JP4001329B2 - 固体電解コンデンサ用化成基板、その製造方法及び固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ用化成基板、その製造方法及び固体電解コンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の酸化物で少なくとも一部被覆された誘電体皮膜を有する弁作用金属、特に酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔、その製造方法及びそれを用いた電解コンデンサに関する。さらに詳しく言えば、Siと弁作用金属及び酸素(O)からなる酸化物で被覆された弁金属の誘電体皮膜を有する化成箔、例えばSi、Al及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有するアルミニウム化成箔、その製造方法及びその化成箔を用いた電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
固体電解コンデンサは、予めエッチング処理し粗面化したアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ等の弁作用金属表面に高密度の均一な誘電体酸化皮膜を形成し、その誘電体酸化皮膜上に、例えば導電性重合体を形成して固体電解質とし、弁作用金属の陽極端子(固体電解質のない金属表面部分)に陽極リード線を接続し、導電性重合体を含む導電体層に陰極リード線を接続してなる基本構造を有し、さらに全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止して作製される。
【0003】
上記の弁作用金属の中でも、アルミニウムはエッチング処理により容易に表面積を拡大でき、またアルミニウムを陽極とする陽極酸化処理(化成処理)により表面に形成される酸化皮膜が誘電体として利用できるため、他のコンデンサに比べて小型で大容量でかつ安価に製造できる特長があり、アルミニウム固体電解コンデンサとして広く用いられている。
【0004】
アルミニウムのエッチング処理は、一般に塩素イオン等を含む電解液中での交流エッチングにより行なわる。このエッチング処理により表面に多数の細孔が形成され表面積が拡大する。形成される細孔の半径は、印加する電流、時間などによって異なるが、0.05〜1.0μm程度である。
ついで、細孔を含む表面を陽極酸化処理(化成処理)する。この化成処理により厚さ0.005〜0.1μm程度の高密度で均一な陽極酸化皮膜(誘電体皮膜)が形成される。
【0005】
ここで得られたアルミニウム化成基板は固体電解コンデンサの所定の大きさに裁断される。このとき切り口の縁にはみ出し部分(ばり)が残存するが、通常は、この状態のまま露出したアルミニウム(地金)部分を再化成処理して切り口部に陽極酸化皮膜(誘電体皮膜)を形成する。
【0006】
静電容量を増大する方法として、特公昭57-6250号公報には珪酸ナトリウム水溶液で化成箔またはエッチング箔をボイル処理(熱水処理)する手法が記載されている。この方法は化成電圧が20V〜300Vの化成箔に対して有効であり、化成電圧が20V未満の低電圧箔については、静電容量が増大していない。
【0007】
また、「キャパシタ技術」Vol.8(No.1),21〜28頁,2001年((社)電気化学会;平成13年度第1回研究会)には、アルミニウム電解コンデンサの開発としてゾルゲルコーティング等による手法が記載されている。この方法によれば、SiO2などをゾルゲルコーティングして中性溶液中で陽極酸化させてAlとSiの複合酸化物をつくるが、200VではSiO2層とAl23層の間にAlとSiの複合酸化物が形成され400VでSiO2層がなくなる。その結果、誘電率などが改善され容量が増大した電解コンデンサが得られる。
【0008】
コンデンサ素子の静電容量は、誘電体皮膜の厚み、誘電体皮膜の誘電率、固体電解質(導電性物質)の誘電体皮膜への被覆面積により決まる。しかし、従来のアルミニウム固体電解コンデンサの静電容量は、アルミニウム化成箔の静電容量(C)の理論値(C=εA/t、ここでεは酸化アルミニウム誘電体の誘電率、Aは誘電体層の表面積、tは誘電体の厚みを示す。)にはならず、しかも個々の製品における静電容量のバラツキが大きかった。
【0009】
また、使用する化成箔の化成電圧が下がるに従い、アルミニウム固体電解コンデンサの静電容量は、アルミニウム化成箔の静電容量の理論値と乖離する割合が増加する傾向にあった。これは、従来の化成手法では誘電体皮膜の厚みと誘電率、固体電解質(導電性物質)の誘電体皮膜への被覆面積、密着性等が不十分なことによると考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、化成基板の誘電体酸化皮膜の表面を、皮膜上に設ける導電性物質が十分に広い接触面積で密着性よく接触し得る誘電体皮膜となるように処理して、静電容量が向上し、コンデンサ性能のバラツキの少ない電解コンデンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、Si(ケイ素)、弁作用金属及びO(酸素)、例えばSi、Al及びOからなる酸化物で被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔を用いることにより、固体電解質(導電性重合体)の誘電体皮膜への被覆面積が増加、密着性等が向上してコンデンサの静電容量が増大し、また個々のコンデンサの静電容量のバラツキや漏れ電流値が低減することを見出した。
【0012】
また、表面がSiで修飾された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有し、内部にSiが存在し、そのSi量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少している領域を含む化成箔を用いることにより、固体電解質(導電性重合体)の誘電体皮膜への被覆面積が増加、密着性等が向上してコンデンサの静電容量が増大し、また個々のコンデンサの静電容量のバラツキや漏れ電流値が低減することを見出した。さらにそのSi量について、TEM(Transmission Electron Microscope)−EDX(Energy Dispersive X-Ray Spectrocopy)で測定したSi組成比が表面側から内部の方向に特定の減少率で連続的に減少している領域を含む場合にさらに好適であることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は以下のコンデンサ用化成基板、その製造方法及びその基板を用いた固体電解コンデンサを提供するものである。
1.誘電体皮膜を有する弁作用金属基板において、誘電体皮膜を有する弁作用金属表面がSiと弁作用金属及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されていることを特徴とする化成基板。
2.弁作用金属基板が、アルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ及びそれらの合金から選ばれる1種である前項1に記載の化成基板。
3.弁作用金属基板が、アルミニウム化成箔または化成板である前項1に記載の化成基板。
【0014】
4.Si、Al及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成基板が、該表面のXPS分析においてSiメタルの束縛エネルギーが99.7eVであってSiO2のSiの束縛エネルギーが103.4eVであるときに、該酸化物のSiの束縛エネルギーが100.0eV〜103.2eVの範囲である前項2または3に記載の化成基板。
5.Si、Al及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成基板が、該表面のXPS分析においてAl23のOの束縛エネルギーが531.0eVであってSiO2のOの束縛エネルギーが532.5eVであるときに、該酸化物のOの束縛エネルギーが529.0eV〜532.3eVの範囲である前項2または3に記載の化成基板。
【0015】
6.Si、Al及びOからなる酸化物が、Si−O−Al結合を有する化合物を含む前項4または5に記載の化成基板。
7.表面がSiで修飾された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔中にSiが存在し、Si量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少している領域を含む前項2または3に記載の化成基板。
8.表面がSiで修飾された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔中にSiが存在し、TEM−EDXで測定しSiモル量/(Siモル量+Alモル量)で定義されるSi組成比が、酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面側で4%以上であり、内部の方向に0.5%/nm以上の減少率で連続的に減少している領域を含む前項7に記載の化成基板。
【0016】
9.誘電体皮膜を有する弁作用金属基板が、20V未満の電圧で化成処理されたものであることを特徴とする前項1乃至8のいずれかひとつに記載の化成基板。
10.アルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ及びそれらの合金から選ばれる1種の誘電体皮膜を有する弁作用金属基板を珪酸アルカリ電解液中で化成することを特徴とする請求項1記載の弁作用金属表面がSiと弁作用金属及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されている化成基板の製造方法。
11.誘電体皮膜を有するアルミニウム弁作用金属基板を珪酸アルカリ電解液中で化成する請求項10に記載の弁作用金属表面がSiと弁作用金属及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されているアルミニウム化成基板の製造方法。
【0017】
12.アルミニウム化成基板を、酸及び/またはその塩の電解液中で化成する工程、次いで珪酸アルカリ電解液中で化成する工程を含む前項11に記載の弁作用金属表面がSiと弁作用金属及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されているアルミニウム化成基板の製造方法。
13.アルミニウム化成基板を、酸または/及びその塩の電解液中で化成する工程、珪酸アルカリ電解液中で化成する工程、次いで熱処理する工程を含む前項11に記載の弁作用金属表面がSiと弁作用金属及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されているアルミニウム化成基板の製造方法。
14.珪酸アルカリ電解液の濃度が、0.001〜15質量%であり、前項10乃至13のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
【0018】
15.珪酸アルカリ電解液の温度が、10〜100℃である前項10乃至14のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
16.珪酸アルカリが、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カルシウム、珪酸リチウムからなる群から少なくともひとつ選ばれる前項10乃至15のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
17.20V未満の電圧で化成処理が行われる前項11乃至16のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
18.前項1乃至9のいずれかひとつに記載の化成基板上に、固体電解質を有する固体電解コンデンサ。
【0019】
19.前項10乃至17のいずれかひとつに記載の製造方法で得られる化成基板上に、固体電解質を有する固体電解コンデンサ。
20.固体電解質が、π電子共役系重合体を含んだものである前項18または19に記載の固体電解コンデンサ。
21.π電子共役系重合体が、複素五員環化合物から得られる重合体である前項20に記載の固体電解コンデンサ。
22.複素五員環化合物が、ピロール、チオフェン、フラン、イソチアナフテン、1,3−ジヒドロイソチアナフテン及びそれらの置換誘導体から選ばれる少なくとも1種である前項21に記載の固体電解コンデンサ。
【0020】
23.複素五員環化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテンから選ばれる少なくとも1種である前項22に記載の固体電解コンデンサ。
24.固体電解コンデンサが、コンデンサ素子を2枚以上積層してなる前項18乃至23のいずれかひとつに記載の固体電解コンデンサ。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ及びそれらの合金から選ばれる1種である弁作用金属化成基板は、その基板上に好ましくは固体電解質を有する固体電解コンデンサに使用することができる。例えば、固体電解アルミニウムコンデンサにおいては、これまで酸化アルミニウムの誘電体皮膜を形成した市販のアルミニウム化成箔を、固体電解コンデンサに求められる所定の形状に切断した後、切断面のアルミニウム地金部分を再化成処理し、その後、導電性高分子の層を形成していたが、このような方法による固体電解コンデンサでは前述のように静電容量にバラツキを生じる。
【0022】
本発明者らは、Si、Al及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔基板を用いることにより、驚くべきことに、固体電解質(導電性重合体)と基板との密着性が向上してコンデンサの静電容量が増大し、また個々のコンデンサの静電容量のバラツキが低減することを見出した。さらに漏れ電流(LC)の増大を大幅に減少させ、製品歩留り(単に「収率」ともいう。)が向上することが確認された。
【0023】
固体電解コンデンサの特性が向上する(静電容量が増加しバラツキが小さくなる)理由の詳細は必ずしも明らかではないが、Si、Al及びOからなる酸化物で被覆した酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有するアルミニウム化成箔で電解液(例えばアジピン酸アンモニウム水溶液)を用いてコンデンサを作製し、静電容量を測定すると、従来法で得られた化成箔を用いた場合と同程度の静電容量を示す。
【0024】
しかし、固体電解質として有機導電性重合体を用いてコンデンサを作製した場合には、本発明の化成基板(箔)では静電容量が増加することから、誘電体皮膜の導電性重合体との密着度、接触面が均一化される等により導電性重合体との有効接触面積が実質的に増加することによるものと考えられる。
【0025】
また、LCが低減した理由の詳細は必ずしも明らかではないが、形成したSi、Al及びOからなる酸化物が酸化アルミニウム皮膜を保護することにより、皮膜の強度が増し、機械衝撃や熱衝撃のダメージに対して耐えることが可能になり本来の持つ化成箔の特性低下が緩和されたと考えられる。これらの効果は、20V未満の低電圧化成箔において顕著に現れる。
【0026】
例えば、珪酸アルカリで処理したアルミニウム化成箔をXPS(X線光電子分光法:X-ray photoelectron spectroscopy)分析したところSi、Al及びOからなる酸化物が検出され、この酸化物皮膜が上記性能を向上させる要因であることが示された。
【0027】
XPS分析では被測定物の構成元素とその量、結合状況についての情報を得ることができ、概ね分析面積は数mm以上、分析深さは数100nm、感度は0.1〜1%程度である。
【0028】
弁作用金属表面は、表面(厳密には表面層であり、その材料が置かれている雰囲気を考えれば界面層である。)の二次的拡がりにおける不均一性、深さ方向における誘電体皮膜の層構成が重要であり、深さ方向に関しては一様でない。弁作用金属表面上の誘電体皮膜の少なくとも一部がSi、弁作用金属及びOからなる酸化物で被覆されている状態は、酸化物層が不均一でも、厚さが一様でなくてもよく、深さ方向には、深くなるにつれて酸化物層、酸化物層と誘電体層及び/または金属層の遷移層、金属層となっている。
【0029】
Si、Al及びOからなる酸化物の束縛エネルギー(binding energy)はXPSで測定した。XPSで求められるSiの束縛エネルギーはSiの内殻電子(2p)とSi原子の束縛エネルギーであるが本発明で述べる束縛エネルギーはSiの内殻電子(2p)である。また、束縛エネルギーの数値は測定条件により異なり、本発明で述べるSi、Al及びOからなる酸化物の束縛エネルギーは、SiO2のSiの束縛エネルギーが103.4eVでありSiメタルの束縛エネルギーが99.7eVとしたときに得られるSiの束縛エネルギーで表した。また、Al23のOの束縛エネルギーは531.0eVでありSiO2のOの束縛エネルギーが532.5eVとしたときに得られるOの束縛エネルギーで表した。
【0030】
本発明の酸化物におけるXPS分析では、Siの束縛エネルギーは100〜103.2eV、好ましくは102〜103eV、また、Oの束縛エネルギーは529〜532.3eV、好ましくは530〜532eVがよい。
検出した束縛エネルギーは、Si、O、Al、P、Cであり、化成処理に使用した珪酸アルカリ由来のNa等は検出されなかった。Pは、本発明の化成処理してない市販の化成箔でも検出された。Cは、測定したCが存在しない金属や化成箔でも同様に検出されることから測定環境由来のコンタミ物質と判断し、吸着した炭化水素成分(C−C、C−H)のCの束縛エネルギーが284.6eVを示し、Si、O、Al、Pが化成箔由来とした。
【0031】
Si、Al及びOからなる酸化物は、Si−O−Al結合を有する化合物を含んでいてもよく、酸化物層に存在するSi含有量は5〜50%、好ましくは10〜45%、より好ましくは15〜40%である。
【0032】
表面がSiで修飾された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有し、内部にSiが存在し、そのSi量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少している領域を含む化成箔を用いることにより、固体電解質(導電性重合体)と基板との密着性が向上してコンデンサの静電容量が増大し、また個々のコンデンサの静電容量のバラツキが低減することが確認された。さらに、漏れ電流(LC)の増大を大幅に減少させ、製品歩留りが向上することが確認された。さらにそのSi量について、望ましくは、TEM−EDXで測定しSiモル量/(Siモル量+Alモル量)で定義されるSi組成比が、酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面側で約4%以上であり、内部の方向に約0.5%/nm以上の減少率で連続的に減少している領域を含む場合さらに好適であることが確認された。
【0033】
固体電解コンデンサの特性が向上する(静電容量が増加しバラツキが小さくなる)理由の詳細は必ずしも明らかではないが、表面がSiで修飾した酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔で電解液(例えばアジピン酸アンモニウム水溶液)を用いてコンデンサを作製し、静電容量を測定すると、従来法で得られた化成箔を用いた場合と同程度の静電容量を示す。しかし、固体電解質として有機導電性重合体を用いてコンデンサを作製した場合には、静電容量が増加することから、誘電体皮膜の導電性重合体との密着度、接触面が均一化される等により導電性重合体との有効接触面積が実質的に増加することによるものと考えられる。
【0034】
また、LCが低減した理由の詳細は必ずしも明らかではないが、修飾したSiが酸化アルミニウム皮膜を保護することにより、皮膜の強度が増し、機械衝撃や熱衝撃のダメージに対して耐えることが可能になり本来の持つ化成箔の特性低下が緩和されたと考えられる。これらの効果は、低電圧化成箔において顕著に現れていた。従って、誘電体皮膜を有する化成箔内部にSiが存在し、そのSi量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少している領域を含む化成箔が上記性能を向上させる要因であることが明らかとなった。
【0035】
アルミニウム化成基板を裁断して使用する場合は、裁断の形状は限定されないが、好ましくは平板形素子単位として幅1〜50mm、長さ1〜50mmの範囲であればよく、好ましくは幅2〜20mm、長さ2〜20mm、より好ましくは幅2〜5mm、長さ2〜6mmである。
【0036】
裁断された化成基板を用いる場合には、切り口化成処理を施すのがよい。この切り口化成の条件としては、酸及び/またはその塩の電解液、例えばリン酸、シュウ酸、硫酸等の少なくとも1種を含む電解液を用い、その電解液濃度が0.1質量%〜30質量%、温度が0℃〜80℃、電流密度が0.1mA/cm2〜1000mA/cm2、化成時間が100分以内の条件で化成基板の芯部を陽極として定電流化成を行う。さらに好ましくは、電解液濃度が1質量〜20質量%、温度が20℃〜50℃、電流密度が1mA/cm2〜400mA/cm2、化成時間が60分以内の範囲内で条件を選定する。
【0037】
前記の化成条件は電解液の種類、電解液濃度、温度、電流密度、化成時間等の諸条件が前記化成基板表面にすでに形成されている誘電体皮膜を破壊または劣化させない限り任意に選定することができる。
例えば、20V未満の低電圧で化成された市販アルミニウム化成基板を用いても、その誘電体皮膜(酸化アルミニウム)にSi、Al及びOからなる酸化物で被覆した化成箔を用いた本発明の電解コンデンサによれば、静電容量特性のバラツキが少なくなる。
【0038】
Si、Al及びOからなる酸化物は、いろいろな手段で形成させることができる、例えば、珪酸アルカリを含んだ熱水溶液を用いた方法や珪酸アルカリ電解液を用いて陽極酸化させる方法により酸化アルミニウムの表面に形成させることができる。
【0039】
珪酸アルカリ電解液を用いる陽極酸化については、使用される珪酸アルカリは、アルミニウム及び酸化アルミニウムを溶解する特性を有するものであればよく、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カルシウム、珪酸リチウム等が使用できる。珪酸アルカリは、水酸化アルカリあるいは炭酸アルカリと珪酸塩(SiO2と金属酸化物とからなる塩、一般式xM2O・ySiO2)とを融解して、水に可溶性のものを得ることができる。
【0040】
珪酸アルカリの濃度は、作業性の面から誘電体の溶解速度が適度となる範囲が選ばれる。珪酸アルカリの種類によって異なるが、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムが好ましい。例えば、珪酸ナトリウムの場合には、0.001〜15質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
【0041】
珪酸アルカリ電解液での化成温度は、珪酸アルカリの種類、濃度等により一概には言えないが、例えば、珪酸ナトリウムの場合には、珪酸ナトリウム濃度が0.01〜10質量%の範囲においては、10〜100℃程度であるが、好ましくは15〜95℃である。温度は高い程よく、より好ましくは化成時の浸漬液レベルの調整がつく限りで沸騰しない程度の高い温度が適している。
【0042】
珪酸アルカリ溶液での化成時の電流密度、化成時間は、化成基板の有効表面に形成された誘電体皮膜に著しい損傷を与えることなく化成できる電圧、時間を選択すればよい。
珪酸アルカリ化成の後に行う熱処理は、誘電体皮膜に著しい損傷を与えない100〜500℃の範囲、より好ましくは200〜400℃の範囲がよい。
【0043】
次いで、必要に応じて、化成基板の有効表面に形成された誘電体皮膜に損傷を与えることなく、化成を行ってもよい。具体的には、アジピン酸、ホウ酸、リン酸等の酸あるいはその塩、好ましくはアジピン酸アンモニウムなどの中性の塩を含む電解液を用い、その電解液濃度0.95〜20質量%、温度0〜90℃、電流密度0.1〜2000mA/cm2、通電時間60分以内の条件で化成基板の芯部を陽極として定電流化成を行う。
【0044】
本発明の固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子(2)の1例の断面を図1に示すように、例えばSi、Al及びOからなる酸化物で被覆した酸化アルミニウムの誘電体皮膜(4)を有するアルミニウム化成基板上(1)に、固体電解質層(5)として導電性重合体を形成する。
【0045】
本発明の固体電解コンデンサに用いられる固体電解質を形成する導電性重合体は限定されないが、好ましくはπ電子共役系構造を有する導電性重合体、例えばチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙げられる。
【0046】
導電性重合体の原料として用いられるモノマーのうち、チオフェン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物または公知の方法(例えば、Synthetic Metals誌,1986年,15巻,169頁)で準備できる。
【0047】
また、例えば、多環状スルフィド骨格を有する化合物としては、例えば、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8-3156号公報および米国特許第5,530,139号明細書記載の方法により準備することができる。
【0048】
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体等も使用できる。
【0049】
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含む化合物も使用できる。例えば、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
また、ピロール骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の誘導体を挙げられるが、これらに限られない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
【0051】
また、フラン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は市販品または公知の方法で準備できる。
【0052】
重合の手法は、電解重合でも、化学酸化重合でも、その組合せでも良い。また、誘電体皮膜上に有機導電性重合体でない固体電解質をまず形成し、次いで上記の重合方法で有機導電性重合体を形成する方法でも良い。
有機導電性重合体を形成する例として、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、別々に前後してまたは一緒に誘電体皮膜上に塗布して形成する方法(特開平2-15611号公報,米国特許第4,910,645号明細書)や特開平10-32145号公報(米国特許第6,229,689号明細書))等が利用できる。
【0053】
一般に、導電性重合体には、ドーピング能のある化合物(ドーパント)が使用されるが、ドーパントはモノマー溶液と酸化剤溶液のいずれに添加しても良く、ドーパントと酸化剤が同一の化合物になっている有機スルホン酸金属塩の様なものでも良い。ドーパントとしては、好ましくはアリールスルホン酸塩系のドーパントが使用される。例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの塩を用いることができる。
【0054】
本発明の固体電解コンデンサ素子は、固体電解質層(5)の上に、陰極リード端子(7)との電気的接触を良くするために好ましくはカーボンペーストや金属粉含有ペースト等の導電ペ一ストやメッキ等により導電体層(図示せず)を設ける(図1)。次いで陰極部(6)に陰極リード端子(7)を接続し、アルミ化成基板(1)を陽極部とし陽極リード端子(図示せず)を接続し、アルミニウム化成基板(1)を陽極部とし陽極リード端子(図示せず)を接続し、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途の固体電解コンデンサとすることができる。
【0055】
本発明の積層型固体電解コンデンサは、少なくともコンデンサ素子を2枚積層した積層型のコンデンサとして通常用いられる。積層型固体電解コンデンサにおいては、リードフレーム(8)を面取り、つまり稜角の部分を少し平らに削ったり、丸味をつけたりするリードフレーム形状にしても良い。
また、リード端子(7)、(10)の役目をリードフレームの対向する陰極ボンディング部、陽極ボンディング部にもたせたものとして使用しても良い。
【0056】
リードフレームの材料は一般的に使用されるものであれば特に制限はないが、好ましくは銅系(例えばCu−Ni系、Cu−Ag系、Cu−Sn系、Cu−Fe系、Cu−Ni−Ag系、Cu−Ni−Sn系、Cu−Co−P系、Cu−Zn−Mg系、Cu−Sn−Ni−P系合金等)の材料もしくは表面に銅系の材料のメッキ処理を施した材料で構成すればリードフレームの形状の工夫により抵抗の減少、リードフレームの面取り作業性が良好になる等の効果が得られる。
【0057】
積層型固体電解コンデンサ(11)は、図2に断面図を示すとおり、陽極部(9)に接合したリードフレーム(8)にリード端子(10)を接合し、固体電解質層(5)、カーボンペースト層および金属粉含有導電性層からなる陰極部(6)にリード線(7)を接合し、さらに全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂(12)で封止して得られる。
【0058】
【実施例】
以下に本発明について代表的な例を示し具体的に説明するが、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
なお、下記の例において特に記載がない限り、漏れ電流特性は、コンデンサ素子に定格電圧(2V)を印加後、1分後の漏れ電流値(LC)を測定し、閾(しきい)値を0.03CVとして算出した漏れ電流(LC)歩留として評価しその結果を表1に示した。
【0059】
実施例1:
アルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製110LJ22B4Vf(商品名))(定格皮膜耐電圧:4Vf)を切断し、マスキング材(3)で陰極部と陽極部に分け、陰極部とする側を25℃の5質量%シュウ酸水溶液で120秒間化成し、水洗した。次いで、珪酸ナトリウム0.1質量%水溶液を使用し、温度40℃、電圧4V、電流密度5mA/cm2、通電時間10分の条件で化成した。その箔についてXPS分析したときのSi(101.97eV)、O(530.94eV)、Al(73.98eV)の束縛エネルギー値の関係を図3、4に示す。
【0060】
次いで、得られたこれらの化成箔を、350℃で3分間の熱処理を行った後、電解液としてアジピン酸アンモニウム10質量%水溶液を使用し、温度55℃、電圧4V、電流密度5mA/cm2、通電時間10分の条件で化成した。これらの処理により得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0061】
その後、陰極部を、3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1モル/lに浸漬後、2分間放置し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム、1.8モル/l)とドーパント(アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム、0.06モル/l)の混合水溶液に浸漬し、45℃、5分間放置した。この工程を25回繰り返し、水洗し、導電性重合体層(5)を形成し、その上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層して導電層を形成し、図1に示すようなコンデンサ素子を得た。次にリードフレームに陰極側は銀ペーストで、陽極側は溶接で、素子を2枚重ねて配置した。その後、全体をモールド用樹脂にて封止し、コンデンサを形成した2V、105℃下で1時間エ一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0062】
実施例2:
アルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製110LJ22B4Vf(商品名))(定格皮膜耐電圧:4Vf)を切断し、マスキング材(3)で陰極部と陽極部に分け、陰極部とする側を25℃の5質量%シュウ酸水溶液で120秒間化成し、水洗した。次いで、珪酸ナトリウム0.1質量%水溶液の代わりに0.5質量%水溶液を使用する以外は実施例1と同様な操作によりコンデンサを作製した。得られたコンデンサの静電容量、漏れ電流特性を測定し、その結果を表1に示す。その箔についてXPS分析したときのSi(102.50eV)、O(531.26eV)、Al(74.28eV)の束縛エネルギー値の関係を図3、4に示す。
【0063】
実施例3:
アルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製110LJ22B4Vf(商品名))(定格皮膜耐電圧:4Vf)を切断し、マスキング材(3)で陰極部と陽極部に分け、陰極部とする側を25℃の5質量%シュウ酸水溶液で120秒間化成し、水洗した。次いで、珪酸ナトリウム0.1質量%水溶液の代わりに1.0質量%水溶液を使用する以外は実施例1と同様な操作によりコンデンサを作製した。得られたコンデンサの静電容量、漏れ電流特性を測定し、その結果を表1に示す。その箔についてXPS分析したときのSi(102.68eV)、O(531.39eV)、Al(74.48eV)の束縛エネルギー値の関係を図3、4に示す。
【0064】
実施例4:
アルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製110LJ22B4Vf(商品名))(定格皮膜耐電圧:4Vf)を切断し、マスキング材(3)で陰極部と陽極部に分け、陰極部とする側を25℃の5質量%シュウ酸水溶液で120秒間化成し、水洗した。次いで、珪酸ナトリウム0.1質量%水溶液の代わりに5.0質量%水溶液を使用する以外は実施例1と同様な操作によりコンデンサを作製した。得られたコンデンサの静電容量、漏れ電流特性を測定し、その結果を表1に示す。その箔についてXPS分析したときのSi(102.86eV)、O(531.81eV)、Al(74.43eV)の束縛エネルギー値の関係を図3、4に示す。
【0065】
実施例5:
化成箔を13Vf箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製100LJA19B13Vf
(商品名)、定格皮膜耐電圧:13Vf)で珪酸ナトリウム5.0質量%水溶液、化成電圧を13Vとした以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサを作製した。6.3V、105℃下で1時間エージング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。
漏れ電流特性は、コンデンサ素子に定格電圧(6.3V)を印加後、1分後の漏れ電流値を測定し、閾(しきい)値を0.03CVとして算出した漏れ電流歩留として評価した。
【0066】
実施例6:
アルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製110LJ22B4Vf(商品名))(定格皮膜耐電圧:4Vf)を切断し、マスキング材(3)で陰極部と陽極部に分け、陰極部とする側を25℃の5質量%シュウ酸水溶液で120秒間化成し、水洗した。次いで、珪酸ナトリウム1.0質量%水溶液を使用し、温度80℃の条件で熱処理した。その箔についてXPS分析したときのSi(102.78eV)、O(532.07eV)、Al(74.34eV)の束縛エネルギー値の関係を図3、4に示す。
【0067】
次いで、得られたこれらの化成箔を、350℃で3分間の熱処理を行った後、電解液としてアジピン酸アンモニウム10質量%水溶液を使用し、温度55℃、電圧4V、電流密度5mA/cm2、通電時間10分の条件で化成した。これらの処理により得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0068】
その後、陰極部を、1,3−ジヒドロイソチアナフテンのエタノール溶液1モル/lに浸漬後、2分間放置し、次いで、酸化剤(過硫酸鉄、1.0モル/l)とドーパント(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、0.06モル/l)の混合水溶液に浸漬し、80℃、10分間放置した。
この工程を20回繰り返し、水洗し、導電性重合体層を形成し、その上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層して導電層を形成しコンデンサ素子を得た。次にリードフレームに陰極側は銀ペーストで、陽極側は溶接で、素子を2枚重ねて配置した。その後、全体をモールド用樹脂にて封止し、コンデンサを形成した2V、105℃下で1時間エ一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0069】
比較例1:
珪酸ナトリウム水溶液の代わりにアジピン酸アンモニウム10質量%水溶液とした以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサを作製し、静電容量、漏れ電流特性を測定した。また、これらの化成処理によって得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。これらの結果を表1に示す。その箔についてXPS分析したときのO(530.81eV)、Al(73.96eV)の束縛エネルギー値の関係を図3、4に示す。
【0070】
比較例2:
化成箔を13Vf箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製100LJA19B13Vf
(商品名)、定格皮膜耐電圧:13Vf)で化成電圧を13Vとした以外は、比較例1と同様の操作によりコンデンサを作製した。6.3V、105℃下で1時間エージング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。漏れ電流特性は、コンデンサ素子に定格電圧(6.3V)を印加後、1分後の漏れ電流値を測定し、閾(しきい)値を0.03CVとして算出した漏れ電流歩留として評価した。
【0071】
実施例7:
25℃シュウ酸5質量%の代わりに、55℃のアジピン酸アンモニウム10質量%を用いて化成した以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサを作製し、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0072】
比較例3:
珪酸ナトリウム水溶液の代わりにアジピン酸アンモニウム10質量%水溶液とした以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサを作製し、静電容量、漏れ電流特性を測定した。また、これらの化成処理によって得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。これらの結果を表1に示す。
【0073】
比較例4:
珪酸ソーダ1質量%水溶液で化成を行う代わりに、温度95℃、珪酸ナトリウム1質量%水溶液中で10分間ボイル処理(熱水処理)を行った以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサを作製し、静電容量、漏れ電流特性を測定した。また、これら化成処理によって得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。これらの結果を表1に示す。
【0074】
比較例5:
化成箔を23Vf箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製100LJA19B23Vf
(商品名)、定格皮膜耐電圧:23Vf)で化成電圧を23Vとした以外は、比較例3と同様の操作によりコンデンサを作製した。10V、105℃下で1時間エ一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。漏れ電流特性は、コンデンサ素子に定格電圧(10V)を印加後、1分後の漏れ電流値を測定し、閾(しきい)値を0.03CVとして算出した漏れ電流歩留として評価した。
【0075】
比較例6:
化成箔を23Vf箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製100LJA19B23Vf
(商品名)、定格化成電圧:23Vf)で化成電圧を23Vとした以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサ素子を作製した。10V、105℃下で1時間エ一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0076】
Figure 0004001329
【0077】
表1から、珪酸ナトリウム水溶液で化成処理により得られた化成箔の電解液での静電容量(μF/cm2)は、珪酸ナトリウム処理をしないもの(比較例1、2)と比較して同程度であるが、コンデンサの静電容量(μF)は大きくなっている(実施例1〜4と比較例1、実施例5と比較例2)。また静電容量偏差(バラツキ)及びLC歩留(%)も向上している。
【0078】
図3、4から、XPSでSi及びOの束縛エネルギーは、SiO2のSi(103.40eV)、O(532.85eV)やSi金属のSi(99.15eV)からくる束縛エネルギーとは違うことが分かる。また、OについてはAl23のO(530.55eV)の束縛エネルギーでもないことも分かる。
【0079】
珪酸ナトリウム水溶液で化成処理により得られた化成箔の電解液での静電容量は、珪酸ナトリウム処理をしないもの(比較例3)、珪酸ナトリウムボイル処理を行ったもの(比較例4)と比較して大差ないが、コンデンサの静電容量は大きくなっている。また静電容量偏差(バラツキ)およびLC歩留も向上している。
【0080】
使用する箔の化成電圧が20V以上では、珪酸ナトリウム水溶液で化成処理を行ったもの(比較例6)と、珪酸ナトリウム処理を行わないもの(比較例5)を比較して、コンデンサの静電容量は同程度であり、珪酸ナトリウム水溶液での著しい化成効果は見られない。
【0081】
実施例8:
アルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製110LJ22B4Vf(商品名))(定格皮膜耐電圧:4Vf)を切断し、マスキング材(3)で陰極部と陽極部に分け、陰極部とする側を25℃の5質量%シュウ酸水溶液で120秒間化成し、水洗した。次いで、珪酸ナトリウム0.1、0.5、1.0、5.0質量%水溶液を使用し、温度40℃、電圧4V、電流密度5mA/cm2、通電時間10分の条件で化成した。珪酸ナトリウム1質量%の場合の箔についてTEM及びTEM−EDX分析し、箔中にSiが存在し、Si量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少していることを確認した結果を図5、6に示す。また他の濃度(5質量%、0.5質量%及び0.1質量%)の珪酸ナトリウムを使用した箔についても同様にTEM及びTEM−EDXで測定し、先の結果とあわせてSiモル量/(Siモル量+Alモル量)で定義されるSi組成比を計算し、深さ方向のプロファイルとしてプロットした結果を図7に示す。このときSi組成比は、酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面側で4〜15%であり、深さ1.5nmから深さ4.5nmにかけての内部方向へのSi組成減少率は1.3〜4%/nmであった。
【0082】
次いで、得られたこれらの化成箔を、350℃で3分間の熱処理を行った後、電解液としてアジピン酸アンモニウム10質量%水溶液を使用し、温度55℃、電圧4V、電流密度5mA/cm2、通電時間10分の条件で化成した。これらの処理により得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。その結果を表2に示す。
【0083】
その後、陰極部を、3,4一エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1モル/lに浸漬後、2分間放置し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム、1.8モル/l)とドーパント(アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム、0.06モル/l)の混合水溶液に浸漬し、45℃、5分間放置した。この工程を25回繰り返し、水洗し、導電性重合体層(5)を形成し、その上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層して導電層を形成し、図1に示すようなコンデンサ素子を得た。次にリードフレームに陰極側は銀ペーストで、陽極側は溶接で、素子を2枚重ねて配置した。その後、全体をモールド用樹脂にて封止し、コンデンサを形成した2V、105℃下で1時間工一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0084】
実施例9:
化成箔を13Vf箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製100LJA19B13Vf(商品名)、定格皮膜耐電圧:13Vf)で珪酸ナトリウム0.1、1.0質量%水溶液、化成電圧を13Vとした以外は、実施例1と同様の操作によりコンデンサを作製した。6.3V、105℃下で1時間工一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表2に示す。実施例8と同様にTEM及びTEM−EDX分析を行って、TEM−EDXの結果からSiモル量/(Siモル量+Alモル量)で定義されるSi組成比を実施例8と同様に図−7にプロットした。このときSi組成比は、酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面側で13%であり、深さ1.5nmから深さ5.5nmにかけての内部方向へのSi組成減少率は1%/nmであった。
【0085】
比較例7:
珪酸ナトリウム水溶液の代わりにアジピン酸アンモニウム10質量%水溶液とした以外は、実施例8と同様の操作によりコンデンサを作製し、静電容量、漏れ電流特性を測定した。また、これらの化成処理によって得られた化成箔の静電容量を、電解液に10質量%アジピン酸アンモニウムを用いて測定した。これらの結果を表2に示す。TEM−EDXから化成箔中にSiは検出されなかった。
【0086】
比較例8:
化成箔を13Vf箔(日本蓄電器工業株式会社(JCC)製100LJA19B13Vf(商品名)、定格皮膜耐電圧:13Vf)で化成電圧を13Vとした以外は、比較例7と同様の操作によりコンデンサを作製した。6.3V、105℃下で1時間工一ジング処理をした後、静電容量、漏れ電流特性を測定した。その結果を表2に示す。TEM−EDXから化成箔中にSiは検出されなかった。漏れ電流特性は、コンデンサ素子に定格電圧(6.3V)を印加後、1分後の漏れ電流値を測定し、閾(しきい)値を0.03CVとして算出した漏れ電流歩留として評価した。
【0087】
表2から、珪酸ナトリウム水溶液で化成処理により得られた化成箔の電解液での静電容量は、アジピン酸ナトリウムで処理したもの(比較例7、比較例8)と比較してコンデンサの静電容量は大きくなっている。また静電容量偏差(バラツキ)およびLC歩留も向上している。
【0088】
図5、6、7のTEM及びTEM−EDX分析結果から、誘電体皮膜を有する化成箔中にSiが存在し、Si量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少していることが分かる。さらに図7の結果から、Si量について望ましくは、TEM−EDXで測定しSiモル量/(Siモル量+Alモル量)で定義されるSi組成比が、酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面側で4%以上であり、内部の方向に0.5%/nm以上の減少率で連続的に減少している領域を含む場合さらに好適であることがわかる。
【0089】
Figure 0004001329
【0090】
【発明の効果】
以上のように、誘電体層表面を、Si、弁作用金属(例えばAl)及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆し、さらに好ましくは誘電体皮膜を有する化成箔中のSi量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少している本発明の化成基板は、化成皮膜表面が均一化して導電性重合体(固体電解質)との密着性がよくなり、それを用いた固体電解コンデンサはそうでないものに比べて静電容量が大きく、静電容量の個々のバラツキも少なく、LC歩留も向上する。
また、裁断時にできるバリ及び切り口の尖頭部分が溶解除去されて丸みを帯びているため、漏れ電流特性などの電気特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体電解コンデンサ素子の断面図である。
【図2】 本発明の固体電解コンデンサ素子からの積層型固体電解コンデンサ例の断面図である。
【図3】 本発明の実施例及び比較例で得たアルミニウム化成箔のXPS分析結果を示し、左縦軸はSi束縛エネルギー(eV)、右縦軸はAl束縛エネルギー(eV)を表わす。
【図4】 本発明の実施例及び比較例で得たアルミニウム化成箔のXPS分析結果を示し、左縦軸Si束縛エネルギー(eV)、右縦軸はO束縛エネルギー(eV)を表わす。
【図5】 本発明の実施例で得たアルミニウム化成箔のTEM写真である。
【図6】 (A)〜(D)は、各々図5のTEM写真中のポイントm〜pのEDX分析結果を示すグラフである。
【図7】 アルミニウム化成箔を、珪酸ナトリウム水溶液濃度を変えて化成した場合の箔について、Si量(Si組成比)を酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向について測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アルミニウム化成基板
2 コンデンサ素子
3 マスキング材
4 誘電体皮膜
5 固体電解質層
6 陰極部
7、10 リード端子
8 リードフレーム
9 陽極部
11 積層型固体電解コンデンサ
12 絶縁性樹脂

Claims (18)

  1. Si、Al及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成基板であって、該表面のXPS分析においてSiメタルの束縛エネルギーが99.7eVかつSiO2のSiの束縛エネルギーが103.4eVであるときに、該酸化物のSiの束縛エネルギーが100.0eV〜103.2eVの範囲であることを特徴とするアルミニウム化成基板。
  2. Si、Al及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成基板であって、該表面のXPS分析においてAl23のOの束縛エネルギーが531.0eVかつSiO2のOの束縛エネルギーが532.5eVであるときに、該酸化物のOの束縛エネルギーが529.0eV〜532.3eVの範囲であることを特徴とするアルミニウム化成基板。
  3. Si、Al及びOからなる酸化物が、Si−O−Al結合を有する化合物を含む請求項1または2に記載のアルミニウム化成基板。
  4. 表面がSiで修飾された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔中にSiが存在し、Si量が酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面から内部の方向に連続的に減少している領域を含むことを特徴とするアルミニウム化成基板。
  5. 表面がSiで修飾された酸化アルミニウムの誘電体皮膜を有する化成箔中にSiが存在し、TEM−EDXで測定しSiモル量/(Siモル量+Alモル量)で定義されるSi組成比が、酸化アルミニウム誘電体皮膜厚さの表面側で4%以上であり、内部の方向に0.5%/nm以上の減少率で連続的に減少している領域を含む請求項4に記載のアルミニウム化成基板。
  6. 誘電体皮膜を有するアルミニウム弁作用金属基板を珪酸アルカリ電解液中20V未満の電圧で化成処理することを特徴とする弁作用金属表面がSiとAl及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されているアルミニウム化成基板の製造方法。
  7. アルミニウム化成基板を、酸及び/またはその塩の電解液中で化成する工程、次いで珪酸アルカリ電解液中で化成する工程を含む請求項6に記載の弁作用金属表面がSiとAl及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されているアルミニウム化成基板の製造方法。
  8. アルミニウム化成基板を、酸または/及びその塩の電解液中で化成する工程、珪酸アルカリ電解液中で化成する工程、次いで熱処理する工程を含む請求項6に記載の弁作用金属表面がSiとAl及びOからなる酸化物で少なくとも一部被覆されているアルミニウム化成基板の製造方法。
  9. 珪酸アルカリ電解液の濃度が、0.001〜15質量%であり、請求項6乃至8のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
  10. 珪酸アルカリ電解液の温度が、10〜100℃である請求項6乃至9のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
  11. 珪酸アルカリが、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カルシウム、珪酸リチウムからなる群から少なくともひとつ選ばれる請求項6乃至10のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板の製造方法。
  12. 請求項1乃至5のいずれかひとつに記載のアルミニウム化成基板上に、固体電解質を有する固体電解コンデンサ。
  13. 請求項6乃至11のいずれかひとつに記載の製造方法で得られる化成基板上に、固体電解質を有する固体電解コンデンサ。
  14. 固体電解質が、π電子共役系重合体を含んだものである請求項12または13に記載の固体電解コンデンサ。
  15. π電子共役系重合体が、複素五員環化合物から得られる重合体である請求項14に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 複素五員環化合物が、ピロール、チオフェン、フラン、イソチアナフテン、1,3−ジヒドロイソチアナフテン及びそれらの置換誘導体から選ばれる少なくとも1種である請求項15に記載の固体電解コンデンサ。
  17. 複素五員環化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテンから選ばれる少なくとも1種である請求項16に記載の固体電解コンデンサ。
  18. 固体電解コンデンサが、コンデンサ素子を2枚以上積層してなる請求項12乃至17のいずれかひとつに記載の固体電解コンデンサ。
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