JP2021113241A - 封止用樹脂組成物および一次電池付モジュール - Google Patents

封止用樹脂組成物および一次電池付モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】低温下での硬化性に優れるとともに、低圧下での成形性に優れる封止用樹脂組成物、および当該封止用樹脂組成物を用いて製造される一次電池付モジュールを提供する。【解決手段】一次電池を封止するために用いられる封止用樹脂組成物であって、前記封止用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含み、当該封止用樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物のガラス転移温度が、120℃以上であり、ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間T1が15秒以上100秒以下であり、最低トルク値が0.5N・m以下である、封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物および一次電池付モジュールに関する。より詳細には、本発明は、耐熱温度が比較的低い一次電池を封止するための封止用樹脂組成物、およびこのような一次電池を封止して得られる一次電池付モジュールに関する。
エポキシ樹脂組成物は、電子部品用途において接着剤や封止材として広く使用されている。例えば、特許文献1では、フィルムコンデンサ素子を封止するためのエポキシ樹脂組成物が記載されている。特許文献1では、低発熱で低インダクタンス特性を維持しつつ、耐熱衝撃性、耐湿性に優れ、なおかつ生産性の高い車載用に適したフィルムコンデンサを製造することを目的とする技術として、フィルムコンデンサ素子の電極部に金属端子を接続する工程と、金属端子が接続されたフィルムコンデンサ素子をケースに収納する工程と、第1のエポキシ樹脂組成物を注入する工程と、第1のエポキシ樹脂組成物が注入されたものを一定時間加熱硬化させる工程と、第1のエポキシ樹脂組成物よりも線膨張係数の小さい第2のエポキシ樹脂組成物を第1のエポキシ樹脂組成物の上に注入する工程と、第2のエポキシ樹脂組成物が注入されたものを一定時間加熱硬化させる工程とを有する、フィルムコンデンサの製造方法について記載されている。
特開2006−147687号公報
本発明者は、フィルムコンデンサに比べ耐熱性や機械的強度が低い一次電池に対して、前述の文献に記載のフィルムコンデンサ用の封止用樹脂を適用した場合、低温下における硬化性および低圧下での成形性において改善の余地があることを見出した。
本発明によれば、一次電池を封止するために用いられる封止用樹脂組成物であって、
前記封止用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含み、
当該封止用樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物のガラス転移温度が、120℃以上であり、
ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tが15秒以上100秒以下であり、最低トルク値が0.5N・m以上である、封止用樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、一次電池付モジュールであって、
金属層と、
前記金属層上に配置された一次電池と、
前記一次電池を封止する封止層と、を備え、
前記封止層は、上記封止用樹脂組成物の硬化物からなる、一次電池付モジュールが提供される。
本発明によれば、一次電池の封止材として使用するための、低温下での硬化性に優れるとともに、低圧下での成形性に優れる封止用樹脂組成物、および当該封止用樹脂組成物を用いて製造される一次電池付モジュールが提供される。
本実施形態における一次電池付モジュールの構成を示す断面図である。 ラボプラストミルを用いた測定により得られるトルク値と測定時間との関係を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は、概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。また、本実施形態において、組成物は、各成分を単独でかまたは2種以上を組み合わせて含み得る。
(封止用樹脂組成物)
本実施形態の封止用樹脂組成物(本明細書中、単に「樹脂組成物」と称する場合がある)は、一次電池を封止して、一次電池付モジュールを製造するために用いられる。本実施形態の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。また、本実施形態の樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物のガラス転移温度は、120℃以上である。さらにまた、本実施形態の樹脂組成物を、ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tは、15秒以上100秒以下であり、最低トルク値は、0.5N・m以上である。
本発明者は、一次電池の封止に用いられる樹脂組成物の封止材としての性能特性を向上すべく検討した。その結果、樹脂組成物の構成成分を選択するとともに、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度、および、トルクラボプラストミルを用いて特定の条件下で測定される樹脂組成物のトルク変化の挙動を制御することにより、一次電池に対する影響を抑制できる程度の低温かつ低圧にて、一次電池を破損することなく安定的に封止することができるとともに、トランスファー成形等の成形方法にて効率良く一次電池を封止できることを見出した。ここで、トルク変化の挙動とは、最低トルク値、およびトルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tである。
本実施形態においては、たとえば120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下の低温にて一次電池を封止する場合にも、充填性および硬化性に優れる樹脂組成物を得ることも可能となる。
また、本実施形態においては、たとえば、固形状の樹脂組成物を用いてトランスファー成形、圧縮成形、インジェクション成形等により、一次電池の封止を行うことも可能となる。
以下、本実施形態の封止用樹脂組成物の特性について説明する。
本実施形態の封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、硬化物の耐熱性を向上する観点から、120℃以上であり、好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。また、樹脂組成物の硬化物のTgは、たとえば250℃以下であってよく、またたとえば220℃以下であってもよい。
ここで、ガラス転移温度の測定のための硬化物は、樹脂組成物を120℃で4時間硬化することにより得られる。
具体的には、ガラス転移温度Tgは、たとえば低圧トランスファー成形機を用いて金型温度120℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間300秒で樹脂組成物を注入成形して得た試験片を120℃、4時間で後硬化した後、当該試験片に対して熱機械分析装置を用いて測定温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行って得た測定結果から算出することができる。低圧トランスファー成形機としては、たとえばKTS−15(コータキ精機社製)を用いることができる。また、熱機械分析装置としては、たとえばTMA100(セイコー電子工業社製)やTMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いることができる。
次に、本実施形態の樹脂組成物におけるトルク変化の挙動について説明する。図2は、ラボプラストミルを用いた測定により得られるトルク値と測定時間との関係を模式的に示すグラフである。本実施形態においては、図2に示すように、ラボプラストミル測定の測定開始点をPとし、トルク値が最低値(最低トルク値)となる点をPとし、PからPに至る間においてトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとし、Pを経た後にトルク値が最低トルク値の2倍となる点をPとし、Pを経た後にトルク値が3N・mとなる点をPとし、Pを経た後にトルク値が6N・mとなる点をPとする。また、ラボプラストミル測定の測定開始点は、ラボプラストミルに材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点である。
ラボプラストミルを用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tは、図2中、PからPまでの時間に該当する。
本実施形態の樹脂組成物においては、充填性を向上させる観点から、Tが15秒以上であり、好ましくは20秒以上、より好ましくは30秒以上、さらに好ましくは40秒以上である。
また、生産性を向上させる観点から、本実施形態の樹脂組成物において、Tは100秒以下であり、好ましくは90秒以下、より好ましくは80秒以下、さらに好ましくは70秒以下である。
また、ラボプラストミルを用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際の最低トルク値は、図2中、Pにおけるトルク値に該当する。
本実施形態の樹脂組成物においては、ウエルドボイド等の未充填を抑制するという観点から、最低トルク値が0.5N・m以上であり、好ましくは0.6N・m以上、より好ましくは0.8N・m以上、さらに好ましくは1.0N・m以上である。
また、充填性を向上させる観点から、本実施形態の樹脂組成物において、最低トルク値が5.0N・m以下であり、好ましくは4.0N・m以下、より好ましくは3.5N・m以下、さらに好ましくは3.0N・m以下である。
本実施形態の樹脂組成物では、たとえばラボプラストミルを用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、測定開始から最低トルク値に到達するまでの時間Tは、充填性を向上させる観点から、好ましくは40秒以下であり、より好ましくは35秒以下、さらに好ましくは25秒以下である。下限値についての制限はないが、生産性を向上させる観点から、時間Tは、好ましくは5秒以上であり、より好ましくは10秒以上である。
ここで、上記時間Tは、図2中、PからPまでの時間に該当する。
また、一実施形態における樹脂組成物では、たとえばラボプラストミルを用いて回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、最低トルク値を経た後にトルク値が3N・mとなる点から、トルク値が6N・mとなる点までの時間Tが、充填性を向上させる観点から、好ましくは2秒以上であり、より好ましくは3秒以上、さらに好ましくは5秒以上である。
また、生産効率を向上させる観点から、上記時間Tが、好ましくは25秒以下であり、より好ましくは20秒以下、さらに好ましくは15秒以下である。
ここで、上記時間Tは、図2中、PからPまでの時間に該当する。
本実施形態においては、たとえば封止用樹脂組成物の調製方法を制御すること、および封止用樹脂組成物を構成する成分の種類や配合割合をそれぞれ適切に選択すること等により、封止用樹脂組成物のガラス転移温度Tg、時間T、時間T、時間T、および最低トルク値をともに所望の範囲内とすることができる。封止用樹脂組成物の調製方法としては、たとえば各成分を混合した後、得られた混合物を回転ボールミルによって一定の条件下により微粉砕することが重要であると、本発明者により推定されている。たとえば装置容積に対するボールの体積充填率、および材料供給量(kg/hr)等の条件を調整して、回転ボールミルによる微粉砕を行うことが、封止用樹脂組成物のガラス転移温度Tg、時間T、時間T、時間T、および最低トルク値に影響を与えるものと考えられている。また、回転ボールミルによる微粉砕の後における溶融混練工程の条件を制御することや、各成分の混合から溶融混練までのプロセスを連続的に行うこと等も封止用樹脂組成物の特性に影響を与え得るものと考えられる。なお、封止用樹脂組成物の調製方法は、上記のものに限定されるものではない。
封止用樹脂組成物の120℃におけるゲルタイムは、封止用樹脂組成物の充填性と成形性のバランスを向上する観点から、好ましくは50秒以上であり、より好ましくは60秒以上、さらに好ましくは70秒以上、さらにより好ましくは80秒以上である。
同様の観点から、封止用樹脂組成物の120℃におけるゲルタイムは、好ましくは150秒以下であり、より好ましくは130秒以下、さらに好ましくは120秒以下、さらにより好ましくは100秒以下である。
ここで、ゲルタイム測定は、たとえば120℃に加熱した熱板上で封止用樹脂組成物を溶融した後、へらで練りながら硬化するまでの時間を測定することにより行うことができる。
また、120℃にてスパイラルフローにより測定される封止用樹脂組成物の流動長は、狭部への充填性を向上する観点から、好ましくは40cm以上であり、より好ましくは50cm以上、さらに好ましくは60cm以上、さらにより好ましくは80cm以上である。
上限については制限はないが、エアベント部にバリが発生して生産性が悪化することを抑制するという観点から、封止用樹脂組成物の上記120℃におけるスパイラルフロー流動長は、好ましくは150cm以下であり、より好ましくは125cm以下、さらに好ましくは120cm以下である。
ここで、スパイラルフロー測定は、たとえば低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製「KTS−15」)を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に金型温度120℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定することにより行うことができる。
さらに、本実施形態に係る封止用樹脂組成物を、120℃で4時間熱処理して得られる硬化物について、前記硬化物の25℃における曲げ弾性率をE[GPa]とし、0℃から前記硬化物のガラス転移温度にわたる温度領域における平均線膨張係数をα1[10−5/℃]としたとき、下記(式)でストレスインデックスが算出される。
(式)(ストレスインデックス)=(平均線膨張係数α1)×(曲げ弾性率E)
本実施形態において、ストレスインデックスの上限値としては、例えば、24.0[10−5×GPa/℃]以下であることが好ましく、23.0[10−5×GPa/℃]以下であることがより好ましい。これにより、詳細なメカニズムは定かではないが、封止用樹脂組成物を硬化した際、一次電池にかかる応力を低減でき、一次電池の変形や破損を防止できる。
また、ストレスインデックスの下限値としては、例えば、20.0[10−5×GPa/℃]以上であり、21.0[10−5×GPa/℃]以上である。これにより、封止用樹脂組成物を硬化した時に適切な機械的強度を保つことができる。
上述したストレスインデックスは、本発明者らが内部応力の程度を規定するために規定したパラメータであり、樹脂組成物の組成およびその配合量で定まるパラメータである。ストレスインデックスを上述の範囲内とすることにより、樹脂組成物の一次電池に対する密着性を維持しつつ、一次電池に過度な応力がかかることを防止できる。
好ましい実施形態において、封止用樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物を、温度125℃、圧力0.2MPa、相対湿度100%RHの条件で、24時間吸湿処理したとき、下記(式)で吸水率が算出される。
式:(吸水率)={(吸湿処理後の質量−吸湿処理前の質量)/吸湿処理前の質量}×100(%)
本実施形態において吸水率の上限値としては、例えば、0.5%以下であることが好ましく、0.4%以下であることがより好ましい。得られる一次電池付モジュールの耐湿信頼性を確保することができる。また、吸湿性の下限値としては、例えば、0.1%以上である。これにより一次電池付モジュールの生産性の低下を防止することができる。
本実施形態の樹脂組成物のゲルタイム、スパイラルフロー流動長、ストレスインデックスおよび吸水率は、たとえば樹脂組成物の調製方法を制御すること、および樹脂組成物を構成する成分の種類や配合割合をそれぞれ適切に選択すること等により、それぞれ所望の範囲内とすることが可能である。
以下、本実施形態の封止用樹脂組成物の構成成分について説明する。本実施形態の封止用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態の樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂は、たとえばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、およびマレイミド樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含む。これらの中でも、硬化性、保存性、耐熱性、耐湿性、および耐薬品性を向上させる観点から、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は限定されない。
エポキシ樹脂としては、たとえば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の2官能性または結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂およびアルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物の流動性を向上して成形性を向上する観点から、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは12質量%以上である。
また、樹脂組成物の硬化物の耐湿信頼性や耐リフロー性、耐温度サイクル性を向上する観点から、エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
また、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂組成物の流動性を向上して成形性を向上する観点から樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは12質量%以上である。
また、樹脂組成物の硬化物の耐湿信頼性や耐リフロー性、耐温度サイクル性を向上する観点から、熱硬化性樹脂の含有量は、封止用樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
また、封止用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂は、硬化剤の例として後述するフェノール樹脂硬化剤等の樹脂硬化剤を含んでもよい。
(硬化剤)
一実施形態において、封止用樹脂組成物は、硬化剤を含んでもよい。硬化剤として、フェノール樹脂硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性等のバランスの点からフェノール樹脂硬化剤が好ましい。また、複数の系統の硬化剤を組み合わせてもよい。
フェノール樹脂硬化剤としては、たとえば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のフェノール類とホルムアルデヒドやケトン類とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック樹脂;上述のフェノール類とジメトキシパラキシレンまたはビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂;ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂などのフェノールアラルキル樹脂;トリスフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、たとえば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミン;ジシアンジアミド(DICY)や有機酸ジヒドララジドなどのポリアミン化合物からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、たとえば、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)や無水マレイン酸などの脂環族酸無水物;無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)、無水フタル酸などの芳香族酸無水物からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
メルカプタン系硬化剤としては、たとえば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)からなる群から選択される1以上の化合物が挙げられる。
また、その他の硬化剤としては、イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。
また、本実施形態の樹脂組成物が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを含むとき、エポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわち、(エポキシ樹脂中のエポキシ基モル数/フェノール樹脂硬化剤中のフェノール性水酸基モル数の比)は、封止用樹脂組成物の成形性および信頼性を向上する観点から、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.8以上であり、また、好ましくは2以下であり、より好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下である。
(イミダゾール化合物)
一実施形態において、封止用樹脂組成物はイミダゾール化合物を含んでもよい。イミダゾール化合物は、具体的には、硬化促進剤として機能する。低温硬化性と充填性のバランスの観点から、イミダゾール化合物の官能基は、好ましくは3個以下であり、より好ましくは1個以下である。
イミダゾール化合物として、たとえば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4−メチルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル(1')]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールからなる群から選択される1または2以上の化合物が挙げられる。
イミダゾール化合物は、樹脂組成物の低温硬化性を向上する観点および低温/低圧成形時の充填性等を向上して樹脂組成物の成形性を高める観点から、好ましくは2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールおよび2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールからなる群から選択される1以上の化合物を含み、より好ましくは2−フェニルイミダゾールおよび2−メチルイミダゾールの1以上を含む。
硬化促進剤としてイミダゾール化合物が用いられる場合、イミダゾール化合物の含有量は、樹脂組成物の硬化性を向上する観点から、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。
また、低温成形時の充填性等を向上して樹脂組成物の成形性を高める観点から、樹脂組成物中のイミダゾール化合物の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
(無機充填材)
一実施形態において、封止用樹脂組成物は、無機充填材をさらに含んでもよい。
無機充填材としては、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ、非晶質シリカ等のシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化アルミニウムが挙げられる。汎用性に優れる点から、無機充填材は好ましくはシリカを含み、より好ましくは球状のシリカを含み、さらに好ましくは溶融球状シリカを含む。
また、安価に封止材を作成するという観点では、無機充填材がシリカを含み、シリカが球状シリカおよび破砕シリカを含むことが好ましい。
無機充填材の平均粒径d50は、流動性を向上する観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。
また、充填性を向上する観点から、無機充填材の平均粒径d50は、好ましくは50μm以下であり、好ましくは40μm以下である。
ここで、無機充填材の粒径分布は、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、島津製作所社製、SALD−7000)を用いて粒子の粒度分布を体積基準で測定することにより取得することができる。
封止用樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、硬化物の耐衝撃性や耐湿性を向上する観点から、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。
また、封止用樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上する観点から、無機充填材の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。
また、本実施形態の封止用樹脂組成物は、当該樹脂組成物の所望の性能を損なわない範囲で、上述した成分以外の成分を含んでもよい。たとえば、樹脂組成物は、離型剤、カップリング剤、イオン捕捉剤、pH調整剤、着色剤、低応力材、酸化防止剤からなる群から選択される1種または2種以上を含んでもよい樹脂組成物中のこれら各成分の量は、樹脂組成物の全固形分に対して、それぞれ、0.01〜2質量%程度の量とすることができる。
離型剤は、たとえばカルナバワックス等の天然ワックス;酸化ポリエチレンワックス、モンタン酸エステルワックス、1−アルケン(C>10)・マレイン酸無水物の重縮合物とステアリルアルコールとの反応生成物等の合成ワックス;ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類;ならびにパラフィンから選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
カップリング剤の具体例として、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム化合物が挙げられる。
シラン化合物の具体例として、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンの加水分解物が挙げられる。
チタン化合物の具体例として、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートが挙げられる。
これらの中でも、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシランまたはビニルシランのシラン系化合物が好ましい。また、充填性や成形性をより効果的に向上させる観点からは、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランに代表される2級アミノシランを用いることが好ましい。
pH調整剤の具体例として、ハイドロタルサイトが挙げられる。
着色剤の具体例として、カーボンブラック、ベンガラが挙げられる。
また、低応力剤の具体例として、シリコーンオイル、シリコーンゴム、カルボキシル基末端ブタジエンアクリロニトリルゴムが挙げられる。樹脂流動性向上の観点から、低応力剤は、好ましくはシリコーンオイルおよびカルボキシル基末端ブタジエンアクリロニトリルゴムからなる群から選択される1種以上を含む。
次に、本実施形態の封止用樹脂組成物の製造方法を説明する。本実施形態において、封止用樹脂組成物は、たとえば、まず、前述の各原料成分を、公知の手段で混合することにより混合物を得る。さらに、混合物を溶融混練することにより、混練物を得る。混練方法としては、たとえば、1軸型混練押出機、2軸型混練押出機等の押出混練機や、ミキシングロール等のロール式混練機を用いることができるが、2軸型混練押出機を用いることが好ましい。冷却した後、混練物を粉粒状、顆粒状、タブレット状、またはシート状とすることができる。
粉粒状の樹脂組成物を得る方法としては、たとえば、粉砕装置により、混練物を粉砕する方法が挙げられる。混練物をシートに成形したものを粉砕してもよい。粉砕装置としては、たとえば、ハンマーミル、石臼式磨砕機、ロールクラッシャーを用いることができる。
顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得る方法としては、たとえば、混練装置の出口に小径を有するダイスを設置して、ダイスから吐出される溶融状態の混練物を、カッター等で所定の長さに切断するというホットカット法に代表される造粒法を用いることもできる。この場合、ホットカット法等の造粒法により顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得た後、樹脂組成物の温度があまり下がらないうちに脱気を行うことが好ましい。
ここで、本実施形態においては、たとえば、各原料成分の種類や配合量を適切に選択するとともに、樹脂組成物の調製方法等を適切に選択し、具体的には硬化反応が進みすぎないように混練温度を、たとえば50〜80℃程度の低温とすることにより、トルク変化の挙動および硬化物のガラス転移温度について所望の特性を有する封止用樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態において得られる封止用樹脂組成物は、一次電池の封止に好適に用いられ、その際の低温での充填性および硬化性に優れるものである。また、本実施形態において得られる封止用樹脂組成物を用いることにより、一次電池付モジュールを優れた生産性で安定的に得ることも可能となる。たとえば、本実施形態によれば、120℃、5分程度の封止条件にて封止用樹脂組成物の硬化物からなる封止材を形成することも可能となる。
(一次電池)
本実施形態の樹脂組成物で封止される一次電池は、一般に、正極、負極、ならびに正極と負極との間に設けられた電解質およびセパレータを備える、充電ができないタイプの電池である。一次電池としては、例えば、マンガン乾電池、アルカリ乾電池、リチウム乾電池などがある。またこのような一次電池の形状としては、コイン電池、ボタン電池、または円筒形乾電池が挙げられる。いずれのタイプの一次電池であっても、本実施形態の樹脂組成物により封止することができる。
一次電池は、そのサイズおよび構成が、ANSI規格により規定され、標準のAAA、AA、C、およびDの電池サイズで市場から入手できる。市販の一次電池は、その耐熱温度が、100℃以上150℃以下である。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、比較的低温、例えば、120℃の温度下において硬化性および成形性に優れるため、一般の一次電池の封止に用いた場合であっても、一次電池の性能に影響する虞がない。
(一次電池付モジュール)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、一次電池を封止して、一次電池付モジュールを作製するために用いられる。本実施形態において、一次電池付モジュールは、金属層と、金属層上に配置された一次電池と、一次電池を封止する封止層と、を備え、この封止層が、上述の樹脂組成物の硬化物より構成される。
図1は、本実施形態の一次電池付モジュールの構造を概略的に示す断面模式図である。一次電池付モジュール10は、例えば、外部接続用端子を備える金属層18、金属層18上に搭載されるとともに金属層18と電気的に接続された一次電池20、必要に応じて電子素子16が搭載された基板12とを備え、少なくとも金属層18および一次電池20は、本実施形態の樹脂組成物の硬化物よりなる封止材14で封止されている。ここで、金属層18と基板12とは、配線120により電気的に接続されている。
基板12は、たとえば一面および当該一面とは反対の他面のうちの一方または双方に回路配線が設けられた配線基板である。図1に示すように、基板12は、たとえば平板状の形状を有している。本実施形態においては、たとえばポリイミド等の有機材料により形成された有機基板を基板12として採用することができる。また、基板12の厚さは、とくに限定されないが、たとえば0.1mm以上5mm以下としてもよく、好ましくは0.5mm以上3mm以下としてもよい。
基板12の一面および他面のうちの一方または双方には、たとえば電子素子16が搭載されている。電子素子16としては、温度計、電圧計、センサ、カメラ撓が挙げられるがこれらに限定されない。
一次電池付モジュールの具体例としては、例えば、水道スマートメータ、医療機器、人感センサ、車載用カメラ、監視カメラ、LED付温度計、LCD付電圧計等が挙げられるがこれらに限定されない。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1、2)
(封止用樹脂組成物の調製)
各実施例および各比較例について、以下のように封止用樹脂組成物を調製した。
まず、表1に従い配合された各原材料を常温でミキサーを用いて混合した後、50〜80℃でロール混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕して樹脂組成物を得た。表1における各原料成分の詳細は下記のとおりである。
(原料)
(無機充填材)
無機充填材1:溶融球状シリカ、デンカ社製、FB−560
無機充填材2:溶融球状シリカ、アドマテックス社製、SC−2500−SQ
(着色剤)
着色剤1:オイルファーネスブラック、三菱ケミカル社製、カーボン#5
(カップリング剤)
カップリング剤1:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、東レダウコーニング社製、CF4083
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN−1020−55、日本化薬社製
エポキシ樹脂2:変性エポキシ樹脂、DIC社製、HP−6000L
(硬化剤)
硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂、住友ベークライト社製、PR−55617
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:2−フェニルイミダゾール、四国化成工業社製、2PZ−PW
硬化促進剤2:2−メチルイミダゾール、四国化成工業社製、2MZ−H
硬化促進剤3:トリフェニルホスフィン、ケイ・アイ化成社製、PP−360ビフン
硬化促進剤4:下記式で表される硬化促進剤
Figure 2021113241
(離型剤)
離型剤1:1−アルケン(C>10)・マレイン酸無水物の重縮合物とステアリルアルコールとの反応生成物、エアー・ウォーター社製、T−WAX
(pH調整剤)
pH調整剤1:ハイドロタルサイト、協和化学工業社製、DHT−4H
(低応力剤)
低応力材1:エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、東レダウコーニング社製、FZ−3730
(樹脂組成物の物性測定)
各例で得られた樹脂組成物について、以下の物性測定をおこなった。測定結果を表1にあわせて示す。
(樹脂組成物の物性)
各例で得られた樹脂組成物について、以下の物性測定をおこなった。測定結果を表1にあわせて示す。
(ガラス転移温度)
各例で得られた封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を以下のように測定した。まず、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−15」)を用いて金型温度120℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒で封止用樹脂組成物を注入成形し、10mm×4mm×4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を120℃、4時間で後硬化した後、熱機械分析装置(セイコー電子工業社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定をおこなった。そして、この測定結果から、ガラス転移温度(℃)を算出した。
(トルク変化の挙動:時間T、T、Tおよび最低トルク値の測定)
各例で得られた封止用樹脂組成物について、時間T、T、Tおよび最低トルク値の測定を次のように行った。まず、ラボプラストミル試験機(東洋精機製作所社製、4C150)を用いて、回転数30rpm、測定温度120℃の条件で封止用樹脂組成物の溶融トルクを経時的に測定した。次いで、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間T(秒)と、測定開始から最低トルク値に到達するまでの時間T(秒)と、最低トルク値を経た後にトルク値が3N・mとなる点からトルク値が6N・mとなる点までの時間T(秒)と、を測定結果に基づいて算出した。測定開始点は、ラボプラストミル試験機に材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点とした。また、測定結果から、最低トルク値(N・m)を算出した。
(スパイラルフロー)
各例で得られた封止用樹脂組成物に対しスパイラルフロー測定を行った。スパイラルフロー測定は、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−15」)を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に金型温度120℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長(cm)を測定することにより行った。
(ゲルタイム)
各例で得られた封止用樹脂組成物のゲルタイムを測定した。ゲルタイムの測定は、120℃に加熱した熱板上で封止用樹脂組成物を溶融した後、へらで練りながら硬化するまでの時間(ゲルタイム:秒)を測定することによりおこなった。
(ストレスインデックス)
(a.曲げ弾性率Eの測定)
まず、トランスファー成形機を用いて、金型温度120℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間2分の条件で封止用樹脂組成物を金型に注入成形し、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を120℃、4時間の条件で熱処理し、その後放冷した。以上により、評価用の硬化物を作製した。上記の評価用の硬化物について、テンシロン試験機を用いて、25℃における曲げ弾性率Eを、JIS K 6911に準じて評価した。曲げ弾性率Eの単位はGPaである。
(b.平均線膨張係数α1の測定)
上記評価用の硬化物を、熱機械分析装置(セイコーインスツル株式会社製、TMA100)にセットし、温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行った。測定データを解析し、0℃から硬化物のガラス転移温度(Tg)にわたる温度領域での、平均線膨張係数αを求めた。αの単位は[10−5/℃]である。
(c.ストレスインデックスの算出)
上述で得られた、25℃における曲げ弾性率Eと、平均線膨張係数α1より、以下の式を用いて、ストレスインデックスを算出した。
(式)(ストレスインデックス)=(平均線膨張係数α1)×(曲げ弾性率E)
(吸水率)
封止用樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物を、150℃、16時間乾燥させた。このときの硬化物の質量を吸湿処理前の質量とする。続いて、温度125℃、圧力0.2MPa、相対湿度100%RHの条件で、24時間吸湿処理した。このときの硬化物の重量を吸湿処理後の重量とした。以下の式より、吸水率を算出した。
式:(吸水率)={(吸湿処理後の質量−吸湿処理前の質量)/吸湿処理前の質量}×100(%)
(性能評価)
各例で得られた樹脂組成物を用いてコイン電池を120℃で封止した際の充填性および硬化性を以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
(充填性)
各実施例および比較例について、コイン電池を未充填なく封止できるかどうかを以下のように評価した。
まず、PCB基板上に、耐高温ボタン電池(パナソニック社製、BR2450A、耐高温BR系コイン形リチウム電池)をはんだ付けした。次いで、APIC社製のMZ−910−01マニュアルプレスにより、金型温度120℃、注入時間35秒、注入圧力3MPa、硬化時間120秒の条件にて、このボタン電池を封止成形した。
得られた成形物表面を目視で観察し、未充填部分があれば「×」、未充填部分がなければ「○」として、充填性を評価した。
(硬化性)
各実施例および比較例について、コイン電池を未充填なく封止できるかどうかを以下のように評価した。
まず、PCB基板上に、耐高温ボタン電池(パナソニック社製、BR2450A、耐高温BR系コイン形リチウム電池)をはんだ付けした。次いで、APIC社製のMZ−910−01マニュアルプレスにより、金型温度120℃、注入時間35秒、注入圧力3MPa、硬化時間120秒の条件にて、このボタン電池を封止成形した。
得られた成形物の表面硬度を、JIS K 7215−1986に準拠してデュロメータ(高分子計器株式会社製)を用いて測定し、硬度が60未満であれば「×」、60以上であれば「○」として、硬化性を評価した。なお硬度が高いほど、硬化性が良好であることを示す。
Figure 2021113241
実施例の樹脂組成物は、120℃での低温硬化工程において優れた硬化性を示した。一方、比較例の樹脂組成物は、粘度が低く流動性が高いため充填性は良好であるものの、120℃では硬化せず、成形体を得ることはできなかった。
10 一次電池付モジュール
12 基板
14 封止材
16 電子素子
18 金属層
20 一次電池
120 配線

Claims (8)

  1. 一次電池を封止するために用いられる封止用樹脂組成物であって、
    前記封止用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含み、
    当該封止用樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物のガラス転移温度が、120℃以上であり、
    ラボプラストミルを用いて、回転数30rpm、測定温度120℃の条件でトルク値を経時的に測定した際に、トルク値が最低トルク値の2倍以下である時間Tが15秒以上100秒以下であり、最低トルク値が0.5N・m以上である、封止用樹脂組成物。
  2. 前記一次電池の耐熱温度が100℃以上150℃以下である、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記一次電池が、コイン電池、ボタン電池、または円筒形乾電池である、請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 当該封止用樹脂組成物を、120℃で4時間熱処理して得られる硬化物について、前記硬化物の25℃における曲げ弾性率をE[GPa]とし、0℃から前記硬化物のガラス転移温度にわたる温度領域における平均線膨張係数をα1[10−5/℃]としたとき、下記(式)で表されるストレスインデックスが、20.0[10−5×GPa/℃]以上24.0[10−5×GPa/℃]以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
    式:(ストレスインデックス)=(平均線膨張係数α1)×(曲げ弾性率E)
  5. 当該封止用樹脂組成物を120℃で4時間加熱して得られる硬化物を、温度125℃、圧力0.2MPa、相対湿度100%RHの条件で、24時間吸湿処理したとき、以下の式で表される吸水率が、0.1%以上0.5%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
    式:(吸水率)={(吸湿処理後の質量−吸湿処理前の質量)/吸湿処理前の質量}×100(%)
  6. 硬化促進剤をさらに含み、
    前記硬化促進剤がイミダゾール化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  7. 前記一次電池が、外装缶、ならびに前記外装缶に収容された正極、負極、電解質、およびセパレータを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  8. 一次電池付モジュールであって、
    金属層と、
    前記金属層上に配置された一次電池と、
    前記一次電池を封止する封止層と、を備え、
    前記封止層は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物からなる、一次電池付モジュール。
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