JP4454526B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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この発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
近年、酸化タンタルを用いる固体電解コンデンサよりも大きい容量を得ることができる酸化チタンを用いる固体電解コンデンサが望まれている。従来の酸化チタンを用いる固体電解コンデンサでは、チタンからなる陽極上に、酸化チタンからなる誘電体層と陰極とがこの順に積層されている(例えば、特許文献1参照)。
また、タンタル粉末とチタン粉末との混合粉末から形成した基体および表面にチタン被膜を形成したタンタル基体をそれぞれ陽極として用いる固体電解コンデンサも提案されている(例えば、特許文献2参照)。このタンタル粉末とチタン粉末との混合粉末から形成した基体を陽極として用いる固体電解コンデンサでは、誘電体層は、酸化タンタルと酸化チタンとの混合物から構成される。また、表面にチタン被膜を形成したタンタル基体を陽極として用いる固体電解コンデンサでは、誘電体層は、酸化チタンから構成される。
上記いずれの固体電解コンデンサにおいても、誘電体層として酸化チタンを用いているので、酸化タンタルを用いる固体電解コンデンサよりも大きい容量を得ることができる。
特開平5−121275号公報 特開平10−50562号公報
しかしながら、上記従来の酸化チタンを用いる固体電解コンデンサにおいては、いずれも、誘電体層中の酸化チタンの絶縁性が低下しやすく、特に、リフロー工程などの熱処理により、誘電体層中の酸化チタンが結晶化しやすいという不具合があった。そのため、従来の酸化チタンを用いる固体電解コンデンサでは、いずれも、誘電体層の絶縁性が低下しやすく、陽極と陰極との間の漏れ電流を十分抑制することができないという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、容量が大きく、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを提供することである。
この発明のもう1つの目的は、容量が大きく、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による固体電解コンデンサは、タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された陰極とを備え、誘電体層は、陽極上に形成され、酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層と、第1誘電体層上に形成され、酸化チタンを主成分とするとともにリンを含む第2誘電体層とを有する。
この第1の局面による固体電解コンデンサでは、上記のように、誘電体層の陽極側には、酸素が拡散しにくい酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層が形成されているので、リフロー工程などの熱処理時においても誘電体層中の酸素が陽極に拡散することを抑制することができる。これにより、誘電体層の絶縁性が低下することを抑制することができる。
また、誘電体層の陰極側には、酸化チタンを主成分とする第2誘電体層が形成されているので、誘電体層全体としての容量を大きくすることができる。さらに、第2誘電体層はリンを含んでいるので、リフロー工程などの熱処理時においても酸化チタンが結晶化しにくい。これにより、誘電体層の絶縁性が低下することを抑制することができる。
したがって、この第1の局面においては、容量が大きく、陽極と陰極との間の漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを得ることができる。
なお、第1誘電体層の膜厚が小さい場合には、陽極側への酸素の拡散を抑制する効果が小さくなるので漏れ電流が大きくなりやすく、第1誘電体層の膜厚が大きい場合には、誘電体層全体の容量が小さくなる。従って、第1誘電体層の膜厚としては、約5nm〜約15nm程度が好ましいと考えられる。
上記第1の局面による固体電解コンデンサにおいて、好ましくは、誘電体層は、窒素およびフッ素からなるグループより選択される少なくとも1つの元素を含む。このように構成すれば、窒素およびフッ素により誘電体層中の酸化タンタルおよび酸化チタンが結晶化しにくくなるので、リフロー工程などの熱処理時においても誘電体層の絶縁性が低下することをさらに抑制することができる。
また、この発明の第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法は、タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極を水溶液中で陽極酸化することにより該陽極上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層上に陰極を形成する工程とを備え、誘電体層を形成する工程は、チタン含有イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第1工程と、第1工程の後にリン酸イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第2工程とを有する。
この第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法では、上記のように、タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極をチタン含有イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第1工程を行うことにより、陽極のタンタルが酸化されて、陽極表面に酸素が拡散しにくい酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層が形成され、続いて、第1誘電体層上に酸化チタンを主成分とする第2誘電体層を形成することができる。
さらに、この第1工程の後にリン酸イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第2工程を行うと、リンが第2誘電体層の表面から内部に向かって拡散していく。これにより、第2誘電体層中にリンを含有させることができる。
その結果、誘電体層の陽極側には、酸素が拡散しにくい酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層を有し、誘電体層の陰極側には、容量の大きい酸化チタンを主成分とするとともに酸化チタンが結晶化しにくいリンを含有する第2誘電体層を有する誘電体層を容易に形成することができる。
したがって、この第2の局面においては、容量が大きく、陽極と陰極との間の漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを容易に得ることができる。
また、この発明の第3の局面による固体電解コンデンサの製造方法は、タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極を水溶液中で陽極酸化することにより該陽極上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層上に陰極を形成する工程とを備え、誘電体層を形成する工程は、チタン含有イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第1工程と、リン酸イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第2工程とを同時に行う。
この第3の局面による固体電解コンデンサの製造方法では、上記第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法と同様に、第1工程により、酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層と、第1誘電体層上に形成される酸化チタンを主成分とする第2誘電体層とを有する誘電体層を形成することができるが、チタン含有イオンを含む水溶液中にリン酸イオンを同時に含有させて、第1工程と同時に第2工程を行うことにより、形成される誘電体層、特に第2誘電体層にリンを含有させることができる。これにより、誘電体層の陽極側には、酸素が拡散しにくい酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層を有し、誘電体層の陰極側には、容量の大きい酸化チタンを主成分とするとともに酸化チタンが結晶化しにくいリンを含有する第2誘電体層を有する誘電体層を容易に形成することができる。
したがって、この第3の局面においても、容量が大きく、陽極と陰極との間の漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを容易に得ることができる。
上記第2および第3の局面による固体電解コンデンサの製造方法において、好ましくは、チタン含有イオンを含む水溶液が、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウムを含む水溶液である。このように構成すれば、第1工程において、酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層および酸化チタンを主成分とする第2誘電体層を形成する際に、酸化タンタルおよび酸化チタンの結晶化を抑制する作用を有する窒素およびフッ素を第1誘電体層および第2誘電体層中に容易に含有させることができるので、誘電体層の絶縁性が低下することをさらに抑制することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1による固体電解コンデンサの断面構造図である。図1を参照して、以下に、本発明の実施例1による固体電解コンデンサの構造について説明する。
まず、本発明の実施例1による固体電解コンデンサでは、図1に示すように、タンタルからなる陽極リード1a上に、陽極リード1aの一部を覆うように、約2μmの平均粒径を有するタンタル粉末を真空中で焼結することにより作製したタンタル多孔質焼結体からなる略板状の陽極1が形成されている。
陽極1上には、陽極1の周囲を覆うように、誘電体層2が形成されている。誘電体層は、陽極1の周囲を覆うように形成された酸化タンタルからなる第1誘電体層2aと、第1誘電体層2aの周囲を覆うように形成されたリンを含有する酸化チタンからなる第2誘電体層2bとから構成される積層構造を有している。
誘電体層2上には、誘電体層2の周囲を覆うように、ポリピロールからなる電解質層3が形成されている。電解質層3上には、電解質層3の周囲を覆うように、陰極4が形成されている。陰極4は、電解質層3の周囲を覆うように形成されたグラファイト粒子を主成分とする第1導電層4aと、第1導電層4aの周囲を覆うように形成された銀粒子を主成分とする第2導電層4bとから構成されている。
陰極4の周囲のうち上面には、導電性接着剤層5が形成され、さらに、導電性接着剤層5を介して、陰極4と陰極端子6とが接続されている。また、陽極1から露出した陽極リード1a上には、陽極端子7が溶接により接続されている。さらに、陰極端子6および陽極端子7の端部が外部に引き出されるように、第2導電層4b、陰極端子6および陽極端子7の周囲には、モールド外装樹脂8が形成されている。これにより、本発明の実施例1による固体電解コンデンサが構成されている。
次に、図1に示す本発明の実施例1による固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
まず、タンタルからなる陽極リード1a上に、陽極リード1aの一部を覆うように、約2μmのタンタル粉末を略板状に成形し、これを真空中で焼結することにより陽極1を形成した。
次に、第1工程として、陽極1を約60℃に保持した約0.1wt%のヘキサフルオロチタン酸アンモニウム水溶液中において約8Vの定電圧で約10時間陽極酸化を行った後、第2工程として、誘電体層2が形成された陽極1を約60℃に保持した約0.1wt%のリン酸水溶液中において約8Vの定電圧で約2時間陽極酸化を行った。なお、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム水溶液およびリン酸水溶液は、それぞれ、本発明の「チタン含有イオンを含む水溶液」および「リン酸イオンを含む水溶液」の一例である。
次に、誘電体層2上に、化学重合により、ポリピロールからなる電解質層3を形成した。
次に、電解質層3上にグラファイトペーストを塗布し、約80℃で約30分間乾燥することによりグラファイト粒子を主成分とする第1導電層4aを形成した。また、第1導電層4aの周囲を覆うように、第1導電層5a上に銀ペーストを塗布し、約170℃で約30分間乾燥することにより銀粒子を主成分とする第2導電層4bを形成した。これにより、電解質層3の周囲を覆うように、電解質層3上に第1導電層4aおよび第2導電層4bが積層された陰極4を形成した。
そして、陰極端子6上に導電性接着剤を塗布した後、この導電性接着剤を介して陰極4と陰極端子6とを接触させた。導電性接着剤を陰極4と陰極端子6とで押圧しながら、約60℃の温度で約30分間乾燥を行うことにより、陰極4と陰極端子6とを接続する導電性接着剤層5を形成した。
その後、溶接により、陽極リード1a上に陽極端子7を接続し、さらに、陰極端子6および陽極端子7の端部が外部に引き出されるようにモールド外装樹脂8を形成した。これにより、本発明の実施例1による固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
比較例1として、上記実施例1の第1工程を行わずに、第2工程のみ約10時間行うことにより誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。即ち、比較例1では、従来の酸化タンタルを用いる固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例2として、上記実施例1の第2工程を行わずに、第1工程のみ行うことにより誘電体層を形成する以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。即ち、比較例2では、実施例1の固体電解コンデンサに対して、リンを含有していない固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
比較例3として、上記比較例1のタンタル多孔質焼結体からなる陽極に代えて、約2μmのチタン粉末を焼結形成したチタン多孔質焼結体からなる陽極を用いる以外は、比較例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。即ち、比較例3では、従来の酸化チタンを用いる固体電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
比較例4では、上記比較例1のタンタル多孔質焼結体からなる陽極に代えて、それぞれ、約2μmのタンタル粉末とチタン粉末とを約99:1の重量比で混合して焼結形成したタンタル合金多孔質焼結体からなる陽極を用いる以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
(評価)
まず、実施例1において作製した固体電解コンデンサについて、蛍光X線分析(EDX)により誘電体層2の各深さにおける組成分析を行った。なお、上記分析は、各固体電解コンデンサの誘電体層を形成後、固体電解質層を形成する前に行った。図2は、実施例1の固体電解コンデンサの誘電体層について、EDXによる測定結果を示す図である。
図2に示すように、実施例1の固体電解コンデンサの誘電体層2の表面側(陰極形成側)から約7nmの深さの領域には、主に、チタン(Ti)と酸素(O)が存在していることから、酸化チタン(TiO)を主成分とする第2誘電体層2bが形成されている。また、この第2誘電体層2bでは、表面側から約5nmの深さの領域にはリン(P)が含まれているとともに、表面側から約5nm以上の深さの領域である第1誘電体層2aとの界面付近にはPは含まれていないことがわかった。
また、誘電体層2の表面側から約7nm以上の深さの領域には、主に、タンタルと酸素が存在していることから、酸化タンタル(TaO)を主成分とする第1誘電体層2aが形成されている。なお、陽極1側に向かって酸素濃度が減少しており、表面から約20nmの深さでは、酸素濃度は約50atom%程度になっている。酸素濃度がさらに小さくなると酸化タンタルの導電性が増加するので、誘電体層として機能しない。これにより、誘電体層2の表面側から約7nm〜約20nmの深さの領域が第1誘電体層2aとして機能し、約20nm以上の領域は、陽極1として機能していると考えられる。
また、図2より、第1誘電体層2aおよび第2誘電体層2bには、フッ素(F)が含有されており、さらに、第2誘電体層2bには、窒素(N)が含有されていることがわかった。
次に、実施例1および比較例1〜4において作製した固体電解コンデンサについて、LCRメータを用いて、陰極端子と陽極端子との間に約120Hzの交流電圧を印加することにより、約120Hzの周波数における静電容量を測定した。また、陰極端子と陽極端子との間に約5Vの定電圧を印加し、約20秒後の漏れ電流を測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004454526
表1に示すように、比較例1の従来の酸化タンタルを用いる固体電解コンデンサでは、漏れ電流は小さいが、静電容量は小さく、また、比較例3の従来の酸化チタンを用いる固体電解コンデンサでは、静電容量が大きいが、漏れ電流は非常に大きいことがわかる。これに対して、実施例1の固体電解コンデンサでは、漏れ電流は比較例1の固体電解コンデンサと同程度に小さく、静電容量は比較例3の固体電解コンデンサと同程度に大きいことがわかった。
また、リンを含有していない比較例2の固体電解コンデンサと比較すると、実施例1の固体電解コンデンサでは、漏れ電流が抑制されていることがわかる。
また、比較例4の固体電解コンデンサでは、漏れ電流は小さいが、静電容量は十分大きいとはいえない。これは、比較例4の誘電体層が、単に、酸化タンタルと酸化チタンとが混在している状態から構成されており、実施例1の誘電体層のように、酸化タンタルからなる第2誘電体層と酸化チタンからなる第1誘電体層とが積層された構造ではないためと考えられる。
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施例では、第1工程に続いて第2工程を行うことにより誘電体層2を形成したが、本発明はこれに限らず、第1工程と第2工程を同時に行ってもよい。即ち、チタン含有イオン含む水溶液中にリン酸イオンを同時に含有させて、陽極酸化を行うことによっても、陽極上に酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層と、第1誘電体層上にリンを含有する酸化チタンを主成分とする第2誘電体層とを有する誘電体層を形成することができる。
また、上記実施例では、電解質層3は、ポリピロールから構成されていたが、本発明はこれに限らず、他の導電性高分子を含んでいてもよく、あるいは、酸化マンガンを主成分としていてもよい。
また、上記実施例では、第1導電層4aは、グラファイト粒子を主成分としていたが、本発明はこれに限らず、他のカーボン粒子などから構成されていてもよい。
また、上記実施例では、陽極1は、多孔質焼結体からなる略板状であったが、本発明はこれに限らず、延べ板状の金属板や金属箔などから構成されていてもよい。
なお、本発明をチタンを用いる固体電解コンデンサだけでなく、酸化チタン同様、結晶化による絶縁性が低下しやすい酸化ニオブを用いる固体電解コンデンサに対して適用することによっても、同様の効果を得ることができると考えられる。即ち、タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極上に酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層と、第1誘電体層上に酸化ニオブを主成分とするとともにリンを含む第2誘電体層とを有する誘電体層を形成することにより、漏れ電流を抑制するとともに大きい容量の固体電解コンデンサを得ることができる。
また、この酸化ニオブを用いる固体電解コンデンサは、誘電体層の形成を、第1工程で用いる水溶液をニオブ含有イオンを含む水溶液とする以外は、本発明と同様に行うことにより、容易に作製することができる。また、本発明と同様に、第1工程に続いて第2工程を行うことにより誘電体層を形成してもよく、ニオブ含有イオンおよびリン酸イオンを含む水溶液中で陽極酸化を行うことにより、第1工程と同時に第2工程を行い、これにより、誘電体層を形成してもよい。
また、ニオブ含有イオンを含む水溶液としては、好ましくは、ヘキサフルオロニオブ酸アンモニウムを含む水溶液を用いることができる。これにより、第1工程において、酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層および酸化ニオブを主成分とする第2誘電体層を形成する際に、酸化タンタルおよび酸化ニオブの結晶化を抑制する作用を有する窒素およびフッ素を第1誘電体層および第2誘電体層中に容易に含有させることができる。
本発明の実施例1による固体電解コンデンサの断面図である。 実施例1の固体電解コンデンサの誘電体層について、EDXによる測定結果を示す図である。
符号の説明
1 陽極
1a 陽極リード
2 誘電体層
2a 第1誘電体層
2b 第2誘電体層
3 電解質層
4 陰極
4a 第1導電層
4b 第2導電層
5 導電性接着剤層
6 陰極端子
7 陽極端子
8 モールド外装樹脂

Claims (3)

  1. タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極上に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成された陰極とを備え、
    前記誘電体層は、前記陽極上に形成され、酸化タンタルを主成分とする第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に形成され、酸化チタンを主成分とするとともにリンおよび窒素を含む第2誘電体層とを有し、
    前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層には、フッ素が含有されている、固体電解コンデンサ。
  2. タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極を水溶液中で陽極酸化することにより該陽極上に誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層上に陰極を形成する工程とを備え、
    前記誘電体層を形成する工程は、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウムを含む水溶液中で陽極酸化する第1工程と、前記第1工程の後にリン酸イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第2工程とを有する、固体電解コンデンサの製造方法。
  3. タンタルまたはタンタル合金を主成分とする陽極を水溶液中で陽極酸化することにより該陽極上に誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層上に陰極を形成する工程とを備え、
    前記誘電体層を形成する工程は、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウムを含む水溶液中で陽極酸化する第1工程と、リン酸イオンを含む水溶液中で陽極酸化する第2工程とを同時に行う、固体電解コンデンサの製造方法。

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