JP2011040144A - 情報記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

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俊剛 八木
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Abstract

【課題】垂直磁気記録方式等に代表される次世代の情報記録媒体基板用途として要求される各種物性を備え、とりわけ、高い破壊靭性と平滑な表面を有する情報記録媒体用基板を低コストで製造する製造方法を提供することにある。
【解決手段】SiO成分、Al成分、R’O成分(ただしR’はLi、Na、Kのいずれか1種以上)を含む板状のガラス系材料を準備する工程と、前記板状ガラス系材料を研削する研削工程を含み、前記研削工程は少なくとも前記板状ガラス系材料をダイヤモンドパッドで研削するサブ工程を有する情報記録媒体用基板の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、将来の情報磁気記録媒体の高密度化に対応し、低比重、高ヤング率であり、破壊靭性に優れ、かつ、加工後の表面粗度が極めてスムーズであり、ヘッド摺動特性、耐衝撃特性に優れた、将来の情報記録媒体基板用途として必要な物性を備えた情報記録媒体用基板の製造方法に関する。
尚、本発明において「情報記録媒体」とは、各種電子デバイス用ハードディスクにおいて使用可能な情報磁気記録媒体を意味する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては動画や音声等の大きなデータが扱われるようになり、大容量の情報記録装置が必要となっている。その結果、情報磁気記録媒体は年々高記録密度化の要求が高まっている。
これに対応するべく、次世代の磁気記録方式においては、現在の基板と比較して基板の耐熱性、表面の平滑性がより高いレベルで求められている。また、スピンドルモーターへの負担を軽減するための低比重化と、ディスクのクラッシュを防止するための高い機械的強度、落下時のヘッドとの衝撃に耐えうる高い破壊靱性を有することが現在にもまして重要になっている。
さらに近年はハードディスクの市場の一部がフラッシュメモリを使用した情報記録装置装置であるSSD(ソリッドステートドライブ)に置き換わりつつあり、SSDに対しての優位点である記憶容量当たりの単価を訴求する為に、より一層の製造コスト削減を求められている。
情報記録媒体用基板に用いられる材料としてはAl合金基板、ガラス基板、結晶化ガラス基板などがある。
ガラスまたは結晶化ガラスのガラス系材料基板はAl合金よりもビッカース硬度が高い、表面平滑性が高い等の点で優位であり、動的な使用が想定される用途において現在多く使用されている。
ガラス系材料基板は一般に以下の方法により製造される。すなわち、ガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、この溶融ガラスを板状に成形する。板状に成形する方法としては溶融ガラスをプレスするダイレクトプレス法やフロート法がある。結晶化ガラスの場合はこの板状ガラスを熱処理することにより内部に結晶を析出させる。次に板状のガラスまたは結晶化ガラスをディスク状に加工し、板厚や平坦度を最終形状に近づける為の研削工程、平滑な表面性状を得る為の研磨工程を施してガラス基板、結晶化ガラス基板とする。
研削工程は上下の定盤間に板状ガラスを保持し、研削液中に遊離砥粒を含むスラリーを供給しながら定盤と板状ガラスとを回転させて相対移動することにより行う遊離砥粒法や、レジン、メタル、ビトリファイド等のボンドでダイヤモンド微粉をペレット状にし、このペレットを複数個配置した定盤によって研削液(クーラント)を供給しながら定盤と板状ガラスとを回転させて相対移動することにより行う固定砥粒法により行われることが従来においては一般的である。
研磨工程は研削工程と同様に上下の定盤間に板状ガラスを保持し、定盤に研磨パッドを貼付け、酸化セリウム等からなる遊離砥粒を含有するスラリーを供給しながら定盤と板状ガラスとを回転させて相対移動することにより行われる。
研削工程、研磨工程共に複数の段階に分けて行われ、段階を経るごとに砥粒を小さくしていく事が一般的である。
このような従来の製造方法に従って、次世代の磁気記録方式に対応する基板を作製しようとすると次のような問題が生じた。例えば結晶化ガラス基板の場合、ガラス相に析出する結晶相の種類、結晶粒径や結晶量等が機械的強度に大きく影響する。このことを利用して、機械的強度を高める為に結晶粒径や結晶量を制御したり、析出する結晶相を硬度の高い結晶とすると、研削や研磨の加工レートが著しく悪化したり、所望の平滑な表面を得にくくなるという問題があった。加工レートの悪化は製造コストの増大に大きく影響する要因である。
特許文献1には、ガーナイト結晶相を有する結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板が開示されている。この文献に開示されている結晶化条件で結晶化すると結晶化度が高いものとなる。これは機械的強度が高く、高い破壊靭性を有するが、研磨後の表面粗度が次世代の要求レベルを満足するものではない。また、表面硬度が高すぎる為に研削工程、研磨工程での加工レートが低く、研削加工や研磨加工に長時間を要し、生産性が悪く、市場の要求コストを満足することが不可能である。
スピネル系化合物またはそれらの固溶体を主結晶相とする結晶化ガラスは高い機械的強度を有する材料として、情報記録媒体基板用途や建築材料用途として過去にも提案されている。しかし従来において高い機械的強度を有するためには、結晶化度を高くすることが必要であると考えられていた。従って過去に提案されたガーナイト系の結晶化ガラスは可視光を透過しないほど結晶が析出しており、従来の加工方法では次世代の情報記録媒体用基板に適用する表面性状は得られなかった。
特許文献2には、エンスタタイト結晶相を有する結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板が開示されている。この文献に開示されている結晶化ガラスを従来の加工方法で加工しても研削工程の加工レートが低く、研磨工程後の表面性状もRa0.2nm〜0.3nmであり、平滑な面が得られない。
特開平07−300340号公報 特開2004−220719号公報
本発明の目的は、垂直磁気記録方式等に代表される次世代の情報記録媒体基板用途として要求される各種物性を備え、とりわけ、高い破壊靭性と平滑な表面を有する情報記録媒体用基板を低コストで製造する製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、ガラス系材料としてSiO成分、Al成分、R’O成分(ただしR’はLi、Na、Kのいずれか1種以上)を含む板状のガラスを選択し、これを準備する工程と、前記板状ガラス系材料をダイヤモンドパッドで研削する研削工程を有する製造方法によって上記課題を解決することを見いだした。
本発明は具体的には以下のような製造方法を提供する。
(構成1)
SiO成分、Al成分、R’O成分(ただしR’はLi、Na、Kのいずれか1種以上)を含む板状のガラス系材料を準備する工程と、
前記板状ガラス系材料を研削する研削工程を含み、前記研削工程は少なくとも前記板状ガラス系材料をダイヤモンドパッドで研削するサブ工程を有する情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成2)
前記ダイヤモンドパッドで研削するサブ工程は、ダイヤモンド粒子の平均径が0.1〜5μmであるダイヤモンドパッドで研削することを特徴とする構成1に記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成3)
前記ダイヤモンドパッドで研削するサブ工程は、ダイヤモンド粒子の平均径が2〜5μmであるダイヤモンドパッドで研削することを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成4)
前記ダイヤモンドパッドで研削する最終のサブ工程は、ダイヤモンド粒子の平均径が0.1〜2μm未満であるダイヤモンドパッドで研削することを特徴とする構成2に記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成5)
前記板状ガラス系材料はモース硬度が6以上10未満の結晶が結晶相として析出している材料である請求項1から4のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成6)
前記板状ガラス系材料は主結晶相としてMAl、MTiO、(ただしMはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であることを特徴とする結晶化ガラスである請求項1から5のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成7)
前記研削工程において、最終研磨終了後の目標厚さをt1、加工時の前記板状ガラス系材料の厚さt2とする時、t2/t1≦1.2の場合は全てダイヤモンドパッドで研削するサブ工程を少なくとも有する請求項1から6のいずれか情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成8)
前記板状ガラス系材料は酸化物基準の質量%で、
SiO:40〜60%、および
Al:7〜20%、および
R’O:2〜15%、(ただしR’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)
の各成分を含有する請求項1から7のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成9)
前記板状ガラス系材料は酸化物基準の質量%で、
TiO:1〜15%、および
RO:5〜35%(ただしRはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Feから選択される1種類以上)
の各成分を含有する請求項1から8のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成10)
前記板状ガラス系材料は酸化物基準の質量%で、
ZnO成分を5〜25%含有する請求項1から9のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成11)
前記研削工程は上下定盤間に被研削材料を保持して研磨する両面加工機を使用し、その最大加工圧力が3kPa〜6kPaである請求項1から10のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成12)
前記研削工程において加工レートが5μm/分以上である請求項1から11のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
(構成13)
前記研削工程終了後の表面粗さRaが0.001μm〜0.085μmである請求項1から12のいずれかに記載の報記録媒体用基板の製造方法。
本発明によれば、次世代の情報記録媒体基板用途として要求される様な機械的強度の高い基板であっても研削工程での加工時間が短くなり、かつ研削工程終了後の表面粗さRaの値が小さい為、研磨工程にて所望のRa値を得る為の必要な取りしろも少なくて済む為に研磨工程の時間も短くなる。したがって、従来の方法に比較して垂直磁気記録方式等に代表される次世代の情報記録媒体基板用途として要求される各種物性を備え、とりわけ、高い破壊靭性と平滑な表面を有する情報記録媒体用基板を低コストで製造することができる。
本発明において、「主結晶相」とはXRD回折においてメインピーク(最も高いピーク)に相応する結晶相をいう。
「結晶化度」とはリートベルト法を用い粉末XRDから得られた回折強度より算出した結晶の量(質量%)を合計すれば得られる。リートベルト法については、日本結晶学会「結晶解析ハンドブック」編集委員会編、「結晶解析ハンドブック」、共立出版株式会社、1999年9月、p.492−499に記載されている方法を用いた。
「結晶粒径」とはTEM(透過型電子顕微鏡)により倍率100,000〜500,000倍での任意の部位の画像を取得し、得られた画像に現われた結晶を平行な2直線で挟んだ時の最長距離の平均値とする。このときn数は100とする。
「最大結晶粒径」とはTEM(透過型電子顕微鏡)により倍率100,000〜500,000倍での任意の部位の画像を取得し、得られた画像に現われた結晶を平行な2直線で挟んだ時の最長距離の最大値とする。このときn数は100とする。
「Ra」とはJIS B0601に規定される表面平均粗さをいう。
ビッカース硬度は基板表面の硬さを表わす値であり、具体的には以下の方法で測定して得られる値である。すなわち、対面角が136°のダイヤモンド四角すい圧子を加重4.90Nで、15秒間押し込み、試験加重4.90(N)を圧痕のくぼみの長さから算出した表面積(mm)で割ることにより求められる。測定は(株)明石製作所製微小硬度計MVK−Eを用いることができる。
モース硬度とは、標準物質に対しての傷の付き方を元に硬度を数値化するものである。具体的には標準物質で試料を順次引っかき、試料に傷がつけばその鉱物より硬度が低いとして測定される。柔らかいものから順に1〜10までの標準物質が指定されており、具体的には1が滑石(タルク)、2が石こう、3が方解石、4が蛍石、5がリン灰石、6が正長石、7が石英、8がトパーズ、9がコランダム、および10がダイヤモンドである。
次世代の情報記録媒体用基板に求められる物性は概ね以下のようなものである。
[ヤング率]
記録密度およびデータ転送速度を向上するために、情報記録媒体ディスク基板の高速回転化が進行しているが、この傾向に対応するには、基板材は高速回転時の撓みによるディスク振動を防止すべく、高剛性、低比重でなければならない。また、ヘッドの接触やリムーバブル記録装置のような携帯型の記録装置に用いた場合においては、それに十分耐え得る機械的強度、高ヤング率、表面硬度を有する事が好ましく、ヤング率を85GPa以上とすることが好ましい。
[ヤング率[GPa]/比重]
情報記録媒体用基板は、単に高剛性であっても比重が大きければ、高速回転時にその重量が大きいことによって撓みが生じ、振動を発生する。逆に低比重でも剛性が小さければ、同様に振動が発生することになる。加えて重量増加により、消費電力が増加してしまう問題がある。また比重を低くし過ぎると、結果として所望の機械的強度を得ることが難しくなる。したがって、高剛性でありながら低比重という一見相反する特性のバランスを取らなければならない。加えて今後の高速回転化に対応するために、その好ましい範囲はヤング率[GPa]/比重で表わされる値が31.4以上である。
[破壊靭性]
破壊靭性とは基板表面の僅かな傷を基点とする亀裂伝播に対する耐性を表わす指標である。特に次世代のハードディスクに使用される情報記録媒体用基板おいては、高記録密度化に伴って磁気ディスク回転速度が高速化の傾向にある為に、高い破壊靭性を有することが求められる。
破壊靭性(K1C)はSEPB法(JIS R1607)によって得られた値を用いる。
破壊靭性の値K1Cは次世代の情報記録媒体用基板として適用しうる為に1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましく、1.2以上であることが最も好ましい。
[比重]
前記剛性と比重のバランスをより良くするためには基板の比重を3.00以下とすることが好ましく、比重を2.95以下とすることがより好ましく、2.90以下であることが最も好ましい。一方、比重が2.45を下回ると、所望の剛性を有する基板は実質上得難いため、比重を2.45以上とすることが好ましく、2.48以上とすることがより好ましく、2.50以上とすることが最も好ましい。
上記の物性を実現しうるガラス系材料として、本発明においてはSiO成分、Al成分、R’O成分(ただしR’はLi、Na、Kのいずれか1種以上)のガラスまたは結晶化ガラスを選択する。
そして研削工程のすくなくとも一つのサブ工程において、このガラス系材料をダイヤモンドパッドを用いて研削することにより、研削工程での加工レートが高くなり、短時間で加工することが可能となる。また、研削工程終了時の表面粗さRaの値を小さくすることができる。従って、研磨加工で所望の表面粗さに到達するまでの加工時間も短くすることが可能となり、全体の加工時間を短縮することが可能となる。
ガラス等の研削加工の当業者において、ダイヤモンドパッドとはダイヤモンドシートとも呼ばれ、可とう性があるシート上の樹脂にダイヤモンド砥粒が固定されているものである。ダイヤモンドパッドの表面にはクーラントを研削面に供給し研削屑を排出する為の溝が設けられている。前記の溝は格子状、螺旋状、放射状、同心円状やこれらの組みあわせの形状に設けられている。
本発明の研削工程は複数のサブ工程に分かれていても良いが、少なくとも1つのサブ工程においては、好ましくは最終のサブ工程においては、固定されているダイヤモンド砥粒の平均径が2μm〜5μmであるダイヤモンドパッドで研削することが好ましい。前記の様なダイヤモンドパッドを用いて研削する事により、加工レートを悪化させる事無く研削工程終了後の表面粗さRaの値を小さくする事が可能となり、研削工程、研磨工程を含めた加工時間を短時間とすることができる。上記の効果を得る為のより好ましいダイヤモンド砥粒の平均径は2μm〜4.5μmである。ダイヤモンドパッドに固定されるダイヤモンド砥粒は10wt%以下が好ましい。この時、最終のサブ工程より前のサブ工程ではダイヤモンドパッドの砥粒の平均径を6μm〜10μmの範囲とすることが好ましい。
また、従来行っていた第1段階の研磨工程(粗研磨工程)を省略する場合は研削工程の最終のサブ工程においてダイヤモンド砥粒の平均径が0.1μm以上2μm未満のダイヤモンドパッドで研削することが好ましい。従来、研削工程の後の研磨工程は2段階以上に分けて、各段階ごとに砥粒の種類および平均粒径等を替えながら加工を行っていた。この時、粗研磨工程を省略することができれば製造工程の短縮化となり、大幅なコストダウンが可能となる。本発明においては研削工程の最終のサブ工程においてダイヤモンド砥粒の平均径が0.1μm以上2μm未満のダイヤモンドパッドで研削することにより、研削工程で要求される加工速度を維持しつつ、粗研磨工程で必要な表面の平滑性を得ることが出来る為、粗研磨工程を省略することが可能となる。例えば研磨工程は1段階のみでも情報記録媒体用基板として必要な表面性状を得ることが可能となる。より好ましくはダイヤモンド砥粒の平均径が0.2μm以上1.8μm以下である。この効果は特に後述するガラス系材料(1)を加工する時に顕著である。これは後述するガラス系材料(1)のダイヤモンドパッドによる被研削性がスクラッチを生じさせにくいという性質であることも要因の一つであると考えられる。この場合、必須ではないが、加工全体の効率を良好とするために研削工程における最終のサブ工程より前のサブ工程ではダイヤモンド砥粒の平均径が2μm〜5μmであるダイヤモンドパッドで研削することが好ましい。
従って、研削工程で使用するダイヤモンドパッドとしては固定されているダイヤモンド砥粒の平均径が0.1μm〜5μmのものを使用することができる。
また、ダイヤモンドパッドに固定されているダイヤモンド砥粒の平均径はレーザー回折錯乱法で測定された体積基準のd50の値を用いることができる。通常は製造段階で管理されるダイヤモンド砥粒の粒径分布により把握されるが、ダイヤモンドパッドを薬液で溶解する等してダイヤモンド砥粒のみを取りだして測定することも可能である。
前記ガラス系材料が結晶化ガラスである場合には、モース硬度が6以上10未満の結晶が結晶相として析出している材料であることがより好ましい。ダイヤモンドパッドは被研削材料の研削屑によって目詰まりが発生し、さらに研削工程が進むにつれてダイヤモンドパッドの表面に露出しているダイヤモンド粒子の形状が丸められてしまう。上記の様な結晶相の結晶粒子がモース硬度で規定されたガラス系材料をダイヤモンドパッドで研削すると、研削によって結晶化ガラスから離脱した結晶粒子がダイヤモンドパッド表面に目詰まりした研削屑を排除すると共に、表面に露出したダイヤモンド粒子の形状を鋭角にするドレッシング効果が得られ、加工レートが向上する。上記の効果をより効果的に得る為には結晶相の結晶のモース硬度は6を超えることがより好ましく、7以上が最も好ましい。しかし、モース硬度が高くなりすぎると、ガラス系材料の硬度が高くなってしまい加工レートが低下すると共に、ガラス相と結晶相との加工レートに大きな差が生じ、平滑な面が得られにくくなってしまう。従って、結晶相の結晶のモース硬度は9以下が最も好ましい。
特に前記ガラス系材料がガラスである場合には、最終研磨終了後の目標厚さの1.2倍の厚さより薄い範囲での研削工程をダイヤモンドペレットでの研削や砂かけ法による研削を行わず、ダイヤモンドパッドのみで研削することが好ましい。すなわち、前記研削工程において、最終研磨終了後の目標厚さをt1、加工時の前記板状ガラス系材料の厚さt2とする時、t2/t1≦1.2の場合は全てダイヤモンドパッドで研削することが好ましい。ガラスの場合は最終研磨終了後の目標厚さの1.2倍の厚さより薄い範囲でダイヤモンドペレットでの研削や砂かけ法による研削を行うと、研削工程終了後、研磨工程前の表面粗さが充分でなくなり、その後の研磨工程での加工時間が長くなってしまったり、次世代の基板に必要な表面粗さが得られ難くなる為である。
上記SiO成分、Al成分、R’O成分を含む板状ガラス系材料の組成について説明する。
本明細書において板状ガラス系材料を構成する各組成成分について述べるとき、特に記載が無い場合は、各成分の含有量は酸化物基準の質量%で示す。ここで、「酸化物基準」とは、本発明のガラス系材料の構成成分の原料として使用される酸化物、炭酸塩等が溶融時にすべて分解され表記された酸化物へ変化すると仮定して、板状ガラス系材料中に含有される各成分の組成を表記する方法であり、この生成酸化物の質量の総和を100質量%として、板状ガラス系材料中に含有される各成分の量を表記する。
[ガラス系材料(1)]
ガラス系材料(1)はMAl、MTiO、(ただしMはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上(以下「スピネル系化合物」ともいう)を主結晶相とする結晶化ガラスである。X線回折による分析ではガーナイトとスピネル(MgAl)はピークが同じ角度に現われる為、両者の区別が困難である。これは、RTiOの場合も同様であり、これらの場合、結晶化ガラスの組成すなわち原ガラスの組成においてZnO成分とMgO成分の含有量を比較し、ZnO成分が多ければガーナイト(ZnAl)もしくはチタン酸亜鉛化合物(ZnTiO)が主結晶相であることが示唆される。
スピネル系化合物からなる結晶はモース硬度が8である為、スピネル系化合物を主結晶相とする結晶化ガラスを研削する際には、上述したダイヤモンドパッドのドレッシング効果が特に顕著に現われ、加工レートが著しく高くなる為に好ましい。
本発明のガラス系材料は析出結晶の結晶化度が1%〜15%、結晶粒径が0.5nm〜20nmである結晶化ガラスであることが特に好ましい。スピネル系化合物を主結晶相とする結晶化ガラスは、上述の様にスピネル自体のモース硬度が8と優れているため、優れた機械的強度を得ることができる。そして析出結晶の結晶化度(主結晶相以外の析出結晶を含む)と結晶粒径が上述の範囲であり、研削工程で本発明で規定されたダイヤモンドパッドを用いることにより、次世代の情報記録媒体用基板に要求される表面の平滑性とヤング率、ビッカース硬度、破壊靭性等の機械的強度をバランス良く得られ、さらに研削工程でのダイヤモンドパッドのドレッシング効果と加工レートのバランスが良好となり、高い加工レートで加工することが可能となるのである。結晶化度が大きくなりすぎると所望の表面性状を得られにくくなり、ガラス相に比べて硬い結晶相が多くなるので加工レートが悪くなりやすい為、前記の効果を得る為には前記結晶化度は14%以下がより好ましく、13%以下が最も好ましい。同様に前記結晶粒径は15nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが最も好ましい。同様に、前記効果を得る為には主結晶相の最大粒径は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が最も好ましい。
SiO成分は、ガラス網目構造を形成し、化学的安定性の向上や低比重化を達成するためにも必須の含有成分である。その量が40%未満では、得られたガラスの化学的耐久性が乏しく、かつ、他成分含有量の増加に伴い比重が高くなる傾向にあるので、含有量の下限は40%であることが好ましく、41%がより好ましく、42%が好ましい。また、60%を超えると粘性の上昇に伴い溶解、プレス成形が困難になり易く、また、材料の均質性や清澄効果が低下しやすくなるので、含有量の上限は60%とすることが好ましく、59%がより好ましく、58%が最も好ましい。
Al成分は、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分の一つであり、ガラスの安定化、化学的耐久性向上にも寄与する重要な成分であるが、その量が7%未満ではその効果に乏しいので、含有量の下限は7%であることが好ましく、9%がより好ましく、11%が最も好ましい。また20%を超えるとかえって溶解、成形性、耐失透性が悪化し、また、均質性や清澄効果が低下しやすくなるので、含有量の上限は、20%とすることが好ましく、19%がより好ましく、18%が最も好ましい。
RO成分(ただしRはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Feから選択される1種類以上)は、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分を含み、それぞれガラスの安定化にも寄与する重要な成分であるが、その合計量が乏しいと、現ガラス粘性が高くなり、量産性を損なうこととなり、その上所望の結晶相が得られなくなる。含有量の下限は、5%が好ましく、8%がより好ましく、11%がもっとも好ましい。一方、合計量が35%を超えると、ガラス化が困難となるばかりか、未溶物の析出や失透温度の上昇を招いてしまう。含有量の上限は35%が好ましく、33%がより好ましく、31%が最も好ましい。
ZnO成分は、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分の一つであり、ガラスの低比重化およびヤング率向上に寄与すると共にガラスの低粘性化にも有効である。しかしその含有量が5%未満であると、前記の効果が得られない為、含有量の下限は5%であることが好ましく、6%がより好ましく、8%が最も好ましい。また、ZnO成分の含有量が25%を超えると、原ガラスからの結晶の析出が不安定になり、結晶粒子が粗大化し易くなる為、含有量の上限は25%とすることが好ましく、23%がより好ましく、21%が最も好ましい。
MgO成分は、ガラスの低比重化およびヤング率向上に寄与する成分であり、ガラスの低粘性化にも有効な任意に添加できる成分である。しかし、その含有量が15%を超えると、原ガラスの比重が高くなり所望のガラスを得にくくなるばかりか、未溶物として析出してしまうことがある。したがって、これらの成分の含有量の上限は、15%とすることが好ましく、14%がより好ましく、13%が最も好ましい。
FeO成分は、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分の一つでありAl成分やTiO成分と共にスピネル系化合物を生成する。また、清澄剤としても作用する化合物であるが、反面、ガラス熔融時に一般的に用いられる白金を合金化させてしまう。よって、含有量の上限は、8%であることが好ましく、6%であることが更に好ましく、4%あることが最も好ましい。
TiO成分はスピネル系化合物を析出させるための核形成の役割を果たし、ガラスのヤング率向上、低粘性化、化学的耐久性の向上に寄与する成分である。加えて、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分の一つである。しかし、この成分の添加量が10%を超えるとガラスの比重値が高くなり、更にはガラス化が困難になるため、含有量の上限は10%とすることが好ましく、9%がより好ましく、8%が最も好ましい。
また、TiO成分の含有量が1%未満であると、熱処理による核形成が生じない為、含有量の下限は1%であることが好ましく、2%がより好ましく、3%が最も好ましい。
ZrO成分もTiO成分と同様、主結晶相を析出させるための核形成の役割を果たし、ガラスのヤング率向上、化学的耐久性の向上に寄与するため、任意で添加することができるが、この成分の添加量が2%を超えるとガラス溶融時に溶け残りやZrSiO(ジルコン)が発生しやすく、かつ、ガラス比重が高くなるので、含有量の上限は10%とすることが好ましく、8%がより好ましく、6%が最も好ましい。
成分はガラスの低粘性化に寄与し、溶解、成形性を向上するので、任意成分として添加することができる。しかしこの成分が8%以上であると機械的特性を満足することが困難になり、かつ、原ガラスが分相しやすくガラス化が困難になるので、含有量の上限を8%未満とすることが好ましい。より好ましい上限値は7%である。
R’O成分(但しRはLi、Na、Kから選ばれる1種以上)は、ガラスの低粘度化、成形性向上、均質性向上をもたらす成分である。また、R’O成分を含有させることにより、基板成形後に表面のアルカリ金属イオンを交換し、付加的な特性を付与することが出来る。R’O成分の含有量(LiO、NaO、及びKOの各成分の合計)が2%未満であると、上記の効果を得ることが出来ない為、含有量の下限は2%であることが好ましい。また、情報記録媒体用基板は表面からのアルカリ成分の溶出を制限する必要がある為、アルカリ成分溶出量を必要最小限にする為にRO成分の含有量の上限は15%が好ましく、13%がより好ましく、11%が最も好ましい。
LiO、NaO、及びKOの各成分の個々の含有量について説明する。
LiO成分は任意で含有できる成分であるが、多量に含有すると所望の結晶相を得難くなるためにその上限は2%であることが好ましい。
NaO成分は任意で含有できる成分であるが、多量に含有すると所望の結晶相を得難くなるために、その上限は15%であることが好ましく、12%であることがより好ましく、10%であることが最も好ましい。
O成分は任意で含有できる成分であるが、多量に含有すると所望の結晶相を得難くなるために、その上限は10%であることが好ましく、8%であることがより好ましく5であることが最も好ましい。
CaO成分は、ガラスの低比重化およびヤング率向上に寄与する成分であり、ガラスの低粘性化にも有効であるので任意成分として添加することができる。しかし、CaO成分が15%を超えると、原ガラスの比重が高くなり所望のガラスを得にくくなる。したがって、これらの成分の含有量の上限は15%が好ましく、12%がより好ましく、9%が最も好ましい。
BaO成分やSrO成分は、ガラスの低粘性化と化学的耐久性向上、機械的向上に有効な成分としてMgO、CaO等と同様の働きをする反面、ガラス比重が高くなる傾向にあるため、それぞれの含有量の上限を5%とすることが好ましく、4%とすることがより好ましく、3%とすることが最も好ましい。
成分は、ガラスのクラック進展を抑制する効果を奏するため、ビッカース硬度の上昇に寄与することができる。かつ、低粘性化に寄与するとともにSiOとの共存により原ガラスの溶融、清澄性を向上する。これらの効果を得るためにP成分は任意で含有させることができる。しかしながら、この成分を過剰に添加するとガラス化し難くなり、失透や分相が発生しやすくなるので、含有量の上限は7%とすることが好ましく、6%がより好ましく、5%が最も好ましい。
Gd、La、Y、Nb、Ga3、WO成分はガラスの低粘性化、ヤング率向上による機械的特性の向上、耐熱性向上に寄与するため、任意成分として添加することができるが、添加量の増加は比重の上昇や原料コストの上昇も招く。従って、その量はこれら成分のうち1種以上の合計量が5%までで充分であり、合計量が5%を超えると比重及びヤング率、比剛性率を満足できなくなる。したがって、これら成分の合計量の上限は5%とすることが好ましく、4%がより好ましく、3%が最も好ましい。
ガラスの着色成分として用いられるV、Cu、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Te、Pr、Nd、Er,Eu、Sm等の成分は、それらの成分に起因する蛍光特性を利用してガラスの種類を判別し、製造所等において他の種類のガラスとの混合防止目的のために添加させることが可能であるが、比重の上昇、原料コスト上昇、ガラス形成能力の低下を招くため、その量はこれら成分のうち1種以上の合計量が5%までで充分である。従って、これら成分の合計量の上限は酸化物基準で5%とすることが好ましく、4%がより好ましく、3%が最も好ましい。
[ガラス系材料(2)]
ガラス系材料(2)はSiO成分、Al成分、R’O成分を含むアモルファスガラスである。
SiO成分は、ガラス網目構造を形成し、化学的安定性の向上や低比重化を達成するためにも必須の含有成分である。その量が55%未満では、得られたガラスの化学的耐久性が乏しく、かつ、他成分含有量の増加に伴い比重が高くなる傾向にあるので、含有量の下限は55%であることが好ましく、57%がより好ましく、58%が最も好ましい。また80%を超えると粘性の上昇に伴い溶解、成形性が困難になり易く、その結果材料の均質性や清澄効果が低下しやすくなるので、含有量の上限は80%とすることが好ましく、78%がより好ましく、77%が最も好ましい。
Al成分は、ガラスの安定化、化学的耐久性向上にも寄与する重要な成分であるが、その量が2%未満ではその効果に乏しいので、含有量の下限は2%であることが好ましく、2.5%がより好ましく、3.4%が最も好ましい。また20%を超えるとかえって溶解、成形性、耐失透性が悪化し、その結果均質性や清澄効果が低下しやすくなるので、含有量の上限は、20%とすることが好ましく、19%がより好ましく、18.5%が最も好ましい。
R’O成分におけるRはLi、Na、Kから選ばれる一種以上のアルカリ金属を指しているが、ガラスの低粘度化、成形性向上、均質性向上、化学強化のためには必須の成分である一方、情報記録媒体基板用途としては化学的耐久性が高い、すなわち、アルカリ成分溶出量は出来るだけ少なくすることが好ましい。垂直磁気記録方式等に代表される次世代の情報記録媒体用途として使用しうるアルカリ成分の溶出量とするために、必要に応じて含有されるLiO成分、NaO成分、KO成分の1種以上の合計量を20%以下とすることが好ましく、18%以下とすることがより好ましく、17%以下とすることが最も好ましい。一方、その下限については、これら1種以上の合計量を3%以上とすることが好ましく、5%以上とすることがより好ましく、8%以上とすることが最も好ましい。
成分はガラスを熱処理して結晶化ガラスとする場合に核形成剤として使用し得る成分であり任意で添加することができる。この成分は低粘性化に寄与するとともにSiOとの共存により原ガラスの溶融、清澄性を向上するが、この成分を過剰に添加するとガラス化し難くなり、失透や分相が発生しやすくなるので、含有量の上限は3.0%とすることが好ましく、2.7%がより好ましく、2.6%が最も好ましい。
ZrO成分はガラスの化学的耐久性の向上、物理的特性の向上に寄与し、任意で添加することができるが、この成分の添加量が10%を超えると溶け残りやZrSiO(ジルコン)が発生しやすく、かつ、ガラス比重が高くなるので、含有量の上限は10%とすることが好ましく、8%がより好ましく、6%が最も好ましい。
成分はガラスの低粘性化に寄与し、溶解、成形性を向上するので、任意成分として添加することができる。しかしこの成分が15%以上だと原ガラスが分相しやすくガラス化が困難になるので、含有量の上限を15%とすることが好ましい。より好ましい上限値は12%であり、さらに好ましい上限値は10%である。
BaO成分やSrO成分は、ガラスの低粘性化と化学的耐久性向上に有効な成分として任意成分として添加することができるが、過剰に添加させるとガラス比重が高くなるため、BaO成分またはSrO成分各々の含有量の上限は比重を適切な値とするために15%以下が好ましく、14%以下がより好ましく、13%以下が最も好ましい。
MgO、CaO、ZnO成分は、ガラスの低粘性化に有効であるので任意成分として添加することができる。しかし、MgOが20%、CaOが20%、またはZnOが20%を超えると、原ガラスが失透しやすくなる。したがって、これらの成分の含有量の上限は、MgOが20%、CaOが20%、ZnOが20%であり、より好ましい上限値はMgOが15%、CaOが15%、ZnOが15%であり、さらに好ましい上限値はMgOが8%、CaOが10%、ZnOが10%である。
TiO成分はガラスの低粘性化、化学的耐久性の向上に寄与する成分として任意に添加することができる。しかし、この成分の添加量が10%を超えるとガラスの比重値が高くなり、更にはガラス化が困難になるため、含有量の上限は10%とすることが好ましく、8%がより好ましく、6%が最も好ましい。
Gd、La、Y、Nb、Ga成分はガラスの低粘性化、ヤング率向上による機械的特性の向上、耐熱性向上に寄与するため、任意成分として添加することができるが、添加量の増加は比重の上昇や原料コストの上昇も招く。従って、その量はこれら成分のうち1種以上の合計量が15%までで充分であり、合計量が15%を超えるとガラス化及び結晶化がし難くなる。したがって、これら成分の合計量の上限は15%とすることが好ましく、10%がより好ましく、8%が最も好ましい。
ガラスの着色成分として用いられるV、Cu、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Fe、Te、Pr、Nd、Er,Eu、Sm等の成分は、硝種混合防止目的にて添加させることが可能であるが、比重の上昇、原料コスト上昇、ガラス形成能力の低下を招くため、その量はこれら成分のうち1種以上の合計量が5%までで充分である。従って、これら成分の合計量の上限は酸化物基準で5%とすることが好ましく、4%がより好ましく、3%が最も好ましい。
ガラス系材料(1)、(2)共に情報記録媒体用基板に要求される物性を維持しつつ、高い清澄効果を得るためには、主たる清澄成分として、SnO成分、CeO成分から選ばれる1種以上の成分を含有することが好ましい。高い清澄効果を得るためには、酸化物基準でSnO成分、CeO成分、または両者の合計の含有量の下限が0.01%であることが好ましく、0.1%であることがより好ましく、0.15%であることが最も好ましい。
一方、機械的強度を維持しつつ、比重を低くし、高い清澄効果を得て、かつダイレクトプレス時のリボイル抑制効果を高めるためには、SnO成分またはCeO成分から選択される1種以上の含有量の上限は1%が好ましく、0.8%がより好ましく、0.6%が最も好ましい。
ガラス系材料(1)、(2)共にAs成分やSb成分およびCl、NO、SO2−、F成分は清澄剤として作用するが、環境上有害となりうる成分であり、その使用は控えるべきである。本発明のガラスはAs成分やSb成分を含有しなくても清澄効果を得る事ができるし、これら成分と本願の清澄剤成分を添加した場合、清澄剤同士で清澄効果が相殺されてしまうことになる。
本発明のガラス系材料(1)、(2)共に、研磨加工性を悪化させ、化学的耐久性を低下させる結晶である、フォルステライト(MgSiO)、エンスタタイト(MgSiO)およびこれらの固溶体は含まないことが好ましい。
また、本発明のガラス基板は表面に圧縮応力層を設けることにより、機械的強度をより向上させる効果を得られる。
圧縮応力層の形成方法としては、例えば圧縮応力層形成前のガラス基板の表面層に存在するアルカリ成分よりもイオン半径の大きなアルカリ成分とで交換反応させることによる化学強化法がある。また、ガラス基板を加熱し、その後急冷する熱強化法、ガラス基板の表面層にイオンを注入するイオン注入法がある。
化学強化法としては、例えばカリウム又はナトリウムを含有する塩、例えば硝酸カリウム(KNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)またはその複合塩の溶融塩に300〜600℃の温度にて0.1〜12時間浸漬する。これにより、基板表面付近のガラス成分に存在するリチウム成分(Liイオン)がLiよりもイオン半径の大きなアルカリ成分であるナトリウム成分(Naイオン)もしくはカリウム成分(Kイオン)との交換反応、または、基板表面付近のガラス成分に存在するナトリウム成分(Naイオン)よりもイオン半径の大きなアルカリ成分であるカリウム成分との交換反応が進行し、これにより結晶化ガラスの容積増加が起こりガラス基板表面層中に圧縮応力が発生し、その結果、衝撃特性の指標であるリング曲げ強度が増加する。
熱強化法については特に限定されないが、例えばガラス基板を、300℃〜600℃に加熱した後に水冷および/または空冷等の急速冷却を実施することにより、ガラス基板の表面と内部の温度差によって生じる圧縮応力層を形成することができる。尚、上記化学処理法と組み合わせることにより圧縮応力層をより効果的に形成することができる。
本発明の情報記録媒体用基板はより具体的には以下の方法で製造する。
[板状のガラス系材料を準備する工程]
まず、上記の組成範囲のガラス構成成分を有する様に酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、白金や石英等の坩堝を使用した通常の溶解装置を用いて、ガラス融液の粘度が1.5〜3.0dPa・sとなる温度で溶解する。
次にガラス融液の温度を、粘度が1.0〜2.3dPa・s、好ましくは1.2〜2.2dPa・sとなる温度まで昇温し、ガラス融液内に泡を発生させ撹拌効果を引き起こし均質度を向上させる。
その後、ガラス融液の温度を、粘度が1.8〜2.6dPa・s、好ましくは2.0〜2.5dPa・sとなる温度まで降温し、ガラス内部に発生していた泡の消泡、清澄を行い、その後この温度を維持する。
上記の条件で作製した溶融ガラスを下型に滴下し、上下型で溶融ガラスをプレス(ダイレクトプレス)することによって厚さ0.7mm〜1.2mm程度のディスク状に成形する。
具体的にはプレス成形型の上型の温度を300±100℃、好ましくは300±50℃、下型の温度をガラスのTg±50℃、好ましくはTg±30℃に設定する。
さらに坩堝からプレス成型形へガラスを導くためのガラス流出パイプの温度を、ガラスの粘度が2.0〜2.6dPa・s、好ましくは2.1〜2.5dPa・sとなる温度に設定し、前記下型上に所定量のガラスを滴下し、上型と下型を接近させプレスし、ディスク形状の板状ガラスを得る。
そのほか円柱状に成形したガラス体をスライスする方法、フロート法によって作製したガラスシートを円形に切り抜く方法などでも製造することができる。但し、生産効率の点ではダイレクトプレスによる製造が最も好ましい。
次にガラス系材料を結晶化ガラスとする場合には、得られたディスク状のガラスを熱処理により結晶を生成させる。この熱処理は2段階の温度で熱処理することが好ましい。すなわちまず第1の温度で熱処理し核形成工程を行い、この核形成工程の後に核形成工程より高い第2の温度で熱処理することにより結晶成長工程を行う。
この結晶化工程においてはディスク状のセラミックス製セッターとディスク状ガラスをを交互に積み重ね、セッターで挟み込む(セッターの枚数はガラスの枚数+1枚である)とディスクの平坦度を向上するので好ましい。
本発明の析出結晶の粒径、結晶化度とする為に好ましい熱処理の条件は以下の通りである。
第1の熱処理の最高温度は600℃〜750℃が好ましい。第1段階の熱処理を省略しても良い。第2段階の熱処理の最高温度は650℃〜850℃が好ましい。
第1の温度の保持時間は1時間〜10時間が好ましい。
第2の温度の保持時間は1時間〜10時間が好ましい。
[前加工工程]
次に中央部分への孔空け、外周部および内周部の端面研削等によって面取形状加工を施す。
[研削工程]
研削工程は所望の板厚や平坦度を最終形状に近づける為の加工であり、上下の定盤間に板状ガラス系材料を保持し、回転により相対移動させる両面加工機を用いることが好ましい。研削工程は少なくとも1段階の工程でも良いが、好ましくは少なくとも2段階のサブ工程に分けられ、段階を経るに従って砥粒の番手を細かいものとしていく。
1段階目のサブ工程は、アルミナ等の遊離砥粒を用いる砂かけ法、ダイヤモンドペレットを用いる固定砥粒法、ダイヤモンドパッドを用いる方法のいずれでも良い。この場合、ダイヤモンドペレットを用いる場合の番手は#800〜#1200、ダイヤモンドパッドを用いる場合のダイヤモンド砥粒の平均径は6μm〜10μmが好ましい。また、上述した様に、粗研磨工程を省略する場合は、ダイヤモンドパッドのダイヤモンド砥粒の平均径は2μm〜5μmとすることが好ましい。
また、1段階目のサブ工程の加工圧力は3kPa〜6kPaが好ましく、3.5kPa〜5.5kPaがより好ましい。回転速度は20〜50rpmが好ましい。クーラントの供給量は両面加工機の加工面1cmあたり0.5cc〜1ccが好ましい。
研削工程が1段階のみの場合も含め、最終のサブ工程ではダイヤモンドパッドを用いる。少なくとも最終のサブ工程でダイヤモンドパッドを用いることにより、加工レートを悪化させる事無く研削工程終了後の表面粗さRaの値を小さくする事が可能となり、研削工程、研磨工程を含めた加工時間を短時間とすることができる。
この場合、ダイヤモンドパッドのダイヤモンド砥粒の平均径は2μm〜5μmが好ましく、2μm〜4.5μmがより好ましい。また、上述した様に、粗研磨工程を省略する場合は、ダイヤモンドパッドのダイヤモンド砥粒の平均径は0.1μm以上2μm未満とすることが好ましく、0.2μm〜1.8μmとすることが好ましい。
また、最終のサブ工程の加工圧力は3kPa〜6kPaが好ましく、3.5kPa〜5.5kPaがより好ましい。回転速度は20〜50rpm好ましい。クーラントの供給量は両面加工機の加工面1cmあたり0.5cc〜1ccが好ましい。最終のサブ工程終了後の表面粗さRaは0.001μm〜0.085μmとすることが研削工程の時間と研磨工程の時間の総合の観点で加工時間を短縮することが出来る為好ましい。
[内外周研磨工程]
研削工程の後、必要に応じて端面を研磨処理し、端面の表面を平滑にする。
[研磨工程]
研削工程または内外周研磨工程の後、表裏の主表面の研磨を行い、表面性状を所望の値とする。研磨工程は1段階の工程でも良いが、2段階以上のサブ工程に分けられる。研磨工程も研削工程と同様に両面加工機を用いることが好ましく、コロイダルシリカ、酸化セリウム、ジルコニア、アルミナ、ダイヤモンドなどの遊離砥粒を用い、段階を経るごとに砥粒の番手を細かいものへ、研磨パッドを硬質のものから軟質のものとしていく。
研削工程終了後の研磨粗さを充分に平滑にすることにより、研磨工程を最終のサブ工程(仕上げ研磨工程)のみとすることもできる。
1段階目のサブ工程は、研磨パッドを用い、酸化セリウムの遊離砥粒を含む研磨スラリーを供給しながら加工することが好ましい。この場合の遊離砥粒の平均粒径は0.3μm〜1μmが好ましい。研磨スラリー中の遊離砥粒の含有量は5質量%〜80質量%の間で適宜調整することができる。研磨パッドは硬質発泡ウレタンに微細な酸化セリウム砥粒を分散させたもの、または硬質発泡ウレタンを用いることが好ましい。パッドの硬度はJIS K 6253における硬度が75〜95であることが好ましく、85を超え95以下であることがより好ましい。
また、研磨スラリーのpHを9〜13にすることが好ましく、10〜13にすることがより好ましい。通常ガラス系材料の研磨の場合、研磨スラリーのpHは中性領域近傍の範囲で行われる。これは研磨スラリーのpHが強い酸またはアルカリであると、化学的な作用が強くなりすぎてガラス系材料の表面が荒れてしまう為である。しかし、本発明のガラス系材料に対しては研磨スラリーが上記のpHの範囲であると、平滑な表面性状を得つつも、高い研磨加工レートが得られるのである。特にスピネル系化合物を主結晶相とする結晶化ガラスでは高い研磨レートが得られる。
また、1段階目のサブ工程の加工圧力は8kPa〜15kPaが好ましく、9kPa〜13kPaがより好ましい。回転速度は20〜50rpmが好ましい。
この工程では0.3μm/分〜1μm/分の加工レートを得ることができる。
研磨工程が1段階のみの場合も含め、最終のサブ工程では研磨パッドを用い、酸化セリウムまたはコロイダルシリカの遊離砥粒を含む研磨スラリーを供給しながら加工することが好ましい。研磨スラリー中の遊離砥粒の含有量は0.1質量%〜60質量%の間で適宜調整することができる。この場合の遊離砥粒は10nm〜100nmの範囲の分布であることが好ましい。研磨パッドは軟質(アスカーC硬度が55〜80が好ましい)の不織布やスウェードの研磨パッドが好ましい。
。また、研磨スラリーのpHについては、pHを1〜5または9〜13にすること、換言すれば5を超え9未満の範囲でないことが好ましい。
このような研磨スラリーのpHとすることにより、研磨工程の加工レートを高くし、非常に平滑な表面性状を得ることがより容易となる。
また、最終のサブ工程の加工圧力は8kPa〜15kPaが好ましく、9kPa〜13kPaがより好ましい。回転速度は20〜50rpmが好ましい。
この工程では0.05μm/分〜0.20μm/分の加工レートを得ることができる。
また、pHの異なる研磨スラリーを2種類用意しておき、サブ工程の前後で異なるpHとしても良い。例えば研磨スラリーのタンクAからpH3の研磨スラリーを供給し、その後研磨スラリーの供給を止めリンス液を供給し、タンクBからpH1の研磨スラリーを供給することができる。この操作により加工レートをより向上させつつより平滑な表面性状を得ることができる。
なお遊離砥粒の粒度分布はレーザー回折錯乱法による体積基準で測定され、平均粒径はそのd50の値とする。
研磨スラリーのpHは硝酸、硫酸、酢酸、有機酸、苛性ソーダ、有機アルカリなどの酸溶液、アルカリ溶液を研磨剤スラリーに加えることにより調整すれば良い。ガラス材料の組成により同じpHでも溶液の種類により加工レートが変わる場合があるので、最適な溶液を選択することができる。
研磨工程において、研磨スラリーの供給を循環による供給とする場合、研磨スラッジの影響により、研磨スラリーのpHが徐々に変化することがある。このような場合、pH調整の為に前記の酸溶液またはアルカリ溶液を適時追加する手段を設けてもよい。この場合、pH測定装置からの信号により制御することが好ましい。
本発明により最終のサブ工程すなわち仕上げ研磨工程終了後の表面粗さRaを1.5Å以下とすることが可能となる。
また、研磨後に酸またはアルカリの溶液で処理することにより、Raの値をより小さくすることも可能である。
次に本発明の好適な実施例について説明する。
[板状のガラス系材料を準備する工程]
表1の組成となるように酸化物、炭酸塩の原料を混合し、これを石英製もしくは白金製の坩堝を用いて約1250〜1450℃の温度で溶解し、原料となるバッチを溶け残りが発生しないよう充分溶解した後、約1350〜1500℃の温度に昇温後、1,450〜1,250℃の温度まで降温し、ガラス内部に発生していた泡の消泡、清澄化を行った。その後、温度を維持したまま所定量のガラスを流出しダイレクトプレス方式により上型の温度を300±100℃、下型の温度をTg±50℃に設定した上、直径約67mm、厚さ0.95mmのディスク状に成形した。次に結晶化ガラスの場合はディスク状のセラミックス製セッターと得られたガラスディスクを交互に積み重ね、核形成温度670℃で3時間保持、結晶成長温度750℃で7時間保持する事により結晶を析出させた。












Figure 2011040144
表1の各項目は結晶化ガラスおよびガラスの組成(質量%)、プレス成形後の基板の比重、ビッカース硬度、ヤング率、25℃〜100℃における平均線膨張係数(α)、結晶化度(質量%)、結晶粒径(nm)、最大結晶粒径(nm)を示す。
また、平均線膨張係数はJOGIS(日本光学硝子工業会規格)16−2003「光学ガラスの常温付近の平均線膨張係数の測定方法」に則り、温度範囲を25℃から100℃に換えて測定した値である。
比重はアルキメデス法、ヤング率は超音波法を用いて測定した。
ビッカース硬度は対面角が136°のダイヤモンド四角すい圧子を用いて、試験面にピラミッド形状のくぼみをつけたときの荷重(N)を、くぼみの長さから算出した表面積(mm)で割った値で示した。(株)明石製作所製微小硬度計MVK−Eを用い、試験荷重は4.90(N)、保持時間15(秒)で行った。
[前加工工程]
次にコアドリルで中央部分へΦ18.7mmの孔を空け、外周部および内周部の端面研削等によって面取形状加工を施した。
[研削工程]
1)1段目のサブ工程
スピードファム社製の16B両面加工機、#1000のダイヤモンドペレットまたはダイヤモンドパッドを使用し研削加工をした。
当該1段目のサブ工程を省略し、研削工程を最終のサブ工程のみとする場合もある。
2)2段目のサブ工程(最終のサブ工程または唯一の研削工程)
スピードファム社製の16B両面加工機、ダイヤモンドパッドを使用し研削加工をした。
[内外周研磨工程]
研削工程の後、内外周の端面の表面を平滑に研磨した。
[研磨工程]
1)1段目のサブ工程
スピードファム社製の16B両面加工機、硬質発泡ウレタンの研磨パッド(硬度90)を使用し、遊離砥粒を含む研磨スラリーを供給し、1段目の研磨加工をした。
2)2段目のサブ工程(最終のサブ工程または唯一の研磨工程)
スピードファム社製の16B両面加工機、スウェード研磨パッドを使用し、遊離砥粒を含む研磨スラリーを供給ししながら2段目の研磨加工をした。
その他の加工条件および加工結果を表2から表5に示す。表中、ダイヤモンドペレットの場合はペレットの砥粒の番手を、ダイヤモンドパッドの場合はダイヤモンド粒子の平均径を示している。また、表6、表7に本発明の研削工程終了後に行った研磨工程とその結果について示す。


















Figure 2011040144
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Figure 2011040144



























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Claims (13)

  1. SiO成分、Al成分、R’O成分(ただしR’はLi、Na、Kのいずれか1種以上)を含む板状のガラス系材料を準備する工程と、
    前記板状ガラス系材料を研削する研削工程を含み、前記研削工程は少なくとも前記板状ガラス系材料をダイヤモンドパッドで研削するサブ工程を有する情報記録媒体用基板の製造方法。
  2. 前記ダイヤモンドパッドで研削するサブ工程は、ダイヤモンド粒子の平均径が0.1〜5μmであるダイヤモンドパッドで研削することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  3. 前記ダイヤモンドパッドで研削するサブ工程は、ダイヤモンド粒子の平均径が2〜5μmであるダイヤモンドパッドで研削することを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  4. 前記ダイヤモンドパッドで研削する最終のサブ工程は、ダイヤモンド粒子の平均径が0.1〜2μm未満であるダイヤモンドパッドで研削することを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  5. 前記板状ガラス系材料はモース硬度が6以上10未満の結晶が結晶相として析出している材料である請求項1から4のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  6. 前記板状ガラス系材料は主結晶相としてMAl、MTiO、(ただしMはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であることを特徴とする結晶化ガラスである請求項1から5のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  7. 前記研削工程において、最終研磨終了後の目標厚さをt1、加工時の前記板状ガラス系材料の厚さt2とする時、t2/t1≦1.2の場合は全てダイヤモンドパッドで研削するサブ工程を少なくとも有する請求項1から6のいずれか情報記録媒体用基板の製造方法。
  8. 前記板状ガラス系材料は酸化物基準の質量%で、
    SiO:40〜60%、および
    Al:7〜20%、および
    R’O:2〜15%、(ただしR’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)
    の各成分を含有する請求項1から7のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  9. 前記板状ガラス系材料は酸化物基準の質量%で、
    TiO:1〜15%、および
    RO:5〜35%(ただしRはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Feから選択される1種類以上)
    の各成分を含有する請求項1から8のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  10. 前記板状ガラス系材料は酸化物基準の質量%で、
    ZnO成分を5〜25%含有する請求項1から9のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  11. 前記研削工程は上下定盤間に被研削材料を保持して研磨する両面加工機を使用し、その最大加工圧力が3kPa〜6kPaである請求項1から10のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  12. 前記研削工程において加工レートが5μm/分以上である請求項1から11のいずれかに記載の情報記録媒体用基板の製造方法。
  13. 前記研削工程終了後の表面粗さRaが0.001μm〜0.085μmである請求項1から12のいずれかに記載の報記録媒体用基板の製造方法。
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