JP6679944B2 - 静電容量型センサおよび静電容量型センサの製造方法 - Google Patents

静電容量型センサおよび静電容量型センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電容量型センサおよび静電容量型センサの製造方法に関する。
静電容量型センサについては、様々な技術が検討されている。例えば、特許文献1では、静電容量方式によって指紋情報を検出する半導体指紋センサについて検討されている。
特許文献1には、シリコン等の基板上に、層間膜を介して、電極がアレイ状に配置され、その上面を絶縁膜(封止膜)でオーバーコートした指紋読み取りセンサが記載されている。
特開2004−234245号公報
静電容量型センサの各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。本発明者は、従来の静電容量型センサに関し、以下のような課題を見出した。
まず、本発明者の検討によれば、従来の静電容量型センサは、指紋が付着しやすく、指紋による汚れがつきやすいことが明らかになった。そこで、本発明者らは、静電容量型センサの耐指紋性を向上させるため、静電容量型センサを構成する封止膜の表面粗さを調整することを検討した。しかし、静電容量型センサの耐指紋性を向上させるために、静電容量型センサを構成する封止膜の表面を荒くすると、今度は当該静電容量型センサの感度が悪化する傾向にあることを見出した。
このように、本発明者は、従来の静電容量型センサにおいて感度および耐指紋性の間には、トレードオフの関係があることを知見した。言い換えれば、本発明者は、従来の静電容量型センサには、静電容量型センサの感度と耐指紋性の両方をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、感度および耐指紋性に優れた静電容量型センサおよびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、静電容量型センサを構成する封止膜表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)という尺度が、静電容量型センサの感度と外観のバランスを向上させるための設計指針として有効であるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づいて発案されたものである。
本発明によれば、
基板と、上記基板上に設けられた検出電極と、上記検出電極を封止する封止膜と、を備える静電容量型センサであって、
JIS B0601:2001に準じて測定される、上記封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下であり、
JIS B0601:2001に準じて測定される、上記封止膜における粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が26μm以上590μm以下である静電容量型センサが提供される。
また、本発明によれば、
上記静電容量型センサを製造するための製造方法であって、
上記封止膜を形成する工程において、JIS B0601:2001に準じて測定される粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下である金型または離型フィルムを用いる、静電容量型センサの製造方法が提供される。
本発明によれば、感度および耐指紋性に優れた静電容量型センサおよびその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る静電容量型センサを模式的に示す断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[静電容量型センサ]
図1は、本実施形態に係る静電容量型センサ100を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態に係る静電容量型センサ100の構成ついて詳細に説明する。
本実施形態に係る静電容量型センサ100は、基板101と、基板101上に設けられた検出電極103と、検出電極103を封止する封止膜105と、を備えている。
そして、JIS B0601:2001に準じて測定される、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上、好ましくは1400μm以上、より好ましくは1550μm以上である。
封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を上記下限値以上とすることにより、静電容量型センサ100の耐指紋性を良好なものとすることができる。さらに、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を上記下限値以上とすることにより、静電容量型センサ100の金型からの離型性や耐擦傷性を向上させることができる。
また、JIS B0601:2001に準じて測定される、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が2950μm以下、好ましくは2800μm以下、より好ましくは2650μm以下である。
封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を上記上限値以下とすることにより、静電容量型センサ100の感度を良好なものとすることができる。
以上から、実施形態によれば、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を上記範囲内とすることにより、感度および耐指紋性に優れた静電容量型センサ100を得ることができる。この理由は定かではないが、以下の理由が考えられる。
まず、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が上記下限値以上であると、指の脂が封止膜105に付着し難くなるため、指紋が封止膜105の表面に残り難くなり、その結果、耐指紋性に優れた静電容量型センサ100を得ることができると考えられる。また、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が上記下限値以上であると、封止膜105の表層に存在するスキン層が剥がれ難くなり、その結果、静電容量型センサ100の金型からの離型性や耐擦傷性を向上させることができると考えられる。
また、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が上記上限値以下であると、封止膜105の表面凹凸に空気層が生じ難くなり、画素ごとの容量のバラつきを抑えることができ、その結果、静電容量型センサ100の感度を良好なものとすることができると考えられる。
本実施形態に係る静電容量型センサ100は、例えば、指との静電容量を感知する静電容量方式によって、指紋情報を読み取る指紋センサである。ここで、指紋センサは、当該指紋センサに載せられた指の凹凸を読み取る。例えば、静電容量型センサ100には、指紋の凹凸よりも細かい検出電極103が設けられている。そして、指紋の凹凸と検出電極103との間に蓄積される静電容量により指紋の凹凸を表した2次元画像を作成する。例えば、指紋の凸部と凹部では検出される静電容量が異なるため、この静電容量の差から指紋の凹凸を表した2次元画像を作成できる。この2次元画像により指紋情報を読み取ることができる。
静電容量型センサ100の感度をより一層向上させる観点から、基板101(例えば、シリコンチップ)上の封止膜105の厚みDは、好ましくは100μm以下、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは30μm以下である。
基板101は、例えば、チップ状のシリコン基板である。検出電極103は、例えば、Al膜により形成され、基板101上に層間膜107を介して一次元または二次元アレイ状に配置されている。層間膜107は、例えば、SiO2等により形成される。
検出電極103の上面は封止膜105により被覆されている。検出電極103は、例えば、ワイヤボンディングが施されている。
本実施形態に係る静電容量型センサ100の製造方法は、従来の製造方法とは異なるものである。すなわち、本実施形態に係る静電容量型センサ100は、以下の2つの条件に係る各種因子を高度に制御することによって初めて得ることができる。
(1)封止膜105を形成する工程において用いる金型または離型フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)
(2)封止膜105を構成する各成分の種類と含有割合
ただし、本実施形態に係る静電容量型センサ100は、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御することを前提に、例えば、封止膜105の成形時の温度や圧力等の製造条件や封止膜以外の構成の種類や形成方法等は種々のものを採用することができる。言い換えれば、本実施形態に係る静電容量型センサ100は、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御すること以外の点については、公知の方法を採用して作製することが可能である。
上記2つの条件以外については、本実施形態に係る静電容量型センサ100は、例えば、次のように製造される。
まず、基板101上に層間膜107を設けた後、層間膜107上に検出電極103を形成する。次いで、検出電極103を、高誘電樹脂組成物により封止成形する。成形法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法等が挙げられる。次いで、高誘電樹脂組成物を熱硬化させ、封止膜105を形成する。これにより、本実施形態に係る静電容量型センサ100が得られることとなる。
本実施形態に係る静電容量型センサ100において、封止膜105における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)は、上記2つの条件に係る各種因子を高度に制御することにより制御することが可能である。例えば、封止膜105を形成する工程において、JIS B0601:2001に準じて測定される粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下である金型または離型フィルムを用いることが好ましい。また、封止膜105を構成する各成分の種類と含有割合については、後述のものを採用することが好ましい。
ここで、金型または離型フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さは、特に限定されないが、例えば、公知の梨地加工または鏡面加工により調整することができる。
なお、従来、用いられてきた金型や離型フィルムの表面は粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が小さいものであった。そのため得られる封止膜の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)は1250μm未満のものであった。
JIS B0601:2001に準じて測定される、封止膜105における粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が、静電容量型センサ100の感度および耐指紋性のバランスをより一層向上させる観点から、好ましくは26μm以上590μm以下であり、より好ましくは27μm以上580μm以下、さらに好ましくは28μm以上570μm以下である。
以下、本実施形態に係る封止膜105について詳細に説明する。
本実施形態に係る封止膜105は、エポキシ樹脂(A)と、比誘電率(1MHz)が5以上である高誘電性無機充填剤(B)と、を含む高誘電樹脂組成物の硬化物により構成されることが好ましい。
(エポキシ樹脂(A))
エポキシ樹脂(A)としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、エポキシ樹脂(A)としては、耐湿信頼性と成形性のバランスを向上させる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、およびトリフェノールメタン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂およびフェノールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
エポキシ樹脂(A)としては、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂、および下記式(3)で表されるエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を含むものを用いることが特に好ましい。
Figure 0006679944
(式(1)中、Arはフェニレン基またはナフチレン基を表し、Arがナフチレン基の場合、グリシジルエーテル基はα位、β位のいずれに結合していてもよい。Arはフェニレン基、ビフェニレン基またはナフチレン基のうちのいずれか1つの基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基を表す。gは0〜5の整数であり、hは0〜8の整数である。nは重合度を表し、その平均値は1〜3である。)
Figure 0006679944
(式(2)中、複数存在するRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。nは重合度を表し、その平均値は0〜4である。)
Figure 0006679944
(式(3)中、複数存在するRおよびRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。nは重合度を表し、その平均値は0〜4である。)
本実施形態において、封止膜105中におけるエポキシ樹脂(A)の含有量は、封止膜105全体を100質量%としたとき、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが特に好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、成形時において、十分な流動性を実現し、充填性や成形性の向上を図ることができる。
一方で、封止膜105中におけるエポキシ樹脂(A)の含有量は、封止膜105全体を100質量%としたとき、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、静電容量型センサ100について、耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
(高誘電性無機充填剤(B))
高誘電性無機充填剤(B)は比誘電率(1MHz)が5以上であるものならば特に限定されないが、例えば、酸化チタン、アルミナ、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、およびチタン酸バリウムからなる群から選択される一種または二種以上を含むことが好ましく、封止膜105の比誘電率を特に向上できる観点から、アルミナ、酸化チタンおよびチタン酸バリウムからなる群から選択される一種または二種以上を含むことがより好ましく、アルミナおよびチタン酸バリウムから選択される少なくとも一種を含むことがさらに好ましい。
本実施形態において、封止膜105中における高誘電性無機充填剤(B)の含有量は、封止膜105全体を100質量%としたとき、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。高誘電性無機充填剤(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止膜105の誘電特性をより一層向上させ、静電容量型センサ100の感度をより一層向上させることができる。
一方で、封止膜105中における高誘電性無機充填剤(B)の含有量は、封止膜105全体を100質量%としたとき、96質量%以下であることが好ましく、93質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることが特に好ましい。高誘電性無機充填剤(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、高誘電樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。
高誘電性無機充填剤(B)のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における平均粒径D50は、1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上8μm以下がより好ましい。平均粒径D50を上記下限値以上とすることにより、高誘電樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性をより効果的に向上させることが可能となる。また、平均粒径D50を上記上限値以下とすることにより、ゲート詰まり等が生じることを確実に抑制できる。
なお、平均粒径D50は、市販のレーザー式粒度分布計(例えば、(株)島津製作所製、SALD−7000)を用いて、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒径D50とすることができる。
(シリカ粒子(B2))
本実施形態に係る封止膜105は、静電容量型センサ100の感度を向上させつつ、静電容量型センサ100の反りを抑制する観点から、シリカ粒子(B2)をさらに含むことが好ましい。
シリカ粒子(B2)の平均粒径D50は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、0.02μm以上15μm以下であることがより好ましい。平均粒径D50を上記下限値以上とすることにより、高誘電樹脂組成物の流動性をより一層良好なものとし、成形性をより一層向上させることが可能となる。また、平均粒径D50を上記上限値以下とすることにより、ゲート詰まり等が生じることをより一層抑制できる。
また、本実施形態においては、シリカ粒子(B2)は平均粒径D50が0.01μm以上1μm以下の微粉シリカを含むことが、高誘電樹脂組成物の充填性を向上させる観点や、静電容量型センサ100の反りを抑制する観点から、好ましい態様の一つとして挙げられる。
シリカ粒子(B2)の含有量は、静電容量型センサ100の感度を向上させつつ、静電容量型センサ100の反りを抑制する観点から、封止膜105全体を100質量%としたとき、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上28質量%以下であることが好ましい。
(硬化剤(C))
本実施形態に係る封止膜105は、例えば、硬化剤(C)を含むことができる。硬化剤(C)としては、エポキシ樹脂(A)と反応して硬化させるものであれば特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミン類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリスフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
封止膜105中における硬化剤(C)の含有量は、特に限定されないが、例えば、封止膜105全体を100質量%としたとき、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。
(カップリング剤(D))
封止膜105は、例えば、カップリング剤(D)を含むことができる。カップリング剤(D)としては、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。
これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止膜105中におけるカップリング剤(D)の含有量は、特に限定されないが、例えば、封止膜105全体を100質量%としたとき、0.01質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上2質量%以下であることが特に好ましい。カップリング剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止膜105中における高誘電性無機充填剤(B)の分散性を良好なものとすることができる。また、カップリング剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、高誘電樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性の向上を図ることができる。
(その他の成分(E))
封止膜105は、上記成分の他に、例えば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、もしくはホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物、または1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、イミダゾール等のアミジン系化合物、ベンジルジメチルアミン等の3級アミンや上記化合物の4級オニウム塩であるアミジニウム塩、もしくはアンモニウム塩等に代表される窒素原子含有化合物等の硬化促進剤;カーボンブラック等の着色剤;天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を含むことができる。
本実施形態に係る封止膜105の1MHzにおける比誘電率(ε)は、好ましくは5以上であり、より好ましくは7以上であり、特に好ましくは8以上である。比誘電率(ε)が上記下限値以上であることにより、封止膜105の誘電特性をより一層向上させ、静電容量型センサ100の感度をより一層向上させることができる。
本実施形態に係る封止膜105の比誘電率(ε)は、例えば、YOKOGAWA−HEWLETT PACKARD社製Q−METER 4342Aにより測定できる。
比誘電率(ε)の上限は特に限定されないが、例えば、300以下である。
上記比誘電率(εr)は、封止膜105を構成する各成分の種類や含有割合を適切に調節することにより制御することが可能である。本実施形態においては、特に高誘電性無機充填剤(B)の種類や含有量を適切に選択することが、上記比誘電率(εr)を制御するための因子として挙げられる。例えば、誘電率が大きい無機充填剤を多く使用するほど、封止膜105の上記比誘電率(εr)を向上させることができる。
本実施形態においては、封止膜105のガラス転移温度が、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが特に好ましい。これにより、静電容量型センサ100の耐熱性をより効果的に向上させることができる。一方で、上記ガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、250℃とすることができる。
封止膜105の上記ガラス転移温度は、例えば、熱機械分析装置(セイコー電子工業(株)製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定した結果から、算出することができる。
上記ガラス転移温度は、封止膜105を構成する各成分の種類や含有割合を適切に調節することにより制御することが可能である。
[高誘電樹脂組成物の製造方法]
以下、本実施形態に係る高誘電樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に係る高誘電樹脂組成物は、上記成分を混合混練した後、粉砕、造粒、押出切断および篩分等の各種の手法を単独または組み合わせることにより、顆粒とすることができる。顆粒を得る方法としては、例えば、各原料成分をミキサーで予備混合し、これをロール、ニーダーまたは押出機等の混練機により加熱混練した後、複数の小孔を有する円筒状外周部と円盤状の底面から構成される回転子の内側に溶融混練された樹脂組成物を供給し、その樹脂組成物を、回転子を回転させて得られる遠心力によって小孔を通過させて得る方法(遠心製粉法);上記と同様に混練した後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粗粒と微紛の除去を行って得る方法(粉砕篩分法);各原料成分をミキサーで予備混合した後、スクリュー先端部に小径を複数配置したダイを設置した押出機を用いて、加熱混練を行うとともに、ダイに配置された小孔からストランド状に押し出されてくる溶融樹脂をダイ面に略平行に摺動回転するカッターで切断して得る方法(以下、「ホットカット法」とも言う。)等が挙げられる。いずれの方法においても、混練条件、遠心条件、篩分条件および切断条件等を選択することにより、所望の粒度分布を有する顆粒状の高誘電樹脂組成物を得ることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
基板と、前記基板上に設けられた検出電極と、前記検出電極を封止する封止膜と、を備える静電容量型センサであって、
JIS B0601:2001に準じて測定される、前記封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下である静電容量型センサ。
<2>
<1>に記載の静電容量型センサにおいて、
前記封止膜がエポキシ樹脂(A)と、比誘電率(1MHz)が5以上である高誘電性無機充填剤(B)とを含む静電容量型センサ。
<3>
<2>に記載の静電容量型センサにおいて、
前記高誘電性無機充填剤(B)のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における平均粒径D 50 が1μm以上10μm以下である静電容量型センサ。
<4>
<2>または<3>に記載の静電容量型センサにおいて、
前記高誘電性無機充填剤(B)がアルミナ、酸化チタンおよびチタン酸バリウムからなる群から選択される一種または二種以上を含む静電容量型センサ。
<5>
<2>乃至<4>いずれか一つに記載の静電容量型センサにおいて、
前記高誘電性無機充填材(B)の含有量が、前記封止膜全体を100質量%としたとき、50質量%以上96質量%以下である静電容量型センサ。
<6>
<1>乃至<5>いずれか一つに記載の静電容量型センサにおいて、
JIS B0601:2001に準じて測定される、前記封止膜における粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が26μm以上590μm以下である静電容量型センサ。
<7>
<1>乃至<6>いずれか一つに記載の静電容量型センサにおいて、
前記封止膜のガラス転移温度が100℃以上である静電容量型センサ。
<8>
<1>乃至<7>いずれか一つに記載の静電容量型センサにおいて、
前記封止膜の1MHzにおける比誘電率(ε r )が5以上である静電容量型センサ。
<9>
<1>乃至<8>いずれか一つに記載の静電容量型センサにおいて、
静電容量型指紋センサである静電容量型センサ。
<10>
<1>乃至<9>いずれか一つに記載の静電容量型センサを製造するための製造方法であって、
前記封止膜を形成する工程において、JIS B0601:2001に準じて測定される粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下である金型または離型フィルムを用いる、静電容量型センサの製造方法。

以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(高誘電樹脂組成物の調製)
まず、表1に従い配合された各原材料を2軸型混練押出機を用いて混練した。次いで、得られた混練物を、脱気、冷却を行った後に粉砕機で粉砕し、顆粒状の高誘電樹脂組成物を得た。表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中の単位は、質量%である。高誘電性無機充填剤(B)およびシリカ粒子(B2)のD50はレーザー回折散乱式粒度分布測定法により求め、体積基準粒度分布における平均粒径である。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−4000K)
エポキシ樹脂2:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000)
(B)高誘電性無機充填剤
高誘電性無機充填剤1:チタン酸バリウム(日本化学工業株式会社製、BパルセラムBTUP−2、D50=2μm、比誘電率(1MHz)=1500)
高誘電性無機充填剤2:アルミナ(株式会社マイクロン製、AX3−20R、D50=3μm、比誘電率(1MHz)=8.9)
(B2)シリカ粒子
シリカ粒子1:シリカ(株式会社マイクロン製、TS−6026、D50=9μm、比誘電率(1MHz)=4)
シリカ粒子2:シリカ(株式会社アドマテックス社製、SC−2500−SQ、D50=0.55μm、比誘電率(1MHz)=4)
(C)硬化剤
硬化剤1:トリスフェノールメタン型フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7500)
硬化剤2:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851SS)
(D)カップリング剤
カップリング剤1:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、CF4083)
(E)その他の成分
硬化促進剤1:下記式(4)で示される硬化促進剤
Figure 0006679944
[硬化促進剤1の合成方法]
撹拌装置付きのセパラブルフラスコに4,4'−ビスフェノールS37.5g(0.15モル)、メタノール100mlを仕込み、室温で撹拌溶解し、更に攪拌しながら予め50mlのメタノールに水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を溶解した溶液を添加した。次いで予め150mlのメタノールにテトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1モル)を溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌を継続し、300mlのメタノールを追加した後、フラスコ内の溶液を大量の水に撹拌しながら滴下し、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、白色結晶の硬化促進剤1を得た。
硬化促進剤2:下記式(5)で示される硬化促進剤
Figure 0006679944
[硬化促進剤2の合成方法]
メタノール1800gを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン249.5g、2,3−ジヒドロキシナフタレン384.0gを加えて溶かし、次に室温攪拌下28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液231.5gを滴下した。さらにそこへ予め用意したテトラフェニルホスホニウムブロマイド503.0gをメタノール600gに溶かした溶液を室温攪拌下滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、桃白色結晶の硬化促進剤2を得た。
低応力剤1:アクリロニトリルブタジエンゴム(宇部興産株式会社製、カルボキシル基末端ブタジエンアクリルゴム、CTBN1008SP)
低応力剤2:シリコーンオイル
着色剤:カーボンブラック
離型剤:モンタンワックス
イオン捕捉剤:ハイドロタルサイト
(静電容量型指紋センサの作製)
圧縮成型機を用いて、得られた顆粒状の高誘電樹脂組成物により静電容量型指紋センサを作製した。具体的には以下の方法により作製した。
まず、圧縮成型機(TOWA(株)製、PMC1040)の金型温度を予め175℃とした。次いで、上金型に検出電極を有する半導体素子を接着した回路基板を固定した。次いで、下金型にテトラフルオロエチレンとポリエチレンの共重合体により構成される離型フィルム(50μm厚、離型フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm):1580μm)を配置した後、当該離型フィルム上に得られた顆粒状の高誘電樹脂組成物を均一に供給した。次いで、高誘電樹脂組成物を供給した直後に、金型を型締めすると同時に下金型と上金型により形成されるキャビティ内を減圧した。その後、減圧を維持しながら金型を完全に型締めして、成形圧力3.9MPa、硬化時間90秒の条件で封止成形を行い、静電容量型指紋センサを得た。
ここで、実施例および比較例で用いた離型フィルムは梨地加工または鏡面加工により表面の粗さ曲線要素の平均長さを調整した。
(RcおよびRSmの測定)
封止膜のRcおよびRSmは以下のようにそれぞれ測定した。まず、得られた静電容量型指紋センサから封止膜を得た。次いで、JIS B0601:2001に準じてカラー3Dレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−9700)により封止膜のRcおよびRSmをそれぞれ測定した。
(ガラス転移温度の測定)
封止膜のガラス転移温度(Tg)は以下のように測定した。まず、得られた静電容量型指紋センサから封止膜を得た。次いで、熱機械分析装置(セイコー電子工業(株)製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で封止膜のガラス転移温度(Tg)の測定を行った。この測定結果から、ガラス転移温度(Tg)を算出した。結果を表1に示す。
(比誘電率の測定)
封止膜の比誘電率は以下のように測定した。まず、得られた静電容量型指紋センサから封止膜を得た。次いで、得られた封止膜について、YOKOGAWA−HEWLETT PACKARD社製Q−METER 4342Aにより、1MHz、室温(25℃)における比誘電率を測定した。結果を表1に示す。
(指紋認証の検知性)
得られた静電容量型指紋センサを用いて指紋の凹凸を表した2次元画像を作成した。2次元画像の指紋が判別できる場合を○、指紋が判別できない場合を×とした。
(耐指紋性(指紋残り))
JIS K2246に従って、得られた静電容量型指紋センサ中の封止膜の指紋除去試験を実施した。除膜性試験装置で拭き取り易さを評価した。往復時間が15秒未満で指紋が除去された場合を○とし、15秒以上で指紋が除去された場合を×とした。
(耐擦傷性)
JIS K 5600−5−4に従って、得られた静電容量型指紋センサ中の封止膜の鉛筆硬度試験を実施した。2H以上を○、H以下を×とした。
(離型性)
前述した静電容量型指紋センサの作製において、得られた静電容量型指紋センサから離型フィルムを剥離し、離型フィルム表面を観察した。離型フィルムに樹脂が付着している場合を×、樹脂が付着していない場合を○とした。
<実施例2〜5および比較例1〜2>
高誘電樹脂組成物の配合を表1に示す配合に変更し、さらに成形時に使用する離型フィルムの粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を変化させることにより、封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を表1に示す値に変化させた以外は実施例1と同様に静電容量型指紋センサをそれぞれ作製し、各評価をそれぞれおこなった。
Figure 0006679944
封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下である実施例1〜5の静電容量型センサは指紋認証の検知性、耐指紋性、耐擦傷性、および離型性のそれぞれにおいて優れた結果を示した。
これに対し、封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm未満である比較例1の静電容量型センサは指紋認証の検知性は良好であるものの、耐指紋性、耐擦傷性、および離型性のそれぞれにおいて劣る結果を示した。また、封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が2950μm超過である比較例2の静電容量型センサは耐指紋性、耐擦傷性、および離型性のそれぞれにおいて良好な結果を示したものの、指紋認証の検知性において劣る結果を示した。
100 静電容量型センサ
101 基板
103 検出電極
105 封止膜
107 層間膜

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた検出電極と、前記検出電極を封止する封止膜と、を備える静電容量型センサであって、
    JIS B0601:2001に準じて測定される、前記封止膜における粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下であり、
    JIS B0601:2001に準じて測定される、前記封止膜における粗さ曲線要素の平均高さ(Rc)が26μm以上590μm以下である静電容量型センサ。
  2. 請求項1に記載の静電容量型センサにおいて、
    前記封止膜がエポキシ樹脂(A)と、比誘電率(1MHz)が5以上である高誘電性無機充填剤(B)とを含む静電容量型センサ。
  3. 請求項2に記載の静電容量型センサにおいて、
    前記高誘電性無機充填剤(B)のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における平均粒径D50が1μm以上10μm以下である静電容量型センサ。
  4. 請求項2または3に記載の静電容量型センサにおいて、
    前記高誘電性無機充填剤(B)がアルミナ、酸化チタンおよびチタン酸バリウムからなる群から選択される一種または二種以上を含む静電容量型センサ。
  5. 請求項2乃至4いずれか一項に記載の静電容量型センサにおいて、
    前記高誘電性無機充填材(B)の含有量が、前記封止膜全体を100質量%としたとき、50質量%以上96質量%以下である静電容量型センサ。
  6. 請求項1乃至いずれか一項に記載の静電容量型センサにおいて、
    前記封止膜のガラス転移温度が100℃以上である静電容量型センサ。
  7. 請求項1乃至いずれか一項に記載の静電容量型センサにおいて、
    前記封止膜の1MHzにおける比誘電率(εr)が5以上である静電容量型センサ。
  8. 請求項1乃至いずれか一項に記載の静電容量型センサにおいて、
    静電容量型指紋センサである静電容量型センサ。
  9. 請求項1乃至いずれか一項に記載の静電容量型センサを製造するための製造方法であって、
    前記封止膜を形成する工程において、JIS B0601:2001に準じて測定される粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が1250μm以上2950μm以下である金型または離型フィルムを用いる、静電容量型センサの製造方法。
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