JP4688028B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。さらに詳しく言えば、固体電解コンデンサ封止時の特性劣化を軽減した電気特性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
固体電解コンデンサは、二酸化マンガンなどを固体電解質とする固体電解コンデンサに比べて等価直列抵抗及び漏れ電流を小さくでき、電子機器の高性能化、小型化に対応できるコンデンサとして有用である。
所定の容量の固体電解コンデンサは、固体電解コンデンサ素子(基本素子)を積層して得ることができる。固体電解コンデンサの基本素子は、図1に示すように、一般にエッチング処理された比表面積の大きな金属箔からなる陽極基体(1)に誘電体の酸化皮膜層(2)を形成し、この外側に対向する陰極部として固体の半導体層(以下、固体電解質という。)(4)を形成し、望ましくはさらに導電ペーストなどの導電体層を形成して作製される。露出した陽極基体はそのまま陽極部となる。通常は、陰極部と陽極部とを確実に分離するためにマスキング材(3)が設けられている。
積層は様々に行なわれ得るが、例えば、図2に示すように、陰極(7)上記の基本素子(20)を複数個積層し、陽極部は適当な導電体(5)を介して陽極リード(6)として引き出し、全体をエポキシ樹脂(8)等で完全に封止してコンデンサ部品(9)とする。樹脂封止は、コンデンサ素子を使用環境から保護する目的でトランスファー成形等により行なわれるが、固体電解コンデンサ素子は応力に敏感なため、封止樹脂からの応力によって漏れ電流(LC)等が増大し、コンデンサとしての特性を損ねる場合がある。
従来、コンデンサ素子の樹脂封止に起因するダメージを軽減するための試みが種々提案されてきた。例えば、特開2003−002954号公報(特許文献1)には、成形収縮率0.30〜0.60%、かつ常温での弾性率を14000N/mm2以下としたタンタル素子封止用エポキシ樹脂組成物が記載されており、これによれば成形時の収縮や動作時の発熱に起因する熱応力が抑えられ、成形時のコンデンサ素子に作用するストレスを低減させるとともに耐温度サイクル性が改善されると記載されている。
また、特開2005−72399号公報(特許文献2)は、エポキシ樹脂に73質量%以上の無機充填材を含有させ、樹脂硬化後の線膨張係数を2.0×10-5〜3.0×10-5(/℃)の数値範囲内とする樹脂組成物が記載され、これによれば、成形時の熱履歴に伴う封止樹脂の膨張・収縮が抑えられ、コンデンサ素子表面に作用するストレスが低減されると記載されている。
特開2003−002954号公報 特開2005−72399号公報
上記の各特許文献は、仮に膨張率等が上記範囲内にあっても電気特性は必ずしも改善されない。従って、本発明は、従来技術では解決されていなかった固体電解コンデンサの樹脂封止に起因する電気特性の劣化を確実に防止することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術では顧慮されていなかった封止圧力に着目し、これを特定範囲に限定することでコンデンサの電気特性の改善が図れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の固体電解コンデンサの製造方法及びこの製造方法により製造される固体電解コンデンサが提供される。
1.熱硬化性樹脂を用いトランスファー成形によりコンデンサ素子を封止する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、トランスファー成形時の封止圧力を0.5〜3MPaの範囲としたことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
2.前記熱硬化性樹脂が、
(a)スパイラルフロー:90〜100cm(166℃、1.7MPa)
(b)ゲルタイム:20〜25秒(166℃)
を満たす前記1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
3.固体電解コンデンサが表面に多孔質層を有する弁作用金属を基材とするコンデンサ素子を含む前記1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
4.弁作用金属がアルミニウムである前記1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
5.プレヒート時間を5〜9秒間の範囲とする前記1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
6.注入量が50cm3以下の樹脂を15〜20秒の範囲内で注入する前記1〜5のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
7.熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である前記1〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
8.熱硬化性樹脂が50〜97質量%の無機粒子を含む樹脂組成物である前記7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
9.無機粒子がシリカである前記8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
10.コンデンサ素子が、表面に多孔質層を有する弁作用金属を基材に化成により誘電体皮膜を形成し、その一部に、固体電解質層、カーボンペースト層、導電ペースト層を順次形成してなるものである前記1〜9のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
11.複数のコンデンサ素子を積層してから前記1〜9のいずれかに記載の方法により封止する積層型固体電解コンデンサの製造方法。
12.前記1〜10のいずれかに記載の製造方法により製造される固体電解コンデンサ。
13.前記11に記載の製造方法により製造される積層型固体電解コンデンサ。
本発明は、低い封止圧力を用いることにより電気特性の改善、特にLC(漏れ電流)低減を実現する。
以下、本発明の固体電解コンデンサの製造方法及びそれによる固体電解コンデンサについて説明する。
上述のように、本発明は、低い封止圧力を用いることにより電気特性、特にLC(漏れ電流)低減を実現する。封止圧力は、成形金型の容積や形状、封止する固体電解コンデンサの形状や積層枚数等にもよるが、0.5〜3MPa、好ましくは0.8〜1.2MPaの範囲である。封止圧力が0.5MPa未満であると硬化樹脂体の内部に欠陥が形成されやすい。封止圧力が3MPaを超えると封止ダメージが増大し、漏れ電流が増大する。なおここで、封止圧力とは樹脂が硬化するまでの保持圧力を示す。
本発明者らの検討によれば、上記の低封止圧力は、前記熱硬化性樹脂が、
(a)スパイラルフロー:90〜100cm(166℃、1.7MPa)
(b)ゲルタイム:20〜25秒(166℃)
を満たすように設計することで実現可能である。
上記条件(a)のスパイラルフローは、螺旋状の流路を有する試験金型内に、所定の温度、所定の圧力で試験対象である樹脂を流し込み、樹脂の流動長さによって、その流動特性を評価するものであり、温度166℃、圧力1.7MPaにおける値である。
上記条件(b)のゲルタイムは、通常の定義による。温度166℃における値である。
このような熱硬化樹脂は、種々に設計し得るが、典型的には、耐湿性、絶縁性等の観点で多用されているエポキシ樹脂とその硬化剤、無機充填材等を含む樹脂を用いて形成できる。
エポキシ樹脂は、液状であり、かつ封止用途に使用されるものであれば制限されることなく用いることができるが、例えば、液状のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂等を挙げることができる。
硬化剤は、エポキシ樹脂硬化用のものであれば特に制限されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン型フェノール樹脂など各種の多価フェノール樹脂、酸無水物を挙げることができる。また、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤や、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤や、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等の脂肪族アミン系硬化剤や、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン系硬化剤等も用いることができる。硬化剤合計の含有量は、第一の液状樹脂組成物に対して所望の特性を付与することができるように適宜調整されるが、通常エポキシ樹脂に対して、当量比で0.5〜1.5の範囲で配合される。
無機充填材の例としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク等の無機質粉末充填材や、ガラス繊維、セラミック繊維等の繊維質充填材が挙げられる。無機粒子の平均粒径は3〜25μm、好ましくは、5〜15μm程度である。シリカが好ましく、溶融シリカ、破砕シリカ等を用いることができる。
上記の他、慣用の成分、例えば、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては特に限定するものではなく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、トリアゾール化合物、有機金属錯塩、有機酸金属塩、四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
但し、これらは典型例を挙げたものであって、上記の条件(a)及び(b)を満たすものであれば、これら以外の材料を含む樹脂でもよい。
また、各成分の含有比は、典型的には、樹脂全体を100質量%として
エポキシ樹脂:25〜30質量%(好ましくは、27〜29質量%)
硬化剤:1〜4質量%(好ましくは、1〜2質量%)
無機粒子:50〜97質量%(好ましくは、60〜95質量%より好ましくは、67〜72質量%)
である。コンデンサの強度向上および吸湿性向上の点から、50質量%以上が好ましい。但し、これらは目安として挙げたものであって、上記の条件(a)及び(b)を満たすものであれば、これらの範囲外でもよい。
また、本発明では、低封止圧力としていることから硬化樹脂内に欠陥が生じやすいが、この点を考慮して、プレヒート時間を5〜9秒間の範囲とする。また、50cm3以下の樹脂を15〜20秒の範囲内で注入することが好ましい。
ここで、プレヒート時間とは樹脂がゲル化する時間を指す。
なお、樹脂封止のために使用するトランスファー成形装置は慣用のものでよい。成形金型は、特に限定されないが、好ましくは、マルチトランスファー成形等である。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、表面に多孔質層を有する弁作用金属を基材に化成により誘電体皮膜を形成し、その一部に、固体電解質層、カーボンペースト層、導電ペースト層を順次形成してなるものであるコンデンサ素子を用いたコンデンサに好適に適用できる。
弁作用を有する金属基材は、粗面化後、予め固体電解コンデンサの形状に合わせた寸法に裁断したものを使用するのが好ましい。
弁作用を有する金属の寸法は、使用目的によって変わり得るが、例えば、薄板ないし箔では、一般的に厚みが約40〜150μmのものが使用される。また、形状は用途により異なるが、平板形素子単位として幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmの矩形のものが好ましく、より好ましくは幅約2〜20mm、長さ約2〜20mm、さらに好ましくは幅約2〜5mm、長さ約2〜6mmである。
固体電解質としてはチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物、アニリン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合物が挙げられる。
チオフェン骨格を有する化合物としては、3−メチルチオフェン、3−エチルオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物または公知の方法(例えばSynthetic Metals誌、1986年、15巻、169頁)で準備できるが、本発明においてはこれらに限定されない。
また、例えば、多環状スルフィド骨格を有する化合物としては、具体的には1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8−3156号公報記載の方法により準備することができる。
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物が、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体や、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体なども使用できる。
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる場合もあり、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
また、ピロール骨格を有する化合物としては、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の誘導体を挙げることができる。
また、フラン骨格を有する化合物としては、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の誘導体を挙げることができる。
また、アニリン骨格を有する化合物としては、2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニリン、2−ペンチルアニリン、2−ヘキシルアニリン、2−ヘプチルアニリン、2−オクチルアニリン、2−ノニルアニリン、2−デシルアニリン、2−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−シアノアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、3,4−ブチレンアニリン、3,4−メチレンジオキシアニリン、3,4−エチレンジオキシアニリン等の誘導体を挙げることができる。
これらの化合物は、市販品または公知の方法で入手できる。なお、以上は例示であり、本発明において固体電解質を形成する導電性重合物はこれに限られるものではない。
また、上記化合物群から選ばれる化合物を併用し、3元系共重合体として用いても良い。その際重合性単量体の組成比などは重合条件等に依存するものであり、好ましい組成比、重合条件は簡単なテストにより確認できる。
上記のモノマーは、例えば、酸化剤に接触させることにより酸化重合させて固体電解質とする。固体電解質として用いる導電性重合物の製造に用いられる酸化剤は脱水素的4電子酸化反応の酸化反応を十分行わせ得る酸化剤であればよい。詳しくは、工業的に安価であり、製造上取り扱いが容易である化合物が好まれる。具体的には例えば、FeCl3、FeClO4、Fe(有機酸アニオン)塩等のFe(III)系化合物、または無水塩化アルミニウム/塩化第一銅、アルカリ金属過硫酸塩類、過硫酸アンモニウム塩類、過酸化物類、過マンガン酸カリウム等のマンガン類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノン等のキノン類、沃素、臭素等のハロゲン類、過酸、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等のスルホン酸、オゾン等及びこれら複数の酸化剤の組み合わせが挙げられる。
また、本発明は、陽極部と陰極部とを有する固体電解コンデンサ素子を積層する固体電解コンデンサの製造方法において、上位に積層される固体電解コンデンサ素子のうち少なくとも一の素子の陰極部の端部を下位の固体電解コンデンサ素子の陰極部の端部よりも突出させて積層する工程を含む上記固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
好ましくは、陰極と陽極に対応するリードフレーム上に、陰極部と陽極部とを有する固体電解コンデンサ素子を、陰極と陽極、陽極部と陰極部がそれぞれ対応するように積層し、固体電解コンデンサ素子のうち少なくとも一の素子の陰極部の端部を下位の固体電解コンデンサ素子の陰極部の端部よりも突出させて積層する工程、陰極リードフレームと前記突出した陰極部端部との間の空間に導電ペーストを充填してこれを硬化させる工程、及び全体を樹脂封止する工程を含む。
試験例
短軸方向3mm×長軸方向10mm、厚さ約100μmのアルミニウム化成箔(以下、化成箔と称する。)上にマスキング材(耐熱性樹脂)による幅1mmのマスキングを周状に形成し、陰極部と陽極部に分け、この化成箔の先端側区画部分である陰極部を電解液中通電して化成し水洗した。次いで、陰極部を、3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1mol/lに浸漬し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム)とドーパント(ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム)の混合水溶液に浸漬して酸化重合を行った。この含浸工程及び重合工程を繰り返し、ドーパントを含む固体電解質層を化成箔の微細孔内に形成した。このドーパントを含む固体電解質層を形成した化成箔を水洗し固体電解質層を形成し熱風乾燥を行った。その上にカーボンペースト及び銀ペーストを被覆して素子材料を形成した。
このコンデンサ素子をリードフレームの上面側に3枚、下面側に2枚、それぞれ積層した。なお、リードフレームは陰陽極間に空隙を有するものを用い、陽極側にアルミニウム化成箔露出部分を、陰極側に固体電解質層形成部分が載るように積層した。
これを金型中に配置し、トランスファー成形装置により、以下の組成の樹脂を種々の封止圧力で注入することによってコンデンサを形成した。
[樹脂組成]
エポキシ樹脂:28質量%
硬化剤:2質量%
無機粒子:70質量%
封止圧力の異なるコンデンサをそれぞれ128個ずつ作製し、各コンデンサの漏れ電流を測定した。結果を図3に示す。(a)〜(d)は順に封止圧力0.8MPa、1.0MPa、1.2MPa、1.4MPaで作製したコンデンサの測定結果であり、横軸は漏れ電流(対数目盛り)、縦軸はコンデンサの個数を表す。図3より、封止圧力が低いコンデンサほど漏れ電流が低い傾向が認められ、漏れ電流が封止圧力に相関していることがわかる。なお、図にしたほかに封止圧力0.3MPa及び3.2MPaでも実験を行なったが、0.3MPaでは封止が不完全になったり外観に不良が発生する割合が高く、3.2MPaでは製品の50%以上がLC10μA以上となった。
実施例1〜7
次に、上記試験例またはそれに準じる組成の樹脂を用いて、以下の封止条件でコンデンサ素子の封止及びその特性の測定を行なった。封止圧力は0.8M〜1.2MPaの範囲とした。樹脂の物性値及びこれを用いて得られたコンデンサの電気特性の結果を表1に示す。SF(スパイラルフロー)は温度166℃、圧力1.7MPaにおける値であり、GT(ゲルタイム)は、温度166℃における値である。歩留まりは素子を255℃の温度下に10秒間通過させ、この作業を3回繰り返し、定格電圧印加1分後の漏れ電流を測定し、この値が26.4μA(0.1CV)以上の素子を不良品とした際の歩留まりに基づく。LCはリフロー後の漏れ電流(LC)が2μA以下の平均値を示すものを○とし、ESRは25mΩ以下の平均値を示すものを○とした。
Figure 0004688028
本発明によれば、低い封止圧力を用いることにより電気特性、特にLC(漏れ電流)低減を実現する。このため、固体電解コンデンサ、特に積層型固体電解コンデンサの製造技術として極めて有用である。
一般的な固体電解コンデンサ素子の模式的断面図である。 固体電解コンデンサ素子を積層した状態を示す模式的断面図である。 封止圧力と漏れ電流の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 陽極基体
2 多孔質層
3 マスキング材
4 固体電解質層
5 導電体
6 陽極リード
7 陰極リード
8 封止材
9 固体電解コンデンサ
20 固体電解コンデンサ素子

Claims (13)

  1. 熱硬化性樹脂を用いトランスファー成形によりコンデンサ素子を封止する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、トランスファー成形時の封止圧力を0.8〜1.2MPaの範囲としたことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記熱硬化性樹脂が、
    (a)スパイラルフロー:90〜100cm(166℃、1.7MPa)
    (b)ゲルタイム:20〜25秒(166℃)
    を満たす請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 固体電解コンデンサが表面に多孔質層を有する弁作用金属を基材とするコンデンサ素子を含む請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 弁作用金属がアルミニウムである請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. プレヒート時間を5〜9秒間の範囲とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 50cm3以下の樹脂を15〜20秒の範囲内で金型内に注入する請求項1〜5のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 熱硬化性樹脂が50〜97質量%の無機粒子を含む樹脂組成物である請求項7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 無機粒子がシリカである請求項8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. コンデンサ素子が、表面に多孔質層を有する弁作用金属を基材に化成により誘電体皮膜を形成し、その一部に、固体電解質層、カーボンペースト層、導電ペースト層を順次形成してなるものである請求項1〜9のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  11. 複数のコンデンサ素子を積層してから請求項1〜9のいずれかに記載の方法により封止する積層型固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により製造される固体電解コンデンサ。
  13. 請求項11に記載の製造方法により製造される積層型固体電解コンデンサ。
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