JP2022146120A - 封止用樹脂組成物、および半導体装置 - Google Patents

封止用樹脂組成物、および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形物の外観が良好な封止用樹脂組成物を提供する。【解決手段】封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を含み、以下の条件を満たす。条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。(a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物、および半導体装置に関する。より詳細には、封止樹脂組成物、その製造方法、および封止樹脂組成物を用いた半導体装置に関する。
半導体装置などの電子装置は、封止用のエポキシ樹脂組成物を用いて封止されるのが主流となっている。電子装置の小型化、薄型化、構造の複雑化などに伴い、難燃性、高密着性、耐クラック性および高体積抵抗率等の電気特性等、種々の特性が要求され、封止用エポキシ樹脂組成物のさらなる開発が進んでいる。
一方、封止用エポキシ樹脂組成物は、主成分であるエポキシ化合物の他、エポキシ化合物硬化剤、硬化促進剤、無機充填物、難燃剤、顔料、およびシランカップリング剤等により構成されることが知られるが、これらの原料にはハロゲンイオンやナトリウムイオンなどのイオン性不純物が含まれる場合が多く、電子素子に悪影響を与える可能性があるため少量のイオン捕捉剤を共存させて悪影響を防ぐことが行われている。
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、MgイオンとAlイオンとのモル比(Mg/Al)が2.4以上である未焼成ハイドロタルサイト化合物と、を含む封止用組成物が記載されている。特許文献1には、この封止用組成物を用いることで、耐湿信頼性に優れた半導体装置を製造可能であると記載されている。
国際公開第2017/209047号
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来のイオン捕捉剤を含む封止用樹脂組成物を用いて、加熱成形した成形物においては、表面に黒点が生じる場合があり、成形物の良好な外観を得る点において改善の余地があった。
本発明者は、まず、黒点が発生するメカニズムについて鋭意検討を行ったところ、封止用樹脂組成物が加熱成形される際に発生しうる気泡脱気による駆動力によって、イオン捕捉剤が凝集しやすく、凝集したイオン捕捉剤が増大し、巨大なドメインを形成することによって、黒点として観察されることを知見した。そして、かかる黒点の発生を抑制するためにさらなる検討を行った結果、イオン捕捉剤が封止用樹脂組成物内で予めある程度凝集していることで、大きな気泡を巻き込みにくく、封止用樹脂組成物の加熱成形時による凝集の増大を抑制し、黒点の発生を低減できることを見出した。そこで、イオン捕捉剤の凝集の程度を制御するため、その粒径に着目して新たな指標を考案し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を含む封止用樹脂組成物であって、以下の条件を満たす、封止用樹脂組成物が提供される。
条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。
(a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。
また、本発明によれば、
基板上に搭載された半導体素子と、
前記半導体素子を封止する封止部材と、を備える半導体装置であって、
前記封止部材が、上記の封止用樹脂組成物の硬化物で構成される、半導体装置が提供される。
また、本発明によれば、
エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を混合する工程を含む封止用樹脂組成物の製造方法であって、
当該イオン捕捉剤(C)は以下の条件を満たす、封止用樹脂組成物の製造方法が提供される。
条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。
(a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。
本発明によれば、成形物の外観が良好な封止用樹脂組成物を提供できる。
実施例1および比較例1の各イオン捕捉剤の粒径分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。また、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
<封止用樹脂組成物>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を含み、以下の条件を満たすものである。
条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。
(a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。
これにより、本実施形態の封止用樹脂組成物を用いて加熱成形して得られた成形物に黒点が発生することを抑制し、成形物の外観を良好にできる。かかる理由の詳細は明らかではないが、まず、イオン捕捉剤(C)に所定の超音波処理を施した後においてその粒度分布を測定することで、超音波処理によってもほどけない程度に凝集した粒子の状態を特定できると考えられる。そして、測定して得られた粒径分布のピークが単一である単分散型であることは、超音波処理によっても凝集がほどけていないことを意図する。すなわち、一般に、粒子の凝集が生じている場合、超音波処理により凝集がほどかれると、その粒度分布のピークは、ばらけた粒子によるピークと、ほどかれずに残った凝集物によるピークの少なくとも2以上のピークがみられることとなるのに対し、本実施形態においては、超音波処理によってもばらけない程度の凝集が保持されたイオン捕捉剤(C)を用いている。すなわち、イオン捕捉剤が封止用樹脂組成物内で予めある程度凝集していることで、大きな気泡を巻き込みにくくなり、本実施形態の封止用樹脂組成物を用いて加熱成形した際に、イオン捕捉剤(C)の凝集が巨大化してドメインとなることを抑制できるため、成形物に黒点が観察されることを抑制できると推測される。一方、従来においては、粒子の凝集の程度が低いため、加熱成形時に流動し凝集し巨大化しやすいと考えられる。
そして、(a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmとすることで、封止用樹脂組成物全体の適度な流動性や充填性、イオン捕捉剤(C)の良好な分散性のバランスを良好にできると推測される。
なお、上記の条件において、台所用合成洗剤は、粒子を分散させるために用いられるものであり、JIS K3370(台所用合成洗剤)に準拠して特定される。
さらに、本実施形態の封止用樹脂組成物は、以下の条件を満たすことが好ましい。
上記の条件で超音波理処理を施した後のイオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布における体積基準の積算分率の累積50%に相当する粒径をD50としたとき、
(b)D50が1~12μmであり、
(c)Dmax/D50が、0.7~1.5である。
これにより、適度に凝集した凝集体の粒径のばらつきがより低減されることとなる。その結果、本実施形態の封止用樹脂組成物の加熱成形時に、イオン捕捉剤(C)が凝集して巨大化することを抑制し、黒点の発生を抑制できるようになる。
D50は、好ましくは2~10μmであり、Dmax/D50は、好ましくは1~1.5である。
さらに、本実施形態の封止用樹脂組成物は、以下の条件を満たすことが好ましい。
上記の条件で超音波理処理を施した後のイオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布における体積基準の積算分率の累積10%に相当する粒径をD10としたとき、
(d)D10が0.5~5μmであり、
(e)D10/(D50-D10)が0.4~1.2である。
すなわち、粒径が比較的小さいものの割合が低減されるため、比較的粒径が小さいもの同士が、本実施形態の封止用樹脂組成物の加熱成形時に、イオン捕捉剤(C)が凝集して巨大化することを抑制し、黒点の発生を抑制できるようになる。
D10は、好ましくは1~3μmであり、D10/(D50-D10)は、好ましくは0.5~1である。
また、上記のレーザー回折散乱法によって測定される粒径分布において、0.2~1.0μmの範囲内にショルダーピークを有することが好ましい。
すなわち、0.2~1.0μmの範囲内に凝集しにくい粒子が存在することを意図する。これにより、封止用樹脂組成物の充填性を高めることができる。
上記のような条件を満たす粒度分布が得られるイオン捕捉剤(C)を得るためには、粒度分布を制御するための公知の方法を用いればよく、例えば、イオン捕捉剤を合成したのちに粉砕を行ったり、微粉を除去したり、篩分けをする方法等が挙げられる。
以下、本実施形態の封止用樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
[エポキシ樹脂(A)]
エポキシ樹脂(A)は、封止用樹脂組成物の熱硬化性樹脂として用いられるものであり、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
エポキシ樹脂(A)としては、具体的には、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、アルコキシナフタレン骨格含有フェノールアラルキルエポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、保存性と低温硬化性を両立させ、成形性を向上させる観点からは、ノボラック型エポキシ樹脂および3官能型エポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を用いることがより好ましい。
また、エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量が160g/eq以上250g/eq以下であるエポキシ樹脂を含むことが好ましく、エポキシ当量が180g/eq以上220g/eq以下であるエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、保存性と低温硬化性のバランスを向上しやすくなる。
エポキシ樹脂(A)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、2質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止用樹脂組成物の流動性や成型性をより効果的に向上させることができる。また、エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化性を向上させ、良好な封止体を得ることができる。
[硬化剤(B)]
本実施形態の封止用樹脂組成物は、硬化剤(B)を含むことができる。硬化剤(B)としては、熱硬化性樹脂(A)と反応して硬化させるものであればとくに限定されないが、たとえば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、および、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2~20の直鎖脂肪族ジアミン、ならびに、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミン類;アニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、黒点の発生を安定的に抑制し、封止用樹脂組成物を良好に封止する観点からは、ノボラック型フェノール樹脂またはフェノールアラルキル樹脂のうちの少なくとも一方を用いることがより好ましい。
封止用樹脂組成物中における硬化剤(B)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
硬化剤(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止用樹脂組成物を適切に硬化しやすくなる。一方、硬化剤(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、適度な流動性を保持し、封止を実現しやすくなる。
[イオン捕捉剤(C)]
イオン捕捉剤(C)は、封止用樹脂組成物中の陰イオン性の不純物を吸着するものである。封止用樹脂組成物中の他の成分に応じて、公知のイオン捕捉剤を用いることができる。なお、本実施形態において、イオン捕捉剤(C)は中和剤として用いられることもある。
イオン捕捉剤(C)としては、具体的には、ハイドロタルサイト、ゼオライト(アルミノ珪酸塩鉱)、水酸化ビスマス、硝酸水酸化ビスマスなどを挙げることができる。これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、イオン捕捉剤(C)としては、ハイドロタルサイトを用いることが好ましい。ハイドロタルサイトは、通常、層状構造を持ち、層間に陰イオンを取り込む性質を持つ。そのため、ハイドロタルサイトは、電子部品向けの封止材の分野において、封止材中の有害な陰イオン(封止対象である電子部品の腐食や劣化に関与しうる陰イオン)を捕捉し、電子装置の信頼性を高めることができる。
また、ハイドロタルサイトは、未焼成ハイドロタルサイトであってもよく、半焼成ハイドロタルサイトであってもよく、および十分に焼成した焼成ハイドロタルサイトであってもよい。
イオン捕捉剤(C)の含有量は、封止用樹脂組成物全量に対して、0.01~1質量%が好ましく、0.05~0.3質量%がより好ましい。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、さらに以下の成分を含んでもよい。
[無機充填材(D)]
無機充填材(D)は、ハイドロタルサイトとは異なるものであり、機械的強度を高めたり、耐熱性、難燃性などを付与するために用いられる。
無機充填材(D)として具体的には、たとえば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なかでも、無機充填材(D)としては、シリカが好ましい。
上記のシリカとしては、例えば、結晶性シリカ(破砕状の結晶性シリカ)、溶融シリカ(破砕状のアモルファスシリカ、球状のアモルファスシリカ)、および液状封止シリカ(液状封止用の球状のアモルファス止シリカ)が挙げられる。なかでも、電気的信頼性を向上し、封止を実現しやすくする観点から、溶融球状シリカであることが好ましい。
無機充填材(D)の体積基準の粒度分布による累積50%値、すなわち平均粒径D50は、好ましくは0.1~100μmであり、より好ましくは0.2~80μmであり、さらに好ましくは0.3~50μmであり、ことさらに好ましくは0.4~15μmである。
無機充填材(D)の平均粒径D50を、上記下限値以上とすることにより、無機充填材(D)の機械的強度を高めることができる。一方、無機充填材(D)の平均粒径D50を、上記上限値以下とすることにより、充填性を高めることができる。
また、無機充填材(D)は、体積基準の粒度分布において、2つ以上のピークを有することが好ましい。すなわち、異なる平均粒径の無機フィラーが2種以上用いられることが好ましい。これにより、充填性を向上しやすくなる。
さらに、無機充填材(D)は、体積基準の粒度分布において、0.1μm以上3μm未満の区間、及び、3μm以上100μm以下の区間にそれぞれ1つ以上のピークを有することが好ましい。
なお、無機充填材(D)の体積基準粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、株式会社島津製作所製、SALD-7000)で測定することができる。これにより、無機充填材(D)の外径を測定できる。
無機充填材(D)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、60質量%以上98質量%以下であることが好ましく、70質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上90質量%以下であることがさらに好ましい。
無機充填材(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止用樹脂組成物により封止された保存性と硬化性を効果的に向上させることができる。また、無機充填材(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性をより効果的に向上させることが可能となる。
無機充填材(D)は、一次粒径のまま凝集することなく樹脂成分中に分散させる観点から、表面処理剤により表面処理されていてもよい。
[カップリング剤(E)]
封止用樹脂組成物は、たとえばカップリング剤(E)を含むことができる。カップリング剤(E)としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。
より具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-[ビス(β-ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(β-アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N-(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物中におけるカップリング剤(E)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。カップリング剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止用樹脂組成物中における無機充填材(B)の分散性を良好なものとすることができる。また、カップリング剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性の向上を図ることができる。
[硬化促進剤(F)]
本実施形態の硬化促進剤(F)は、触媒として作用する。硬化促進剤(F)としては、たとえば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、または、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、イミダゾール等のアミジン系化合物;ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、アミジニウム塩、またはアンモニウム塩等の窒素原子含有化合物;フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール、2,3-ジヒドロキシナフタレン等のフェノール化合物等が挙げられる。また、上記有機ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、1,2-ビス-(ジフェニルホスフィノ)エタン等が挙げられる。
なかでも、硬化促進剤(F)が、有機ホスフィンまたはフェノール化合物であることが好ましい。
封止用樹脂組成物中における硬化促進剤(F)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
硬化促進剤(F)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止用樹脂組成物を適切に硬化しやすくなる。一方、硬化促進剤(F)の含有量を上記上限値以下とすることにより、溶融状態を長くし、より低粘度状態を長くできる。
さらに、本実施形態の封止用樹脂組成物は、上記成分の他に、たとえば、上記エポキシ樹脂以外のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタン等熱硬化性樹脂;カーボンブラック等の着色剤;天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を含むことができる。
<封止用樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を混合する工程を含み、当該イオン捕捉剤(C)は以下の条件を満たすものである。
条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。
(a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。
これにより、封止樹脂組成物を用いた封止体の外観を良好にできる。
上記の混合方法は、特に限定されず、公知の方法により得られるものであり、例えば、ミキサー等を用いて混合後、加熱ニーダー、熱ロール、押し出し機等を用いて加熱混練し、続いて冷却、粉砕することによって、粉末状・顆粒状の封止用樹脂組成物が得られる。また、黒点の発生を安定的に抑制するため、加熱混練時に脱気処理を加えてもよい。
なお、封止用樹脂組成物は、必要に応じて、粉砕後にタブレット状に打錠成形してもよく、粉砕後に例えば真空ラミネート成形または圧縮成形によりシート状にしてもよい。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、基板上に搭載された半導体素子と、半導体素子を封止する封止部材と、を備え、当該封止部材が、上記の封止用樹脂組成物の硬化物で構成されるものである。本実施形態の封止用樹脂組成物を用いることで黒点の発生が抑制され、外観が良好な半導体装置が得られる。
本実施形態の封止用樹脂組成物を用いた封止には、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の公知の成形方法を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
[原材料]
封止用樹脂組成物の原材料としては、以下のものを用いた。
エポキシ樹脂(A)
・エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬社製、NC3000
・エポキシ樹脂2:ビフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YL6810)
硬化剤(B)
・硬化剤1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型樹脂、明和化成社製、MEH-7851SS
・硬化剤2:ザイロック型フェノール樹脂(エア・ウォーター社製、HE100C-10)
イオン捕捉剤(C)
・イオン捕捉剤1:マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート(協和化学社製、DHT-4H)
・イオン捕捉剤2:ハイドロタルサイト(東亜合成社製、IXE-7702)
無機充填材(D)
・無機充填材1:アモルファスシリカ/結晶性シリカ(株式会社龍森社製、MSV-SC3、D50=19.0μm,比表面積=2.0m/g)
・無機充填材2:ヘキサメチルジシラザン処理アモルファスシリカ(アドマテックス社製、SD2500-SQ、D50=0.5μm,比表面積=5.0m/g)
・無機充填材3:ヘキサメチルジシラザン処理アモルファスシリカ(アドマテックス社製、SD5500-SQ、D50=1.5μm,比表面積=5.5m/g)
カップリング剤(E)
・カップリング剤1:N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製 CF-4083)
・カップリング剤2:シラン化合物(チッソ社製、S810)
硬化促進剤(F)
・硬化促進剤1:下記式で表される硬化促進剤(テトラフェニルホスホニウム 2,3-ジヒドロキシナフタレート)
Figure 2022146120000001
・硬化促進剤2:2,3-ジヒドロキシナフタレン(エア・ウォーター社製)
その他
・難燃剤:水酸化アルミニウム(日本軽金属社製、BE043LA)
・離型剤:グリセリントリモンタン酸エステル(クラリアントジャパン社製、WE-4)
・着色剤1:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#5)
・着色剤2:酸化チタン(赤穂化成社製、Tilak D TM-HPE)
[封止用樹脂組成物の調製]
表1に示す含有量となるように、上記の各原料を常温でミキサーを用いて混合し、次に70~100℃でロール混練し、冷却後粉砕して、封止用樹脂組成物を得た。
得られた封止用樹脂組成物を用いて、以下の測定・評価を行った。結果を表1に示す。
[粒度分布の測定]
以下の手順で、粒度分布の測定を行った。
(超音波処理)イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤(花王株式会社製、ファミリーフレッシュ)1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射した。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射した。
・超音波装置:アズワン株式会社製、ULTRASONIC CLEANER MODEL VS-100III
定格入力:1φ100V,50/60Hz 200VA
定格出力:28k,45k,100kHz 100W
定格時間:30分
(粒径の測定)
上記の超音波理処理を施した後のイオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法に基づきレーザー回折・散乱式の粒度分布計(島津製作所製、SALD-7500nano)を用いて、測定した。
得られた粒度分布から、最大頻度を示す粒径(Dmax)、体積基準の積算分率の累積50%に相当する粒径D50、体積基準の積算分率の累積10%に相当する粒径D10をそれぞれ求めた。結果を表1、図1に示す。
[評価]
各封止用樹脂組成物を、圧縮成形法により、成形温度175℃、硬化時間100秒、成形圧力8MPaの条件で硬化させて、短冊形状の硬化物を得た。
得られた硬化物の外観について、目視で観察し、以下の評価基準に従い、評価した。
〇:黒点が確認されなかった。
△:直径50μm以下の黒点が観察された。
×:直径50μm以上の黒点が観察された。
Figure 2022146120000002

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を含む封止用樹脂組成物であって、以下の条件を満たす、封止用樹脂組成物。
    条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。
    (a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。
  2. 請求項1に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記レーザー回折散乱法によって測定される前記粒径分布における体積基準の積算分率の累積50%に相当する粒径をD50としたとき、
    (b)D50が1~12μmであり、
    (c)Dmax/D50が、0.7~1.5である、封止用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記レーザー回折散乱法によって測定される前記粒径分布における体積基準の積算分率の累積10%に相当する粒径をD10としたとき、
    (d)D10が0.5~5μmであり、
    (e)D10/(D50-D10)が0.4~1.2である、封止用樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記レーザー回折散乱法によって測定される前記粒径分布が、0.2~1.0μmの範囲内にショルダーピークを有する、封止用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記封止用樹脂組成物全体に対する前記イオン捕捉剤(C)の含有量は、0.05質量%以上1質量%以下である、封止用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    無機充填材(D)をさらに含む、封止用樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記無機充填材(D)はシリカを含む、封止用樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    シランカップリング剤(E)をさらに含む、封止用樹脂組成物。
  9. 基板上に搭載された半導体素子と、
    前記半導体素子を封止する封止部材と、を備える半導体装置であって、
    前記封止部材が、請求項1乃至8いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物で構成される、半導体装置。
  10. エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、イオン捕捉剤(C)と、を混合する工程を含む封止用樹脂組成物の製造方法であって、
    当該イオン捕捉剤(C)は以下の条件を満たす、封止用樹脂組成物の製造方法。
    条件:当該イオン捕捉剤(C)0.5gと台所用合成洗剤1gを純水8mlが入ったプラスチックカップ容器(径5cm)内に分散させ、当該容器を超音波装置内に水を張った状態で浸漬させて、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波を照射する。次に、当該容器内に純水60mlを投入し、周波数45kHz、出力100Wで5分間超音波をさらに照射する。その後、イオン捕捉剤(C)について、レーザー回折散乱法によって測定される粒径分布が、ピークが単一である単分散型であり、かつ以下の(a)を満たす。
    (a)最大頻度を示す粒径(Dmax)が2~15μmである。
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