JP7302300B2 - 封止樹脂組成物およびアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

封止樹脂組成物およびアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、封止樹脂組成物およびアルミニウム電解コンデンサに関する。
電解コンデンサが樹脂により樹脂封止された電解コンデンサ装置が広く用いられている。一方で、樹脂封止の際に生じる熱や応力から、電解コンデンサを保護することに関し、様々な面から研究が行われている。例えば、特許文献1は、電解コンデンサを被覆保護するモールド樹脂を有する樹脂成型品に関する技術が開示されている。特許文献1によれば、電解コンデンサを保護するため、環状を成す圧力吸収部材を用いることが開示されている。
特開2015-002258号公報
しかしながら、特許文献1は、樹脂封止の際に生じる熱や応力そのものを低減させることに着目したものではなかった。なかでも、アルミニウム電解コンデンサは、一般にアルミニウムの耐圧性が低いことから、樹脂封止時にその外観がつぶれやすい傾向にあるため、より高水準で、樹脂封止の低温、低圧化を実現することが求められる。
本発明者は、アルミニウム電解コンデンサ用の封止樹脂組成物に着目し、鋭意検討を行った結果、熱硬化性樹脂と無機充填材を含む封止樹脂組成物であっても、低温、低圧化を実現できるものと、そうでないものとがあることを知見した。そして、両者を区別する観点から検討を重ねた結果、混練・押出成形評価試験装置を所定の条件で用いたときの最低トルク値を制御することが有効であることを知見した。
本発明は、アルミニウム電解コンデンサに用いられる封止樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂(A)と、無機充填材(B)とを含み、
混練・押出成形評価試験装置を用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件で前記封止樹脂組成物のトルク値を経時的に測定した際に、最低トルク値が0.1N・m以上、2.5N・m以下である、封止樹脂組成物を提供する。
また本発明は、上記の封止樹脂組成物により封止された、アルミニウム電解コンデンサを提供する。
本発明によれば、低温・低圧でアルミ電解コンデンサを封止することができる。
本実施形態に係るアルミニウム電解コンデンサを模式的に示す断面図である。 各実施例および比較例で測定された各トルク値を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
[封止樹脂組成物]
本実施形態の封止樹脂組成物は、アルミニウム電解コンデンサに用いられるものであり、電解コンデンサ素子の少なくとも一部を被覆するものである。
本実施形態の封止樹脂組成物は、混練・押出成形評価試験装置を用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、最低トルク値が0.1N・m以上、2.5N・m以下となるものである。
混練・押出成形評価試験装置としては、株式会社東洋精機製作所製のラボプラストミル(登録商標)を用いることができる。封止樹脂組成物の投入量は、適切にトルク値が測定できる条件であれば限定されないが、例えば、ミキサー容量の92%程度が好ましい。
本実施形態の封止樹脂組成物は、後述する熱硬化性樹脂(A)と、無機充填材(B)とを含み、かつ、混練・押出成形評価試験装置を用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件で前記封止樹脂組成物のトルク値を経時的に測定した際に、最低トルク値が0.1N・m以上、2.5N・m以下であるという要件を満たすことによって、低温・低圧でアルミ電解コンデンサを封止することができ、アルミニウム電解コンデンサの外観がつぶれることを抑制できる。具体的には、120℃未満、5MPa未満で封止することができる。なお、樹脂を硬化させ、適切に封止を行う観点からは、100℃以上、1MPa以上であることが好ましい。
すなわち、一般に、混練・押出成形評価試験装置により封止樹脂組成物の混練性や押出成形性等が評価されるところ、本実施形態の封止樹脂組成物においては、アルミニウム電解コンデンサに対する低温・低圧による封止を実現する観点から、所定の条件でトルク値を経時的に測定し、当該最低トルク値を指標とすることに着目したものである。そして、本発明者によれば、本実施形態の封止樹脂組成物において、当該最低トルク値を0.1N・m以上、2.5N・m以下とすることで、アルミニウム電解コンデンサの封止時において低粘度化しやすく圧力が高くなるのを抑制する結果、低温・低圧の封止が実現できることが見出された。
当該最低トルク値の上限値は、好ましくは2.3N・m以下であり、より好ましくは2.0N・m以下であり、さらに好ましくは0.8N・m以下である。当該最低トルク値の上限値を、上記上限値以下とすることにより、より、低温・低圧での封止が実現できる。当該最低トルク値の下限値を、上記下限値以上とすることにより、樹脂バリが発生することを抑制できる。
当該最低トルク値は、無機充填材(B)の含有量、形状や粒度分布、熱硬化性樹脂(A)の種類の選択、添加剤の選択等の因子を制御することで実現することができる。例えば、無機充填材(B)の含有量を低く抑え、熱硬化性樹脂(A)としてICI粘度が低いものとを組み合わせることが挙げられるが、本発明は、当該組み合わせに限定されるものではない。
また、本実施形態の封止樹脂組成物のスパイラルフローは、80cm以上、250cm以下であることが好ましく、100cm以上、200cm以下であることがより好ましく、125cm以上、190cm以下であることがさらに好ましい。スパイラルフローを、上記下限値以上とすることにより、流動性が良好になり、低温・低圧下での充填性が向上できる。一方、スパイラルフローを、上記上限値以下とすることにより、良好な成形性を保持できる。
かかるスパイラルフローは、熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)の組み合わせや、無機充填材(B)の含有量、熱硬化性樹脂(A)の種類の選択、添加剤の選択等の因子を制御することで実現することができる。
また、本実施形態の封止樹脂組成物のゲルタイムは、70秒以上、180秒以下であることが好ましく、80秒以上、150秒以下であることがより好ましく、95秒以上、140秒以下であることがさらに好ましい。ゲルタイムを、上記下限値以上とすることにより、流動性が良好になり、低温・低圧下での充填性が向上できる。一方、ゲルタイムを、上記上限値以下とすることにより、良好な成形性を保持できる。
かかるゲルタイムは、熱硬化性樹脂(A)と無機充填材(B)の組み合わせや、無機充填材(B)の含有量、熱硬化性樹脂(A)の種類の選択、添加剤の選択等の因子を制御することで実現することができる。
以下、封止樹脂組成物の各成分について、説明する。
[熱硬化性樹脂(A)]
熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
エポキシ樹脂としては、具体的には、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、アルコキシナフタレン骨格含有フェノールアラルキルエポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アルミニウム電解コンデンサの信頼性、および成形性のバランスを向上させる観点からは、アラルキル型エポキシ樹脂およびナフチルエーテル型エポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を用いることがより好ましい。
熱硬化性樹脂(A)の150℃におけるICI粘度は、無機充填材(B)の含有量により適宜設定されることが好適であるが、たとえば、上限値は、好ましくは60ポアズ以下であり、より好ましくは50ポアズ以下であり、さらに好ましくは40ポアズ以下である。これにより、封止樹脂組成物の流動性を向上させ、また、低温・低圧封止を実現しやすくする。
一方、熱硬化性樹脂(A)の150℃におけるICI粘度の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01ポアズ以上としてもよい。
なお、1ポアズは、0.1Pa・sである。
熱硬化性樹脂(A)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止樹脂組成物全体に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、2質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物の流動性や成型性をより効果的に向上させることができる。また、熱硬化性樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、アルミニウム電解コンデンサの信頼性をより効果的に向上させることができる。
[無機充填材(B)]
無機充填材(B)としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、セルロース、アラミド、または木材等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記のシリカとしては、結晶性シリカ(破砕状の結晶性シリカ)、溶融シリカ(破砕状のアモルファスシリカ、球状のアモルファスシリカ)、および液状封止シリカ(液状封止用の球状のアモルファス止シリカ)が挙げられる。なかでも、低温、低圧封止を実現しやすくする観点から、溶融球状シリカであることが好ましい。
無機充填材(B)は、体積基準粒度分布が、0.01μm以上、100μm以下の体積基準粒径の範囲にあり、かつ、2つ以上の粒径ピークを有することが好ましい。すなわち、平均粒径が異なる2種以上の無機充填材を含むことが好ましい。これにより、封止樹脂組成物の充填性を向上し、低温・低圧封止をより効果的に向上させることが可能となる。たとえば、平均粒径0.01μm以上、3μm未満の無機充填材(B)と、平均粒径3μm以上、100μm以下の無機充填材(B)とを混合して用いることが好ましく、平均粒径0.01μm以上、2μm未満の無機充填材(B)と、平均粒径3μm以上、50μm以下の無機充填材(B)とを混合して用いることがより好ましい。平均粒径3μm未満の無機充填材(B)を含むことにより、充填性を向上しつつ、低温・低圧封止を実現しやすくなる。
なお、無機充填材(B)の体積基準粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、株式会社島津製作所製、SALD-7000)で測定することができる。
無機充填材(B)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止樹脂組成物全体に対して、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、60質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、65質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。
無機充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物により封止されたアルミニウム電解コンデンサの信頼性を効果的に向上させることができる。また、無機充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性をより効果的に向上させることが可能となる。
本実施形態の封止樹脂組成物は、上記以外に、以下の成分を含んでもよい。
[硬化剤(C)]
封止樹脂組成物は、硬化剤(C)を含むことができる。硬化剤(C)としては、熱硬化性樹脂(A)と反応して硬化させるものであればとくに限定されないが、たとえば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、および、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2~20の直鎖脂肪族ジアミン、ならびに、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミン類;アニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、封止樹脂組成物の低温・低圧封止を実現させる観点からは、ノボラック型フェノール樹脂またはフェノールアラルキル樹脂のうちの少なくとも一方を用いることがより好ましい。
封止樹脂組成物中における硬化剤(C)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止樹脂組成物全体に対して、1質量%以上12質量%以下であることが好ましく、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
硬化剤(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物を適切に硬化しやすくなる。一方、硬化剤(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、適度な流動性を保持し、低温・低圧封止を実現しやすくなる。
[硬化促進剤(D)]
封止樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含むことができる。硬化促進剤(D)としては、たとえば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、または、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、イミダゾール等のアミジン系化合物;ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、アミジニウム塩、またはアンモニウム塩等の窒素原子含有化合物等が挙げられる。なかでも、硬化促進剤(D)が、アミジン系化合物を含むことが好ましく、イミダゾール化合物を含むことがより好ましい。イミダゾール化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、イミダゾール-2-カルボアルデヒド、5-アザベンゾイミダゾール、4-アザベンゾイミダゾール等が挙げられるがこれらに限定されない。中でも、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールが好ましく用いられる。
封止樹脂組成物中における硬化促進剤(D)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止樹脂組成物全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上4質量%以下であることがより好ましい。
硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物を適切に硬化しやすくなる。一方、硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、溶融状態を長くし、より低粘度状態を長くできる結果、低温・低圧封止を実現しやすくなる。
[カップリング剤(E)]
封止樹脂組成物は、たとえばカップリング剤(E)を含むことができる。カップリング剤(E)としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。
より具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-[ビス(β-ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(β-アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N-(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止樹脂組成物中におけるカップリング剤(E)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止樹脂組成物全体に対して、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。カップリング剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物中における無機充填材(B)分散性を良好なものとすることができる。また、カップリング剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態の封止樹脂組成物は、上記成分の他に、たとえば、カーボンブラック等の着色剤;天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を含むことができる。
[製造方法]
本実施形態の封止樹脂組成物は、上記の各成分を、ミキサーを用いて15~28℃、撹拌速度300~5000rpmで、5~30分間混合し、その後、得られた混合物を、70~100℃でロール混練する。その後、混練物を冷却し、粉砕して封止樹脂組成物を得ることができる。撹拌温度、撹拌速度、撹拌時間を上記のようにすることで、所望の最低トルク値を有する封止樹脂組成物が安定的に得られるようになる。
[アルミニウム電解コンデンサ]
図1は、本実施形態に係るアルミニウム電解コンデンサを模式的に示す断面図である。
本実施形態に係るアルミニウム電解コンデンサ100は、電解コンデンサ素子10と、モールド樹脂20と、を備えている。電解コンデンサ素子10は、陰極箔12、セパレータ16、および陽極箔14をこの順に積層した積層膜を巻回することにより形成されている。モールド樹脂20は、上記の封止樹脂組成物の硬化物により構成され、かつ電解コンデンサ素子10の少なくとも一部を被覆している。
アルミニウム電解コンデンサ100は、たとえば次のように製造される。
まず、陰極箔12と陽極箔14に外部端子30を接続した後、これらの電極箔を、セパレータ16を介して巻回する。これにより得られた電解コンデンサ素子10を、封止樹脂組成物により封止成形する。成形法としては、たとえばトランスファー成形法や圧縮成型法が挙げられる。本実施形態においては、上記の封止樹脂組成物を用いているため、低温かつ低圧で封止することができる。次いで、封止樹脂組成物を熱硬化させ、モールド樹脂20を形成する。これにより、本実施形態に係るアルミニウム電解コンデンサ100が得られる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<実施例1>
以下の材料を用いて、表1の組成(質量%)となるように各成分を、ミキサーを用いて15~28℃で混合した。次いで、得られた混合物を、70~100℃でロール混練後、冷却、粉砕して、封止樹脂組成物を得た。なお、表1中の単位は、質量%である。
[材料]
熱硬化性樹脂(A)
・エポキシ樹脂1:OCN型エポキシ樹脂(CNE-195LL、長春社製、ICI粘度:30-40poise)
・エポキシ樹脂2:ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(HP-6000L、DIC社製、ICI粘度:0.1-0.9poise)
・無機充填材1:溶融球状シリカ(FB-950、デンカ株式会社製、平均粒径27.2±9.0μm)
・無機充填材2:溶融球状シリカ(FB-105、デンカ株式会社製、平均粒径10.8±6.8μm)
・無機充填材3:溶融球状シリカ(SO-2500-SQ、アドマテックス株式会社製、平均粒径0.5±0.1μm)
硬化剤(C)
・フェノールノボラック樹脂(PR-55617、住友ベークライト株式会社製、水酸基当量104、軟化点74℃)
硬化促進剤(D)
・硬化促進剤1:2-フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製「2PZ-PW」)
・硬化促進剤2:2-メチルイミダゾール(四国化成株式会社製「2MZ-H」)
カップリング剤(E)
・カップリング剤:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製「CF-4083」)
その他
・着色剤:カーボンブラック
・離型剤1:T-wax、エア・ウォーター社製
・離型剤2:カルナバワックス、TO-WAX、東亜化成社製
・イオン捕捉剤:ハイドロタルサイト(DHT-4H、協和化学工業株式会社製)
・低応力剤:シリコーンオイル、DOWSIL FZ-3730、東レダウ社製
<測定・評価>
得られた各封止樹脂組成物について、以下の評価・測定を行った。
・最低トルク値の測定:混練・押出成形評価試験装置(ラボプラストミル 4C150-01、株式会社東洋精機製作所)を用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件で得られた封止樹脂組成物のトルク値を経時的に測定し、図2に示した。また、得られた最低トルク値を表1に示した。
・スパイラルフロー[cm]:EMMI-I-66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度120℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分の条件で封止樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。結果を表1に示す。
・ゲルタイム[秒]:120℃に制御された熱板上に、各封止樹脂組成物1.7ccを載せ、スパチュラで約1回/sec.のストロークで封止樹脂組成物を練った。封止樹脂組成物が熱により溶解し始めてから硬化するまでの時間を測定し、これをゲルタイムとした。結果を表1に示す。
・低温・低圧封止性:各封止樹脂組成物を用いて、温度120℃、圧力3MPaで、アルミニウム電解コンデンサを封止した。その後、アルミニウム電解コンデンサを切断し、その断面を顕微鏡で観察した。充填性が良好で変形および破断箇所が生じなかったものを◎とし、一部にわずかな変形が生じたものを〇とした。また、充填性が低く、充填積ないため評価不能であったものを×とした。
Figure 0007302300000001
10 電解コンデンサ素子
12 陰極箔
14 陽極箔
16 セパレータ
20 モールド樹脂
30 外部端子
100 アルミニウム電解コンデンサ

Claims (9)

  1. アルミニウム電解コンデンサに用いられる封止樹脂組成物であって、
    熱硬化性樹脂(A)と、無機充填材(B)とを含み、
    混練・押出成形評価試験装置を用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件で前記封止樹脂組成物のトルク値を経時的に測定した際に、最低トルク値が0.1N・m以上、2.5N・m以下である、封止樹脂組成物。
  2. 前記封止樹脂組成物のスパイラルフローが80cm以上、250cm以下である、請求項1に記載の封止樹脂組成物。
  3. 前記封止樹脂組成物のゲルタイムが70秒以上、180秒以下である、請求項1または2に記載の封止樹脂組成物。
  4. 無機充填材(B)の体積基準粒度分布が、0.01μm以上、100μm以下の体積基準粒径の範囲にあり、かつ、2つ以上の粒径ピークを有する、請求項1乃至3いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  5. 硬化剤(C)を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  6. 硬化促進剤(D)を含む、請求項1乃至5いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  7. 硬化促進剤(D)が、アミジン系化合物を含む、請求項6に記載の封止樹脂組成物。
  8. 熱硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂を含む、請求項1乃至7いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8に記載の封止樹脂組成物により封止された、アルミニウム電解コンデンサ。
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