JP4959023B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極と、上記の陽極が陽極酸化されて形成される誘電体層と、上記の誘電体層の上に形成された陰極とを備えた固体電解コンデンサに係り、特に、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、漏れ電流が増加するのを抑制すると共に、固体電解コンデンサの静電容量を増大させるようにした点に特徴を有するものである。
固体電解コンデンサとしては、一般に、チタン、ニオブ、タンタル等の弁作用金属又はこの弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極をリン酸水溶液中で陽極酸化させて、この陽極の表面に酸化物からなる誘導体層を形成し、この誘導体層の上に導電性を有する酸化物や導電性高分子で構成された電解質層を設け、この電解質層の上に陰極として、カーボン層と銀ペイント層とを設けたものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
しかし、上記の固体電解コンデンサに設けられた酸化物からなる誘導体層は熱の影響を受けやすく、特に、ニオブやチタンを用いた陽極を陽極酸化させて形成した誘導体層においては熱の影響を大きく受けやすく、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、上記の電解質層が伸縮する等により誘電体層中に亀裂を生じたり、また誘導体層が結晶化する等により、漏れ電流が増加するという問題があった。
また、近年においては、陽極にニオブを用いた固体電解コンデンサにおいて、この陽極の表面に、ニオブ酸化物層とニオブ窒化物領域とを有する誘電体層を設け、リフロー工程における加熱によって静電容量が変化するのを抑制するようにした固体電解コンデンサも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、上記のようにニオブを用いた陽極の表面にニオブ酸化物層とニオブ窒化物領域とを有する誘電体層を設けた固体電解コンデンサにおいても、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、誘電体層中に亀裂を生じたり、また誘導体層が結晶化したりするのを十分に抑制することができず、依然として漏れ電流が増加するという問題があった。
特開平6−151258号公報 特開2004−18966号公報 特開平11−329902号公報
本発明は、固体電解コンデンサに対してリフロー工程等の熱処理工程を行った場合において、誘電体層中に亀裂を生じたり、誘導体層が結晶化したりするのを抑制し、固体電解コンデンサにおいて漏れ電流が増加するのを十分に抑制できるようにすると共に、陽極における表面積を増大させて、固体電解コンデンサの静電容量を増加させることを目的とするものである。
本発明においては、上記のような課題を解決するため、弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極と、上記の陽極が陽極酸化されて形成される誘電体層と、上記の誘電体層の上に形成された陰極とを備えた固体電解コンデンサにおいて、上記の誘電体層が、陽極側に位置する第1誘電体層と、この第1誘電体層の上に形成された第2誘電体層とを備え、この第2誘電体層中の酸素濃度が上記の第1誘電体層側から陰極側に向かって減少するようにしたのである。
ここで、上記の固体電解コンデンサにおいては、前記の第2誘電体層中に、窒素とフッ素とを含有させると共にケイ素,リン,チタン,ニオブ及びゲルマニウムから選択される少なくとも1種の元素を含有させることが好ましく、特に、ケイ素やゲルマニウムを含有させることが好ましい。
さらに、上記の固体電解コンデンサにおいては、前記の第1誘電体層中にフッ素を含有させ、この第1誘電体層中におけるフッ素濃度を陽極側に向かって増加させるようにすることが好ましい。
また、本発明における固体電解コンデンサの製造方法においては、弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極と、上記の陽極が陽極酸化されて形成される誘電体層と、上記の誘電体層の上に形成された陰極とを備えた固体電解コンデンサを製造するにあたり、上記の陽極を、六フッ化物イオンを含む電解液中で陽極酸化させるようにしたのである。
ここで、上記の電解液に加える六フッ化物としては、例えば、一般式(NH4xMF6(式中、Mは、リン,ケイ素,ニオブ,チタン,ゲルマニウム,ジルコニウムから選択される元素)で表されるアンモニウム塩を用いることができる。そして、上記の六フッ化物イオンを含む電解液として、具体的には、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム、ヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム等のアンモニウム塩を含む電解液を用いることができ、好ましくは、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウムを含む電解液を用いるようにする。
本発明における固体電解コンデンサのように、誘電体層が、陽極側に位置する第1誘電体層とこの第1誘電体層の上に形成された第2誘電体層とを備えるようにし、この第2誘電体層中の酸素濃度を第1誘電体層側から陰極側に向かって減少させるようにすると、この第2誘電体層における熱に対する伸縮応答性が上記のように酸素濃度が低くなった陰極側に向かうに連れて向上する。
この結果、本発明の固体電解コンデンサに対してリフロー工程等の熱処理工程を行った場合において、前記のように電解質層が伸縮して熱応力が加わっても、この熱応力が上記の第2誘電体層中において第1誘電体層に向かい徐々に緩和されるようになり、第1誘電体に作用する熱応力が緩和されて、誘電体層中に亀裂を生じるのが抑制され、漏れ電流が増加するのが防止されるようになる。
また、本発明の固体電解コンデンサにおいて、前記の第2誘電体層中に窒素とフッ素とを含有させると共にケイ素,リン,チタン,ニオブ及びゲルマニウムから選択される少なくとも1種の元素を含有させると、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、この第2誘電体層が結晶化するのが抑制され、誘電体層の結晶化による漏れ電流の増加も抑制されるようになり、特に、ケイ素を含有させると、漏れ電流が増加するのが一層抑制されるようになる。
さらに、本発明の固体電解コンデンサにおいて、前記の第1誘電体層中にフッ素を含有させ、この第1誘電体層中におけるフッ素濃度を陽極側に向かって増加させるようにすると、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合に、誘電体層から陽極に酸素が拡散して誘電体層の層厚が減少するのが抑制され、漏れ電流が増加するのが一層抑制されるようになる。
また、本発明における固体電解コンデンサの製造方法のように、弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極を、六フッ化物イオンを含む電解液中で陽極酸化させると、陽極側に位置する第1誘電体層と、この第1誘電体層の上に形成された第2誘電体層とを備えた誘電体層が形成され、第2誘電体層中の酸素濃度が第1誘電体層側から陰極側に向かって減少するようになると共に、第1誘電体層及び第2誘電体層にフッ素が含有されるようになる。
また、上記のように弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極を、六フッ化物イオンを含む電解液中で陽極酸化させるにあたり、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム、ヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム及びヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウムから選択される少なくとも1種のアンモニウム塩を含む電解液を用いると、窒素とフッ素とが含有されると共に、ケイ素,リン,チタン,ニオブ及びゲルマニウムから選択される少なくとも1種の元素が含有された第2誘電体層が形成されるようになる。
また、上記のように弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極を、六フッ化物イオンを含む電解液中で陽極酸化させると、この陽極の表面の一部が溶解されて陽極の表面に凹凸が形成され、これにより陽極の表面積が増大して、固体電解コンデンサの静電容量が増大される。特に、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウムを含む電解液を用いると、ゲルマニウムのフッ化物の酸化力が強いために、陽極表面の溶解が進み、陽極の表面積が大きく増加して、固体電解コンデンサの静電容量がさらに増大されると共に、誘電体層中の欠陥の生成が減少し、漏れ電流も一層抑制されると考えられる。
本発明の実施例に係る固体電解コンデンサの断面説明図である。 本発明の実施例1における固体電解コンデンサにおいて、陽極の表面に形成した誘電体層について、陽極と反対側の面からの深さ方向における各元素の含有量を測定した結果を示した図である。 本発明の実施例における固体電解コンデンサにおいて、陽極の表面に形成された誘電体層の状態を示した概略断面図である。 比較例1における固体電解コンデンサにおいて、陽極の表面に形成した誘電体層について、陽極と反対側の面からの深さ方向における各元素の含有量を測定した結果を示した図である。 実施例1において、陽極を陽極酸化させた後の表面状態を示した図である。 比較例1において、陽極を陽極酸化させた後の表面状態を示した図である。
以下、この発明の実施例に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係る固体電解コンデンサにおいては、リフロー工程等の熱処理工程を行った場合においても、漏れ電流の増大が抑制されると共に、静電容量が増大することを明らかにする。なお、この発明の固体電解コンデンサ及びその製造方法は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1の固体電解コンデンサを添付図面に基づいて説明する。
この実施例1の固体電解コンデンサにおいては、平均粒径が2μmのニオブ金属の粉末を焼結させて、ニオブの多孔質焼結体からなる陽極1を作製すると共に、この陽極1からタンタル金属からなるリード線11を延出させるようにした。
そして、上記の陽極1を陽極酸化させて、陽極1の表面に誘電体層2を形成するにあたっては、電解液として0.1重量%ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液を用い、60℃に加熱させたこの電解液中において、上記の陽極1と対向電極との間に8Vの電圧を10時間印加させて陽極1を陽極酸化させ、この陽極1の表面に誘電体層2を形成した。
そして、上記のように陽極1の表面に形成した誘電体層2の上に、化学重合等によりポリピロールからなる電解質層3を形成し、さらにこの電解質層3の上に、グラファイト層41と銀ペースト層42とからなる陰極4を形成した。なお、上記の電解質層3の材料としては、上記のポリピロールの他に、ポリチオフェン,ポリアニリン等の導電性高分子材料や、二酸化マンガン等の導電性酸化物を用いることができる。
次いで、上記の陽極1から延出させたリード線11に陽極リード5を接続させると共に、上記の陰極4における銀ペースト層42に陰極リード6を接続させ、エポキシ樹脂からなる樹脂層7によって外装し、上記の陽極リード5及び陰極リード6をこの樹脂層7を通して外部に取り出すようにして、固体電解コンデンサを作製した。
また、上記のように陽極1を陽極酸化させた段階で、陽極1の表面に形成された誘電体層2について、エネルギー分散型分光法(EDX)により誘電体層2の表面、すなわち陽極2と反対側の面からの深さ方向における各元素の含有量を測定し、その結果を図2に示した。
この結果、上記の誘電体層2は、図3に模式的に示すように、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とで構成された構造になっており、第2誘電体層22は陽極2と反対側の面から4nm程度の深さの範囲であり、この第2誘電体層22においては、酸素濃度が上記の第1誘電体層21から表面に向かって減少する一方、窒素,ケイ素及びフッ素が含有され、窒素及びケイ素の濃度が表面に向かって増加していた。
一方、誘電体層2の表面からの深さが約4nmから約25nmの範囲に位置している領域にある第1誘電体層21においては、窒素及びケイ素が殆ど含有されておらず、陽極1に近づくに連れてフッ素濃度が増加しており、また誘電体層2の表面から約17nmの深さを超えると、急激に酸素濃度が減少する一方、急激にニオブ濃度が増加していた。
(実施例2)
実施例2においては、平均粒径が2μmのチタン金属の粉末を焼結させて作製したチタンの多孔質焼結体からなる陽極1を用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
実施例3においては、平均粒径が2μmになったニオブ金属の粉末とアルミニウム粉末とを約99:1の重量比で混合させたものを焼結させて作製したニオブを主成分とするニオブ合金の多孔質焼結体からなる陽極1を用いるようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
なお、上記の実施例2,3に示す固体電解コンデンサについても、上記の実施例1と同様にして、陽極1の表面に形成された誘電体層2を調べた結果、上記の実施例1の場合と同様に、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とで構成された構造になっており、第2誘電体層22においては、酸素濃度が第1誘電体層21から表面に向かって減少する一方、窒素,ケイ素及びフッ素が含有され、窒素及びケイ素の濃度が表面に向かって増加しており、また第1誘電体層21においては、窒素及びケイ素が殆ど含有されておらず、陽極1に近づくに連れてフッ素濃度が増加していた。
(比較例1)
比較例1においては、上記の実施例1と同じニオブの多孔質焼結体からなる陽極を陽極酸化させるにあたり、電解液として、0.1重量%リン酸水溶液を用いるようにし、それ以外は、実施例1の場合と同様にして、図1に示す構造になった固体電解コンデンサを作製した。
ここで、この比較例1においても、上記のように陽極を0.1重量%リン酸水溶液を用いた電解液中において陽極酸化させた段階で、形成された誘電体層について、上記の実施例1の場合と同様に、エネルギー分散型分光法(EDX)により、陽極と反対側の面、すなわち誘電体層の表面からその深さ方向における各元素の含有量を測定し、その結果を図4に示した。
この結果、比較例1における誘電体層は、誘電体層の表面から4nm程度の深さの範囲においてリンが含有されていたが、上記の実施例1のものとは異なり窒素,ケイ素及びフッ素は含有されていなかった。また、この誘電体層の表面から17nm程度の深さの範囲まで酸素濃度及びニオブ濃度がほぼ一定であり、上記の実施例1のように酸素濃度が誘電体層の表面側において減少するということはなかった。なお、比較例1における誘電体層も、その表面から深さが約25nmの範囲に位置していた。
(比較例2)
比較例2においては、上記の実施例2と同じチタンの多孔質焼結体からなる陽極を陽極酸化させるにあたり、電解液として、比較例1と同じ0.1重量%リン酸水溶液を用いるようにし、それ以外は、実施例2の場合と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
比較例3においては、上記の実施例3と同じニオブ合金の多孔質焼結体からなる陽極を陽極酸化させるにあたり、電解液として、比較例1と同じ0.1重量%リン酸水溶液を用いるようにし、それ以外は、実施例3の場合と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
また、上記の比較例2,3に示す固体電解コンデンサについても、上記の実施例1と同様にして、陽極1の表面に形成した誘電体層2を調べた結果、上記の比較例1の場合と同様に、誘電体層の表面からある程度の深さの範囲においてリンが含有されていたが、窒素,ケイ素及びフッ素は含有されておらず、またこの誘電体層の表面から一定の深さまで酸素濃度及びニオブ濃度がほぼ一定であり、上記の実施例1のように酸素濃度が誘電体層の表面側において減少するということはなかった。
また、上記の実施例1及び比較例1において、上記のようにして陽極を陽極酸化させた後の表面状態を電子顕微鏡(SEM)により観察し、実施例1の観察結果を図5に、比較例1の観察結果を図6に示した。この結果、実施例1においては、陽極酸化させた後の陽極の表面に凹凸が形成されて表面積が増大していた。これに対して、比較例1においては、陽極酸化させた後の陽極の表面における凹凸は観察されなかった。なお、実施例2及び実施例3に示すようにして陽極を陽極酸化させた場合にも、実施例1と同様に、陽極酸化させた後の陽極の表面に凹凸が形成されて表面積が増大していた。
そして、上記のように作製した実施例1〜3及び比較例1〜3の各固体電解コンデンサをリフローした場合における漏れ電流を測定した。
ここで、上記の各固体電解コンデンサをリフローするにあたっては、エアリフロー方式によりピーク温度240℃で5分間熱処理し、このようにリフローさせた各固体電解コンデンサに5Vの電圧を印加させて20秒後の漏れ電流を測定し、その結果を表1に示した。
また、上記のようにリフローさせた後の各固体電解コンデンサについて、周波数120Hzでの静電容量を測定し、その結果を表1に示した。

この結果から明らかなように、ニオブ等の弁作用金属からなる陽極を、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液からなる電解液中において陽極酸化させて、上記のような陽極側に位置する第1誘電体層とこの第1誘電体層の上に形成された第2誘電体層とを備えた誘電体層を形成した実施例1〜3の固体電解コンデンサは、ニオブ等の弁作用金属からなる陽極を、リン酸水溶液からなる電解液中において陽極酸化させて、上記のような誘電体層を形成した比較例1〜3の固体電解コンデンサに比べて、リフロー後における漏れ電流が著しく減少していた。
また、陽極に同じ弁作用金属を用いた実施例1の固体電解コンデンサと比較例1の固体電解コンデンサ、実施例2の固体電解コンデンサと比較例2の固体電解コンデンサ、実施例3の固体電解コンデンサと比較例3の固体電解コンデンサとを比較した場合、何れも実施例の固体電解コンデンサの方が比較例の固体電解コンデンサよりも静電容量が大きくなっていた。
(実施例4〜7)
実施例4〜7においては、上記の実施例1と同じニオブの多孔質焼結体からなる陽極1を陽極酸化させるにあたり、使用する電解液の種類だけを変更し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
ここで、電解液として、実施例4では0.1重量%のヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液を、実施例5では0.1重量%のヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム水溶液を、実施例6では0.1重量%のヘキサフルオロチタン酸アンモニウム水溶液を、実施例7では0.1重量%のヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液を用いるようにした。
なお、上記の実施例4〜7の固体電解コンデンサについても、上記の実施例1と同様にして、陽極1の表面に形成した誘電体層2を調べた。その結果、実施例1の場合と同様に、陽極1の表面に位置する第1誘電体層21と、この第1誘電体層21の上に形成された第2誘電体層22とで構成されており、この第2誘電体層22においては、酸素濃度が上記の第1誘電体層21側から誘電体層2の表面に向かって減少していた。さらに、この第2誘電体層22においては、窒素とフッ素の他に、実施例4ではリンが、実施例5ではチタンが、実施例6ではニオブが、実施例7ではゲルマニウムそれぞれが含有されており、また第1誘電体層21においては、陽極1に近づくに連れてフッ素濃度が増加していた。
次に、上記の実施例4〜7の各固体電解コンデンサについても、上記の場合と同様に、エアリフロー方式によりピーク温度240℃で5分間熱処理し、このようにリフローさせた各固体電解コンデンサに対して、5Vの電圧を印加させて20秒後の漏れ電流を測定する共に、周波数120Hzでの静電容量を測定し、上記の実施例1のものと合わせて、その結果を下記の表2に示した。

この結果、実施例4〜7の各固体電解コンデンサにおいても、上記の実施例1〜3の場合と同様に、比較例1〜3の各固体電解コンデンサに比べて、リフロー後における漏れ電流が著しく減少しており、特に、ニオブの多孔質焼結体からなる陽極1を、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液や、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液中において陽極酸化させて、第2誘電体層22中にケイ素を含有させた実施例1及び実施例7の固体電解コンデンサにおいて、リフロー後における漏れ電流が大きく低下していた。
また、ニオブの多孔質焼結体からなる陽極1を、ヘキサフルオロゲルマニウム酸アンモニウム水溶液中において陽極酸化させた実施例7の固体電解コンデンサにおいては、静電容量も大きく増加していた。
1 陽極
2 誘電体層
3 電解質層
4 陰極
5 陽極リード
6 陰極リード
7 樹脂層
11 リード線
21 第1誘電体層
22 第2誘電体層
41 グラファイト層
42 銀ペースト層

Claims (5)

  1. 弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極と、前記陽極が陽極酸化されて形成される誘電体層と、前記誘電体層上に形成される陰極とを備えた固体電解コンデンサにおいて、
    前記誘電体層が、第1誘電体層と、前記第1誘電体層の上に形成される該第1誘電体層よりも薄い第2誘電体層とを備え、
    前記第2誘電体層にはケイ素が含有され、前記第1誘電体層にはケイ素を含有されないことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記弁作用金属が、ニオブであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記第2誘電体層中に、さらに窒素が含有されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記第2誘電体層中に、さらにフッ素が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記第1誘電体層中にフッ素が含有されており、前記フッ素の濃度が前記陽極側に向かって増加していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ

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