JP4857571B2 - 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、磁気ディスク記録装置の基板に用いられる磁気記録媒体用ガラス基板に関し、特に、研磨による平坦化が容易な磁気記録媒体用ガラス基板に関する。
コンピュータ等に用いられる磁気ディスク記録装置、例えばハードディスクには、アルミニウム合金又はガラスのディスクが基板として用いられている。この基板上に金属磁気薄膜が形成され、金属磁気薄膜を磁気ヘッドで磁化することにより情報が記録される。
磁気記録媒体用の基板として、従来は、主にアルミニウム合金が用いられていた。しかし、近年は、ノート型パソコン等の携帯できるパソコンにも磁気ディスク記録装置が採用されており、また、磁気ディスク記録装置の応答速度を高めるために、磁気記録媒体を10000[rpm]以上で高速回転させる必要がある。従って、高強度な磁気記録媒体用の基板が必要とされてきており、これらの必要性を満たすものとしてガラス基板が用いられるようになった。このガラス基板には、アモルファスガラス基板、結晶化ガラス基板、又は化学強化ガラス基板が用いられている。
ここで、磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法について簡単に説明する。まず、アモルファスガラス基板の製造方法について説明する。はじめに、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融したガラスを平面形状の金型に流し込み、その金型で溶融ガラスを挟むことによりプレス成形し、円盤状のガラス基板を作製する(プレス成形工程)。このプレス成形工程により作製され、以下に示す研削・研磨工程が施される前段階の半製品のガラス基板を「ブランクス材」と称する。そのブランクス材の中心部に孔を開け、ドーナツ状のガラス基板(穴明きブランクス材)を作製する。
ドーナツ状のガラス基板(穴明きブランクス材)は、両表面を研削加工され、基板の平行度、平坦度、及び厚さが予備調整される(第1ラッピング工程)。平行度等が予備調整されたガラス基板は、外周端面、孔の内周端面が研削され、面取りされて、ガラス基板の外径寸法及び真円度、並びに孔の内径寸法等が微調整される(端面研削加工工程)。なお、ダイヤモンドを用いて削る工程を研削工程と称する。外径寸法等が微調整されたガラス基板は、外周端面及び内周端面が研磨され、端面の鏡面化が行われる(端面研磨工程)。なお、CeOを用いて削る工程を研磨工程と称する。端面が研磨されたガラス基板は両表面を再度、研削加工され、ガラス基板の平行度、平坦度、及び厚さが微調整される(第2ラッピング工程)。平行度等が微調整されたガラス基板は、両表面が研磨され、表面の凹凸が均一にされ(ポリッシング工程)、最後に洗浄される。このようにして最終製品としての磁気記録媒体用ガラス基板が作製される。
また、結晶化ガラス基板を作製する場合は、上記のプレス成形工程の後に、アモルファスガラス基板(ブランクス材)をセラミック製の板で挟んで熱処理して結晶化させる(結晶化工程)。アニール工程の後は、上述した第1ラッピング工程〜ポリッシング工程の処理が施される。
また、化学強化ガラス基板を作製する場合は、溶融及びプレス成形して得られたガラス基板(ブランクス材)に対して、ポリッシング工程までの処理を施した後、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の混合された溶融塩中に浸漬することにより表面に圧縮応力層を形成して破壊強度を高める。その後洗浄工程の処理が施される。
このようにして作製されたガラス基板の表面に磁性層等を積層することにより、磁気記録媒体が作製される。また、最終製品としての磁気記録媒体用ガラス基板の平面度は、8[μm]以下、好ましくは5[μm]以下が要求され、一般的な規格となっている。この平面度は仮想の基準平面からの変位量のMax−Min値で表されている。
磁気記録媒体に記録された磁気記録情報を読み取るための磁気ヘッドは、磁気記録媒体に対してその表面から浮上した状態で移動するように構成されている。磁気記録媒体の平面度が高い(悪い)と、磁気ヘッドが移動するときに磁気記録媒体と磁気ヘッドとが衝突し、磁気ヘッドの損傷、磁気記録媒体の傷つき等の不具合が生じるおそれがある。
また、磁性膜を成膜した磁気記録媒体をハードディスクドライブに組み込んで固定する際に、平面度が高い(悪い)と磁気記録媒体が割れてしまうおそれがある。
このような不具合の発生を抑制するため、プレス成形で得られたガラス基板(ブランクス材)に対して研削加工(第1ラッピング工程)が施され、第1ラッピング工程後において、平面度を8[μm]以下、好ましくは5[μm]以下にし、ガラス基板の表面を平行、平坦にする試みがなされている(例えば特許文献1)。
また、大量の磁気記録媒体用ガラス基板を上記の平面度で量産するために、基板間における平面度のばらつきを少なくし、標準偏差も小さくする必要がある。近年においては、平面度を3[μm]以下、標準偏差を0.2[μm]以下にしたガラス基板が要求されている。
半製品のガラス基板(ブランクス材)は、上述したように、プレス成形工程において溶融されたガラス素材を金型でプレスすることにより作製される。その後、第1のラッピング工程が施される。プレス成形工程のプレス時間は数秒で、ガラス素材は千度以上に熱せされた高温状態から常温まで急冷される。
通常、プレス成形工程後のガラス基板(ブランクス材)の平面度は100〜150[μm]である。結晶化ガラスは上述した熱処理(結晶化工程)において、平面を有するセラミック等の板でブランクス材を挟み込み、数百℃の高温で10〜30時間の熱処理を行う必要があるため、結晶化の他に、副次的に平面度が良好になり、平面度は約50[μm]になる。
このように結晶化工程を施すことにより、平面度を良好にすることが可能になるが、アモルファスガラス基板と比べて、結晶化工程が必要であるため、工程数が多くなりコストも増加してしまう。また、結晶化工程を施しても、平面度は約50[μm]にしかならない。
従って、プレス成形工程直後で平面度が100〜150[μm]のアモルファスガラス基板(ブランクス材)や、平面度が約50[μm]の結晶化ガラス(ブランクス材)を第1のラッピング工程にて研削し、平面度を8[μm]以下、好ましくは5[μm]以下に加工する必要がある。
特開2003−63831号公報
通常、第1ラッピング工程では、複数のガラス基板(ブランクス材)から表面の凹凸状態が似ている基板を選別し、ほぼ同一形状のガラス基板(ブランクス材)を加工単位(50〜150枚)にまとめ、その凹凸状態に対応した研磨を行っている。そして、その研磨の初期の条件(圧力・回転数)を適正化(低圧力・低回転数)して加工を行う。さらに、第1ラッピング工程終了後に、さらに平面度を基準にしてガラス基板を選別し、第2ラッピング工程にて更に平面度の改善を行う。従来においては、このように基板を選別する作業が必要であるため、製品化までの時間と手間が必要以上にかかってしまう問題があった。
また、プレス成形工程において、プレス速度を遅くすることで平面度を向上させることは可能であるが、そのためには金型を加熱し、ガラスを固化させる速さを遅くする必要があり、生産性が阻害されてしまう。
また、アモルファスガラス基板を結晶化させるためには、約700度の高温で熱処理を行う必要があるため、コストが増加してしまう。
この発明は上記の問題を解決するものであり、表面を凹面にすることでガラス基板の中心部付近に比べて外周部側の厚さを厚くすることにより、研削によって比較的容易に所望の平面度が得られるガラス基板、及びそのガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、研磨及び研削されることにより磁気記録媒体用ガラス基板を製造するための前記研磨及び研削される前のガラス基板であって、円盤状の形状を有し、一方の面が凹面、且つ他方の面が平坦であり、前記凹面の曲率半径rが2〜12[m]である前記ガラス基板の両面を研磨及び研削することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法である。
請求項に記載の発明は、請求項1記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板は、溶融したガラス素材を凸状形状のプレス用金型で挟んでプレスすることによって製造されることを特徴とする。
この発明のガラス基板は、両面が研削及び研磨されることにより磁気記録媒体に用いられるガラス基板であり、研削加工が施される前段階のガラス基板(ブランクス材)である。このガラス基板(ブランクス材)は、片面又は両面が凹面となっているため、円盤状の基板の縁部が最も厚さがあり、中心部に向けて徐々に薄くなっている。
基板の平行度、平坦度、及び厚さを予備調整するために、このガラス基板の両面を研削する。この研削加工は第1のラッピング工程に相当する。このガラス基板の両面を研削すると、厚さが最も厚い縁部から研削され、徐々に中心部に向かって研削されていく。基板の両面が平坦になるまで研削する。ガラス基板の外周部側が砥石に接してその外周部側から研削されるため、安定して研削することが可能となる。つまり、外周部はガラス基板の円周となるため、研磨機の砥石と接する部分の面積が比較的大きくなり、ガラス基板に局部的な応力集中を発生させることなく、表面を研削することが可能となる。その結果、研削後の表面の平面度を比較的低く(良く)することが可能となるため、最終製品としての磁気記録媒体用ガラス基板に求められている平面度の要求を満たすことが可能となる。
このように、縁部から中心部に向かって徐々に研削されていくことにより、研削後のガラス基板の平面度は低く(良く)なり、例えば、モバイルに用いられる2.5インチの磁気記録媒体用のガラス基板に要求される平面度の基準を十分に満たすことができる。また、磁気記録媒体の大きさに関係なく、この発明のガラス基板を用いることにより、平面度を容易に低く(良く)することが可能となる。
なお、この発明のガラス基板にはホウ珪酸ガラスやアルミノシリケートガラス等のアモルファスガラス基板が用いられるが、特にそれらの材料に限定されるものではない。
また、研削の加工時間を考慮すると、凹面の曲率半径rを2[m]以上、又はr/Rを3[1/m]以上とすることが望ましく、この発明のガラス基板の製造可能な範囲を考慮すると、凹面の曲率半径rを12[m]以下、又はr/Rを10[1/m]以下とすることが望ましい。
この発明によると、ガラス基板の外周部側が砥石に接してその外周部側から研削されるため、安定して研削することが可能となり、研削後の表面の平面度を比較的低くすることが可能となる。その結果、最終製品としての磁気記録媒体用ガラス基板に求められている平面度の要求を満たすことが可能となる。
例えば、2.5インチ基板を用いた場合、研削後の平面度を5μm程度にすることが可能となり、平面度が低い(良い)磁気記録媒体用ガラス基板を作製することが可能となる。そして、その磁気記録媒体用ガラス基板を用いると、表面が傷つきにくい磁気記録媒体を製造することができる。
さらに、この発明によると、プレス成型工程にてガラスを固化させる速さを遅くさせる必要もなく、また、平面度を得るため結晶化させる必要もないため、ガラス基板(ブランクス材)の生産性が向上し、生産コストを削減することが可能となる。
以下、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
まず、この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用のガラス基板について、図1乃至図5を参照しつつ説明する。
(構成)
第1の実施形態に係る磁気記録媒体用のガラス基板1の構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の構造を示すものであり、図1(a)はガラス基板1の斜視図、図1(b)は図1(a)に示すガラス基板1の断面図である。
本実施形態に係るガラス基板1は、円盤状の形状を有し、ハードディスク等の磁気記録媒体の基板として用いられる。図1に示されているガラス基板1は、第1ラッピング工程が施される前の段階の半製品としてのガラス基板(ブランクス材)である。このガラス基板(ブランクス材)に対して、上述した第1ラッピング工程〜ポリッシング工程を施すことにより、磁性膜を成膜する前の、最終製品としての磁気記録媒体用のガラス基板が得られる。
このガラス基板1はアモルファスガラスからなり、図1(a)に示すように、その表面1a、1b(表面1bは表面1aの裏面)は凹面となっている。この構造について更に図1(b)を参照しつつ説明する。この断面図は、ガラス基板1の直径における断面を示している。なお、図1(a)には、表面1aが示されているが、その反対の面である表面1bも凹面となっている。
図1(b)に示すように、表面1a、1bが凹面で曲面となっていることにより、ガラス基板1は外周部3の厚さd1が最も厚く、中心部2に向かって徐々にその厚さが薄くなり、中心部2の厚さd2が最も薄くなるように形成されている(外周部3の厚さd1≧中心部2の厚さd2)。つまり、中心部2に比べて外周部3の方が突出した形状をなし、表面1aと表面1bとは互いに反対の方向に反っている。また、このガラス基板1の表面1aと表面1bは同じ曲率を有しているが、曲率が異なっても構わない。例えば、表面1aの曲率よりも表面1bの曲率の方が大きく、表面1bの反りが表面1aよりも大きくても良い。また、その逆であっても構わない。ここで、ガラス基板1の半径をR(直径を2R)とする。
なお、本実施形態においては、模式的に表面1a、1bは滑らかに形成されているが、これは便宜的に説明するためであって、実際のガラス基板においては、その表面には「うねり」や「微小うねり」が発生している。このような「うねり」等が発生しているガラス基板であっても、巨視的に見て、外周部3から中心部2に向けて徐々に厚さが薄くなって、中心部2に比べて外周部3が突出していれば良い。つまり、その「うねり」が無視できるように、「うねり」の大きさに比べて、ガラス基板1の表面1a、1bの反りが大きければ良い。
(研削工程:ラッピング工程)
次に、本実施形態のガラス基板1を用いて、最終製品の磁気記録媒体用ガラス基板を作製する工程について図2及び図3を参照しつつ説明する。図2は、この発明の第1の実施形態に係るガラス基板を研削する工程を順番に示す基板の断面図である。図3は、ガラス基板を研削する状態を模式的に示す斜視図である。この工程は上述した第1ラッピング工程に相当し、ガラス基板1(ブランクス材)の両面を研削することにより、基板の平行度、平面度、及び厚さを調整する。なお、第1ラッピング工程を施す前に、ガラス基板1(ブランクス材)の中心部に孔を開け、ドーナツ状のガラス基板(穴明きブランクス材)を作製するが、図3においては、説明の便宜上、中心部の孔の図示を省略する。
第1ラッピング工程では、図3に示すように、通常、上型12aの砥石13aと下型12bの砥石13bとの間に加工用キャリア11を挟み、キャリア11にガラス板1を保持する。このキャリア11を、矢印Aのように回転させることによって、各ガラス板1を所定の厚さに研削することができる。
次に、ガラス基板1が研削される様子を説明する。図2(a)に示すように、まず、ガラス基板1(ブランクス材)を砥石13a、13bで両面から挟み込み、この状態でガラス基板1の両表面1a、1bを研削していく。この状態においては、ガラス基板1の表面1a、1bの外周部3が砥石13a、13bに接している。
研削を続けると、ガラス基板1の外周部3は徐々に削られ、削られた部分は平坦になっていく。外周部3が、研磨機の砥石13a、13bと接しているため、砥石13a、13bとの接触面積は大きくなり、局部的な応力集中を発生させることなくガラス基板1を研削することができる。つまり、外周部3は円盤状のガラス基板1の円周となるため、砥石13a、13bとの接触部分が多くなる。そして、図2(b)に示すように、外周部6が平坦化されたガラス基板4が作製される。
さらに研削を続けると、外周部6から中心部5に向かって徐々に削られていき、図2(c)に示すように、中心部8まで研削され、両表面が平坦になるまで研削される。そして、図2(d)に示すように、所望の厚さになるまで研削を続け、磁気記録媒体用のガラス基板10を作製する。
このように、両面が凹面となっているガラス基板1(ブランクス材)を研削することにより、研削後のガラス基板10の平面度は良好となり、例えば、モバイルに用いられる2.5インチの磁気記録媒体用のガラス基板に要求される平面度の基準を十分に満たすことが可能となる。
なお、両面が凸面となっているガラス基板(ブランクス材)を研削すると、表面が凸面となっているため、表面の中心部と砥石13a、13bとが接触し、その接触面積は小さくなる。その結果、局部的な応力集中を発生させずにガラス基板を研削することができず、平面度を低く(良く)することは困難となる。本実施形態に係るガラス基板1のように、表面を凹面とすることで、安定してガラス基板1を研削することができ、平面度を低く(良く)することが可能となる。
以上の加工は第1ラッピング工程に相当し、研削して得られたガラス基板10に対して、さらに、端面研削工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、ポリッシング工程を施すことにより、最終製品としての磁気記録媒体用ガラス基板が得られる。そして、この磁気記録媒体用ガラス基板に磁性膜を成膜することにより、磁気記録媒体が作製される。
また、表面1a、1bに「うねり」が発生しているガラス基板であっても、この発明の効果を奏することが可能とである。「うねり」が発生していても、中心部2に比べて外周部3が突出することにより、中心部2よりも外周部3の方が厚さは厚く、外周部3から中心部2に向けて薄くなるため、面積が大きい外周部3が砥石13a、13bに接触する。その結果、ガラス基板1が安定して研削されるため、研削後の表面の平面度は比較的良くなる。
(製造方法)
次に、本実施形態に係るガラス基板1の製造方法について、図4を参照しつつ説明する。図4は、この発明の第1の実施形態に係るガラス基板の製造方法を順番に示す基板の断面図である。この製造方法は上述したプレス成形工程に相当する。図4(a)に示すように、凸面を有する金型14a、14bを用意する。
次に、図4(b)に示すように、溶融したガラス素材15を金型14aと金型14bとで挟み込み、プレス成形し、円盤状のガラス基板1を作製する。このように、凸面を有する金型を用いてプレス成形することにより、本実施形態のガラス基板1が得られる。
本実施形態に係るガラス基板1によれば、プレス成型工程においてガラスを固化させる速さを遅くしたり、結晶化させたりする必要もないため、ガラス基板の生産性を向上させ、生産コストを削減することが可能となる。
また、上述したガラス基板1は両面が凹面となっているが、この発明はそれに限られず、例えば図5(a)に示す基板の断面図のように、一方の面(片面)のみが凹面であっても良い。片面のみが凹面であっても、研削後のガラス基板の平面度は良好になる。図5(a)に示すガラス基板20は上述のガラス基板1と同様に円盤状の形状を有し、その表面20aは凹面となっている。また、図5(a)においては、表面20bを平坦に図示したが、これは説明上便宜的なものであり、実際は、「うねり」等によって平面度が高くなっている。このように、ガラス基板20は外周部22の厚さが最も厚く、中止部21に向かって徐々にその厚さが薄くなり、中心部21の厚さが最も薄くなるように形成されている。
図3に示すキャリア11にガラス基板20を保持し、ガラス基板20の上下両面を砥石13a、13bによって研削する。このような構造を有するガラス基板20であってもこの発明の効果を奏することが可能である。上述のガラス基板1と同様に、ガラス基板20の両面を研削すると、外周部22が砥石13a、13bに接触するため、接触する部分が多くなり、安定して研削することができる。
まず、図5(a)に示すように、ガラス基板20(ブランクス材)を砥石13a、13bで両面から挟み込み、この状態でガラス基板20の両表面20a、20bを研削していく。この状態においては、ガラス基板20の表面20aの外周部22が砥石13aに接している。
研削を続けると、ガラス基板20の表面20aの外周部22と表面20bとが徐々に削られ、削られた部分は平坦になっていく。表面20aにおいては、外周部22が砥石13aに接しているため、砥石13aとの接触面積が大きくなり、安定してガラス基板20を研削することができる。従って、図5(b)に示すように、表面23aの外周部25が平坦化されたガラス基板23が作製される。
さらに研削を続けると、表面23aについては、外周部25から中心部24に向かって徐々に削られていく。そして、図5(c)に示すように、両表面が平坦になるまで研削され、図5(d)に示すように、所望の厚さになるまで研削を続け、磁気記録媒体用のガラス基板28を作製する。
このように、片面が凹面となっているガラス基板20(ブランクス材)の両面を研削することにより、研削後のガラス基板28の平面度は良好となる。
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係るガラス基板について、図6を参照しつつ説明する。第1の実施形態に係るガラス基板は、片面又は両面が凹面で、表面が曲面になっているが、曲面となっていなくても良い。
(構成)
第2の実施形態に係るガラス基板60の構成について、図6を参照しつつ説明する。図6は、この発明の第2の実施形態に係るガラス基板の断面図である。
本実施形態に係るガラス基板60は、第1の実施形態と同様に円盤状の形状を有し、その表面60a、60bはガラス基板60の内部に凹んでいるが、第1の実施形態と異なり、曲面となっていない。
図6に示すように、その表面60a、60bはガラス基板60の内部に窪み、中心部61に対して外周部62が突出している。そして、中心部61の厚さが最も薄く、外周部62に向けて徐々に厚さが増し、外周部62の厚さが最も厚くなっている(外周部の厚さd6≧中心部の厚さd7)。そして、中心部61から外周部62への傾斜は直線になっている。
このような構造を有するガラス基板60であってもこの発明の効果を奏することが可能である。第1の実施形態と同様に、ガラス基板60の両面を研削すると、外周部62が砥石13a、13bに接触するため、接触する部分が多くなり、安定して研削することができる。研削を続けると、ガラス基板60の外周部62から中心部61に向けて徐々に削られ、削られた部分は平坦になっていく。そして、中心部61まで研削し、両表面が平坦になるまで研削する。そして、所望の厚さになるまで研削を続け、磁気記録媒体用のガラス基板を作製する。
このように、両面が曲面の凹面となっていなくても、中心部に対して外周部が突出していることにより、研削後のガラス基板の平面度は良好になる。また、本実施形態におけるガラス基板60は両面が窪んでいたが、第1の実施形態のように、片面のみが窪んで、その片面が平坦でも構わない。片面のみが窪んでいる場合であっても、その片面においては砥石との接触部分が増えるため、安定して研削することが可能となる。
また、本実施形態においては、両面の傾斜の傾きが同じであるが、異なる傾きであっても構わない。例えば、図7(a)に示すガラス基板の断面図のように、ガラス基板70の表面70bの傾きに比べて表面70aの傾きが急になっていても、中心部71に比べて外周部72が突出しているため、砥石13a、13bとの接触部分が増え、安定して研削することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、中心部61の厚さが最も薄く、外周部62の厚さが最も厚くなっているが、図7(b)に示すガラス基板の断面図のように、ガラス基板80の中心部付近が斜めに形成されていなくても良い。同図に示すように、外周部82が内部に比べて突出していることにより、外周部82が砥石13a、13bと接触するため、ガラス基板80と砥石13a、13bとが接触する部分(面積)が多くなるため、安定して研削することができ、平面度が良い磁気記録媒体用ガラス基板を作製することが可能となる。なお、図7(b)においては、中心部81付近を平坦に図示したが、これは説明上便宜的なものであり、実際は、「うねり」等によって平面度が高くなっている。
さらに、この発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ガラス基板の表面が曲面又は直線状のいずれであっても良く、研削される際に砥石との接触部分が増えるように外周部側が中心部に比べて突出していれば、この発明の効果を奏することが可能となる。従って、外周部の最端部が最も突出している場合が好ましい形態であるが、突出している部分が最端部から内側に位置している場合であっても構わない。
つまり、ガラス基板の端部は円周の長さを有するため、中心部が砥石と接触するよりも、外周部側が砥石と接触する方が、接触部分(面積)が多くなり、ガラス基板が安定して研削され、平面度が良い磁気記録媒体用ガラス基板を作製することが可能となる。
[実施例]
次に、この発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
まず、実施例1として、第1の実施形態に係るガラス基板1の具体例を説明する。実施例1としてのガラス基板1の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=67[mm]
中心部2の厚さ:d2=0.95[mm]
外周部3の厚さ:d1=1.25[mm]
表面1a及び表面1bの曲率半径r:r=3737[mm](=3.737[m])
表面1a及び表面1bのr/R=3.33[1/m
また、このガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
この実施例1のガラス基板1の両面を第1ラッピング工程において研削することにより、両面が平坦なガラス基板10を作製する。この第1のラッピング工程における研削の条件を説明する。
研磨機:スピードファム社製の16B型両面研磨機
研磨材:ダイヤモンドをペレット状に焼成成型した「ダイヤモンドペレット(DP)」を研磨定磐上に貼り付けた「ダイヤモンドプレート」
タイヤモンドペレットは三井研削砥石社製であり、ダイヤモンドの粒子径は10〜30[μm](平均15[μm])
加工圧:100〜300[g/cm](通常、200[g/cm])
回転数:5〜50[rpm](通常、30[rpm])
以上の条件でガラス基板1の両面を研削し、加工前のガラス基板1と加工後のガラス基板10の平面度の評価を行った。平面度の評価には、基板での反射が十分にあり、光学的に行える場合は、基準平面と測定物との光学的な干渉(ニュートンリング)を利用した「光干渉法」によって行う。一方、反射が低く、光学的な測定が困難な場合は、「光干渉法」の代用法としてダイヤルゲージ法を用いる。
例えば、数ミクロンレベルの平面度を評価する場合には、ニュートンリングを利用した「光干渉法」によって評価を行い、数十ミクロンレベルの平面度で反射が低い場合は、ダイヤルゲージ法によって評価を行った。光干渉法では、ニディック社製の光干渉計を用い、ダイヤルゲージ法では、ミツトヨ製のダイヤルゲージを用いた自社製の測定治具を用いた。ガラス基板1の平面度の評価は、外周部を基準として、中央部の変位量をダイヤルゲージで測定する方法で行った。なお、第1のラッピング工程後のガラス基板10に対しては、「光干渉法」で行った。
(研削前のガラス基板1に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.165[mm]
標準偏差:0.025[mm]
(研削後のガラス基板10に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.0035[mm](=3.5[μm])
標準偏差:0.00023[mm](=0.23[μm])
以上のように、本実施例に係るガラス基板を用いると、第1ラッピング工程にて平面度が良好なガラス基板を得ることが可能となる。このことにより、例えば、2.5インチのハードディスクに用いられるガラス基板に要求される平面度の基準を満たすことが可能となる。
なお、光学的に平面度を評価できない場合は、触針式の粗さ計等を用いても構わない。その場合は、ガラス基板1又はガラス基板10の端から反対側の端までをスキャンし、凹凸を線状に測定する。そして、基準に対するMax−Min値を求め、最大変位量をもって平面度とし、評価を行っても良い。
また、実施例1に係るガラス基板の製造条件について具体的に説明する。本実施例に係るガラス基板を製造するためには、凸面を有する金型を用意する。この金型で溶融したガラス素材を挟んでプレス成形することにより、実施例1に係るガラス基板を得ることができる。以下に、ガラスの種類及び金型の一例を示す。
ガラスの種類:ホウ珪酸ガラス、アルミノシリケートガラス
凸面を有する金型:凸面の曲率半径が2500[mm](=2.5[m])、外周部に比べて中心部が0.15[mm]だけ突出している。
(実施例2)
次に、実施例2として、第1の実施形態に係るガラス基板1の別の具体例を説明する。実施例2のガラス基板1の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=67[mm]
中心部2の厚さ:d2=0.95[mm]
外周部3の厚さ:d1=1.05[mm]
表面1a及び表面1bの曲率半径r:r=11222[mm](=11.22[m])
表面1a及び表面1bのr/R=10.0[1/m
また、このガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
実施例1と同じ条件でこのガラス基板の両面を研削する(第1ラッピング工程)。そして、実施例1と同じ条件(光干渉法又はダイヤルゲージ法)で研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研削前のガラス基板1に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.045[mm]
標準偏差:0.0027[mm]
(研削後のガラス基板10に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.0031[mm](=3.1[μm])
標準偏差:0.00013[mm](=0.13[μm])
以上のように、実施例2についても実施例1と同様に平面度が5[μm]以下のガラス基板を得ることが可能となり、平面度の基準を満たすことが可能となる。
(実施例3)
次に、実施例3として、第1の実施形態に係るガラス基板1の別の具体例を説明する。実施例3のガラス基板1の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=67[mm]
中心部2の厚さ:d2=0.95[mm]
外周部3の厚さ:d1=1.25[mm]
表面1a及び表面1bの曲率半径r:r=5611[mm](=5.611[m])
表面1a及び表面1bのr/R=5.00[1/m
また、このガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
実施例1と同じ条件でこのガラス基板の両面を研削する(第1ラッピング工程)。そして、実施例1と同じ条件(光干渉法又はダイヤルゲージ法)で研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研削前のガラス基板1に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.098[mm]
標準偏差:0.0022[mm」
(研削後のガラス基板10に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.0032[mm](=3.2[μm])
標準偏差:0.00010[mm](=0.10[μm])
以上のように、実施例2についても実施例1と同様に平面度が5[μm]以下のガラス基板を得ることが可能となり、平面度の基準を満たすことが可能となる。
上記の実施例1から実施例3では、直径(2R)が67[mm]のガラス基板を用いた例について説明した。以下に示す実施例4から実施例6では、直径(2R)が49[mm]のガラス基板を用いた例について説明する。
(実施例4)
次に、実施例4として、第1の実施形態に係るガラス基板1の具体例を説明する。実施例4としてのガラス基板1の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=49[mm]
中心部2の厚さ:d2=0.98[mm]
外周部3の厚さ:d1=1.25[mm]
表面1a及び表面1bの曲率半径r:r=2000mm(=2[m])
表面1a及び表面1bのr/R=3.33[1/m
また、このガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
実施例1〜3と同じ条件でこのガラス基板の両面を研削する(第1ラッピング工程)。そして、実施例1〜3と同じ条件(光干渉法又はダイヤルゲージ法)で研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研削前のガラス基板1に対する評価結果)
評価枚数:350
平面度:0.152[mm]
標準偏差:0.034[mm]
(研削後のガラス基板10に対する評価結果)
評価枚数:350
平面度:0.0028[mm](=2.8[μm])
標準偏差:0.00011[mm](=0.11[μm])
以上のように、実施例4についても実施例1〜3と同様に平面度が5[μm]以下のガラス基板を得ることが可能となり、平面度の基準を満たすことが可能となる。
(実施例5)
次に、実施例5として、第1の実施形態に係るガラス基板1の具体例を説明する。実施例5としてのガラス基板1の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=49[mm]
中心部2の厚さ:d2=0.98[mm]
外周部3の厚さ:d1=1.18[mm]
表面1a及び表面1bの曲率半径r:r=3000[mm](=3[m])
表面1a及び表面1bのr/R=5.00[1/m
また、このガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
実施例1〜4と同じ条件でこのガラス基板の両面を研削する(第1ラッピング工程)。そして、実施例1〜4と同じ条件(光干渉法又はダイヤルゲージ法)で研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研削前のガラス基板1に対する評価結果)
評価枚数:350
平面度:0.103[mm]
標準偏差:0.024[mm]
(研削後のガラス基板10に対する評価結果)
評価枚数:350
平面度:0.0024[mm](=2.4[μm])
標準偏差:0.00009[mm](=0.09[μm])
以上のように、実施例5についても実施例1〜4と同様に平面度が5[μm]以下のガラス基板を得ることが可能となり、平面度の基準を満たすことが可能となる。
(実施例6)
次に、実施例6として、第1の実施形態に係るガラス基板1の具体例を説明する。実施例6としてのガラス基板1の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=49[mm]
中心部2の厚さ:d2=0.98[mm]
外周部3の厚さ:d1=1.08[mm]
表面1a及び表面1bの曲率半径r:r=6000[mm](=6[m])
表面1a及び表面1bのr/R=10.0[1/m
また、このガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
実施例1〜5と同じ条件でこのガラス基板の両面を研削する(第1ラッピング工程)。そして、実施例1〜5と同じ条件(光干渉法、ダイヤルゲージ法)で研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研磨前のガラス基板1に対する評価結果)
評価枚数:350
平面度:0.054[mm]
標準偏差:0.0052[mm]
(研磨後のガラス基板10に対する評価結果)
評価枚数:350
平面度:0.0021[mm](=2.1[μm])
標準偏差:0.00008[mm](=0.08[μm])
以上のように、実施例6についても実施例1〜5と同様に平面度が5[μm]以下のガラス基板を得ることが可能となり、平面度の基準を満たすことが可能となる。
上記に示した実施例1から実施例6のように、表面1a及び表面1bを凹面とすることにより、研磨及び研削後の平面度を5[μm]以下とすることができ、要求される平面度の基準を満たすことが可能となる。また、ガラス基板1の寸法にかかわらず平面度を5[μm]以下にすることが可能である。なお、上記の実施例はこの発明の一例であり、この発明が上記の実施例に限定されることはなく、表面1a又は表面1bのうち少なくとも1面が凹面であれば、この発明の作用及び効果を奏することが可能である。
また、上記の実施例1から実施例6により、曲率半径rを2000[mm](=2[m])以上(または、r/Rを3[1/m]以上)とすることにより、研削の加工時間が長くならずにガラス基板を研削することが可能となるため、製造時間を短縮することができる。さらに、ガラス基板の製造可能な範囲を考慮すると、曲率半径rを12000[mm](=12[m])以下(または、r/Rを10[1/m]以下)とすることが望ましい。なお、曲率半径rが2[m](r/Rが3[1/m])より小さくても、研削の加工時間を延ばすことにより、この発明の効果を奏することが可能である。
つまり、この発明の実施形態に係るガラス基板1においては、表面1a及び表面1bの曲率半径rを2〜12[m](または、r/Rを3〜10[1/m])とすることが望ましい。曲率半径rが2〜12[m]の範囲内では、ガラス基板1の製造が可能であり、曲率半径rが大きくなるほど研削の加工時間が短くて済む。
(実施例7)
次に、実施例7として、第2の実施形態に係るガラス基板60の具体例を説明する。実施例7としてのガラス基板60の寸法は、以下のようになっている。
大きさ:直径(2R)=67[mm]
中心部61の厚さ:d7=0.98[mm]
外周部62の厚さ:d6=1.18[mm]
また、このガラス基板60は、ホウ珪酸ガラスのアモルファスガラス基板からなる。
実施例1から実施例6と同じ条件でこのガラス基板の両面を研削する(第1ラッピング工程)。そして、実施例1から実施例6と同じ条件(光干渉法又はダイヤルゲージ法)で研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研削前のガラス基板60に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.1[mm]
標準偏差:0.0033[mm]
(研削後のガラス基板に対する評価結果)
評価枚数:300
平面度:0.0031[mm](=3.1[μm])
標準偏差:0.00023[mm](=0.23[μm])
以上のように、実施例7についても実施例1から実施例6と同様に平面度が5[μm]以下のガラス基板を得ることが可能となり、平面度の基準を満たすことが可能となる。
(比較例)
次に、実施例1〜実施例7に対する比較例を以下に説明する。実施例1〜実施例7のガラス基板は、凸面を有する金型を用いて成型されているが、比較例のガラス基板は、表面が平坦な金型を用いて成型されている。つまり、実施例1〜実施例7のガラス基板は、表面が意図的に凹面になるように、凸面の金型を用いて成型しているが、この比較例のガラス基板は、従来から用いられている平坦な金型を用いて成型されている。
比較例としてのガラス基板の寸法は、以下のようになっている。
評価枚数:100枚
大きさ:直径(2R)=67[mm]
中心部及び外周部の厚さの平均値:1.25[mm]
100枚のガラス基板における、中心部と外周部との厚さの差(外周部の厚さ−中心部の厚さ)は、以下のようになっている。
100枚の平均値:0.03[mm]
最大値:0.12[mm]
最小値:−0.11[mm](外周部よりも中心部の方が厚い)
標準偏差:0.06[mm]
このように、平坦な金型を用いて成型すると、ガラス基板の厚さは均一にならず、部分的に厚さが異なってしまう。
この比較例のガラス基板の両面を第1ラッピング工程において研削及する。第1ラッピング工程における研削の条件は、実施例1と同じである。そして、実施例1〜実施例7と同じ条件で、研削後のガラス基板の平面度を評価する。
(研削後のガラス基板に対する評価結果)
評価枚数:100枚
平面度(平均値):0.0042[mm](=4.2[μm])
標準偏差:0.0015[mm](=1.5[μm])
平面度の平均値は、5[μm]以下となるが、100枚中、23枚のガラス基板においては、平面度は5[μm]より大きくなり、この発明の実施例のような良好な結果が得られなかった。
以上の結果から、平坦な金型を用いてガラス基板を成型すると、ガラス基板全体がうねりの様に変形してしまい、そのうねりの中でうねりが最も大きい部分から研削されるため、その部分に大きな応力が集中し、その結果、研削後の平面度を大きく(悪く)してしまうと考えられる。
この発明の第1の実施形態に係るガラス基板の構造を示す図である。 この発明の第1の実施形態に係るガラス基板を研削する工程を順番に示す基板の断面図である。 ガラス基板を研削する状態を模式的に示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態に係るガラス基板の製造方法を順番に示す基板の断面図である。 この発明の第1の実施形態に係るガラス基板を研削する工程を順番に示す基板の断面図である。 この発明の第2の実施形態に係るガラス基板の断面図である。 この発明の第2の実施形態に係るガラス基板の断面図である。
符号の説明
1、10、20、28、60、70、80 ガラス基板
1a、1b、20a、20b、60a、60b、70a、70b、80a、80b 表面
2、21、61、71、81 中心部
3、22、62、72、82 外周部
13a、13b 砥石
14a、14b 金型
15 溶融したガラス素材

Claims (2)

  1. 研磨及び研削されることにより磁気記録媒体用ガラス基板を製造するための前記研磨及び研削される前のガラス基板であって、
    円盤状の形状を有し、一方の面が凹面、且つ他方の面が平坦であり、
    前記凹面の曲率半径rが2〜12[m]
    である前記ガラス基板の両面を研磨及び研削することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記ガラス基板は、溶融したガラス素材を凸状形状のプレス用金型で挟んでプレスすることによって製造されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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