JP2007095937A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】積層型固体電解コンデンサにおいて、漏れ電流をはじめとする電気特性を劣化させることなくその低背化を実現する。
【解決手段】陰極部と陽極部を有する固体電解コンデンサ素子を積層する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、前記積層工程において剛性部材によりコンデンサ素子の積層体を積層方向に加圧することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法、特に積層型固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
近年、電気機器のディジタル化、パーソナルコンピュータの高速化に伴い、小型で大容量のコンデンサ、高周波領域において低インピーダンスのコンデンサが要求されている。最近では、電子伝導性を有する導電性重合体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが提案されている。特に、より大きな容量を有する製品が求められており、積層型固体電解コンデンサとして製造されている。
積層型固体電解コンデンサ(9)の製造では、一般に、図1に示すようにエッチング処理された比表面積の大きな金属箔や薄板からなる陽極基体(1)に誘電体の酸化皮膜層(2)を形成し、通常はさらにマスキング層(3)を設けた後、前記酸化皮膜層(2)の外側に陰極部として機能する固体の半導体層(以下、固体電解質という。)や導電ペーストなどの導電体層(4)を形成してコンデンサ素子を作製し、こうして形成した複数のコンデンサ素子を方向を揃えて積層し、適宜、導体部(5)を設け、さらに電極リード部(リードフレーム6,7)を付加し、全体を樹脂(8)で封止してコンデンサとする。
図1では、リードフレームの上下に各1枚のコンデンサ素子を有するが、通常は複数枚の積層を行なってより容量の大きなコンデンサとする。しかし、大容量化を図るために積層枚数を増やすと全体の厚みが増す。単位体積当たりの容量を増すためには、より多くのコンデンサ素子を、積層厚みを抑えつつ積層する必要があり、従来は、導電性高分子層等を形成したコンデンサ素子を積層し一体化する場合、図2に示すように、ゴム層(10)を表面に設けた加圧部材(11)で積層体(20)を挟んで加圧圧縮している。ゴム層(10)は、加圧時にコンデンサ素子が機械応力を受けて前記酸化皮膜層や固体電解質に損傷が生じ、漏れ電流特性、ESR特性等の電気特性が劣化する事態を避けるべく設けられている。しかし、従来の方法では、加圧力を増しても積層厚みを十分に抑えることができなかった。
従って、本発明の課題は、積層型固体電解コンデンサにおいて、漏れ電流をはじめとする電気特性を劣化させることなくその低背化を実現することにある。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、積層時の損傷を避けるために従来、不可欠と考えられていた前記ゴム層(10)を除き、剛性部材(11)により直接にコンデンサ素子積層体(20)を加圧すれば、安定的な低背化が実現でき、なおかつ、予想外にも漏れ電流特性、ESR特性、インピーダンス特性の劣化も実質的には問題とならないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すコンデンサ及びその製造方法に関する。
1.陰極部と陽極部を有する固体電解コンデンサ素子を積層する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、前記積層工程において剛性部材によりコンデンサ素子の積層体を積層方向に加圧することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
2.前記積層工程が、コンデンサ素子の陰極部と陽極部間の絶縁を保ちつつ素子間に導電性ペーストを付着させて重ねる工程とこのように形成したコンデンサ素子の積層体を1対の剛性部材に挟んで押圧する工程とを含む前記1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
3.前記剛性部材のコンデンサ素子への接触面が平面である前記1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
4.剛性部材が金属部材である前記1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
5.導電性ペーストが熱硬化性樹脂を含む熱硬化性ペーストである前記1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
6.加圧時にさらに加熱をも行なう前記5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
7.リードフレームの陰極部及び陽極部にコンデンサ素子の陰極部及び陽極部が重なるように、リードフレーム上に複数のコンデンサ素子積層体を固定し、形成されたコンデンサ素子積層体を剛性部材により積層方向に加圧する工程及びリードフレームを各コンデンサ素子ごとに切断して積層体を有する個別のコンデンサ素子積層体に切り分ける工程を含む前記1〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
8.固体電解コンデンサ素子が、表面に多孔質層を有する弁作用金属の薄板または箔の表面に誘電体皮膜を形成し、その一部に固体電解質層及び導電体層を形成して陰極部とし、他の部分を陽極部としたものである前記1〜7のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
9.前記積層工程において、5〜500kPaの加重を加える前記1〜8のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
10.前記1〜9のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法により製造された積層型固体電解コンデンサ。
本発明によれば、電気的特性、特に漏れ電流が安定して低減された積層型固体電解コンデンサを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
本発明は、陰極部と陽極部を有する固体電解コンデンサ素子を積層してなる固体電解コンデンサの製造方法において、前記積層工程において剛性部材によりコンデンサ素子の積層体を積層方向に加圧することを特徴とする。
好適には、図3に示すように1対の剛性部材(11)間に固体電解コンデンサ素子積層体(20)を挟み(図3上段)、剛性部材(11)間の間隔を狭めこれらを直接積層体の上下面に押し当てて加圧を行ない(図3中段)、しかる後、積層体(20)を剛性部材(11)間から解放する(図3中段)。上述のように、本発明では、剛性部材(11)と固体電解コンデンサ素子積層体(20)の間にゴム層等の弾性緩衝層は介在させない。
加圧は積層体に対し、その積層方向に実質的に垂直に力が加わる態様であれば特に限定されないが、通常は、コンデンサ素子の積層体を上記の通り、1対の剛性部材に挟んで押圧する。加重の値は、コンデンサ素子積層体を構成する材料(特に陽極基材や固体電解質層、誘電体皮膜の形成態様)、積層枚数等により変わり得るが、後述する材料や条件の場合、5〜500kPa(約5〜500kgf/cm2)の加重を加えることが好ましく、10〜100kPa(約10〜100kgf/cm2)の加重を加えることがより好ましい。剛性部材の表面(積層体への接触面)は、平面であることが好ましい。
剛性部材は、好ましくは金属部材である。剛性部材は、セラミックス等の非金属部材料で構成してもよいが、後述の加熱加圧による熱硬化を行なう場合の熱伝導性及び強度や靭性の点で金属材料が好ましい。金属部材の材質は特に限定されず、熱伝導性やその寸法等を考慮して決定すればよい。典型的には、ステンレス、アルミニウム、銅等が挙げられる。また、剛性部材は表面の剛性を損なわない限度において複合材料としてもよく、特に、表面被覆層を設けることにより、加熱加圧時に導電ペーストの付着を防止できる。このような表面被覆層の例としては、樹脂付着を避ける表面被覆として慣用されるいずれの材料も利用できるが、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、チタンニッケル、ハードクロム等が挙げられる。セラミックめっき、PVD、プラズマ溶射等により表面セラミック層を形成してもよい。また、表面の剛性を損なわない限度において、慣用の耐熱性樹脂、好ましくはテフロン(登録商標)等を被覆層として用いてもよい。
コンデンサ素子は陰極部間の電気抵抗を低減するために、陰極部間に導電性ペーストを付着させることが好ましい。導電性ペースト中の導電材料(導電粉)は慣用のものでよく、例えば、銀、金、アルミニウム、銅等が挙げられる。これらの中では銀ペーストが好ましい。
導電性ペーストは好ましくは、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性ペーストとする。本発明の好適実施態様では加圧部材が金属部材であるため、加圧時に加熱をも行ない、これによりペーストの硬化を同時に実現して高い安定性をもって低背化された固体電解コンデンサ素子の積層体を形成する。加熱温度はコンデンサ素子の特性に悪影響を及ぼさない温度範囲であれば特に限定されないが、通常は200〜250℃、好ましくは220〜240℃の範囲である。下限値は通常用いられる熱硬化樹脂の硬化温度であり、可能であればこれ以下でもよい。250℃を超えると素子の電気特性等に悪影響を及ぼす場合があるため好ましくないが、素子の耐熱性能によってはこれ以上の温度としてもよい。
熱硬化性樹脂は、前記の導電材料(導電粉)を分散可能であり、好ましくは上記温度範囲内で短時間のうちに硬化し、コンデンサの使用温度での熱に耐え得る樹脂であれば特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。
加熱温度は1〜120秒、好ましくは5〜30秒である。1秒未満では通常十分な熱硬化の結果が得られない。また、120秒を超えると素子の電気特性等に悪影響を及ぼす場合があるため好ましくない。もっとも、素子の耐熱性能によってはこれ以上の時間としてもよい。
また、本発明のさらに好ましい態様では、図4に示すように、リードフレーム(13)の陰極部(c)及び陽極部(a)にコンデンサ素子の陰極部及び陽極部が重なるように、リードフレーム上に複数のコンデンサ素子積層体を固定し、形成されたコンデンサ素子積層体を剛性部材(11)により積層方向に加圧する。通常、リードフレームは、陽極部と陰極部との間に窓状の開口部(15)を有し、コンデンサ素子はこの窓を跨ぐようにリードフレーム上に載置される。積層工程完了後、リードフレームをコンデンサ素子ごとに切断すれば、積層体を有するコンデンサ素子積層体に切り分けることが可能であり、これにより、複数の積層型固体電解コンデンサを効率的に製造できる。なお、リードフレーム形状は他にも可能であり、図4の形状に限定されるものではない。
固体電解コンデンサ素子の種類は特に限定されないが、表面に多孔質層を有する弁作用金属の薄板または箔の表面に誘電体皮膜を形成し、その一部に固体電解質層及び導電体層を形成して陰極部とし、他の部分を陽極部としたものが好ましい。本発明はこのようにして形成された積層型固体電解コンデンサにも及ぶ。
本発明において固体電解コンデンサの陽極基体として用いられる弁作用金属としては、例えばアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金等がいずれも使用できる。陽極基体の形状としては、平板状の箔や板や棒状等が挙げられる。このうちアルミニウム化成箔が経済性に優れているので実用上多く用いられている。このアルミニウム化成箔は、40〜200μm厚、平板形素子単位として縦横1〜30mm程度の矩形のものが使用される。好ましくは幅2〜20mm、長さ2〜20mm、より好ましくは幅2〜5mm、長さ2〜6mmである。
陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層は、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層であってもよく、あるいは、弁作用金属箔の表面上に設けられた他の誘電体層であってもよいが、特に弁作用金属自体の酸化物からなる層であることが望ましい。
表面に誘電体皮膜層が形成された平板状の陽極基体の端部の一区画を陽極部とし、残部を陰極部とする。陽極部と陰極部の区分には絶縁樹脂帯(マスキング)を用いても良い。
陰極部の誘電体皮膜層上に形成される固体電解質の種類には特に制限は無く、従来公知の固体電解質が使用できるが、とりわけ高導電率の導電性高分子を固体電解質として作製する固体電解コンデンサは、従来の電解液を用いた湿式電解コンデンサや二酸化マンガンを用いた固体電解コンデンサに比べて、等価直列抵抗成分が低く、大容量でかつ小形となり、高周波性能が良好なために好ましい。
本発明の固体電解コンデンサに用いられる固体電解質を形成する導電性重合体は限定されないが、好ましくはπ電子共役系構造を有する導電性重合体、例えばチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙げられる。
導電性重合体の原料として用いられるモノマーのうち、チオフェン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物または公知の方法(例えば、Synthetic Metals誌,1986年,15巻,169頁)で準備できる。
また、例えば、多環状スルフィド骨格を有する化合物としては、例えば、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8-3156号公報記載の方法により準備することができる。
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体等も使用できる。
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる化合物もあり、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、ピロール骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の誘導体を挙げられるが、これらに限られない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
また、フラン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は市販品または公知の方法で準備できる。
重合の手法は、電解重合でも、化学酸化重合でも、その組合せでもよい。また、誘電体皮膜上に導電性重合体でない固体電解質をまず形成し、次いで上記の重合方法で導電性重合体を形成する方法でもよい。
導電性重合体を形成する例として、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、別々に前後してまたは一緒に誘電体皮膜上に塗布して形成する方法(特開平2-15611号公報や特開平10-32145号公報)等が利用できる。
一般に導電性重合体には、ドーピング能のある化合物(ドーパント)が使用されるが、ドーパントはモノマー溶液と酸化剤溶液のいずれに添加しても良く、ドーパントと酸化剤が同一の化合物になっている有機スルホン酸金属塩の様なものでもよい。ドーパントとしては、好ましくはアリールスルホン酸塩系のドーパントが使用される。例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの塩を用いることができる。
このようにして製造された固体電解質の電気伝導度は、約0.1〜約200S/cmの範囲であるが、好ましくは約1〜約150S/cm、さらに好ましくは約10〜約100S/cmの範囲である。
かくして得られる固体電解コンデンサ素子は、通常、リード端子を接続して、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途のコンデンサ製品とする。また、積層して封止することも可能である。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものでない。
実施例1
短軸方向3mm×長軸方向10mm、厚さ約100μmのアルミニウム化成箔(以下、化成箔と称する。)上にマスキング材(耐熱性樹脂)による幅1mmのマスキングを周状に形成し、陰極部と陽極部に分け、この化成箔の先端側区画部分である陰極部を電解液中通電して化成し水洗した。次いで、陰極部を、3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1mol/lに浸漬し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム)とドーパント(ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム)の混合水溶液に浸漬して酸化重合を行った。この含浸工程及び重合工程を繰り返し、ドーパントを含む固体電解質層を化成箔の微細孔内に形成した。このドーパントを含む固体電解質層を形成した化成箔を水洗し固体電解質層を形成し熱風乾燥を行った。その上にカーボンペースト及び銀ペーストを被覆してマスキング層を挟んで一方の側にアルミニウム化成箔が露出し、他方の側にアルミニウム化成箔上、固体電解質層−カーボンペースト層−銀ペースト層が形成された固体電解コンデンサ素子を形成した。
一方、銀粉80質量%と熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)20質量%を混練して粘稠な銀ペーストを調製し、これを前記固体電解コンデンサ素子の陰極面に付着させ、このコンデンサ素子をリードフレームの上面側に2枚、下面側に3枚、それぞれ積層した。なお、リードフレームは陰陽極間に開口部を有するものを用い、陽極側にアルミニウム化成箔露出部分を、陰極側に固体電解質層形成部分が載るように積層した。
このコンデンサ素子積層体を本発明のヒーターブロック(SUS304)間に挟み、加重16kPa(約16kgf/cm2)を加えつつ、225℃で5秒間保持して銀ペーストを硬化させた。熱硬化後、各コンデンサ素子をリードフレームの陰陽極部ごと切り離し、合計300個のコンデンサ積層体を形成した。
これらのコンデンサ積層体について厚みを測定したところ、平均厚みは1.48mmであり、標準偏差は0.03mmであった。また、上記コンデンサ素子積層体をエポキシ樹脂で封止したところ、未封止やピンホール等の外観不良の観察される割合は約4%であり、安定して積層コンデンサの低背化が実現できた。
さらに、加熱下、定格電圧を印加してエージングを行なった後、漏れ電流(LC)、ESR(等価直列抵抗)等の測定を行なった。
実施例2
ヒーターブロックをハードクロムめっきしたSUS304とした他は実施例1と同様にしてコンデンサ積層体を形成したところ、平均厚み等は実施例1と同様であり、外観不良の観察される割合は約3%まで低下した。
なお、上記各実施例では、漏れ電流(LC)、ESR(等価直列抵抗)等の値は従来法による製品と比較して有意な劣化を示さなかった。
比較例1
表面にテフロンゴム層(平均厚み:1.0mm)を有するステンレスブロックを用い、5kPa(約5kgf/cm2)加圧し、実施例1と同様の温度条件で加熱硬化させたところ、平均厚みは1.58mmであり、標準偏差は0.09mmであった。また、このコンデンサ素子積層体をエポキシ樹脂で封止したところ、未封止やピンホール等の外観不良の検出される割合は約32%であり、厚みの低減、安定化のいずれも不十分な結果であった。
比較例2
比較例1と同じステンレスブロックを用い、16kPa(約16kgf/cm2)加圧し、実施例1と同様の温度条件で加熱硬化させたところ、平均厚みは1.52mmであり、標準偏差は0.05mmであった。また、このコンデンサ素子積層体をエポキシ樹脂で封止したところ、未封止やピンホール等の外観不良の検出される割合は約18%であり、厚みの低減、安定化のいずれも不十分な結果であった。
以上の結果に示されるように、従来法では、単純に圧力を増大させることによる平均厚みの改善には限界がある。一方、本発明によれば、安定して厚みの低減が可能であり、電気特性にも大きな劣化は見られない。
本発明によれば、電気特性に劣化をもたらすことなく安定して厚みが低減されたコンデンサ素子が得られる。このため、本発明のコンデンサ及びその製造方法は、広い分野の積層コンデンサの製造において特に有用である。
積層型固体電解コンデンサ素子の従来の一般的構造を示す断面図。 従来法における積層型固体電解コンデンサ素子の積層工程を示す断面図。 本発明における積層型固体電解コンデンサ素子の積層工程を示す断面図。 本発明における積層型固体電解コンデンサ素子の積層工程を示す模式図。
符号の説明
1 陽極基体
2 酸化皮膜層
3 マスキング層
4 導電体層(固体電解質層を含む)
5 導体部
6 陽極リード部
7 陰極リード部
8 封止樹脂
9 固体電解コンデンサ
10 ゴム層
11 剛性部材
13 リードフレーム
15 リードフレーム開口部
20 コンデンサ素子積層体

Claims (10)

  1. 陰極部と陽極部を有する固体電解コンデンサ素子を積層する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法において、前記積層工程において剛性部材によりコンデンサ素子の積層体を積層方向に加圧することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記積層工程が、コンデンサ素子の陰極部と陽極部間の絶縁を保ちつつ素子間に導電性ペーストを付着させて重ねる工程とこのように形成したコンデンサ素子の積層体を1対の剛性部材に挟んで押圧する工程とを含む請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記剛性部材のコンデンサ素子への接触面が平面である請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 剛性部材が金属部材である請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 導電性ペーストが熱硬化性樹脂を含む熱硬化性ペーストである請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 加圧時にさらに加熱をも行なう請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. リードフレームの陰極部及び陽極部にコンデンサ素子の陰極部及び陽極部が重なるように、リードフレーム上に複数のコンデンサ素子積層体を固定し、形成されたコンデンサ素子積層体を剛性部材により積層方向に加圧する工程及びリードフレームを各コンデンサ素子ごとに切断して積層体を有する個別のコンデンサ素子積層体に切り分ける工程を含む請求項1〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 固体電解コンデンサ素子が、表面に多孔質層を有する弁作用金属の薄板または箔の表面に誘電体皮膜を形成し、その一部に固体電解質層及び導電体層を形成して陰極部とし、他の部分を陽極部としたものである請求項1〜7のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記積層工程において、5〜500kPaの加重を加える請求項1〜8のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法により製造された積層型固体電解コンデンサ。
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