、を備える固体電解コンデンサの製造方法において、前記第1の工程は、フッ素イオンを含む電解液中において、設定電圧を所定の振幅で、且つ、所定の周期で変動させて陽極酸化を行い、表面に複数の凹部を有する誘電体層を形成していることを特徴とした固体電解コンデンサの製造方法。
(5)本製造方法によれば、上記(1)〜(4)に記載のような好適な固体電解コンデンサを製造することができる。
(6)本製造方法によれば、陽極酸化時における電圧制御条件の変更のみで、誘電体層の表面に複数のピットが導入された固体電解コンデンサを製造することができ、漏れ電流の増加が抑制された固体電解コンデンサを容易に実現することができる。
本実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図。 (A)、(B)図1の固体電解コンデンサにおける陽極体近傍を拡大した概略断面図および陽極体を構成する金属粒子1つ分に相当する拡大断面の模式図。
符号の説明
1 陽極体、1a 陽極リード、2 誘電体層、2a ピット、3 導電性高分子層、4 陰極層、4a カーボン層、4b 銀ペースト層、5 導電性接着材、6 陰極端子、7 陽極端子、8 モールド外装体。

Claims (3)

  1. 陽極と、導電性高分子層を含む陰極との間において、この導電性高分子層と接して設けられた誘電体層を備え、
    前記誘電体層には前記導電性高分子層との界面に複数の凹部を設け、
    前記凹部の深さが前記凹部の開口径の0.1倍〜1.5倍の範囲である、固体電解コンデンサ。
  2. 前記陽極は複数の金属粒子の焼結体からなり、
    前記誘電体層はそれぞれの前記金属粒子の表面に所定の厚さで形成され、
    前記凹部は前記所定の厚さの方向に凹んでいることを特徴とした請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記凹部の開口径は0.2nm〜50.0nmの範囲であることを特徴とした請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
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