JP2004186684A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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博 小沼
Masaki Kobayashi
賢起 小林
Toru Sawaguchi
徹 澤口
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Abstract

【構成】 弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体からなる固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮したコンデンサ素子を含み、好ましくは、圧縮前の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHamax、最小厚みをHamin、圧縮後の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHbmax、最小厚みをHbminとしたとき、下記式で示される厚みの差の減少率ΔHが5〜95%の範囲にある固体電解コンデンサ:
【数1】
Figure 2004186684

【効果】 本発明のコンデンサ素子は素子形状のバラツキが少なくかつ薄い素子を安定して作製することができ、高さの低い小型で高容量の積層型固体電解コンデンサを構築でき、固体電解コンデンサは短絡不良が無く安定した性能を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は導電性重合体を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
固体電解コンデンサの基本素子は、図1に示すように、一般にエッチング処理された比表面積の大きな金属箔からなる陽極基体(1)に誘電体の酸化皮膜層(2)を形成し、この外側に対向する電極として固体の半導体層(以下、固体電解質という。)(4)を形成し、そして望ましくはさらに導電ペーストなどの導電体層(5)を形成して作製される。次いで、このような素子は単独で、あるいは積層してリード線(6,7)を接合し全体をエポキシ樹脂(8)等で完全に封止してコンデンサ(9)部品として幅広く電気製品に使用されている。
近年、電気機器のディジタル化、パーソナルコンピュータの高速化に伴い、小型で大容量のコンデンサ、高周波領域において低インピーダンスのコンデンサが要求されている。最近では、電子伝導性を有する導電性重合体を固体電解質として用いることが提案されている。
固体電解質の形状については、電解酸化重合による導電性重合体の成長起点をアルミニウム箔上に溶接した金属としてアルミニウム箔表面全体に形成することが提案されている(例えば、特開平4-307917号公報(特許文献1)参照。)。
また、静電容量を高める或いは小型化を図るには陽極箔の実効表面積を拡大させる技術の開発が盛んに行われている。アルミニウム箔をエッチング処理した後にエッチング層を圧下するという技術が提案されている(例えば、特許第3084330号公報(特許文献2)及び特開2002-260968公報(特許文献3)参照)。
さらに、半導体パッケージの小型化や高密度化が求められており、基板内へ内蔵するため薄型で基板密着型の固体電解コンデンサの提案がされている(例えば、特開2002-260967公報(特許文献4)参照。)。
特開平4−307917号公報 特許第3084330号公報 特開2002−260968公報 特開2002−260967公報
固体電解コンデンサは、所定の容量のコンデンサとするために、コンデンサ素子を通常複数個積層して陽極端子に陽極リード線を接続し、導電性重合体を含む導電体層に陰極リード線を接続し、さらに全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止して固体電解コンデンサが作製されている。しかし、固体電解コンデンサでは、陰極部分での導電性重合体の付着工程において重合条件を綿密にコントロールしなければ、導電性重合体の付着厚さが不均一になり導電性重合体の薄い部分ができ、ペーストなどが誘電体酸化皮膜層と直接接触しやすくなり、漏れ電流の上昇につながるため、導電性重合体を厚くする必要がある。所定のチップに積層できるコンデンサ素子の枚数は素子の厚さによって制限され、固体電解コンデンサチップの容量を大きくすることができなかった。また、導電性重合体の付着厚さが不均一であると、積層されたコンデンサ素子とコンデンサ素子の接触面積が低下するため、等価直列抵抗(ESR)が大きくなるという問題がある。
導電体重合体の厚さのバラツキを小さくするためには、長時間の綿密な重合条件のコントロールが必要であるが、生産性が著しく低下するという問題がある。
したがって、本発明は上記の問題点を解決し、緻密な重合体形成に必要な時間を短縮でき、短絡不良を増加させること無く素子形状のバラツキが少なく、かつ薄いコンデンサ素子を安定して作製することにより、固体電解コンデンサチップ内のコンデンサ素子の積層枚数を増やすことによる高容量化を可能とし、さらに等価直列抵抗のバラツキが小さい、積層型固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、固体電解質の形状を整えるには、導電性重合体を形成後、圧縮することが有効であり、かくして得られる固体電解コンデンサは、誘電体皮膜上に形成される固体電解質の密着性が向上し、高容量で、誘電損失(tanδ)、漏れ電流、不良率が小さくなることを確認した。
さらに、上記の特性に優れた固体電解コンデンサ素子を複数枚積層することによりコンデンサの小型・高容量化ができることを確認した。
すなわち、本発明は以下の固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供するものである。
1.弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体を含む固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮したコンデンサ素子を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
2.弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体を含む固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮し固体電解質層上に陰極層を設けたコンデンサ素子を有する前記1に記載の固体電解コンデンサ。
3.弁作用金属多孔体の誘電体皮膜上に導電性重合体を含む固体電解質が化学重合あるいは電気化学重合で設けたものである前記1または2に記載の固体電解コンデンサ。
4.固体電解質層を設けた素子の圧縮後の厚さが最大高さ(Rmax)250μm以下である前記1乃至3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
5.弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体を含む固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮し導電性重合体層の厚みを均一化した後、固体電解質層上に陰極層を設けたコンデンサ素子を有する前記2に記載の固体電解コンデンサ。
6.圧縮前の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHamax、最小厚みをHamin、圧縮後の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHbmax、最小厚みをHbminとしたとき、下記式で示される厚みの差の減少率ΔHが5〜95%の範囲にある前記1乃至5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ:
Figure 2004186684
7.固体電解質層を設けた基板全体の圧縮率が5〜90%である前記1乃至6のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
8.固体電解質の導電性重合体が、誘電体皮膜を有する弁作用金属基板上で有機高分子のモノマーの溶液化学酸化重合または気相化学酸化重合で形成された前記1乃至7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
9.固体電解質の導電性重合体が、誘電体皮膜を有する弁作用金属基板を有機高分子のモノマー含有液及び酸化剤含有液中に交互に浸漬する操作を繰り返すことにより形成される前記1乃至7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
10.弁作用金属多孔体基板が平板状または箔状である前記1乃至9のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
11.弁作用金属多孔体が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウムおよび珪素から選ばれる単体金属、またはこれらの合金である前記1乃至10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
12.導電性重合体を形成する有機高分子のモノマーが複素五員環を含む化合物またはアニリン骨格を有する化合物である前記1乃至11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
13.複素五員環を含む化合物が、チオフェン骨格または多環状スルフィド骨格を有する化合物である前記12に記載の固体電解コンデンサ。
14.チオフェン骨格を有するモノマー化合物が3−エチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3,4−ジメチルシチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、または3,4−エチレンジオキシチオフェンである前記13に記載の固体電解コンデンサ。
15.導電性重合体の固体電解質層の一部がラメラ構造あるいはフィブリル構造を有している前記1乃至14のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
16.前記1乃至15のいずれかに記載のコンデンサ素子を複数枚積層してなる積層型固体電解コンデンサ。
17.弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、有機高分子のモノマーを酸化剤により酸化重合した導電性重合体からなる固体電解質層を設けた基板を複数枚積層して厚み方向に圧縮し、固体電解質層の外表面上に陰極層を設けたコンデンサ素子を含むことを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
18.固体電解質層を設けた積層基板全体の圧縮率が5〜90%である前記17記載の積層型固体電解コンデンサ。
19.誘電体皮膜の多孔体を有する弁作用金属基板の表面に、酸化剤の作用により導電性重合体を形成するモノマー含有液と酸化剤含有液とを用いて、導電性重合体の固体電解質層を形成した後、導電性重合体を設けた基板を厚み方向に圧縮し、ついで固体電解質層上に陰極層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
20.誘電体皮膜の多孔体を有する弁作用金属基板の表面に、酸化剤の作用により導電性重合体を形成するモノマー含有液と酸化剤含有液とを用いて導電性重合体の固体電解質層を形成した後、導電性重合体を設けた基板を複数枚積層した後、厚み方向に圧縮し、ついで固体電解質層の外表面上に陰極層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
21.誘電体皮膜の多孔体を有する弁作用金属基板の表面に、酸化剤の作用により導電性重合体を形成するモノマー含有液と酸化剤含有液とを用いて導電性重合体の固体電解質層を形成し、ついで固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮した後、固体電解質層上に陰極層を設け、ついで陰極層を厚み方向に圧縮することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
22.固体電解質層を設けた基板全体を5〜90%の圧縮率で圧縮する前記19乃至21のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
23.圧縮前の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHamax、最小厚みをHamin、圧縮後の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHbmax、最小厚みをHbminとしたとき、下記式で示される厚みの差の減少率ΔHが5〜95%の範囲となるように圧縮する前記19乃至21のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法:
Figure 2004186684
24.固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮する工程後に、再化成工程を有する前記19乃至23のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
25.固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮する工程後に、加湿エージング工程を有する前記19乃至23のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
26.加湿エージング工程が、火花電圧以下の化成電圧下、20〜95℃、40〜95%RHの条件で行われる前記25に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
発明の実施の形態
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の方法を説明する。
本発明に使用する基板(1)表面の誘電体皮膜(2)は、通常、弁作用を有する金属の多孔質成形体を化成処理すること等により形成される。
化成に用いる化成液、化成電圧等の化成条件は、製造される固体電解コンデンサに必要な容量、耐電圧等に応じて、予め実験により確認し適当な値に設定する。なお、化成処理に際しては、化成液が固体電解コンデンサの陽極となる部分に滲み上がるのを防止し、かつ後工程で形成される固体電解質(4)(陰極部分)との絶縁を確実とするために一般的にマスキング(3)が設けられる。
マスキング材としては一般的な耐熱性樹脂、好ましくは溶剤に可溶あるいは膨潤しうる耐熱性樹脂またはその前駆体、無機質微粉とセルロース系樹脂からなる組成物などが使用できるが、材料には制限されない。具体例としてはポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、低分子量ポリイミド及びそれらの誘導体及びその前駆体などが挙げられ、特に低分子量ポリイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂及びそれらの前駆体が好ましい。
一般的に誘電体酸化皮膜上に導電性重合体を形成する手法としては、気相重合法による導電性高分子層と電解重合法による導電性高分子層を形成する方法(特開平3-6217号公報等)、有機高分子モノマーを誘電体酸化皮膜上に付着させた後酸化剤溶液中で重合する溶液化学重合法(特開平11-251191号公報等)、切り替え装置により陽極体への給電点を所定時間毎に変えて導電性高分子層の厚みを平均化する電気化学重合方法(米国特許第6168639号及び第6313979号公報等)が使用できるが、本発明では、好ましくは弁作用金属多孔体基板を酸化剤溶液に浸漬して後乾燥して、酸化剤溶液濃度を基板上で徐々に高める工程を含む有機高分子モノマーの溶液化学酸化重合、または気相化学酸化重合が用いられる。特に溶液化学酸化重合が好ましい。
本発明によれば、後述の実施例に示すように、誘電体酸化皮膜を有するアルミニウム箔を、例えば3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDT)のイソプロピルアルコール(IPA)溶液に含浸し、これを風乾してIPAを殆ど除去した後、約20質量%の酸化剤(過硫酸アンモニウム)水溶液に含浸後、40℃程度で10分間加熱することで、また、本工程を繰り返し実施することでポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の重合体を得ることができる。
本発明の方法によって形成される導電性重合体の固体電解質層は、フィブリル構造あるいはラメラ(薄い層状)構造をなしており、このような構造では広範囲に亘る重合体鎖間の重なりがあるために電子ホッピングが容易となり電気伝導度が向上し、低インピーダンス等の特性の向上に寄与しているものと考えられる。
溶液化学重合法では、モノマーを陽極基体の微細孔を有する誘電体皮膜上に付着させ、導電性高分子のドーパントとなり得る化合物の存在下、酸化剤と空気中の水分の作用によって酸化的重合を生起させ、生じた重合体組成物を該固体電解質として誘電体表面上に形成させる。このとき、良好な重合体組成物を形成するためには、モノマー含有液及び酸化剤含有液の含浸(浸漬)時間を調整してモノマー及び酸化剤の付着量を制御する必要がある。例えば、浸漬時間が長すぎると重合反応が完結せず、得られる重合体組成物は低分子量のものになりやすい。また未飽和濃度の酸化剤含有液中への浸漬時間が長すぎる場合には、乾燥工程を含む前工程を経て金属箔基板に付着している酸化剤が再溶解するとともに、付着しているモノマーや生成した重合体も溶出あるいは流出してしまうため、重合体の生成が遅れると共に流出物で酸化剤含有液の汚れを生じることになる。同様のことはモノマー含有液への浸漬時にも起こり得る。
現象としては、例えば、低分子量成分による酸化剤含有液、モノマー含有液の着色、重合物の浮遊、付着形成される固体電解質の重量減少傾向、モノマー含有液の粘度、比重の変化などとして現れる。
従って、本発明の方法では、モノマー含有液及び酸化剤含有液に浸漬する時間を、含有液中のモノマー成分及び酸化剤成分が金属箔基板の誘電体表面上に付着するに十分な時間以上15分未満の時間、好ましくは0.1秒〜10分、より好ましくは1秒〜7分とする。
さらに、誘電体表面上及び重合体組成物上にモノマーを均一に付着させるためにモノマー含有液を含浸後、一定の時間空気中で放置し溶媒を気化させる必要がある。この条件は溶媒の種類によって変わるが、概ね0℃以上から溶媒の沸点までの温度で行う。放置時間は、溶媒の種類によって変わるが、概ね5秒〜15分、例えばアルコール系溶媒では、5分以内で良い。この放置時間を設けることによりモノマーが誘電体表面上に均一に付着し、さらに次工程の酸化剤含有液への浸漬時の汚れを少なくすることができる。
モノマー含有液及び酸化剤含有液への浸漬後、一定の温度範囲で所定時間空気中で保持してモノマーを酸化重合させる。
重合温度はモノマーの種類により異なるが、例えばピロールでは5℃以下でよく、チオフェン系では約30〜60℃を必要とする。
重合時間は浸漬時のモノマーの付着量による。付着量はモノマー及び酸化剤含有液の濃度や粘度等で変わるので一概に規定できないが、一般に1回の付着量を少なくすると重合時間を短くすることができ、また1回の付着量を多くするとより長い重合時間が必要となる。
本発明の方法では、一回の重合時間は10秒〜30分、好ましくは3〜15分とする。
本発明の方法によって誘電体皮膜上に形成される導電性重合体層は、電子顕微鏡写真によりラメラ構造あるいはフィブリル構造の形状をなしていることが確認されている。
導電性重合体のラメラ構造及びフィブリル構造は、電気伝導度を向上させる要因である重合体鎖の一次元性の向上及び重合体鎖間の広範囲な重なりに寄与し、重合体固体電解質の電気伝導度の向上及び低インピーダンス化等のコンデンサの特性の向上に好ましい影響を与えているものと考えられる。
本発明の方法では、形成される導電性重合体組成物を湿度、熱、応力等に耐性を有する厚さにするために含浸回数を制御する必要がある。前記製造工程を1つの陽極基体に対して5回以上、好ましくは8〜30回繰り返すことによって、所望の固体電解質層を容易に形成することができる。
固体電解コンデンサに用いる固体電解質を形成する工程は、弁作用を有する金属上に誘電体皮膜が形成した陽極体に、モノマー含有液と酸化剤含有液とに交互に浸漬乾燥してモノマーと酸化剤とを交互に繰り返し付着させ、空気中で化学酸化重合させる過程である。
雰囲気中の温度は、重合体組成物の種類、重合方法等によって変わるので一概に規定できないが、一般的に、温度は−70℃〜250℃の範囲が好ましい。
モノマー含有液の濃度は、3〜50質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜25質量%であり、酸化剤含有液の濃度は、5〜70質量%、好ましくは15〜50質量%である。またモノマー含有液及び酸化剤含有液の粘度は、100センチポアズ(cP)以下、好ましくは30cP以下、より好ましくは0.6〜10cPである。
本発明によれば、モノマー含有液及び酸化剤含有液を交互に浸漬することで、層状構造(ラメラ構造あるいはフィブリル構造)を有する導電性重合体の固体電解質を形成することが出来るが、さらにこの層中の、重合体鎖の一次元性の向上及び重合体鎖間の重なりを生じさせるためには、各回毎に洗浄を行わず、最後に行うことが好ましいことが判明した。こうすることによって、重合工程で反応せずに残存する過剰の(未反応の)モノマーも次回の工程で重合可能となり、その結果広範囲な重なりを有する層状構造の導電性重合体からなる固体電解質を形成することができる。
本発明による固体電解質の好ましい形成工程の1つは、前記誘電体皮膜層を形成した弁作用金属陽極箔を、酸化剤を含む含有液(含有液1)に浸漬する工程とモノマー及びドーパントを含む含有液(含有液2)に浸漬する工程を含むものである。この順序としては前記含有液1に浸漬した後で前記含有液2に浸漬する工程(正順)で行ってもよく、また逆順に前記弁作用金属陽極箔を前記含有液2に浸漬した後で前記含有液1に浸漬する工程で行ってもよい。
あるいは別の実施形態として、前記陽極箔を、酸化剤とドーパントを含む溶液(含有液3)に浸漬する工程とモノマーを含む溶液(含有液4)に浸漬する工程を含むものであってもよい。この場合にも前記含有液3に浸漬した後で前記含有液4に浸漬する工程(正順)で行うか、または逆順に該陽極箔を前記含有液4に浸漬した後で前記含有液3に浸漬する工程を含んだ製造方法を採用してもよい。前記含有液1乃至含有液4はそれぞれ懸濁状態で用いても良い。さらには、前記浸漬工程を塗布作業に代えることもできる。
含有液1乃至4の溶媒は必要に応じて同じでもよく、あるいは異なった溶媒系でもよく、また溶媒の種類に応じて含有液1と含有液2の間、あるいは含有液3と含有液4の間の工程に別途乾燥工程を入れても良い。さらに固体電解質形成後に溶媒で洗浄を行っても良い。
本発明に使用できる弁作用を有する金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、珪素などの単体金属、またはこれらの合金である。また形態については、圧延箔のエッチング物、微粉焼結体などの多孔質成形体の形態であればいずれでもよい。
次に、陽極基板としては、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板(リボン、箔等を含む)、線等が使用できるが、好ましくは平板状、箔状のものである。さらに、この金属多孔体の表面に誘電体酸化皮膜を形成する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、タンタル粉末の焼結体を使用する場合には、リン酸水溶液中で陽極酸化して、焼結体に酸化皮膜を形成することができる。
例えば、弁作用金属箔の厚さは、使用目的によって異なるが、厚みが約40〜300μmの箔が使用される。薄型の固体電解コンデンサとするためには、例えばアルミニウム箔では、80〜250μmのものを使用し、固体電解コンデンサを設けた素子の圧縮後の最大高さ(Rmax)を250μm以下となるようにすることが好ましい。金属箔の大きさ及び形状も用途により異なるが、平板状素子単位として幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmの矩形のものが好ましく、より好ましくは幅約2〜15mm、長さ約2〜25mmである。
本発明で固体電解質の形成に使用できる水溶液系の酸化剤として、ペルオキソ二硫酸及びそのNa塩、K塩、NH4塩、硝酸セリウム(IV)、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)等が挙げられる。また、有機溶剤系の酸化剤としては、有機スルホン酸の第二鉄塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)、p−トルエンスルホン酸鉄(III)等が挙げられる。ここで用いられる有機溶剤としては、γ−ブチロラクトン、及びブタノール、イソプロパノールなどの一価のアルコールが挙げられる。なお、酸化剤溶液の濃度は5〜50質量%が好ましく、また酸化剤溶液の温度は−15〜60℃が好ましい。
本発明に用いられる固体電解質を形成する導電性重合体はπ電子共役構造を有する有機高分子モノマーの重合体であり、重合度2以上2000以下、より好ましくは3以上1000以下、さらに好ましくは5以上200以下である。具体例としては、チオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物、アニリン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙げられるが、導電性重合体はこれに限られるものではない。
チオフェン骨格を有するモノマー化合物としては、3−メチルチオフェン、3−エチルオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物または公知の方法(例えばSynthetic Metals誌, 1986年, 15巻, 169頁)で準備できるが、これらに限られるものではない。
また、多環状スルフィド骨格を有するモノマー化合物の具体例としては、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用できる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができる。これらは公知の方法、例えば特開平8-3156号公報記載の方法により準備することができる。
また、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物が、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体や、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体なども使用できる。
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる化合物が使用でき、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
ピロール骨格を有するモノマー化合物としては、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できるが、本発明においてはこれらに限るものではない。
フラン骨格を有するモノマー化合物としては、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は市販品または公知の方法で準備できるが、本発明においてはこれらに限るものではない。
アニリン骨格を有するモノマー化合物としては、2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニリン、2−ペンチルアニリン、2−ヘキシルアニリン、2−ヘプチルアニリン、2−オクチルアニリン、2−ノニルアニリン、2−デシルアニリン、2−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−シアノアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,3−ブチレンアニリン、2,3−メチレンジオキシアニリン、2,3−エチレンジオキシアニリン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準備できるが、本発明においてはこれらに限るものではない。
これらの中でも、チオフェン骨格または多環状スルフィド骨格を有する化合物が好ましく、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDT)、1,3−ジヒドロイソチアナフテンが特に好ましい。
また、前記有機高分子のモノマーの溶媒として、一価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等)が好ましく用いられる。モノマー溶液中のモノマー濃度は特に限定されず、任意の濃度のものを用いることができる。
上記化合物群から選ばれる化合物の重合条件等には特に制限はなく、簡単な実験により予め好ましい条件を確認した上で容易に実施することができる。
また、上記モノマー化合物群から選ばれる化合物を併用し、共重合体として固体電解質を形成させても良い。その時の重合性単量体の組成比などは重合条件等に依存するものであり、好ましい組成比、重合条件は簡単なテストにより確認できる。
例えば、EDTモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態において、前後して別々にまたは一緒に金属箔の酸化皮膜層に塗布して形成する方法等が利用できる(特許第3040113号公報、米国特許第6229689号公報)。
本発明において好ましく使用される3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDT)は、上記の一価アルコールによく溶けるが、水とはなじみが良くないため高濃度の酸化剤水溶液と接触させたときには、EDTはその界面において重合が良好に進行して、フィブリル構造あるいはラメラ(薄い層状)構造の導電性高分子固体電解質層が形成される。
本発明の製造方法において用いられる溶液または固体電解質形成後の洗浄用溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン等の非芳香族性の塩素系溶媒;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸;該有機酸の酸無水物(例、無水酢酸等)または水あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。好ましくは、水、アルコール類またはケトン類あるいはそれらの混合系が望ましい。
本発明の導電性重合体には、アリールスルホン酸系ドーパントが使用される。例えば、ドーパントの原料としてはベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの塩を用いることができる。
このようにして製造された固体電解質の電気伝導度は、約0.1〜200S/cmの範囲であるが、好ましくは約1〜150S/cm、さらに好ましくは約10〜100S/cmの範囲である。
本発明では、酸化重合で縦(厚み)方向に成長して形成された導電性重合体組成物層のある基板を圧縮して用いる。この圧縮により、図2に模式図を示す固体電解質層の最大厚み(h1)と、最小厚み(h2)の差「h1−h2」の値が少なくなると共に、基板および導電性重合体も圧縮されて薄くなり、素子形状および容量のバラツキが少ない安定したコンデンサ素子となる。
圧縮は、導電性重合体組成物層を形成した単一のコンデンサ素子基板について行ってもよいし、コンデンサ素子基板を積層した積層型コンデンサ製造の過程で複数枚重ねてから最外層を圧縮して行うこともできる。
圧縮は導電性重合体組成物層を形成した基板を平板で押し付けて行うことができる。圧縮条件は、コンデンサ特性に影響がない範囲であればよく、基板自体が圧縮変形してかまわない。
具体的には、圧縮前の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHamax、最小厚みをHamin、圧縮後の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHbmax、最小厚みをHbminとしたとき、下記式で示される厚みの差の減少率ΔHが5〜95%の範囲となるように行う。
Figure 2004186684
また、固体電解質層を設けた基板全体(単板および積層板素子のいずれをも含む)圧縮率としては、5〜90%、好ましくは、10〜85%、さらに好ましくは15〜80%である。
電気伝導度は、約0.1〜200S/cmの範囲であるが、好ましくは約1〜150S/cm、さらに好ましくは約10〜100S/cmの範囲である。
圧縮する際に用いられる成形用の平板の材質は特に規定されず、金属板あるいは弾性を有する材料、例えばプラスチックス板を用いても圧縮できる。弾性を有する平板では圧縮時に自らも弾性あるいは塑性変形し該基板が弾性体に包まれる形になる場合があるが結果として導電性重合体組成物層を形成した基板を圧縮させればよい。導電性重合体組成物層を形成した基板は予め複数枚積層して圧縮してもよく、圧縮を繰り返しても良い。
圧縮に要する圧力は、0.05〜20kg/mm2、好ましくは0.1〜10kg/mm2、さらに好ましくは0.1〜2kg/mm2である。また圧縮後の素子厚さの最小値が制限される場合は、圧縮時の平板の間隔に制限を設けても良い。
圧縮時の保持時間は0.01秒〜5分、好ましくは0.1秒〜30秒、さらに好ましくは0.1秒〜10秒である。
素子は圧縮する直前に200℃未満の温度まで加熱しても良く、あるいは平板を230℃未満の温度に加熱しても良く、また両方を加熱しても良い。
圧縮する際は必要に応じて、平板へ素子が付着することを防止するために離型剤として、例えば水、あるいは導電性重合体を含む陰極層が溶解あるいは分解等する状態変化を生じず、かつ沸点が100℃未満の有機溶剤、あるいは、後工程で除去可能な界面活性剤等を使用しても良い。
また、平板にメッキ、擬似ダイアモンドコーティング、テフロンコーティングなどの表面処理を行うことでも平板への素子の付着を防止することができる。
圧縮により誘電体皮膜に欠陥が生じても、圧縮後の工程で再化成やエージングを行うことにより修復可能である。
このような工程により、コンデンサ素子の厚さのバラツキがなく、かつ厚さを薄くすることができるため所定のコンデンサケースサイズの中に占める基板の密度が高くなり、従来の容量上限を払拭することが可能となった。
さらに、コンデンサ素子を薄膜化し単板としても回路基板密着型コンデンサとしての利用が可能になった。
本発明の方法により得られる陽極体外表面を覆うラメラ構造あるいはフィブリル構造の固体電解質には、相対的に連続的あるいは独立した空間が生じている。本発明の方法により得られる陽極体外表面を覆うラメラ構造あるいはフィブリル構造の固体電解質には、連続あるいは独立した空間が生じている。上記の圧縮工程においては、単に空間の体積が小さくなるだけであり、固体電解質の密度は高くなるが、固体電解質のラメラ構造あるいはフィブリル構造は維持されたままである。そのため、圧縮によって固体電解質の厚さが薄くなっても、封止工程等のコンデンサ製造プロセスで受ける熱応力や機械的応力等の影響を緩和する働きは、圧縮前と変わらない。また製造プロセスのみならず、実際にコンデンサが使用される際の環境から受ける種々の応力にも対応できる有用な構造であるともいえる。
再化成を必要とする場合は、化成電圧等の化成条件も含め化成に用いる化成液と同じ種類の化成液を用いることができる。好ましくは、アジピン酸アンモニウムなどの中性の塩であるが、リン酸塩などでもかまわない。
再化成はコンデンサチップにする前の工程で行えば良く、コンデンサ素子がダメージを受けるたびに、あるいはダメージを受けた後に一度行っても良い。
また、コンデンサ素子あるいはコンデンサチップに雰囲気中で電圧を印加する加湿エージングによる修復も可能である。予めコンデンサ素子あるいはコンデンサチップを20℃〜95℃、40〜95%RHの条件下に5分〜100時間放置した後に、常温〜230℃の雰囲気中で、定格電圧の0.5倍からコンデンサが破壊されない程度までの電圧を印加する、あるいは20℃〜95℃、40〜95%RHの条件下で定格電圧の0.5倍からコンデンサが破壊されない程度までの電圧を印加することでもダメージの修復は可能である。
なお、圧縮によるダメージが少なければこれらの再生手法は実質的に不要である。
こうして形成された導電性重合体組成物層の上に、陰極リード端子との電気的接触を良くするために導電体層を設けることが好ましく、例えば導電ペーストの固体、またはメッキや金属蒸着、導電樹脂フィルムの形成等が行われる。
本発明では、導電体層を形成した後に圧縮することもできる。例えば弾性体含む導電体層の場合には特に有効で圧縮により塑性変形してさらに薄くさせることができ、導電体層表面を平滑化させる効果もある。
かくして得られる固体電解コンデンサ素子は、通常、リード端子を接続して、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途のコンデンサ製品とする。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
実施例1:
アルミニウム化成箔(厚み100μm)を短軸方向3mm×長軸方向10mmに切り出し、長軸方向を4mmと5mmの部分に区切るように、両面に幅1mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させマスキングを作成した。この化成箔の3mm×4mmの部分を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で4Vの電圧を印加して切り口部分に化成し、誘電体酸化皮膜を形成した。次に、このアルミニウム箔の3mm×4mmの部分を、3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させた1.2mol/Lのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に5秒間含浸し、これを室温で5分間乾燥し、2−アントラキノンスルホン酸ナトリウムが0.07質量%となるように調製した2mol/Lの過硫酸アンモニウム水溶液に5秒間浸漬した。続いてこのアルミニウム箔を40℃の大気中で10分間放置することで酸化的重合を行った。さらにこの含浸工程及び重合工程を全体で25回となるようにして、導電性重合体の固体電解質層をアルミニウム箔の外表面に形成した。最終的に生成したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を50℃温水中で洗浄し、その後100℃で30分乾燥を行い、固体電解質層を形成した。
膜厚計(Peacock社製:デジタルダイヤルゲージ DG-205(精度3μm))を用いて、アルミニウム箔を膜厚計の測定部にゆっくりと挟み、厚みを測定した。その結果、図2に模式図を示す周辺部の張り出した部分の厚み(h1)は260μm、中央部のくびれ部分の厚み(h2)は210μmであり、膜厚の差(h1−h2)は50μmであった。
次に、厚み測定したアルミニウム箔の導電性重合体組成物層を形成した部分を間隙の最小値が140μmである金型にて約1.5kg/mm2の圧力で圧縮成形した。次いで、同様に厚みを測定した。その結果、図2に模式図を示す最大厚み(h1)は180μm、最小厚み(h2)は170μmであり、膜厚の差(h1−h2)は10μmであった。圧縮後の固体電解質層の厚みの差の減少率(ΔH)は80%、圧縮率は約30%であった。
次に、固体電解質層を形成した3mm×4mmの部分を、15質量%アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて3.8Vの電圧を印加し、再化成を行った。
次に、図3に示すように上記アルミニウム箔の導電性重合体組成物層を形成した部分にカーボンペーストと銀ペーストを付けて上記アルミニウム箔を4枚積層し、陰極リード端子を接続した。また、導電性重合体組成物層の形成されていない部分には陽極リード端子を溶接により接続した。更に、この素子をエポキシ樹脂で封止した後、125℃で定格電圧(2V)を印加して2時間エージングを行い、合計30個のコンデンサを完成させた。
これら30個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100(%))、等価直列抵抗(ESR)、それに漏れ電流を測定した。尚、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良率を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
実施例2(1)〜2(3):
実施例1において、同一製造条件で固体電解質を形成後、圧縮と積層を各種組み合わせて実施した。
実施例2(1):
固体電解質を設けた基板をその表面にカーボンペーストと銀ペーストを塗布した後、厚み方向に圧縮し、得られたアルミニウム箔4枚を積層し、陰極リード端子を接続した以外は実施例1と同様に組み立てた。
実施例2(2):
固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮したコンデンサ素子を4枚積層した後、積層の厚み方向に圧縮して、カーボンペーストと銀ペーストを付けて陰極リード端子を接続した以外は実施例1と同様に組み立てた。
実施例2(3):
固体電解質を設けた基板を4枚積層した後、積層の厚み方向に圧縮して、カーボンペーストと銀ペーストを付けて陰極リード端子を接続した以外は実施例1と同様に組み立てた。
これらから得られたコンデンサについて、実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
実施例3:
実施例1において、3,4−エチレンジオキシチオフェンに代えてピロールとし、この時、ピロール溶液は含浸後、3℃で5分間乾燥し、さらに酸化剤溶液含浸後、5℃で10分間重合する以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。
実施例1と同様にして測定した固体電解質層の最大厚み(h1)は290μm、最小厚み(h2)は230μmであり、膜厚の差(h1−h2)は60μmであった。次いで、圧縮後は、最大厚み(h1)は200μm、最小厚み(h2)は180μmであり、膜厚の差(h1−h2)は20μmであった。圧縮後の固体電解質層の厚みの差の減少率(ΔH)は66.7%であった。
得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
比較例1:
実施例1において、作製したコンデンサ素子を圧縮成形しないで用いた以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。
実施例1と同様にして測定した固体電解質層の最大厚み(h1)は260μm、最小厚み(h2)は210μmであり、膜厚の差(h1−h2)は50μmであった。
得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
比較例2:
実施例1において、重合回数を15回として作製したコンデンサ素子を圧縮しないで用いた以外は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成させた。
実施例1と同様にして測定した固体電解質層の最大厚み(h1)は180μm、最小厚み(h2)120μmであり、膜厚の差(h1−h2)は60μmであった。得られたコンデンサ素子について実施例1と同様に行った特性評価の結果を表1に示す。
Figure 2004186684
実施例1〜3及び比較例1〜2の結果から、圧縮成形して固体電解質層を平らにして厚さ差(△H)を極力小さくした固体電解コンデンサは、高容量、低ESRであり、かつ漏れ電流、不良率が小さく優れていることが判明した。
実施例4:
アルミニウム箔の導電性重合体組成物層を形成した基板を2枚重ねて後に導電性重合体組成物層を形成した部分を圧縮成形し実施例1と同様にして測定した単板2枚積層した素子における固体電解質層の最大厚み(h1)は430μm、最小厚み(h2)は400μmであり、膜厚の差(h1−h2)は30μmであった。
実施例5:
アルミニウム箔の導電性重合体組成物層を形成した基板を2枚重ねて後に導電性重合体組成物層を形成した部分を圧縮成形した基板を2枚重ねてさらに圧縮成形した以外は実施例1と同様にして測定した単板4枚積層した素子における固体電解質層の最大厚み(h1)は780μm、最小厚み(h2)は760μmであり、膜厚の差(h1−h2)は20μmであった。
本発明の固体電解コンデンサは、弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、有機高分子の導電性重合体からなる固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮したコンデンサ素子を用いるものであり、形状のバラツキが少なくかつ薄いコンデンサ素子を安定して作製することができること、高さの低い小型で高容量の積層型固体電解コンデンサを構築できること、固体電解コンデンサは短絡不良が無く安定した性能を有すること等の特長を有する。
コンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサの断面図。 実施例1のコンデンサ素子部の模式縦断面図。 コンデンサ素子を積層して得られた固体電解コンデンサの断面図。
符号の説明
1 陽極基体
2 誘電体(酸化皮膜)層
3 マスキング
4 半導体(固体電解質)層
5 導電体層
6,7 リード線
8 封止樹脂
9 固体電解コンデンサ

Claims (26)

  1. 弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体を含む固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮したコンデンサ素子を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体を含む固体電解質を設けた基板を厚み方向に圧縮し固体電解質層上に陰極層を設けたコンデンサ素子を有する請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 弁作用金属多孔体の誘電体皮膜上に導電性重合体を含む固体電解質が化学重合あるいは電気化学重合で設けたものである請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 固体電解質層を設けた素子の圧縮後の厚さが最大高さ(Rmax)250μm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、導電性重合体を含む固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮し導電性重合体層の厚みを均一化した後、固体電解質層上に陰極層を設けたコンデンサ素子を有する請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 圧縮前の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHamax、最小厚みをHamin、圧縮後の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHbmax、最小厚みをHbminとしたとき、下記式で示される厚みの差の減少率ΔHが5〜95%の範囲にある請求項1乃至5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ:
    Figure 2004186684
  7. 固体電解質層を設けた基板全体の圧縮率が5〜90%である請求項1乃至6のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  8. 固体電解質の導電性重合体が、誘電体皮膜を有する弁作用金属基板上で有機高分子のモノマーの溶液化学酸化重合または気相化学酸化重合で形成された請求項1乃至7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  9. 固体電解質の導電性重合体が、誘電体皮膜を有する弁作用金属基板を有機高分子のモノマー含有液及び酸化剤含有液中に交互に浸漬する操作を繰り返すことにより形成される請求項1乃至7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  10. 弁作用金属多孔体基板が平板状または箔状である請求項1乃至9のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  11. 弁作用金属多孔体が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウムおよび珪素から選ばれる単体金属、またはこれらの合金である請求項1乃至10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  12. 導電性重合体を形成する有機高分子のモノマーが複素五員環を含む化合物またはアニリン骨格を有する化合物である請求項1乃至11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  13. 複素五員環を含む化合物が、チオフェン骨格または多環状スルフィド骨格を有する化合物である請求項12に記載の固体電解コンデンサ。
  14. チオフェン骨格を有するモノマー化合物が3−エチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3,4−ジメチルシチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、または3,4−エチレンジオキシチオフェンである請求項13に記載の固体電解コンデンサ。
  15. 導電性重合体の固体電解質層の一部がラメラ構造あるいはフィブリル構造を有している請求項1乃至14のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載のコンデンサ素子を複数枚積層してなる積層型固体電解コンデンサ。
  17. 弁作用金属多孔体基板表面の誘電体皮膜上に、有機高分子のモノマーを酸化剤により酸化重合した導電性重合体からなる固体電解質層を設けた基板を複数枚積層して厚み方向に圧縮し、固体電解質層の外表面上に陰極層を設けたコンデンサ素子を含むことを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
  18. 固体電解質層を設けた積層基板全体の圧縮率が5〜90%である請求項17記載の積層型固体電解コンデンサ。
  19. 誘電体皮膜の多孔体を有する弁作用金属基板の表面に、酸化剤の作用により導電性重合体を形成するモノマー含有液と酸化剤含有液とを用いて、導電性重合体の固体電解質層を形成した後、導電性重合体を設けた基板を厚み方向に圧縮し、ついで固体電解質層上に陰極層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  20. 誘電体皮膜の多孔体を有する弁作用金属基板の表面に、酸化剤の作用により導電性重合体を形成するモノマー含有液と酸化剤含有液とを用いて導電性重合体の固体電解質層を形成した後、導電性重合体を設けた基板を複数枚積層した後、厚み方向に圧縮し、ついで固体電解質層の外表面上に陰極層を設けることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  21. 誘電体皮膜の多孔体を有する弁作用金属基板の表面に、酸化剤の作用により導電性重合体を形成するモノマー含有液と酸化剤含有液とを用いて導電性重合体の固体電解質層を形成し、ついで固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮した後、固体電解質層上に陰極層を設け、ついで陰極層を厚み方向に圧縮することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  22. 固体電解質層を設けた基板全体を5〜90%の圧縮率で圧縮する請求項19乃至21のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  23. 圧縮前の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHamax、最小厚みをHamin、圧縮後の基板を含めた導電性重合体層の最大厚みをHbmax、最小厚みをHbminとしたとき、下記式で示される厚みの差の減少率ΔHが5〜95%の範囲となるように圧縮する請求項19乃至21のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法:
    Figure 2004186684
  24. 固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮する工程後に、再化成工程を有する請求項19乃至23のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  25. 固体電解質層を設けた基板を厚み方向に圧縮する工程後に、加湿エージング工程を有する請求項19乃至23のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  26. 加湿エージング工程が、火花電圧以下の化成電圧下、20〜95℃、40〜95%RHの条件で行われる請求項25に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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