JP2004356360A - アルミ固体電解コンデンサ - Google Patents

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Kazufumi Inoue
和文 井上
Masafumi Oshima
雅史 大島
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Abstract

【課題】高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサを提供。
【解決手段】エッチング処理されたアルミ箔1表面に、誘電体酸化皮膜2を形成させた後、固体電解質層3を形成させてなるアルミ固体電解コンデンサにおいて、pH4〜8に調整した縮合リン酸含有化成溶液中、前記アルミ箔を陽極酸化させて、該表面に誘電体酸化皮膜を形成させる。
【効果】上記誘電体酸化皮膜は、均質で欠陥が少なく、電気化学的に安定であるため、高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサを得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽極体としてアルミ箔を用いたアルミ固体電解コンデンサに関し、より詳しくは、高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エッチング処理したアルミ箔表面に、誘電体酸化皮膜を形成させた後、化学重合法及び/または電解重合法等を用いて、ピロール、アニリン、チオフェン、エチレンジオキシチオフェン等の導電性高分子モノマーを重合させた導電性高分子膜、あるいはTCNQ錯体等の有機導電体または二酸化マンガン等の無機導電体を固体電解質層とするアルミ固体電解コンデンサが提案されている。
【0003】
上記アルミ固体電解コンデンサは、従来のアルミ電解コンデンサに比し、等価直列抵抗が低く、また高周波領域でのノイズ除去性能がよいという優れたコンデンサ特性を有しており、スイッチング電源の平滑用またはCPU周辺の負荷変動用バックアップコンデンサ等に用いられている。
【0004】
一般的なアルミ固体電解コンデンサについて、図面を参照して、以下、詳細に説明する。図1は、アルミ固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。
【0005】
図1に示すように、まず、エッチング処理したアルミ箔1の表面に、誘電体酸化皮膜2を形成させた後、順次、固体電解質層3、陰極導電層4を形成させてコンデンサ素子を得、ついで、該素子の陽極引出部5を溶接等によりリードフレームの陽極端子6に接合し、また陰極導電層4を銀ペースト7によりリードフレームの陰極端子8に接着させ、さらに外装樹脂9を施して、アルミ固体電解コンデンサが得られる。
【0006】
アルミ電解コンデンサにおいては、従来、アジピン酸、ホウ酸、リン酸またはそれらの塩を含有する化成溶液中、エッチング処理したアルミ箔を陽極酸化させ、該箔表面に誘電体酸化皮膜を形成させていた(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】永田伊佐也著「電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ」日本蓄電器工業(株)発行、平成9年2月24日、(p.315−320)
【0008】
アルミ固体電解コンデンサにおいても、上記と同様の方法を用いて、アルミ箔表面に誘電体酸化皮膜を形成させていた。
【0009】
高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜の形成の際、アルミ箔の陽極酸化電圧を高くすることにより得られるが、陽極酸化電圧が約50Vまでは、耐電圧は陽極酸化電圧に比例して上昇するものの、陽極酸化電圧が50V超になると、陽極酸化電圧を上げても、耐電圧を比例的に上昇させることができなかった。耐電圧の高いアルミ固体電解コンデンサが要望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、pH4〜8に調整した縮合リン酸含有化成溶液中、アルミ箔を陽極酸化させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、エッチング処理したアルミ箔表面に、誘電体酸化皮膜を形成させた後、固体電解質層を形成させてなるアルミ固体電解コンデンサにおいて、pH4〜8に調整した縮合リン酸含有化成溶液中、前記アルミ箔を陽極酸化させ、誘電体酸化皮膜を形成させてなることを特徴とするアルミ固体電解コンデンサである。
【0013】
本発明のアルミ固体電解コンデンサは、チップ型または巻回型のいずれでもよく、特に限定されない。
【0014】
以下、チップ型のアルミニウム固体電解コンデンサを例にとり、図1を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、従来公知のエッチング法、例えば交流エッチング法または直流エッチング法により、アルミ箔1表面をエッチング処理した後、pH4〜8に調整した縮合リン酸含有化成溶液中で、該箔を陽極酸化させ、誘電体酸化皮膜2を形成させる。
【0016】
縮合リン酸は、一般式xHO・yPで表され、x/yの比で示されるRは、0<R<2の範囲である。
【0017】
0<R<1の場合は、分子状に分枝PO基を有する架橋構造または直鎖状及び環状リン酸塩が相互に結合した構造となり、ウルトラリン酸に分類され、R=1の場合は、環状構造となり、メタリン酸に分類され、また、1<R<2の場合は、直鎖状構造となり、ポリリン酸に分類される。
【0018】
なお、R=2の場合は、オルトリン酸(HPO)であり、縮合リン酸でない。
【0019】
本発明に用いられる化成溶液は、上記縮合リン酸を単独で溶解させた水溶液か、あるいは縮合リン酸及びジカルボン酸ないしはその塩を溶解させた水溶液である。ジカルボン酸ないしはその塩を加えた場合、アルミ箔の化成効率を向上させることができ、好都合である。
【0020】
ジカルボン酸塩としては、例えば、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、フタル酸、マレイン酸ないしはそれらの塩があげられるが、コンデンサ特性を考慮すると、アジピン酸アンモニウムが好ましい。
【0021】
本発明に用いられる化成溶液中のリン(P)の量は、0.03〜3質量%である。0.03質量%未満の場合、耐電圧を高める効果が小さく、また3質量%超の場合、アルミの溶解量が多くなってしまい、不都合である。
【0022】
本発明に用いられる化成溶液は、アンモニア水等を用いて、pH4〜8の範囲に調整される。
【0023】
誘電体酸化皮膜を形成させる際の陽極酸化電圧は、50V以上である。
【0024】
次に、誘電体酸化皮膜2を形成させたアルミ箔1上に、従来公知の方法により、導電性高分子、TCNQ錯体または二酸化マンガン等からなる固体電解質層3を形成させる。
【0025】
化学重合法及び/または電解重合法等により形成された、ポリピロール、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェンまたはポリ(アルキルチオフェン)等のチオフェン誘導体ポリマーの導電性高分子を固体電解質層3として用いた固体電解コンデンサは、電気抵抗が小さく優れた特性のコンデンサである。
【0026】
ついで、固体電解質層3上に、順次、カーボンペースト、銀ペーストを、塗布、加熱、乾燥させて、陰極導電層4を形成させ、コンデンサ素子を得た後、該素子の陽極引出部5をスポット溶接等により、リードフレームの陽極端子6に接合させ、また陰極導電層4を銀ペースト7によりリードフレームの陰極端子8に接着させ、さらに、外装樹脂9をモールドさせて、本発明の固体電解コンデンサを完成する。
【0027】
本発明に用いられる化成溶液中で、アルミ箔を陽極酸化させて形成した誘電体酸化皮膜は、均質で欠陥が少なく、電気化学的に安定であり、高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサを得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を、実施例に基づき、図面を参照して説明する。なお、本発明は、実施例によりなんら限定されない。実施例中、「%」は「質量%」を表す。
【0029】
実施例1
図1に示すように、交流エッチング処理したアルミ箔1(固体電解質層3の形成部:縦3.0mm×横5.0mm)を、縮合リン酸であるポリリン酸(和光純薬工業(株)社製、Rの平均値=1.33)1%水溶液中、3分間浸漬させた後、水洗、乾燥し、前処理を行った。
【0030】
次に、ポリリン酸(和光純薬工業(株)社製、Rの平均値=1.33)及びアジピン酸アンモニウム(和光純薬工業(株)社製、特級)を溶解した水溶液にアンモニア水を添加し、pH6.5に調整した、ポリリン酸1%及びアジピン酸アンモニウム9%化成溶液(温度30℃)中に、上記箔を浸漬し、1素子あたり5mAの電流を印加して電圧120Vまで昇圧させた後、120Vの定電圧で10分間保持して陽極酸化させた後、水洗、乾燥し、ついで温度250℃の雰囲気下で10分間熱処理を行い、さらに、上記化成溶液中、120Vの定電圧で3分間保持して陽極酸化させ、誘電体酸化皮膜2を形成させた。
【0031】
ついで、該素子を、ピロールモノマー30%のエタノール溶液中に浸漬した後、ドーパントである過硫酸アンモニウム0.1mol/l水溶液中に、浸漬、洗浄する操作を3回繰り返して、化学重合ポリピロール膜を形成させた後、前記化成溶液(温度30℃)中に浸漬し、電圧110Vで陽極酸化させて、誘電体酸化皮膜2を化成修復した。
【0032】
ついで、ピロールモノマー0.4mol/l及び1,7−ナフタレンスルホン酸テトラエチルアンモニウム0.4mol/lのアセトニトリル電解液を入れたステンレス容器中に、上記素子を浸漬し、先に形成させた化学重合ポリピロール膜の一部分に、金ワイヤーを接触させて陽極とし、また、ステンレス容器を陰極として、電流0.3mAで90分間、電解重合させて電解重合ポリピロール膜を形成させ、固体電解質層3を形成させた。
【0033】
次に、固体電解質層3上に、順次、カーボンペースト、銀ペーストを、塗布、加熱、乾燥させて、陰極導電層4を形成させた後、該素子の陽極引出部5をスポット溶接によりリードフレームの陽極端子6に接合し、陰極導電層4を銀ペースト7によりリードフレームの陰極端子8に接着させた後、さらに、外装樹脂9であるエポキシ樹脂をモールドさせて、本発明のアルミ固体電解コンデンサを完成した。
【0034】
完成したコンデンサ50個について、印加電圧を0Vから1V毎に昇圧した後、30秒間保持する操作を繰り返して、コンデンサの漏れ電流が100mAを超えた時点での電圧値を破壊電圧とする破壊電圧測定試験を行った。結果を表1に示す。
【0035】
実施例2
実施例1において、化成溶液として、pH6.5に調整したポリリン酸1%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルミ固体電解コンデンサを完成した。
【0036】
完成したコンデンサ50個について、実施例1と同様にして、破壊電圧測定試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】
比較例
実施例1において、化成溶液として、アジピン酸アンモニウム9%水溶液を用いた以外は、実施例と同様にして、アルミ固体電解コンデンサを完成した。
【0038】
完成したコンデンサ50個について、実施例1と同様にして、破壊電圧測定試験を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 2004356360
【0040】
表1に示すように、従来のアルミ固体電解コンデンサ(比較例)では、破壊電圧が51〜60Vの範囲に集中しているのに対し、本発明のアルミ固体電解コンデンサでは、破壊電圧が81〜100V(実施例1)、60〜90V(実施例2)と向上しており、耐電圧が高いコンデンサであることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に用いられる化成溶液中で、アルミ箔を陽極酸化させて形成させた誘電体酸化皮膜は、均質で欠陥が少なく、電気化学的に安定であり、高耐電圧のアルミ固体電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミ固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 アルミ箔
2 誘電体酸化皮膜
3 固体電解質層
4 陰極導電層
5 陽極引出部
6 リードフレームの陽極端子
7 銀ペースト
8 リードフレームの陰極端子
9 外装樹脂

Claims (4)

  1. エッチング処理したアルミ箔表面に、誘電体酸化皮膜を形成させた後、固体電解質層を形成させてなるアルミ固体電解コンデンサにおいて、pH4〜8に調整した縮合リン酸含有化成溶液中、前記アルミ箔を陽極酸化させ、誘電体酸化皮膜を形成させてなることを特徴とするアルミ固体電解コンデンサ。
  2. 化成溶液中のリンの含有量が、0.03〜3質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアルミ固体電解コンデンサ。
  3. 化成溶液が、縮合リン酸及びジカルボン酸及びその塩を含有する溶液であることを特徴とする請求項2に記載のアルミ固体電解コンデンサ。
  4. ジカルボン酸が、アジピン酸であることを特徴とする請求項3に記載のアルミ固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009130004A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサ
WO2015190278A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 株式会社村田製作所 コンデンサ

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