JP4186443B2 - 中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの情報記録媒体として使用されるハードディスクとしては、ガラス製の円盤状基板に金属層を積層したタイプのものが知られている。そのようなハードディスクに使用されるガラス基板は従来から、当該基板の製造効率上、中央部に孔を開けて製造されるのが一般的であり、詳しくは図7のフローチャートに示されるような幾つかの工程を経て製造されている。まず、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融ガラスを下型上に流し込み、上型によってプレス成形する(プレス成形工程)。プレス成形工程においては、一般に、図8に示されるような方法が採用されている。図8では、平面形状を有する成形面を備えた上型101および下型102によって、ガラス素材103を所定厚みにプレス成形する(特開平11-255524号公報)。
【0003】
プレス成形されたガラス素材(ガラス基板)は結晶化またはアニ−ルされ、冷却される(結晶化工程またはアニール工程)。冷却されたガラス基板は、コアリング工程において中央部を切断することによって孔開けされ、必要により外周端部も切断される。コアリング工程における切断方法としては、研削による内外径加工やガラス基板の少なくとも一方の面にケガキを入れ、当該面を上側にした状態で切断部分に衝撃体によって衝撃を付与する方法(特開平11-116261号公報)、ガラス基板にレーザービームで浅い切れ目を付けることにより分割する方法(例えば、特開2000-281371号公報)等が一般に採用されている。コアリング処理されたガラス基板は第1ラッピング工程に供され、両表面を研削加工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みを予備調整される(第1ラッピング工程)。平行度等が予備調整されたガラス基板は、外周端面およびガラス基板における孔の内周端面を研削されたり、面取りされて、ガラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、ならびにガラス基板と孔との同心度を微調整される(端面精密加工工程)。外径寸法等が微調整されたガラス基板は、外周端面および孔の内周端面を研磨されて微細なキズ等を除去される(端面研磨加工工程)。端面を研磨されたガラス基板は両表面を再度、研削加工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みを微調整される(第2ラッピング工程)。平行度等が微調整されたガラス基板はポリッシング工程に供されて、両表面を研磨加工され、所定の平滑度を達成する。ポリッシング工程は、場合によっては2段あるいは3段行っても構わない。ポリッシング加工されたガラス基材は最後に洗浄および検査され、合格したものだけが、ハードディスク用基板として使用され得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では、コアリング工程において上記切断方法により両面が平行なガラス基板に孔を開けていたため、処理時間が長すぎたり、使用する装置が高価であったり、処理作業が煩雑であったりして、製造コストの増大が問題となっていた。
【0005】
本発明は、簡便に、かつ低コストで中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円錐を底面と平行な平面で切ってなる円錐台形状を有し、底面の直径Aに対する切り口面の直径Bの割合(B/A)が0.7〜0.99である突起部を上型および下型の一方の成形面に備えた上下型間で、該突起部によってプレスされるガラスの厚みDが0.1T1〜0.5T1(T1はプレス成形処理完了時の上型成形面と下型成形面との距離である)になるように、ガラスをプレスするプレス成形処理を行って窪み部を有するガラス基板を得た後、少なくとも該ガラス基板における窪み部を有しない面をラッピング処理することによって孔開けすることを特徴とする中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
【0007】
本発明においては突起部を上型および下型の一方の成形面に備えた上下型間でプレス成形処理して窪み部を有するガラス基板を得た後、該ガラス基板における窪み部を有しない面を、従来の製造方法においても行っていたラッピング処理に供することによって孔開けするため、従来のコアリング処理を省略することができ、結果として簡便に、かつ低コストで中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板を製造できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法を図2のフローチャートを用いて説明する。図2は本発明の方法における第1の態様(▲1▼)および第2の態様(▲2▼)を同時に表すフローチャートを示す。
【0009】
本発明においてはまず、ガラス素材を溶融する(ガラス溶融工程)。使用されるガラス素材は特に制限されず、リチウムアルミノシリケートガラスやアルミノシリケートガラスなどのガラス素材を、得ようとするガラス基板の所望の形態(結晶化ガラスまたは非晶質ガラス)に応じて適宜選択して用いればよい。溶融温度は使用されるガラス素材によって異なり、溶融ガラスが、後述のプレス成形工程において突起部の形状を良好に転写され得るような粘度を有していれば良い。
【0010】
次いで、溶融されたガラスを下型2上に流し込み、特定の突起部を上型および下型の一方の成形面に備えた上下型間でガラスをプレスするプレス成形処理を行って、窪み部を有するガラス基板を得る(窪み付きプレス成形工程)。以下、特定の突起部を上型の成形面にのみ備えた上下型間でプレス成形処理する場合について説明するが、突起部を下型の成形面にのみ備えた上下型間でプレス成形処理してもよい。1の上型に対して複数個の下型を備えたターンテーブルを用いて複数個連続成形を行う場合における装置コストの低減の観点からは、突起部は上型の成形面にのみ備わっていることが好ましい。1の突起部を備え付けるだけで済み、また成形終了後において下型上の成形品を容易に取り出すことができるためである。
【0011】
図1(A)に示すように本発明のプレス成形工程において使用される上型1は成形面3の中央に突起部10を備えている。突起部10は円錐、特に直円錐を底面と平行な平面で切ってなる円錐台形状を有しており、底面側で成形面に一体化されている。そのような突起部10においては、拡大図に示すように底面の直径Aに対する切り口面の直径Bの割合(B/A)は0.7〜0.99、好ましくは0.85〜0.99である。上記割合が0.7未満であると、孔の内周端面の傾斜がゆるすぎて内周端面の精密加工時の加工量が多くなるため、製造コストが増加する。上記割合が0.99を越えるとプレス成形終了後、上型が成形品から容易に抜けないなどの問題が生じる。突起部底面の直径Aは特に制限されないが、得ようとするハードディスク用ガラス基板の所望直径に依存して決定されることが好ましく、通常、当該所望直径をCとしたとき、Aは0.2C〜0.4Cが適当である。Cは25〜100mmが一般的である。
【0012】
本発明において円錐台形状は、該形状の中心軸を通る断面においてテーパ面(側面)11が1の直線で規定される1段直線系円錐台形状(図1)だけでなく、曲線で規定される曲線系円錐台形状(図3(A))、2の直線で規定される2段直線系円錐台形状(図3(B))、3以上の直線で規定される多段直線系円錐台形状(図示せず)等の形状をも含む概念で用いるものとする。図3(A)および(B)中、底面の直径Aおよび切り口面の直径Bを示す。
【0013】
また円錐台形状は、切り口面の外周部分が面取りされて、切り口面が曲面形状を有していても良い。例えば、図3(A)に示す円錐台形状における切り口面の外周部分が面取りされてなる形状を図3(C)に示す。そのような形状におけるBは面取り前の形状におけるBである。すなわち、Bは図3(C)に示す形状の頂点Eを含む切り口面の直径である。
【0014】
上記のような形状を有する突起部10の高さH(例えば、図1(A)の拡大図参照)はプレス成形処理完了時の上型成形面と下型成形面との距離T1(図1(B)参照)に依存して決定され、0.5T1〜0.9T1、好ましくは0.7T1〜0.8T1である。T1は得ようとするハードディスク用ガラス基板の所望厚みおよび後述のラッピング工程およびポリッシング工程における研磨量および研削量を勘案して決定される値であり、通常、0.7〜2.5mm、特に0.8〜2.0mmが適当である。
【0015】
突起部10を構成する材料は特に制限されず、上型1および下型2を構成する材料と同様の材料が使用可能であるが、離型性向上の観点からは、熱伝導の良い材料、特に平面部の金型材料、特に上型材料の熱伝導度の2倍以上の熱伝導度(好ましくは25〜60kcal/mh℃)を有する材料を用いる。そのような材料として、例えば、超硬合金、鋳鉄が挙げられる。突起部の離型性が向上すると、ガラス基板における比較的薄い厚みの窪み部を容易に形成できる。
【0016】
上型1および下型2の構成および材料は特に制限されないが、ガラス基板における比較的薄い厚みの窪み部を容易に形成する観点から、プレス成形時においてガラス基板における窪み部の温度を比較的高く保てる構成および材料とすることが好ましい。ガラス基板における窪み部の温度を比較的高く保つことによって、当該窪み部が熱によって延伸し易くなる。例えば、下型を中央部と外周部とに分割した構成とし、下型に、中央部が外周部より高くなるような温度分布を持たせる。
【0017】
本発明のプレス成形工程においては、図1(B)に示すように、突起部10によってプレスされるガラスの厚みDが0.1T1〜0.5T1(T1は前述したプレス成形処理完了時の上型成形面と下型成形面との距離T1と同様である)、好ましくは0.2T1〜0.3T1になるように、ガラスをプレスして、ガラスに突起部10および成形面3,4の形状を良好に転写させ、突起部に対応する窪み部を有するガラス基板を得る。Dが0.5T1を越えると、後述の第1ラッピング工程において孔を開けるために研削する量が増え、当該工程における負荷が大きくなり、製造コストが増大する。また、ガラス基板に成形面が十分に転写されず、得られるガラス基板の面精度が悪化する。Dが0.1T1未満であると、当該工程で得られるガラス基板が後述の工程での処理に耐え得る強度を有することができない。このため、実際にはガラス基板がそのような強度を確保できる程度までT1を大きく設定する必要が生じ、結果として研削量の増加により製造コストが増大する。
【0018】
他の成形条件は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における成形条件と同様の条件を採用することができる。例えば、プレス圧は20〜100kg/cm、プレス時間は0.3〜2.0秒が適当である。
【0019】
上記窪み付きプレス成形処理を行った後は、通常、ガラス基板の結晶化処理またはアニール処理を行い、結果として冷却する(結晶化工程またはアニール工程)。結晶化処理またはアニール処理のいずれを行うかは、得ようとするガラス基板の所望の形態(結晶質または非晶質)に依存し、すなわち結晶性ガラス基板を得たい場合には結晶化処理を行い、また非晶質ガラス基板を得たい場合にはアニール処理を行う。
【0020】
結晶化処理およびアニール処理の方法は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における結晶化処理およびアニール処理の方法と同様の方法を採用することができる。例えば、結晶化処理においては、通常、ガラス基板をガラス材料のガラス転移点(Tg)+50℃〜Tg+300℃まで加熱した後、一定温度を保持したり、温度制御しながらガラスのガラス転移温度(Tg)付近まで冷却し、それ以降は徐冷するが、加熱温度、保持時間およびTgまでの冷却速度等を適宜選択することによってガラス基板の物性、例えば、熱膨張率、ヤング率、結晶化度等を制御することができる。アニール処理においては、通常、ガラスのTg付近で一定時間保持後、歪点まで比較的小さな冷却速度で冷却し、それ以降は比較的大きな冷却速度で冷却する。本発明において結晶化処理またはアニール処理、特に結晶化処理では、処理装置内での省スペース化の観点から、また平坦度を小さくする観点から、複数のガラス基板を重ね、その上から重し等によって加圧して処理することが好ましい。このときガラス基板は、基板同士の融着防止の観点から、セッター材と交互に重ねられて処理されることが好ましい。
【0021】
次いで、結晶化工程またはアニール工程において冷却されたガラス基板をコアリング処理することなく、第1ラッピング処理する(第1ラッピング(Lapping)工程)。第1ラッピング工程においては、少なくともガラス基板における窪み部を有しない面を研削処理することによって孔開けし、さらに所望により窪み部を有する面も研削処理することによってガラス基板の平行度、平坦度および厚みを予備調整する。ここで予備調整とは、以降の別の工程において寸法等を規定の寸法等に調整できる程度に大まかに調整することをいう。
【0022】
本明細書中、平行度は上型中心軸および下型中心軸の一方の軸が他方の軸に対して傾くことにより生じる「成形面における上型成形面が転写される面(上面)と下型成形面が転写される面(下面)との傾き」の程度を表す一つの指標である。本発明において上面と下面との傾きは「下面を水平面とみなしたときの上面の傾き」であり、平行度は当該傾きが最も大きな断面における下面の幅100mm長あたりの上面の傾きによる高低差で表される。
【0023】
平坦度は成形品の反りの程度を表す一つの指標であり、成形品を水平面上に置いたときの上面最高点と水平面との距離で表される。
【0024】
本発明において厚みはデジタルマイクロメーター(ミツトヨ社製)によって測定された値を用いているが、いかなる装置によって測定されてもよい。
【0025】
窪み部を有しない面および窪み部を有する面のいずれの面のラッピング処理方法も、公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における第1ラッピング処理の方法と同様の方法を採用することができる。詳しくは、粒度♯600以上、♯2000以下、好ましくは♯800以上、♯2000以下の固定砥粒(ダイヤペレット)または遊離砥粒(アルミナ、SiC等のスラリー)等の研削材を用いて研削する。第1ラッピング工程で使用されるラッピング装置としては、例えば、両面ラッピング装置(ハマイ社製)、両面ラッピング装置(スピードファム社製)が挙げられる。
【0026】
そのようなラッピング処理を、少なくとも窪み部を有しない面、所望により両面に対して行うことによって、少なくとも孔開けを行い、好ましくは孔開けとガラス基板の平行度、平坦度および厚みならびに両面の表面粗さおよび最大表面粗さに関する予備調整を行う。
【0027】
第1ラッピング工程においては、窪み部を有しない面で、ガラス基板における窪み部の厚み(前記のDに等しい)以上の研削量が達成される。通常、0.1〜0.9mmである。
窪み部を有する面をラッピング処理する場合において、当該面の研削量は通常、0.1〜0.3mmである。
【0028】
本発明においては、上記第1ラッピング処理されたガラス基板を、外径加工処理、例えば外径スクライブ割断処理または外径グラインディング処理し、さらに端面精密加工処理してもよいし(第1の態様)、または第1ラッピング処理されたガラス基板をそのまま端面精密加工処理してもよい(第2の態様)。
【0029】
第1の態様において外径スクライブ割断処理および外径グラインディング処理の方法は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における外径スクライブ割断処理および外径グラインディング処理の方法と同様の方法を採用することができる。例えば、外径スクライブ割断処理においては、ガラス基板の外周端部を、該孔を基準としてスクライブ割断処理する。詳しくは、図4に示すように、ダイヤモンドカッター20等を用いてガラス基板21の外周端部22を、孔23と同心円状に切り目(スクライブ線)24を入れる。さらに、ダイヤモンドカッター等により外周部22における複数の部位(図4中においては3箇所の部位)に切リ目(スクライブ線)25を径方向に入れ、外周部22を径方向の外側に引っ張ることにより、ガラス基板から外周部を割って、分断する。また例えば、外径グラインディング処理においては、図5に示すように、複数のガラス基板30を、該孔に軸31を通すことによって重ね合わせ、一括して外周端部を加工砥石32によってグラインディング処理する。上記のいずれの処理においても、所望によりさらに外周端面および/または内周端面を研削加工し、ガラス基板の外径寸法および真円度、ならびにガラス基板と孔との同心度が予備調整される。図5に示すような外径グラインディング処理を行うと、複数のガラス基板を一括して処理できるため、製造コストを容易に低減できる。
【0030】
次いで、外径スクライブ割断処理または外径グラインディング処理(以下、単に外径スクライブ割断処理等という)されたガラス基板を端面精密加工処理する(第1の態様)。本発明においては、第1ラッピング処理されたガラス基板を、外径スクライブ割断処理または外径グラインディング処理することなく、そのまま端面精密加工処理してもよい(第2の態様)。上記プレス成形工程においてガラス外周端部はいかなる部材とも接触せず、ガラス基板の外周端面が良好な自由曲面を有しているためである。
【0031】
端面精密加工処理の方法は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における端面精密加工処理の方法と同様の方法を採用することができる。例えば、第1の態様において外径スクライブ割断処理等がなされたガラス基板については、ガラス基板における外周端面および孔の内周端面を研削したり、面取りして、ガラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、ならびにガラス基板と孔との同心度を規定の寸法および度合いに微調整する。また、第2の態様において第1ラッピング処理されたガラス基板については、ガラス基板における内周端面を研削したり、面取りして、ガラス基板における孔の内径寸法および真円度を規定の寸法および度合いに微調整する。研削材としては、ダイヤモンド砥石が使用可能である。
【0032】
次いで、端面精密加工工程において内径寸法等が微調整されたガラス基板の端面研磨加工処理を行う(端面研磨加工工程)。端面研磨加工処理の方法は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における端面研磨加工処理の方法と同様の方法を採用することができる。例えば、第1の態様において外径スクライブ割断処理等がなされたガラス基板ついては、ガラス基板における外周端面および孔の内周端面を研磨して、微細なキズ等を除去する。また、第2の態様において第1ラッピング処理されたガラス基板については、ガラス基板における孔の内周端面を研磨して、微細なキズ等を除去する。端面にキズを有していると、ガラス基板が衝撃によって破損し易いためである。当該工程において使用される研磨材としては、例えば、酸化セリウムが挙げられる。
【0033】
次いで、端面研磨加工工程において端面を研磨されたガラス基板の両表面を研削加工して面の形状精度を創生(修正)する(第2ラッピング工程)。すなわち最終的なディスクとしての形状品質(平行度、平坦度および厚み)を達成し、同時に後述のポリッシング工程で調整可能な表面粗さおよび最大表面粗さを達成する。
【0034】
第2ラッピング処理の方法は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における第2ラッピング処理の方法と同様の方法を採用することができる。詳しくは、結果として、ガラス基板は通常、当該工程で厚み方向において厚みt(当該工程直前の厚み)に対して両面でt/3〜t/20研削される。
第2ラッピング工程で使用されるラッピング装置としては、第1ラッピング工程で使用されるラッピング装置として例示した装置と同様のものが挙げられる。
【0035】
次いで、ラッピング処理されたガラス基板を研磨加工して面の平滑性を創生(調整)する(ポリッシング(Polishing)工程)。すなわち、表面の凹凸を均して最終的なディスクとしての平滑度(表面粗さ、最大表面粗さ)を達成する。
【0036】
ポリッシング処理の方法は公知のハードディスク用ガラス基板の製造方法におけるポリッシング処理の方法と同様の方法を採用することができる。詳しくは、平均一次粒径2μm以下、好ましくは1μm以下の酸化セリウム等の研磨材を用いて研磨する。
【0037】
最後に、ポリッシング処理されたガラス基材を洗浄および検査する(洗浄工程および検査工程)。
洗浄工程においてはガラス基板を常温の流水にさらすなどして基板表面のガラスくずを除去すればよい。
検査工程においては、基板の平行度、平坦度、厚み、表面粗さ、最大表面粗さ、端部形状(ロールオフ)、微小ウネリ等が所望の範囲内であることが確認され、ハードディスク用基板として使用される。
【0038】
本発明のハードディスク用ガラス基板の製造方法の別の態様においては、上記の窪み付きプレス成形処理において、上型と下型との間に平行スペーサーを介在させ、かつガラスの外周部と平行スペーサーとが非接触の状態を維持しながら、上型と下型との間でガラスをプレスすることが好ましい。平行スペーサーはプレス成形完了直前に上型成形面と下型成形面とを平行に保持する機能を有する。そのようなプレス成形処理を行うことによって、得られるガラス基板の平行度、平坦度および厚みバラツキの精度が向上する。このため、第1ラッピング工程で主として平行度、平坦度および厚みを予備調整する目的で行われる窪み部を有する面のラッピング処理を省略することができる。また、たとえ窪み部を有する面の第1ラッピング処理を行うにしても当該処理時間を短縮でき、製造コストを低減できる。
【0039】
詳しくは、例えば図6(A)および(B)に示すように、上型1と下型2とを接近移動させてガラスをプレスすると、当該接近移動は平行スペーサー5によって制限され、溶融ガラス6の厚みが規定される(図6(B)参照)。このとき、平行スペーサー5は、プレス成形時においてガラスの外周部と平行スペーサーとが非接触の状態を維持できるように(図6(B)参照)、成形面における外縁部に設置されており、ガラスの外周部は平行スペーサー5と接触しないため、平行度、平坦度および厚みバラツキについての優れた精度を達成することができる。また金型成形面を有効にガラス基板表面に転写させることもできる。プレス成形時においてガラスが平行スペーサーと接触すると、平行スペーサーと成形面との間へ溶融ガラスが浸入し、得られるガラス基板の平行度および平坦度が悪化する。さらに成形を繰り返すと、平行度および平坦度の悪化は顕著になり、厚みのバラツキも顕著になる。また、成形面を有効に転写することができない。図6(A)は平行スペーサーおよび突起部を備えた上型および下型の概略断面図、上型を下から見たときの概略見取り図および下型を上から見たときの概略見取り図を示す。図6(B)は図6(A)の上型および下型を用いてプレスしたときの上型および下型の概略状態図を示す。
【0040】
当該態様においては平行度、平坦度および厚みバラツキついての精度の向上を達成するため、平行スペーサーにおける上型および下型との接触面、上型および下型における平行スペーサーとの接触面、および上型および下型の成形面は平行度10μm以下、好ましくは5μm以下、平坦度10μm以下、好ましくは5μm以下であることが好ましい。平行スペーサー5の厚み(高さ)は上記T1に相当する。
【0041】
図6(A)において、平行スペーサー5は上型1に設置されているが、下型2に設置されてもよい。平行スペーサー5を上型1に設置すると、1の上型に対して複数個の下型を備えたターンテーブルを用いて複数個同時成形を行う場合、最少の数の平行スペーサーを用意するだけで済み、また成形終了後において下型上の成形品を容易に取り出すことができる。
【0042】
また図6(A)において平行スペーサー5は角柱形状を有し、下型成形面4と面接触するが、その形状は両型の成形面を平行に保てる限り特に制限されず、例えば、略角柱形状、略円柱形状、略角錐体形状、略円錐体形状、略棒形状または略ピン形状等であってよい。そのような形状に応じて平行スペーサーは成形面4と点、線、または面で接触する。平行度、平坦度および厚み等の精度が優れた成形品をより長期にわたって得る観点からは、下型成形面と面で接触するような平行スペーサーを用いることが好ましい。プレス成形時においてガラスと平行スペーサーとが接触しない限り、平行スペーサー5はリング形状を有していてもよい。
【0043】
また図6(A)において4個の平行スペーサー5が使用されているが、平行スペーサーの数は両型の成形面を平行に保てる限り特に制限されず、下型成形面と面または線接触する場合で少なくとも2個、好ましくは3個、下型成形面と点接触する場合で少なくとも3個、好ましくは3個が適当である。
【0044】
平行スペーサー5の厚み(高さ)はガラス基板の厚みおよび平行度に反映するため、使用される全ての平行スペーサーの厚み(高さ)は厳密に等しくしておくことが必要である。
【0045】
図6(A)および(B)において、図1(A)および(B)においてと同じ番号が付された部材は、図1(A)および(B)における同番号の部材と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0046】
【実施例】
実施例1
図2のフローチャート(第1の態様)に基づいて中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板を製造した。詳しい条件を表1および2に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004186443
【0048】
【表2】
Figure 0004186443
【0049】
実施例2
以下の突起部を備えた図1の装置を用いたこと、およびDが0.28T1になるようにガラスをプレスしたこと以外、実施例1と同様にして、中央孔を備えたガラス基板を製造した。得られたガラス基板は外周直径67mm、孔の内周直径19mm、厚み1800μmを有していた。
(突起部)曲線系円錐台形状(図3(A)参照)、B/A=0.9、H=1.3mm、材料:超硬合金。
【0050】
実施例3
以下の突起部を備えた図1の装置を用いたこと、およびDが0.3T1になるようにガラスをプレスしたこと以外、実施例1と同様にして、中央孔を備えたガラス基板を製造した。得られたガラス基板は外周直径67mm、孔の内周直径19mm、厚み1300μmを有していた。
(突起部)2段直線系円錐台形状(図3(B)参照)、B/A=0.9、H=0.9mm、材料:超硬合金。
【0051】
比較例1
以下の突起部を備えた図1の装置を用いたこと以外、実施例1と同様にして、中央孔を備えたガラス基板を製造しようとしたが、プレス成形時において上型がガラス基板から容易に抜けず、該基板が変形した。
(突起部)円柱形状、B/A=1.00、H=1.3mm、材料:超硬合金。
【0052】
比較例2
Dが0.05T1になるようにガラスをプレスしたこと以外、実施例1においてと同様にガラス基板を製造しようとしたが、成形直後の冷却工程において基板が割れた。
【0053】
本明細書中、表面粗さ(Ra)はJIS B0601に基づく平均の値である。最大表面粗さ(Rmax)はJIS B0601に基づく最大の値である。
【0054】
【発明の効果】
本発明の方法により、簡便に、かつ低コストで中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明のハードディスク用ガラス基板の製造方法を説明するための上下型の概略構成図および突起部の拡大図を示し、(B)は(A)の上下型を用いてプレスしたときの上型および下型の概略状態図を示す。
【図2】 本発明のハードディスク用ガラス基板の製造方法の一例のフローチャートを示す。
【図3】 (A)、(B)および(C)はそれぞれ突起部の形状の一例を示す。
【図4】 外径スクライブ割断工程を説明するための概略断面図および概略見取り図を示す。
【図5】 外径グラインディング工程を説明するための概略断面図を示す。
【図6】 (A)は本発明のハードディスク用ガラス基板の製造方法の一例を説明するための上下型の概略構成図を示し、(B)は(A)の上下型を用いてプレスしたときの上型および下型の概略状態図を示す。
【図7】 従来のハードディスク用ガラス基板の製造方法のフローチャートを示す。
【図8】 従来のプレス成形方法を説明するための金型の概略構成図を示す。
【符号の説明】
1;上型、2;下型、3;成形面、4;成形面、5;平行スペーサー、6;ガラス、10;突起部、11;テーパ面、20;ダイヤモンドカッター、21;ガラス基板、22;外周端部、23;孔、24;切れ目、25;切れ目、30;ガラス基板、31;軸、32;加工砥石、101;上型、102;下型、103;ガラス。

Claims (3)

  1. 円錐を底面と平行な平面で切ってなる円錐台形状を有し、底面の直径Aに対する切り口面の直径Bの割合(B/A)が0.7〜0.99である突起部を上型および下型の一方の成形面に備えた上下型間で、該突起部によってプレスされるガラスの厚みDが0.1T1〜0.5T1(T1はプレス成形処理完了時の上型成形面と下型成形面との距離である)になるように、ガラスをプレスするプレス成形処理を行って窪み部を有するガラス基板を得た後、少なくとも該ガラス基板における窪み部を有しない面をラッピング処理することによって孔開けすることを特徴とする中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 孔開けされたガラス基板の外周端部を、該孔を基準として外径加工する請求項1に記載の中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 孔開けされた複数のガラス基板を、該孔に軸を通すことによって重ね合わせ、一括して外周端部をグラインディング処理する請求項1に記載の中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法。
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