JP4753809B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサの製造方法に関する。
一般に、固体電解コンデンサは、チタン、ニオブ、タンタル等の弁作用金属又はこの弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極と、陽極の表面に形成されたこの弁作用金属の酸化物からなる誘電体層と、この誘電体層の上に形成された導電性を有する酸化物や導電性高分子からなる固体電解質層と、この固体電解質層の上に形成されたカーボン層と銀ペイント層とからなる陰極とを備えている。また、上記の誘電体層は、陽極をリン酸水溶液などの電解液中で陽極酸化を行うことにより形成される(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、上記の弁作用金属の酸化物からなる誘電体層は熱の影響を受けやすく、特に、ニオブやチタンを用いた陽極を陽極酸化して形成した誘電体層においては熱の影響を大きく受けやすいという問題があった。すなわち、従来の固体電解コンデンサでは、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、上記の電解質層の伸縮等により誘電体層中に生じる亀裂や誘電体層の結晶化等により、漏れ電流が増加するという問題があった。
また、近年においては、陽極にニオブを用いた固体電解コンデンサにおいて、この陽極の表面に、ニオブ酸化物層とニオブ窒化物領域とを有する誘電体層を設け、リフロー工程における加熱によって静電容量が変化するのを抑制するようにした固体電解コンデンサも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、上記のようにニオブを用いた陽極の表面にニオブ酸化物層とニオブ窒化物領域とを有する誘電体層を設けた固体電解コンデンサにおいても、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、誘電体層中に亀裂を生じたり、また誘電体層が結晶化したりすることを十分に抑制することができず、依然として漏れ電流が増加するという問題があった。
特開平6−151258号公報 特開2004−18966号公報 特開平11−329902号公報
本発明の目的は、静電容量が大きいとともに漏れ電流が小さく、さらに、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合においてもこれらの特性が劣化しにくい電解コンデンサの製造方法を提供することである。
本発明の一の局面による電解コンデンサの製造方法においては、上記のような課題を解決するため、弁作用金属を含む陽極を形成する工程と、前記陽極を電解液中で陽極酸化することにより誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層上に陰極を配置する工程とを備え、前記誘電体層を形成する工程は、六フッ化物イオンを含む0.001重量%〜5.0重量%の濃度の前記電解液中で陽極酸化を行う。
ここで、上記の陽極としては、チタン、ニオブ、タンタル等の弁作用金属又はこの弁作用金属を主成分とする合金を用いることができる。また、上記の電解液に加える六フッ化物としては、例えば、一般式(NHMF(式中、Mは、リン、ケイ素、ニオブ、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウムから選択される元素)で表されるアンモニウム塩を用いることができる。
本発明においては、陰極として、陽極と対向するように板状や箔状の金属などを配置することができる。この場合、陽極および誘電体層と陰極との間に電解液を介在させることができる。
また、本発明においては、誘電体層上にカーボン粒子や銀粒子などを含むペースト状の導電層を形成することにより、この導電層を陰極とすることができる。この場合、誘電体層上に直接、上記導電層からなる陰極を形成してもよく、あるいは、誘電体層上に形成したポリピロールなどの導電性高分子や二酸化マンガンなどの導電性酸化物からなる電解質層上に陰極を形成してもよい。
上記一の局面による電解コンデンサの製造方法において、好ましくは、電解液は、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウムおよびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウムから選択される少なくとも1種を含んでいる。
本発明における電解コンデンサの製造方法のように、弁作用金属を含む陽極を、六フッ化物イオンを含む電解液中で陽極酸化すると、陽極側に位置する第1誘電体層と、この第1誘電体層の上に形成された第2誘電体層とを備えた誘電体層を形成することができる。
陰極側に位置する第2誘電体層では、弁作用金属と酸素との他に、上記の六フッ化物イオンを構成する金属元素(上記一般式のM)およびフッ素が含有されている。さらに、酸素およびフッ素の濃度が第1誘電体層側から陰極側に向かって減少する一方、上記の六フッ化物イオンを構成する金属元素の濃度が表面に向かって増加するようになる。
また、陽極側に位置する第1誘電体層では、上記の六フッ化物イオンを構成する金属元素は殆ど含有されていないとともに、フッ素の濃度は第2誘電体層よりも多くなっている。
なお、上記の電解液として、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウムおよびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウムから選択される少なくとも1種のアンモニウム塩を含む電解液を用いた場合には、フッ素とともに、ケイ素、ゲルマニウムおよびジルコニウムから選択される少なくとも1種の元素と、窒素とを含む第2誘電体層を形成することができる。
ここで、第2誘電体層では、酸素濃度が低い陰極側に向かうに連れて熱に対する伸縮応答性が向上するので、リフロー工程等の熱処理工程の際に電解質層の伸縮により誘電体層に熱応力が加わっても、第2誘電体層中においてこの熱応力を緩和することができる。これにより、第1誘電体層に作用する熱応力が緩和されて、誘電体層中に亀裂を生じることを抑制し、漏れ電流の増加を抑制することができる。
また、第2誘電体層中にフッ素と共に上記六フッ化物イオンを構成する金属元素が含有することにより、リフロー工程等の熱処理工程の際に第2誘電体層が結晶化することを抑制することができる。これにより、誘電体層の結晶化による漏れ電流の増加を抑制することができる。
さらに、第1誘電体層では、フッ素濃度が第2誘電体層よりも多いので、リフロー工程等の熱処理工程の際に誘電体層から陽極への酸素の拡散を抑制することができる。これにより、誘電体層の膜厚が減少することを抑制し、漏れ電流の増加を抑制することができる。
また、上記のように弁作用金属を含む陽極を、六フッ化物イオンを含む電解液中で陽極酸化すると、この陽極の表面の一部が溶解されて陽極の表面に凹凸を形成することができる。これにより、陽極の表面積を増大し、電解コンデンサの静電容量を増大することができる。
また、陽極酸化に用いる六フッ化物イオンを含む電解液の濃度が0.001重量%よりも小さい場合には、誘電体層のフッ素濃度が低くなりやすいので、漏れ電流低減の効果が小さくなる。また、この電解液の濃度が5.0重量%よりも大きい場合には、上記陽極の溶解が過度に進みやすく、陽極の表面積は却って低減しやすいので、静電容量増大の効果が小さくなる。従って、陽極酸化に用いる六フッ化物イオンを含む電解液の濃度は、0.001重量%〜5.0重量%の範囲が好ましい。
以下、本発明を実施の形態に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実験1)
実験1では、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液を用いて陽極の陽極酸化を行うことにより誘電体層を形成した。図1は、実験1で作製した固体電解コンデンサの断面説明図である。図1を参照して、実験1で作製した固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
実験1では、まず、平均粒径が2μmのニオブ金属の粉末を焼結させて、ニオブの多孔質焼結体からなる陽極1を作製すると共に、この陽極1からタンタル金属からなるリード線10を延出するようにした。ここで、ニオブは、本発明の「弁作用金属」の一例である。
そして、陽極酸化用の電解液として0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液を用い、60℃に加熱したこの電解液中において、陽極1と対向電極との間に8Vの電圧を10時間印加することにより陽極1を陽極酸化し、この陽極1の表面に誘電体層2を形成した。ここで、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液は、本発明の「六フッ化物イオンを含む電解液」の一例である。
そして、上記のように陽極1の表面に形成した誘電体層2の上に、化学重合等によりポリピロールからなる電解質層3を形成し、さらにこの電解質層3の上に、グラファイト層41と銀ペースト層42とからなる陰極4を形成した。なお、上記の電解質層3の材料としては、上記のポリピロールの他に、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子材料や、二酸化マンガン等の導電性酸化物を用いることができる。
次いで、陽極1から延出させたリード線10に陽極リード5を接続すると共に、陰極4における銀ペースト層42に陰極リード6を接続し、エポキシ樹脂からなる樹脂層7によって外装した。このとき、上記の陽極リード5および陰極リード6は、この樹脂層7を通して外部に取り出すようにした。このようにして、図1に示す構造を有する固体電解コンデンサA1を作製した。
また、上記のように陽極1を陽極酸化した段階で、陽極1の表面に形成された誘電体層2について、エネルギー分散型分光法(EDX)により誘電体層2の表面、すなわち陽極1と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を測定し、その結果を図2に示した。
この結果、上記の誘電体層2は、図3に模式的に示すように、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とから構成されていた。第2誘電体層22は陽極1と反対側の面から4nm程度の深さの範囲であり、この第2誘電体層22には、ニオブ、酸素の他に、ケイ素およびフッ素が含有されていた。また、この第2誘電体層22においては、酸素およびフッ素の濃度が第1誘電体層21から表面に向かって減少する一方、ケイ素の濃度が表面に向かって増加していた。
一方、誘電体層2の表面からの深さが約4nmから約25nmの範囲に位置している領域にある第1誘電体層21においては、ケイ素は殆ど含有されていない。また、第1誘電体層21中のフッ素の濃度は第2誘電体層22よりも多い。さらに、誘電体層2の表面から約17nmの深さを超えると、酸素濃度が減少する一方、ニオブ濃度が増加していた。
また、陽極1を陽極酸化した段階で、陽極1の表面に形成された誘電体層2の表面状態を電子顕微鏡(SEM)により観察した。その結果、誘電体層2の表面には、微小な凹凸が形成されており、表面積が増大していることがわかった。
次に、陽極酸化の電解液として0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液の代わりに、それぞれ、0.0005重量%、0.0007重量%、0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.5重量%、1.0重量%、5.0重量%、7.0重量%、10.0重量%の濃度のヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液を用いて陽極1の陽極酸化を行うことにより陽極1の表面に誘電体層2を形成するようにし、それ以外は、上記の固体電解コンデンサA1と同様にして固体電解コンデンサA2〜A12を作製した。
また、平均粒径が2μmのニオブ金属の粉末を焼結させて陽極1を作製する代わりに、0.5重量%のアルミニウムを含む平均粒径が2μmのニオブ・アルミニウム合金の粉末を焼結させて作製したチタンの多孔質焼結体からなる陽極1を用いるようにし、それ以外は、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様にして固体電解コンデンサA13を作製した。
さらに、平均粒径が2μmのニオブ金属の粉末を焼結させて陽極1を作製する代わりに、平均粒径が2μmのチタン金属の粉末を焼結させて作製したチタンの多孔質焼結体からなる陽極1を用いるようにし、それ以外は、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様にして固体電解コンデンサB1を作製した。ここで、チタンは、本発明の「弁作用金属」の一例である。
なお、上記の固体電解コンデンサA2〜A13、およびB1の誘電体層2についても、上記の固体電解コンデンサA1と同様に、EDXにより誘電体層2の表面、すなわち陽極1と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を調べた。その結果、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様に、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とから構成されていた。また、第2誘電体層22においては、酸素濃度が第1誘電体層21から表面に向かって減少する一方、ケイ素およびフッ素が含有され、ケイ素の濃度が表面に向かって増加していた。さらに、第1誘電体層21においては、ケイ素は殆ど含有されておらず、第1誘電体層21中のフッ素の濃度は第2誘電体層22よりも多いことがわかった。
次に、比較実験として、0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液中で陽極1の陽極酸化を行う代わりに、0.1重量%リン酸水溶液中で陽極1の陽極酸化を行い、それ以外は、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様にして固体電解コンデンサX1を作製した。
また、0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液中で陽極1の陽極酸化を行う代わりに、0.1重量%リン酸水溶液中で陽極1の陽極酸化を行うようにし、それ以外は、上記の固体電解コンデンサB1の場合と同様にして固体電解コンデンサY1を作製した。
なお、上記の固体電解コンデンサX1およびY1の誘電体層2についても、上記の固体電解コンデンサA1と同様に、EDXにより誘電体層2の表面、すなわち陽極1と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を調べた。図4は、固体電解コンデンサX1の陽極1の表面に形成した誘電体層2について、陽極1と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を測定した結果を示した図である。
図4を参照して、固体電解コンデンサX1の誘電体層2では、誘電体層2の表面から4nm程度の深さの範囲においてリンが含有されていたが、上記の固体電解コンデンサA1の誘電体層2とは異なり、ケイ素およびフッ素は含有されていなかった。また、固体電解コンデンサX1の誘電体層2の表面から17nm程度の深さの範囲まで酸素濃度およびニオブ濃度がほぼ一定であり、上記の固体電解コンデンサA1の誘電体層2のように酸素濃度が誘電体層2の表面側において減少するということはなかった。なお、固体電解コンデンサY1の誘電体層2においても、上記固体電解コンデンサX1の誘電体層2の分析結果と同様の結果が得られた。
また、固体電解コンデンサX1についても、陽極1を陽極酸化した段階で、陽極1の表面に形成された誘電体層2の表面状態を電子顕微鏡(SEM)により観察した。その結果、誘電体層2の表面には、固体電解コンデンサA1で観察された微小な凹凸は形成されていなかった。
(評価1)
次に、上記のように作製した各固体電解コンデンサA1〜A13、B1、X1およびY1をリフローした場合における漏れ電流を測定した。
ここで、上記の各固体電解コンデンサのリフローは、エアリフロー方式によりピーク温度240℃で5分間熱処理することにより行い、このリフロー後の各固体電解コンデンサに5Vの電圧を印加して20秒後の漏れ電流を測定し、その結果を表1に示した。
また、上記のようにリフローした後の各固体電解コンデンサについて、周波数120Hzでの静電容量を測定し、その結果を表1に示した。また、表1には、第1誘電体層21および第2誘電体層22中のフッ素濃度も示した。なお、各層中のフッ素濃度は、第1誘電体層21では平均のフッ素濃度、第2誘電体層22では最大のフッ素濃度で示した。
Figure 0004753809
表1において、各固体電解コンデンサA1〜A13とX1と、または、B1とY1とをそれぞれ比較することにより、陽極1がニオブまたはチタンの何れの場合でも、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液からなる電解液中で陽極酸化を行った固体電解コンデンサA1〜A13またはB1は、それぞれ、リン酸水溶液からなる電解液中で陽極酸化を行った固体電解コンデンサX1またはY1よりも静電容量が増大し、漏れ電流が減少していることがわかった。
また、表1より、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液の濃度が0.001重量%〜5.0重量%の範囲において、静電容量の増大および漏れ電流の減少が顕著であることがわかる。さらに、静電容量の増大に対しては、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液の濃度は0.01重量%〜5.0重量%の範囲がより好ましく、漏れ電流の低減に対しては、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液の濃度は0.01重量%〜1.0重量%の範囲が、より好ましいことがわかる。
(実験2)
実験2では、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液を用いて陽極酸化を行い、誘電体層を形成した。図5は、実験2で作製した電解コンデンサの概略断面図である。図5を参照して、実験2で作製した電解コンデンサの製造方法について説明する。
実験2では、0.1mmの厚みを有するニオブからなる金属箔により陽極11を形成した。この陽極11を0.0005重量%の濃度のヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液を電解液として陽極酸化を行うことにより陽極11の表面に誘電体層12を形成した。このとき、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液の温度を60℃、上記の陽極11と対向電極との間の印加電圧を10V、陽極酸化時間を30分間とした。ここで、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液は、本発明の「六フッ化物イオンを含む電解液」の一例である。
そして、上記のように形成した陽極11および誘電体層12をステンレス製の容器13内に収容された電解液14中に浸漬することにより、電解コンデンサC1を作製した。
また、0.0005重量%ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液の代わりに、それぞれ、0.0007重量%、0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%、2.5重量%、5.0重量%、7.0重量%、10.0重量%の濃度のヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液を用いて陽極11の陽極酸化を行うことにより陽極11の表面に誘電体層12を形成するようにし、それ以外は、上記の電解コンデンサC1と同様にして電解コンデンサC2〜C13を作製した。
また、比較実験として、0.0005重量%ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液中で陽極11の陽極酸化を行う代わりに、0.1重量%リン酸水溶液中で陽極11の陽極酸化を行い、それ以外は、上記の電解コンデンサC1の場合と同様にして固体電解コンデンサZ1を作製した。
また、上記の電解コンデンサC1〜C13の誘電体層12については、上記の固体電解コンデンサA1と同様に、EDXにより誘電体層12の表面、すなわち陽極12と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を調べた。その結果、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様に、誘電体層12は、陽極11の表面に位置する第1誘電体層と、この第1誘電体層の上に形成された第2誘電体層とから構成されていた。また、第2誘電体層においては、酸素濃度が第1誘電体層から表面に向かって減少する一方、ゲルマニウムおよびフッ素が含有されており、ゲルマニウムの濃度はそれぞれ表面に向かって増加していた。さらに、第1誘電体層においては、ゲルマニウムは殆ど含有されておらず、第1誘電体層中のフッ素の濃度は第2誘電体層よりも多いことがわかった。
(評価2)
次に、上記のように作製した各電解コンデンサC2〜C13およびZ1の漏れ電流および静電容量を測定した。
ここで、各電解コンデンサの漏れ電流は、電解液14として60℃に保持した0.5重量%の濃度のリン酸水溶液を用いて、陽極1とステンレス製の容器13との間に3.3Vの電圧を印加して5秒後の電流を測定した。また、各電解コンデンサの静電容量は、電解液14として25℃に保持した30重量%の濃度の硫酸水溶液を用いて、周波数120Hzにて測定した。結果を表2に示す。なお、表2においては、各電解コンデンサの漏れ電流および静電容量は、各測定値を電解液14に浸漬した誘電体層12の表面積で除した値を示した。
また、表2には、上記のようにEDXにより測定した第1誘電体層および第2誘電体層中に含まれるフッ素濃度を合わせて示した。各層中のフッ素濃度は、第1誘電体層では平均のフッ素濃度で、第2誘電体層では最大のフッ素濃度でそれぞれ示した。
Figure 0004753809
表2において、いずれの電解コンデンサC1〜C13においても、漏れ電流は、電解コンデンサZ1よりも減少している。また、陽極酸化に用いたヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液の濃度が0.001重量%〜5.0重量%の範囲であった電解コンデンサC3〜C11では、電解コンデンサZ1よりも漏れ電流が減少するとともに、静電容量が増加している。特に、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液の濃度が0.01重量%〜5.0重量%の範囲であった電解コンデンサC5〜C11では、電解コンデンサZ1よりも漏れ電流の減少および静電容量の増加が顕著であることがわかる。
(実験3)
実験3では、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液およびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム水溶液を用いて陽極の陽極酸化を行うことにより誘電体層を形成し、さらに実験1と同様の構成を有する固体電解コンデンサを作製した。
まず、陽極酸化の電解液として0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液の代わりに、0.1重量%ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液を用いて陽極1の陽極酸化を行うことにより陽極1の表面に誘電体層2を形成するようにし、それ以外は、上記の固体電解コンデンサA1と同様にして固体電解コンデンサD1を作製した。
上記の固体電解コンデンサD1の誘電体層2については、上記の固体電解コンデンサA1と同様に、EDXにより誘電体層2の表面、すなわち陽極1と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を調べた。その結果、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様に、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とから構成されていた。また、第2誘電体層22においては、酸素濃度が第1誘電体層21から表面に向かって減少する一方、ゲルマニウムおよびフッ素が含有されており、ゲルマニウムの濃度はそれぞれ表面に向かって増加していた。さらに、第1誘電体層21においては、ゲルマニウムは殆ど含有されておらず、第1誘電体層21中のフッ素の濃度は第2誘電体層22よりも多いことがわかった。
また、陽極酸化の電解液として0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液の代わりに、0.1重量%ヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム水溶液を用いて陽極1の陽極酸化を行うことにより陽極1の表面に誘電体層2を形成するようにし、それ以外は、上記の固体電解コンデンサA1と同様にして固体電解コンデンサD2を作製した。ここで、ヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム水溶液は、本発明の「六フッ化物イオンを含む電解液」の一例である。
上記の固体電解コンデンサD2の誘電体層2についても、上記の固体電解コンデンサA1と同様に、EDXにより誘電体層2の表面、すなわち陽極1と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を調べた。その結果、上記の固体電解コンデンサA1の場合と同様に、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とから構成されていた。また、第2誘電体層22においては、酸素濃度が第1誘電体層21から表面に向かって減少する一方、ジルコニウムおよびフッ素がそれぞれ含有されており、ジルコニウムの濃度はそれぞれ表面に向かって増加していた。さらに、第1誘電体層21においては、ジルコニウムは殆ど含有されておらず、第1誘電体層21中のフッ素の濃度は第2誘電体層22よりも多いことがわかった。
(評価3)
次に、上記のように作製した各固体電解コンデンサD1およびD2をリフローした場合における漏れ電流を測定した。
ここで、上記の各固体電解コンデンサのリフローは、エアリフロー方式によりピーク温度240℃で5分間熱処理することにより行い、このリフロー後の各固体電解コンデンサに5Vの電圧を印加して20秒後の漏れ電流を測定し、その結果を表3に示した。
また、上記のようにリフローした後の各固体電解コンデンサについて、周波数120Hzでの静電容量を測定し、その結果を表3に示した。また、表3には、第1誘電体層21および第2誘電体層22中のフッ素濃度も示した。なお、各層中のフッ素濃度は、第1誘電体層21では平均のフッ素濃度で、第2誘電体層22では最大のフッ素濃度でそれぞれ示した。
Figure 0004753809
表3に示すように、各固体電解コンデンサD1およびD2の静電容量および漏れ電流は、いずれも、固体電解コンデンサA1と同程度であり、比較実験で作製した固体電解コンデンサX1よりも静電容量が大きく、また漏れ電流が小さいことがわかった。
実験1で作製した固体電解コンデンサの断面説明図である。 固体電解コンデンサA1の陽極の表面に形成した誘電体層について、陽極と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を測定した結果を示した図である。 固体電解コンデンサA1の陽極の表面に形成した誘電体層の状態を示した概略断面図である。 固体電解コンデンサX1の陽極の表面に形成した誘電体層について、陽極と反対側の面からの深さ方向における各元素の濃度を測定した結果を示した図である。 実験2で作製した電解コンデンサの概略断面図である。
符号の説明
1 陽極
2 誘電体層
3 電解質層
4 陰極
5 陽極リード
6 陰極リード
7 樹脂層
10 リード線
41 グラファイト層
42 銀ペースト層

Claims (2)

  1. 弁作用金属を含む陽極を形成する工程と、
    前記陽極を電解液中で陽極酸化することにより誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層上に陰極を配置する工程とを備え、
    前記誘電体層を形成する工程は、六フッ化物イオンを含む0.001重量%〜5.0重量%の濃度の前記電解液中で陽極酸化を行う、電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記電解液は、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウムおよびヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウムから選択される少なくとも1種を含んでいる、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
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