JP2001274040A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001274040A
JP2001274040A JP2000089092A JP2000089092A JP2001274040A JP 2001274040 A JP2001274040 A JP 2001274040A JP 2000089092 A JP2000089092 A JP 2000089092A JP 2000089092 A JP2000089092 A JP 2000089092A JP 2001274040 A JP2001274040 A JP 2001274040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic capacitor
solid electrolytic
conductive
solid electrolyte
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000089092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4478906B2 (ja
Inventor
Hideki Oohata
英樹 大籏
Ryuji Kadota
隆二 門田
Atsushi Sakai
厚 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2000089092A priority Critical patent/JP4478906B2/ja
Priority to US09/818,530 priority patent/US6556427B2/en
Publication of JP2001274040A publication Critical patent/JP2001274040A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4478906B2 publication Critical patent/JP4478906B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/025Solid electrolytes
    • H01G9/028Organic semiconducting electrolytes, e.g. TCNQ
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/22Electrodes
    • H01G11/30Electrodes characterised by their material
    • H01G11/48Conductive polymers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性重合体からなる固体電解質層を設けた
固体電解コンデンサにおける固体電解質の密着性を向上
させ、機械的強度、高容量化、低インピーダンス化そし
て耐湿負荷特性が良好かつ耐熱性に優れた固体電解コン
デンサを提供する。 【解決手段】 微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体
皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボ
ンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してな
る固体電解コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペ
ーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に
形成されている固体電解質層、または固体電解質層及び
微細細孔内に浸透していることを特徴とする固体電解コ
ンデンサ、及びそのコンデンサの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充填性が良く、高
い導電性を有し、耐熱性があり、熱劣化が小さく、耐湿
性が高い導電性カーボンペーストを用いた固体電解コン
デンサに関する。さらに詳しく言えば、微細孔を有する
弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固体電解質層を形成
し、さらにその上に導電性カーボンペースト層及び導電
性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解コンデンサ
において、導電性カーボンペーストのバインダーが固体
電解質層の内部、あるいは固体電解質層の内部と細孔内
部に浸透することにより導電性材料と誘電体皮膜及び固
体電解質との密着性が向上した、機械的強度、高容量
化、低インピーダンス化そして耐湿負荷特性が良好かつ
耐熱性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解コンデンサ素子は、一般にエッ
チング処理された比表面積の大きな金属箔からなる陽極
基体に誘電体の酸化皮膜層が形成され、この外側に対向
する電極として固体の半導体層(以下、固体電解質と略
する。)が形成され、そして望ましくはさらに導電性ペ
ーストなどの導電体層を形成して作製される。素子全体
はさらにエポキシ樹脂等で完全に封止されたコンデンサ
部品として幅広く電気製品に使用されている。
【0003】近年、電気機器のデジタル化、パーソナル
コンピュータの高速化などの要望に応えるべく、固体電
解コンデンサに対して小型で大容量、高周波領域におけ
る低インピーダンス特性などが要求されてきている。固
体電解コンデンサに対するこれらの要求に応えるべく、
固体電解質として導電性高分子などの適用が行われ、コ
ンデンサ素子の能力向上に大きな効果が発揮できるよう
になってきているが、コンデンサ素子の固体電解質外面
を被覆する導電性ペーストにも性能の向上が要求されて
いる。
【0004】固体電解コンデンサなどに使用される導電
性ペーストの導電性材料としては、金、銀、銅などの金
属粉が用いられる。これらの中でもコスト、性能の面か
ら銀粉が広く用いられているが、銀はマイグレーション
するため、例えば固体電解コンデンサ用などの用途によ
っては予め導電性カーボンペーストを塗布しておき、そ
の上に導電性銀ペーストを使用することが必要となって
くる。
【0005】導電性カーボンペーストを構成する導電性
材料、バインダー及び溶媒については多くの提案があ
る。導電性カーボンペースト用の導電性材料としては、
例えば天然黒鉛(10〜20μm)とカーボンブラック
の併用(特開平9-31402号公報)、粒径数十ミクロンの
カーボンを用い導電体炭素層から突き出る粒子によるア
ンカー効果を狙ったもの(特開平5-7078号公報)、導電
性材料とバインダーの組合せとして、20μm以下のカ
ーボンブラックと合成樹脂(特開平4-181607号公報)、
フレーク状黒鉛粉及び微小黒鉛粉(アスペクト比10以
上、平均粒子径10μm以下)とエポキシ樹脂(特開平
7-262822号公報)、黒鉛と含フッ素ポリマー、例えばP
TFE微粒子を使用したもの(特開昭61-69853号公
報)、また導電性材料と溶媒の組合せとして、カーボン
粉末とグリシジルエーテルを使用したもの(特開平4-17
7802号公報)が提案されている。
【0006】バインダー用の合成樹脂としては、ポリエ
チレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが提案され
ている。これらの導電性カーボンペーストについては、
前記した天然黒鉛、カーボンブラックが、またバインダ
ーとしてはエポキシ樹脂が広く使用されている。
【0007】しかし、天然黒鉛を使用した導電性カーボ
ンペーストは、天然黒鉛が鱗片状であるため充填性(密
着性)が悪く、また不純物が多いため導電性が低い欠点
があるほか、塗布後の表面の起伏が少ないため界面での
剥離が起きやすく、またインピーダンスの熱劣化を起こ
しやすい欠点を有していた。カーボンブラックを用いた
導電性カーボンペーストは粉末粒子が極めて小さいため
充填性を高くすることができず、導電性を高くすること
が困難であるという天然黒鉛と同様の問題がある。ま
た、これら天然黒鉛やカーボンブラック系の導電性カー
ボンペーストではペースト作製時に分散処理が必要とな
る問題もあった。
【0008】一方、バインダーとしてのエポキシ樹脂は
コストが低く、取り扱いが容易な有利性があるが、剛性
が高く、チップの大型化に伴い、リフローなどの際の加
熱時においてチップとリードフレーム間に生じる応力の
低減に対する緩和能力が小さいこと、吸水性が高く耐湿
劣化が起きやすいことなどの問題点を有している。
【0009】固体電解質と導電性ペースト層との密着性
の向上に関しては、弁作用金属の陽極体に、酸化皮膜
層、半導体層、導電体炭素層、陰極導電体層を順次形成
してなる固体電解コンデンサにおいて、前記導電体炭素
層が非水溶性樹脂、耐熱性無機粉末、導電体炭素粉末か
らなるものを使用する提案がなされている(特開昭62-8
513号公報)。この場合、導電体炭素粉末を含む非水溶
性樹脂と固体電解質である二酸化マンガン層との密着性
が強いために、耐湿、耐熱試験でのインピーダンス増大
を抑えることができるとしている。
【0010】また、特開平2-260525号公報には、固体電
解コンデンサを製造するに際し、電解酸化による表面酸
化皮膜を有する化成箔(陽極箔及び陰極箔)を用い、こ
の陽極箔及び陰極箔上に化学的重合及び電解重合により
ポリピロール重合膜を形成させ、多孔質セパレータを介
してこれらを巻回し、多孔質セパレータに導電ペースト
を含浸して素子を作製し、封止して製品化することを特
徴とする固体電解コンデンサの製造方法が記載されてい
る。この場合、ポリピロール重合膜と導電ペーストを含
浸させた多孔質セパレータとは広い面積にわたって接触
しているため強度が向上し、導電ペーストを使用して陰
極を取り出す場合に見られる接着部分の不確実性による
信頼性の問題が解消されるとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開昭 62-8513号公報
記載の技術では、導電体炭素粉末を含む非水溶性樹脂と
固体電解質である二酸化マンガン層との密着性が強いた
めに、耐湿、耐熱試験でのインピーダンスの増大が抑え
られるが、この技術は固体電解質が二酸化マンガンに限
定されており、固体電解質として導電性重合体を使用す
る固体電解コンデンサについての密着性を保証する技術
ではない。また、特開平2-260525号公報記載の技術では
多孔質セパレータを使用し、かつポリピロール重合膜と
導電ペーストを含浸させた多孔質セパレータとを広い面
積にわたって接触させる必要があり、密着性については
接触面積に言及しているのみである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微細孔を
有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に導電性重合体の
固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペース
ト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電
解コンデンサにおいて、導電性カーボンペーストのバイ
ンダーが微細孔内部及びその上に形成された固体電解質
層に浸透する、特にバインダー成分としてゴム弾性を有
する材料を使用することにより、導電性金属材料層との
密着性と誘電体皮膜及び固体電解質との密着性が向上
し、高性能の固体電解コンデンサが得られることを見出
し本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は以下の固体電解コンデ
ンサとその製造方法を提供する。 1)微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固
体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト
層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解
コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペーストのバ
インダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されて
いる固体電解質層に浸透していることを特徴とする固体
電解コンデンサ。 2)微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体皮膜上に固
体電解質層を形成し、その上に導電性カーボンペースト
層及び導電性金属粉ペースト層を形成してなる固体電解
コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペーストのバ
インダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されて
いる固体電解質層及び弁作用金属の微細孔内部に浸透し
ていることを特徴とする固体電解コンデンサ。 3)導電性カーボンペーストのバインダーが、330℃
以下の温度で軟化し、ペーストの溶媒に膨潤または懸濁
可能なゴム弾性を有する材料を含む前記1または2に記
載の固体電解コンデンサ。 4)ゴム弾性を有する材料が、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ニトリルゴム、
ブチルゴム、エチレン/プロピレン共重合体、アクリル
ゴム、多硫化系ゴム、フッ素系ポリマー、シリコーンゴ
ム、熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる少な
くとも1種の材料である前記3に記載の固体電解コンデ
ンサ。
【0014】5)導電性カーボンペースト中の固形分
が、導電性材料30〜99質量%、バインダー1〜70
質量%である前記1乃至4のいずれかに記載の固体電解
コンデンサ。 6)導電性材料が、人造黒鉛を80質量%以上含む材料
である前記5に記載の固体電解コンデンサ。 7)人造黒鉛が、固定炭素分97質量%以上、平均粒子
径1〜13μm、アスペクト比10以下、粒子径32μ
m以上の粒子が12質量%以下である前記6に記載の固
体電解コンデンサ。 8)前記固体電解質層の少なくとも一部が層状構造を有
している前記1乃至7のいずれかに記載の固体電解コン
デンサ。 9)前記固体電解質層の層状構造の層間の少なくとも一
部に空間部を有している前記8に記載の固体電解コンデ
ンサ。
【0015】10)層状構造を有する固体電解質の1層
当たりの厚さが0.1乃至0.3μmの範囲である前記
8または9に記載の固体電解コンデンサ。 11)弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオ
ブ、チタン、ジルコニウム及びそれらの合金から選ばれ
る前記1乃至10のいずれかに記載の固体電解コンデン
サ。 12)固体電解質層が導電性重合体からなり、前記導電
性重合体を形成するモノマーが複素五員環を含む化合物
である前記1乃至11のいずれかに記載の固体電解コン
デンサ。 13)固体電解質層が導電性重合体からなり、前記導電
性重合体を形成するモノマーがアニリン骨格を有する化
合物である前記1乃至11のいずれかに記載の固体電解
コンデンサ。 14)複素五員環を含む化合物が、ピロール、チオフェ
ン、フラン、多環状スルフィド及びそれらの置換誘導体
から選ばれる前記12に記載の固体電解コンデンサ。
【0016】15)複素五員環を含む化合物が下記一般
式(I)
【化2】 (式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して、水素
原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和も
しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエ
ステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級
もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換
フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。
またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結
合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とと
もに少なくとも1つ以上の3乃至7員環の飽和または不
飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成しても
よい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エス
テル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニ
ル、イミノの結合を任意に含んでもよい。)で示される
化合物である前記14に記載の固体電解コンデンサ。 16)複素五員環を含む化合物が3,4−エチレンジオ
キシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチアナフテン
から選ばれる化合物である前記15に記載の固体電解コ
ンデンサ。
【0017】17)微細孔を有する弁作用金属表面の誘
電体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カ
ーボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成し
てなる固体電解コンデンサの製造方法において、導電性
カーボン材料、330℃以下の温度で軟化しゴム弾性を
有するバインダー及び溶媒を含むペーストを用いて導電
性カーボンペーストを形成することを特徴とする固体電
解コンデンサの製造方法。 18)導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金
属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層に
浸透している前記17に記載の固体電解コンデンサの製
造方法。 19)導電性カーボンペーストのバインダーが弁作用金
属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体電解質層及
び弁作用金属の微細孔内部に浸透している前記17に記
載の固体電解コンデンサの製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解コンデンサ用の
陽極としては弁作用を有するアルミニウム、タンタル、
ニオブ、チタン、ジルコニウム等の単体金属またはこれ
らの合金の金属箔をエッチングしたもの、あるいは微粉
焼結体など表面積を大きくしたものが使用できる。本発
明において誘電体皮膜は上記弁作用を有する金属の多孔
質形成体を化成処理することにより形成される。化成処
理に用いる化成液、化成電圧等の化成条件は、製造する
固体電解コンデンサに必要な容量、耐電圧等に応じて任
意に設定して決めることができる。
【0019】本発明に使用する金属表面の誘電体皮膜多
孔質体の細孔形状、細孔分布等はエッチング条件や化成
電圧、化成液の種類、電流密度等、その製造方法によっ
て異なり、また用いるバインダーの軟化状態におけるバ
インダーの表面張力等と密接な関係にあるため、一概に
決めることができないが、バインダーの多孔質体(細孔
内部)への浸透が妨げられない構造体であればよい。
【0020】本発明において使用する導電性カーボンペ
ーストは、導電性材料としてのカーボン、バインダー及
び溶媒を主たる構成物としている。カーボンとしては、
人造黒鉛粉を少なくとも80質量%以上含む材料を使用
することが好ましい。天然黒鉛、カーボンブラックなど
を併用して人造黒鉛粉が80質量%未満となる時は、得
られる導電性カーボンペーストとして十分な電気伝導度
を確保できない。導電性カーボン材料中の人造黒鉛粉の
使用量は、より好ましくは95質量%以上、さらに好ま
しくは100質量%である。導電性カーボンペーストの
残りの部分は銀、金、銅などの金属粉、カーボンブラッ
ク、天然黒鉛、その他の導電性物質粉である。
【0021】上記人造黒鉛粉は、バインダーの固体電解
質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げない材
料であれば差し支えないが、好ましくは固定炭素分97
質量%以上、平均粒子径が1〜13μm、アスペクト比
が10以下であって、粒子径32μm以上の粒子が12
質量%以下のものである。鱗片状、あるいは葉片状の天
然黒鉛は、アスペクト比が常に10以上である点で本発
明で使用する導電性材料(人造黒鉛粉)とは異なる。人
造黒鉛のアスペクト比が高いほど導電性カーボンペース
トとしての充填性が低下し、ペーストの電気抵抗を高め
るため、アスペクト比は10以下である必要がある。こ
のような人造黒鉛は天然黒鉛やカーボンブラックに比較
して純度が高く、充填率を高くすることができ、熱によ
る劣化も小さい特性を有しているが、バインダーの固体
電解質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げな
い特性及び構造であれば何ら差し支えなく利用すること
ができる。
【0022】また、黒鉛分の固定炭素分もペーストの電
気抵抗に影響があり、人造黒鉛粉の固定炭素分が高いほ
ど抵抗値を低くできるが、上記同様にバインダーの固体
電解質層内及び弁作用金属の微細孔内への浸透を妨げな
い固定炭素分であれば何ら差し支えない。従って、本発
明の目的を達成するためには固定炭素分が97質量%以
上の人造黒鉛粉を使用することが好ましい。ここで、固
定炭素分とは炭素含量の目安となる値で、JIS法(JI
S K2425 )、炭素協会法、ASTM法、BS法により測
定される。人造黒鉛粉の平均粒子径は、導電性カーボン
ペーストの均一な塗布性を得るためには1〜13μmの
ものであるが、バインダーの固体電解質層内及び弁作用
金属の微細孔内への浸透を妨げない平均粒子径であれば
何ら差し支えない。平均粒子径が13μmを越える人造
黒鉛粉を使用すると均一なペースト層が得られない場合
がある。このような人造黒鉛粉を使用した時には、コン
デンサ特性における誘電損失(tanδ)、等価直列抵
抗(ESR)などが悪化する。また平均粒子径が1〜1
3μmの範囲内にあっても、粗い粒子の量が多くなると
均一に塗布できなくなる。粒子径32μm以上の粒子の
含有量を12質量%以下とした時にはこの問題が発生し
ない。
【0023】導電性カーボンペーストのバインダー(結
合剤、集束剤)は、多量の固体粒子等を強く接着・固定
し成形強化するための成分であり、樹脂成分が主に使用
される。具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和アルキド樹脂、ポリスチレン、ゴム等が知ら
れている。好ましくはゴム弾性を有するもの(以下、ゴ
ム弾性体と言う。)で歪みを受けるとその歪みを元に戻
そうとする性質のある材料であり、330℃以下に融解
範囲(軟化点)を持つものである。ここで、融解範囲と
は、樹脂等の高分子では多分子性であるため融点が定か
でなく、ある温度範囲で融解することが知られているそ
の温度範囲を言う。また、ゴム弾性体の場合は融点が認
められないものもあるが(日本ゴム協会誌、52,No.11
,701(1979) )、330℃以下の温度範囲で内部摩擦
抵抗が減り流動性が上がるものが好ましい。これらゴム
弾性体の中でも好ましいのは、実施形態において溶剤に
膨潤または懸濁可能で、かつコンデンサ製造時のリフロ
ー処理に対して耐熱性に優れた材料である。
【0024】このような特性を有する材料の具体例とし
ては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン/ブ
タジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン/
プロピレン共重合体(EPM、EPDM等)、アクリル
ゴム、多硫化系ゴム、フッ素系ポリマー、シリコーンゴ
ム、他の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これら
の中でも、好ましいのは、EPM、EPDM、フッ素系
ポリマーである。ここで、フッ素系ポリマーはフッ素原
子を含むポリマーであるが、ポリマーを構成するモノマ
ーに含まれるフッ素原子の数には特に制限はない。これ
らのゴム弾性体は、一般に導電性カーボンペーストに使
用されているエポキシ樹脂に比べて弾性率、吸水率が低
く、接着部の応力緩和に効果があるものである。
【0025】前記フッ素系ポリマーとしては、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリ(クロロフルオロエチレ
ン)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプ
ロピレン(HFP)の二元共重合体、フッ化ビニリデ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレ
ンの三元共重合体、テトラフルオロエチレンを含む共重
合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体、
ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、含フッ素ア
クリレートゴム、含フッ素シリコーンゴム等を挙げるこ
とができるが、これらに限られるものではない。具体的
な製品の例としては、バイトン(登録商標,デュポン・
ダウ・エラストマー社製)、アフラス(登録商標、旭硝
子社製)等を挙げることができる。
【0026】導電性カーボンペーストに使用する溶媒
は、通常の導電性カーボンペーストに使用する溶媒と同
じものでよい。例えば、N−メチルピロリドン、N,N
−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、酢酸
ブチル等の溶媒を単独または混合して使用する。導電性
カーボンペーストに配合する溶媒量は、導電性ペースト
の使用目的に応じて、バインダーの固体電解質層内及び
弁作用金属(例えば、エッチドアルミニウム箔)の微細
孔内への浸透を妨げない粘度となるように配合すること
が必要である。通常はペーストの固形分に対して0.5
倍当量〜10倍当量を使用する。
【0027】導電性カーボンペースト中の導電性材料と
バインダー樹脂との配合比は、全固形分質量当たり導電
性材料が30〜99質量%、好ましくは50〜90質量
%、バインダー樹脂が1〜70質量%である。導電性材
料が30質量%より少ないと導電性カーボンペーストの
導電性が低くなり過ぎ、また99質量%を越えると、そ
の上に形成される導電性金属粉ペースト層の接着性や応
力緩和性が失われる。
【0028】導電性金属粉ペーストに用いられる導電性
金属粉としては銀粉の他、金、銅等の金属粉末、カーボ
ン粉末なども用いられることができるが、銀粉が最もよ
く、それが充填材全体の80重量%以上含むものが好ま
しい。粉末の粒度は平均粒径で1〜10μmが好まし
い。平均粒径が1μm未満では嵩密度が小さく、ペース
トの体積が大きくなり、導電体層の形成に不利である。
また平均粒径が10μmを超えると粗すぎて、陰極リー
ド端子との接続不良が起こり易い。
【0029】固体電解コンデンサを製造する際の誘電体
酸化皮膜上に導電性高分子を形成する手法としては、溶
液化学酸化重合法、気相化学酸化重合法、電解重合等が
用いられるが、溶液の表面張力の大小の如何によって
は、酸化皮膜への塗れ性等の影響から誘電体皮膜の内部
まで固体電解質層を形成することが妨げられることがあ
る。例えば、溶液化学酸化重合法としては、モノマーを
陽極基板の微細孔を有する誘電体皮膜上で、ドーパント
を供与できる化合物の存在下、酸化剤と空気中の水分の
作用によって酸化重合を起こさせ、生じた重合体組成物
を固体電解質として誘電体表面上に形成させる。そし
て、この製造工程を1つの陽極基体に対して1回以上、
好ましくは3〜30回繰り返すことによって、層状構造
を有し、層間に空間部を有する固体電解質を容易に形成
することができる。ここで形成される層状構造の層間に
空間部が存在することが本発明の固体電解コンデンサの
特性にとって重要な役割を果たしている。すなわち、層
間の空間部に導電性カーボンペーストのバインダーが浸
透することができるため、導電性材料と誘電体皮膜及び
固体電解質との密着性が向上して機械的強度、高容量
化、低インピーダンス化、耐湿負荷特性が良好で耐熱性
に優れた固体電解コンデンサが得られるものと考えられ
る。
【0030】例えば、好ましい製造工程の1例は、前記
誘電体皮膜層を形成した弁作用金属陽極箔を、酸化剤を
含む溶液(溶液1)に浸漬する工程とモノマー及びドー
パントを含む溶液(溶液2)に浸漬する工程を含むもの
である。浸漬の順序としては前記溶液1に浸積した後に
前記溶液2に浸漬する工程(正順)で行っても、また逆
順に前記弁作用金属陽極箔を前記溶液2に浸積した後に
前記溶液1に浸積する工程で行っても良い。
【0031】あるいは別の実施形態として、弁作用金属
陽極箔を、酸化剤とドーパントを含む溶液(溶液3)に
浸漬する工程とモノマーを含む溶液(溶液4)に浸漬す
る工程を含むものであってもよい。この場合も前記溶液
3に浸漬した後で前記溶液4に浸漬する工程(正順)で
行うか、または逆順に前記溶液4に浸漬した後で前記溶
液3に浸漬する工程を含む方法を採用しても良い。前記
溶液1乃至4としてはぞれぞれ含有成分が懸濁状態のも
のを用いても良い。さらには、前記浸漬工程に代えて、
塗布法を採用することもできる。溶液1乃至4の溶媒
は、同じでもあるいは異なっても良く、溶媒の種類に応
じて溶液1と溶液2の間、あるいは溶液3と溶液4の間
の工程に別途乾燥工程を入れても良い。また、固体電解
質形成後に溶媒による洗浄工程を設けてもよい。
【0032】前記本発明の製造方法において用いられる
溶媒または固体電解質形成後の洗浄用溶媒は、例えばテ
トラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエ
ーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類;ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NM
P)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロト
ン正極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類;クロロホルム、塩化メチレン等の非芳香族性の塩素
系溶媒;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン
等のニトロ化合物;メタノール、エタノール、プロパノ
ール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の
有機酸;該有機酸の酸無水物(例、無水酢酸等)または
水あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。好
ましくは、水、アルコール類、またはケトン類あるいは
それらの混合系が望ましい。このようにして製造された
固体電解質の電気伝導度は0.1 〜200S/cmの範囲
であるが、好ましくは1〜150S/cm、さらに好ま
しくは10〜100S/cmの範囲である。
【0033】本発明の固体電解コンデンサに用いられる
固体電解質を形成する導電性高分子としては、例えばチ
オフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を
有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨
格を有する化合物、アニリン骨格を有する化合物等で示
される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が挙
げられる。
【0034】導電性重合体の原料として用いられるモノ
マーのうち、チオフェン骨格を有する化合物としては、
一般式(I)
【化3】 (式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して水素原
子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和もし
くは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエス
テル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級も
しくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換フ
ェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。ま
たR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合
して、かかる基により置換を受けている炭素原子ととも
に少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和
炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成してもよ
い。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステ
ル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、
イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示されるも
のが挙げられる。
【0035】具体的には、3−メチルチオフェン、3−
エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチ
ルチオフェン、3−ペンチルチオフェン、3−ヘキシル
チオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチ
オフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェ
ン、3−フルオロチオフェン、3−クロロチオフェン、
3−ブロモチオフェン、3−シアノチオフェン、3,4
−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、
3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキ
シチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等
の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一
般には市販されている化合物または公知の方法(例え
ば、Synthetic Metals誌,1986年,15巻,169頁)で準
備できる。
【0036】また、例えば、多環状スルフィド骨格を有
する化合物としては、下記一般式(II)
【化4】 (式中、置換基R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、そ
れぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もし
くは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコ
キシ基、アルキルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シ
アノ基、1級、2級もしくは3級アミノ基、CF3基、
フェニル基及び置換フェニル基からなる群から選ばれる
一価の基を表わす。またR3、R4、R5、R6、R7及び
8の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結合して、かか
る基により置換を受けている炭素原子とともに少なくと
も1つ以上の3〜7員環の飽和または不飽和炭化水素の
環状構造を形成する二価鎖を形成してもよい。前記環状
結合鎖にはカルボニル、エーテル、エステル、アミド、
スルフィド、スルフィニル、スルホニル、イミノ等の結
合を任意に含んでもよい。kはチオフェン環と置換基R
3〜R6を有するベンゼン環に囲まれた縮合環の数を表わ
し、0〜3の整数値である。式中の縮合環には窒素また
はN−オキシドを任意に含んでもよいが、その数だけ置
換基R3〜R6はないことになる。)で示されるものが挙
げられる。
【0037】具体的には、1,3−ジヒドロ多環状スル
フィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェ
ン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト
[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物が使用で
きる。さらには1,3−ジヒドロアントラ[2,3−
c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロ
ナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合
物を挙げることができ、公知の方法、例えば特開平8-31
56号広報記載の方法により準備することができる。ま
た、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チ
オフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナ
ントラ[2,3−c]チオフェン誘導体、1,3−ジヒ
ドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有す
る化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ
[7,8−c]チオフェン誘導体等も使用できる。
【0038】縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に
含んでいる化合物もあり、1,3−ジヒドロチエノ
[3,4−b]キノキサリンや、1,3−ジヒドロチエ
ノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3
−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9
−ジオキシド等を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0039】また、ピロール骨格を有する化合物として
は、下記一般式(III)
【化5】 (式中、置換基R9及びR10は、それぞれ独立して水素
原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和も
しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエ
ステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級
もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換
フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。
またR9またはR10の炭化水素鎖は互いに任意の位置で
結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と
ともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不
飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成しても
よい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エス
テル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニ
ル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示され
るものが挙げられる。
【0040】具体的には、3−メチルピロール、3−エ
チルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロ
ール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、
3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノ
ニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロ
ール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−
シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−
ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4
−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキ
シピロール等の誘導体を挙げられるが、これらに限られ
ない。これらの化合物は、市販品または公知の方法で準
備できる。
【0041】また、フラン骨格を有する化合物として
は、下記一般式(IV)
【化6】 (式中、置換基R11及びR12は、それぞれ独立して水素
原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和も
しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエ
ステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級
もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換
フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。
またR11またはR12の炭化水素鎖は互いに任意の位置で
結合して、かかる基により置換を受けている炭素原子と
ともに少なくとも1つ以上の3〜7員環の飽和または不
飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成しても
よい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エス
テル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニ
ル、イミノ等の結合を任意に含んでもよい。)で示され
るものが挙げられる。
【0042】具体的には、3−メチルフラン、3−エチ
ルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3
−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチル
フラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−
デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラ
ン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジ
メチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ブチ
レンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4
−エチレンジオキシフラン等の誘導体が挙げられるが、
これらに限られるものではない。これらの化合物は市販
品または公知の方法で準備できる。
【0043】また、アニリン骨格を有する化合物として
は、下記一般式(V)
【化7】 (式中、置換基R13、R14、R15及びR16は、それぞれ
独立して、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽
和もしくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキ
ルエステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、
2級もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び
置換フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わ
す。またR13、R14、R15及びR16の炭化水素鎖は互い
に任意の位置で結合して、かかる基により置換を受けて
いる炭素原子とともに少なくとも1つ以上の3〜7員環
の飽和または不飽和炭化水素の環状構造を形成する二価
鎖を形成してもよい。前記環状結合鎖にはカルボニル、
エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルフィニ
ル、スルホニル、イミノ等の結合を任意に含んでもよ
い。)で示されるものが挙げられる。
【0044】具体的には、2−メチルアニリン、2−エ
チルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニ
リン、2−ペンチルアニリン、2−ヘキシルアニリン、
2−ヘプチルアニリン、2−オクチルアニリン、2−ノ
ニルアニリン、2−デシルアニリン、2−フルオロアニ
リン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−
シアノアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−
ジエチルアニリン、2,3−ブチレンアニリン、2,3
−メチレンジオキシアニリン、2,3−エチレンジオキ
シアニリン等の誘導体が挙げられるが、これらに限られ
るものではない。これらの化合物は、市販品または公知
の方法で準備できる。
【0045】また上記化合物群から選ばれる化合物を併
用し、共重合体として固体電解質を形成させても良い。
その時の重合性単量体の組成比などは重合条件等に依存
するが、好ましい組成比、重合条件などは簡単なテスト
により確認できる。例えば、3,4−エチレンジオキシ
チオフェンモノマー及び酸化剤を好ましくは溶液の形態
において、前後して別々にまたは一緒に金属箔の酸化皮
膜層に塗布して形成する方法(特開平2-15611 号公報や
特開平10-32145号公報)等が利用できる。一般に導電性
重合体には、アリールスルホン酸塩系ドーパント、例え
ばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノ
ンスルホン酸などの塩を用いることができる。
【0046】導電性カーボンペーストのバインダーを、
固体電解質層あるいは固体電解質と誘電体皮膜の細孔内
部に浸透させる手法としては、(1)導電性ペースト溶液
に導電性高分子の固体電解質層が形成された素子を直接
浸漬してその浸透圧を利用する方法、(2)固体電解コン
デンサの製造プロセスの外装封止時に加熱及び/または
加圧する工程を経て注入する方法、(3)不良品選別工程
(デバッギング工程)での検査におけるリフロー耐熱
性、ヒートサイクル特性評価等の検査評価時の加熱工程
で内部に浸透させる方法などが挙げられる。上記いずれ
の操作によっても箔内部へのバインダーを含浸させるこ
とが可能である。
【0047】バインダーが弁作用金属表面に形成されて
いる固体電解質層の内部、あるいは弁作用金属表面に形
成されている固体電解質層及び誘電体皮膜に浸透してい
ることは、製品形態となったコンデンサを解体し、箔と
固体電解質層の密着性を解析する際、箔内部から粘凋な
高分子が引っぱり出されている形態の観察によって容易
に確認することができる。
【0048】このようにして形成した層状構造を有し、
層間に空間部を有する固体電解質上に上記導電性ペース
ト層を形成した固体電解コンデンサが優れた性能を有す
る理由としては、バインダーが導電性高分子からなる固
体電解質層内、あるいは固体電解質層及び弁作用金属
(例えば、エッチドアルミニウム箔)の微細孔内部へ浸
透してアンカー効果を発現するために密着性が向上し、
また電極の外部応力に対する緩和能力に優れ、このこと
により耐熱性が高く、ESR、インピーダンスが低く、
またインピーダンスの熱劣化が小さく、更に耐湿性に優
れた性能を発揮するものと考えられる。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、下記の実施例によって本発明は何ら限定されるも
のではない。
【0050】実施例1:導電性材料としてアスペクト比
が3〜1.5、平均粒子径が3μm、粒子径が32μm以
上である粒子が2質量%以下、固定炭素分が99質量%
である人造黒鉛粉末(昭和電工(株)製UFG−5)1
00質量部にバインダー樹脂としてバイトンSVX(登
録商標,デュポン・ダウ・エラストマー社製、フッ化ビ
ニリデン、六フッ化プロピレン及び四フッ化エチレンの
共重合体、比重1.85、二次転移温度(Tg)約−16
℃、ムーニー粘度(121℃)110)の酢酸ブチル懸
濁液を前記樹脂固形分が人造黒鉛粉末100質量部に対
して70質量部となるように投入して、これを24時間
撹拌して導電性カーボンペーストを作製した。次に、規
定容量が119μF/cm2のエッチドアルミニウム箔
を3mm×10mmに切り出し、長軸方向を4mmと5
mmの部分に区切るように、両面に幅1mmのポリイミ
ド溶液を周状に塗布、乾燥させマスキングを作成した。
このエッチドアルミニウム箔の3mm×4mmの部分
を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で13
Vの電圧を印加して再化成し、これにより切り口部分に
誘電体酸化皮膜を形成した。次にこのアルミニウム箔の
3mm×4mmの部分を、3,4−エチレンジオキシチ
オフェン(バイエル社製 Baytron M(登録商標))を5
g溶解させた1.2mol/Lのイソプロピルアルコール
溶液に含浸し、懸濁させた2−アントラキノンスルホン
酸ナトリウムが0.07質量%となるように調製した2mo
l/Lの過硫酸アンモニウム水溶液に浸漬した。続いて
このアルミニウム箔を約40℃の大気中で約10分間放
置することで酸化的重合を行った。さらにこの含浸工程
及び重合工程を全体で25回となるようにして、導電性
高分子の固体電解質層をエッチドアルミニウム箔の微細
孔内及び箔外表面に形成した。最終的に生成したポリ
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を50℃温水
中で洗浄し、その後100℃で30分乾燥を行い、固体
電解質層を形成した。
【0051】かくして得られた導電性高分子層を形成し
たアルミニウム箔の断面を走査電子顕微鏡(SEM)
(倍率10000倍)で調べたところ、図1に示すように導
電性高分子層が金属アルミニウム上の誘電体(アルミ
ナ)の微細孔内の表面に層状構造をなして覆い尽くして
おり、また層状導電性高分子層間に空間部が存在するこ
とが確認された。ここで、微細孔構造の外部表面に形成
された導電性高分子層の厚さは約5μmであり、層構造
を形成する1層当たりの厚さは約0.1〜0.3μmの範囲で
あった。次に前記アルミニウム箔の導電性高分子層を形
成した部分に前記方法で作製した導電性カーボンペース
トを塗布した後、100℃、30分間熱処理を行い、前
記導電性高分子上にカーボンペーストによる導電層を形
成した。次に、銀ペーストをつけて陰極リード端子を接
続し、また導電性高分子層の形成されていない部分には
陽極リード端子を溶接により接続した素子をエポキシ樹
脂で加圧封止した後、125℃で定格電圧を印加して2
時間エージングを行い、合計60個のコンデンサを完成
させた。そのうち無作為に選別した1個を解体して、素
子を破断し、固体電解質と箔外表面の境界を観察したと
ころ、図2に示すように固体電解質層と箔との間に粘凋
な糸状高分子が見られた。また、電子線マイクロアナラ
イザー(EPMA)を使用して特定の元素(フッ素元
素)の二次元的な分布状態をマッピング法で観察した結
果、バインダー樹脂が固体電解質層内部、誘電体表面の
細孔内に浸透していることがわかった。
【0052】コンデンサのうち、無作為に選別した30
個のコンデンサ素子について、初期特性として120H
zにおける容量と損失係数(tanδ)、共振周波数に
おけるインピーダンス、漏れ電流を測定した。なお、漏
れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1に
これらの測定値の平均値と、0.59μA(0.002CV)以
上の漏れ電流を不良品としたときの不良率およびショー
ト品の数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品
を除いて計算した値である。また、表2にはリフロー試
験およびこれに続いて行った耐湿試験での結果を示し
た。ここで、リフロー試験は230℃の温度領域を30
秒間通過させ、その後定格電圧(6.3V)を印加し、1
分後の漏れ電流を測定し、判定として3μA未満を合格
品とした。また、耐湿試験は85℃、85%RHの高温
高湿下に240時間放置後、定格電圧(6.3V)を印加
し、1分後の漏れ電流を測定した。耐湿試験における漏
れ電流値の判定は11.8μA(0.04CV)未満を合格品と
した。
【0053】実施例2:実施例1において、過硫酸アン
モニウムに代えて硫酸第2鉄を、また3,4−エチレン
ジオキシチオフェンに代えて1,3−ジヒドロイソチア
ナフテンとした以外は、実施例1と同様にして30個の
コンデンサを完成させた。これらコンデンサ素子の特性
評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1および表
2に示した。
【0054】実施例3:実施例1において、3,4−エ
チレンジオキシチオフェンに代えてピロールとした以外
は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成さ
せた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同
様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0055】実施例4:実施例1において、3,4−エ
チレンジオキシチオフェンに代えてフランとした以外
は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成さ
せた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同
様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0056】実施例5:実施例1において、3,4−エ
チレンジオキシチオフェンに代えてアニリンとした以外
は、実施例1と同様にして30個のコンデンサを完成さ
せた。これらコンデンサ素子の特性評価を実施例1と同
様に行い、その結果を表1および表2に示した。
【0057】比較例1:バインダー樹脂をエポキシ樹脂
であるエピコート828(登録商標、油化シェルエポキ
シ(株)社製、比重1.17、融点(デュラン水銀法)8〜
12℃、粘度(25℃)120〜150ポイズ)に代え
た以外は、実施例1と同様にして合計30個のコンデン
サを完成させ、コンデンサの特性評価を行った。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明は導電性ペーストを構成するバイ
ンダーを、弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されて
いる固体電解質層、または弁作用金属表面の誘電体皮膜
上に形成されている固体電解質層及び弁作用金属多孔質
体の細孔内部に浸透させることにより、誘電体皮膜及び
固体電解質と導電性ペースト層との密着性及び機械的強
度を高めたものである。本発明によれば、高容量化、低
インピーダンス化そして耐湿負荷特性の良好かつ耐熱性
の優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 層状構造を示す固体電解質層のSEM写真
(倍率10000倍)である。
【図2】 固体電解質と箔外表面の境界部におけるバイ
ンダー樹脂の侵入状況を示すSEM写真(倍率1000倍)
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65/00 H01G 9/02 331G H01G 9/04 331F 9/00 9/05 G 9/24 C (72)発明者 坂井 厚 長野県大町市大字大町6850番地 昭和電工 株式会社大町工場内 Fターム(参考) 4J002 AC031 AC061 AC071 AC141 BB151 BB181 BC031 BC051 BD121 BG041 CC031 CD001 CE002 CF011 CH122 CN022 CP031 DA036 DA097 DA117 FA116 FD117 GQ02 4J032 BA02 BA03 BA04 BA08 BA09 BA13 BA14 BA23 CG01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体
    皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボ
    ンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してな
    る固体電解コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペ
    ーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に
    形成されている固体電解質層に浸透していることを特徴
    とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 微細孔を有する弁作用金属表面の誘電体
    皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カーボ
    ンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成してな
    る固体電解コンデンサにおいて、前記導電性カーボンペ
    ーストのバインダーが弁作用金属表面の誘電体皮膜上に
    形成されている固体電解質層及び弁作用金属の微細孔内
    部に浸透していることを特徴とする固体電解コンデン
    サ。
  3. 【請求項3】 導電性カーボンペーストのバインダー
    が、330℃以下の温度で軟化し、ペーストの溶媒に膨
    潤または懸濁可能なゴム弾性を有する材料を含む請求項
    1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 ゴム弾性を有する材料が、イソプレンゴ
    ム、ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ニト
    リルゴム、ブチルゴム、エチレン/プロピレン共重合
    体、アクリルゴム、多硫化系ゴム、フッ素系ポリマー、
    シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーからなる群から
    選ばれる少なくとも1種の材料である請求項3に記載の
    固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 導電性カーボンペースト中の固形分が、
    導電性材料30〜99質量%、バインダー1〜70質量
    %である請求項1乃至4のいずれかに記載の固体電解コ
    ンデンサ。
  6. 【請求項6】 導電性カーボンペースト中の導電性材料
    が、人造黒鉛を80質量%以上含む材料である請求項5
    に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 人造黒鉛が、固定炭素分97質量%以
    上、平均粒子径1〜13μm、アスペクト比10以下、
    粒子径32μm以上の粒子が12質量%以下である請求
    項6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 前記固体電解質層の少なくとも一部が層
    状構造を有している請求項1乃至7のいずれかに記載の
    固体電解コンデンサ。
  9. 【請求項9】 前記固体電解質層の層状構造の層間の少
    なくとも一部に空間部を有している請求項8に記載の固
    体電解コンデンサ。
  10. 【請求項10】 層状構造を有する固体電解質の1層当
    たりの厚さが0.1乃至0.3μmの範囲である請求項
    8または9に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 【請求項11】 弁作用金属が、アルミニウム、タンタ
    ル、ニオブ、チタン、ジルコニウム及びそれらの合金か
    ら選ばれる請求項1乃至10のいずれかに記載の固体電
    解コンデンサ。
  12. 【請求項12】 固体電解質層が導電性重合体からな
    り、前記導電性重合体を形成するモノマーが複素五員環
    を含む化合物である請求項1乃至11のいずれかに記載
    の固体電解コンデンサ。
  13. 【請求項13】 固体電解質層が導電性重合体からな
    り、前記導電性重合体を形成するモノマーがアニリン骨
    格を有する化合物である請求項1乃至11のいずれかに
    記載の固体電解コンデンサ。
  14. 【請求項14】 複素五員環を含む化合物が、ピロー
    ル、チオフェン、フラン、多環状スルフィド及びそれら
    の置換誘導体から選ばれる請求項12に記載の固体電解
    コンデンサ。
  15. 【請求項15】 複素五員環を含む化合物が下記一般式
    (I) 【化1】 (式中、置換基R1及びR2は、それぞれ独立して、水素
    原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状の飽和も
    しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルキルエ
    ステル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、1級、2級
    もしくは3級アミノ基、CF3基、フェニル基及び置換
    フェニル基からなる群から選ばれる一価の基を表わす。
    またR1またはR2の炭化水素鎖は互いに任意の位置で結
    合して、かかる基により置換を受けている炭素原子とと
    もに少なくとも1つ以上の3乃至7員環の飽和または不
    飽和炭化水素の環状構造を形成する二価鎖を形成しても
    よい。前記環状結合鎖にはカルボニル、エーテル、エス
    テル、アミド、スルフィド、スルフィニル、スルホニ
    ル、イミノの結合を任意に含んでもよい。)で示される
    化合物である請求項14に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 【請求項16】 複素五員環を含む化合物が3,4−エ
    チレンジオキシチオフェン及び1,3−ジヒドロイソチ
    アナフテンから選ばれる化合物である請求項15に記載
    の固体電解コンデンサ。
  17. 【請求項17】 微細孔を有する弁作用金属表面の誘電
    体皮膜上に固体電解質層を形成し、その上に導電性カー
    ボンペースト層及び導電性金属粉ペースト層を形成して
    なる固体電解コンデンサの製造方法において、導電性カ
    ーボン材料、330℃以下の温度で軟化しゴム弾性を有
    するバインダー及び溶媒を含むペーストを用いて導電性
    カーボンペーストを形成することを特徴とする固体電解
    コンデンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 導電性カーボンペーストのバインダー
    が弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体
    電解質層に浸透している請求項17に記載の固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  19. 【請求項19】 導電性カーボンペーストのバインダー
    が弁作用金属表面の誘電体皮膜上に形成されている固体
    電解質層及び弁金属作用の微細孔内部に浸透している請
    求項17に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
JP2000089092A 2000-03-28 2000-03-28 固体電解コンデンサ及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4478906B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089092A JP4478906B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 固体電解コンデンサ及びその製造方法
US09/818,530 US6556427B2 (en) 2000-03-28 2001-03-28 Solid electrolytic capacitor and method for producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000089092A JP4478906B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001274040A true JP2001274040A (ja) 2001-10-05
JP4478906B2 JP4478906B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=18604885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000089092A Expired - Lifetime JP4478906B2 (ja) 2000-03-28 2000-03-28 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4478906B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005294817A (ja) * 2004-03-09 2005-10-20 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ及びその用途
JP2007116028A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサの製造方法
JP2007234768A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kaneka Corp 電解コンデンサおよびその製造方法
WO2008010422A1 (en) * 2006-07-19 2008-01-24 Panasonic Corporation Solid electrolytic capacitor
JPWO2006004229A1 (ja) * 2004-07-07 2008-04-24 昭和電工株式会社 コンデンサ素子及びカーボンペースト
JP2008163270A (ja) * 2007-01-04 2008-07-17 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリエステル系樹脂組成物
JP2009033182A (ja) * 2001-12-10 2009-02-12 Showa Denko Kk コンデンサの製造方法
WO2019167774A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサおよびその製造方法
WO2021172123A1 (ja) * 2020-02-28 2021-09-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサおよび電解コンデンサの導電層形成用ペースト
JP2021528852A (ja) * 2018-06-21 2021-10-21 エイブイエックス コーポレイション 層間剥離抵抗性の固体電解キャパシタ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01101373A (ja) * 1987-10-13 1989-04-19 Daiso Co Ltd 導電性組成物
JPH11135379A (ja) * 1997-10-31 1999-05-21 Junji Ito 多孔性電極及びその製造方法
JP2000012394A (ja) * 1997-11-28 2000-01-14 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01101373A (ja) * 1987-10-13 1989-04-19 Daiso Co Ltd 導電性組成物
JPH11135379A (ja) * 1997-10-31 1999-05-21 Junji Ito 多孔性電極及びその製造方法
JP2000012394A (ja) * 1997-11-28 2000-01-14 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9336955B2 (en) 2001-12-10 2016-05-10 Showa Denko K.K. Niobium alloy, sintered body thereof, and capacitor using the same
JP2009033182A (ja) * 2001-12-10 2009-02-12 Showa Denko Kk コンデンサの製造方法
JP4655689B2 (ja) * 2004-03-09 2011-03-23 株式会社村田製作所 固体電解コンデンサ及びその用途
JP2005294817A (ja) * 2004-03-09 2005-10-20 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサ及びその用途
JP4793264B2 (ja) * 2004-07-07 2011-10-12 株式会社村田製作所 コンデンサ素子及びカーボンペースト
JPWO2006004229A1 (ja) * 2004-07-07 2008-04-24 昭和電工株式会社 コンデンサ素子及びカーボンペースト
JP2007116028A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Showa Denko Kk 固体電解コンデンサの製造方法
JP4632134B2 (ja) * 2005-10-24 2011-02-16 株式会社村田製作所 固体電解コンデンサの製造方法
JP2007234768A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kaneka Corp 電解コンデンサおよびその製造方法
US7940515B2 (en) 2006-07-19 2011-05-10 Panasonic Corporation Solid electrolytic capacitor
JP2008027998A (ja) * 2006-07-19 2008-02-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体電解コンデンサ
TWI410993B (zh) * 2006-07-19 2013-10-01 Panasonic Corp Solid electrolytic capacitors
WO2008010422A1 (en) * 2006-07-19 2008-01-24 Panasonic Corporation Solid electrolytic capacitor
JP2008163270A (ja) * 2007-01-04 2008-07-17 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリエステル系樹脂組成物
WO2019167774A1 (ja) * 2018-02-28 2019-09-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサおよびその製造方法
JPWO2019167774A1 (ja) * 2018-02-28 2021-02-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサおよびその製造方法
US11456121B2 (en) 2018-02-28 2022-09-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electrolytic capacitor and method for production thereof
JP7304543B2 (ja) 2018-02-28 2023-07-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサおよびその製造方法
JP2021528852A (ja) * 2018-06-21 2021-10-21 エイブイエックス コーポレイション 層間剥離抵抗性の固体電解キャパシタ
WO2021172123A1 (ja) * 2020-02-28 2021-09-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 電解コンデンサおよび電解コンデンサの導電層形成用ペースト

Also Published As

Publication number Publication date
JP4478906B2 (ja) 2010-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7233015B2 (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
KR101554049B1 (ko) 고체 전해 콘덴서 및 그 제조방법
US6783703B2 (en) Solid electrolytic capacitor and method for producing the same
JP2021121037A (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
WO2018020985A1 (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
KR19990014267A (ko) 도전성 폴리머를 이용한 고체 전해 커패시터 및 그 제조 방법
EP2251880B1 (en) Element for electronic component
JP6547133B2 (ja) 電解コンデンサ
JP5788282B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
EP1158551B1 (en) Solid electrolytic capacitor and its production method
US6556427B2 (en) Solid electrolytic capacitor and method for producing the same
JP2021145136A (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
JP4478906B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
US8004824B2 (en) Solid electrolytic capacitor element and solid electrolytic capacitor using same
JP4505774B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4655339B2 (ja) 固体電解コンデンサ素子及びその製造方法
JP2001148330A (ja) 金属酸化物電極上に伝導性高分子被膜を形成する方法およびこれを利用した固体電解コンデンサーの製造方法
TW200414244A (en) Solid electrolytic capacitor and method for producing the same
JP5419794B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2006147900A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2007095937A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2007048947A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2009123876A (ja) 固体電解コンデンサ用素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090618

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100118

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100219

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100304

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4478906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140326

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term