JP2003055001A - 中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents
中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法Info
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Abstract
ドディスク用ガラス基板を製造する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 円錐を底面と平行な平面で切ってなる円
錐台形状を有し、底面の直径Aに対する切り口面の直径B
の割合(B/A)が0.7〜0.99である突起部11を上型1およ
び下型2の一方の成形面に備えた上下型間で、該突起部1
0によってプレスされるガラス6の厚みDが0.1T1〜0.5T1
(T1はプレス成形処理完了時の上型成形面と下型成形面
との距離である)になるように、ガラスをプレスするプ
レス成形処理を行って窪み部を有するガラス基板を得た
後、少なくとも該ガラス基板における窪み部を有しない
面をラッピング処理することによって孔開けすることを
特徴とする中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板
の製造方法。
Description
ドディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
されるハードディスクとしては、ガラス製の円盤状基板
に金属層を積層したタイプのものが知られている。その
ようなハードディスクに使用されるガラス基板は従来か
ら、当該基板の製造効率上、中央部に孔を開けて製造さ
れるのが一般的であり、詳しくは図7のフローチャート
に示されるような幾つかの工程を経て製造されている。
まず、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融ガ
ラスを下型上に流し込み、上型によってプレス成形する
(プレス成形工程)。プレス成形工程においては、一般
に、図8に示されるような方法が採用されている。図8で
は、平面形状を有する成形面を備えた上型101および下
型102によって、ガラス素材103を所定厚みにプレス成形
する(特開平11-255524号公報)。
板)は結晶化またはアニ−ルされ、冷却される(結晶化
工程またはアニール工程)。冷却されたガラス基板は、
コアリング工程において中央部を切断することによって
孔開けされ、必要により外周端部も切断される。コアリ
ング工程における切断方法としては、研削による内外径
加工やガラス基板の少なくとも一方の面にケガキを入
れ、当該面を上側にした状態で切断部分に衝撃体によっ
て衝撃を付与する方法(特開平11-116261号公報)、ガ
ラス基板にレーザービームで浅い切れ目を付けることに
より分割する方法(例えば、特開2000-281371号公報)
等が一般に採用されている。コアリング処理されたガラ
ス基板は第1ラッピング工程に供され、両表面を研削加
工され、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の
平行度、平坦度および厚みを予備調整される(第1ラッ
ピング工程)。平行度等が予備調整されたガラス基板
は、外周端面およびガラス基板における孔の内周端面を
研削されたり、面取りされて、ガラス基板の外径寸法お
よび真円度、孔の内径寸法、ならびにガラス基板と孔と
の同心度を微調整される(端面精密加工工程)。外径寸
法等が微調整されたガラス基板は、外周端面および孔の
内周端面を研磨されて微細なキズ等を除去される(端面
研磨加工工程)。端面を研磨されたガラス基板は両表面
を再度、研削加工され、ガラス基板の全体形状、すなわ
ちガラス基板の平行度、平坦度および厚みを微調整され
る(第2ラッピング工程)。平行度等が微調整されたガ
ラス基板はポリッシング工程に供されて、両表面を研磨
加工され、所定の平滑度を達成する。ポリッシング工程
は、場合によっては2段あるいは3段行っても構わない。
ポリッシング加工されたガラス基材は最後に洗浄および
検査され、合格したものだけが、ハードディスク用基板
として使用され得る。
方法では、コアリング工程において上記切断方法により
両面が平行なガラス基板に孔を開けていたため、処理時
間が長すぎたり、使用する装置が高価であったり、処理
作業が煩雑であったりして、製造コストの増大が問題と
なっていた。
を備えたハードディスク用ガラス基板を製造する方法を
提供することを目的とする。
平行な平面で切ってなる円錐台形状を有し、底面の直径
Aに対する切り口面の直径Bの割合(B/A)が0.7〜0.99で
ある突起部を上型および下型の一方の成形面に備えた上
下型間で、該突起部によってプレスされるガラスの厚み
Dが0.1T1〜0.5T1(T1はプレス成形処理完了時の上型成
形面と下型成形面との距離である)になるように、ガラ
スをプレスするプレス成形処理を行って窪み部を有する
ガラス基板を得た後、少なくとも該ガラス基板における
窪み部を有しない面をラッピング処理することによって
孔開けすることを特徴とする中央孔を備えたハードディ
スク用ガラス基板の製造方法に関する。
の一方の成形面に備えた上下型間でプレス成形処理して
窪み部を有するガラス基板を得た後、該ガラス基板にお
ける窪み部を有しない面を、従来の製造方法においても
行っていたラッピング処理に供することによって孔開け
するため、従来のコアリング処理を省略することがで
き、結果として簡便に、かつ低コストで中央孔を備えた
ハードディスク用ガラス基板を製造できる。
ィスク用ガラス基板の製造方法を図2のフローチャート
を用いて説明する。図2は本発明の方法における第1の態
様()および第2の態様()を同時に表すフローチ
ャートを示す。
する(ガラス溶融工程)。使用されるガラス素材は特に
制限されず、リチウムアルミノシリケートガラスやアル
ミノシリケートガラスなどのガラス素材を、得ようとす
るガラス基板の所望の形態(結晶化ガラスまたは非晶質
ガラス)に応じて適宜選択して用いればよい。溶融温度
は使用されるガラス素材によって異なり、溶融ガラス
が、後述のプレス成形工程において突起部の形状を良好
に転写され得るような粘度を有していれば良い。
し込み、特定の突起部を上型および下型の一方の成形面
に備えた上下型間でガラスをプレスするプレス成形処理
を行って、窪み部を有するガラス基板を得る(窪み付き
プレス成形工程)。以下、特定の突起部を上型の成形面
にのみ備えた上下型間でプレス成形処理する場合につい
て説明するが、突起部を下型の成形面にのみ備えた上下
型間でプレス成形処理してもよい。1の上型に対して複
数個の下型を備えたターンテーブルを用いて複数個連続
成形を行う場合における装置コストの低減の観点から
は、突起部は上型の成形面にのみ備わっていることが好
ましい。1の突起部を備え付けるだけで済み、また成形
終了後において下型上の成形品を容易に取り出すことが
できるためである。
工程において使用される上型1は成形面3の中央に突起部
10を備えている。突起部10は円錐、特に直円錐を底面と
平行な平面で切ってなる円錐台形状を有しており、底面
側で成形面に一体化されている。そのような突起部10に
おいては、拡大図に示すように底面の直径Aに対する切
り口面の直径Bの割合(B/A)は0.7〜0.99、好ましくは
0.85〜0.99である。上記割合が0.7未満であると、孔の
内周端面の傾斜がゆるすぎて内周端面の精密加工時の加
工量が多くなるため、製造コストが増加する。上記割合
が0.99を越えるとプレス成形終了後、上型が成形品から
容易に抜けないなどの問題が生じる。突起部底面の直径
Aは特に制限されないが、得ようとするハードディスク
用ガラス基板の所望直径に依存して決定されることが好
ましく、通常、当該所望直径をCとしたとき、Aは0.2C〜
0.4Cが適当である。Cは25〜100mmが一般的である。
心軸を通る断面においてテーパ面(側面)11が1の直線
で規定される1段直線系円錐台形状(図1)だけでな
く、曲線で規定される曲線系円錐台形状(図3(A))、
2の直線で規定される2段直線系円錐台形状(図3
(B))、3以上の直線で規定される多段直線系円錐台形
状(図示せず)等の形状をも含む概念で用いるものとす
る。図3(A)および(B)中、底面の直径Aおよび切り口
面の直径Bを示す。
面取りされて、切り口面が曲面形状を有していても良
い。例えば、図3(A)に示す円錐台形状における切り口
面の外周部分が面取りされてなる形状を図3(C)に示
す。そのような形状におけるBは面取り前の形状におけ
るBである。すなわち、Bは図3(C)に示す形状の頂点E
を含む切り口面の直径である。
H(例えば、図1(A)の拡大図参照)はプレス成形処理
完了時の上型成形面と下型成形面との距離T1(図1(B)
参照)に依存して決定され、0.5T1〜0.9T1、好ましくは
0.7T1〜0.8T1である。T1は得ようとするハードディスク
用ガラス基板の所望厚みおよび後述のラッピング工程お
よびポリッシング工程における研磨量および研削量を勘
案して決定される値であり、通常、0.7〜2.5mm、特に0.
8〜2.0mmが適当である。
ず、上型1および下型2を構成する材料と同様の材料が使
用可能であるが、離型性向上の観点からは、熱伝導の良
い材料、特に平面部の金型材料、特に上型材料の熱伝導
度の2倍以上の熱伝導度(好ましくは25〜60kcal/mh℃)
を有する材料を用いる。そのような材料として、例え
ば、超硬合金、鋳鉄が挙げられる。突起部の離型性が向
上すると、ガラス基板における比較的薄い厚みの窪み部
を容易に形成できる。
制限されないが、ガラス基板における比較的薄い厚みの
窪み部を容易に形成する観点から、プレス成形時におい
てガラス基板における窪み部の温度を比較的高く保てる
構成および材料とすることが好ましい。ガラス基板にお
ける窪み部の温度を比較的高く保つことによって、当該
窪み部が熱によって延伸し易くなる。例えば、下型を中
央部と外周部とに分割した構成とし、下型に、中央部が
外周部より高くなるような温度分布を持たせる。
(B)に示すように、突起部10によってプレスされるガ
ラスの厚みDが0.1T1〜0.5T1(T1は前述したプレス成形
処理完了時の上型成形面と下型成形面との距離T1と同様
である)、好ましくは0.2T1〜0.3T1になるように、ガラ
スをプレスして、ガラスに突起部10および成形面3,4の
形状を良好に転写させ、突起部に対応する窪み部を有す
るガラス基板を得る。Dが0.5T1を越えると、後述の第1
ラッピング工程において孔を開けるために研削する量が
増え、当該工程における負荷が大きくなり、製造コスト
が増大する。また、ガラス基板に成形面が十分に転写さ
れず、得られるガラス基板の面精度が悪化する。Dが0.1
T1未満であると、当該工程で得られるガラス基板が後述
の工程での処理に耐え得る強度を有することができな
い。このため、実際にはガラス基板がそのような強度を
確保できる程度までT1を大きく設定する必要が生じ、結
果として研削量の増加により製造コストが増大する。
ラス基板の製造方法における成形条件と同様の条件を採
用することができる。例えば、プレス圧は20〜100kg/cm
2、プレス時間は0.3〜2.0秒が適当である。
は、通常、ガラス基板の結晶化処理またはアニール処理
を行い、結果として冷却する(結晶化工程またはアニー
ル工程)。結晶化処理またはアニール処理のいずれを行
うかは、得ようとするガラス基板の所望の形態(結晶質
または非晶質)に依存し、すなわち結晶性ガラス基板を
得たい場合には結晶化処理を行い、また非晶質ガラス基
板を得たい場合にはアニール処理を行う。
知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における結
晶化処理およびアニール処理の方法と同様の方法を採用
することができる。例えば、結晶化処理においては、通
常、ガラス基板をガラス材料のガラス転移点(Tg)+50
℃〜Tg+300℃まで加熱した後、一定温度を保持した
り、温度制御しながらガラスのガラス転移温度(Tg)付
近まで冷却し、それ以降は徐冷するが、加熱温度、保持
時間およびTgまでの冷却速度等を適宜選択することによ
ってガラス基板の物性、例えば、熱膨張率、ヤング率、
結晶化度等を制御することができる。アニール処理にお
いては、通常、ガラスのTg付近で一定時間保持後、歪点
まで比較的小さな冷却速度で冷却し、それ以降は比較的
大きな冷却速度で冷却する。本発明において結晶化処理
またはアニール処理、特に結晶化処理では、処理装置内
での省スペース化の観点から、また平坦度を小さくする
観点から、複数のガラス基板を重ね、その上から重し等
によって加圧して処理することが好ましい。このときガ
ラス基板は、基板同士の融着防止の観点から、セッター
材と交互に重ねられて処理されることが好ましい。
おいて冷却されたガラス基板をコアリング処理すること
なく、第1ラッピング処理する(第1ラッピング(Lappin
g)工程)。第1ラッピング工程においては、少なくとも
ガラス基板における窪み部を有しない面を研削処理する
ことによって孔開けし、さらに所望により窪み部を有す
る面も研削処理することによってガラス基板の平行度、
平坦度および厚みを予備調整する。ここで予備調整と
は、以降の別の工程において寸法等を規定の寸法等に調
整できる程度に大まかに調整することをいう。
型中心軸の一方の軸が他方の軸に対して傾くことにより
生じる「成形面における上型成形面が転写される面(上
面)と下型成形面が転写される面(下面)との傾き」の
程度を表す一つの指標である。本発明において上面と下
面との傾きは「下面を水平面とみなしたときの上面の傾
き」であり、平行度は当該傾きが最も大きな断面におけ
る下面の幅100mm長あたりの上面の傾きによる高低差で
表される。
指標であり、成形品を水平面上に置いたときの上面最高
点と水平面との距離で表される。
ーター(ミツトヨ社製)によって測定された値を用いて
いるが、いかなる装置によって測定されてもよい。
面のいずれの面のラッピング処理方法も、公知のハード
ディスク用ガラス基板の製造方法における第1ラッピン
グ処理の方法と同様の方法を採用することができる。詳
しくは、粒度♯600以上、♯2000以下、好ましくは♯800
以上、♯2000以下の固定砥粒(ダイヤペレット)または
遊離砥粒(アルミナ、SiC等のスラリー)等の研削材を
用いて研削する。第1ラッピング工程で使用されるラッ
ピング装置としては、例えば、両面ラッピング装置(ハ
マイ社製)、両面ラッピング装置(スピードファム社
製)が挙げられる。
窪み部を有しない面、所望により両面に対して行うこと
によって、少なくとも孔開けを行い、好ましくは孔開け
とガラス基板の平行度、平坦度および厚みならびに両面
の表面粗さおよび最大表面粗さに関する予備調整を行
う。
有しない面で、ガラス基板における窪み部の厚み(前記
のDに等しい)以上の研削量が達成される。通常、0.1〜
0.9mmである。窪み部を有する面をラッピング処理する
場合において、当該面の研削量は通常、0.1〜0.3mmであ
る。
理されたガラス基板を、外径加工処理、例えば外径スク
ライブ割断処理または外径グラインディング処理し、さ
らに端面精密加工処理してもよいし(第1の態様)、ま
たは第1ラッピング処理されたガラス基板をそのまま端
面精密加工処理してもよい(第2の態様)。
理および外径グラインディング処理の方法は公知のハー
ドディスク用ガラス基板の製造方法における外径スクラ
イブ割断処理および外径グラインディング処理の方法と
同様の方法を採用することができる。例えば、外径スク
ライブ割断処理においては、ガラス基板の外周端部を、
該孔を基準としてスクライブ割断処理する。詳しくは、
図4に示すように、ダイヤモンドカッター20等を用いて
ガラス基板21の外周端部22を、孔23と同心円状に切り目
(スクライブ線)24を入れる。さらに、ダイヤモンドカ
ッター等により外周部22における複数の部位(図4中に
おいては3箇所の部位)に切リ目(スクライブ線)25を
径方向に入れ、外周部22を径方向の外側に引っ張ること
により、ガラス基板から外周部を割って、分断する。ま
た例えば、外径グラインディング処理においては、図5
に示すように、複数のガラス基板30を、該孔に軸31を通
すことによって重ね合わせ、一括して外周端部を加工砥
石32によってグラインディング処理する。上記のいずれ
の処理においても、所望によりさらに外周端面および/
または内周端面を研削加工し、ガラス基板の外径寸法お
よび真円度、ならびにガラス基板と孔との同心度が予備
調整される。図5に示すような外径グラインディング処
理を行うと、複数のガラス基板を一括して処理できるた
め、製造コストを容易に低減できる。
径グラインディング処理(以下、単に外径スクライブ割
断処理等という)されたガラス基板を端面精密加工処理
する(第1の態様)。本発明においては、第1ラッピング
処理されたガラス基板を、外径スクライブ割断処理また
は外径グラインディング処理することなく、そのまま端
面精密加工処理してもよい(第2の態様)。上記プレス
成形工程においてガラス外周端部はいかなる部材とも接
触せず、ガラス基板の外周端面が良好な自由曲面を有し
ているためである。
ィスク用ガラス基板の製造方法における端面精密加工処
理の方法と同様の方法を採用することができる。例え
ば、第1の態様において外径スクライブ割断処理等がな
されたガラス基板については、ガラス基板における外周
端面および孔の内周端面を研削したり、面取りして、ガ
ラス基板の外径寸法および真円度、孔の内径寸法、なら
びにガラス基板と孔との同心度を規定の寸法および度合
いに微調整する。また、第2の態様において第1ラッピン
グ処理されたガラス基板については、ガラス基板におけ
る内周端面を研削したり、面取りして、ガラス基板にお
ける孔の内径寸法および真円度を規定の寸法および度合
いに微調整する。研削材としては、ダイヤモンド砥石が
使用可能である。
法等が微調整されたガラス基板の端面研磨加工処理を行
う(端面研磨加工工程)。端面研磨加工処理の方法は公
知のハードディスク用ガラス基板の製造方法における端
面研磨加工処理の方法と同様の方法を採用することがで
きる。例えば、第1の態様において外径スクライブ割断
処理等がなされたガラス基板ついては、ガラス基板にお
ける外周端面および孔の内周端面を研磨して、微細なキ
ズ等を除去する。また、第2の態様において第1ラッピン
グ処理されたガラス基板については、ガラス基板におけ
る孔の内周端面を研磨して、微細なキズ等を除去する。
端面にキズを有していると、ガラス基板が衝撃によって
破損し易いためである。当該工程において使用される研
磨材としては、例えば、酸化セリウムが挙げられる。
研磨されたガラス基板の両表面を研削加工して面の形状
精度を創生(修正)する(第2ラッピング工程)。すな
わち最終的なディスクとしての形状品質(平行度、平坦
度および厚み)を達成し、同時に後述のポリッシング工
程で調整可能な表面粗さおよび最大表面粗さを達成す
る。
ディスク用ガラス基板の製造方法における第2ラッピン
グ処理の方法と同様の方法を採用することができる。詳
しくは、結果として、ガラス基板は通常、当該工程で厚
み方向において厚みt(当該工程直前の厚み)に対して
両面でt/3〜t/20研削される。第2ラッピング工程で使
用されるラッピング装置としては、第1ラッピング工程
で使用されるラッピング装置として例示した装置と同様
のものが挙げられる。
を研磨加工して面の平滑性を創生(調整)する(ポリッ
シング(Polishing)工程)。すなわち、表面の凹凸を均
して最終的なディスクとしての平滑度(表面粗さ、最大
表面粗さ)を達成する。
ィスク用ガラス基板の製造方法におけるポリッシング処
理の方法と同様の方法を採用することができる。詳しく
は、平均一次粒径2μm以下、好ましくは1μm以下の酸化
セリウム等の研磨材を用いて研磨する。
材を洗浄および検査する(洗浄工程および検査工程)。
洗浄工程においてはガラス基板を常温の流水にさらすな
どして基板表面のガラスくずを除去すればよい。検査工
程においては、基板の平行度、平坦度、厚み、表面粗
さ、最大表面粗さ、端部形状(ロールオフ)、微小ウネ
リ等が所望の範囲内であることが確認され、ハードディ
スク用基板として使用される。
造方法の別の態様においては、上記の窪み付きプレス成
形処理において、上型と下型との間に平行スペーサーを
介在させ、かつガラスの外周部と平行スペーサーとが非
接触の状態を維持しながら、上型と下型との間でガラス
をプレスすることが好ましい。平行スペーサーはプレス
成形完了直前に上型成形面と下型成形面とを平行に保持
する機能を有する。そのようなプレス成形処理を行うこ
とによって、得られるガラス基板の平行度、平坦度およ
び厚みバラツキの精度が向上する。このため、第1ラッ
ピング工程で主として平行度、平坦度および厚みを予備
調整する目的で行われる窪み部を有する面のラッピング
処理を省略することができる。また、たとえ窪み部を有
する面の第1ラッピング処理を行うにしても当該処理時
間を短縮でき、製造コストを低減できる。
示すように、上型1と下型2とを接近移動させてガラスを
プレスすると、当該接近移動は平行スペーサー5によっ
て制限され、溶融ガラス6の厚みが規定される(図6
(B)参照)。このとき、平行スペーサー5は、プレス成
形時においてガラスの外周部と平行スペーサーとが非接
触の状態を維持できるように(図6(B)参照)、成形面
における外縁部に設置されており、ガラスの外周部は平
行スペーサー5と接触しないため、平行度、平坦度およ
び厚みバラツキについての優れた精度を達成することが
できる。また金型成形面を有効にガラス基板表面に転写
させることもできる。プレス成形時においてガラスが平
行スペーサーと接触すると、平行スペーサーと成形面と
の間へ溶融ガラスが浸入し、得られるガラス基板の平行
度および平坦度が悪化する。さらに成形を繰り返すと、
平行度および平坦度の悪化は顕著になり、厚みのバラツ
キも顕著になる。また、成形面を有効に転写することが
できない。図6(A)は平行スペーサーおよび突起部を備
えた上型および下型の概略断面図、上型を下から見たと
きの概略見取り図および下型を上から見たときの概略見
取り図を示す。図6(B)は図6(A)の上型および下型を
用いてプレスしたときの上型および下型の概略状態図を
示す。
厚みバラツキついての精度の向上を達成するため、平行
スペーサーにおける上型および下型との接触面、上型お
よび下型における平行スペーサーとの接触面、および上
型および下型の成形面は平行度10μm以下、好ましくは5
μm以下、平坦度10μm以下、好ましくは5μm以下である
ことが好ましい。平行スペーサー5の厚み(高さ)は上
記T1に相当する。
型1に設置されているが、下型2に設置されてもよい。平
行スペーサー5を上型1に設置すると、1の上型に対して
複数個の下型を備えたターンテーブルを用いて複数個同
時成形を行う場合、最少の数の平行スペーサーを用意す
るだけで済み、また成形終了後において下型上の成形品
を容易に取り出すことができる。
角柱形状を有し、下型成形面4と面接触するが、その形
状は両型の成形面を平行に保てる限り特に制限されず、
例えば、略角柱形状、略円柱形状、略角錐体形状、略円
錐体形状、略棒形状または略ピン形状等であってよい。
そのような形状に応じて平行スペーサーは成形面4と
点、線、または面で接触する。平行度、平坦度および厚
み等の精度が優れた成形品をより長期にわたって得る観
点からは、下型成形面と面で接触するような平行スペー
サーを用いることが好ましい。プレス成形時においてガ
ラスと平行スペーサーとが接触しない限り、平行スペー
サー5はリング形状を有していてもよい。
ー5が使用されているが、平行スペーサーの数は両型の
成形面を平行に保てる限り特に制限されず、下型成形面
と面または線接触する場合で少なくとも2個、好ましく
は3個、下型成形面と点接触する場合で少なくとも3個、
好ましくは3個が適当である。
基板の厚みおよび平行度に反映するため、使用される全
ての平行スペーサーの厚み(高さ)は厳密に等しくして
おくことが必要である。
および(B)においてと同じ番号が付された部材は、図1
(A)および(B)における同番号の部材と同様であるた
め、それらの説明を省略する。
備えたハードディスク用ガラス基板を製造した。詳しい
条件を表1および2に示す。
が0.28T1になるようにガラスをプレスしたこと以外、実
施例1と同様にして、中央孔を備えたガラス基板を製造
した。得られたガラス基板は外周直径67mm、孔の内周直
径19mm、厚み1800μmを有していた。 (突起部)曲線系円錐台形状(図3(A)参照)、B/A=0.
9、H=1.3mm、材料:超硬合金。
が0.3T1になるようにガラスをプレスしたこと以外、実
施例1と同様にして、中央孔を備えたガラス基板を製造
した。得られたガラス基板は外周直径67mm、孔の内周直
径19mm、厚み1300μmを有していた。 (突起部)2段直線系円錐台形状(図3(B)参照)、B/A
=0.9、H=0.9mm、材料:超硬合金。
施例1と同様にして、中央孔を備えたガラス基板を製造
しようとしたが、プレス成形時において上型がガラス基
板から容易に抜けず、該基板が変形した。 (突起部)円柱形状、B/A=1.00、H=1.3mm、材料:超
硬合金。
実施例1においてと同様にガラス基板を製造しようとし
たが、成形直後の冷却工程において基板が割れた。
に基づく平均の値である。最大表面粗さ(Rmax)はJIS
B0601に基づく最大の値である。
ストで中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板を製
造することができる。
板の製造方法を説明するための上下型の概略構成図およ
び突起部の拡大図を示し、(B)は(A)の上下型を用い
てプレスしたときの上型および下型の概略状態図を示
す。
方法の一例のフローチャートを示す。
の形状の一例を示す。
略断面図および概略見取り図を示す。
概略断面図を示す。
板の製造方法の一例を説明するための上下型の概略構成
図を示し、(B)は(A)の上下型を用いてプレスしたと
きの上型および下型の概略状態図を示す。
法のフローチャートを示す。
の概略構成図を示す。
ペーサー、6;ガラス、10;突起部、11;テーパ面、2
0;ダイヤモンドカッター、21;ガラス基板、22;外周
端部、23;孔、24;切れ目、25;切れ目、30;ガラス基
板、31;軸、32;加工砥石、101;上型、102;下型、10
3;ガラス。
Claims (3)
- 【請求項1】 円錐を底面と平行な平面で切ってなる円
錐台形状を有し、底面の直径Aに対する切り口面の直径B
の割合(B/A)が0.7〜0.99である突起部を上型および下
型の一方の成形面に備えた上下型間で、該突起部によっ
てプレスされるガラスの厚みDが0.1T1〜0.5T1(T1はプ
レス成形処理完了時の上型成形面と下型成形面との距離
である)になるように、ガラスをプレスするプレス成形
処理を行って窪み部を有するガラス基板を得た後、少な
くとも該ガラス基板における窪み部を有しない面をラッ
ピング処理することによって孔開けすることを特徴とす
る中央孔を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方
法。 - 【請求項2】 孔開けされたガラス基板の外周端部を、
該孔を基準として外径加工する請求項1に記載の中央孔
を備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項3】 孔開けされた複数のガラス基板を、該孔
に軸を通すことによって重ね合わせ、一括して外周端部
をグラインディング処理する請求項1に記載の中央孔を
備えたハードディスク用ガラス基板の製造方法。
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US10/825,178 US8051678B2 (en) | 2001-08-08 | 2004-04-16 | Press molding method for manufacturing of glass substrate |
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JP4186443B2 JP4186443B2 (ja) | 2008-11-26 |
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---|---|---|---|---|
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WO2013168625A1 (ja) * | 2012-05-09 | 2013-11-14 | コニカミノルタ株式会社 | ガラス板の製造方法及び製造装置 |
-
2001
- 2001-08-08 JP JP2001240746A patent/JP4186443B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2013168625A1 (ja) * | 2012-05-09 | 2016-01-07 | コニカミノルタ株式会社 | ガラス板の製造方法及び製造装置 |
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