JP2019099726A - エポキシ樹脂および電子装置 - Google Patents

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雅浩 和田
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Abstract

【課題】金属密着性に優れたエポキシ樹脂組成物を実現するためのエポキシ樹脂を提供する。【解決手段】本発明のエポキシ樹脂は、有機物を含有する塩素含有粒子を含むものである。【選択図】図1

Description

本発明は、エポキシ樹脂および電子装置に関する。
これまでエポキシ樹脂組成物について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、原料由来の加水分解性塩素の含有量を低減させるために、原料にエピクロルヒドリン(エピクロロヒドリン)を使用しない方法で製造したエポキシ化合物を使用することが記載されている(特許文献1の段落0012)。
特開2012−92247号公報
本発明者が検討した結果、特許文献1に記載のエポキシ化合物を使用したエポキシ樹脂組成物において、金属密着性の点において改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、エポキシ樹脂に含有される塩素の存在状態を適切に制御することにより、かかるエポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物における特性を改質できることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、有機物を含有する塩素含有粒子を含むエポキシ樹脂を採用することにより、エポキシ樹脂組成物における金属密着性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
詳細なメカニズムは定かでないが、Cu等の金属に対する酸化作用を塩素含有粒子が有しており、かかる酸化作用により金属の表面が改質され、エポキシ樹脂組成物との親和性が向上するため、金属密着性が向上するものと考えられる。
本発明によれば、
有機物を含有する塩素含有粒子を含む、エポキシ樹脂が提供される。
また本発明によれば、上記エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、金属密着性に優れたエポキシ樹脂組成物を実現するエポキシ樹脂およびそれを用いた電子装置が提供される。
半導体装置の一例を示す断面図である。 半導体装置の一例を示す断面図である。 構造体の一例を示す断面図である。
以下、実施の形態について、適宜図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[エポキシ樹脂]
本実施形態のエポキシ樹脂は、有機物を含有する塩素含有粒子を含むものである。このエポキシ樹脂は、例えば、電子部品を封止するためのエポキシ樹脂組成物(封止用樹脂組成物)の成分として用いることができる。
本発明者の知見によれば、次のようなことが判明した。
従来、エポキシ樹脂中における全塩素や加水分解性塩素を対象とし、対象の含有量を指標として検査する方法が知られている。従来対象としていた加水分解性塩素や遊離塩素はエポキシ樹脂(または、封止材等のエポキシ樹脂組成物)全体に均一に存在している。
これに対して、有機物を含有する塩素含有粒子という、塩素の新たな存在形態が見出された。この塩素含有粒子の塩素は、加水分解性塩素や遊離塩素に由来する塩素とは存在形態が相違することが判明しており、エポキシ樹脂やエポキシ樹脂組成物に対して局所的に存在し、当該粒子中において高濃度のものである。例えばエネルギー分散型X線分光法(EDX)の元素マッピングなどで有意に、塩素含有粒子中の塩素の存在を確認することができる。
詳細なメカニズムは定かでないが、このような塩素含有粒子は、Cu等の金属に対する酸化作用を有しており、かかる酸化作用により金属の表面を改質し、エポキシ樹脂組成物との親和性を向上させ、エポキシ樹脂組成物における金属密着性を向上できるものと考えられる。
したがって、有機物を含有する塩素含有粒子を含むエポキシ樹脂を用いることにより、エポキシ樹脂組成物における金属密着性を向上できる。
本実施形態において、塩素含有粒子は、エポキシ樹脂をアセトンに混合して溶液を得、得られた前記溶液を目開きサイズが75μmのフィルターで濾過し、そのフィルター上の残渣中に含まれるものとすることができる。
本実施形態において、塩素含有粒子は次の検査方法(以下、塩素含有粒子の検査方法と呼称することもある。)により検出することができる。
(1) 試料として、エポキシ樹脂組成物またはエポキシ樹脂組成物を構成する原料成分(例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材など)を準備する。エポキシ樹脂組成物は、各原料成分を混合・混練し、得られた混練物を冷却したもの(Bステージ状態のエポキシ樹脂組成物)を使用する。
(2) (1)の試料50gを、洗浄済みのポリプロピレン製の1000ml容器に投入し、アセトン300mlを加え、容器に蓋をした後、室温25℃、シェーカーを用いて、300往復/分の条件で50分間シェーク(混合)する。使用するアセトンは、目開きサイズが12μmのフィルターで濾過したものを使用する。
(3) ファンネルセット(濾過器具)に、上記アセトンで洗浄したフィルターを設置する。フィルターは、目開きサイズが75μmのナイロン製フィルターに、超音波洗浄したものを使用する。
(4) (2)においてシェークした容器を静置し、その後、容器中における溶液を、(3)のファンネル上部から注ぎ入れ、フィルターを介して吸引濾過した。試料中含まれる無機充填材等のフィラーの粒径がフィルターの目開きよりも大きな粒径を使用する場合、該溶液中の上澄みをフィルターで濾過してもよい。
(5) ファンネルを取り外し、吸引したままフィルター上の残渣を乾燥させる。
(6) (5)のフィルター表面に測定用シートの粘着性表面を貼り付けて、測定用シートの粘着性表面に残渣を回収する。
(7) (6)の測定用シートをフィルターから剥離し、その粘着性表面における全面について、デジタルマイクロスコープを用いて合成写真を作成する。視野倍率が50倍になる様に調整した後、全面観察し、残渣が存在する位置を記録して印刷する。
(8) (7)の印刷物で残渣の位置を確認するとともに、走査型電子顕微鏡(SEM)/エネルギー分散形X線分析装置(EDS)を用いて、当該残渣について組成分析を実施する。
(9) (8)のエネルギー分散型X線分光法(EDX)に基づく残渣の組成分析結果から、エポキシ樹脂組成物またはそれを構成する原料成分中に含有される塩素含有粒子の個数をカウントするとともに、塩素含有粒子中の元素成分を特定する。必要に応じて、塩素含有粒子について各種の分析を実施してもよい。
従来の全塩素量を測定する手法は、無機塩素、およびエポキシ樹脂の原料由来などの加水分解性塩素を対象とするものであるため、上記の塩素含有粒子を測定の対象とすることができなかった。
これに対して、上記塩素含有粒子の検査方法は、エポキシ樹脂組成物やその原料成分中に含有される塩素含有粒子や当該粒子に含有される塩素について安定的に検出する方法であり、本発明者によって新たに確立された手法である。
エポキシ樹脂に含有される上記塩素含有粒子中の有機物は、炭酸塩、アミド化合物、およびケイ酸塩からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これら有機物はエポキシ樹脂との混合物であってもよい。
エポキシ樹脂組成物中に含有される上記塩素含有粒子中の有機物は、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、絹、シリコーン化合物、およびアミド化合物からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。またはこれらの混合物であってもよい。
上記塩素含有粒子は、これら以外の有機物を含有していてもよい。FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)を用いた塩素含有粒子のスペクトル結果から有機物を同定することができる。
上記塩素含有粒子中の塩素濃度の下限値は、例えば、0.01Atm%以上であり、0.5Atm%以上でもよく、0.1Atm%以上でもよい。これにより、金属密着性を向上させることができる。一方、上記塩素含有粒子中の塩素濃度の上限値は、例えば、20Atm%以下であり、好ましくは10Atm%以下であり、より好ましくは7Atm%以下である。これにより、信頼性を向上させることができる。
また複数の塩素含有粒子が存在する場合、塩素濃度の最大値を低減させることにより、信頼性を高めることが可能である。
上記塩素含有粒子中の炭素濃度の下限値は、例えば、40Atm%以上であり、好ましくは50Atm%以上であり、より好ましくは60Atm%以上である。これにより、塩素含有粒子中に塩素を安定して固定することが可能である。一方、上記塩素含有粒子中の炭素濃度の上限値は、他の構成成分によって適宜変更してもよく、特に限定されないが、例えば、99Atm%以下でもよく、90Atm%以下でもよく、85Atm%以下でもよく、70Atm%以下でもよい。
上記塩素含有粒子は、酸素成分を含有してもよい。この場合、上記塩素含有粒子中の酸素濃度は、例えば、1Atm%〜40Atm%以下でもよく、2Atm%〜35Atm%でもよく、3Atm%〜30Atm%でもよく、3Atm%〜28Atm%でもよい(以下、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す)。
前記塩素含有粒子は、Al元素、Mg元素、Si元素、Fe元素、Zn元素、Ti元素、Ca元素、Na元素、K元素、S元素、炭酸化合物からなる群から選択される一種以上を含有することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この場合、上記塩素含有粒子中のAl濃度は、0.1Atm%〜4Atm%でもよく、0.1Atm%〜1.0Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のMg濃度は、0.1Atm%〜0.5Atm%でもよく、0.1Atm%〜0.4Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のSi濃度は、0.1Atm%〜5Atm%でもよく、0.1Atm%〜2.0Atm%でもよく、0.1Atm%〜1Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のFe濃度は、0.1Atm%〜4Atm%でもよく、0.1Atm%〜2.0Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のZn濃度は、0.1Atm%〜5Atm%でもよく、0.1Atm%〜1.0Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のTi濃度は、0.01Atm%〜1.0Atm%でもよく、0.04Atm%〜0.8Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のCa濃度は、0.01Atm%〜17Atm%でもよく、0.02Atm%〜6Atm%でもよく、0.1Atm%〜3Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のNa濃度は、0.01Atm%〜2Atm%でもよく、0.1Atm%〜1.5Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のK濃度は、0.01Atm%〜5Atm%でもよく、0.1Atm%〜1.0Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子中のS濃度は、0.01Atm%〜2Atm%でもよく、0.02Atm%〜1.0Atm%でもよい。
上記塩素含有粒子における元素成分としては、塩素元素および炭素元素の他に、1種以上でもよく、2種以上でもよく、または5種以上の他の元素を含有してもよい。
本実施形態において、上記塩素含有粒子中における、元素組成やその元素濃度については、エネルギー分散型X線分光法(EDX)に基づいて測定することが可能である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物における塩素含有粒子の個数は、1個以上とすることができる。これにより、電子部品を封止する封止材(封止用エポキシ樹脂組成物)としてエポキシ樹脂組成物を用いた場合に、金属回路、金属パット、金属ワイヤなどの金属部材との密着性を高めることができる。とくにCu等の金属部材との密着性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂組成物における塩素含有粒子の個数は、例えば、10個以下としてもよく、5個以下としてもよく、3個以下でもよく、2個以下でもよい。これにより、電子部品を封止する封止材としてエポキシ樹脂組成物を用いた場合に、信頼性を向上させることができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物に用いる各成分に関し、例えば、エポキシ樹脂中において、塩素含有粒子の個数は、1〜5個以下でもよく、1〜3個以下でもよく、1〜2個以下でもよく、1個でもよい。これにより、金属密着性および信頼性に優れたエポキシ樹脂組成物を実現することができる。
本実施形態では、たとえば熱硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分の種類・配合量・作製方法(製造方法または製造後の精製方法)、熱硬化性樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記塩素含有粒子の量を制御することが可能である。これらの中でも、たとえばエポキシ樹脂や硬化剤等の各成分について、有機溶剤に溶解させた溶液などの液状物をフィルターで濾過すること、その際には目開きサイズが小さい当該フィルターを使用すること、また上記液状物を遠心分離にかけ、異物が含まれる下部層を除去し、上部層のみを使用すること、反応中に発生するHCLを徹底して除去して塩素元を根絶することなどが挙げられ、無機充填材について保証篩のサイズを小さくすること、複数のロットから適切なものを選別すること等が、上記塩素含有粒子の量を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
[エポキシ樹脂組成物]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填材を含むことができる。このエポキシ樹脂は、有機物を含有する塩素含有粒子を含むものである。
以下、本実施形態におけるエポキシ樹脂組成物の各成分について詳述する。
[エポキシ樹脂]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含むことができる。
本実施形態におけるエポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではない。
上記エポキシ樹脂としては、たとえば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の2官能性または結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂およびアルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物中におけるエポキシ樹脂の含有量の下限値は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して、例えば8質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、12質量%以上とすることが特に好ましい。エポキシ樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性を向上させ、成形性のさらなる向上を図ることができる。
一方で、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して、例えば30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、エポキシ樹脂組成物を用いて形成される硬化物を備える半導体装置およびその他の構造体について、耐湿信頼性や耐リフロー性、耐温度サイクル性を向上させることができる。
本実施形態において、エポキシ樹脂組成物の全固形分とは、エポキシ樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、エポキシ樹脂組成物全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。
[硬化剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。
本実施形態における硬化剤は、エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等、が挙げられる。これらの中でも、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性等のバランスの点からフェノール樹脂系硬化剤が好ましい。
<フェノール樹脂系硬化剤>
上記フェノール樹脂系硬化剤としては、エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のフェノール類とホルムアルデヒドやケトン類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂、上記したフェノール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂などのフェノールアラルキル樹脂、トリスフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂、などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<アミン系硬化剤>
上記アミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン(DETA)やトリエチレンテトラミン(TETA)やメタキシリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)やm−フェニレンジアミン(MPDA)やジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)や有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<酸無水物系硬化剤>
上記酸無水物系硬化剤としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)やメチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)や無水マレイン酸などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)や無水ピロメリット酸(PMDA)やベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)、無水フタル酸などの芳香族酸無水物などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<メルカプタン系硬化剤>
メルカプタン系硬化剤としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他硬化剤>
その他の硬化剤としては、イソシアネートプレポリマーやブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物、カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記のうち異なる系の硬化剤の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤がフェノール樹脂系硬化剤の場合、エポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基モル数/フェノール樹脂系硬化剤中のフェノール性水酸基モル数の比は、特に制限はないが、成形性と信頼性に優れるエポキシ樹脂組成物を得るために、例えば0.5以上2以下の範囲が好ましく、0.6以上1.8以下の範囲がより好ましく、0.8以上1.5以下の範囲が最も好ましい。
[無機充填材]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、無機充填材を含有することができる。
上記無機充填材としては、たとえば、溶融破砕シリカ及び溶融球状シリカ等の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化珪素、および窒化アルミ等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、好ましくは、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ等のシリカであり、より好ましくは溶融球状シリカを使用することができる。
無機充填材の平均粒径(D50)の下限値は、例えば、0.01μm以上でもよく、1μm以上でもよく、5μm以上でもよい。これにより、エポキシ樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性をより効果的に向上させることが可能となる。また、無機充填材の平均粒径(D50)の上限値は、例えば、50μm以下であり、好ましくは40μm以下である。これにより、未充填等が生じることを確実に抑制できる。また、本実施形態の無機充填材は、平均粒径(D50)が1μm以上50μm以下の無機充填材を少なくとも含むことができる。これにより、流動性をより優れたものとすることができる。
本実施形態において、無機充填材の平均粒径(D50)は、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製、SALD−7000)を用いて粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒径とすることができる。
また、無機充填材は、たとえば異なる平均粒径(D50)の充填材を二種以上併用してもよい。これにより、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対する無機充填材の充填性をより効果的に高めることができる。また、本実施形態においては、平均粒径0.01μm以上1μm以下の充填材と、平均粒径1μmより大きく50μm以下の充填材とを含むことが、エポキシ樹脂組成物の充填性を向上させる観点から、一例として用いてもよい。
また、本実施形態の無機充填材の一例としては、エポキシ樹脂組成物の充填性をさらに向上させる観点から、たとえば、平均粒径0.01μm以上1μm以下の第一充填材と、平均粒径1μmより大きく15μm以下の第二充填材、平均粒径15μmより大きく50μm以下の第三充填材を含むことができる。
上記無機充填材の含有量の下限値は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して、例えば、70質量%以上であることが好ましく、73質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがとくに好ましい。これにより、低吸湿性および低熱膨張性を向上させ、半導体装置及びその他の構造体の耐温度サイクル性や耐リフロー性をより効果的に向上させることができる。一方で、無機充填材の含有量の上限値は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して、例えば、95質量%以下であることが好ましく、93質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがとくに好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。
[硬化促進剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、たとえば硬化促進剤をさらに含むことができる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、の架橋反応を促進させるものであればよく、一般のエポキシ樹脂組成物に使用するものを用いることができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物(イミダゾール系硬化促進剤);テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、硬化促進剤の含有量の下限値は、例えば、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して0.20質量%以上であることが好ましく、0.40質量%以上であることがより好ましく、0.70質量%以上であることがとくに好ましい。硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形時における硬化性を効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤の含有量の上限値は、例えば、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、成形時における流動性の向上を図ることができる。
[カップリング剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、たとえばカップリング剤を含むことができる。カップリング剤としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシランまたはビニルシランのシラン系化合物がより好ましい。また、充填性や成形性をより効果的に向上させる観点からは、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランに代表される2級アミノシランを用いることが特に好ましい。
上記カップリング剤の含有量の下限値は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。カップリング剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、エポキシ樹脂組成物の流動性を良好なものとすることができる。一方で、カップリング剤の含有量の上限値は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。カップリング剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物における機械的強度の向上を図ることができる。
[その他の成分]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物には、さらに必要に応じて、ハイドロタルサイト、アルミニウム−マグネシウム系無機イオン交換体等のイオン捕捉剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;カルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックス、ジエタノールアミン・ジモンタン酸エステル、トリレンジイソシアネート変性酸化ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤;酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、たとえば低応力剤を含むことができる。低応力剤は、たとえばシリコーンオイル、シリコーンゴム、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン等のポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレン、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリオレフィングリコール、ポリ−ε−カプロラクトン等の熱可塑性エラストマー、ポリスルフィドゴム、およびフッ素ゴムから選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、シリコーンゴム、シリコーンオイル、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムのうちの少なくとも一方を含むことが、弾性率を所望の範囲に制御して、得られる半導体パッケージ及びその他の構造体の耐温度サイクル性、耐リフロー性を向上させる観点から、とくに好ましい態様として選択し得る。
上記低応力剤を用いる場合、低応力剤全体の含有量は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.10質量%以上であることがより好ましい。一方で、低応力剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物の全固形分に対して2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。低応力剤の含有量をこのような範囲に制御することにより、得られる半導体パッケージ及びその他の構造体の耐温度サイクル性、耐リフロー性をより確実に向上させることができる。
[エポキシ樹脂組成物の製造方法]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物の製造方法について説明する。
上記エポキシ樹脂組成物の製造方法としては、ロット選別工程、混合工程を含むことができる。まず、ロットが異なる複数のエポキシ樹脂aを準備し、上記の塩素含有粒子の検査方法を用いて、準備したエポキシ樹脂aの塩素含有粒子の個数を測定する。得られた測定結果に基づいて、複数のロットの中から、塩素含有粒子を含有するエポキシ樹脂aを選択する。これにより、所望のエポキシ樹脂aを得ることができる。この選択されたエポキシ樹脂aを、エポキシ樹脂組成物の原料成分(エポキシ樹脂A)として使用する(ロット選別工程)。このエポキシ樹脂Aとともに、他の原料成分を混合して(混合工程)、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
上記のロット選別工程により、有機物を含有する塩素含有粒子を含むエポキシ樹脂Aを得ることができる。また、他の成分(例えば、硬化剤bや無機充填材c)についても、エポキシ樹脂aと同様にして、ロット選別を行い、塩素含有粒子を含有する硬化剤bや無機充填材cを、原料成分(硬化剤Bや無機充填材C)として使用してもよい。また、上述の塩素含有粒子の量を制御する方法を適宜追加することが可能である。
また、上記混合工程において、公知の手段で混合することにより混合物を得る。さらに、混合物を溶融混練することにより、混練物を得る。混練方法としては、例えば、1軸型混練押出機、2軸型混練押出機等の押出混練機や、ミキシングロール等のロール式混練機を用いることができるが、2軸型混練押出機を用いることが好ましい。冷却した後、混練物を粉粒状、顆粒状、タブレット状、またはシート状とすることができる。
粉粒状の樹脂組成物を得る方法としては、例えば、粉砕装置により、混練物を粉砕する方法が挙げられる。混練物をシートに成形したものを粉砕してもよい。粉砕装置としては、例えば、ハンマーミル、石臼式磨砕機、ロールクラッシャー等を用いることができる。
顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得る方法としては、例えば、混練装置の出口に小径を有するダイスを設置して、ダイスから吐出される溶融状態の混練物を、カッター等で所定の長さに切断するというホットカット法に代表される造粒法等を用いることもできる。この場合、ホットカット法等の造粒法により顆粒状または粉末状の樹脂組成物を得た後、樹脂組成物の温度があまり下がらないうちに脱気を行うことが好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、様々な用途に用いることができる。例えば、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、封止用樹脂組成物または固定用樹脂組成物に用いることができる。本実施形態に係る封止用樹脂組成物(電子部品を封止するための封止用樹脂組成物)としては、半導体チップなどの電子部品を封止することができ、上記半導体パッケージに用いられる半導体封止用樹脂組成物、電子部品等を搭載した基板を封止した車載用電子制御ユニット封止用樹脂組成物、またはセンサー用、センサーモジュール用、カメラ用、カメラモジュール用、表示体付きモジュール、乾電池・コイン電池付きモジュール封止用樹脂組成物等に適用可能である。また、本実施形態に係る固定用樹脂組成物としては、モータ部品の固定にも使用することでき、例えば、ロータコア磁石固定用、ステータ固定用樹脂組成物等に適用できる。
本実施形態の構造体(例えば、電子装置)は、上記エポキシ樹脂組成物の硬化物を備えるものである。上記構造体としては、例えば、半導体パッケージ、電子部品等を搭載した基板を封止した電子制御ユニット、センサー、センサーモジュール、カメラ、カメラモジュール、表示体付きモジュール、乾電池・コイン電池付きモジュール、モータなどが挙げられる。
図1は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。ダイパッド3上に、ダイボンド材硬化体2を介して半導体素子1が固定されている。半導体素子1の電極パッドとリードフレーム5との間はボンディングワイヤ4によって接続されている。半導体素子1は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化体6によって封止されている。
図2は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物を用いた片面封止型の半導体装置の一例について、断面構造を示した図である。基板8の表面に、ソルダーレジスト7の層が形成された積層体のソルダーレジスト7上にダイボンド材硬化体2を介して半導体素子1が固定されている。半導体素子1と基板8との導通をとるため、基板8の電極パッドが露出するよう、電極パッド上のソルダーレジスト7は、現像法により除去されている。半導体素子1の電極パッドと基板8の電極パッドとの間はボンディングワイヤ4によって接続されている。本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化体6によって、基板8の半導体素子1が搭載された片面側のみが封止されている。基板8上の電極パッドは基板8上の非封止面側の半田ボール9と内部で接合されている。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、車載用電子制御ユニットを封止するための封止用樹脂組成物として用いることができる。
図3は、本実施形態の構造体(車載用電子制御ユニット10)の一例を示す断面模式図である。
車載用電子制御ユニット10は、エンジンや各種車載機器等を制御するために用いられる。図3に示すように、車載用電子制御ユニット10は、たとえば基板12と、基板12上に搭載された電子部品16と、基板12および電子部品16を封止する封止樹脂層14と、を備えている。基板12は、少なくとも一辺において、外部と接続するための接続端子18を有している。本実施形態の一例に係る車載用電子制御ユニット10は、接続端子18と相手方コネクタを嵌合することによって、接続端子18を介して上記相手方コネクタに電気的に接続されることとなる。
基板12は、たとえば一面および当該一面とは反対の他面のうちの一方または双方に回路配線が設けられた配線基板である。図3に示すように、基板12は、たとえば平板状の形状を有している。本実施形態においては、たとえばポリイミド等の有機材料により形成された有機基板を基板12として採用することができる。また、基板12の厚さは、とくに限定されないが、たとえば0.1mm以上5mm以下としてもよく、好ましくは0.5mm以上3mm以下としてもよい。
本実施形態においては、基板12に、たとえば基板12を貫通して、一面と他面を接続するスルーホール120が設けられていてもよい。この場合、基板12のうちの一面に設けられた配線と、他面に設けられた配線と、がスルーホール120内に設けられた導体パターンを介して電気的に接続される。導電パターンは、スルーホール120の壁面上に沿って形成される。すなわち、スルーホール120内における導電パターンは、筒形状に形成されている。封止工程後のスルーホール120内において、導電パターンの内壁面で構成された空隙孔には、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物(封止樹脂層14)が充填している。
基板12の一面および他面のうちの一方または双方には、たとえば電子部品16が搭載されている。電子部品16としては、車載用電子制御ユニットに搭載され得るものであればとくに限定されないが、たとえばマイクロコンピュータが挙げられる。
本実施形態に係る車載用電子制御ユニット10において、基板12は、たとえば金属ベース上に搭載されていてもよい。金属ベースは、たとえば電子部品16から発生する熱を放熱するためのヒートシンクとして機能することができる。本実施形態においては、たとえば金属ベースと、金属ベース上に搭載された基板12と、をエポキシ樹脂組成物により一体的に封止成形することにより車載用電子制御ユニット10を形成することができる。金属ベースを構成する金属材料としては、とくに限定されないが、たとえば鉄、銅、およびアルミ、ならびにこれらの一種または二種以上を含む合金等を含むことができる。なお、車載用電子制御ユニット10は、金属ベースを有していなくともよい。
以上、実施形態に基づき、本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
各実施例、各比較例で用いた原料成分について、以下に示す。
(着色剤)
着色剤1:カーボンブラック(カーボン#5、三菱化学社製)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:下記式で表される硬化促進剤1
Figure 2019099726
[硬化促進剤1の合成方法]
メタノール1800gを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン249.5g、2,3−ジヒドロキシナフタレン384.0gを加えて溶かし、次に室温攪拌下28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液231.5gを滴下した。さらにそこへ予め用意したテトラフェニルホスホニウムブロマイド503.0gをメタノール600gに溶かした溶液を室温攪拌下滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、桃白色結晶の上記硬化促進剤1を得た。
硬化促進剤2:下記式で表される硬化促進剤2
Figure 2019099726
[硬化促進剤2の合成方法]
冷却管及び攪拌装置付きのセパラブルフラスコに2,3−ジヒドロキシナフタレン12.81g(0.080mol)、テトラフェニルホスホニウムブロミド16.77g(0.040mol)及びメタノール100mlを仕込み攪拌し、均一に溶解させた。予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04ml)を10mlのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液をフラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶をろ過、水洗、真空乾燥し、上記式で表される硬化促進剤2を得た。
(カップリング剤)
カップリング剤1:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(CF−4083、東レ・ダウコーニング社製)
カップリング剤2:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(S810、チッソ社製)
(エポキシ樹脂A)
エポキシ樹脂a1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(NC3000L、日本化薬社製)
エポキシ樹脂a2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YL6810、三菱化学社製)
エポキシ樹脂a3:ビフェニル型エポキシ樹脂(YX4000K、三菱化学社製)
エポキシ樹脂4:エピクロロヒドリンを使用しないで合成されたエポキシ樹脂(グリシジルエーテル型液状エポキシ樹脂、DIC社製 EPICLON EXA−4880、全塩素:0ppm)
エポキシ樹脂5:エピクロロヒドリンを使用しないで合成されたエポキシ樹脂(脂環式エポキシ樹脂、ダイゼル社製 EHPE3150、全塩素:0ppm)
(無機充填材C)
無機充填材c1:溶融球状シリカ(FB−100XFC、デンカ社製、平均粒径13μm)
無機充填材c2:溶融球状シリカ(MSV−SC3、龍森社製、平均粒径19μm)
無機充填材c3:球状シリカ(SD2500−SQ、アドマテックス社製、平均粒径0.5μm)
無機充填材c4:球状シリカ(SC−2500−SQ、アドマテックス社製、平均粒径0.5μm)
無機充填材c5:溶融球状シリカ(FB−950FC、デンカ社製、平均粒径22μm)
(難燃剤)
難燃剤1:水酸化アルミニウム(BE043、日本軽金属社製)
難燃剤2:水酸化アルミニウム(CL−303、住友化学社製)
(硬化剤B)
硬化剤b1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(MEH−7851SS、明和化成社製)
硬化剤b2:ノボラック型フェノール樹脂(PR−HF−3、住友ベークライト社製)
(イオン捕捉剤)
イオン捕捉剤1:ハイドロタルサイト(DHT−4H、協和化学工業社製)
イオン捕捉剤2:アルミニウム−マグネシウム系無機イオン交換体(IXE−700F、東亞合成社製)
(低応力剤)
低応力剤1:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体化合物(CTBN1008SP、PTIジャパン社製)
低応力剤2:下記の合成方法で得られた溶融反応物A(シリコーン)
[溶融反応物Aの合成方法]
下記式(8)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャバンエポキシレジン社製、jER(登録商標)YL6810、軟化点45℃、エポキシ当量172)66.1重量部を140℃で加温溶融し、下記式(7)で示されるオルガノポリシロキサン33.1重量部及びトリフェニルホスフィン0.8重量部を添加して、30分間溶融混合して溶融反応物Aを得た。
Figure 2019099726
Figure 2019099726
低応力剤3:アルキル基含有シリコーン(シルソフト034、モメンティブ社製)
(離型剤)
離型剤1:モンタン酸エステルワックス(WE−4、クラリアント・ジャパン社製)
離型剤2:ジエタノールアミン・ジモンタン酸エステル(NC−133、伊藤製油社製)
離型剤3:トリレンジイソシアネート変性酸化ワックス(NPS−6010、日本精蝋社製)
離型剤4:ステアリン酸(SR−サクラ、日油社製)
<エポキシ樹脂組成物の調製>
[実施例1]
ロットが異なる複数のエポキシ樹脂a1を準備し、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて、準備したエポキシ樹脂a1の塩素含有粒子の個数を測定した。得られた測定結果に基づいて、複数のロットの中から、表2に示す個数の塩素含有粒子を含有するエポキシ樹脂a1を選択し、エポキシ樹脂組成物の原料成分(エポキシ樹脂A)として使用した。硬化剤Bとして、硬化剤b1を使用し、無機充填材Cとして、無機充填材c1、c3を使用した。
続いて、上記のエポキシ樹脂A、硬化剤B、無機充填材Cとともに、表1に記載の他の原料成分を使用し、表1に示す配合比率に基づいて常温でミキサーを用いて混合した後、70〜90℃でロール混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
得られたエポキシ樹脂組成物について、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて塩素含有粒子の個数を測定した。結果を表2に示す。
[実施例2]
ロットが異なる複数のエポキシ樹脂a2を準備し、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて、準備したエポキシ樹脂a2の塩素含有粒子の個数を測定した。得られた測定結果に基づいて、複数のロットの中から、表2に示す個数の塩素含有粒子を含有するエポキシ樹脂a2を選択し、エポキシ樹脂組成物の原料成分(エポキシ樹脂A)として使用した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例3]
無機充填材Cとして、無機充填材c2、c3を使用した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例4]
実施例1と同じロットの硬化剤b1について、有機溶剤に溶解し得られた溶液を1μmのフィルターで濾過したものを、原料成分(硬化剤B)として使用した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例5]
ロットが異なる複数のエポキシ樹脂a3を準備し、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて、準備したエポキシ樹脂a3の塩素含有粒子の個数を測定した。得られた測定結果に基づいて、複数のロットの中から、表2に示す個数の塩素含有粒子を含有するエポキシ樹脂a3を選択し、エポキシ樹脂組成物の原料成分(エポキシ樹脂A)として使用した。硬化剤Bとして、硬化剤b1を使用し、無機充填材Cとして、無機充填材c4、c5を使用した。
続いて、上記のエポキシ樹脂A、硬化剤B、無機充填材Cとともに、表1に記載の他の原料成分を使用し、表1に示す配合比率に基づいて常温でミキサーを用いて混合した後、70〜90℃でロール混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
得られたエポキシ樹脂組成物について、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて塩素含有粒子の個数を測定した。結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例2の硬化剤b1に代えて硬化剤b2を使用し、当該硬化剤b2について、有機溶剤に溶解し得られた溶液を1μmのフィルターで濾過したものを、原料成分(硬化剤B)として使用した以外は、実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例7]
実施例5と異なるロットのエポキシ樹脂a3について、有機溶剤に溶解し得られた溶液を1μmのフィルターで濾過し、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて測定された、表2に示す個数の塩素含有粒子を含有するエポキシ樹脂a3を、原料成分(エポキシ樹脂A)として使用した以外は、実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[比較例1]
エポキシ樹脂Aとして、エポキシ樹脂4を使用した以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[比較例2]
エポキシ樹脂Aとして、エポキシ樹脂5を使用した以外は、実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
[比較例3]
実施例2と異なるロットのエポキシ樹脂a2について、有機溶剤に溶解し得られた溶液を1μmのフィルターで濾過し、下記の塩素含有粒子の検査方法を用いて測定された塩素含有粒子の個数が0個であるエポキシ樹脂a2を、原料成分(エポキシ樹脂A)として使用した以外は、実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。
(塩素含有粒子の検査方法)
(1) 試料として、エポキシ樹脂組成物またはエポキシ樹脂組成物を構成する原料成分を準備した。エポキシ樹脂組成物は、各原料成分を混合・混練し、得られた混練物を冷却したものを使用した。
(2) (1)の試料50gを、洗浄済みのポリプロピレン製の1000ml容器に投入し、アセトン300mlを加え、容器に蓋をした後、シェーカーを用いて、室温25℃、300往復/分の条件で50分間シェーク(混合)する。使用するアセトンは、目開きサイズが12μmのフィルターで濾過したものを使用した。
(3) ファンネルセット(濾過器具)に、上記アセトンで洗浄したフィルターを設置した。フィルターは、目開きサイズが75μmのナイロン製フィルターに、超音波洗浄したものを使用した。
(4) (2)においてシェークした容器を静置し、その後、容器中における溶液を、(3)のファンネル上部から注ぎ入れ、フィルターを介して吸引濾過した。
(5) ファンネルを取り外し、吸引したままフィルター上の残渣を乾燥させた。
(6) (5)のフィルター表面に測定用シートの粘着性表面を貼り付けて、測定用シートの粘着性表面に残渣を回収した。
(7) (6)の測定用シートをフィルターから剥離し、その粘着性表面における全面について、デジタルマイクロスコープを用いて合成写真を作成した。視野倍率が50倍になる様に調整した後、全面観察し、残渣が存在する位置を記録して印刷した。
(8) (7)の印刷物で残渣の位置を確認するとともに、走査型電子顕微鏡(SEM)/エネルギー分散形X線分析装置(EDS)を用いて、当該残渣について組成分析を実施した。
(9) (8)のエネルギー分散型X線分光法(EDX)に基づく残渣の組成分析結果から、エポキシ樹脂組成物またはエポキシ樹脂組成物を構成する原料成分中に含有される塩素含有粒子の個数を測定(カウント)した。
また、エポキシ樹脂中またはエポキシ樹脂組成物中において検出された塩素含有粒子について、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)を用いたスペクトル結果から、塩素含有粒子中の有機物を同定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2019099726
Figure 2019099726
表2中、塩素含有粒子1A−1の有機物はエポキシ樹脂と炭酸塩の混合物、塩素含有粒子1A−2の有機物は炭酸塩、塩素含有粒子2A−1の有機物はアミド化合物、塩素含有粒子5A−1の有機物は炭酸塩、塩素含有粒子5A−2の有機物は炭酸塩とケイ酸塩、塩素含有粒子1−4の有機物はセルロース、塩素含有粒子2−1の有機物はセルロース、塩素含有粒子3−4の有機物はセルロースを含むことが同定された。
<評価>
得られたエポキシ樹脂組成物について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(スパイラルフロー)
得られたエポキシ樹脂組成物に対しスパイラルフロー測定を行った。スパイラルフロー測定は、低圧トランスファー成形機(コータキ精機(株)製「KTS−15」)を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測定することにより行った。結果を表2に示す。
(ゲルタイム)
175℃としたホットプレート上に、得られたエポキシ樹脂組成物からなる試料を置き、試料が溶融後、へらで練りながら硬化するまでの時間を測定した。単位は秒(sec)である。結果を表2に示す。
(金属密着性)
得られたエポキシ樹脂組成物を使用し、低圧トランスファー成形機(山城精機社製、「AV−600−50−TF」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で、9×29mmの短冊状の試験用銅リードフレーム上に3.6mmφ×3mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。続いて、自動ダイシェア測定装置(ノードソン・アドバンスド・テクノロジー社製、DAGE4000型)を用いて、室温にて試験片とフレームとのダイシェア強度を測定した。10個の試験片のダイシェア強度(MPa)の平均値を表2に示す。
実施例1から実施例7のエポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物は、比較例1〜3のエポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物と比べて、Cuフレームに対する密着性が向上することから、金属密着性に優れることが判明した。
1 半導体素子
2 ダイボンド材硬化体
3 ダイパッド
4 ボンディングワイヤ
5 リードフレーム
6 硬化体
7 ソルダーレジスト
8 基板
9 半田ボール
10 車載用電子制御ユニット
12 基板
14 封止樹脂層
16 電子部品
18 接続端子
120 スルーホール

Claims (10)

  1. 有機物を含有する塩素含有粒子を含む、エポキシ樹脂。
  2. 請求項1に記載のエポキシ樹脂であって、
    エネルギー分散型X線分光法(EDX)に基づいて測定される前記塩素含有粒子中の塩素濃度が、0.01Atm%以上20Atm%以下である、エポキシ樹脂。
  3. 請求項1または2に記載のエポキシ樹脂であって、
    前記塩素含有粒子が、Al元素、Mg元素、Si元素、Fe元素、Zn元素、Ti元素、Ca元素、Na元素、K元素、S元素、炭酸化合物からなる群から選択される一種以上を含有する、エポキシ樹脂。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂であって、
    エネルギー分散型X線分光法(EDX)に基づいて測定される前記塩素含有粒子中の炭素濃度が、40Atm%以上99Atm%以下である、エポキシ樹脂。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂であって、
    エネルギー分散型X線分光法(EDX)に基づいて測定される前記塩素含有粒子中の酸素濃度が、1Atm%以上40Atm%以下である、エポキシ樹脂。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂であって、
    前記有機物が、炭酸塩、アミド化合物、およびケイ酸塩からなる群から選択される一種以上を含む、エポキシ樹脂。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂であって、
    前記塩素含有粒子は、当該エポキシ樹脂をアセトンに混合して溶液を得、得られた前記溶液を目開きサイズが75μmのフィルターで濾過し、前記フィルター上の残渣中に含まれるものである、エポキシ樹脂。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂であって、
    電子部品を封止するための封止用樹脂組成物に用いる、エポキシ樹脂。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂であって、
    車載用電子制御ユニットを封止するための封止用樹脂組成物に用いる、エポキシ樹脂。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物を備える電子装置。
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