JP4478906B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填性が良く、高い導電性を有し、耐熱性があり、熱劣化が小さく、耐湿性が高い導電性カーボンペーストを用いた固体電解コンデンサに関する。さらに詳しく言えば、微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、さらにその上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、導電性カーボンペーストのバインダーが固体電解質層の内部、あるいは固体電解質層の内部と細孔内部に浸透することにより導電性材料と誘電体皮膜及び固体電解質との密着性が向上した、機械的強度、高容量化、低インピーダンス化そして耐湿負荷特性が良好かつ耐熱性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体電解コンデンサ素子は、一般にエッチング処理された比表面積の大きな金属箔からなる陽極基体に誘電体の酸化皮膜層が形成され、この外側に対向する電極として固体の半導体層(以下、固体電解質と略する。)が形成され、そして望ましくはさらに導電性ペーストなどの導電体層を形成して作製される。素子全体はさらにエポキシ樹脂等で完全に封止されたコンデンサ部品として幅広く電気製品に使用されている。
【0003】
近年、電気機器のデジタル化、パーソナルコンピュータの高速化などの要望に応えるべく、固体電解コンデンサに対して小型で大容量、高周波領域における低インピーダンス特性などが要求されてきている。
固体電解コンデンサに対するこれらの要求に応えるべく、固体電解質として導電性高分子などの適用が行われ、コンデンサ素子の能力向上に大きな効果が発揮できるようになってきているが、コンデンサ素子の固体電解質外面を被覆する導電性ペーストにも性能の向上が要求されている。
【0004】
固体電解コンデンサなどに使用される導電性ペーストの導電性材料としては、金、銀、銅などの金属粉が用いられる。これらの中でもコスト、性能の面から銀粉が広く用いられているが、銀はマイグレーションするため、例えば固体電解コンデンサ用などの用途によっては予め導電性カーボンペーストを塗布しておき、その上に導電性銀ペーストを使用することが必要となってくる。
【0005】
導電性カーボンペーストを構成する導電性材料、バインダー及び溶媒については多くの提案がある。
導電性カーボンペースト用の導電性材料としては、例えば天然黒鉛(10〜20μm)とカーボンブラックの併用(特開平9-31402号公報)、粒径数十ミクロンのカーボンを用い導電体炭素層から突き出る粒子によるアンカー効果を狙ったもの(特開平5-7078号公報)、導電性材料とバインダーの組合せとして、20μm以下のカーボンブラックと合成樹脂(特開平4-181607号公報)、フレーク状黒鉛粉及び微小黒鉛粉(アスペクト比10以上、平均粒子径10μm以下)とエポキシ樹脂(特開平7-262822号公報)、黒鉛と含フッ素ポリマー、例えばPTFE微粒子を使用したもの(特開昭61-69853号公報)、また導電性材料と溶媒の組合せとして、カーボン粉末とグリシジルエーテルを使用したもの(特開平4-177802号公報)が提案されている。
【0006】
バインダー用の合成樹脂としては、ポリエチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが提案されている。
これらの導電性カーボンペーストについては、前記した天然黒鉛、カーボンブラックが、またバインダーとしてはエポキシ樹脂が広く使用されている。
【0007】
しかし、天然黒鉛を使用した導電性カーボンペーストは、天然黒鉛が鱗片状であるため充填性(密着性)が悪く、また不純物が多いため導電性が低い欠点があるほか、塗布後の表面の起伏が少ないため界面での剥離が起きやすく、またインピーダンスの熱劣化を起こしやすい欠点を有していた。
カーボンブラックを用いた導電性カーボンペーストは粉末粒子が極めて小さいため充填性を高くすることができず、導電性を高くすることが困難であるという天然黒鉛と同様の問題がある。また、これら天然黒鉛やカーボンブラック系の導電性カーボンペーストではペースト作製時に分散処理が必要となる問題もあった。
【0008】
一方、バインダーとしてのエポキシ樹脂はコストが低く、取り扱いが容易な有利性があるが、剛性が高く、チップの大型化に伴い、リフローなどの際の加熱時においてチップとリードフレーム間に生じる応力の低減に対する緩和能力が小さいこと、吸水性が高く耐湿劣化が起きやすいことなどの問題点を有している。
【0009】
固体電解質と導電性ペースト層との密着性の向上に関しては、弁作用金属の陽極体に、酸化皮膜層、半導体層、導電体炭素層、陰極導電体層を順次形成してなる固体電解コンデンサにおいて、前記導電体炭素層が非水溶性樹脂、耐熱性無機粉末、導電体炭素粉末からなるものを使用する提案がなされている(特開昭62-8513号公報)。この場合、導電体炭素粉末を含む非水溶性樹脂と固体電解質である二酸化マンガン層との密着性が強いために、耐湿、耐熱試験でのインピーダンス増大を抑えることができるとしている。
【0010】
また、特開平2-260525号公報には、固体電解コンデンサを製造するに際し、電解酸化による表面酸化皮膜を有する化成箔(陽極箔及び陰極箔)を用い、この陽極箔及び陰極箔上に化学的重合及び電解重合によりポリピロール重合膜を形成させ、多孔質セパレータを介してこれらを巻回し、多孔質セパレータに導電ペーストを含浸して素子を作製し、封止して製品化することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が記載されている。この場合、ポリピロール重合膜と導電ペーストを含浸させた多孔質セパレータとは広い面積にわたって接触しているため強度が向上し、導電ペーストを使用して陰極を取り出す場合に見られる接着部分の不確実性による信頼性の問題が解消されるとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭 62-8513号公報記載の技術では、導電体炭素粉末を含む非水溶性樹脂と固体電解質である二酸化マンガン層との密着性が強いために、耐湿、耐熱試験でのインピーダンスの増大が抑えられるが、この技術は固体電解質が二酸化マンガンに限定されており、固体電解質として導電性重合体を使用する固体電解コンデンサについての密着性を保証する技術ではない。
また、特開平2-260525号公報記載の技術では多孔質セパレータを使用し、かつポリピロール重合膜と導電ペーストを含浸させた多孔質セパレータとを広い面積にわたって接触させる必要があり、密着性については接触面積に言及しているのみである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に導電性重合体の固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、導電性カーボンペーストのバインダーが微細孔内部及びその上に形成された固体電解質層に浸透する、特にバインダー成分としてゴム弾性を有する材料を使用することにより、導電性金属材料層との密着性と誘電体皮膜及び固体電解質との密着性が向上し、高性能の固体電解コンデンサが得られることを見出し本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明は以下の固体電解コンデンサとその製造方法を提供する。
1)微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層に浸透していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
2)微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層及び弁作用金属の微細孔内部に浸透していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
3)導電性カーボンペーストのバインダーが、330℃以下の温度で軟化し、ペーストの溶媒に膨潤または懸濁可能なゴム弾性を有する材料を含む前記1または2に記載の固体電解コンデンサ。
4)ゴム弾性を有する材料が、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、アクリルゴム、多硫化系ゴム、フッ素系ポリマー、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料である前記3に記載の固体電解コンデンサ。
【0014】
5)導電性カーボンペースト中の固形分が、導電性材料30〜99質量%、バインダー1〜70質量%である前記1乃至4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
6)導電性材料が、人造黒鉛を80質量%以上含む材料である前記5に記載の固体電解コンデンサ。
7)人造黒鉛が、固定炭素分97質量%以上、平均粒子径1〜13μm、アスペクト比10以下、粒子径32μm以上の粒子が12質量%以下である前記6に記載の固体電解コンデンサ。
8)前記固体電解質層の少なくとも一部が層状構造を有している前記1乃至7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
9)前記固体電解質層の層状構造の層間の少なくとも一部に空間部を有している前記8に記載の固体電解コンデンサ。
【0015】
10)層状構造を有する固体電解質の1層当たりの厚さが0.1乃至0.3μmの範囲である前記8または9に記載の固体電解コンデンサ。
11)弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム及びそれらの合金から選ばれる前記1乃至10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
12)固体電解質層が導電性重合体からなり、前記導電性重合体を形成するモノマーが複素五員環を含む化合物である前記1乃至11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
13)固体電解質層が導電性重合体からなり、前記導電性重合体を形成するモノマーがアニリン骨格を有する化合物である前記1乃至11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
14)複素五員環を含む化合物が、ピロール、チオフェン、フラン、多環状スルフィド及びそれらの置換誘導体から選ばれる前記12に記載の固体電解コンデンサ。
【0016】
15)複素五員環を含む化合物が下記一般式(I)
【化2】
Figure 0004478906
(式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3乃至7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意に含んでもよい。)で示される化合物である前記14に記載の固体電解コンデンサ。
16)複素五員環を含む化合物が3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテンから選ばれる化合物である前記15に記載の固体電解コンデンサ。
【0017】
17)微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサの製造方法において、導電性カーボン材料、330℃以下の温度で軟化しゴム弾性を有するバインダー及び溶媒を含むペーストを用いて導電性カーボンペーストを形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
18)導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層に浸透している前記17に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
19)導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層及び弁作用金属の微細孔内部に浸透している前記17に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解コンデンサ用の陽極としては弁作用を有するアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の単体金属またはこれらの合金の金属箔をエッチングしたもの、あるいは微粉焼結体など表面積を大きくしたものが使用できる。
本発明において誘電体皮膜は上記弁作用を有する金属の多孔質形成体を化成処理することにより形成される。化成処理に用いる化成液、化成電圧等の化成条件は、製造する固体電解コンデンサに必要な容量、耐電圧等に応じて任意に設定して決めることができる。
【0019】
本発明に使用する金属表面の誘電体皮膜多孔質体の細孔形状、細孔分布等はエッチング条件や化成電圧、化成液の種類、電流密度等、その製造方法によって異なり、また用いるバインダーの軟化状態におけるバインダーの表面張力等と密接な関係にあるため、一概に決めることができないが、バインダーの多孔質体(細孔内部)への浸透が妨げられない構造体であればよい。
【0020】
本発明において使用する導電性カーボンペーストは、導電性材料としてのカーボン、バインダー及び溶媒を主たる構成物としている。
カーボンとしては、人造黒鉛粉を少なくとも80質量%以上含む材料を使用することが好ましい。天然黒鉛、カーボンブラックなどを併用して人造黒鉛粉が80質量%未満となる時は、得られる導電性カーボンペーストとして十分な電気伝導度を確保できない。導電性カーボン材料中の人造黒鉛粉の使用量は、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。導電性カーボンペーストの残りの部分は銀、金、銅などの金属粉、カーボンブラック、天然黒鉛、その他の導電性物質粉である。
【0021】
上記人造黒鉛粉は、バインダーの固体電解質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げない材料であれば差し支えないが、好ましくは固定炭素分97質量%以上、平均粒子径が1〜13μm、アスペクト比が10以下であって、粒子径32μm以上の粒子が12質量%以下のものである。
鱗片状、あるいは葉片状の天然黒鉛は、アスペクト比が常に10以上である点で本発明で使用する導電性材料(人造黒鉛粉)とは異なる。人造黒鉛のアスペクト比が高いほど導電性カーボンペーストとしての充填性が低下し、ペーストの電気抵抗を高めるため、アスペクト比は10以下である必要がある。このような人造黒鉛は天然黒鉛やカーボンブラックに比較して純度が高く、充填率を高くすることができ、熱による劣化も小さい特性を有しているが、バインダーの固体電解質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げない特性及び構造であれば何ら差し支えなく利用することができる。
【0022】
また、黒鉛分の固定炭素分もペーストの電気抵抗に影響があり、人造黒鉛粉の固定炭素分が高いほど抵抗値を低くできるが、上記同様にバインダーの固体電解質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げない固定炭素分であれば何ら差し支えない。
従って、本発明の目的を達成するためには固定炭素分が97質量%以上の人造黒鉛粉を使用することが好ましい。ここで、固定炭素分とは炭素含量の目安となる値で、JIS法(JIS K2425 )、炭素協会法、ASTM法、BS法により測定される。
人造黒鉛粉の平均粒子径は、導電性カーボンペーストの均一な塗布性を得るためには1〜13μmのものであるが、バインダーの固体電解質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げない平均粒子径であれば何ら差し支えない。平均粒子径が13μmを越える人造黒鉛粉を使用すると均一なペースト層が得られない場合がある。このような人造黒鉛粉を使用した時には、コンデンサ特性における誘電損失(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)などが悪化する。また平均粒子径が1〜13μmの範囲内にあっても、粗い粒子の量が多くなると均一に塗布できなくなる。粒子径32μm以上の粒子の含有量を12質量%以下とした時にはこの問題が発生しない。
【0023】
導電性カーボンペーストのバインダー(結合剤、集束剤)は、多量の固体粒子等を強く接着・固定し成形強化するための成分であり、樹脂成分が主に使用される。
具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和アルキド樹脂、ポリスチレン、ゴム等が知られている。好ましくはゴム弾性を有するもの(以下、ゴム弾性体と言う。)で歪みを受けるとその歪みを元に戻そうとする性質のある材料であり、330℃以下に融解範囲(軟化点)を持つものである。ここで、融解範囲とは、樹脂等の高分子では多分子性であるため融点が定かでなく、ある温度範囲で融解することが知られているその温度範囲を言う。また、ゴム弾性体の場合は融点が認められないものもあるが(日本ゴム協会誌、52,No.11 ,701(1979) )、330℃以下の温度範囲で内部摩擦抵抗が減り流動性が上がるものが好ましい。これらゴム弾性体の中でも好ましいのは、実施形態において溶剤に膨潤または懸濁可能で、かつコンデンサ製造時のリフロー処理に対して耐熱性に優れた材料である。
【0024】
このような特性を有する材料の具体例としては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン/プロピレン共重合体(EPM、EPDM等)、アクリルゴム、多硫化系ゴム、フッ素系ポリマー、シリコーンゴム、他の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、好ましいのは、EPM、EPDM、フッ素系ポリマーである。ここで、フッ素系ポリマーはフッ素原子を含むポリマーであるが、ポリマーを構成するモノマーに含まれるフッ素原子の数には特に制限はない。
これらのゴム弾性体は、一般に導電性カーボンペーストに使用されているエポキシ樹脂に比べて弾性率、吸水率が低く、接着部の応力緩和に効果があるものである。
【0025】
前記フッ素系ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(クロロフルオロエチレン)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の二元共重合体、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンの三元共重合体、テトラフルオロエチレンを含む共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、含フッ素アクリレートゴム、含フッ素シリコーンゴム等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。具体的な製品の例としては、バイトン(登録商標,デュポン・ダウ・エラストマー社製)、アフラス(登録商標、旭硝子社製)等を挙げることができる。
【0026】
導電性カーボンペーストに使用する溶媒は、通常の導電性カーボンペーストに使用する溶媒と同じものでよい。例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、酢酸ブチル等の溶媒を単独または混合して使用する。導電性カーボンペーストに配合する溶媒量は、導電性ペーストの使用目的に応じて、バインダーの固体電解質層内及び弁作用金属(例えば、エッチドアルミニウム箔)の微細孔内への浸透を妨げない粘度となるように配合することが必要である。通常はペーストの固形分に対して0.5倍当量〜10倍当量を使用する。
【0027】
導電性カーボンペースト中の導電性材料とバインダー樹脂との配合比は、全固形分質量当たり導電性材料が30〜99質量%、好ましくは50〜90質量%、バインダー樹脂が1〜70質量%である。導電性材料が30質量%より少ないと導電性カーボンペーストの導電性が低くなり過ぎ、また99質量%を越えると、その上に形成される導電性金属粉ペースト層の接着性や応力緩和性が失われる。
【0028】
導電性金属粉ペーストに用いられる導電性金属粉としては銀粉の他、金、銅等の金属粉末、カーボン粉末なども用いられることができるが、銀粉が最もよく、それが充填材全体の80重量%以上含むものが好ましい。粉末の粒度は平均粒径で1〜10μmが好ましい。平均粒径が1μm未満では嵩密度が小さく、ペーストの体積が大きくなり、導電体層の形成に不利である。また平均粒径が10μmを超えると粗すぎて、陰極リード端子との接続不良が起こり易い。
【0029】
固体電解コンデンサを製造する際の誘電体酸化皮膜上に導電性高分子を形成する手法としては、溶液化学酸化重合法、気相化学酸化重合法、電解重合等が用いられるが、溶液の表面張力の大小の如何によっては、酸化皮膜への塗れ性等の影響から誘電体皮膜の内部まで固体電解質層を形成することが妨げられることがある。例えば、溶液化学酸化重合法としては、モノマーを陽極基板の微細孔を有する誘電体皮膜上で、ドーパントを供与できる化合物の存在下、酸化剤と空気中の水分の作用によって酸化重合を起こさせ、生じた重合体組成物を固体電解質として誘電体表面上に形成させる。そして、この製造工程を1つの陽極基体に対して1回以上、好ましくは3〜30回繰り返すことによって、層状構造を有し、層間に空間部を有する固体電解質を容易に形成することができる。ここで形成される層状構造の層間に空間部が存在することが本発明の固体電解コンデンサの特性にとって重要な役割を果たしている。すなわち、層間の空間部に導電性カーボンペーストのバインダーが浸透することができるため、導電性材料と誘電体皮膜及び固体電解質との密着性が向上して機械的強度、高容量化、低インピーダンス化、耐湿負荷特性が良好で耐熱性に優れた固体電解コンデンサが得られるものと考えられる。
【0030】
例えば、好ましい製造工程の1例は、前記誘電体皮膜層を形成した弁作用金属陽極箔を、酸化剤を含む溶液(溶液1)に浸漬する工程とモノマー及びドーパントを含む溶液(溶液2)に浸漬する工程を含むものである。浸漬の順序としては前記溶液1に浸積した後に前記溶液2に浸漬する工程(正順)で行っても、また逆順に前記弁作用金属陽極箔を前記溶液2に浸積した後に前記溶液1に浸積する工程で行っても良い。
【0031】
あるいは別の実施形態として、弁作用金属陽極箔を、酸化剤とドーパントを含む溶液(溶液3)に浸漬する工程とモノマーを含む溶液(溶液4)に浸漬する工程を含むものであってもよい。この場合も前記溶液3に浸漬した後で前記溶液4に浸漬する工程(正順)で行うか、または逆順に前記溶液4に浸漬した後で前記溶液3に浸漬する工程を含む方法を採用しても良い。前記溶液1乃至4としてはぞれぞれ含有成分が懸濁状態のものを用いても良い。
さらには、前記浸漬工程に代えて、塗布法を採用することもできる。
溶液1乃至4の溶媒は、同じでもあるいは異なっても良く、溶媒の種類に応じて溶液1と溶液2の間、あるいは溶液3と溶液4の間の工程に別途乾燥工程を入れても良い。また、固体電解質形成後に溶媒による洗浄工程を設けてもよい。
【0032】
前記本発明の製造方法において用いられる溶媒または固体電解質形成後の洗浄用溶媒は、例えばテトラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン正極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン等の非芳香族性の塩素系溶媒;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸;該有機酸の酸無水物(例、無水酢酸等)または水あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。好ましくは、水、アルコール類、またはケトン類あるいはそれらの混合系が望ましい。
このようにして製造された固体電解質の電気伝導度は0.1 〜200S/cmの範囲であるが、好ましくは1〜150S/cm、さらに好ましくは10〜100S/cmの範囲である。
【0033】
本発明の固体電解コンデンサに用いられる固体電解質を形成する導電性高分子としては、例えばチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物、アニリン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙げられる。
【0034】
導電性重合体の原料として用いられるモノマーのうち、チオフェン骨格を有する化合物としては、一般式(I)
【化3】
Figure 0004478906
(式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0035】
具体的には、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物または公知の方法(例えば、Synthetic Metals誌,1986年,15巻,169頁)で準備できる。
【0036】
また、例えば、多環状スルフィド骨格を有する化合物としては、下記一般式(II)
【化4】
Figure 0004478906
(式中、置換基R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR3、R4、R5、R6、R7及びR8の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。kはチオフェン環と置換基R3〜R6を有するベンゼン環に囲まれた縮合環の数を表わし、0〜3の整数値である。式中の縮合環には窒素またはN−オキシドを任意に含んでもよいが、その数だけ置換基R3〜R6はないことになる。)で示されるものが挙げられる。
【0037】
具体的には、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8-3156号広報記載の方法により準備することができる。
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体等も使用できる。
【0038】
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる化合物もあり、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
また、ピロール骨格を有する化合物としては、下記一般式(III)
【化5】
Figure 0004478906
(式中、置換基R9及びR10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR9またはR10の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0040】
具体的には、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の誘導体を挙げられるが、これらに限られない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
【0041】
また、フラン骨格を有する化合物としては、下記一般式(IV)
【化6】
Figure 0004478906
(式中、置換基R11及びR12は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR11またはR12の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0042】
具体的には、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は市販品または公知の方法で準備できる。
【0043】
また、アニリン骨格を有する化合物としては、下記一般式(V)
【化7】
Figure 0004478906
(式中、置換基R13、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR13、R14、R15及びR16の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるものが挙げられる。
【0044】
具体的には、2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニリン、2−ペンチルアニリン、2−ヘキシルアニリン、2−ヘプチルアニリン、2−オクチルアニリン、2−ノニルアニリン、2−デシルアニリン、2−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−シアノアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,3−ブチレンアニリン、2,3−メチレンジオキシアニリン、2,3−エチレンジオキシアニリン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できる。
【0045】
また上記化合物群から選ばれる化合物を併用し、共重合体として固体電解質を形成させても良い。その時の重合性単量体の組成比などは重合条件等に依存するが、好ましい組成比、重合条件などは簡単なテストにより確認できる。例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、前後して別々にまたは一緒に金属箔の酸化皮膜層に塗布して形成する方法(特開平2-15611 号公報や特開平10-32145号公報)等が利用できる。一般に導電性重合体には、アリールスルホン酸塩系ドーパント、例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの塩を用いることができる。
【0046】
導電性カーボンペーストのバインダーを、固体電解質層あるいは固体電解質と誘電体皮膜の細孔内部に浸透させる手法としては、
(1)導電性ペースト溶液に導電性高分子の固体電解質層が形成された素子を直接浸漬してその浸透圧を利用する方法、
(2)固体電解コンデンサの製造プロセスの外装封止時に加熱及び/または加圧する工程を経て注入する方法、
(3)不良品選別工程(デバッギング工程)での検査におけるリフロー耐熱性、ヒートサイクル特性評価等の検査評価時の加熱工程で内部に浸透させる方法などが挙げられる。
上記いずれの操作によっても箔内部へのバインダーを含浸させることが可能である。
【0047】
バインダーが弁作用金属表面に形成されている固体電解質層の内部、あるいは弁作用金属表面に形成されている固体電解質層及び誘電体皮膜に浸透していることは、製品形態となったコンデンサを解体し、箔と固体電解質層の密着性を解析する際、箔内部から粘凋な高分子が引っぱり出されている形態の観察によって容易に確認することができる。
【0048】
このようにして形成した層状構造を有し、層間に空間部を有する固体電解質上に上記導電性ペースト層を形成した固体電解コンデンサが優れた性能を有する理由としては、バインダーが導電性高分子からなる固体電解質層内、あるいは固体電解質層及び弁作用金属(例えば、エッチドアルミニウム箔)の微細孔内部へ浸透してアンカー効果を発現するために密着性が向上し、また電極の外部応力に対する緩和能力に優れ、このことにより耐熱性が高く、ESR、インピーダンスが低く、またインピーダンスの熱劣化が小さく、更に耐湿性に優れた性能を発揮するものと考えられる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、下記の実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
【0050】
実施例1:
導電性材料としてアスペクト比が3〜1.5、平均粒子径が3μm、粒子径が32μm以上である粒子が2質量%以下、固定炭素分が99質量%である人造黒鉛粉末(昭和電工(株)製UFG−5)100質量部にバインダー樹脂としてバイトンSVX(登録商標,デュポン・ダウ・エラストマー社製、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン及び四フッ化エチレンの共重合体、比重1.85、二次転移温度(Tg)約−16℃、ムーニー粘度(121℃)110)の酢酸ブチル懸濁液を前記樹脂固形分が人造黒鉛粉末100質量部に対して70質量部となるように投入して、これを24時間撹拌して導電性カーボンペーストを作製した。
次に、規定容量が119μF/cm2のエッチドアルミニウム箔を3mm×10mmに切り出し、長軸方向を4mmと5mmの部分に区切るように、両面に幅1mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させマスキングを作成した。このエッチドアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で13Vの電圧を印加して再化成し、これにより切り口部分に誘電体酸化皮膜を形成した。次にこのアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、3,4−エチレンジオキシチオフェン(バイエル社製 Baytron M(登録商標))を5g溶解させた1.2mol/Lのイソプロピルアルコール溶液に含浸し、懸濁させた2−アントラキノンスルホン酸ナトリウムが0.07質量%となるように調製した2mol/Lの過硫酸アンモニウム水溶液に浸漬した。続いてこのアルミニウム箔を約40℃の大気中で約10分間放置することで酸化的重合を行った。さらにこの含浸工程及び重合工程を全体で25回となるようにして、導電性高分子の固体電解質層をエッチドアルミニウム箔の微細孔内及び箔外表面に形成した。最終的に生成したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を50℃温水中で洗浄し、その後100℃で30分乾燥を行い、固体電解質層を形成した。
【0051】
かくして得られた導電性高分子層を形成したアルミニウム箔の断面を走査電子顕微鏡(SEM)(倍率10000倍)で調べたところ、図1に示すように導電性高分子層が金属アルミニウム上の誘電体(アルミナ)の微細孔内の表面に層状構造をなして覆い尽くしており、また層状導電性高分子層間に空間部が存在することが確認された。ここで、微細孔構造の外部表面に形成された導電性高分子層の厚さは約5μmであり、層構造を形成する1層当たりの厚さは約0.1〜0.3μmの範囲であった。次に前記アルミニウム箔の導電性高分子層を形成した部分に前記方法で作製した導電性カーボンペーストを塗布した後、100℃、30分間熱処理を行い、前記導電性高分子上にカーボンペーストによる導電層を形成した。次に、銀ペーストをつけて陰極リード端子を接続し、また導電性高分子層の形成されていない部分には陽極リード端子を溶接により接続した素子をエポキシ樹脂で加圧封止した後、125℃で定格電圧を印加して2時間エージングを行い、合計60個のコンデンサを完成させた。そのうち無作為に選別した1個を解体して、素子を破断し、固体電解質と箔外表面の境界を観察したところ、図2に示すように固体電解質層と箔との間に粘凋な糸状高分子が見られた。また、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を使用して特定の元素(フッ素元素)の二次元的な分布状態をマッピング法で観察した結果、バインダー樹脂が固体電解質層内部、誘電体表面の細孔内に浸透していることがわかった。
【0052】
コンデンサのうち、無作為に選別した30個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ)、共振周波数におけるインピーダンス、漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.59μA(0.002CV)以上の漏れ電流を不良品としたときの不良率およびショート品の数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。また、表2にはリフロー試験およびこれに続いて行った耐湿試験での結果を示した。ここで、リフロー試験は230℃の温度領域を30秒間通過させ、その後定格電圧(6.3V)を印加し、1分後の漏れ電流を測定し、判定として3μA未満を合格品とした。また、耐湿試験は85℃、85%RHの高温高湿下に240時間放置後、定格電圧(6.3V)を印加し、1分後の漏れ電流を測定した。耐湿試験における漏れ電流値の判定は11.8μA(0.04CV)未満を合格品とした。
【0053】
実施例2:
実施例1において、過硫酸アンモニウムに代えて硫酸第2鉄を、また3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えて1,3−ジヒドロイソチアナフテンとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0054】
実施例3:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてピロールとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0055】
実施例4:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてフランとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0056】
実施例5:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてアニリンとした以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0057】
比較例1:
バインダー樹脂をエポキシ樹脂であるエピコート828(登録商標、油化シェルエポキシ(株)社製、比重1.17、融点(デュラン水銀法)8〜12℃、粘度(25℃)120〜150ポイズ)に代えた以外は、実施例1と同様にして合計30個のコンデンサを完成させ、コンデンサの特性評価を行った。
【0058】
【表1】
Figure 0004478906
【0059】
【表2】
Figure 0004478906
【0060】
【発明の効果】
本発明は導電性ペーストを構成するバインダーを、弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層、または弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層及び弁作用金属多孔質体の細孔内部に浸透させることにより、誘電体皮膜及び固体電解質と導電性ペースト層との密着性及び機械的強度を高めたものである。本発明によれば、高容量化、低インピーダンス化そして耐湿負荷特性の良好かつ耐熱性の優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 層状構造を示す固体電解質層のSEM写真(倍率10000倍)である。
【図2】 固体電解質と箔外表面の境界部におけるバインダー樹脂の侵入状況を示すSEM写真(倍率1000倍)である。

Claims (16)

  1. 微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、導電性カーボンペースト中の固形分が、人造黒鉛を80質量%以上含んでなる導電性材料30〜99質量%とバインダー1〜70質量%とからなり、前記人造黒鉛が、固定炭素分97質量%以上、平均粒子径1〜13μm、アスペクト比10以下、粒子径32μm以上の粒子が12質量%以下であり、前記バインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層に浸透していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサにおいて、導電性カーボンペースト中の固形分が、人造黒鉛を80質量%以上含んでなる導電性材料30〜99質量%とバインダー1〜70質量%とからなり、前記人造黒鉛が、固定炭素分97質量%以上、平均粒子径1〜13μm、アスペクト比10以下、粒子径32μm以上の粒子が12質量%以下であり、前記バインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層及び弁作用金属の微細孔内部に浸透していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 導電性カーボンペーストのバインダーが、330℃以下の温度で軟化し、ペーストの溶媒に膨潤または懸濁可能なゴム弾性を有する材料を含む請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. ゴム弾性を有する材料が、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、アクリルゴム、多硫化系ゴム、フッ素系ポリマー、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料である請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記固体電解質層の少なくとも一部が層状構造を有している請求項1乃至のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記固体電解質層の層状構造の層間の少なくとも一部に空間部を有している請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 層状構造を有する固体電解質の1層当たりの厚さが0.1乃至0.3μmの範囲である請求項5または6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム及びそれらの合金から選ばれる請求項1乃至のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  9. 固体電解質層が導電性重合体からなり、前記導電性重合体を形成するモノマーが複素五員環を含む化合物である請求項1乃至のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  10. 固体電解質層が導電性重合体からなり、前記導電性重合体を形成するモノマーがアニリン骨格を有する化合物である請求項1乃至のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  11. 複素五員環を含む化合物が、ピロール、チオフェン、フラン、多環状スルフィド及びそれらの置換誘導体から選ばれる請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 複素五員環を含む化合物が下記一般式(I)
    Figure 0004478906
    (式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3乃至7員環の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノの結合を任意に含んでもよい。)で示される化合物である請求項11に記載の固体電解コンデンサ。
  13. 複素五員環を含む化合物が3,4−エチレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテンから選ばれる化合物である請求項12に記載の固体電解コンデンサ。
  14. 請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法であって、微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成するものであり、前記導電性カーボンペースト層の形成が、導電性カーボン材料、330℃以下の温度で軟化しゴム弾性を有するバインダー及び溶媒を含むペーストを用いて行われることを特徴とする方法
  15. 導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層に浸透している請求項14に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  16. 導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層及び弁金属作用の微細孔内部に浸透している請求項15に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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